JP7226957B2 - 外用医薬組成物 - Google Patents
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Description
項1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)メントール、(C)エタノール、並びに(D)水を含み、白濁が抑制されている、外用医薬組成物。
項2. (E)カプサイシノイドをさらに含む、項1に記載の外用医薬組成物。
項3. (C)エタノールと(D)水とを混合してエタノール水溶液を得る工程1と、
前記エタノール水溶液に、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、並びに(B)メントールを溶解させる工程2と、
を含む、外用医薬組成物の白濁を抑制する方法。
本発明の外用医薬組成物は、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩(以下、「(A)成分」と表記することある)、(B)メントール(以下、「(B)成分」と表記することある)、(C)エタノール(以下、「(C)成分」と表記することある)、並びに(D)水(以下、「(D)成分」と表記することある)を含有し、白濁が抑制されていることを特徴とする。以下、本発明の外用医薬組成物について詳述する。
本発明の外用医薬組成物は、(A)成分としてロキソプロフェン及び/又はその塩を含有する。ロキソプロフェン及び/又はその塩は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種として公知の成分である。ロキソプロフェンは、2-[パラ-(2-オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸である。ロキソプロフェンの塩としては、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩であれば特に制限されず、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ロキソプロフェンの塩は、水和物であってもよい。
本発明の外用医薬組成物は、(B)成分としてメントールを含有する。メントールを含有させることによって、適用した皮膚に清涼感を付与し、使用感を良好にすることができる。メントールをロキソプロフェンとともに水性の外用医薬組成物として通常の方法で調製すると、白濁した外用医薬組成物しか得ることができない。しかしながら、本発明の外用医薬組成物は白濁が抑制されたものとして提供される。本発明の外用医薬組成物は白濁が抑制されているため、配合されているメントールによる清涼感による使用感の向上効果を最大化することができ、(A)成分による消炎鎮痛効果と相まって、高い効能を発揮することができる。
本発明の外用医薬組成物は、(C)成分としてエタノールを含む。エタノールは溶剤として使用される。本発明の外用医薬組成物において、(C)成分の含有量については特に制限されないが、例えば30~80重量%が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物は、(D)成分として水を含む。水としては特に制限されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、超純水、滅菌水などが挙げられ、好ましくは精製水が挙げられる。本発明の外用医薬組成物における水の含有量については、その製剤形態等に応じて適宜設定されるが、例えば、15~60重量%が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物は、(E)成分としてカプサイシノイドを含有する。カプサイシノイドとは、N-アシルワニリルアミドをいう。カプサイシノイドを配合することによって、外用医薬組成物に血行促進作用等が付与され、(A)成分よる消炎鎮痛効果及び最大化された(B)成分による使用感の向上効果を相まって、さらに高い効能を発揮することができる。
本発明の外用医薬組成物には、本発明の効果を妨げない限り、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。本発明の外用医薬組成物に配合可能な他の薬理成分については、特に制限されないが、例えば、ジクロフェナク及び/又はその薬学的に許容される塩等の消炎鎮痛剤(上記(A)成分以外);グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;ジフェニルイミダゾール、ジフェンヒドラミン及びその薬学的に許容される塩、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;リドカイン及びその薬学的に許容される塩、ジブカイン及びその薬学的に許容される塩、アミノ安息香酸エチル等の局所麻酔剤;ニコチン酸のエステル誘導体(具体的には、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、ニコチン酸メチルエステル等)、酢酸トコフェロール等の血行促進剤(上記(E)成分以外);アルニカチンキ、オウバクエキス、サンシシエキス、セイヨウトチノキエキス、ロートエキス、ベラドンナエキス、トウキエキス、シコンエキス、サンショウエキス等の生薬等が挙げられ、好ましくは、ニコチン酸のエステル誘導体及び酢酸トコフェロールが挙げられる。本発明の外用医薬組成物がニコチン酸のエステル誘導体を含む場合、その含有量としては、例えば0.001~0.1重量%、好ましくは0.003~0.05重量%、より好ましくは0.005~0.02重量%が挙げられる。本発明の外用医薬組成物が酢酸トコフェロールを含む場合、その含有量としては、例えば0.01~1重量%、好ましくは0.03~0.5重量%、更に好ましくは0.05~0.3重量%が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、フォーム剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤又はゲル剤が挙げられ、特に好ましくは液剤が挙げられる。これらの製剤形態への調製は、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いて製剤化することにより行うことができる。
本発明の外用医薬組成物は白濁が抑制されているため、透明度が高い。白濁が抑制されているとは、外用医薬組成物の外観が、(C)成分に(A)成分及び(B)成分を加え、その後に(D)成分を加えて調製された外用医薬組成物に比べて白濁の程度が低減していることをいい、具体的には透明(澄明)又は半透明、より好ましくは透明(澄明)であることをいう。本発明の外用医薬組成物の濁度は、例えば1.000以下、好ましくは0.500以下、より好ましくは0.300以下、さらに好ましくは0.100以下、一層好ましくは0.095以下である。濁度は、JIS K 0101(1998)における透過光濁度に基づいて得られる値であり、具体的には、実施例に記載された条件により測定された測定波長660nmにおける吸光度(Abs)である。
本発明の外用医薬組成物は、消炎鎮痛が求められる局所(皮膚)に外用投与することにより使用される。本発明の外用医薬組成物は、外用消炎鎮痛剤として、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、腰痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘等)、打撲痛、ねんざ痛、骨折痛、神経痛、変形性関節症、関節炎等に対する治療目的で使用することができる。
本発明の外用医薬組成物は、(C)エタノールと(D)水とを混合してエタノール水溶液を得る工程1と;前記エタノール水溶液に、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、並びに(B)メントールを溶解させる工程2と、を含む。
2において、成分(A)成分及び(B)成分とともにエタノール水溶液に溶解させることができる。
前述するように、(C)エタノールと(D)水とを混合してエタノール水溶液を得る工程1と;前記エタノール水溶液に、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、並びに(B)メントールを溶解させる工程2と、をこの順番で行うことで、外用医薬組成物を、白濁が抑制された態様で得ることができる。つまり、工程1で、メントールを溶解しない水を予め加えることで技術常識的には油溶性化合物の溶解性が下がっているはずにも関わらず、外用医薬組成物の白濁を抑制することができる。しかも、白濁の抑制は、エタノール以外の溶解補助剤を用いなくとも可能となる。従って、本発明は、更に、上記の工程1と工程2とを含む、外用医薬組成物の白濁を抑制する方法を提供する。
[外用医薬組成物の調製]
表1に示す組成の外用医薬組成物を調製した。具体的には、以下の手順で調製した。
実施例1及び実施例3:エタノールと水とを混合してエタノール水溶液を得て、当該エタノール水溶液に、ロキソプロフェンナトリウムとl-メントールとを加えた。
実施例2及び実施例4:エタノールと水とを混合してエタノール水溶液を得て、当該エタノール水溶液に、ロキソプロフェンナトリウムとl-メントールとノナン酸バニリルアミドとを加えた。
比較例1:ロキソプロフェンナトリウムとl-メントールをエタノールに溶解させてエタノール溶液を得て、当該エタノール溶液に精製水を加えた。
比較例2:ロキソプロフェンナトリウムとl-メントールとノナン酸バニリルアミドとをエタノールに溶解させてエタノール溶液を得て、当該エタノール溶液に精製水を加えた。
1.濁度の測定
調製した外用医薬組成物をよく振り混ぜてセル(50mm)に入れ、JIS K 0101(1998)に基づき、紫外-可視分光光度計(日本分光(株)製、Ubest-35型)を用いて660nmにおける吸光度(透過光濁度)を測定した。
調製した外用医薬組成物を、No.6号無色透明スクリュー管に、液面高さが40mmとなるように入れ、透明スクリュー管上部から底面方向を目視し、以下の基準で白濁抑制の程度を評価した。
◎:液色は無色透明(澄明)であり、底面辺縁を明瞭に視認できる。
(白濁が完全に抑制されている)
○:液色はやや白みがかっているが透明性があり(半透明)、底面辺縁を視認できる。
(白濁が抑制されている)
×:液色は白色不透明であり、底面辺縁を視認できない。
(白濁が生じている)
表2に示す組成の外用医薬組成物を、試験例1の手順に準じて調製した。具体的には、まず、エタノールと水とを混合してエタノール水溶液を得て、当該エタノール水溶液に、その他の成分を全て加え、撹拌した。得られた外用医薬組成物について、試験例1と同様に白濁抑制の程度を目視で評価した。いずれの外用医薬組成物も、白濁が完全に抑制(白濁抑制の程度:◎)されていた。
Claims (2)
- (C)エタノールと(D)水とを混合してエタノール水溶液を得る工程1と、
前記エタノール水溶液に、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、並びに(B)メントールを溶解させる工程2と、
を含む、外用医薬組成物の白濁を抑制する方法。 - 前記工程2において、前記(A)成分及び前記(B)成分とともに、さらに(E)カプサイシノイドを溶解させる、請求項1に記載の方法。
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