JP2014224110A - ロキソプロフェン含有外用剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、ロキソプロフェンの鎮痛消炎作用を更に向上させた、ロキソプロフェン含有外用鎮痛消炎剤組成物を提供すことである。【解決手段】ロキソプロフェンおよびノニル酸ワニリルアミドを含有する外用消炎鎮痛剤組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ロキソプロフェンのもつ優れた鎮痛消炎作用を減弱することなく、打撲・捻挫・激しいスポーツの後・腱鞘炎・所謂テニス肘や加齢などにおける、筋肉痛・腰痛・関節痛・肩痛等の症状を改善する外用剤組成物に関する。より詳しくは、ロキソプロフェンを含有する外用剤組成物に、特定の局所温感刺激成分であるノニル酸ワニリルアミドを更に含有させることによって、消炎作用を更に向上させた外用消炎鎮痛剤に関する。
プロピオン酸系非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(NSAID)であるロキソプロフェンは、他のNSAIDと同様にプロスタグランジン生合成の抑制作用に基づく解熱・鎮痛・消炎作用を有する。なお、ロキソプロフェンは経口投与後に胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管から吸収され、体内で活性体となるプロドラッグであるため、活性体よりも胃粘膜障害は少ないという特徴を有することでも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
近年、ロキソプロフェンは外用消炎鎮痛剤としてもパップ剤、テープ剤及びゲル剤が臨床に供されている(例えば、非特許文献2参照)。なお、ロキソプロフェンは、皮膚においてもケトン還元酵素によってトランス−OH体(活性体)に変換されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、トウガラシエキス、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミドおよびニコチン酸ベンジルエステル等は、局所温感刺激作用を有する成分として、OTC外用鎮痛消炎剤に添加される場合がある(例えば、非特許文献3参照)。
ロキソプロフェンとノニル酸ワニリルアミドを含有する外用剤組成物は知られていないが、ロキソプロフェンに、薬効補助剤としてトウガラシ末、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、カプサイシン、ノニル酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステルなどの温感刺激物を配合することが可能な旨の記載がある(例えば、特許文献2の[0029]参照)。
薬理と治療 Vol.16 No.2 1988 p.611-619
JAPIC 医療用医薬品集 2013 丸善 2012
OTC医薬品辞典2010〜11 じほう 2010
本発明の課題は、ロキソプロフェンの鎮痛消炎作用を更に向上させた、ロキソプロフェン含有外用鎮痛消炎剤組成物を提供すことである。
本研究の結果、ロキソプロフェンに、特定の温感刺激成分のノニル酸ワニリルアミドを添加した場合に限って、ロキソプロフェンの消炎作用が増強されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ロキソプロフェンおよびノニル酸ワニリルアミドを含有する外用消炎鎮痛剤組成物、好適には、
(2)ロキソプロフェンの抗炎症作用が増強されたことを特徴とする、上記(1)に記載の外用消炎鎮痛剤組成物
である。
(1)ロキソプロフェンおよびノニル酸ワニリルアミドを含有する外用消炎鎮痛剤組成物、好適には、
(2)ロキソプロフェンの抗炎症作用が増強されたことを特徴とする、上記(1)に記載の外用消炎鎮痛剤組成物
である。
本発明の、ロキソプロフェンに、ノニル酸ワニリルアミドを含有させた外用剤組成物は、ロキソプロフェンのもつ優れた消炎作用を更に増強することができるために有用である。
本発明のロキソプロフェンは、ロキソプロフェンナトリウム水和物として第16改正日本薬局方に掲載されている。また、ノニル酸ワニリルアミド(ノナン酸ワニリルアミドまたはノニル酸バニリルアミドともいう)は医薬品添加物辞典2005に掲載されている。
本発明の外用剤組成物において含有される、ロキソプロフェンの重量%は通常、0.1〜10%であり、好ましくは、0.5〜5%である。これを1日1〜数回塗布乃至貼付する。また、ノニル酸ワニリルアミドの添加量は特に限定されないが、温感が賦与されかつ皮膚刺激が惹起されない濃度が望ましく、好適には0.01〜5%である。
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物の具体的な剤形としては、例えば、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、貼付剤、エアゾール剤等をあげることができ、各
剤形に適した添加剤や基材を適宜使用し、日本薬局方などに記載される通常の方法に従い、製造することができる。
剤形に適した添加剤や基材を適宜使用し、日本薬局方などに記載される通常の方法に従い、製造することができる。
上記各剤形において、その剤形に応じ、通常使用される基剤又は各種添加剤を使用することもできる。例えば、液剤の場合、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;水;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ヒマシ油等を溶剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等をpH調整剤として、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の高分子を粘性付与剤として、使用することができ、クリーム剤の場合、ワセリン等の炭化水素類;エステル類;トリグリセライド類;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類等を油相成分として、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート等のアニオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン界面活性剤;ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40、モノステアリン酸エチレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン等のノニオン界面活性剤等を界面活性剤として、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等を保湿剤として使用することができ、軟膏剤の場合、ワセリン、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;プラスチベース;精製ラノリン、ラノリンアルコール、水添ラノリン等のラノリン類;動植物油;天然ワックス;ロウ等を軟膏基剤として使用することができ、ゲル剤の場合、ステアリン酸アルミニウム、脂肪酸デキストランエステル等を油性ゲル基剤として、カルボキシビニルポリマー、ベントナイト等を水性ゲル基剤として使用することができ、貼付剤の場合、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガムなどが、保湿剤としてはグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を粘着性高分子として、硫酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、トリグリシジルイソシアネート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグルシジルエーテル、トリグリセリンジグリシジルエーテル等を硬化剤として、カオリン、無水ケイ酸、酸化亜鉛、酸化チタン等を無機粉体として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を界面活性剤として使用することができ、エアゾール剤の場合、塩化フッ化炭素類;塩化フッ化炭化水素類;液化石油ガス類;ジメチルエーテル類を液化ガス噴射剤として、窒素ガス、二酸化炭素ガス、亜酸化窒素ガスを圧縮ガス噴射剤として、使用することができる。
以下に、試験例及び製剤例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
(製剤例1)液剤
(表1)
100g中(g) a b c
―――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム 0.5 1 2
ノニル酸ワニリルアミド 0.1 0.3 1
エタノール 50 50 50
精製水 残部 残部 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
上記成分および分量をとり、日局製剤総則「外用液剤」の項に準じて液剤を製造する。
(表1)
100g中(g) a b c
―――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム 0.5 1 2
ノニル酸ワニリルアミド 0.1 0.3 1
エタノール 50 50 50
精製水 残部 残部 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
上記成分および分量をとり、日局製剤総則「外用液剤」の項に準じて液剤を製造する。
(製剤例2)ゲル剤
(表2)
100g中(g) a b c
―――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム 0.5 1 2
ノニル酸ワニリルアミド 0.1 0.3 1
カルボキシビニルポリマー 2 2 2
ヒプロメロース 1.5 1.5 1.5
エタノール 50 50 50
精製水 残部 残部 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
(表2)
100g中(g) a b c
―――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェンナトリウム 0.5 1 2
ノニル酸ワニリルアミド 0.1 0.3 1
カルボキシビニルポリマー 2 2 2
ヒプロメロース 1.5 1.5 1.5
エタノール 50 50 50
精製水 残部 残部 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
上記成分および分量をとり、日局製剤総則「ゲル剤」の項に準じてゲル剤を製造する。
(試験例1)消炎効果試験
(1)被検物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共製のものを、ノニル酸ワニリルアミドおよびニコチン酸ベンジルエステルは和光純薬工業製のものを使用した。各被験物質は、溶媒として50%エタノールを用い、ロキソプロフェンについては1%濃度となるように調製し、ノニル酸ワニリルアミドおよびニコチン酸ベンジルエステルについては0.5%となるように調製した。
(2)使用動物
Wistar今道雄性ラット5週齢(動物繁殖研究所)を5日間の検疫及び2日間の馴化後に使用した。動物は温度20−26℃、湿度30−80%、照明時間8−20時に制御されたラット飼育室内で5匹/ケージにて飼育した。マウス・ラット用固形試料(フナバシファーム製、F-2)およびフィルターを通した水道水を自由に摂取させ、1週間予備飼育した後、毛並、体重増加などの一般症状の良好な動物を選別して供試した。
(3)試験方法
試験前日夕刻より絶食(飲水は自由)させ、試験当日の朝より絶水し試験終了まで継続した。試験当日、動物の個体識別のための標識を行った後、動物用天秤を用いて体重を測定後、ラットの右後肢体積を、足容積測定装置(Volume Meter TK-105、室町機械製)を用いて測定して投与前値とした。
溶媒として50%エタノールを用いて1%濃度のカラゲニン(シグマアルドリッチジャパン製)溶液に調製したものを、被験物質塗布直前にラットの右後肢皮下に0.1mL投与して炎症浮腫を惹起させた。
カラゲニン皮下投与(起炎)直後に、各被験物質をラットの右後肢に0.1mL塗布した。塗布後、動物を速やかに補綴器具で補綴し、塗布部分を動物が舐めることを回避した。
カラゲニン皮下投与3時間後に右後肢容積を測定し、各固体の浮腫強度を次式により算出した(N=5)。
(1)被検物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共製のものを、ノニル酸ワニリルアミドおよびニコチン酸ベンジルエステルは和光純薬工業製のものを使用した。各被験物質は、溶媒として50%エタノールを用い、ロキソプロフェンについては1%濃度となるように調製し、ノニル酸ワニリルアミドおよびニコチン酸ベンジルエステルについては0.5%となるように調製した。
(2)使用動物
Wistar今道雄性ラット5週齢(動物繁殖研究所)を5日間の検疫及び2日間の馴化後に使用した。動物は温度20−26℃、湿度30−80%、照明時間8−20時に制御されたラット飼育室内で5匹/ケージにて飼育した。マウス・ラット用固形試料(フナバシファーム製、F-2)およびフィルターを通した水道水を自由に摂取させ、1週間予備飼育した後、毛並、体重増加などの一般症状の良好な動物を選別して供試した。
(3)試験方法
試験前日夕刻より絶食(飲水は自由)させ、試験当日の朝より絶水し試験終了まで継続した。試験当日、動物の個体識別のための標識を行った後、動物用天秤を用いて体重を測定後、ラットの右後肢体積を、足容積測定装置(Volume Meter TK-105、室町機械製)を用いて測定して投与前値とした。
溶媒として50%エタノールを用いて1%濃度のカラゲニン(シグマアルドリッチジャパン製)溶液に調製したものを、被験物質塗布直前にラットの右後肢皮下に0.1mL投与して炎症浮腫を惹起させた。
カラゲニン皮下投与(起炎)直後に、各被験物質をラットの右後肢に0.1mL塗布した。塗布後、動物を速やかに補綴器具で補綴し、塗布部分を動物が舐めることを回避した。
カラゲニン皮下投与3時間後に右後肢容積を測定し、各固体の浮腫強度を次式により算出した(N=5)。
対照群(50%エタノール媒体のみ投与)の平均浮腫強度に対する被験物質投与群のそれより、浮腫抑制率(%)を次式より求めた。
(4)試験結果
各被験物質群における、浮腫抑制率の結果を表3に示す(N=5)。
各被験物質群における、浮腫抑制率の結果を表3に示す(N=5)。
(表3)
被験薬(濃度%) 浮腫抑制率(%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェン(1) 25.8
ノニル酸ワニリルアミド(0.5) 0.0
ロキソプロフェン(1)+ノニル酸ワニリルアミド(0.5) 38.2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ニコチン酸ベンジルエステル(0.5) 5.2
ロキソプロフェン(1)+ニコチン酸ベンジルエステル(0.5) 30.3
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
被験薬(濃度%) 浮腫抑制率(%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェン(1) 25.8
ノニル酸ワニリルアミド(0.5) 0.0
ロキソプロフェン(1)+ノニル酸ワニリルアミド(0.5) 38.2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ニコチン酸ベンジルエステル(0.5) 5.2
ロキソプロフェン(1)+ニコチン酸ベンジルエステル(0.5) 30.3
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
表3より、ロキソプロフェンにノニル酸ワニリルアミドを併用すると浮腫抑制率の増強作用が認められたが、同じ、刺激成分であるニコチン酸ベンジルエステルの併用では際立った増強は発現しないという意外な結果が得られた。
以上の結果より、ロキソプロフェンを含有する外用鎮痛消炎剤において、更に、ノニル酸ワニリルアミドを添加すれば、ノニル酸ワニリルアミドのもつ温感効果の付加のみならず、ロキソプロフェンの抗浮腫効果が増強されることが判明した。
以上の結果より、ロキソプロフェンを含有する外用鎮痛消炎剤において、更に、ノニル酸ワニリルアミドを添加すれば、ノニル酸ワニリルアミドのもつ温感効果の付加のみならず、ロキソプロフェンの抗浮腫効果が増強されることが判明した。
(試験例2)消炎効果試験
上記試験例1の結果の妥当性を検証するために、後日、同じ条件で以下の確認試験を実施した。
(1)被検物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共製のものを、カプサイシンは和光純薬工業製のものを使用した。各被験物質は、溶媒として50%エタノールを用い、ロキソプロフェンについては1%濃度となるように調製し、カプサイシンについては0.5%となるように調製した。
(2)使用動物
Wistar今道雄性ラット5週齢(動物繁殖研究所)を5日間の検疫及び2日間の馴化後に使用した。動物は温度20−26℃、湿度30−80%、照明時間8−20時に制御されたラット飼育室内で5匹/ケージにて飼育した。マウス・ラット用固形試料(フナバシファーム製、F-2)およびフィルターを通した水道水を自由に摂取させ、1週間予備飼育した後、毛並、体重増加などの一般症状の良好な動物を選別して供試した。
(3)試験方法
試験前日夕刻より絶食(飲水は自由)させ、試験当日の朝より絶水し試験終了まで継続した。試験当日、動物の個体識別のための標識を行った後、動物用天秤を用いて体重を測定後、ラットの右後肢体積を、足容積測定装置(Volume Meter TK-105、室町機械製)を用いて測定して投与前値とした。
溶媒として50%エタノールを用いて1%濃度のカラゲニン(シグマアルドリッチジャパン製)溶液に調製したものを、被験物質塗布直前にラットの右後肢皮下に0.1mL投与して炎症浮腫を惹起させた。
カラゲニン皮下投与(起炎)直後に、各被験物質をラットの右後肢に0.1mL塗布した。塗布後、動物を速やかに補綴器具で補綴し、塗布部分を動物が舐めることを回避した。
カラゲニン皮下投与3時間後に右後肢容積を測定し、各固体の浮腫強度を次式により算出した(N=5)。
上記試験例1の結果の妥当性を検証するために、後日、同じ条件で以下の確認試験を実施した。
(1)被検物質
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共製のものを、カプサイシンは和光純薬工業製のものを使用した。各被験物質は、溶媒として50%エタノールを用い、ロキソプロフェンについては1%濃度となるように調製し、カプサイシンについては0.5%となるように調製した。
(2)使用動物
Wistar今道雄性ラット5週齢(動物繁殖研究所)を5日間の検疫及び2日間の馴化後に使用した。動物は温度20−26℃、湿度30−80%、照明時間8−20時に制御されたラット飼育室内で5匹/ケージにて飼育した。マウス・ラット用固形試料(フナバシファーム製、F-2)およびフィルターを通した水道水を自由に摂取させ、1週間予備飼育した後、毛並、体重増加などの一般症状の良好な動物を選別して供試した。
(3)試験方法
試験前日夕刻より絶食(飲水は自由)させ、試験当日の朝より絶水し試験終了まで継続した。試験当日、動物の個体識別のための標識を行った後、動物用天秤を用いて体重を測定後、ラットの右後肢体積を、足容積測定装置(Volume Meter TK-105、室町機械製)を用いて測定して投与前値とした。
溶媒として50%エタノールを用いて1%濃度のカラゲニン(シグマアルドリッチジャパン製)溶液に調製したものを、被験物質塗布直前にラットの右後肢皮下に0.1mL投与して炎症浮腫を惹起させた。
カラゲニン皮下投与(起炎)直後に、各被験物質をラットの右後肢に0.1mL塗布した。塗布後、動物を速やかに補綴器具で補綴し、塗布部分を動物が舐めることを回避した。
カラゲニン皮下投与3時間後に右後肢容積を測定し、各固体の浮腫強度を次式により算出した(N=5)。
対照群(50%エタノール媒体のみ投与)の平均浮腫強度に対する被験物質投与群のそれより、浮腫抑制率(%)を次式より求めた。
(4)試験結果
各被験物質群における、浮腫抑制率の結果を表4に示す(N=5)。
各被験物質群における、浮腫抑制率の結果を表4に示す(N=5)。
(表4)
被験薬(濃度%) 浮腫抑制率(%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェン(1) 28.3
カプサイシン(0.5) 19.9
ロキソプロフェン(1)+カプサイシン(0.5) 22.4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
被験薬(濃度%) 浮腫抑制率(%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロキソプロフェン(1) 28.3
カプサイシン(0.5) 19.9
ロキソプロフェン(1)+カプサイシン(0.5) 22.4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
表4より、ロキソプロフェンにカプサイシンを併用しても浮腫抑制率の増強作用は認められず、むしろ減弱した。ノニル酸ワニリルアミドはカプサイシン誘導体であるが、意外にも前者のみにロキソプロフェンの抗浮腫作用を増強する効果を有することが判明した。
本発明の、ロキソプロフェンとノニル酸ワニリルアミドを含有する外用鎮痛消炎剤は、ロキソプロフェンの消炎作用を相乗的に改善するとともに、ノニル酸ワニリルアミドのもつ温感も加わり、使用感と効果の優れた製剤が得られるため、極めて有用である。
Claims (2)
- ロキソプロフェンおよびノニル酸ワニリルアミドを含有する外用消炎鎮痛剤組成物。
- ロキソプロフェンの抗炎症作用が増強されたことを特徴とする、請求項1に記載の外用消炎鎮痛剤組成物。
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