JP2020002044A - 外用医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
項1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)ニコチン酸のエステル誘導体、(C)N−メチル−2−ピロリドン、及び(D)水を含む、外用医薬組成物。
項2. 前記(B)成分がニコチン酸ベンジルエステルである項1に記載の外用医薬組成物。
項3. 前記(C)成分が0.1〜20重量%含まれる、項1又は2に記載の外用医薬組成物。
項4. 前記(C)成分が、前記(B)成分1重量部当たり20〜1000重量部含まれる、項1〜3のいずれかに記載の外用医薬組成物。
項5. 外用医薬組成物中で、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)ニコチン酸のエステル誘導体及び(D)水とともに、(C)N−メチル−2−ピロリドンを共存させる、外用医薬組成物において不溶物の生成を抑制する方法。
本発明の外用医薬組成物は、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩(以下、「(A)成分」と表記することもある)、(B)ニコチン酸のエステル誘導体(以下、「(B)成分」と表記することもある)、(C)N−メチル−2−ピロリドン(以下、「(C)成分」と表記することもある)、及び(D)水(以下、「(D)成分」と表記することもある)を含有することを特徴とする。以下、本発明の外用医薬組成物について詳述する。
本発明の外用医薬組成物は、(A)成分としてロキソプロフェン及び/又はその塩を含有する。ロキソプロフェン及び/又はその塩は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種として公知の成分である。ロキソプロフェンは、2−[パラ−(2−オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸である。ロキソプロフェンの塩としては、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩であれば特に制限されず、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ロキソプロフェンの塩は、水和物であってもよい。
本発明の外用医薬組成物は、(B)成分としてニコチン酸のエステル誘導体を含有する。ニコチン酸のエステル誘導体は、血行促進作用、細胞賦活作用等が知られている公知の成分である。ニコチン酸のエステル誘導体は油溶性であるため、外用医薬組成物においてロキソプロフェン及び/又はその塩とともに水中に含まれる場合、エタノールやイソプロパノールを配合しなければ不溶物を生じるが、本発明の外用医薬組成物ではエタノールやイソプロパノールを多量に用いなくともニコチン酸のエステル誘導体を溶解させることができる。
本発明の外用医薬組成物は、(C)成分としてN−メチル−2−ピロリドンを含有する。水中でロキソプロフェン及び/又はその塩とともにニコチン酸のエステル誘導体を含む外用組成物においては、エタノールやイソプロパノールを配合しなければ不溶物を生じるが、本発明の外用医薬組成物では、N−メチル−2−ピロリドンを含むことによって、エタノールやイソプロパノールを多量に用いなくともニコチン酸のエステル誘導体を溶解させることができる。
本発明の外用医薬組成物は、(D)成分として水を含有する。水としては特に制限されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、超純水、滅菌水などが挙げられ、好ましくは精製水が挙げられる。本発明の外用医薬組成物における(D)成分の含有量については、製剤形態に応じて適宜設定すればよい。本発明では、水中にロキソプロフェン及び/又はその塩とともにニコチン酸のエステル誘導体を含む外用医薬組成物における不溶物の発生を抑制することができるため、水の量が多くても不溶物の発生を効果的に抑制することができる。このような観点から、本発明の外用医薬組成物における(D)成分の量としては、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、一層好ましくは80重量%以上が挙げられる。(D)成分の量の範囲の上限としては特に限定されないが、例えば99重量%以下、好ましくは98重量%以下が挙げられる。このように、本発明の外用医薬組成物では、水の含有量を多くすることができるため、エタノールやイソプロパノール等により懸念される皮膚刺激を抑制することもできる。
本発明の外用医薬組成物には、本発明の効果を妨げない限り、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。本発明の外用医薬組成物に配合可能な他の薬理成分については、特に制限されないが、例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;ジフェニルイミダゾール、ジフェンヒドラミン及びその薬学的に許容される塩、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;リドカイン及びその薬学的に許容される塩、ジブカイン及びその薬学的に許容される塩、アミノ安息香酸エチル等の局所麻酔剤;カプサイシノイド(具体的には、ノナン酸バニリルアミド;及びカプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン等のカプサイシン類等)、酢酸トコフェロール等の血行促進剤(上記(B)成分以外);アルニカチンキ、オウバクエキス、サンシシエキス、セイヨウトチノキエキス、ロートエキス、ベラドンナエキス、トウキエキス、シコンエキス、サンショウエキス等の生薬等が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、フォーム剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤又はゲル剤が挙げられ、特に好ましくは液剤が挙げられる。これらの製剤形態への調製は、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いて製剤化することにより行うことができる。
本発明の外用医薬組成物が収容される容器としては特に限定されず、製剤形態に応じて適宜決定することができる。本発明の外用医薬組成物がとして調製される場合は、多孔質部材又はボール部材が取り付けられた塗布部を有する塗布容器に収容されることができる。特に本発明においては、多孔質部材が取り付けられた塗布部を有する塗布容器に収容されていることが好ましい。本発明の外用医薬組成物は不溶物の発生が抑制されているため、塗布時に有効成分が多孔質部材にせき止められて容器内にとどまることで多孔質部材を介して適用される液剤が奏する効果の減弱を抑制することができ、また、多孔質部材への不溶物の詰まりも抑制することができる。
発明の外用医薬組成物は、消炎鎮痛が求められる局所(皮膚)に外用投与することにより使用される。本発明の外用医薬組成物は、外用消炎鎮痛剤として、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、腰痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘等)、打撲痛、ねんざ痛、骨折痛、神経痛、変形性関節症、関節炎等に対する治療目的で使用することができる。
前述するように、N−メチル−2−ピロリドンは、水中にロキソプロフェン及び/又はその塩をニコチン酸のエステル誘導体とともに含む外用医薬組成物において、不溶物の発生を抑制することができる。従って、本発明は、更に、外用医薬組成物中で、(A)成分であるロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)成分であるニコチン酸のエステル誘導体及び(D)成分である水とともに、(C)成分であるN−メチル−2−ピロリドンを共存させる、外用医薬組成物において不溶物の生成を抑制する方法を提供する。
[外用医薬組成物の調製]
表1に示す組成の外用医薬組成物を調製した。具体的には、以下の手順で調製した。まず、精製水とロキソプロフェンNa水和物(ロキソプロフェンナトリウム水和物)とを混合し、均一になるまで撹拌した。得られた溶液に、ニコチン酸のエステル誘導体(ニコチン酸ベンジルエステル)とN−メチル−2−ピロリドンとの混合溶液を混合し、均一になるまで攪拌した。最後に、合計量が100gとなるように精製水を添加し、均一になるまで撹拌した。
調製した外用医薬組成物100gを、胴径40mmの透明スクリュー管に入れ、外観を目視し、以下の基準で不溶物の生成抑制を評価した。
◎:透明、澄明(不溶物の生成が極めて良好に抑制されている)
○:半透明(不溶物の生成が抑制されている)
△:不溶物が分散し不透明(析出した不溶物が浮遊)
×:不溶物が分離(析出した不溶物が沈殿)
Claims (5)
- (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)ニコチン酸のエステル誘導体、(C)N−メチル−2−ピロリドン、及び(D)水を含む、外用医薬組成物。
- 前記(B)成分がニコチン酸ベンジルエステルである、請求項1に記載の外用医薬組成物。
- 前記(C)成分が0.1〜20重量%含まれる、請求項1又は2に記載の外用医薬組成物。
- 前記(C)成分が、前記(B)成分1重量部当たり20〜1000重量部含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の外用医薬組成物。
- 外用医薬組成物中で、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)ニコチン酸のエステル誘導体及び(D)水とともに、(C)N−メチル−2−ピロリドンを共存させる、外用医薬組成物において不溶物の生成を抑制する方法。
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WO2022131082A1 (ja) * | 2020-12-18 | 2022-06-23 | 小林製薬株式会社 | 外用医薬組成物 |
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