JP4476670B2 - 流体軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の油膜によって回転部材を非接触支持する流体軸受装置に関する。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、この種の軸受として、上記要求性能に優れた特性を有する流体軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
この種の流体軸受は、軸受隙間内の潤滑油に動圧を発生させる動圧発生手段を備えた動圧軸受と、動圧発生手段を備えていないいわゆる真円軸受(軸受面が真円形状である軸受)とに大別される。
例えば、HDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータに組込まれる流体軸受装置では、軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とが設けられ、ラジアル軸受部として、軸受スリーブの内周面又は軸部材の外周面に動圧発生用の溝(動圧溝)を設けた動圧軸受が用いられる。スラスト軸受部としては、例えば、軸部材のフランジ部の両端面、又は、これに対向する面(軸受スリーブの端面や、ハウジングに固定されるスラスト部材の端面等)に動圧溝を設けた動圧軸受が用いられる(例えば、特許文献1参照)。あるいは、スラスト軸受部として、軸部材の一端面をスラストプレートによって接触支持する構造の軸受(いわゆるピボット軸受)が用いられる場合もある(例えば、特許文献2参照)。
通常、軸受スリーブはハウジングの内周の所定位置に固定され、また、ハウジングの内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するために、ハウジングの開口部にシール部材を配設する場合が多い。
特開2000―291648号公報 特開平11−191943号公報
上記構成の流体軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、軸部材、スラスト部材、及びシール部材といった部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い軸受性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立精度を高める努力がなされている。その一方で、情報機器の低価格化の傾向に伴い、この種の流体軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
この種の流体軸受装置のコスト低減を図る手段として、ハウジングを樹脂成形(射出成形等)することが考えられる。しかしながら、樹脂成形によるハウジングは、成形時の樹脂収縮などの影響により、金属の機械加工によるハウジングに比べて、外周面の真円度が悪くなる傾向がある。例えば、ハウジング単体の状態において、金属の機械加工によるハウジングでは、外周面の真円度を2μm程度(半径値)に抑えることができるのに対し、樹脂成形によるハウジングでは、外周面の真円度は10〜20μm程度(半径値)になる。このようなハウジング外周面の真円度の悪化は、次のような問題を生じさせる可能性がある。
すなわち、この種の流体動圧軸受装置を上記の各種モータの回転支持部に用いる場合、通常、ハウジングの外周面をブラッケット(保持部材)の内周面に接着剤を介して密着固定するが、その際の接着強度を考慮して、両者の接着部の軸方向寸法や接着剤の充填隙間が決められている。しかしながら、ハウジングの外周面の真円度が悪いと、保持部材の内周面に装着したときに、接着剤の充填隙間が円周方向で不均一になり、接着強度の低下や共振の問題が起こることが心配される。
また、ハウジングの外周面をブラッケット(保持部材)の内周面に圧入により密着固定することも考えられるが、この場合も、ハウジングの外周面の真円度が悪いと、保持部材の内周面に圧入したときに、圧入しろが円周方向で不均一になり、圧入強度の低下や共振の問題が起こることが心配される。
本発明の課題は、この種の流体軸受装置における樹脂成形ハウジングの外周面の真円度を改善すると共に、樹脂成形ハウジングと軸受スリーブとが回転方向に位置ずれしにくくなるようにすることである。
上記課題を解決するため、本発明は、ハウジングと、ハウジングの内部に固定された軸受スリーブと、ハウジング及び軸受スリーブに対して相対回転する回転部材と、軸受スリーブと回転部材との間のラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で回転部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部とを備えた流体軸受装置において、ハウジングを樹脂材料の型成形により形成すると共に、軸受スリーブを金属材料で形成し、かつ、軸受スリーブの外周面をハウジングの内周面に圧入しろ5〜45μmで圧入し、軸受スリーブを圧入した状態で、ハウジングの外周面の真円度が5μm以下であり、さらに、軸受スリーブの外周面に1又は複数本の軸方向溝を軸方向全長に亘って形成し、軸受スリーブの圧入により、軸方向溝と対向するハウジングの内周面の部分を内径方向にリブ状に突出させて、軸方向溝と回転方向に係合させると共に、軸受スリーブの軸方向溝とハウジングの内周面のリブ状に突出した部分との間に潤滑油の通路を形成した構成を提供する。ここで、圧入しろの値5〜45μmは、20°Cの温度条件下で測定した、軸受スリーブの外周面の平均直径(真円度測定器等で測定した外周面形状の外接円の直径と内接円の直径との平均値)とハウジングの内周面の平均直径(真円度測定器等で測定した内周面形状の外接円の直径と内接円の直径との平均値)との差(直径差)である。また、本明細書において、真円度は、20°Cの温度条件下で真円度測定器により測定した周面形状において、該周面形状の外接円の直径と内接円の直径との差の2分の1の値(半径真円度)である。
樹脂材料を型成形(射出成形等)して形成された樹脂製のハウジングは、旋削等の機械加工による金属製ハウジングに比べて低コストで製造することができる。また、樹脂製のハウジングの内周面に金属製の軸受スリーブの外周面を所定の圧入しろで圧入することにより、軸受スリーブの外周面の真円度がハウジングに転写され、ハウジングの外周面の真円度がハウジング単体の場合に比べて改善される。このような、ハウジング外周面の真円度の良好な改善効果を得るためには、上記圧入しろは5μm以上、好ましくは10μm以上必要である。一方、上記圧入しろが45μmを超えると、圧入に伴う内部応力によってハウジングにクラックが発生する可能性があるため、上記圧入しろは45μm以下にする必要がある。尚、ハウジングに対する軸受スリーブの固定は、上記の圧入のみによって行っても良いし、上記圧入に加え、接着、超音波溶着等の固定手段を併用しても良い。
軸受スリーブを焼結金属の多孔質体で形成する場合、軸受スリーブの外周面の真円度は、通常、5μm未満にサイジングされる。したがって、該軸受スリーブを樹脂製ハウジングの内周面に上記圧入しろで圧入することにより、該ハウジングの外周面の真円度を5μm以下に改善することが可能である。
本発明において、ハウジングの形状は特に限定されないが、例えば、ハウジングとして、円筒状の側部と、該側部の一端に一体に設けられた底部とを有する有底円筒状のものを用いることができる。
ハウジングを形成する樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PFS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSF)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。
また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
本発明によれば、この種の流体軸受装置における樹脂成形ハウジングの外周面の真円度を改善することができると共に、樹脂成形ハウジングと軸受スリーブとが回転方向に位置ずれしにくくなる
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係る流体軸受装置(流体動圧軸受装置)1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する流体軸受装置1と、軸部材2に装着されたロータ(ディスクハブ)3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータ4およびロータマグネット5とを備えている。ステータ4はブラケット6の外周に取付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3の内周に取付けられる。流体軸受装置1のハウジング7は、ブラケット(保持部材)6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持される。ステータ4に通電すると、ステータ4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それによって、ディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
図2は、流体軸受装置1を示している。この流体軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8およびシール部材9と、軸部材2とを構成部品して構成される。
軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の軸部2aの外周面2a1との間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、軸受スリーブ8の下側端面8cと軸部材2のフランジ部2bの上側端面2b1との間に第1スラスト軸受部T1が設けられ、ハウジング7の底部7bの内底面7b1とフランジ部2bの下側端面2b2との間に第2スラスト軸受部T2が設けられる。尚、説明の便宜上、ハウジング7の底部7bの側を下側、底部7bと反対の側を上側として説明を進める。
ハウジング7は、例えば、結晶性樹脂としての液晶ポリマー(LCP)に、導電性充填材としてのカーボンファイバー又はカーボンナノチューブを2〜8wt%配合した樹脂材料を射出成形して有底筒状に形成され、円筒状の側部7aと、側部7aの下端に一体に設けられた底部7bとを備えている。図3に示すように、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受面となる、底部7bの内底面7b1には、例えばスパイラル形状の動圧溝7b2が形成される。この動圧溝7b2は、ハウジング7の射出成形時に成形されたものである。すなわち、ハウジング7を成形する成形型の所要部位(内底面7b1を成形する部位)に、動圧溝7b2を成形する溝型を加工しておき、ハウジング7の射出成形時に上記溝型の形状をハウジング7の内底面7b1に転写することにより、動圧溝7b2をハウジング7の成形と同時成形することができる。また、内底面(スラスト軸受面)7b1から軸方向上方に所定寸法xだけ離れた位置に段部7dが一体に形成されている。
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、あるいは、金属と樹脂とのハイブリッド構造とされ、軸部2aと、軸部2aの下端に一体又は別体に設けられたフランジ部2bとを備えている。
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする燒結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング7の内周面7cの所定位置に固定される。
この焼結金属で形成された軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、例えば図4(a)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。また、軸受スリーブ8の外周面8dには、1又は複数本の軸方向溝8d1が軸方向全長に亙って形成される。この例では、3本の軸方向溝8d1を円周方向等間隔に形成している。尚、軸受スリーブ8の外周面8dは、真円度5μm未満でサイジングされている。
第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受面となる、軸受スリーブ8の下側端面8cには、例えば図4(b)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8c1が形成される。
図4(c)に示すように、軸受スリーブ8の上側端面8bは、半径方向の略中央部に設けられた円周溝8b1により、内径側領域8b2と外径側領域8b3に区画され、内径側領域8b2には、1又は複数本の半径方向溝8b21が形成される。この例では、3本の半径方向溝8b21が円周等間隔に形成されている。
シール部材9は、例えば、ハウジング7の側部7aの上端部内周に固定され、その内周面9aは、軸部2aの外周に設けられたテーパ面2a2と所定のシール空間Sを介して対向する。尚、軸部2aのテーパ面2a2は上側(ハウジング7に対して外部側)に向かって漸次縮径し、軸部材2の回転により遠心力シールとしても機能する。また、シール部材9の下側端面9bの外径側領域9b1は内径側領域よりも僅かに大径に形成されている。
この実施形態の流体動圧軸受装置1は、例えば、次のような工程で組立てる。
まず、軸部材2を軸受スリーブ8に装着する。そして、軸受スリーブ8を軸部材2と伴にハウジング7の内部に収容し、軸受スリーブ8の外周面8dをハウジング7の側部7aの内周面7cに所定の圧入しろで圧入すると共に、その下側端面8cをハウジング7の段部7dに当接させる。これにより、ハウジング7に対する軸受スリーブ8の円周方向位置及び軸方向位置が決まる。
図5は、圧入後のハウジング7と軸受スリーブ8の横断面を示している。軸受スリーブ8の外周面8dとハウジングの内周面7cとの圧入しろδは5〜45μmに管理されている。厳密に言うと、この圧入しろδの値5〜45μmは、20°Cの温度条件下で測定した、軸受スリーブ8の外周面8dの平均直径(真円度測定器で測定した外周面形状の外接円の直径と内接円の直径との平均値)とハウジング7の内周面7cの平均直径(真円度測定器で測定した内周面形状の外接円の直径と内接円の直径との平均値)との差(直径差)である。このように、ハウジング7の内周面7cに軸受スリーブ8の外周面8dを圧入しろδ=5〜45μmで圧入することにより、軸受スリーブ8の外周面8dの真円度(5μm未満)がハウジング7に転写され、ハウジング7の外周面の真円度がハウジング7単体の場合に比べて改善される。また、軸受スリーブ8の軸方向溝8d1と対向する位置において、ハウジング7の内周面7cの一部分が内径方向にリブ状に突出し、このリブ状部7c1が軸方向溝8d1と回転方向に係合することにより、ハウジング7と軸受スリーブ8とが回転方向に位置ずれしにくくなる。尚、ハウジング7に対する軸受スリーブ8の固定は、上記の圧入のみによって行っても良いし、上記の圧入に加え、接着、超音波溶着等の固定手段を併用しても良い。
つぎに、シール部材9をハウジング7の側部7aの上端部内周に挿入し、その下側端面9bの内径側領域を軸受スリーブ8の上側端面8bの内径側領域8b2に当接させる。そして、この状態で、シール部材9を適宜の手段、例えば超音波溶着、圧入、接着等によってハウジング7に固定する。尚、シール部材9の外周面に凸状のリブ9cを設けておくと、超音波溶着による固定力を高める上で効果的である。
上記のようにして組立が完了すると、軸部材2の軸部2aは軸受スリーブ8の内周面8aに挿入され、フランジ部2bは軸受スリーブ8の下側端面8cとハウジング7の内底面7b1との間の空間部に収容された状態となる。その後、シール部材9で密封されたハウジング7の内部空間は、軸受スリーブ8の内部気孔を含め、潤滑油で充満される。潤滑油の油面は、シール空間Sの範囲内に維持される。
軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部2aの外周面2a1とラジアル軸受隙間を介して対向する。また、軸受スリーブ8の下側端面8cのスラスト軸受面となる領域はフランジ部2bの上側端面2b1とスラスト軸受隙間を介して対向し、ハウジング7の内底面7b1のスラスト軸受面となる領域はフランジ部2bの下側端面2b2とスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2の軸部2aが上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、上記スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2のフランジ部2bが上記スラスト軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によって両スラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部T2と第2スラスト軸受部T2とが構成される。第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間(δ1とする。)と第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間(δ2とする。)は、ハウジング7の内底面7b1から段部7dまでの軸方向寸法xと、軸部材2のフランジ部2bの軸方向寸法(wとする。)とにより、x−w=δ1+δ2として精度良く管理することができる。
前述したように、第1ラジアル軸受部R1の動圧溝8a1は、軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている{図4(a)}。そのため、軸部材2の回転時、動圧溝8a1による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。そして、この引き込み力の差圧によって、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部2aの外周面2a1との間の隙間に満たされた潤滑油が下方に流動し、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間→軸方向溝8d1→シール部材9の下側端面9bの外径側領域9b1と軸受スリーブ8の上側端面8bの外径側領域8b3との間の環状隙間→軸受スリーブ8の上側端面8bの円周溝8b1→軸受スリーブ8の上側端面8bの半径方向溝8b21という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。このように、潤滑油がハウジング7の内部空間を流動循環するように構成することで、内部空間内の潤滑油の圧力が局部的に負圧になる現象を防止して、負圧発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑油の漏れや振動の発生等の問題を解消することができる。また、何らかの理由で潤滑油中に気泡が混入した場合でも、気泡が潤滑油に伴って循環する際にシール空間S内の潤滑油の油面(気液界面)から外気に排出されるので、気泡による悪影響はより一層効果的に防止される。
図2に示す実施形態のハウジング7の内周面7cに軸受スリーブ8の外周面8dを種々の圧入しろδ(μm)で圧入し、圧入しろδ(μm)とハウジング7の外周面の真円度との関係を求めた。その測定結果を図6に示す。尚、ハウジング7は、外径=9.5mm、内外径比(外径/内径)=1.2〜1.3、ヤング率=10〜20GPaである。
図6に示すように、ハウジング7の外周面の真円度は圧入しろδが大きくなるに従って小さくなる傾向が見られ、特に、δ=5μm未満では急激な減少カーブを描いた。この真円度の減少カーブはδ=5μmの付近から緩やかになり、δ=5μmで真円度5μmに近づいた後、δ=10μmで真円度5μmに達し、その後は、真円度5μmか、これを若干下回る値で推移した。
上記の測定結果より、ハウジング7の外周面の真円度は、圧入しろδ=5μmで約5μmになり、圧入しろδ≧10μmで5μm以下になることが確認された。
本発明の実施形態に係る流体軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図である。 本発明の実施形態に係る流体軸受装置を示す断面図である。 ハウジングを図2のA方向から見た図である。 軸受スリーブの断面図{図4(a)}、下側端面{図4(b)}、上側端面{図4(c)}を示す図である。 圧入後のハウジングと軸受スリーブを示す横断面図である。 圧入しろとハウジング外周面の真円度との関係を示す図である。
符号の説明
1 流体軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (3)

  1. ハウジングと、該ハウジングの内部に固定された軸受スリーブと、前記ハウジング及び前記軸受スリーブに対して相対回転する回転部材と、前記軸受スリーブと前記回転部材との間のラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で前記回転部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部とを備えた流体軸受装置において、
    前記ハウジングは樹脂材料を型成形して形成されていると共に、前記軸受スリーブは金属材料で形成され、かつ、前記軸受スリーブの外周面が前記ハウジングの内周面に圧入しろ5〜45μmで圧入され、前記軸受スリーブを圧入した状態で、前記ハウジングの外周面の真円度が5μm以下であり、
    前記軸受スリーブの外周面に1又は複数本の軸方向溝が軸方向全長に亘って形成され、前記軸受スリーブの圧入により、前記軸方向溝と対向する前記ハウジングの内周面の部分が内径方向にリブ状に突出して、前記軸方向溝と回転方向に係合すると共に、前記軸受スリーブの軸方向溝と前記ハウジングの内周面のリブ状に突出した部分との間に潤滑油の通路が形成されることを特徴とする流体軸受装置。
  2. 前記ハウジングは、円筒状の側部と、該側部の一端に一体に設けられた底部とを有する有底円筒状のものである請求項1に記載の流体軸受装置。
  3. 前記軸受スリーブは、焼結金属で形成されている請求項1に記載の流体軸受装置。
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