JP2005114164A - 動圧軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有底筒状の樹脂製ハウジングを有する動圧軸受装置において、ハウジングの底部側に設けられるスラスト軸受部のスラスト面の摩耗による耐久性低下の問題を解決する。
【解決手段】 ハウジング7は、樹脂材料により有底筒状に形成され、円筒状の側部7aと、側部7aの下端側に一体に設けられた底部7bとを備えている。ハウジング7の底部7bにはスラスト軸受部を構成する金属製のスラスト部材10が配置されている。軸受スリーブ8の下端面8cと軸部材2のフランジ部2bの上面2b1との間に第1スラスト軸受部T1が設けられ、スラスト部材10の上面10aとフランジ部2bの下面2b2との間に第2スラスト軸受部T2が設けられる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、軸受隙間に生じる流体(潤滑流体)の動圧作用によって回転部材を非接触支持する動圧軸受装置に関する。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、この種の軸受として、上記要求性能に優れた特性を有する動圧軸受(流体動圧軸受)の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータに組込まれる動圧軸受装置では、軸部材をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部とが設けられる。ラジアル軸受部としては軸受スリーブの内周面又は軸部材の外周面に動圧発生手段として動圧溝を設けた動圧軸受が用いられる。スラスト軸受部としては、軸部材に設けたフランジ部の両端面、あるいは、これらに対向するスラスト面(軸受スリーブの端面やハウジングの内底面等)に動圧溝を設けた動圧軸受が用いられる(例えば、特許文献1)。
また、ラジアル軸受部としては、ヘリングボーン形状やスパイラル形状等の軸方向に傾斜した形状の動圧溝を設けた動圧軸受の他、複数の軸方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受と称される動圧軸受や、ラジアル軸受面を多円弧面で構成した、いわゆる多円弧軸受と称される動圧軸受が用いられる場合もある(例えば、特許文献2〜4)。
特開2002―61637号公報 特開2000―337383号公報 特開2000―192960号公報 特開平9−200998号公報
この種の動圧軸受装置のコスト低減を図る手段として、ハウジングを樹脂製とすることが考えられる。すなわち、樹脂製ハウジングは樹脂材料を型成形(射出成形等)して形成することができ、旋削等の機械加工による金属製ハウジングに比べて低コストで製造することができると共に、プレス加工による金属製ハウジングに比べて比較的高い精度を確保することができる。
しかしながら、樹脂製ハウジングを、例えば特許文献1に記載されているような有底筒状に形成し、その内底面をスラスト軸受部のスラスト面とした場合、ハウジングを形成する樹脂材料の物性や使用条件等によっては、回転始動時や回転停止時等における軸部材(フランジ部の端面)との接触によって上記スラスト面に摩耗が生じ、スラスト軸受部の動圧作用による軸支持機能に好ましくない影響が生じることが懸念される。
本発明は、有底筒状の樹脂製ハウジングを有する動圧軸受装置において、ハウジングの底部側に設けられるスラスト軸受部のスラスト面の摩耗による耐久性低下の問題を解決することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ハウジングと、ハウジングの内部に固定された軸受スリーブと、ハウジング及び軸受スリーブに対して相対回転する軸部材と、軸受スリーブと軸部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備えた動圧軸受装置において、ハウジングを、樹脂材料により、一端側に開口部、他端側に底部を有する有底筒状に形成すると共に、上記底部にスラスト軸受部を構成するスラスト部材を配置した構成を提供する。
ここで、上記の流体(潤滑流体)としては、潤滑油(又は潤滑グリース)、磁性流体、エアー等の気体を用いることができる。
ハウジングの底部に配置されるスラスト部材の材質は特に限定されないが、例えば、スラスト部材は金属製又は樹脂製とすることができる。スラスト部材を樹脂製とする場合は、ハウジングを形成する樹脂材料よりも耐摩耗や摺動特性(自己潤滑性)に優れた樹脂材料を用いるのが好ましい。
樹脂製ハウジングの底部側に設けられるスラスト軸受部のスラスト面を金属製のスラスト部材によって構成することにより、回転始動時や回転停止時等に軸部材との接触が生じても、上記スラスト面に摩耗が生じにくく、スラスト軸受部の動圧作用による良好な軸支持機能が維持される。また、スラスト部材を上記のような樹脂材料で形成することにより、同様の効果を得ることができる。
スラスト部材には、軸受スリーブの端面と当接する当接部を設けることができる。この当接部の軸方向寸法を管理することによって、スラスト軸受部のスラスト軸受隙間を簡易にかつ精度良く設定することができる。この当接部は、例えば、スラスト部材の周縁部から立ち上がって軸方向に延びた形態にすることができる。
上記構成において、ラジアル軸受部は、ヘリングボーン形状やスパイラル形状等の軸方向に傾斜した形状の動圧溝を設けた動圧軸受、複数の軸方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた動圧軸受(ステップ軸受)、ラジアル軸受面を多円弧面で構成した動圧軸受(多円弧軸受)で構成することができる。
本発明は、ハウジングを樹脂材料により有底筒状に形成すると共に、ハウジングの底部にスラスト軸受部を構成するスラスト部材を配置したので、回転始動時や回転停止時等に軸部材との接触が生じても、スラスト部材のスラスト面は摩耗が生じにくく、スラスト軸受部の動圧作用による良好な軸支持機能が長期に亘って維持される。
また、本発明の動圧軸受装置を備えたディスク装置のスピンドルモータは、良好な回転性能を長期に亘って維持する。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る動圧軸受装置(流体動圧軸受装置)1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたロータ(ディスクハブ)3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータ4およびロータマグネット5とを備えている。ステータ4はブラケット6の外周に取付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3の内周に取付けられる。動圧軸受装置1のハウジング7は、ブラケット6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持される。ステータ4に通電すると、ステータ4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それによって、ディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
図2は、第1の実施形態に係る動圧軸受装置1を示している。この動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8と、軸部材2と、シール部材9及びスラスト部材10とで構成される。
ハウジング7は、樹脂材料で有底円筒状に形成され、円筒状の側部7aと、側部7aの一端側(同図では下側)に一体に設けられた底部7bとを備えている。側部7aの他端側(同図では上側)は開口部になっている。側部7aと底部7bは樹脂材料で別体に形成し、両者を接着、溶着(超音波溶着等)の手段で相互に結合しても良い。尚、以下の説明では、便宜上、ハウジング7の底部7bの側を下側、開口部の側を上側とする。
ハウジング7を形成する樹脂は特に限定されず、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂の中から適宜に選択して用いることができる。熱可塑性樹脂の場合、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。また、上記の樹脂に配合する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。この実施形態では、ハウジング7を形成する樹脂材料として、結晶性樹脂としての液晶ポリマー(LCP)に、導電性充填材としてのカーボンファイバー又はカーボンナノチューブを所定割合(例えば2〜8wt%)で配合した樹脂材料を用いている。そして、この樹脂材料を型成形(例えば射出成形)して、ハウジング7を製造している。
ハウジング7の内周面7cには軸受スリーブ8が固定され、この軸受スリーブ8の内周面8aに軸部材2が回転自在に挿入されている。軸受スリーブ8は、例えば、黄銅やアルミ(アルミ合金)等の軟質金属材料、あるいは、焼結金属材料で形成されている。この実施形態において、軸受スリーブ8は、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする燒結金属の多孔質体で円筒状に形成されている。軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられている。そして、これら2つの領域には、ヘリングボーン形状やスパイラル形状、例えば図3(a)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成されている。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。また、軸受スリーブ8の外周面8dには、1又は複数本の軸方向溝8d1が軸方向全長に亙って形成されている。この例では、3本の軸方向溝8d1を円周方向等間隔に形成している。
第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受面を構成する軸受スリーブ8の下端面8cには、例えば図3(b)に示すようなスパイラル形状(へリングボーン形状でも良い。)の動圧溝8c1が形成されている。また、図3(c)に示すように、軸受スリーブ8の上端面8bは、半径方向の略中央部に設けられた円周溝8b1により、内径側領域8b2と外径側領域8b3に区画され、内径側領域8b2には、1又は複数本の半径方向溝8b21が形成されている。この例では、3本の半径方向溝8b21が円周等間隔に形成されている。
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、あるいは、金属部分と樹脂部分からなるハイブリッド構造とされ(例えば、軸部2aを金属材料で形成し、フランジ部2bを樹脂材料で形成する。)、軸部2aと、軸部2aの下端に一体又は別体に設けられたフランジ部2bとを備えている。そして、軸受スリーブ8の内周面8aと、軸部材2の軸部2aの外周面2a1との間に、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられている。
軸受スリーブ8の下端面8cと軸部材2のフランジ部2bの上面2b1との間に、第1スラスト軸受部T1が設けられている。また、スラスト部材10の上面10aとフランジ部2bの下面2b2との間に、第2スラスト軸受部T2が設けられている。
スラスト部材10は、例えば黄銅等の金属材料で皿状に形成され、ハウジング7の底部7b上に配設されている。また。第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受面を構成するスラスト部材10の上面10aには、例えば図4に示すようなスパイラル形状(ヘリングボーン形状でも良い。)の動圧溝10a1が形成されている。この動圧溝は、スラスト部材10の上面10aに形成する代わりに、フランジ部2bの下面2bに形成しても良い。あるいは、スラスト部材10は、樹脂材料で形成されたものであっても良い。この場合、スラスト部材10を形成する樹脂材料は、ハウジング7を形成する樹脂材料よりも耐摩耗性や摺動特性(自己潤滑性)に優れたものであることが好ましい。例えば、スラスト部材10を形成する樹脂材料として、PPS、LCP等の熱可塑性樹脂にPTFE、黒鉛、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を配合したものを用いることができる。また、スラスト部材10を樹脂材料の型成形(射出成形等)で形成する場合、成形金型に動圧溝10a1に対応する溝形状を形成しておくと、動圧溝10a1をスラスト部材10の成形と同時に成形できるという利点がある。
スラスト部材10は、その外周縁部から立ち上がって軸方向上方に延びた当接部10bを一体に備えている。当接部10bの上端面は軸受スリーブ8の下端面8cと当接し、当接部10bの内周面は軸部材2のフランジ部2bの外周面と隙間を介して対向する。この当接部10bは、例えば環状の形態を有し(円周方向に部分的な形態とすることもできる。)、その軸方向寸法X3は所定値に管理されている。従って、当接部10bの軸方向寸法X3とフランジ部2bの軸方向寸法(Wとする。)を管理することにより、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間(δ1とする。)と第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間(δ2)を、δ1+δ2=X3−Wとして、簡易にかつ精度良く設定することができる。
ハウジング7(側部7a)の開口部内周には、黄銅等の金属材料又は樹脂材料で形成されたシール部材9が固定されている。シール部材9の内周面9aは、軸部2aの外周面2a1、特にテーパ面2a2と所定容積のシール空間Sを介して対向する。尚、テーパ面2a2は上側(ハウジング7に対して外部側)に向かって漸次縮径し、軸部材2の回転により遠心力シールとしても機能する。また、シール部材9の下面は、軸受スリーブ8の上端面8bの内径側領域8b2と部分的に接触する。そして、シール部材9で密封されたハウジング7の内部空間には、軸受スリーブ8の内部気孔を含めて、潤滑流体としての潤滑油が充満されている。この潤滑油の油面は、シール空間Sの範囲内に維持される。
動圧軸受装置1は以上のように構成され、軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部2aの外周面2a1とラジアル軸受隙間を介して対向する。また、軸受スリーブ8の下端面8cのスラスト軸受面となる領域は、フランジ部2bの上面2b1とスラスト軸受隙間を介して対向し、スラスト部材10の上面10aのスラスト軸受面となる領域は、フランジ部2bの下面2b2とスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2の軸部2aが上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。
同時に、上記スラスト軸受隙間にも潤滑油の動圧が発生し、このスラスト軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によって、軸部材2のフランジ部2bが両スラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とが構成される。
第2スラスト軸受部T2を構成するスラスト部材10は金属材料で形成されているので、回転始動時や回転停止時等に軸部材2のフランジ部2bの下面2b2との接触が生じても、スラスト軸受面となる上面10aは摩耗が生じにくい。そのため、第2スラスト軸受部T2、さらには第1スラスト軸受部T1の動圧作用による良好なスラスト軸支持機能が長期に亘って維持される。
前述したように、第1ラジアル軸受部R1の動圧溝8a1は、軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている{図3(a)}。そのため、軸部材2の回転時、動圧溝8a1による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。そして、この引き込み力の差圧によって、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部2aの外周面2a1との間の隙間に満たされた潤滑油が下方に流動し、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間→軸方向溝8d1→シール部材9の下面の外径側領域と軸受スリーブ8の上側端面8bの外径側領域8b3との間の環状隙間→軸受スリーブ8の上側端面8bの円周溝8b1→軸受スリーブ8の上側端面8bの半径方向溝8b21という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。このように、潤滑油がハウジング7の内部空間を流動循環するように構成することで、内部空間内の潤滑油の圧力が局部的に負圧になる現象を防止して、負圧発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑油の漏れや振動の発生等の問題を解消することができる。また、何らかの理由で潤滑油中に気泡が混入した場合でも、気泡が潤滑油に伴って循環する際にシール空間S内の潤滑油の油面(気液界面)から外気に排出されるので、気泡による悪影響はより一層効果的に防止される。
図5は、第2の実施形態に係る動圧軸受装置11を示している。この動圧軸受装置11は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8と、軸部材2と、スラスト部材10とで構成され、第1の実施形態に係る動圧軸受装置1と比較して、シール部材9が省略されている。
軸受スリーブ8の上端部内周に、内周面8aのラジアル軸受面となる領域よりも大径に形成されたシール部8dが設けられている。シール部8dは、軸部材2の軸部2aの外周面2a1との間に所定容積のシール空間S’を形成する。その他の事項は第1の実施形態に準じるので、説明を省略する。
なお、以上の説明では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑流体の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、いわゆるステップ軸受や多円弧軸受を採用しても良い。
図6は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方をステップ軸受で構成した場合の一例を示している。この例では、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域に、複数の軸方向溝形状の動圧溝8a3が円周方向所定間隔に設けられている。
図7は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の一例を示している。この例では、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域が、3つの円弧面8a4、8a5、8a6で構成されている(いわゆる3円弧軸受)。3つの円弧面8a4、8a5、8a6の曲率中心は、それぞれ、軸受スリーブ8(軸部2a)の軸中心Oから等距離オフセットされている。3つの円弧面8a4、8a5、8a6で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の両方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小した形状を有している。そのため、軸受スリーブ8と軸部2aとが相対回転すると、その相対回転の方向に応じて、ラジアル軸受隙間内の潤滑流体が楔状に縮小した最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑流体の動圧作用によって、軸受スリーブ8と軸部2aとが非接触支持される。尚、3つの円弧面8a4、8a5、8a6の相互間の境界部に、分離溝と称される、一段深い軸方向溝を形成しても良い。
図8は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の他の例を示している。この例においても、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域が、3つの円弧面8a7、8a8、8a9で構成されているが(いわゆる3円弧軸受)、3つの円弧面8a7、8a8、8a9で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の一方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小した形状を有している。このような構成の多円弧軸受は、テーパ軸受と称されることもある。また、3つの円弧面8a7、8a8、8a9の相互間の境界部に、分離溝と称される、一段深い軸方向溝8a10、8a11、8a12が形成されている。そのため、軸受スリーブ8と軸部2aとが所定方向に相対回転すると、ラジアル軸受隙間内の潤滑流体が楔状に縮小した最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑流体の動圧作用によって、軸受スリーブ8と軸部2aとが非接触支持される。
図9は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の他の例を示している。この例では、図8に示す構成において、3つの円弧面8a7、8a8、8a9の最小隙間側の所定領域θが、それぞれ、軸受スリーブ8(軸部2a)の軸中心Oを曲率中心とする同心の円弧で構成されている。従って、各所定領域θにおいて、ラジアル軸受隙間(最小隙間)は一定になる。このような構成の多円弧軸受は、テーパ・フラット軸受と称されることもある。
以上の各例における多円弧軸受は、いわゆる3円弧軸受であるが、これに限らず、いわゆる4円弧軸受、5円弧軸受、さらに6円弧以上の数の円弧面で構成された多円弧軸受を採用しても良い。また、ラジアル軸受部をステップ軸受や多円弧軸受で構成する場合、ラジアル軸受部R1、R2のように、2つのラジアル軸受部を軸方向に離隔して設けた構成とする他、軸受スリーブ8の内周面8aの上下領域に亘って1つのラジアル軸受部を設けた構成としても良い。
また、スラスト軸受部T1、T2の一方又は双方は、例えば、スラスト軸受面となる領域に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、いわゆる波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる。
実施形態に係るディスク装置のスピンドルモータの断面図である。 動圧軸受装置の第1の実施形態を示す断面図である。 図3(a)は軸受スリーブの断面図、図3(b)は軸受スリーブの下端面図、図3(c)は軸受スリーブの上端面図である。 スラスト部材の平面図である。 動圧軸受装置の第1の実施形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の構成例を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の構成例を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の構成例を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
7a 側部
7b 底部
8 軸受スリーブ
10 スラスト部材
R1 第1ラジアル軸受部
R2 第2ラジアル軸受部
T1 第1スラスト軸受部
T2 第2スラスト軸受部

Claims (6)

  1. ハウジングと、該ハウジングの内部に固定された軸受スリーブと、前記ハウジング及び軸受スリーブに対して相対回転する軸部材と、前記軸受スリーブと前記軸部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で前記軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で前記軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備えた動圧軸受装置において、
    前記ハウジングを、樹脂材料により、一端側に開口部、他端側に底部を有する有底筒状に形成すると共に、前記底部に前記スラスト軸受部を構成するスラスト部材を配置したことを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 前記スラスト部材が金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受装置。
  3. 前記スラスト部材が、前記軸受スリーブの端面と当接する当接部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の動圧軸受装置。
  4. 前記ラジアル軸受部が、動圧発生手段として動圧溝を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の動圧軸受装置。
  5. 前記ラジアル軸受部が、多円弧軸受で構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の動圧軸受装置。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の動圧軸受装置を備えたディスク装置のスピンドルモータ。

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