JP3839938B2 - すべり軸受および摺動部材 - Google Patents

すべり軸受および摺動部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はすべり軸受および摺動部材に関し、特にハウジングとそのハウジングから組込み時に抜けない樹脂製摺動部材とからなるすべり軸受およびその樹脂製摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂製すべり軸受は、ハウジングと一体化できて設計の自由度が高くなり低コストが実現するため、近年多用されている。特に摺動性が求められるすべり軸受の場合は、ハウジングと摺動部材とを異材料で別体に形成し、一体化する方法が採用されている。この場合、ハウジングは強度の高い材料から形成し、摺動部材は低摩擦の材料から形成されている。
このように、ハウジングと摺動部材を別体とした場合、リング状の摺動部材をハウジング内に圧入すると軸受部の寸法精度や真円度が悪くなるという問題がある。すなわち、圧入しろのバラッキにより寸法精度が悪くなり、ハウジングの形状が円形と異なる形状の場合、ハウジングの肉厚差の影響を受け真円度が悪くなる。
一方、圧入しろを少なくすると、摺動部材がハウジング内で共回りするおそれがあり、嵌合部が摩耗する原因となる。
【0003】
このような理由から、摺動部材を相手軸と接触しない部分を省いたC字型形状とし、その接触しない部分にハウジングの内周面を延出させた構造のすべり軸受が採用されるようになってきた。
そのような従来のすベリ軸受を図5に示す。図5は、従来のすベリ軸受の断面図である。C字型形状の摺動部材1は、その切り欠き部8が軸3の反荷重方向となる位置でハウジング2へ圧入され、ハウジング2には軸3が回転したとき、摺動部材1が回転しないように摺動部材1の切り欠き部8に延出した凸状部の回り止め2aが設けられている。
また、摺動部材1のハウジング2への挿入性を考え、回り止め2aの端部2cと摺動部材1の端部1aとの間には空隙2bが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、摺動部材をハウジング内へ圧入する場合、摺動部材による張力がハウジング内壁に発生する。摺動部材外径寸法とハウジング内径寸法の差を圧入しろと称するが、その圧入しろが同じである場合、C字型形状の摺動部材は張力が弱く、摺動部材がハウジングから抜けやすくなり、組立工程中に脱落してしまうなど、特に自動組立ラインの生産性を大きく低下させるという問題がある。
【0005】
従来、この問題を解決するために、
1)すべり軸受の材質の剛性を増す、2)圧入しろを増す、3)すべり軸受の幅を増す、4)摺動部材とハウジングとを接着する、5)ビス等により固定する方法などがあったが、それぞれつぎのような問題があり、自動組立ラインの生産性の改善は十分でなかった。
1)の方法は、すべり軸受の他の機能が損なわれる、材料開発に多大な時間やコストがかかる等の問題がある。
2)の方法は、圧入しろを増すことにより、ハウジングへ挿入されづらくなる等の問題がある。
3)の方法は、幅を増すことにより装置の小型化ができない、軸とすべり軸受の接触面積が増え、軸の回転トルクが増えてしまう等の問題がある。
4)の方法は、接着するという工程が増えてしまう、接着剤がすべり軸受の内径面に流れ込んでしまい、すべり軸受の摺動特性を損ねる等の問題がある。
5)の方法は、ビス等の設置場所がいる、コストがかかる、装置の小型化ができない等の問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、C字型形状の摺動部材を有していても軸受面の精度を維持しつつ、自動組立時にハウジングから抜けにくいすべり軸受およびこのすべり軸受に使用される摺動部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のすべり軸受は、断面円形の内周面の一箇所に凸状部を有するハウジングと、このハウジングに内接し上記凸状部に係合する切り欠き部を有する合成樹脂製摺動部材とからなる内径が50mm以下のすべり軸受において、上記合成樹脂製摺動部材を上記ハウジングに組込む前の切り欠き部の円周方向の幅は、上記凸状部の円周方向の幅より小さいことを特徴とする。
【0008】
また、上記凸状部の端部および上記摺動部材の端部の少なくとも一方に爪状突起が設けられていることを特徴とする。
【0009】
さらに、上記爪状突起が摺動部材の少なくとも一方の端部に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、上記摺動部材は、含油合成樹脂組成物の成形体からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の摺動部材は、断面円形の内周面の一箇所に凸状部を有するハウジングに内接し上記凸状部に係合する切り欠き部を有し、ハウジングに組込む前の切り欠き部の円周方向の幅が、凸状部の円周方向の幅より小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明のすべり軸受は、C字型形状の摺動部材がハウジングに固定されるので、自動組立時にハウジングから抜けにくくなる。その結果、自動組立ラインの生産性を向上させることができる。
また、摺動部材が含油合成樹脂組成物の成形体からなるので、軸回転トルクが非常に小さいすべり軸受が得られる。
本発明の摺動部材は、C字型形状で、ハウジングに適度に係合されるので、自動組立時にハウジングから抜けにくくなると共に、すべり軸受の真円度を向上させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のすべり軸受を図1により説明する。図1は本発明のすべり軸受の一例を説明するための断面図である。
すべり軸受は、図1(a)に示すように、C字型形状の摺動部材1が、ハウジング2へ圧入されている。ハウジング2には、図1(c)に示すように、軸3が回転したとき、摺動部材1が回転しないように凸状部である回り止め2aが設けられている。また、摺動部材1には、図1(b)に示すように、切り欠き部を有し、ハウジングに組込む前の摺動部材1の切り欠き部の角度αを回り止め2aの角度βよりも小さくしている。このことにより、摺動部材1の端部1aとハウジング2の端部2cが干渉しハウジング2内へ摺動部材1が圧入固定される。
【0014】
摺動部材1の端部1aの形状は、摺動部材1およびハウジング2が圧入固定により変形しない程度であれば、どのような形状や構造でもよい。また、ハウジング2より摺動部材1を抜き去る抜去力は、摺動部材1の自重の 1000 倍以上あれば好ましく、より好ましくは 1000 〜10000 倍、さらにより好ましくは 2000 〜 6000 倍である。
【0015】
上述の構造とすることによる効果を図2により説明する。図2はすべり軸受における張力の関係を示す図である。
図2(a)に示すように、摺動部材1がハウジング2へ張ろうとする力4は、図2(b)と比較して、端部1aと端部2cとの干渉による力5が加算され増大する。つまり、この力により、摺動部材1はハウジング2から抜けにくくなり、自動組立時に抜けることがなく、自動組立性が優れたものとなる。この効果は、抜去力を自重の 1000 倍以上とすることにより、より向上する。
また、ハウジング2が図2(a)に示すように、断面円形の内周面を有し、その内周面に摺動部材1が密接しているので、寸法精度が向上する。
【0016】
端部1aの形状の具体例を図3に示す。図3は摺動部材1の端部1aを例示する断面図である。図3(a)は平面状の例を、図3(b)は爪状突起6を設けた例をそれぞれ示す。
このような爪状突起6が、少なくとも摺動部材1の一つの端部に形成されていれば、自動組立時に摺動部材1はハウジング2から抜けることのない抜去力を得ることができる。なお、爪状突起は、摺動部材1の端部のみでなく、ハウジング2の凸状部端部に形成されていてもよい。
これらの中で、図3(b)に示すように摺動部材1の端部に爪状突起6を設け、張力が多大になると突起部6が矢印6aの方向へ弾性変形するようにした端部を有するすべり軸受が好ましい。このような形状にすると摺動部材1を一体成形でき、かつ十分な抜去力を有するすべり軸受が得られる。
【0017】
具体的に図3(b)を基にして、より詳しく説明すると、爪状突起6は、摺動部材1の少なくとも一端部、好ましくは両端部に設けられ、そして爪状突起は、摺動部材1の一端部に、少なくとも一ヶ所以上設けられて、摺動部材1とハウジング2とが嵌合保持される。この爪状突起6は、適度な抜去力、すなわち摺動部材1がハウジング2内に対して適度な内部応力を保ちながら、長期間、確実に嵌合保持が可能なように、爪状突起6が、相対するハウジング2の回り止め2aの一端面2cに接触して、つぶししろ分が変形することで力が発生し、C形状をした部分円環形状の摺動部材1がハウジング2と適度に一体化される。この場合、摺動部材1の外周面寸法がハウジング2の内周面寸法と略等しいか、または、それよりも僅かに大きい寸法設定をなす設定手段と併用してもよい。そしてまた、図3(b)に示すように、より確実な嵌合保持力を得るために爪状突起6の根元は、摺動部材1の一端部の内周側近傍部付近に設け、爪状突起6の先端方向は、その爪状突起6の根元部から、相対するハウジング2の内周面の一部に有する回り止め2aの根元に形成される略内角隅部方向へ向けて爪状突起6の先端が向いていれば、確実な爪状突起6のつぶししろによる嵌合保持力が発生し好ましい。なお、仕様によっては、突起の形状はいかなる形状であってもよい。
【0018】
具体的な摺動部材1に形成される一対の端部1a間の角度αと、上記端部1aに形成される爪状突起6の先端方向の角度について説明すると、まず、図1(b)に示されるように、摺動部材1の切り欠き部に相当する一対の端部1aは、略円環状をなした摺動部材1の中心部から放射状方向に伸びる線に略一致するように沿って形成されており、これはすなわち略円環状をした摺動部材1の円周方向に対し、略直角な方向に端部1aを有することで、摺動部材1に切り欠き部が形成されている。
ここで、上記一対の端部1aを形成する角度は、例えば、 0°を越え 300°以下、好ましくは 15 〜 240°、より好ましくは 30 〜 180°、または 180°以下、さらに好ましくは 135°以下程度であれば、すべり軸受用摺動部材として用いることができるが、仕様等によっては上記一対の端部1aを形成する角度はいかなる角度であってもよい。
【0019】
上記のような端部1aを主に切り欠き部分を形成する端部とすると、図3(b)に示されるように、この端部1aの面を基準面として、爪状突起6は、例えば、 0°を越え90°未満とし、例えば少なくとも 3°以上、好ましくは約 5〜75°、より好ましくは15〜60°程度の角度をもって突出させれば、適度な抜去力もしくは嵌合保持力を維持することができ好ましい。
上記突起部の突出角度を大きくとって、該突起部のつぶししろを大きくとった方がより大きな抜去力もしくは嵌合保持力を得られるが、上記角度が大きすぎると突起部の根元に大きな曲げ力が加わるようになり、組成物材料によっては、突起物が塑性変形することも考えられ、その場合には上記角度は適度な角度に設定することが好ましい。
【0020】
このような摺動部材1およびこれに形成する爪状突起6は、射出成形可能な含油合成樹脂組成物によって、摺動部材1と爪状突起6とが一体的に射出成形されていれば、容易に爪状突起6を摺動部材1に設けることができ好ましい。
これは、またC字形摺動部材1をハウジング2の内周面へ挿入して一体化する際に、他の嵌合力発生部材を用いずに済むので部品点数が増加せず、価格低減に寄与でき、またすべり軸受組立工程においても容易に、効率的にすべり軸受を一体化することができるので、生産性の向上にも寄与することができる。
【0021】
本発明のすべり軸受の斜視図を図4に示す。図4は、ハウジング2と摺動部材1とを回り止め2aを介して組合わせてすべり軸受とした例である。この場合、自動組立性に優れていれば、摺動部材1は摺動特性を、ハウジング2は、機械的特性や耐久性などの摺動特性以外の特性を有するように機能分離することができるので、優れた摺動特性と優れた機械的特性等を有するすべり軸受を得ることができる。また、このようなすべり軸受は、特性を機能分離することにより、例えばすべり軸受にかかる負荷が一方向のみであるならば、摺動部材1は、その負荷がかかる方向のみに配置することができる。
また、凸状部である回り止め2aを形成するので、回り止め2aの外周面7を平面としても、すべり軸受の強度を維持することができるので、すべり軸受のより一層の小形化が図れる。
【0022】
なお、これら摺動部材およびハウジングと相手部材または成形用金型の摺動面もしくは嵌合面の表面・形状粗さは、最大粗さ(Rmax)、算術平均粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)などのJISで定義された評価法によって測定される。これら少なくとも一つの摺動面の表面・形状粗さは、例えば算術平均粗さ(Ra)にて約25μm 以下であり、約 8μm 以下が好ましく、3.2 μm 以下であればより好ましい。表面・形状粗さが、約25μm を越えると、摺動面に傷が多くついて摩耗の原因となる場合が多く、また、圧入嵌合への影響、そして金型からの離型性にも悪影響を及ぼす傾向がある。なお、表面・形状粗さの下限値は、加工時の効率を考慮して約 0.1μm 以上、好ましくは 1μm 以上あればよい。また、相手材や成形用金型の表面の仕上加工などに長時間を要して効率的に生産できないことや、嵌合挿入性、嵌合保持性、樹脂体の転移膜の形成に影響される可能性もあるため、嵌合性や摩耗に影響しない仕様や条件であれば、摺動面の表面・形状粗さは、約 1〜10μmRa の範囲としてもよい。
【0023】
また、C字形摺動部材の内径が、例えば 50mm 以下で、その内径寸法公差が 50 μm 以下、好ましくは摺動部材の内径寸法が 1〜 10mm で、その内径寸法公差が 1〜 25 μm の小型高精度すべり軸受に好適である。
【0024】
本発明に係る摺動部材を形成する含油合成樹脂組成物は、合成樹脂に油を配合した合成樹脂組成物であって、例えば図3(b)に示すように突起部を一体成形できる合成樹脂組成物であることが好ましい。また、この含油合成樹脂組成物を成形して得られる摺動部材の曲げ弾性率が、 50 〜2500 MPa の範囲にあることが好ましい。このような摺動部材とすることにより、摺動部材がハウジングから抜けることがないすべり軸受を形成することができる。摺動部材の曲げ弾性率はASTM D790に準拠して測定されるが、他の方法で測定してもよい。
【0025】
本発明のすべり軸受は、初期摺動特性および経時的な摺動特性の劣化が少ないため、OA機器、AV機器等の回転軸受部に好適に応用することができる。
【0026】
【実施例】
実施例1
超高分子量ポリエチレン樹脂 90 重量%とシリコーンオイル 10 重量%とからなる樹脂組成物を用いて図1(b)に示す形状の摺動部材を射出成形により作製した。摺動部材は、外径 10.5 mm、内径 8mm、幅 4mmで、切り欠き部を有するC字型形状である。なお、自重は 0.113g ±0.002gであった。この成形体の曲げ弾性率は、乾燥状態にて約 1300MPa(ASTM D790に準拠)である。また、ハウジング(内径 10.0mm )はポリフェニレンスルフィド樹脂 50 重量%とガラス繊維 40 重量%および無機質充填材 10 重量%とからなる樹脂組成物を用いて図1(c)に示す形状に射出成形により作製した。なお、切り欠き部の幅(角度α)は62°で、凸状部である回り止めの幅(角度β)は65°とした。その後、摺動部材をハウジングに圧入嵌合してすべり軸受を作製した。
得られたすべり軸受について、つぎに示す評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0027】
1)抜去力……摺動部材をハウジングに圧入嵌合して、株式会社イマダ社製のプッシュプルスケールを用いてn=5で測定した。
2)真円度……回り止めのない金属製(SUS303)ハウジングに摺動部材を圧入嵌合して、摺動部材の内径の真円度を測定する(このときの真円度をAとする)。つぎに同じ摺動部材を用いて回り止めのあるハウジングに圧入嵌合して、摺動部材の内径の真円度を測定する(このときの真円度をBとする)。A−Bを計算して評価した。A−Bの値がプラスであれば、真円度が向上したことを表し、マイナスであれば真円度が悪化したことを表している。n=5で測定した。
3)振動試験……摺動部材をハウジングに圧入嵌合したすべり軸受 1000 個用意して、これをパーツフィーダ中に投入して 10 分間振動を与えた。 10 分後に摺動部材がハウジングから抜けた個数を数えた。
【0028】
実施例2
摺動部材の両端部に、図3(b)に示す爪状突起を設ける以外は、実施例1と同一の条件方法ですべり軸受を作製した。爪状突起の先端よりの距離を切り欠き部の円周方向の幅とした。なお、爪状突起部6は、切り欠き部を形成する端部面1aを基準面として、約 30 〜55°の角度でもって突出している。
得られたすべり軸受につき、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0029】
実施例3
切り欠き部の幅(角度α)を60°とする以外は、実施例2と同一の条件方法ですべり軸受を作製した。
得られたすべり軸受につき、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
比較例1
切り欠き部の幅(角度α)を65°とする以外は実施例1と同一の条件方法ですべり軸受を作製した。
得られたすべり軸受につき、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003839938
【0032】
表1に示すように、本発明のすべり軸受は、抜去力が大きく、摺動部材1がハウジング2から抜けることがない。また真円度においても優れていた。
【0033】
【発明の効果】
本発明のすべり軸受は、摺動部材がハウジングに固定されるので、すべり軸受の自動組立時に摺動部材がハウジングより抜けにくくなる。その結果、寸法精度に優れると共に、すべり軸受の生産性が向上する。
【0034】
また、凸状部の端部および摺動部材の端部の少なくとも一方に爪状突起が設けられているので、摺動部材は自重の 1000 倍以上の抜去力を有する。
特に、爪状突起が前記摺動部材の少なくとも一方の端部に設けられているので、抜去力と共に真円度が向上する。
【0035】
本発明のすべり軸受は、摺動部材が、含油合成樹脂組成物の成形体からなるので、ハウジングに摺動部材が自重の 1000 倍以上の抜去力で固定され、かつ摺動特性に優れる。
【0036】
本発明の摺動部材は、ハウジングに組込む前の切り欠き部の円周方向の幅が凸状部の円周方向の幅より小さいので、自動組立時にハウジングから抜けにくくなると共に、すべり軸受の真円度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のすべり軸受の一例を示す断面図である。
【図2】すべり軸受における張力の関係を示す図である。
【図3】摺動部材の端部を例示する断面図である。
【図4】本発明のすべり軸受の斜視図である。
【図5】従来のすべり軸受の断面図である。
【符号の説明】
1 摺動部材
1a 摺動部材の端部
2 ハウジング
2a 回り止め
2c 回り止めの端部
3 軸

Claims (5)

  1. 断面円形の内周面の一箇所に凸状部を有するハウジングと、このハウジングに内接し前記凸状部に係合する切り欠き部を有する合成樹脂製摺動部材とからなる内径が50mm以下のすべり軸受において、前記合成樹脂製摺動部材を前記ハウジングに組込む前の前記切り欠き部の円周方向の幅は、前記凸状部の円周方向の幅より小さいことを特徴とするすべり軸受。
  2. 前記凸状部の端部および前記摺動部材の端部の少なくとも一方に爪状突起が設けられていることを特徴とする請求項1記載のすべり軸受。
  3. 前記爪状突起が前記摺動部材の少なくとも一方の端部に設けられていることを特徴とする請求項2記載のすべり軸受。
  4. 前記摺動部材は、含油合成樹脂組成物の成形体からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のすべり軸受。
  5. 断面円形の内周面の一箇所に凸状部を有するハウジングに内接し前記凸状部に係合する切り欠き部を有する合成樹脂製摺動部材において、前記ハウジングに組込む前の前記切り欠き部の円周方向の幅は、前記凸状部の円周方向の幅より小さいことを特徴とする摺動部材。
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