JP4500646B2 - 試料観察方法及び電子顕微鏡 - Google Patents

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本発明は、電子顕微鏡による試料観察方法、及び電子線照射によって観察箇所の帯電量を制御する電子顕微鏡に関する。
半導体製造プロセスにおいて、スピンコーターによるレジスト塗布時の摩擦やプラズマを用いたエッチングによってウェーハ自身が帯電することがある。また、そのときのウェーハの帯電はウェーハ面内で均一ではなく、観察する箇所ごとに帯電量が異なることが多い。このような試料を走査電子顕微鏡で観察すると、ウェーハ自身の帯電によって電子線の焦点位置がずれたり、入射電子の等価的な加速電圧が変わるため、観察箇所の帯電量の違いで走査電子顕微鏡の画像の見え方が変化する。そして、寸法計測が行える走査電子顕微鏡では、画像の見え方が変わることによって、寸法の計測精度が低下してしまうことが問題となっている。
また、半導体製造プロセスで試料自身が帯電する以外に、電子線照射でも試料は帯電することがある。電子線照射による試料表面の帯電は、(二次電子量)/(一次電子量)で定義される二次電子発生効率δによって決まる。二次電子発生効率δが1.0となる加速電圧を選択する場合は、入る電子と出る電子が等しいことから、帯電しやすい絶縁体でも帯電は起こらない。このδが1.0になる加速電圧は物質によって異なるが、1〜2kVの加速電圧の範囲にある。
二次電子発生効率δが1.0以下になる高加速電圧領域(一般の走査電子顕微鏡の加速電圧は5kV〜30kVでこの領域である)では、入射電子の方が多いため、負の帯電が起こる。試料が負に帯電すると、入射電子は負の帯電が作る電界で減速される。減速されることにより入射電子の等価的な加速電圧は低下する。この負の帯電は、等価的な加速電圧の二次電子発生効率δが1.0になるまで進行する。例えば、10kVの加速電圧であると試料の帯電が8kV以上にならないと、等価的な加速電圧の二次電子発生効率は1.0にならない。このような大きな負の帯電が起こると、試料内での放電や負帯電の作る電界による入射電子の異常偏向が発生し、正しい観察が不可能となる。
一方、二次電子発生効率δが1.0を超える加速電圧領域(低加速電圧)では、二次電子放出(出る電子)が勝るため絶縁物の表面は正に帯電する。正の帯電が作る電界は一次電子線を加速するが、同時に二次電子を引き戻す作用もする。二次電子のエネルギーは数eVと小さいため、試料が数Vに正帯電すると二次電子は引き戻される。すなわち、二次電子が引き戻されることで等価的に二次電子発生効率δが1.0になる正の帯電で停止し安定する。
この正の帯電は数Vで、しかも安定しているため走査電子顕微鏡による像観察に支障はない。そこで、一般的に絶縁物が含まれている半導体のウェーハの観察には、観察対象となる絶縁物の二次電子発生効率が1.0を超える500〜1000Vの低加速電圧を選択する。絶縁物を含む半導体ウェーハは、このような条件で観察することが望ましい。
また、近年では非常に微細化された半導体の加工物を観察する上での課題の1つに深い(アスペクト比の高い)コンタクトホールの観察がある。コンタクトホールの観察では、一次電子線の照射によりコンタクトホールの底で発生した二次電子の大部分はコンタクトホールの壁に衝突して消滅する。そして上方に向かった一部分の二次電子のみがコンタクトホールを脱出する。コンタクトホールが浅い(アスペクト比<1〜7)の場合には、かなりの部分の二次電子がコンタクトホールを脱出するため観察可能であった。しかし、最新の半導体素子のように微細化が進みアスペクト比が10を超えるようになるとコンタクトホールの底を観察することが困難となる場合がある。
この問題は、絶縁物表面に正の帯電を与える観察条件で観察することによって解決できる。また、効率良く正の帯電を与える観察条件は以下の通りである。まず、高アスペクトのホール観察では、δ>1.0になる加速電圧を選択する。先に説明したように、加速電圧の選択によって絶縁物表面に正の帯電を与えることができる。更に正の電荷を絶縁物の表面に与えるには、特開2000−200579号公報に示されているように、表面から放出された二次電子が絶縁物の表面の正帯電が作る電界で引き戻されることを抑制する電界(逆電界)を試料表面に与えればよい。例えば、試料に対面して対面電極を設置し、これに正の電圧(制御電圧)を印加する。その結果、絶縁物の表面に、二次電子を制御電極の方に引き込む電界が作られ、正の帯電が作る電界により二次電子を引き戻す作用が抑制されるので正の帯電が安定する。
また、試料に負の電圧であるリターディング電圧を印加することによって、等価的な加速電圧を制御して、さらに二次電子を引き出しやすくすることができる。この手法では、高加速の電子を対物レンズに通過させることができ、また、負のリターディング電圧を試料に印加することにより二次電子が試料上方に押し上げられやすくなるため、高分解能でしかも効率よく二次電子を検出することができる。
上記のように、正の電圧を印加した対面電極を設置し、試料に負のリターディング電圧を印加することによって、二次電子の発生および検出の効率を向上させることができ、また、試料表面における正の帯電量を大きくすることができる。この条件で電子線を照射し続けると二次電子発生効率δが1.0になるまで正帯電は増加する。そして、試料の帯電が進行して二次電子発生効率が1.0になると帯電は安定する。
特開2003−100823号公報には、電子などの電荷を持った荷電粒子を試料に入射して試料を所望の帯電量に帯電させてから検査する検査方法が開示されている。この方法では、エネルギーフィルタを用いて、検出される二次電子信号量から試料の帯電量の変化を計測する。二次電子検出器の前方に設置されたエネルギーフィルタに、試料が所望の帯電量に達したときに二次電子信号が変化するように電圧を印加する。そして、検出される二次電子信号量が減少し始めたときに試料が所望の帯電量に達したことが確認できるようになっている。
特開2000−200579号公報 特開2003−100823号公報
上記に示したように一次電子線の加速電圧によって二次電子の発生効率が変化し、試料の帯電状況が変化する。さらに、試料が帯電していると等価的な加速電圧が変化するため、試料の帯電状態によって二次電子の発生状況が異なり、帯電量の変化も異なる。このように、試料の材質、構造、プリチャージ前の帯電状態等が異なっていると、プリチャージを行う一次電子線の照射量を同じに設定しても、各観察箇所における帯電量が異なってしまい電子顕微鏡画像の見え方が異なることがあった。
特開2003−100823号公報の方法は、1つの二次電子検出器で検出される二次電子信号の変化から所望の帯電量に達したことを確認するため、二次電子の発生量が場所やパターンの形状によって変化した場合に、帯電量の制御が不安定になりやすい問題があった。例えば、一次電子線の照射条件や試料の材質、構造によって、二次電子のエネルギー分布の変化が異なることがあり、二次電子信号量の減少開始時の判定が難しい場合がある。また、1つの二次電子検出器を用い、検出される二次電子信号量やその変化量に閾値を設定して帯電量の到達を判定する場合でも、以下の問題を有している。例えば、検出される二次電子の信号量に閾値を設定して確認する方法では、観察箇所の材質、構造、帯電状態によって二次電子の発生量が変化するため、二次電子信号量が設定しておいた閾値と等しくなっても毎回同じ帯電量にならないことがある。また、検出される二次電子信号量の変化量に閾値を設定した場合でも同様に、各観察箇所において二次電子の発生量に違いが生じていると、各観察箇所によって信号の変化量が変わることがある。そのため、1つの二次電子検出器で二次電子信号の信号量やその変化量に閾値を設定して帯電量の変化を計測する方法では帯電量の計測は不安定であり、閾値の最適化も困難である。
本発明は、観察箇所の帯電量を所望の帯電量に安定して制御することができる試料観察方法、及びそれを実現する電子顕微鏡を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明では、試料の状態にあわせてプリチャージを行う一次電子線の照射条件を制御し、エネルギーフィルタと2つの二次電子検出器を用いて検出される二次電子信号量から観察箇所が所望の帯電量になったことを確認し、観察箇所の帯電量を制御する。
本発明の試料観察方法は、試料の観察箇所の帯電電圧を計測する工程と、計測された帯電電圧にあわせて試料に印加するリターディング電圧を調整する工程と、試料に一次電子線を照射しながら、試料から発生した高エネルギーの二次電子と低エネルギーの二次電子を分離して検出する工程と、高エネルギーの二次電子の検出信号と低エネルギーの二次電子の検出信号を用いて試料の観察箇所が所望の帯電量に達したか否かを判定し、所望の帯電量になるまで一次電子線を照射して試料の観察箇所をプリチャージする工程とを含む。
また、本発明による電子顕微鏡は、電子線源と、試料を保持する試料ステージと、電子線源から放出された一次電子線を収束して試料ステージに保持された試料上に走査する電子光学系と、試料にリターディング電圧を印加するリターディング電圧印加手段と、一次電子線の照射によって試料から発生した二次電子の経路中に配置されたエネルギーフィルタと、エネルギーフィルタを通過しない低エネルギーの二次電子を検出する第1の電子検出器と、エネルギーフィルタを通過した高エネルギーの二次電子を検出する第2の電子検出器と、第1の電子検出器の出力と第2の電子検出器の出力を処理する信号処理部と、リターディング電圧印加手段及びエネルギーフィルタを制御する制御部とを備え、信号処理部は、第1の電子検出器と第2の電子検出器の出力を用いて試料の観察箇所が所望の帯電量に達したか否かを判定する。
本発明によると、プリチャージ前の試料の帯電量にかかわらず、プリチャージ開始時の一次電子線の運動エネルギー、すなわち等価的な加速電圧を一定に制御でき、また、プリチャージによって試料を安定して所望の帯電量することができるため、プリチャージによる帯電量が、過剰になったり、不足したりすることを防ぐことができ、安定した見え方の電子顕微鏡画像を取得することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔実施例1〕
図1は、本発明による走査電子顕微鏡の例を示す模式図である。本例の走査電子顕微鏡は、3つのエネルギーフィルタ101a,101b,101cを備え、対をなすエネルギーフィルタ間にそれぞれ1つずつ二次電子検出用の電子検出器102a,102bを設置し、さらに、最も電子線源107に近いエネルギーフィルタ101cの上方に反射電子を検出する電子検出器102cを配置して、試料120から発生する電子を検出する。エネルギーフィルタの役割として、フィルタ101cは反射電子と二次電子を分離するためのフィルタであり、フィルタ101bは高エネルギー側の二次電子106bと低エネルギー側の二次電子106aを分離するフィルタであり、フィルタ101aは低エネルギー側の二次電子を検出するために二次電子を減速させるためのフィルタである。また、一次電子線を試料に照射するプリチャージによって、試料を効率よく帯電させるために、試料に負のリターディング電圧を印加するシステム103と、試料上方に正電圧を印加する電極104を備えている。また、プリチャージを実施する前から試料自身が持っている帯電電圧を計測するために、静電電位計105を備えている。
半導体ウェーハ等の試料120は、2次元的に移動自在な試料ステージ121上に載置されている。電子線源107から発生した一次電子線108は、引き出し電圧によって加速され、コンデンサーレンズ109と対物レンズ110により試料表面に収束され、偏向コイル111によって試料上に走査される。試料120に入射する一次電子線の運動エネルギーはリターディング電圧を試料に印加するシステム103によって調整される。一次電子線108の照射によって試料から発生した二次電子106あるいは反射電子は、対物レンズ110の上方に設置された電子検出器102a,120b,120cによって検出され、検出された信号は制御部160を介して信号処理部130に入力され処理される。信号処理部130は、二次電子検出用の2つの電子検出器102a,102bの出力の比を演算する比演算部131及び電子検出器102a,102bによる1フレーム分の画素信号を加算した信号を出力する加算部132を備える。本発明では、一次電子線を試料に照射することによって、試料を観察する前のプリチャージを行う。
電子顕微鏡の各部、すなわち電子線源107の加速電源、引き出し電源、コンデンサーレンズ109、対物レンズ110、偏向コイル111、リターディング電圧印加システム103、正電圧印加電極104の電源、エネルギーフィルタ101a,101b,101c、試料120を保持して移動する試料ステージ等は、制御部160によって制御される。制御部160には記憶装置150が付設されており、静電電位計105によって計測された試料120上の観察箇所の帯電電圧の情報は、観察位置の座標情報とともに記憶装置150に記憶される。制御部160は、記憶装置150から得られた観察箇所の帯電電圧の情報に基づいてリターディング電圧印加システムやエネルギーフィルタの電源電圧を制御したり、情報処理部130から得られる情報をもとにプリチャージのための一次電子線照射を制御する。また、画像表示部140には、電子検出器102a,120b,120cの出力に基づく試料像、あるいはそれらの出力を処理して得られた試料像が表示される。なお、エネルギーフィルタと電子検出器の数は図1に示した数に限らない。また、図1では試料表面を効率よく正に帯電させるために試料上方に正電圧を印加する電極104を設置したが、電極104は省略してもかまわない。電子線照射前の帯電量は、静電電位計以外の手段あるいは方法で計測してもかまわない。
以下、本発明によって試料をプリチャージする手法について説明する。図2は、試料プリチャージ用の設定画面例を示す図である。試料をプリチャージするために必要な設定項目としては、一次電子線のエネルギー(あるいは加速電圧Vacc)、一次電子線の照射電流量、一次電子線の走査速度(あるいは走査方式)、一次電子線の照射範囲(あるいは倍率)、帯電制御電極104に印加する電圧等がある。また、プリチャージの設定項目として、一次電子線の照射時間ではなく、プリチャージによる所望の帯電電圧増加量Vpzを予め設定して、所望の帯電電圧増加量Vpzに達したらプリチャージを終了させる。
また、観察箇所によってプリチャージを行う時間が変動する可能性があるため、プリチャージの設定項目として、電子線の最大照射時間を設定しておき、最大照射時間に達しても所望の帯電量に達しないときは、エラーを表示し、一次電子線の照射条件を自動的に変更して再度プリチャージを行う。また、プリチャージによる帯電量になるまで一次電子線を照射し、所望の帯電量に達したときに、そのときの照射条件と照射時間を記録する。エラーの回数や照射時間が多い場合は、プリチャージの初期条件を再設定すると効率よくプリチャージを行うことができる。
図3は、プリチャージの手順を示すフローチャートである。まずステップ11で、図4に示す試料ウェーハ400の各観察箇所401において静電電位計105を用いてプリチャージ前の帯電量計測を行う。次に、ステップ12でプリチャージを行うために観察箇所401へ移動し、ステップ13でプリチャージ前の帯電量にあわせて試料に印加するリターディング電圧Vrを調整し、ステップ14〜16で、二次電子を電子検出器で検出しながら試料が所望の帯電電圧増加量Vpzに達したか判定を行い、試料が所望の帯電電圧増加量Vpzになったら、ステップ17でプリチャージを終了し、ステップ18で試料の観察を実施する。
まず、プリチャージを実施する前の試料400の帯電量計測では、静電電位計105を用いて各観察箇所401の帯電量を計測する。静電電位計105を用いることによって、帯電量計測時に観察箇所の帯電量は変化しないため、安定して帯電量を計測できる。また、プリチャージ実施前の帯電量計測を、予め全ての観察箇所401において実施しておくことによって、帯電による一次電子線108の焦点のずれを修正することができるため、帯電による一次電子線108の焦点位置のずれによる測定の失敗を防ぐことができ、自動化率を向上させることができる。なお、静電電位計105を装置に設置せずに、予め他の帯電量計測装置で帯電量を計測しておき、本発明の電子顕微鏡でプリチャージおよび観察を実施する際に、帯電量の計測データを読み出すようにしてもよい。また、プリチャージ前の帯電量の計測は、静電電位計105による手法に限らず、他の手法でもかまわない。
次に、プリチャージを行うための一次電子線108の照射条件の設定方法に関して説明する。試料が帯電していると以下に示す問題が生じる。例えば、試料が帯電していると、一次電子線108の運動エネルギーが変化する。試料が正に帯電していると、一次電子線108は加速されて運動エネルギーは高くなり、一方、試料が負に帯電していると一次電子線108は減速されて運動エネルギーは低くなる。試料の帯電状態の違いによって、一次電子線108のエネルギーが変化すると、二次電子発生効率が変化し、帯電の仕方が変化したり、所望の帯電量にならない問題が生じることがある。また、試料の帯電によって電子検出器102で検出される二次電子106のエネルギーも変化する。
上述のように試料が帯電していると、試料に入射する一次電子線の運動エネルギーと二次電子のエネルギーは変化する。本発明では、プリチャージ前に試料が帯電していても、安定してプリチャージを実施するために、プリチャージの条件の設定では、プリチャージ開始時の一次電子線108の運動エネルギーが一定になるように、試料に印加するリターディング電圧Vrを調整する。リターディング電圧Vrは、プリチャージ開始時の一次電子線108の運動エネルギーEpを所望の値にするために、式(1)に示したようにプリチャージ前の試料の帯電量(帯電電圧)Vsにあわせて制御する。ここで式(1)の“−e”は電子の電荷であり、Voは電子線源107に印加している電圧である。ここでは、Voは一定であるとして説明する。
Ep=−e×((Vs+Vr)−Vo)=e×Vacc=一定 …(1)
また、式(1)のようにリターディング電圧Vrを調整することによって、二次電子106のエネルギーも制御することができる。前記のようにリターディング電圧Vrを調整することによって、プリチャージ前の試料の帯電量にかかわらず、プリチャージ開始時の一次電子線108の運動エネルギーと二次電子106のエネルギーをほぼ同条件に制御することができる。
上記のように、試料の帯電量にあわせてプリチャージ条件である試料に入射される一次電子線108の運動エネルギー、すなわち等価的な加速電圧Vaccを調整したら、次に試料に一次電子線108を照射してプリチャージを行う。そこで、プリチャージ中にプリチャージ箇所が所望の帯電電圧増加量Vpzに達したことを判定する手法について以下に説明する。
試料の帯電量が変化すると、試料から発生する二次電子106のエネルギーが変化する。そのため、二次電子106のエネルギーの変化をモニタすることによって、所望の帯電電圧増加量Vpzに達したことを判定することができる。以下に、一次電子線108を試料に照射して発生する二次電子106のエネルギーについて説明する。
図5は、二次電子のエネルギー分布を示す図である。通常、試料にリターディング電圧を印加していない状態では、一次電子線108を試料に入射して発生する二次電子106のエネルギーEseは、図5(a)に示すように、約2eVにピークをもち10eV以下となるエネルギー分布を示す。また、試料に負のリターディング電圧Vrを印加していると、二次電子が電位0Vのところに移動した場合、二次電子106はリターディング電圧Vrによって加速されるため、二次電子のエネルギーは図5(b)に示すように、-Vrの分だけ高くなる。また、試料の帯電によっても二次電子106のエネルギーは変化し、試料が正に帯電していると発生する二次電子106は減速してエネルギーが低くなり、負に帯電していると加速されてエネルギーが高くなる。このように、リターディング電圧Vrと試料の帯電量によって検出される二次電子106のエネルギーは変化する。そのため、二次電子のエネルギーから試料の帯電量を求めることができる。また、二次電子106のエネルギーから帯電量を安定して計測するためには、プリチャージ開始時の二次電子106のエネルギーを制御する必要があり、本発明では式(1)に示すようにリターディング電圧Vrを制御することによって、プリチャージ開始時の二次電子106のエネルギーを制御する。
次に、二次電子106のエネルギーの変化を計測する手法として、3つエネルギーフィルタ101a,101b,101cと2つの電子検出器102a,102bを用いる二次電子106の検出方法を説明する。
まず、エネルギーフィルタ101に負のフィルタ電圧Vfを印加したときの二次電子106の運動エネルギーと二次電子106の検出方法に関して説明する。試料に一次電子線108を入射して発生する二次電子106のエネルギーEは、式(2)に示すように、試料から発生したときの二次電子の運動エネルギーEseと試料の電位Vgの和になる。また、試料の電位Vgは、リターディング電圧Vrと、プリチャージ前の帯電量Vsと、プリチャージによる帯電量Vpの和で表すことができる。
E=Ese−e*Vg=Ese−e*(Vr+Vs+Vp) …(2)
そして、試料から発生した電子は、リターディング電圧Vrと正の電圧を印加した制御電極104によって試料上方へ引き上げられ、制御電極104を通過すると、試料から発生した二次電子の運動エネルギーは式(2)のEと同様になる。そして、試料から発生した電子は、3つのエネルギーフィルタ101a,101b,101cに印加された負の電圧によって減速される。本発明では、3つのエネルギーフィルタ101a,101b,101cを用いることにより、低エネルギー側の二次電子、高エネルギー側の二次電子、反射電子の3つのエネルギー帯に区別して電子を検出し、プリチャージによって検出される二次電子のエネルギーと信号量の変化から、試料が所望の帯電量に達したことを確認し、プリチャージの制御を行う。
式(3)に、エネルギーフィルタにおける二次電子の運動エネルギーEfと、エネルギーフィルタに印加したフィルタ電圧Vfとの相関を示す。
Ef=Ese−e*(Vg−Vf) …(3)
式(3)に示すように、二次電子の運動エネルギーは、エネルギーフィルタを通過するときに減速されて低くなる。そして、図6に示すように、フィルタ電圧Vfに対して二次電子のエネルギーが高いときには、二次電子はエネルギーフィルタを通過できるが、二次電子のエネルギーが低いときには、二次電子はエネルギーフィルタを通過することはできない。そのため、エネルギーフィルタに印加する電圧を調整することによって、エネルギーフィルタを通過できるエネルギーが高い電子と、通過できないエネルギーが低い電子を区別して検出することができる。
一次電子線のエネルギーとほぼ同等なエネルギーを持つ反射電子は、二次電子よりも高いエネルギーを持っているので、最も電子線源107に近いエネルギーフィルタ101cで二次電子をカットして、最上方の電子検出器102cで検出する。エネルギーフィルタ101cで二次電子と反射電子を分離することにより、フィルタ101c以下にある電子検出器で二次電子のみを検出することができる。
二次電子のエネルギーの変化からプリチャージによって試料が所望の帯電量に達したことを確認するには、高エネルギー側の二次電子を検出する電子検出器102bと、低エネルギー側の二次電子を検出する電子検出器102aとの間に設置してあるエネルギーフィルタ101bに印加する電圧Vfbを、式(4)に示すプリチャージ終了時の試料の電位Vgzの値を基準にして設定する必要がある。
Vgz=Vr+Vs+Vpz …(4)
例えば、フィルタ電圧Vfbをプリチャージ終了時の試料の電位Vgzと等しくすると、図6(a)に示すように、二次電子はプリチャージによって試料が所望の帯電電圧増加量Vpzになるまでエネルギーフィルタ101bを通過し、電子検出器102bでは試料で発生したほとんどの二次電子が検出される。そのため、このときエネルギーフィルタ101bの下方の電子検出器102aでは、二次電子はほとんど検出されない。そして、プリチャージによって試料が所望の帯電電圧増加量Vpzになると、図6(b)に示すように二次電子がエネルギーフィルタ101bを通過できなくなり始め、さらにプリチャージによって正に帯電が進むと、電子検出器102bの二次電子信号量は減少し、電子検出器102aの二次電子信号量は増加する。そのため、フィルタ電圧Vfbとプリチャージ終了時の試料の電位Vgzが等しくなるように設定すると、電子検出器102a,102bで検出される二次電子信号量が変化し始めたときに、試料が所望の帯電電圧増加量Vpzになる。
そのため、エネルギーフィルタ101bに印加する電圧Vfbを、式(5)に示すように設定する。式(5)は式(4)に示すプリチャージ終了時の試料の電位VgzよりもVy(数V)だけ高く設定しておく(本実施例で電圧が「高い」とは、符号が負で電圧の絶対値が大きいことを意味する)。例えばVyを−5V程度高く設定することにより、試料が所望の帯電量に数V足りない状態から、電子検出器で検出される二次電子信号量が変化し、試料が所望の帯電量に達するときにはエネルギーフィルタ101bの上方の電子検出器102bで検出される二次電子は少なくなり、下方の電子検出器102aで検出される二次電子は多くなる。
Vfb=Vgz+Vy …(5)
上記では、エネルギーフィルタ101bに印加する電圧Vfbを設定したが、二次電子のエネルギーの変化を正確にモニタするために、エネルギーフィルタ101a,101cのフィルタ電圧Vfa,Vfcを設定する必要がある。そのため、まず、エネルギーフィルタ101cによって、高エネルギー側の二次電子と反射電子を分離して検出するために、エネルギーフィルタ101cのフィルタ電圧Vfcを設定する。フィルタ電圧Vfcの設定は、プリチャージ開始時の試料の電位Vgを基準にして設定する。本実施例では、プリチャージによって試料を正に帯電させるため、大抵二次電子のエネルギーはプリチャージ開始時に最も高くなる。そのため、プリチャージ開始時の二次電子と反射電子を分離できるようにフィルタ電圧Vfcを設定する。プリチャージ開始時の二次電子のエネルギーは式(2)においてVp=0として表すことができ、プリチャージ開始時の試料の電位Vgはリターディング電圧Vrとプリチャージ前の帯電量Vsの和で表すことができる。そのため、二次電子のエネルギー分布を考慮して、式(6)のようにフィルタ電圧Vfcを設定するとよい。ただし、EsemaxはEseの二次電子のエネルギー分布の中で最大エネルギーであるが、Esemaxは数十V程度、例えば、Vxとして−20V以上高く設定すればよい。なおVfcは二次電子よりもエネルギーが高い反射電子と二次電子を分離するフィルタであり、Vxは−20Vに限らない。例えば、Vr+Vs=−1200Vであれば、Vfc=−1220V以上、−1300Vでもかまわない。
Vfc=Vr+Vs+Vx=Vr+Vs+Esemax/(−e) …(6)
また、エネルギーフィルタ101bを通過できないフィルタ電圧Vfbよりも低いエネルギーの二次電子を電子検出器102aで検出するために、二次電子減速用のエネルギーフィルタ101aに負のフィルタ電圧(減速電圧)Vfaを印加する。これによって、リターディング電圧で加速された二次電子を減速させて、電子検出器102aで検出することができる。エネルギーフィルタ101aのフィルタ電圧Vfaの設定を式(7)に示す。
Vfa=Vfb+Vz …(7)
Vfaはエネルギーフィルタ101bのフィルタ電圧Vfbよりも数V〜数十V程度低い電圧Vz、例えばVfb+20V程度とする。エネルギーフィルタ101aと101bの間で二次電子が減速されるため、エネルギーが低い二次電子を電子検出器102aで検出することができる。
上記で示したように、エネルギーフィルタ101a,101b,101cに印加するフィルタ電圧Vfa、Vfb、Vfcを設定すれば、反射電子、高エネルギーの二次電子、低エネルギーの二次電子を分離して検出できるため、二次電子の検出量の変化から、試料が所望の帯電電圧増加量Vpzに達したことを確認できる。
しかしながら、電子検出器102a,102bで検出される二次電子信号量やその変化量は、試料の材質、構造、プリチャージを行う一次電子線の照射条件によって変化するため、単純に検出される二次電子信号量やその変化量に閾値を設定したのでは、所望の帯電電圧増加量Vpzに達したことを安定して判定することができないことがある。また、二次電子106のエネルギー分布にもばらつきがあるため、前記のような閾値の設定方法では、プリチャージによる帯電量を安定して制御することができないことがある。
そこで、所望の帯電電圧増加量Vpzに達したことを確認する手法として、式(8)に示すように、フィルタ電圧に対して、高エネルギー側の二次電子検出量Sbと、低エネルギー側の二次電子検出量の比率Rを用いて、プリチャージによって試料が所望の帯電電圧増加量Vpzに達したことを確認する。
R=Sa/Sb …(8)
なお、2つの二次電子検出器の二次電子信号の比率RはR=Sb/Saとしてもかまわない。また、この手法では、電子検出器102a,102bで得られる二次電子信号は、同条件で増幅を行い、比較する。比率R(R=Sb/Sa)は、信号処理部130の比演算部131で計算される。
例えば、エネルギーフィルタ101bに印加する負のフィルタ電圧Vfbを式(4)のVgzと等しくなるように設定してプリチャージを行うと、プリチャージ開始時では、二次電子106はエネルギーフィルタ101b後方の電子検出器102bによってほとんどが検出され、エネルギーフィルタ前方の電子検出器102aではほとんど二次電子は検出されない。そのため、式(8)に示す二次電子信号量の比率R=Sa/Sbは1より小さくなる。そして、プリチャージによって試料が正に帯電して二次電子106のエネルギーが減少してフィルタ電圧Vfbと試料の電位Vgzが等しくなると、エネルギーフィルタ101bより試料側の電子検出器102aで二次電子106が検出され始める。そして、さらに試料が正に帯電すると、フィルタ101b上方の電子検出器102bで検出される二次電子106は減少し、フィルタ101b下方の電子検出器102a検出される電子は増加するため、式(8)に示す二次電子信号量の比率R=Sa/Sbは1より大きくなる。そのため、プリチャージによって試料が正に帯電して二次電子のエネルギーが低くなると式(8)の二次電子信号の比率Rは大きくなる。
上記のようにフィルタ電圧Vfbの設定を、式(4)のVgzと等しくなるように設定すると、二次電子信号量の比率が変化し始めるときが、試料の帯電量が所望の帯電電圧増加量Vpzに達したときである。そのため、より確実に所望の帯電量に達したことを確認するには、フィルタ電圧Vfbを式(4)のプリチャージ終了時の試料の電位Vgzより数V高く設定する。すると、試料が所望の帯電量に達する前に、検出される二次電子信号の比率Rが変化し始め、所望の帯電電圧増加量Vpzで二次電子信号量の比率Rを1以上にすることができる。このように、フィルタ電圧Vfbは、所望の帯電電圧増加量Vpzで二次電子信号量の比率Rが1になるように設定すると、安定してプリチャージによる帯電量を制御することができる。なおフィルタ電圧Vfbは、比率Rが1以外の値、例えば比率R=1/2で試料が所望の帯電電圧増加量Vpzになるように設定してもかまわない。
以下に、フィルタ電圧Vfbの設定例を示す。例えば、プリチャージ前の試料の電位Vg=Vs+Vrが−1200Vの状態から正に+50V帯電させると、プリチャージ後の試料の電位Vgzは−1150Vになる。フィルタ電圧Vfbを−1150Vより高い電圧、例えば−1155Vに設定すると、試料の電位が−1150Vになる前に2つの二次電子検出器で検出される電子数の比率が変化し始める。
Vfbの正確な設定方法に関しては、予め帯電しない試料でVrを固定し、Vfbを変化させてVfb−Vr(VfbとVrの差)とRの相関を求めておく必要がある。例えばR=1/1になったときにプリチャージを終了するように設定する場合には、前記方法によってR=1/1になるときのVfb−Vr=Vyの値を求める。そして、Vfbの設定は目的の試料のプリチャージ終了電位Vgzよりも前記のVyの値分だけ高く設定すれば、R=1/1になったときに、目的のプリチャージ量に達したことが容易にわかる。
また、リアルタイムで二次電子信号量から試料が所望の帯電量に達したか判定する方法において、各二次電子検出器で検出される二次電子信号Sa,Sbは、一次電子線の照射範囲全域に一次電子線を1回ごとに走査して得られる二次電子信号の総和でモニタするとよい。この方法によると、一次電子線108を走査する範囲における場所の違いによる二次電子信号量の変化の影響を受けないため、リアルタイムで安定して帯電量の変化をモニタできる。また、1回の走査ではなく数回の走査によって得られる二次電子信号の総和の変化でモニタすると、さらに二次電子信号のばらつきの影響を抑えることができ、より安定して二次電子信号量の変化をモニタすることができる。一次電子線の照射範囲全域に一次電子線を1回ごとに走査して得られる二次電子信号の総和は、信号処理部130の加算部132で求める。
また、2つの電子検出器102a,102bで得られる信号の変化を確認する際に、プリチャージ開始時のエネルギーフィルタ101b上方の電子検出器102bで得られる信号量で規格化してグラフに表示することによって、二次電子信号量の時間による増減の変化を確認することができる。この方法で二次電子の個数あるいは強度の変化も確認することによって、二次電子信号量の比率Rが、何によって変動したか確認することができる。
上記の方法によって、図7に示すように、検出される二次電子信号の比率R、信号量(低エネルギー側の信号量Sa、高エネルギー側の信号Sb)、その変化量から、安定してプリチャージによる帯電量の変化をモニタできる。特に、検出される二次電子信号の比率Rで判定することによって、プリチャージ中にプリチャージによる帯電量が所望の帯電電圧増加量Vpzより多いか、少ないか容易に判定できるため、単に検出される二次電子の個数あるいは強度、また、その変化量で判定するよりも安定してプリチャージを行うことができる。
また、本発明では、プリチャージによる電子線の照射時間は、プリチャージの帯電の進行状況に依存するので、試料の材質によっては二次電子の発生量が異なり、帯電量が所望の量に達しないことがある。そのため、プリチャージの最大照射時間を設定しておき、最大照射時間が経過しても所望の帯電量に達しない場合には、照射条件を変更して再度プリチャージのための電子線照射を行う必要がある。もし最初の照射条件で所望の帯電量に達しなければ、二次電子を発生しやすい電子線の照射条件に変更することによって、帯電しやすくすることができる。例えば、倍率を下げて電子線の照射範囲を広くしたり、帯電制御電圧やリターディング電圧を高くしたりすることによって二次電子が多く発生し、帯電しやすくできる。そのため、最初の条件で所望の帯電量に達しなくても、自動的に照射条件を変更して、再度プリチャージを行うように装置を設定しておけば、所望の帯電量にプリチャージすることができる。また、プリチャージにかかる電子線の照射時間を計測して記録することによって、照射時間が長ければ、照射条件の最適化が必要であると判断することができる。
プリチャージ終了後の試料観察は、以下のようにして行う。観察方法の1つとして、エネルギーフィルタのフィルタ電圧を0Vにして、観察を実施すれば、エネルギーフィルタによってフィルタリングされていない電子顕微鏡画像を取得することができる。
また、本発明ではエネルギーの異なる電子を分離して検出できるため、各検出器で検出した信号を、それぞれ最適な量増幅し、信号を合成して画像を形成すれば、より画像のコントラストを鮮明にすることができる。このとき各電子検出器の信号の増幅量を同じにすれば、通常の電子顕微鏡画像を取得できる。
また、一次電子線の照射条件を、観察を行うときとプリチャージを行うときで異なる条件にすることができ、そのときは、試料の帯電量にあわせて一次電子線の照射条件を調整し、観察することができる。
上記では、試料を正にプリチャージする場合について説明したが、試料を負にプルチャージする際のプリチャージの制御に関しても同様に行うことができる。例えば、図6は、試料が正に帯電したときの二次電子検出例であるが、負に帯電する場合の例を図10に示す。
プリチャージによって、試料が負に帯電するにつれて、電子検出器で検出される二次電子のエネルギーは高くなる。そのため、プリチャージ開始時には図10(a)に示すようにフィルタVfb下方の検出器で二次電子が検出され、所望の帯電量に達したときにフィルタVfbを通過できるようにフィルタVfbを設定する。このように、フィルタ電圧を設定すると、試料を負に帯電させる場合でも、エネルギーフィルタと2つの電子検出器102a,102bの信号量の比Rから試料が所望の帯電量に達したことがわかる。
なお、試料を正に帯電させる場合は、プリチャージによる所望の帯電電圧増加量Vpzと、プリチャージ前の帯電量Vsと、試料に印加するリターディング電圧Vrの和よりも高い電圧をフィルタ電圧Vfbに設定するが、負に帯電させる場合には、プリチャージによる所望の帯電電圧増加量Vpzと、プリチャージ前の帯電量Vsと、試料に印加するリターディング電圧Vrの和よりも低い電圧をフィルタ電圧Vfbに設定することになる。
以上説明したように、本発明によると、プリチャージ前の試料の帯電量にかかわらず、プリチャージ開始時の一次電子線の運動エネルギー、すなわち等価的な加速電圧を一定に制御でき、また、プリチャージによって試料を安定して所望の帯電量することができるため、プリチャージによる帯電量が、過剰になったり、不足したりすることを防ぐことができ、安定した見え方の電子顕微鏡画像を取得することができる。例えば、コンタクトホールの底の観察において、一次電子線を試料に照射して意図的に試料表面を正に帯電させるときに、本発明を適用することにより試料を所望の帯電量に制御でき、画像が安定するため測定精度向上が期待できる。
〔実施例2〕
図8は、本発明による走査電子顕微鏡の他の例を示す摸式図である。本実施例においては、プリチャージ前の帯電量の事前計測において、静電電位計を用いず、電子線を用いて帯電量を測定する。
本実施例では、試料の帯電による一次電子線の焦点位置のずれ量から帯電量を求める。例えば、レーザ光源113から発生したレーザ光112を試料表面に斜めから入射し、試料表面での反射光を検出器114で検出すると、レーザ光112の検出位置の変化量から、試料の高さ情報を得ることができる。そして、この高さ情報から、対物レンズ110の電流量を補正し調整することによって、一次電子線の焦点位置を試料表面に合わせることができる。このとき試料が帯電していると、一次電子線の焦点位置がずれるため、試料の高さにあわせて対物レンズのレンズ電流を調整し、一次電子線の焦点位置をずらした後、さらに試料に印加するリターディング電圧を変化させて一次電子線の焦点が試料表面にあうように、リターディング電圧を調整すると、リターディング電圧の変化量から試料の帯電量を計測することができる。
図9に、本実施例におけるプリチャージ前の帯電量の事前計測フローを示す。最初にステップ21において、試料ウェーハ上の観察位置に移動し、ステップ22においてレーザを用いて試料の観察箇所の高さを計測する。次に、ステップ23にて、計測した高さ情報を用いて、その高さに合焦するように対物レンズ110の励磁電流を調整する。続くステップ24では、取得した試料像のコントラスト等から合焦状態を判定し、焦点が合っていない場合には試料に印加するリターディング電圧を調整して焦点を合わせる。焦点があったときのリターディング電圧は、プリチャージ前の帯電電圧に相当する。
本実施例では、帯電量計測を行うと同時に、リターディング電圧の調整ができるため、プリチャージを実行する直前に、帯電量計測を実施し、プリチャージを実施することによってスループットを向上することできる。
〔実施例3〕
本発明の他の実施例について説明する。本実施例では、実施例1におけるプリチャージ前の帯電量の事前計測において、エネルギーフィルタ101を用いてフィルタ電圧を変更しながら電子検出器で検出される二次電子のエネルギーを求めて帯電量を計測する。
フィルタ電圧を変更しながら二次電子を検出し、検出される二次電子量が大きく変化するときのフィルタ電圧から観察箇所の帯電量を計測することができる。ただし、プリチャージを実施する一次電子線の照射条件では観察箇所の帯電量が変化するため、プリチャージを行う前の帯電量計測では、試料が帯電しにくい一次電子線の照射条件を用いる必要がある。
試料が帯電しにくい照射条件には次のようなものがある。二次電子を引き出しやすくする正電圧印荷電極104に印加する帯電制御電圧を低くすることによって、二次電子の発生量が少なくなるため、帯電しにくくなる。また、試料に入射する電子の量と発生する電子の量が等しい場合でも帯電しにくいため、加速電圧等を調整することによって、帯電しにくい条件に制御することができる。
上記のように、プリチャージ前とプリチャージ中の一次電子線の照射条件を変えることによって、プリチャージ前の帯電量計測でも、エネルギーフィルタを用いて帯電量を計測することができる。
本発明による走査電子顕微鏡の例を示す摸式図。 設定画面の例を示す図。 プリチャージの手順を示すフローチャート。 試料の観察箇所を示す図。 二次電子のエネルギー分布を示す図。 正に帯電させる場合の二次電子の検出方法を説明する模式図。 プリチャージ中の二次電子信号と二次電子信号の比率の変化を示す図。 本発明による走査電子顕微鏡の他の例を示す摸式図。 プリチャージ前の帯電量計測の手順を示すフローチャート。 負に帯電させる場合の二次電子の検出方法を説明する模式図。
符号の説明
101:エネルギーフィルタ、102:電子検出器、103:リターディング電圧印加システム、104:正電圧印加電極、105:静電電位計、106:二次電子、107:電子線源、108:一次電子線、109:コンデンサーレンズ、110:対物レンズ、111:偏向コイル、112:レーザ光、113:レーザ光源、114:レーザ検出器、200:設定画面、400:ウェーハ、401:観察箇所

Claims (14)

  1. 電子顕微鏡を用いた試料観察方法において、
    試料の観察箇所の帯電電圧を計測する工程と、
    前記計測された帯電電圧にあわせて試料に印加するリターディング電圧を調整する工程と、
    試料に一次電子線を照射しながら、エネルギーフィルタを用いて試料から発生した高エネルギーの二次電子と低エネルギーの二次電子を分離し、検出する工程と、
    高エネルギーの二次電子の検出信号と低エネルギーの二次電子の検出信号を用いて前記試料の観察箇所が所望の帯電量に達したか否かを判定し、所望の帯電量になるまで一次電子線を照射して前記試料の観察箇所をプリチャージする工程と、を含み、
    プリチャージによって前記試料の観察箇所を正に帯電させるべく、前記エネルギーフィルタに印加するフィルタ電圧を、プリチャージによる所望の帯電電圧増加量Vpzと、前記計測された帯電電圧Vsと、前記試料に印加するリターディング電圧Vrの和よりも高い電圧に設定することを特徴とする試料観察方法。
  2. 電子顕微鏡を用いた試料観察方法において、
    試料の観察箇所の帯電電圧を計測する工程と、
    前記計測された帯電電圧にあわせて試料に印加するリターディング電圧を調整する工程と、
    試料に一次電子線を照射しながら、エネルギーフィルタを用いて試料から発生した高エネルギーの二次電子と低エネルギーの二次電子を分離し、検出する工程と、
    高エネルギーの二次電子の検出信号と低エネルギーの二次電子の検出信号を用いて前記試料の観察箇所が所望の帯電量に達したか否かを判定し、所望の帯電量になるまで一次電子線を照射して前記試料の観察箇所をプリチャージする工程と、を含み、
    プリチャージによって前記試料の観察箇所を負に帯電させるべく、前記エネルギーフィルタに印加するフィルタ電圧を、プリチャージによる所望の帯電電圧増加量Vpzと、前記計測された帯電電圧Vsと、前記試料に印加するリターディング電圧Vrの和よりも低い電圧に設定することを特徴とする試料観察方法。
  3. 請求項1又は2記載の試料観察方法において、前記計測された帯電電圧とリターディング電圧の和が設定値と等しくなるように前記リターディング電圧を調整することを特徴とする試料観察方法。
  4. 請求項1又は2記載の試料観察方法において、高エネルギーの二次電子を検出する第一の電子検出器の信号増幅量と低エネルギーの二次電子を検出する第二の電子検出器の信号増幅量を同一にして検出することを特徴とする試料観察方法。
  5. 請求項1又は2記載の試料観察方法において、観察視野を1回あるいは複数回走査して得られる高エネルギーの二次電子の検出信号の和と低エネルギーの二次電子の検出信号の和を用いて前記試料の観察箇所が所望の帯電量に達したか否かを判定することを特徴とする試料観察方法。
  6. 請求項1又は2記載の試料観察方法において、高エネルギーの二次電子の検出信号と低エネルギーの二次電子の検出信号の比率Rを算出し、当該比率が予め設定した値に達したときに、前記試料の観察箇所が所望の帯電量に達したと判定することを特徴とする試料観察方法。
  7. 請求項1又は2記載の試料観察方法において、
    前記試料の観察箇所の帯電電圧の計測は、前記試料の観察箇所の高さ変化を計測する工程、電子顕微鏡の対物レンズを調整して前記高さ変化の分だけ焦点位置をずらす工程、その後さらに試料に印加するリターディング電圧を変化させて一次電子線の焦点を前記試料の観察箇所に合わせる工程を有し、前記リターディング電圧の変化量から前記帯電電圧を計測することを特徴とする試料観察方法。
  8. 請求項1又は2記載の試料観察方法において、静電電位計を用いて試料の複数の観察箇所の帯電電圧を計測して記憶し、前記リターディング電圧の調整にあたって前記記憶しておいた複数の帯電電圧の中から該当する観察箇所の帯電電圧を読み出すことを特徴とする試料観察方法。
  9. 請求項1又は2記載の試料観察方法において、前記試料の観察箇所の帯電電圧の計測にあたっては、前記試料の観察箇所の帯電が起こりにくい照射条件で試料に一次電子線を照射し、前記エネルギーフィルタを用いて帯電電圧を計測することを特徴とする試料観察方法。
  10. 電子線源と、
    試料を保持する試料ステージと、
    前記電子線源から放出された一次電子線を収束して前記試料ステージに保持された試料上に走査する電子光学系と、
    試料にリターディング電圧を印加するリターディング電圧印加手段と、
    一次電子線の照射によって試料から発生した二次電子の経路中に配置されたエネルギーフィルタと、
    前記エネルギーフィルタを通過しない低エネルギーの二次電子を検出する第1の電子検出器と、
    前記エネルギーフィルタを通過した高エネルギーの二次電子を検出する第2の電子検出器と、
    前記第1の電子検出器の出力と前記第2の電子検出器の出力を処理する信号処理部と、
    前記リターディング電圧印加手段及び前記エネルギーフィルタを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、予め計測した試料の帯電電圧とリターディング電圧の和が設定値と等しくなるように前記リターディング電圧印加手段を制御し、
    前記制御部は、プリチャージによって前記試料の観察箇所を正に帯電させるべく、前記エネルギーフィルタに印加するフィルタ電圧を、プリチャージによる所望の帯電電圧増加量Vpzと、前記予め計測した帯電電圧Vsと、前記試料に印加するリターディング電圧Vrの和よりも高い電圧に設定し、
    前記信号処理部は、前記第1の電子検出器と第2の電子検出器の出力を用いて試料の観察箇所が所望の帯電量に達したか否かを判定することを特徴とする電子顕微鏡。
  11. 電子線源と、
    試料を保持する試料ステージと、
    前記電子線源から放出された一次電子線を収束して前記試料ステージに保持された試料上に走査する電子光学系と、
    試料にリターディング電圧を印加するリターディング電圧印加手段と、
    一次電子線の照射によって試料から発生した二次電子の経路中に配置されたエネルギーフィルタと、
    前記エネルギーフィルタを通過しない低エネルギーの二次電子を検出する第1の電子検出器と、
    前記エネルギーフィルタを通過した高エネルギーの二次電子を検出する第2の電子検出器と、
    前記第1の電子検出器の出力と前記第2の電子検出器の出力を処理する信号処理部と、
    前記リターディング電圧印加手段及び前記エネルギーフィルタを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、予め計測した試料の帯電電圧とリターディング電圧の和が設定値と等しくなるように前記リターディング電圧印加手段を制御し、
    前記制御部は、プリチャージによって前記試料の観察箇所を負に帯電させるべく、前記エネルギーフィルタに印加するフィルタ電圧を、プリチャージによる所望の帯電電圧増加量Vpzと、前記予め計測した帯電電圧Vsと、前記試料に印加するリターディング電圧Vrの和よりも低い電圧に設定し、
    前記信号処理部は、前記第1の電子検出器と第2の電子検出器の出力を用いて試料の観察箇所が所望の帯電量に達したか否かを判定することを特徴とする電子顕微鏡。
  12. 請求項10又は11記載の電子顕微鏡において、反射電子と二次電子を分離する反射電子用エネルギーフィルタを備えることを特徴とする電子顕微鏡。
  13. 請求項10又は11記載の電子顕微鏡において、前記制御部は、予め計測した試料の帯電電圧とリターディング電圧の和が設定値と等しくなるように前記リターディング電圧印加手段を制御することを特徴とする電子顕微鏡。
  14. 請求項10又は11記載の電子顕微鏡において、前記信号処理部は、前記第1の電子検出器の検出信号と前記第2の電子検出器の検出信号の比率Rを算出し、当該比率が予め設定した値に達したときに、前記試料の観察箇所が所望の帯電量に達したと判定することを特徴とする電子顕微鏡。
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