JP2020158501A - ロキソプロフェン及び可溶化剤を含有する皮膚外用剤 - Google Patents

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祥子 崔
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Abstract

【課題】ロキソプロフェン及びその他の有効成分を含有する皮膚外用剤(配合剤)において、ロキソプロフェンの経皮吸収性をさらに高めた皮膚外用剤を提供すること。【解決手段】ロキソプロフェン又はその塩、l−メントール、エタノール、トコフェロール又はその誘導体、及びポリソルベートを含有する皮膚外用剤。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた鎮痛消炎作用を有するロキソプロフェンを含有する皮膚外用剤に関する。より詳しくは、本発明は、ロキソプロフェンに特定の可溶化剤を含有させることによって、これまでのロキソプロフェン外用剤やその製剤技術に比べ、経皮吸収性を顕著に向上させた皮膚外用剤に関する。
プロピオン酸系非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(NSAIDs)であるロキソプロフェンは、他のNSAIDsと同様にプロスタグランジン生合成の抑制作用に基づく解熱・鎮痛・消炎作用を有する。なお、ロキソプロフェンは経口投与後に胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管から吸収され、体内で活性体となるプロドラッグであるため、活性体よりも胃粘膜障害は少ないという特徴を有することでも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
近年、ロキソプロフェンは外用消炎鎮痛剤としてもパップ剤、テープ剤及びゲル剤が市販され、臨床に供されている(例えば、非特許文献2参照)。なお、ロキソプロフェンは、皮膚においてもケトン還元酵素によってトランス−OH体(活性体)に変換されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
l−メントールは外用剤では血行促進成分として使用されるほか、医薬品添加剤では清涼化剤や香料として使用されている。トコフェロール酢酸エステルは外用剤としては血行促進成分として使用されるほか、医薬品添加剤では安定化剤、抗酸化剤として使用されている。
ポリソルベートは外用剤では安定化剤、界面活性剤、可溶(化)剤、基剤、懸濁(化)剤、湿潤剤、消泡剤、乳化剤、粘稠剤、分散剤、溶解剤、溶解補助剤等として使用されている。
これまでに、ロキソプロフェンを含有する外用剤において、カルボキシビニルポリマーや、プロピレングリコール及びプロピレングリコール脂肪酸エステルを添加剤として配合することでロキソプロフェンの経皮吸収を高めたことが開示されている(特許文献2、3参照)。また、皮膚外用液剤の使用感を高めるために、プロピレングリコール、ブチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールを添加することが多いが、これらの多価アルコールが、薬効成分の経皮吸収促進剤として使用されていることが知られている(特許文献4参照)。また、抗ヒスタミン剤が、非ステロイド性消炎鎮痛剤の皮膚透過性を亢進し、かつ、主剤の薬理効果をあげることが知られている(特許文献5参照)。
また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加することで、酸性条件における析出あるいは沈殿の生成を防止することが知られている(特許文献6参照)。
さらに、ロキソプロフェン及びイソプロパノールを含有する皮膚外用剤も知られている(特許文献7参照)。
しかし、ロキソプロフェン、トコフェロール酢酸エステル、l−メントール及びエタノールを含有する外用剤において、可溶化剤がロキソプロフェンの経皮吸収性にどのように影響するかについては全く知られていない。
特開2008−074873公報 特許第4195178号公報 特開2016−79180公報 特開平5−000946号公報 特開2002−128698公報 特許第6131522号公報 特開2017−200909号公報
薬理と治療 Vol.16 No.2 1988 p.611-619 JAPIC 医療用医薬品集2013 丸善 2012
本発明の課題は、ロキソプロフェン及びその他の有効成分を含有する皮膚外用剤(配合剤)において、ロキソプロフェンの経皮吸収性をさらに高めた皮膚外用剤を提供することである。
本発明者らは、ロキソプロフェン含有する皮膚外用剤において、血行促進作用等の付与を目的として、トコフェロール酢酸エステル及びl−メントール等の成分をさらに含有する外用剤(配合剤)を開発するため、それらの有効成分を可溶化させるために添加する成分について検討した。その結果、ロキソプロフェン、トコフェロール酢酸エステル、エタノール及びl−メントールを含有する外用剤にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合すると、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合しない場合に比べて外観は改善するものの、皮膚透過性は低下することがわかった。そこで、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の代わりにポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルともいう)を配合すると、ロキソプロフェンの経皮吸収性が著しく増加することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1) ロキソプロフェン又はその塩、l−メントール、エタノール、トコフェロール又はその誘導体、及びポリソルベートを含有する皮膚外用剤。
(2) ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65及びポリソルベート80から選ばれる1種または2種以上である、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3) ポリソルベートが、ポリソルベート60又はポリソルベート80である、(1)に記載の皮膚外用剤。
(4) 皮膚外用剤におけるポリソルベートの含有量が、0.2〜18重量%である、(1)〜(3)のいずれか一に記載の皮膚外用剤。
(5) トコフェロール又はその誘導体が、トコフェロール酢酸エステルである、(1)〜(4)のいずれか一に記載の皮膚外用剤。
(6) 皮膚外用剤のpHが4.0〜12.0である、(1)〜(5)のいずれか一に記載の皮膚外用剤。
(7) 鎮痛消炎用である、(1)〜(6)のいずれか一に記載の皮膚外用剤。
(8) 剤形が外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、スプレー剤、ゲル剤、貼付剤、又は外用固形剤である、(1)〜(7)のいずれか一に記載の皮膚外用剤。
(9) 剤形が外用液剤である、(1)〜(7)のいずれか一に記載の皮膚外用剤。
本発明の、ロキソプロフェン又はその塩、l−メントール、エタノール、トコフェロール又はその誘導体、及びポリソルベートを含有する皮膚外用剤は、使用感に優れ、ロキソプロフェンの経皮吸収性が増強され、優れた消炎・鎮痛作用、血行促進作用を有するため、臨床上極めて有用である。
本発明において、「ロキソプロフェン又はその塩」とは、ロキソプロフェン又はその塩、並びにそれらの水和物を含むものである。ロキソプロフェンの塩としては、薬理学的に許容できる塩が好ましく、より好ましくは、ロキソプロフェンナトリウム又はロキソプロフェンナトリウム・2水和物であり、さらに好ましくは、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物である。なお、本明細書においてロキソプロフェンと言う場合には、ロキソプロフェン又はその塩、並びにそれらの水和物を包含するものとする。
本発明におけるロキソプロフェンは、ロキソプロフェンナトリウム水和物として第17改正日本薬局方に収載されている。
本発明におけるl−メントールは、第17改正日本薬局方や医薬品添加物事典2016(薬事日報社、2016)に収載されている。
本発明におけるトコフェロール又はその誘導体としては、トコフェロール、d−δ−トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル等を挙げることができ、好ましくは、トコフェロール酢酸エステルである。トコフェロール、d−δ−トコフェロール、トコフェロール酢酸エステルは第17改正日本薬局方や医薬品添加物事典2016に収載されている。
本発明の皮膚外用剤は、多価アルコールを含んでいてもよい。本発明における多価アルコールとは、可溶化剤、基剤、湿潤剤、粘稠剤、溶剤、溶解補助剤等の用途で外用剤に用いられる、分子内に水酸基が2個以上あるアルコールであり、例えば、プロピレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、マクロゴール(ポリエチレングリコールともいう)、D‐ソルビトールであり、医薬品添加物事典2016に収載されている。
本発明の皮膚外用剤におけるエタノール(エチルアルコールともいう)としては、可溶化剤、基剤、溶剤、溶解補助剤の用途で外用剤に用いられ、エタノール、無水エタノール等を挙げることができる。本発明におけるエタノール、無水エタノールは、医薬品添加物事典2016に収載されている。
本発明の皮膚外用剤におけるポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80等を挙げることができ、好ましくはポリソルベート60又はポリソルベート80である。
本発明の皮膚外用剤における、ロキソプロフェンの含有量は、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物として、好ましくは、0.1〜10重量%であり、より好ましくは、0.5〜8.5重量%である。
また、本発明の皮膚外用剤におけるl−メントールの含有量は、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは、0.5〜7.5重量%である。
また、本発明の皮膚外用剤におけるトコフェロール又はその誘導体の含有量は、通常は0.001〜5重量%であり、好ましくは0.05〜3重量%であり、より好ましくは、0.1〜1重量%である。
また、本発明の皮膚外用剤におけるポリソルベートの含有量は、0.2〜18重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%であり、より好ましくは1.0〜12重量%である。
さらに、本発明におけるトコフェロール又はその誘導体とポリソルベートの配合比率は、トコフェロール又はその誘導体1重量部あたり、ポリソルベート2重量部以上が好ましく、5重量部以上であることがより好ましい。
さらに本発明の皮膚外用剤におけるエタノールの添加量の範囲は、特に限定されないが、好ましくは、10.0〜70.0重量%であり、より好ましくは、30.0〜60.0%である。
さらに、多価アルコールを添加する場合における多価アルコールの添加量は特に限定されないが、いずれも好適には0.5〜20%であり、より好ましくは、1.0〜15%である。
また、皮膚外用剤のpHの範囲は、好ましくは4.0〜12.0であり、より好ましくは4.0〜8.0であり、さらに好ましくは5.0〜7.5であり、最も好ましくは、6.0〜7.5である。
本発明の皮膚外用剤において、上記成分以外の鎮痛消炎用の皮膚外用剤に通常使用される、薬物や医薬品添加物を添加することができる。
かかる薬物としては、例えば、グリチルレチン酸等の抗炎症剤、クロルフェニラミンマレイン酸塩等の抗ヒスタミン剤、ニコチン酸ベンジルエステル等の血行改善成分、トウガラシエキス、ノナン酸バニリルアミド等の局所刺激成分、アルニカチンキ等の生薬成分等を挙げることができ、これらの薬物は、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
上記成分以外の医薬品添加物は、例えば、経時的な含量安定性や使用感の更なる向上等を目的として必要に応じて添加するものであり、例えば、湿潤剤、pH調節剤、抗酸化剤や清涼化剤等を挙げることができる。
かかる湿潤剤としては、例えばdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を添加することができる。
pH調節剤としては、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸、乳酸等の有機酸、トリエタノールアミン等の有機アミン等を用いることができる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸水和物、無水クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル等を用いることができる。
清涼化剤としては、例えば、カンフル、dl−カンフル、ハッカ油、ユーカリ油等を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤の具体的な剤形としては、例えば、外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、スプレー剤(外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤)、ゲル剤、貼付剤(テープ剤、パップ剤)、又は外用固形剤等を挙げることができ、各剤形に適した添加剤や基剤を適宜使用し、第17改正日本薬局方などに記載される通常の方法に従い、製造することができる。本発明の皮膚外用剤の剤形としては、外用液剤又はゲル剤が好ましく、外用液剤が特に好ましい。
また、本発明の皮膚外用剤の製剤は、アルミニウム等の金属製の容器・包装、又は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製の容器・包装に収容し、密封することができる。かかる容器は、従来から汎用されているスポンジ状の塗布部材を備えたボトル容器や、ロールオン容器でもよい。スポンジ状の塗布部材の素材は、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂やポリウレタンでもよい。
本発明の皮膚外用剤は、鎮痛消炎用として、痛みや炎症を有する患者、例えば、腰痛、打撲、捻挫、肩こりに伴う肩の痛み、腱鞘炎、肘の痛み、関節痛等の患者に使用することができる。本発明の皮膚外用剤は、前記患者に対し、これを1日1〜数回、適量を患部に塗布、噴霧又は貼付する。
以下に、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
(試験例1)ロキソプロフェン含有皮膚外用剤の皮膚透過性試験1
(1)試験材料及び検体の調製
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、トコフェロール酢酸エステルは理研ビタミン(株)製のものを、l−メントールは鈴木薄荷(株)製のものを、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は日光ケミカルズ(株)製のものを、塩酸は関東化学(株)製のものを、プロピレングリコールは丸石製薬(株)製のものを、無水エタノールは今津薬品工業(株)製のものを、それぞれ使用した。以下の表1に記載した成分を混合して溶解後、検体1、2の液剤を得た。検体1及び2のpHは、ともに6.5に調整した
(2)試験方法
再生ヒト表皮モデル(EPISKIN large、有効拡散面積1.07cm2、株式会社ニコダームリサーチ)を12well組織培養プレート(IWAKI、旭硝子株式会社)に設置し、各wellに2mLの1/15 Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)(PBS)を分注し、これをレシーバ液とした。ドナー側には、各検体を200μL入れ、組織培養プレートの蓋をかぶせて、32℃のインキュベーター内に静置して皮膚透過性試験を実施した。透過後のレシーバ液を採取し、レシーバ液中のロキソプロフェンナトリウム濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することで単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム皮膚透過量を算出した。試験は各検体3回ずつ行い、それらの平均値を算出し、その値から、透過2時間後におけるコントロール(検体1)の単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム累積皮膚透過量を100としたときの相対透過量として算出した。
(3)外観の確認
得られた各液剤の製造直後の外観(透度・沈殿物)の目視確認を行った。透度は高いものからA、B、C、Dの4段階で評価し、Aのみ許容範囲とした。
沈殿物は−:沈殿物なし、+:沈殿物ありの2段階で評価し、−のみ許容範囲とした。
なお、ロキソプロフェンナトリウムの定量は液体クロマトグラフィーにより行い、その条件は以下の通りである。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)、カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス間に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたもの、カラム温度:40°C、移動相:メタノール/水/リン酸(550: 450:1)
(4)試験結果
結果を表1に示す。
Figure 2020158501
ロキソプロフェンナトリウム水和物の配合量はロキソプロフェンナトリウム1g(無水物換算)に相当する。
表1の検体1と検体2の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、トコフェロール酢酸エステル及び無水エタノールを含有する外用剤(配合剤)において、界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を配合すると、配合しない場合に比べて外観の透度が向上したが、皮膚透過量が著しく低下することがわかった。
(試験例2)ロキソプロフェン含有皮膚外用剤の皮膚透過性試験2
(1)試験材料及び検体の調製
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物はKOLON社製のものを、トコフェロール酢酸エステルはエーザイフードケミカル(株)製のものを、1,3−ブチレングリコールは関東化学(製)のものを、それぞれ使用した。l−メントール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、塩酸、及び無水エタノールは試験例1と同じものを使用した。以下の表2に記載した成分を混合して溶解後、検体3、4の液剤を得た。検体3及び4のpHは、ともに6.5に調整した。
(2)試験方法
再生ヒト表皮モデル(EPISKIN large、有効拡散面積1.07cm2、株式会社ニコダームリサーチ)を12well組織培養プレート(IWAKI、旭硝子株式会社)に設置し、試験例1と同様に皮膚透過性試験を実施した。透過後のレシーバ液を採取し、レシーバ液中のロキソプロフェンナトリウム濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することで単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム皮膚透過量を算出した。試験は各検体3回ずつ行い、それらの平均値を算出し、その値から、透過2時間後におけるコントロール(検体4)の単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム累積皮膚透過量を100としたときの相対透過量として算出した。
(3)外観の確認
得られた各液剤の製造直後の外観(透度・沈殿物)の目視確認を試験例1と同様に行った。
なお、ロキソプロフェンナトリウムの定量は試験例1と同様に行った。
(4)試験結果
結果を表2に示す。
Figure 2020158501
ロキソプロフェンナトリウム水和物の配合量はロキソプロフェンナトリウム1g(無水物換算)に相当する。
表2の検体3と検体4との比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、トコフェロール酢酸エステル及び無水エタノールを含有する外用剤(配合剤)において、界面活性剤を配合しない場合には製剤が白濁して沈殿物も生じ、界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を配合すると外観の透度が向上するが、ロキソプロフェンの経皮吸収が低下することを見出した。
(試験例3)ロキソプロフェン含有皮膚外用剤の皮膚透過性試験3
(1)試験材料及び検体の調製
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は、トコフェロール酢酸エステル、l−メントール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、塩酸、1,3−ブチレングリコールおよび無水エタノールは試験例2と同じものを、ポリソルベート60及びポリソルベート80は日光ケミカルズ(株)製のものを、それぞれ使用した。以下の表3に記載した成分を混合して溶解後、検体4〜6の液剤を得た。検体4〜6のpHは、いずれも6.5に調整した。
(2)試験方法
再生ヒト表皮モデル(EPISKIN large、有効拡散面積1.07cm2、株式会社ニコダームリサーチ)を12well組織培養プレート(IWAKI、旭硝子株式会社)に設置し、試験例1と同様に皮膚透過性試験を実施した。透過後のレシーバ液を採取し、レシーバ液中のロキソプロフェンナトリウム濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することで単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム皮膚透過量を算出した。試験は各検体3回ずつ行い、それらの平均値を算出し、その値から、透過2時間後におけるコントロール(検体4)の単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム累積皮膚透過量を100としたときの相対透過量として算出した。
(3)外観の確認
得られた各液剤の製造直後の外観(透度・沈殿物)の目視確認を試験例1と同様に行った。
なお、ロキソプロフェンナトリウムの定量は試験例1と同様に行った。
(4)試験結果
結果を表3に示す。
Figure 2020158501
ロキソプロフェンナトリウム水和物の配合量はロキソプロフェンナトリウム1g(無水物換算)に相当する。
表3の検体5及び検体6と、検体4との比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、トコフェロール酢酸エステル及び無水エタノールを含有する外用剤(配合剤)において、界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を配合した場合に比べ、ポリソルベート60又はポリソルベート80を配合した方がロキソプロフェンの経皮吸収が増加することを見出した。製造直後の外観は、検体4、5、6ともに良好であった。
(試験例4)ロキソプロフェン含有皮膚外用剤の皮膚透過性試験4
(1)試験材料及び検体の調製
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物、トコフェロール酢酸エステル、l−メントール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、塩酸、プロピレングリコール、及び無水エタノールは試験例1と同じものを、ポリソルベート80は試験例3と同じものを、それぞれ使用した。以下の表4に記載した成分を混合して溶解後、検体7、8の液剤を得た。検体7及び8のpHは、ともに6.5に調整した。
(2)試験方法
再生ヒト表皮モデル(EPISKIN large、有効拡散面積1.07cm2、株式会社ニコダームリサーチ)を12well組織培養プレート(IWAKI、旭硝子株式会社)に設置し、試験例1と同様に皮膚透過性試験を実施した。透過後のレシーバ液を採取し、レシーバ液中のロキソプロフェンナトリウム濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することで単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム皮膚透過量を算出した。試験は各検体3回ずつ行い、それらの平均値を算出し、その値から、透過2時間後におけるコントロール(検体7)の単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム累積皮膚透過量を100としたときの相対透過量として算出した。
(3)外観の確認
得られた各液剤の製造直後の外観(透度・沈殿物)の目視確認を試験例1と同様に行った。
なお、ロキソプロフェンナトリウムの定量は試験例1と同様に行った。
(4)試験結果
結果を表4に示す。
Figure 2020158501
表3の検体7と検体8との比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、トコフェロール酢酸エステル及び無水エタノールを含有する外用剤(配合剤)において、トコフェロールの配合量を減らした場合においても、界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を配合した場合に比べ、ポリソルベート80を配合した方がロキソプロフェンの経皮吸収が増加することを見出した。製造直後の外観は、検体7、8ともに良好であった。
(製剤例)
以下の表5及び6に記載した成分を攪拌・混合して溶解後、製剤例1〜22の皮膚外用剤を得ることができる。
製造方法としては、上記成分及び分量を取り、日本薬局方製剤総則「外用液剤」、「ゲル剤」の項に準じて製造することができる。
表5:外用液剤
Figure 2020158501
Figure 2020158501
※ロキソプロフェンナトリウム1g(無水物換算)に相当する。
表6:ゲル剤
Figure 2020158501
Figure 2020158501
※ロキソプロフェンナトリウム1g(無水物換算)に相当する。
本発明の、ロキソプロフェンを含有する皮膚外用剤は、使用感に優れ、ロキソプロフェンの経皮吸収性が増強され、優れた 消炎・鎮痛作用、血行促進作用を有するため、極めて有用である。

Claims (9)

  1. ロキソプロフェン又はその塩、l−メントール、エタノール、トコフェロール又はその誘導体、及びポリソルベートを含有する皮膚外用剤。
  2. ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65及びポリソルベート80から選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. ポリソルベートが、ポリソルベート60又はポリソルベート80である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  4. 皮膚外用剤におけるポリソルベートの含有量が、0.2〜18重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  5. トコフェロール又はその誘導体が、トコフェロール酢酸エステルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  6. 皮膚外用剤のpHが4.0〜12.0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  7. 鎮痛消炎用である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  8. 剤形が外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、スプレー剤、ゲル剤、貼付剤、又は外用固形剤である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  9. 剤形が外用液剤である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
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