JP2006329273A - 流体軸受装置用ハウジング - Google Patents

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Abstract

【課題】 この種の流体軸受装置において、他部材との接着性を低コストに高めた樹脂製のハウジングを提供する。
【解決手段】 流体軸受装置1を構成するハウジング7を、ポリフェニレンサルファイド(PPS)をベース樹脂とする樹脂組成物で形成すると共に、樹脂組成物に、分子中に2以上のエポキシ基を有し、かつエポキシ指数が0.5meq/g以上のエポキシ化合物を、樹脂組成物中のエポキシ基量が8meq/100g以上となるように配合する。
【選択図】図10

Description

本発明は、流体軸受装置用のハウジングに関するものである。このハウジングを有する軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク駆動装置、MD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化等が求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の1つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する流体軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
この種の流体軸受は、軸受隙間内の潤滑流体に動圧を発生させるための動圧発生部を備えた動圧軸受と、動圧発生部を備えていない、いわゆる真円軸受(軸受断面が真円形状である軸受)とに大別される。
例えば、HDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータに組み込まれる流体軸受装置では、回転部材を構成する軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部およびスラスト方向に支持するスラスト軸受部の双方を動圧軸受で構成する場合がある。この種の流体軸受装置(動圧軸受装置)におけるラジアル軸受部としては、例えば軸受スリーブの内周面と、これに対向する軸部材の外周面との何れか一方に、動圧発生部としての動圧溝を形成すると共に、両面間にラジアル軸受隙間を形成するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
上記流体軸受装置は、ハウジングや軸受スリーブ、軸部材などの部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い回転性能を確保すべく、各部品の寸法精度や組立て精度を高める努力がなされている。その一方で、情報機器の低価格化の傾向に伴い、この種の流体軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。これらの要求を受けて、最近では、流体軸受装置の構成部品であるハウジングを樹脂材料で成形することが検討されている(例えば、特許文献2を参照)。
一方で、この種の流体軸受装置を、HDD等の磁気ディスク装置用のスピンドルモータに組込んで使用する場合、流体軸受装置のモータへの組付けは、通常ハウジングの外周面をモータブラケットの内周面に接着剤で接着固定することにより行われる。しかしながら、ハウジングを接着性に乏しい材料、例えば樹脂で形成する場合、磁気ディスク装置を内蔵した情報機器の落下に伴う衝撃により接着面が剥離し、軸受装置、ひいては磁気ディスク装置の機能低下を招く恐れがある。特に最近では、ディスク容量の増大化要求を受けて、上記ディスク装置に組込まれる磁気ディスクの枚数が増加する傾向にあり、これにより落下時の衝撃力が益々増大するため、この種のハウジングとモータブラケットとの間にはより一層の高い接着力が求められる。
樹脂の接着性を改善するための手段として、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂にモノエポキシ化合物を配合する方法(例えば、特許文献3を参照)、あるいはエポキシ基で変性させたPPS樹脂を、未変性のPPS樹脂に配合する方法(例えば、特許文献4を参照)などが知られている。
しかしながら、上述の方法で得られた樹脂でハウジングを形成すると、以下の不具合が生じる可能性がある。例えば前者の方法(モノエポキシ化合物を配合)だと、樹脂と接着剤との親和性を高めるために相当量を配合する必要が生じ、これにより、樹脂全体の流動性(溶融粘度)が低下し、ハウジングの成形性に悪影響を及ぼす可能性がある。また、後者の方法(エポキシ変性PPSを配合)だと、エポキシ変性PPS中に残留する低分子量のエポキシ成分がハウジングの成形温度で分解し、ガスを発生させる。このガスが成形型中に残存することで、ハウジングの内部に空孔として残り、あるいはハウジングの外表面上に留まる等の不具合が生じ、ハウジングの成形精度を低下させる可能性がある。また、この種のエポキシ変性樹脂を得るためには複雑かつ多数の工程を経る必要があり、これにより、かかる製造コストの高騰を招く。以上のことから、上記の方法は、何れも流体軸受装置用ハウジングの接着力改善のための適切な手段とは言い難い。
特開2003−239951号公報 特開2003−314534号公報 特開平1−65171号公報 特開平8−85759号公報
本発明の課題は、この種の流体軸受装置において、他部材との接着性を高めたハウジングを低コストに提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、内部にラジアル軸受隙間を有し、かつ外周に他部材との接着固定面を形成した流体軸受装置用ハウジングであって、ハウジングは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)をベース樹脂とする樹脂組成物で形成されると共に、樹脂組成物は、分子中に2以上のエポキシ基を有し、かつエポキシ指数が0.5meq/g以上のエポキシ化合物を、樹脂組成物中のエポキシ基量が8meq/100g以上となるようベース樹脂に配合してなることを特徴とする流体軸受装置用ハウジングを提供する。
本発明は、ベース樹脂に、エポキシ基を含有する化合物(エポキシ化合物)を配合することが接着性の改善に有効であり、またエポキシ化合物の中でも、分子中に2以上のエポキシ基を含有するエポキシ化合物を配合することにより接着性が顕著に改善されるという本発明者らの知見に基づき創作されたものである。加えて、本発明は、以下の知見に基づき、配合すべきエポキシ化合物の種類、およびその配合量を規定することにより、ハウジングの接着性および成形性を高レベルでかつ低コストで両立したものである。
すなわち、樹脂組成物中のエポキシ基量(エポキシ官能基の密度)を8meq/100g以上となるように上記エポキシ化合物を配合することで、かかる樹脂組成物で形成されるハウジングと接着剤との親和性(接着性)を高めることができる。これにより、接着相手材となる他部材(モータブラケットなど)との接着強度を向上させることができ、ディスク装置のディスク容量増大化の要求にも対応することができる。同時に、本発明では、樹脂組成物に配合する上記エポキシ化合物として、エポキシ指数が0.5meq/g以上のものを選定した。かかる化合物によれば、樹脂組成物中のポリフェニレンサルファイド(PPS)に対するエポキシ化合物の配合割合を抑えて、言い換えると、ポリフェニレンサルファイド(PPS)の配合割合をできるだけ高めに設定することができる。従って、樹脂組成物の成形時における高い流動性(成形性)を確保しつつも、他部材(モータブラケットなど)との接着性を低コストに高めることができる。
また、本発明において、上記ハウジング用のベース樹脂としたポリフェニレンサルファイド(PPS)は、高い結晶化度を有する結晶性樹脂であるため、分子鎖間の相互作用が強く、低粘度のエステル系潤滑油を樹脂内に侵入させ難い。そのため、これらの樹脂をベースとする樹脂材料でハウジングを形成すれば、潤滑油の種類に依らず、高い耐油性をハウジングに付与することができる。また、上記樹脂材料は、結晶性樹脂の中でも特に溶融状態での流動性に優れた樹脂であるため、かかるハウジングの成形性を確保して、ハウジングの小サイズ化にも容易に対応することができる。さらに、上記樹脂材料は、固化時のアウトガス発生量が少ないという利点を有するので、上記樹脂材料でハウジングを形成することにより、ハウジング成形時あるいは成形後のアウトガス発生量を抑え、軸受装置あるいはディスク装置の清浄度を高レベルに保つことができる。
樹脂組成物中のエポキシ基量は、20meq/100g以下であることが好ましい。樹脂組成物中のエポキシ基量を上記範囲内に抑えることにより、例えば射出成形中に発生するガスの量を抑えて、成形型中に多量のガスが残存することに起因する成形品の寸法不良や外観不良などの不具合を解消することができる。
樹脂組成物中におけるエポキシ化合物の配合割合は、20vol%以下であることが好ましい。エポキシ化合物の配合割合を上記範囲内に抑えることにより、本来PPSが有する高い耐油性や良好な成形性(高い流動性)を十分に発現することができる。特に、PPSの有する高い耐摩耗性などは、エポキシ化合物の配合割合を高めることで減殺される場合もあるが、配合割合を上記範囲内に抑えることにより、かかる不具合を解消して、高い耐摩耗性をハウジングに付与することが可能となる。
上記エポキシ化合物として、例えばポリオレフィンを主鎖とし、グリシジルメタクリレート(GMA)を側鎖としてグラフトさせたもの、あるいはビスフェノールA型(BPA)エポキシ化合物が好ましく使用可能である。
上記ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびエポキシ化合物を含む樹脂組成物の、Na含有量は2000ppm以下であることが好ましい。これによれば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)の副生成物であるNaCl等が減じられ、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)に含有されるNaも少なくなる。従って、潤滑油中へのNaイオンの溶出量が抑えられ、軸受内部あるいは軸受外部の清浄度を高レベルに保つことが可能となる。ポリフェニレンサルファイド(PPS)のNa含有量を上記数値範囲(2000ppm以下)に抑えるには、例えば比誘電率の大きな(少なくとも10以上の)溶媒を用いて洗浄すればよい。また、酸で洗浄することにより、分子末端基のNaを取り除くことができるので、Na含有量をより一層低減することができる。具体的には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)の中でも、最も側鎖の少ないリニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)が、単位体積当りの分子末端基の数が少なく、Na含有量が少ない点で好ましい。
流体軸受装置用のハウジングには、上述の要求特性の他、最近の電子機器の携帯化に伴い、他部材との接着部分以外にも高い強度や耐衝撃特性が要求される。また、ハウジングが回転部材との間にスラスト軸受隙間を形成する場合には、該軸受隙間を高精度に管理する観点から高い寸法安定性が要求される。そこで本発明では、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびエポキシ化合物を含む樹脂組成物に、充填材として炭素繊維を配合した。これによれば、ハウジングの高強度化が図られると共に、炭素繊維の持つ低熱寸法変化性が発現され、樹脂部分の温度変化に伴う寸法変化が抑えられる。この結果、使用時におけるスラスト軸受隙間が高精度に制御され、高い軸受性能を発揮することが可能となる。また、炭素繊維は導電性を有するので、充填材として樹脂組成物に配合することでハウジングに高い導電性を持たせることができる。これにより、使用時に回転部材(例えばディスクハブ等)側に帯電した静電気をハウジングを介して接地側部材に逃がすことができる。
上記要求特性を満足するため、炭素繊維としては、3000MPa以上の引張り強度を有するものが好ましい。高強度と共に、高い導電性を兼ね備えたものとして、例えばPAN系(ポリアクリロニトリル系)の炭素繊維を挙げることができる。
これら炭素繊維を樹脂組成物に配合することによる補強効果、寸法安定効果、静電除去効果等は、炭素繊維のアスペクト比を考慮することでより一層顕著に発揮される。すなわち、炭素繊維の繊維長が大きいほど補強効果や静電除去効果が高まり、繊維径が小さいほど耐摩耗性、特に摺動相手材の損傷が抑えられる。これらの観点から、具体的には炭素繊維のアスペクト比を6.5以上にするのが好ましい。
充填材としての炭素繊維のベース樹脂への充填量は10〜35vol%とするのが好ましい。これは、例えば充填量が10vol%未満だと、炭素繊維の充填による補強効果や静電除去効果が充分に発揮されず、また充填量が35vol%を超えると、ハウジングの成形性を確保することが困難になるためである。
上記構成の流体軸受装置用ハウジングは、このハウジングと、ハウジングの内周に固定される軸受スリーブと、軸を有する回転部材とを備えた流体軸受装置として好適に提供可能である。この場合、ラジアル軸受隙間は、ハウジングの内部であって、軸受スリーブの内周面とこれに対向する軸の外周面との間に形成される。もちろん、ハウジングの内周面とこれに対向する軸の外周面との間にラジアル軸受隙間を直接形成するものであっても構わない。
また、上記流体軸受装置は、この流体軸受装置と、ハウジングの接着固定面に接着固定して、流体軸受装置を内周に固定する他部材としての固定部材と、ステータコイルと、ステータコイルとの間に励磁力を生じるロータマグネットとを備えたモータとして好適に提供可能である。
以上のように、本発明によれば、この種の流体軸受装置において、他部材との高い接着性、および高い成形性を兼ね備えたハウジングを低コストに提供することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸2を備えた回転部材3を回転自在に非接触支持する流体軸受装置1と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、モータブラケット6とを備えている。ステータコイル4はモータブラケット(固定部材)6の外径側に取付けられ、ロータマグネット5は回転部材3の外周に取付けられている。流体軸受装置1のハウジング7は、モータブラケット6の内周に固定される。回転部材3には、図示は省略するが、磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体(以下、単にディスクという。)が一又は複数枚保持される。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する電磁力でロータマグネット5が回転し、これに伴って、回転部材3および回転部材3に保持されたディスクが軸2と一体に回転する。
図2は、流体軸受装置1を示している。この流体軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8と、ハウジング7および軸受スリーブ8に対して相対回転する回転部材3とを主に備えている。なお、説明の便宜上、軸方向両端に形成されるハウジング7開口部のうち、蓋部材10で封口される側を下側、封口側と反対の側を上側として以下説明する。
回転部材3は、例えばハウジング7の開口側に配置されるハブ部9と、軸受スリーブ8の内周に挿入される軸2とを備えている。
ハブ部9は金属材料あるいは樹脂材料で形成され、ハウジング7の開口側(上側)を覆う円盤部9aと、円盤部9aの外周部から軸方向下方に延びた筒状部9bと、筒状部9bの外周に設けられたディスク搭載面9cおよび鍔部9dとで構成される。図示されていないディスクは、円盤部9aの外周に外嵌され、ディスク搭載面9cに載置される。そして、図示しない適当な保持手段(クランパなど)によってディスクがハブ部9に保持される。
軸2は、この実施形態ではハブ部9と一体に形成され、その下端に抜止めとしてフランジ部2bを別体に備えている。フランジ部2bは、金属製で、例えばねじ結合等の手段により軸2に固定される。
軸受スリーブ8は、例えば真ちゅう等の銅合金やアルミ合金などの金属材料で形成することもでき、焼結金属からなる多孔質体で形成することもできる。この実施形態では、銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。
軸受スリーブ8の内周面8aの全面又は一部円筒領域には、ラジアル動圧発生部として複数の動圧溝を配列した領域が形成される。この実施形態では、例えば図3に示すように、複数の動圧溝8a1、8a2をヘリングボーン形状に配列した領域が軸方向に離隔して2箇所形成される。上側の動圧溝8a1の形成領域では、動圧溝8a1が、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。
軸受スリーブ8の下端面8cの全面または一部環状領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図示は省略するが、複数の動圧溝をスパイラル形状に配列した領域が形成される。この動圧溝形成領域はスラスト軸受面として、フランジ部2bの上端面2b1と対向し、軸2(回転部材3)の回転時には、上端面2b1との間に第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
ハウジング7は、樹脂材料で円筒状に形成される。この実施形態では、ハウジング7は、その軸方向両端を開口した形状をなし、その他端側を蓋部材10で封口している。一端側の端面(上端面)の全面または一部環状領域には、スラスト軸受面7aが設けられる。この実施形態では、スラスト軸受面7aに、スラスト動圧発生部として、例えば図4に示すように複数の動圧溝7a1をスパイラル形状に配列した領域が形成される。このスラスト軸受面7a(動圧溝7a1形成領域)は、ハブ部9の円盤部9aの下端面9a1と対向し、回転部材3の回転時には、下端面9a1との間に後述する第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
ハウジング7の他端側を封口する蓋部材10は、金属材料あるいは樹脂材料で形成され、ハウジング7の他端内周側に設けられた段部7bに固定される。ここで、固定手段は特に限定されず、例えば接着(ルーズ接着、圧入接着を含む)、圧入、溶着(例えば超音波溶着)、溶接(例えばレーザ溶接)などの手段を、材料の組合わせや要求される組付け強度、密封性などに合わせて適宜選択することができる。
ハウジング7の内周面7cには、軸受スリーブ8の外周面8bが、例えば接着(ルーズ接着や圧入接着を含む)、圧入、溶着等の適宜の手段で固定される。
ハウジング7の外周には、上方に向かって漸次拡径するテーパ状のシール面7dが形成される。このテーパ状のシール面7dは、筒状部9bの内周面9b1との間に、ハウジング7の封口側(下方)から開口側(上方)に向けて半径方向寸法が漸次縮小した環状のシール空間Sを形成する。このシール空間Sは、軸2およびハブ部9の回転時、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間の外径側と連通している。
また、ハウジング7外周の下端には接着固定面7eが形成される。接着固定面7eは、この実施形態では径一定の円筒状をなし、モータブラケット6の内周面6aに接着固定される。これにより、流体軸受装置1がモータに組み込まれる。
流体軸受装置1の内部には潤滑油が充填され、潤滑油の油面は常にシール空間S内に維持される。潤滑油としては、種々のものが使用可能であるが、特にHDD等のディスク駆動装置用の流体軸受装置に提供される潤滑油には、低蒸発率及び低粘度性が要求され、例えばジオクチルセバケート(DOS)、ジオクチルアゼテート(DOZ)等のエステル系潤滑油が好適である。
上記ハウジング7には、上記エステル系潤滑油に対する高い耐油性(低吸油性)が要求されるが、この他にも、使用時のアウトガス発生量や吸水量を低く抑えることが必要となる。さらには、高い耐熱性も要求される。
上記要求特性を満足する樹脂として、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を挙げることができる。ポリフェニレンサルファイド(PPS)は、他の樹脂に比べて安価に入手可能であり、かつ成形時の流動性(溶融粘度)にも優れた樹脂であるため、ハウジング7用のベース樹脂として適している。
ところで、ポリフェニレンサルファイド(PPS)は一般的に硫化ナトリウムとパラジクロロベンゼンの重縮合反応により製造されるが、同時に副生成物である塩化ナトリウムを含む。そのため、適当な溶媒を用いてポリフェニレンサルファイド(PPS)を洗浄する必要がある。洗浄するための溶媒としては、少なくとも10以上の比誘電率を有するものであればよく、好ましくは20以上、より好ましくは50以上のものであればなおよい。さらに環境面も考慮すると、例えば水(比誘電率約80)が好ましく、特に超純水が好ましい。このような溶媒で洗浄を行うことにより、主にポリフェニレンサルファイド(PPS)末端基のNaが取り除かれるため、ポリフェニレンサルファイド(PPS)中のNa含有量を低減(例えば、2000ppm以下)させることができ、ハウジング7を形成する樹脂材料として使用可能となる。また、末端基のNaを取り除くことで結晶化速度が速まるメリットも有する。
ポリフェニレンサルファイド(PPS)には、架橋型ポリフェニレンサルファイド(PPS)、側鎖の少ないセミリニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)、更に側鎖の少ないリニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)に大別されるが、この中でも側鎖の少ないリニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)が、分子あたりの分子末端基の数が少なく、Na含有量が少ない点で、より好ましい。また、リニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)は、他タイプのポリフェニレンサルファイド(PPS)に比べて洗浄が容易であり、あるいは、洗浄によりNa含有量をほとんど低減する必要がない点でも好ましい材料である。具体的には、Na含有量が2000ppm以下のもの、より好ましくは1000ppm、更に好ましくは500ppm以下のものが上記リニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)に該当する。これによれば、潤滑油中へのNaイオン溶出量が抑えられるので、流体軸受装置1や、回転部材3に保持されたディスク状情報記録媒体、あるいはディスクヘッド(図示せず)表面にNaが析出するのを防ぐことができる。
上記ベース樹脂を含む樹脂組成物には、分子中に2以上のエポキシ基を有し、かつエポキシ指数が0.5meq/g以上のエポキシ化合物が、樹脂組成物中のエポキシ基量が8meq/100g以上となるように配合される。これにより、上記ベース樹脂(PPS)が本来有する耐油性や低アウトガス性、さらには成形時の高い流動性(低溶融粘度)を充分に発現しつつも、モータブラケット6との接着性(接着強度)を改善したハウジング7を得ることができる。
また、上記エポキシ化合物は、樹脂組成物中のエポキシ基量が20meq/100g以下となるようにベース樹脂に配合されるのが好ましい。これは、樹脂組成物中のエポキシ基量が上記範囲(20meq/100g)を超えると、ハウジング7の成形時、樹脂組成物中から無視できない量のガスが発生し、このガスが成形型中に残存することで、成形品としてのハウジング7の寸法不良や外観不良などの不具合を招く恐れがあるためである。
なお、上記成形時のガス発生を抑制する観点から、本実施形態では、ベース樹脂としてポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用する場合、エポキシ化合物で変性されていないポリフェニレンサルファイド(エポキシ未変性PPS)を使用するのが好ましい。この理由としては、エポキシ変性PPSをベース樹脂として使用すると、このエポキシ変性PPS中に残留する低分子量のエポキシ成分がハウジング7の成形温度(ここでは、エポキシ変性PPSの射出時温度)で分解し、ガスを発生させる。このガスが成形型中に残存することで、ハウジング7の内部に空孔として残り、あるいはハウジング7の外表面上に留まることで、このハウジング7の成形精度を低下させる可能性があることによる。
エポキシ化合物としては、上記範囲内のエポキシ指数を有するものであれば使用することができるが、その中でもポリオレフィンを主鎖とし、グリシジルメタクリレート(GMA)を側鎖としてグラフトさせたエポキシ化合物、あるいはビスフェノールA型エポキシ化合物が好適に使用可能である。なお、上記例示のエポキシ化合物には、側鎖にグリシジルメタクリレート(GMA)のみを有するコポリマータイプの他、側鎖にエポキシ基を含まないスチレンなどをさらにグラフトさせて、ターポリマー化したものも知られているが、上記のように、エポキシ基を含む化合物のみを側鎖にグラフトしてなるコポリマータイプを用いるほうが、スチレンなどを用いたターポリマー体を用いるよりも耐熱性の観点から望ましい。
また、ハウジング7の上端面に設けられたスラスト軸受面7aは、回転部材3の起動・停止時に、軸方向に対向するハブ部9の下端面9a1との間で摺動摩擦を生じる。この種のハウジング7の摺動摩耗は、ベース樹脂に対するエポキシ化合物の配合比を適正に設定することにより、具体的には20vol%以下とすることにより低減することが可能となる。
上記ベース樹脂およびエポキシ化合物を含む樹脂組成物には、充填材として炭素繊維が配合可能である。これによれば、ハウジング7の高強度化が図られると共に、ハウジング7の温度変化に伴う寸法変化を抑えて高い寸法安定性を得ることができる。この結果、使用時におけるスラスト軸受隙間を高精度に制御することが可能となる。また、炭素繊維をベース樹脂に配合することで炭素繊維の持つ高い導電性が発現され、ハウジング7に充分な導電性(例えば体積抵抗で1.0×106Ω・cm以下)を付与することができる。これにより、使用時にディスクに帯電する静電気を回転部材3およびハウジング7(さらに軸受スリーブ8を経由する場合もある)を介して接地側部材(モータブラケット6など)に逃がすことができる。
炭素繊維には、例えばPAN系やPich系など種々のものが使用可能であるが、補強効果や衝撃吸収性の観点から、比較的高い引張強度(好ましくは3000MPa以上)を有するものが好ましく、特に高い導電性を併せ持つものとしては、PAN系炭素繊維が好ましい。
このPAN系炭素繊維としては、以下の寸法範囲のものを使用することができる。
(1)溶融樹脂を混練して射出成形する際には、炭素繊維が裁断されて短繊維化する。短繊維化が進行すると、強度や導電性等の低下が顕著となり、これらの要求特性を満足することが難しくなる。従って、樹脂に配合する炭素繊維としては、成形時の繊維の折れを見込んで長めの繊維を使用することが好ましく、具体的には平均繊維長100μm以上(より好ましくは1mm以上)の炭素繊維を使用するのが望ましい。
(2)その一方、射出成形工程においては、金型内で硬化した樹脂を取り出し、これを再度溶融させ、バージン樹脂組成物と混練して再使用(リサイクル使用)する場合がある。この場合、一部の繊維は繰返しリサイクルされることになるので、当初の繊維長が長すぎる場合には、リサイクルに伴う裁断により、繊維が当初の繊維長に比べて著しく短くなって、樹脂組成物の特性変化(溶融粘度の低下等)が顕著になる。かかる特性変化を最小限に抑えるため、繊維長はできるだけ短い方が好ましく、具体的には平均繊維長を500μm以下(好ましくは300μm以下)とするのが望ましい。
以上に述べた炭素繊維の繊維長の選択は、実際の射出成形工程で如何なる経歴の樹脂組成物を使用するかによって定めることができる。例えばバージン樹脂組成物のみを使用する場合、あるいはリサイクル樹脂組成物を混合使用する場合で、かつバージン樹脂組成物の比率が多い場合には、強度や導電性等の低下を抑制する観点から、上記(1)で述べた寸法範囲の炭素繊維を使用するのが好ましく、反対にリサイクル樹脂組成物の使用比率が多い場合には、リサイクルに伴う樹脂組成物の特性変化を抑制する観点から、上記(2)で述べた寸法範囲の炭素繊維を使用するのが望ましい。
なお、(1)および(2)の何れの炭素繊維でも、炭素繊維の繊維径が細いほど配合本数が増えるため、製品品質の均一化に有効であり、かつそのアスペクト比が大きいほど繊維補強による補強効果も高まる。従って、炭素繊維のアスペクト比は大きいほど望ましく、具体的には6.5以上のアスペクト比が好ましい。また、その平均繊維径は、作業性や入手性を考慮すると、5〜20μmが適当である。
上述の炭素繊維による補強効果や静電除去効果等を充分に発揮するため、炭素繊維のベース樹脂への充填量は10〜35vol%、より好ましくは15〜25vol%とするのがよい。これは、炭素繊維の充填量が10vol%未満だと、炭素繊維による補強効果や静電除去効果が充分に発揮されない他、他部材との摺動部分におけるハウジング7の耐摩耗性、特に摺動相手材の耐摩耗性が確保されず、充填量が35vol%を超えると、ハウジング7の成形性が低下し、高い寸法精度を得ることが困難になるためである。
上記ベース樹脂およびエポキシ化合物に炭素繊維を配合した樹脂組成物の溶融粘度は、キャビティー内を溶融樹脂で高精度に充填するため、310℃、せん断速度1000s-1において500Pa・s以下に抑えるのがよい。従って、炭素繊維を除く樹脂組成物(ベース樹脂とエポキシ化合物)の溶融粘度は、炭素繊維の充填による粘度増加を補償するためにも、310℃、せん断速度1000s-1において100Pa・s以下であることが好ましい。
このように、ハウジング7を上述の樹脂組成物で形成すれば、高耐油性や低アウトガス性、成形時の高流動性、低吸水性、高耐熱性、さらにはモータブラケット6との高い接着力を兼ね備えたハウジング7を形成することができ、これにより、流体軸受装置1およびこの軸受装置を組込んだディスク駆動装置の耐久性、信頼性を高めることができる。さらには、炭素繊維を用途に応じて適量配合することで、機械的強度、耐衝撃性、成形性、寸法安定性、静電除去性にも優れたハウジング7を得ることができる。
上記構成の流体軸受装置1において、軸2(回転部材3)の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の動圧溝8a1、8a2形成領域)は、軸2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間の潤滑油が動圧溝8a1、8a2の軸方向中心m側に押し込まれ、その圧力が上昇する。このような動圧溝8a1、8a2の動圧作用によって、軸2をラジアル方向に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とがそれぞれ構成される。
これと同時に、ハウジング7のスラスト軸受面7a(動圧溝7a1形成領域)とこれに対向するハブ部9(円盤部9a)の下端面9a1との間のスラスト軸受隙間、および軸受スリーブ8の下端面8c(動圧溝形成領域)とこれに対向するフランジ部2bの上端面2b1との間のスラスト軸受隙間に、動圧溝の動圧作用により潤滑油の油膜がそれぞれ形成される。そして、これら油膜の圧力によって、回転部材3をスラスト方向に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とがそれぞれ構成される。
以上、本発明の第1実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
上記第1実施形態では、ハウジング7を形成する樹脂組成物として、1種類のベース樹脂(ポリフェニレンサルファイド)にエポキシ化合物および炭素繊維を配合した場合を説明したが、本発明の効果を妨げるものでない限り、他の結晶性樹脂や非晶性樹脂、あるいはゴム成分等の有機物を付加してもよく、また、炭素繊維に加えて金属繊維やガラス繊維、ウィスカ等の無機物を付加しても構わない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が耐油性に優れた離型剤として、カーボンブラックが導電化剤としてそれぞれ配合可能である。
また、上記第1実施形態では、ハウジング7の上端面に複数の動圧溝7a1を配列したスラスト軸受面7aを設けるとともに(スラスト軸受部T1)、軸受スリーブ8の下端面8cに複数の動圧溝を配列したスラスト軸受面を設けた場合を説明したが(スラスト軸受部T2)、本発明は、スラスト軸受部T1のみを設けた流体軸受装置にも同様に適用することができる。この場合、軸2は、フランジ部2bを有しないストレートな形状になる。したがって、ハウジング7は、蓋部材10を底部として一体に樹脂材料で形成することで、有底円筒形の形態にすることができる。また、軸2とハブ部9とは金属あるいは樹脂で一体成形できる他、軸2をハブ部9と別体に形成することもできる。この場合、軸2を金属製とし、この金属製の軸2をインサート部品としてハブ部9と一体に回転部材3を樹脂で型成形することもできる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る流体軸受装置11を示している。この実施形態において、軸部(回転部材)12は、その下端に一体または別体に設けられたフランジ部12bを備えている。また、ハウジング17は、円筒状の側部17aと、側部17aと別体構造をなし、側部17aの下端部に位置する底部17bとを備えている。ハウジング17の側部17aの上端部には内周側に突出したシール部13がハウジング17と一体に形成される。ハウジング17の底部17bの上端面17b1には、図示は省略するが、例えば複数の動圧溝をスパイラル状に配列した領域が形成されるとともに、軸受スリーブ18の下端面18cにも、同様の形状に動圧溝を配列した領域が形成される。そして、軸受スリーブ18の下端面18cと軸部12のフランジ部12bの上端面12b1との間に第1スラスト軸受部T11が形成され、ハウジング17の底部17bの上端面17b1とフランジ部12bの下端面12b2との間に第2スラスト軸受部T12が形成される。
この実施形態において、ハウジング17の側部17aは、シール部13と共に樹脂材料で形成される。そのため、ハウジング17の側部17aに上記第1実施形態と同様のベース樹脂およびエポキシ化合物を選定すれば、モータブラケット(図示は省略)との接着力をはじめ、耐油性、耐摩耗性、清浄度、寸法安定性、成形性等に優れたハウジング17を得ることができる。また、底部17bを樹脂材料で形成する場合には、側部17aと同様の材料組成とすることもでき、これにより、ハウジング17と底部17bとの間の接着力を向上させることができる。
図6は、本発明の第3実施形態に係る流体軸受装置21を示している。この実施形態において、シール部23は、ハウジング27の側部27aと別体に形成され、ハウジング27の上端部内周に接着、圧入、あるいは溶着等の手段により固定される。また、ハウジング27の底部27bは、ハウジング27の側部27aと一体に樹脂材料で型成形され、有底円筒状の形態を成している。なお、これ以外の構成は、第2実施形態に準じるので説明を省略する。
この実施形態において、ハウジング27は、側部27aと底部27bを一体に樹脂材料で形成される。そのため、ハウジング27に上記第1実施形態と同様のベース樹脂およびエポキシ化合物を選定すれば、モータブラケット(図示は省略)との接着力をはじめ、耐油性、耐摩耗性、清浄度、寸法安定性、成形性等に優れたハウジング27を得ることができる。
また、以上の実施形態(第1〜第3実施形態)では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑流体の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、図示は省略するが、軸方向の溝を円周方向の複数箇所に形成した、いわゆるステップ状の動圧発生部、あるいは、円周方向に複数の円弧面を配列し、対向する軸2(あるいは軸部材12、22)の外周面2aとの間に、くさび状の径方向隙間(軸受隙間)を形成した、いわゆる多円弧軸受を採用してもよい。
あるいは、ラジアル軸受面となる軸受スリーブ8の内周面8aを、動圧発生部としての動圧溝や円弧面等を設けない真円状内周面とし、この内周面と対向する軸2の真円状外周面2aとで、いわゆる真円軸受を構成することができる。
また、スラスト軸受部T1、T2の一方又は双方は、同じく図示は省略するが、スラスト軸受面となる領域に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、あるいは波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる。
また、以上の実施形態では、ハウジング7と、ハウジング7の内周に収容される軸受スリーブ8とを別体とした場合を説明したが、これらハウジング7と軸受スリーブ8とを一体化することもできる(ハウジング17、27の場合も同様)。この場合、軸受スリーブ8とハウジング7との一体化部材は、PPSをベース樹脂とする上記組成の樹脂組成物で形成される。また、上記動圧発生部は、スリーブ−ハウジング一体化部材の側(固定側)に設ける他、これらに対向する軸2やフランジ部2bあるいはハブ部9の側(回転側)に設けることもできる。
本発明の有用性を明らかにするため、組成の異なる複数の樹脂組成物について、ハウジング7の要求特性に対する評価を行った。ベース樹脂には、1種類のリニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用した。また、ベース樹脂に配合するエポキシ化合物には、それぞれエポキシ指数の異なる4種類ないしは5種類のエポキシ化合物を使用した。また、充填材には、1種類の炭素繊維を使用した。これらベース樹脂とエポキシ化合物との組み合わせ、および配合比は図7〜図9に示す通りである。
なお、この実施例では、リニア型ポリフェニレンサルファイド(PPS)として大日本インキ化学工業(株)製のLC−5Gを、5種類のエポキシ化合物(エポキシ化合物No.1〜No.5)としてNo.1から順に住友化学(株)製のボンドファースト(グレ―ド;2C、エポキシ指数;0.42meq/g)、東亞合成(株)製のレゼダ(グレード;GP301、エポキシ指数;0.57meq/g)、住友化学(株)製のボンドファースト(グレード;E、エポキシ指数;0.84meq/g)、住友化学(株)製のボンドファースト(グレード;CG5004、エポキシ指数;1.34meq/g)、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロン(グレード;N−695P、エポキシ指数;4.65maq/g)をそれぞれ使用した。また、炭素繊維(PAN系)として東邦テナックス(株)製のHM35−C6S(繊維径;7μm、平均繊維長;6mm、引張り強さ;3240MPa)を使用した。また、この実施例では離型剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を配合しており、具体的には(株)喜多村製のKTL−620を使用した。
これら原料を図7〜図9に示す配合比を基にドライブレンドしたものを、サイドフィード付き二軸式押出機(スクリューL/D比;約30)内に供給し、スクリュー回転速度 150rpm、温度 300〜330℃で溶融混練した。混練後、φ4mmのダイ穴から溶融ストランドを引き出し、冷却後、米粒大の樹脂組成物ペレットを製作した。なお、図7〜図9に示す組成のうち、炭素繊維を含む組成物については、二軸押出機のサイドフィード部から所定の速度で供給し、溶融混練中における炭素繊維の折損が生じ難いようにした。
評価項目は、上記ペレットを用いて成形した供試体の(1)イオンの不溶性、(2)体積抵抗[Ω・cm]、(3)耐油性(引張強さ低下率)[%]、(4)リング摩耗深さ[μm]、(5)摺動相手材の摩耗深さ[μm]、(6)接着力[N]の計6項目である。各評価項目の評価方法(評価項目値の測定方法)、および合否判定基準は以下に示す通りである。なお、図10〜図12に記載した、樹脂組成物中のエポキシ基量[meq/100g]は、実施例及び比較例として形成された供試体中に含まれるエポキシ基量の理論値を示し、下記の計算式に基づいて算出される。
樹脂組成物中のエポキシ基量[meq/100g]
=当該樹脂組成物に配合したエポキシ化合物のエポキシ指数[meq/g]
×エポキシ化合物の配合比率[wt%(=g/100g)]
(1)イオンの不溶性
供試体(ハウジング)からの各種イオン(Naイオンを含む)溶出の有無をイオンクロマトグラフィを用い確認した。具体的な手順を以下に示す。
(ア)射出成形にて供試体を成形し、予め超純水で充分に供試体の表面を洗浄する。
(イ)空のビーカに超純水を入れ、その中に上記供試体を投入する。
(ウ)上記ビーカを80℃に加温した恒温槽に1hセットし、供試体の表面および内部に含有するイオンを超純水中に溶出させる。他方、供試体を投入しない純水のみ入ったビーカも同様に恒温槽に1hセットし、これをブランクとする。
(エ)上記で準備した、供試体を投入した超純水に含有するイオン量を、イオンクロマトグラフィにより測定する(測定値A)。別途ブランクに含有するイオン量も同様に測定する(測定値B)。
(オ)測定値Aから測定値Bを減算し、イオン溶出の有無を確認する。
なお、合否判定基準としては、イオンクロマトグラフィに一般的に使用されるカラムにて分析可能なイオン(下記の表1を参照)を検出対象イオンとした。表に記載のイオンが検出されなければ合格(○)、検出されれば不合格(×)とした。
Figure 2006329273
(2)体積抵抗[Ω・cm]
JIS 7194による四探針法により測定を行った。合否判定基準としては、1.0×106Ω・cm以下を合格(○)、1.0×106Ω・cmを超えるものを不合格(×)とした。
(3)耐油性(引張強さ低下率)[%]
JIS K7113で規定される一号ダンベルを、潤滑油中に浸漬し120℃の恒温槽に投入し、1000h後の引張強度を測定し、試験開始時のサンプルの引張強度からの低下率を求めた。潤滑油には、ジエステル油としてジ(2−エチルヘキシル)アゼレートを使用した。引張強度測定はJIS K7113に規定される方法で行い、低下率は次に示す計算式から算出した。
[(試験開始時の引張強度)−(各測定時間での引張強度)/(試験開始時の引張強度
)]×100 [単位:%]
合否判定基準としては、浸漬開始後1000hにおいて、低下率が10%以下を合格(○)、10%を超えるものを不合格(×)とした。
(4)リング摩耗深さ[μm]および
(5)摺動相手材の摩耗深さ[μm]
リング状の供試体を、潤滑油中でディスク状の摺動相手材に所定荷重で押し当てた状態でディスク側を回転させるリングオンディスク試験にて測定した。具体的には、φ21mm(外径)×φ17mm(内径)×3mm(厚み)のリング状樹脂成形体を供試体として使用した。また、表面粗さRa0.04μm、φ30mm(直径)×5mm(厚み)のA5056製のディスク材を摺動相手材として使用した。潤滑油には、ジエステル油としてジ(2−エチルヘキシル)アゼレートを使用した。この潤滑油の40℃における動粘度は、10.7mm2/sである。リングオンディスク試験中、供試体に対する摺動相手材の面圧は0.25MPa、回転速度(周速)は1.4m/min、試験時間は14h、油温は80℃とした。合否判定基準について、リング摩耗深さに関しては、3μm以下を合格(○)、3μmを超えるものを不合格(×)とし、摺動相手材の摩耗深さに関しては、2μm以下を合格(○)、2μmを超えるものを不合格(×)とした。
(6)接着力[N]
上記樹脂組成物を用い、φ10mm×15mmの円柱状成形体<1>を射出成形にて成形する。一方、アルミニウム(A5056相当)を用い、φ20mm×φ10mm×10mmのモータブラケット模擬治具<2>を製作し、この治具中央部に、前記円柱状成形体<1>との直径すき間(接着すき間)が25μmとなるよう内径寸法を規定した穴を加工する。円柱状成形体<1>およびモータブラケット模擬治具<2>の表面を充分に脱脂し、円柱状成形体<1>の接着面(上記成形体<1>の表面)にプライマを、モータブラケット模擬治具<2>の接着面(上記成形体<1>を上記治具<2>に挿入した際、成形体<1>と相対する治具<2>の表面)に嫌気性接着剤をそれぞれ塗布する。その後成形体<1>を治具<2>に挿入し、90℃×1hで加熱硬化させる。なお、嫌気性接着剤として、スリーボンド社製「TB1359D」を、プライマとして、スリーボンド社製「TB1390F」をそれぞれ使用した。また、嫌気性接着剤の塗布量を約10mg、プライマの塗布量を約1mg(溶剤分揮発後の成形体の重量増加分として測定)とした。
その後、治具<2>から成形体<1>を引抜き、抜去時における最大荷重を接着力とした。合格判定基準としては、接着力が1000N以上のものを合格(○)、1000N未満のものを不合格(×)とした。
図10〜図12に、各供試体の評価項目(1)〜(6)に関する評価結果を示す。比較例1〜11、14、15のように、使用するエポキシ化合物のエポキシ指数が小さいと、あるいは使用する樹脂組成物中のエポキシ基量が過小もしくは過大だと、十分な接着力(<1000N)を得ることができない。比較例11〜15のように、ベース樹脂(PPS)に対するエポキシ化合物の配合割合が過剰となると、本来ベース樹脂(PPS)が有すべき物理的特性、ここでは耐摩耗性が低減し、摺動摩擦に対する十分な耐久性を得ることができない。これに対して、本発明に係る実施例1〜6では、接着力をはじめ、耐摩耗性(リングおよび相手材の摩耗深さ)、耐油性(引張強さ低下率)、清浄度(イオンの不溶性)、静電除去性(体積抵抗)等全ての面において、比較例よりも優れた結果が得られた。
本発明の第1実施形態に係る流体軸受装置を組込んだスピンドルモータの断面図である。 第1実施形態に係る流体軸受装置の断面図である。 軸受スリーブの断面図である。 ハウジングの上端面図である。 本発明の第2実施形態に係る流体軸受装置の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る流体軸受装置の断面図である。 実施例の材料組成を示す図である。 比較例の材料組成を示す図である。 比較例の材料組成を示す図である。 実施例の比較試験結果を示す図である。 比較例の比較試験結果を示す図である。 比較例の比較試験結果を示す図である。
符号の説明
1、11、21 流体軸受装置
2、12、22 軸部
2a 外周面
2b フランジ部
3 回転部材
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
6 モータブラケット(固定部材)
7、17、27 ハウジング
7a スラスト軸受面
7e 円筒外周面
8 軸受スリーブ
9 ハブ部
10 蓋部材
R1、R2、R11、R12、R21、R22 ラジアル軸受部
T1、T2、T11、T12 スラスト軸受部

Claims (14)

  1. 内部にラジアル軸受隙間を有し、かつ外周に他部材との接着固定面を有する流体軸受装置用ハウジングであって、
    ポリフェニレンサルファイド(PPS)をベース樹脂とする樹脂組成物で形成され、
    樹脂組成物は、分子中に2以上のエポキシ基を有し、かつエポキシ指数が0.5meq/g以上のエポキシ化合物を、樹脂組成物中のエポキシ基量が8meq/100g以上となるようベース樹脂に配合してなることを特徴とする流体軸受装置用ハウジング。
  2. 樹脂組成物中のエポキシ基量が20meq/100g以下である請求項1記載の流体軸受装置用ハウジング。
  3. 樹脂組成物中におけるエポキシ化合物の配合割合が20vol%以下である請求項1記載の流体軸受装置用ハウジング。
  4. ポリオレフィンを主鎖とし、グリシジルメタクリレート(GMA)を側鎖としてグラフトさせたエポキシ化合物をベース樹脂に配合した請求項1記載の流体軸受装置用ハウジング。
  5. ビスフェノールA型エポキシ化合物をベース樹脂に配合した請求項1記載の流体軸受装置用ハウジング。
  6. Na含有量が2000ppm以下の樹脂組成物である請求項1記載の流体軸受装置用ハウジング。
  7. ポリフェニレンサルファイド(PPS)はリニア型である請求項1記載の流体軸受装置用ハウジング。
  8. 樹脂組成物に、炭素繊維が含まれる請求項1記載の流体軸受装置用ハウジング。
  9. 炭素繊維の引張り強さが3000MPa以上である請求項8記載の流体軸受装置用ハウジング。
  10. 炭素繊維は、PAN系繊維である請求項8記載の流体軸受装置用ハウジング。
  11. 炭素繊維のアスペクト比が6.5以上である請求項8記載の流体軸受装置用ハウジング。
  12. 炭素繊維は、樹脂組成物に10vol%以上35vol%以下含まれる請求項8記載の流体軸受装置用ハウジング。
  13. 請求項1〜12の何れか記載の流体軸受装置用ハウジングと、ハウジングの内周に固定される軸受スリーブと、軸とを備えた流体軸受装置。
  14. 請求項13記載の流体軸受装置と、ハウジングの接着固定面に接着固定して、流体軸受装置を内周に固定する他部材としての固定部材と、ステータコイルと、ステータコイルとの間に励磁力を生じるロータマグネットとを備えたモータ。
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