JP4522869B2 - 動圧軸受装置 - Google Patents

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本発明は、軸受隙間に生じる流体(潤滑流体)の動圧作用によって回転部材を非接触支持する動圧軸受装置に関する。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化等が求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の1つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する動圧軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータに組込まれる動圧軸受装置では、ハウジングの内周に軸受スリーブを固定すると共に、軸受スリーブの内周に軸部材を配置した構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この軸受装置では、軸部材の回転により、軸受スリーブの内周と軸部材の外周との間のラジアル軸受隙間に流体の動圧作用で圧力を発生させ、この圧力で軸部材をラジアル方向に非接触状態で支持する。
特開2002−61636号公報
上述のスピンドルモータは、このような動圧軸受装置の他、ステータコイル、ロータマグネット、ブラケットといった多くの部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高回転精度を確保すべく、各部品の加工精度や組立て精度を高める努力がなされている。その一方で、情報機器の低価格化・小型化の傾向に伴い、この種のモータに対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
そこで、本発明は、モータの回転精度の向上を図るとともに、さらなる低コスト化を図ることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る動圧軸受装置は、フランジ部を有する軸部材と、内周に軸部材が挿入される軸受スリーブと、一端を開口すると共に他端が底部で閉塞され、内部に軸受スリーブを固定したベース部材と、ベース部材の一端開口側をシールし、軸部材の外周面との間にシール空間を形成するシール部材と、軸受スリーブと軸部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを具備し、フランジ部は、軸方向に対向するシール部材の端面と軸受スリーブの端面との間に配設され、ベース部材はステータコイルの取付け部を有すると共に、底部もしくはシール部材の何れか一方を一体に有する動圧軸受装置において、スラスト軸受隙間が、軸受スリーブのハウジング開口側の端面とこれに対向する軸部材のフランジ部の端面との間にのみ形成され、スラスト軸受隙間が零のときに軸受スリーブの端面とフランジ部の端面とが摺接し、軸部材の端面とベース部材の底部との間に隙間が形成され、ベース部材が、ステータコイルの取付け部を含めて樹脂で一体に成形されることを特徴とする。
従来、ハウジングやブラケットは何れも金属製であるから、両者間の固定は接着剤によって強固に行うことができた。その一方、近年では、低コスト化等の観点から例えばハウジングを樹脂で成形することが検討されている。このような樹脂製ハウジングを使用する場合、樹脂と金属との間の接着強度は、金属同士の場合に比べて著しく劣るため、金属製のブラケットとの間で十分な接着力を得ることが難しく、接着面積を多くするなどの対策が別途必要となる。また、接着力を確保するため、樹脂表面にプライマ処理を行う場合もあるが、これでは接着工数の増加を招く。
これに対し、上述のように、ハウジングとブラケットのうち少なくとも何れか一方を樹脂製とし、ハウジングとブラケットを一体に成形すれば、接着力を増すための対策が不要となり、接着工数および部品点数の削減によるモータの低コスト化を図ることができる。また、かかる樹脂の一体成形品は、型成形によって高精度に成形できるので、成形品の精度を高めてモータの回転精度の向上を図ることも可能となる。
ハウジングとブラケットの一体成形法として、例えばハウジングとブラケットを共に樹脂製とし、両者を一体に型成形する方法が挙げられる。この場合、一体成形品には、ハウジング/ブラケット界面が存在しないため、両者間の接着強度が問題となることはない。従って、適切な機械的強度を有する樹脂材料を選択するだけで、ハウジングおよびブラケットに必要な強度を確保することができる。
その他の一体成形法として、ハウジングとブラケットのうち、何れか一方の部材を樹脂製、他方の部材を金属製とし、樹脂製の部材を、金属製の部材をインサート部品として型成形するインサート成形(アウトサート成形を含む。以下同じ)を挙げることができ、これによっても上記と同様の効果が得られる。
また、ハウジングの内部に満たされた潤滑流体を密封するため、ハウジングの一端開口側に、軸部材との間でシール空間を形成するシール部材を設けることがあるが、その場合には、シール部材を、ハウジングおよびブラケットと共に一体成形することが望ましい。これによれば、シール部材のハウジングへの固定作業を省略して、モータのさらなる低コスト化を図ることができる。
上記構成において、ラジアル軸受部は、ラジアル軸受隙間に複数のくさび状隙間を有する多円弧軸受で構成することができる。
また、スラスト軸受部は、ハウジングの他端閉口側ではなく、一端開口側に設けられる。この場合のスラスト軸受隙間は、例えば軸部材にフランジ部を設け、このフランジ部の端面と、これに対向する軸受スリーブのハウジング開口側の端面との間の隙間で構成することができる。
以上に述べた動圧軸受装置は、例えばディスク装置のスピンドルモータに組込んで使用することができ、これによれば、高回転精度のモータを低コストに提供することが可能となる。
以上のように、本発明に係る動圧軸受装置によれば、高回転精度を有し、かつ低コストのモータを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5とを備えている。ステータコイル4は動圧軸受装置1の外周に取付けられ、ロータマグネット5は、ディスクハブ3の内周に取付けられている。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体(以下、単にディスクという。)Dを一枚または複数枚保持している。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する電磁力でロータマグネット5が回転し、これに伴って、ディスクハブ3およびディスクハブ3に保持されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
図2は、動圧軸受装置1を示している。この動圧軸受装置1は、軸部材2と、内周に軸部材2を挿入した軸受スリーブ6と、一端を開口し、その内部に軸受スリーブ6を固定したベース部材7と、シール部材8とを主な構成要素として構成されている。この実施形態では、軸部材2が回転側の部材となり、軸受スリーブ6、ベース部材7、およびシール部材8が固定側の部材となる。なお、説明の便宜上、ベース部材7の開口部7dの側を上側、開口部7dと反対の側を下側として以下説明する。
軸部材2は、例えばステンレス鋼等の金属材料で形成され、軸部2aと、円盤状のフランジ部2bとを備えている。フランジ部2bは軸部2aの下端よりも上方に設けられ、軸部2aと一体または別体をなす。なお、軸部2aの芯部あるいはフランジ部2b、もしくはその双方は、樹脂材料で形成することもできる。
軸受スリーブ6は、例えば、銅やアルミ(合金を含む)等の軟質金属材料、あるいは焼結金属材料で形成されている。この実施形態において、軸受スリーブ6は、焼結金属からなる多孔質体、例えば銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。
軸受スリーブ6の内周面6aの上下に離隔した領域には、図3に示すように、第一ラジアル軸受部R1および第二ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる複数の円弧面9がそれぞれ形成される。各円弧面9は、回転軸心Oから等距離オフセットした点を中心とする偏心円弧面であり、円周方向で等間隔に形成される。各偏心円弧面9の間には軸方向の分離溝10が形成される。
軸受スリーブ6の内周面6aに軸部材2の軸部2aを挿入することにより、軸受スリーブ6の偏心円弧面9および分離溝10と軸部2aの真円状外周面2a1との間に、第一および第二ラジアル軸受部R1、R2の各ラジアル軸受隙間がそれぞれ形成される。ラジアル軸受隙間のうち、偏心円弧面9と対向する領域は、隙間幅を円周方向の一方で漸次縮小させたくさび状隙間11となる。くさび状隙間11の縮小方向は軸部材2の回転方向に一致している。
軸受スリーブ6の上端面6bの全面または一部の環状領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図示は省略するが、スパイラル形状の動圧溝が形成される。この上端面6bの動圧溝形成領域は、フランジ部2bの下端面2b2と対向し、軸部材2の回転時には、両面6b、2b2の間にスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間が形成される(図2参照)。
ベース部材7は、筒部7a1および底部7a2を一体に有するハウジング7aと、ハウジング7aの下部から外径側に延びるフランジ状のブラケット7bとで構成される。このベース部材7は、例えば液晶ポリマー(LCP)をベース樹脂とする樹脂組成物を円筒状に射出成形することにより、ハウジング7aとブラケット7bとの間に界面のない、一体品として型成形される。なお、軸受スリーブ6をインサート部品としてベース部材7を型成形(インサート成形)してもよい。
上記樹脂組成物のベース樹脂は、先に例示した樹脂以外にも、例えば、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等の非結晶性樹脂、あるいはポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の結晶性樹脂を用いることができる。また、上記樹脂組成物には、例えば、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカ状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボン繊維、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、各種金属粉等の繊維状または粉末状の導電性充填材を、目的に応じて適量配合することができる。
ベース部材7を構成するブラケット7bには、ステータコイル4の取付け部7cが設けられる。この実施形態では、ブラケット7bの上端面7b1に取付け部7cが設けられ、この取付け部7cに、溶着や超音波ステーキング等の固定手段によりステータコイル4が取付けられる。
シール部材8は、例えば黄銅等の金属材料または樹脂材料で円環状に形成される。シール部材8の円筒状の内周面8aは、ベース部材7(ハウジング7a)の開口部7d内周に固定された状態(図2を参照)では、対向する軸部2aの外周面2a1との間に所定のシール空間Sを形成する。
シール部材8の下端面8bは、フランジ部2bの上端面2b1と軸方向の隙間を介して対向している。軸部材2が上方へ変位すると、フランジ部2bの上端面2b1がシール部材8の下端面8bと軸方向で係合し、軸部材2の抜け止めとして作用する。このように本実施形態におけるシール部材8は、シール機能と、抜け止めの機能を併せ持つものである。
ベース部材7を構成するハウジング7aの内周に、軸受スリーブ6を挿入し、軸受スリーブ6の下端面6cをハウジング7aの底部7a2に当接させる。こうして、ハウジング7aに対する軸受スリーブ6の軸方向位置を定めた上で、圧入、接着、溶着などの固定手段により軸受スリーブ6をハウジング7aに固定する。次に、シール部材8をハウジング7aの開口部7d内周に配し、シール部材8の下端面8bと軸受スリーブ6の上端面6bとの間にフランジ部2bを収容した状態で、上記固定手段によりシール部材8をハウジング7aに固定する。これにより、図2に示す動圧軸受装置1が完成する。この際、シール部材8で密封されたハウジング7aの内部空間は、軸受スリーブ6の内部気孔を含め、潤滑油で充満されると共に、潤滑油の油面はシール空間Sの範囲内に維持される。
上記構成の動圧軸受装置1において、軸部材2の回転時、軸受スリーブ6の内周面6aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、軸部2aの外周面2a1とラジアル軸受隙間を介して対向し、それぞれ多円弧軸受(テーパ軸受とも称される)を構成する。軸部材2の回転に伴い、ラジアル軸受隙間内の潤滑油がくさび状隙間11の縮小側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑油の動圧作用によって、軸部2aを非接触支持する第一ラジアル軸受部R1と第二ラジアル軸受部R2がそれぞれ構成される。
同時に、フランジ部2bの下端面2b2とこれに対向する軸受スリーブ6の上端面6bとの間のスラスト軸受隙間にも、動圧溝の動圧作用により潤滑油の油膜が形成され、この油膜の圧力によって、フランジ部2bをスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部Tが構成される。
上述のように、本発明では、軸受スリーブ6を保持するハウジング7aと、ステータコイル4の取付けベースとなるブラケット7bとが射出成形等の型成形により、界面のない一体品として同時成形されるから、ハウジング7aとブラケット7bとを接着固定する必要がなく、また、樹脂製のハウジング7aを成形した際に必要となる、接着力の低下対策も不要となる。従って、接着工数や部品点数の削減を通じてモータの低コスト化を図ることができる。さらには、ハウジング7aとブラケット7bとの間の接着力は、樹脂材料の機械的強度で評価できるから、軸受設計も容易なものとなる。
また、ベース部材7は、高精度の金型を使用することによって容易に高精度化できるので、振れ回り等の少ない高回転精度のモータを提供することができる。さらには、ハウジング7aとブラケット7b双方の部材を、金属素材の機械加工等により成形した従来品と比べて軽量化することができ、かつ、加工コストも安価なものとなる。
以上の説明では、ハウジング7aおよびブラケット7bの双方を樹脂製として一体に成形した場合を説明したが、そのほか、両部材のうち何れか一方を黄銅等の金属製とすることもできる。この場合、ハウジング7aとブラケット7bのうち、金属製の部材をインサート部品として他方の部材を樹脂でインサート成形することにより、両部材の一体成形が可能となり、上記と同様の効果を得ることができる。
図4に、動圧軸受装置1の他の実施形態を示す。この動圧軸受装置1は、図2に示す実施形態と異なり、ハウジング7a、ブラケット7bに加えて、シール部材8を全て樹脂製とし、これら樹脂製の部材を射出成形で一体に成形したものである。この場合、ベース部材7の底部7a2を、樹脂の一体成形品とは別部材とし、軸部材2、軸受スリーブ6をその内部に配した後に、ハウジング7aの筒部7a1の下端を閉口する構成となっている。これ以外の構成は、図2に示す実施形態と共通するので、構成および機能が共通する部材には共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
この実施形態に示すように、ハウジング7aとブラケット7bのみならず、シール部材8を樹脂で一体品に成形することで、シール部材8の固定作業が省略されると共に、部品点数の削減が可能となる。これにより、モータのさらなる低コスト化を図ることができる。
なお、図4に示す実施形態において、シール部材8は、ハウジング7aやブラケット7bと一体に樹脂で射出成形する他、ハウジング7aやブラケット7bとは別部材として樹脂あるいは金属で成形し、これをインサート部品として射出成形することで、ハウジング7aとブラケット7bと一体化することもできる。これにより、シール部材8のハウジング7aへの組付け精度が高められ、回転精度のさらなる向上を図ることができる。
また、以上の実施形態では、シール空間Sを、シール部材8の円筒状の内周面8aと、これに対向する軸部2aの外周面2a1との間に形成した場合を例示したが、これ以外の形態を採ることも可能である。例えば図5は、ハウジング7a外部側(図5では上側)に向けて径方向隙間幅を漸次拡大させたテーパ状のシール空間S’を形成した場合を例示したものである。
また、図6には、ベース部材7の軸方向寸法を縮小して、動圧軸受装置1の小サイズ化を図るため、シール部材8の内周面8aと、フランジ部2bの外周面2b3とを対向させ、この対向面間にテーパ状のシール空間S’を形成したものが例示されている。なお、この図示例のように、対向面間のうち、内径側に位置するフランジ部2bの外周面2b3をテーパ面状に形成することにより、毛細間力によるシール効果に加えて、遠心力によるシール効果をシール空間S’に付与することができる。
さらに、軸部材2の抜止めを考慮したものとして、例えば図7に示すような構成を挙げることができる。同図におけるシール空間S’は、フランジ部2bに設けられた軸方向の段差によって区画形成された外周面のうち、上側の外周面2b3と、これに対向するシール部材8の内周面8aとの間に形成される。また、段によって区画形成された上端面2b1のうち外径側の端面2b4は、シール部材8の下端面8bと対向する。このような構成とすることで、潤滑油の外部への漏れ出しが防止されると共に、軸部材2の上方への変位時、フランジ部2bの外径側端面2b4がシール部材8の下端面8bと軸方向で係合し、軸部材2の抜止めがなされる。
また、この実施形態では、シール部材8は、その下端面8bの、外径側端面2b4と対向しない箇所を下方に向けて突出させた形態をなす。そのため、シール部材8の下方延在部8cを軸受スリーブ6の上端面6bに当接させることで、シール部材8の軸方向の位置決めが容易になされる。
図8は、第一および第二ラジアル軸受部R1、R2を構成する多円弧軸受の他の実施形態を示すものである。この実施形態では、図3に示す構成において、各偏心円弧面9の最小隙間側の所定領域θが、それぞれ回転軸心Oを中心とする同心の円弧で構成されている。従って、各所定領域θにおいて、ラジアル軸受隙間(最小隙間)は一定となる。このような構成の多円弧軸受は、テーパ・フラット軸受と称されることもある。
図9では、軸受スリーブ6の内周面6aのラジアル軸受面となる領域が3つの円弧面9で形成されると共に、3つの円弧面9の中心は、回転軸心Oから等距離オフセットされている。3つの偏心円弧面9で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の両方向に対してそれぞれ漸次縮小した形状を有している。
以上に説明した第一および第二ラジアル軸受部R1、R2の多円弧軸受は、何れもいわゆる3円弧軸受であるが、これに限らず、いわゆる4円弧軸受、5円弧軸受、さらには6円弧以上の数の円弧面で構成された多円弧軸受を採用してもよい。また、ラジアル軸受部R1、R2のように、2つのラジアル軸受部を軸方向に離隔して設けた構成とするほか、軸受スリーブ6の内周面の上下領域に亘って1つのラジアル軸受部を設けた構成としても良い。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2として、多円弧軸受を採用した場合を例示しているが、これ以外の軸受で構成することも可能である。ラジアル軸受部R1、R2を構成可能な軸受としては、例えば図示は省略するが、軸受スリーブ6の内周面6aのラジアル軸受隙間に面する領域(ラジアル軸受面となる領域)に、複数の軸方向溝形状の動圧溝を形成したステップ軸受が挙げられる。あるいは、軸方向溝に代えて、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝を形成し、これら動圧溝により潤滑流体の動圧作用を発生させる構成を採ることもできる。
また、以上の実施形態では、動圧軸受装置1の内部に充満し、ラジアル軸受隙間や、スラスト軸受隙間に動圧作用を生じる流体として、潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に動圧作用を生じ得る流体、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図である。 動圧軸受装置の断面図である。 ラジアル軸受部の断面図である。 動圧軸受装置の他の実施形態を示す断面図である。 シール空間の他の構成例を示す拡大断面図である。 シール空間の他の構成例を示す拡大断面図である。 シール空間の他の構成例を示す拡大断面図である。 ラジアル軸受部の他の構成例を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
6 軸受スリーブ
7 ベース部材
7a ハウジング
7b ブラケット
7c 取付け部
7d 開口部
8 シール部材
S、S’ シール空間
R1、R2 ラジアル軸受部
T スラスト軸受部

Claims (3)

  1. フランジ部を有する軸部材と、内周に軸部材が挿入される軸受スリーブと、一端を開口すると共に他端が底部で閉塞され、内部に軸受スリーブを固定したベース部材と、ベース部材の一端開口側をシールし、軸部材の外周面との間にシール空間を形成するシール部材と、軸受スリーブと軸部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを具備し、フランジ部は、軸方向に対向するシール部材の端面と軸受スリーブの端面との間に配設され、ベース部材はステータコイルの取付け部を有すると共に、底部もしくはシール部材の何れか一方を一体に有する動圧軸受装置において、
    スラスト軸受隙間が、軸受スリーブのハウジング開口側の端面とこれに対向する軸部材のフランジ部の端面との間にのみ形成され、スラスト軸受隙間が零のときに軸受スリーブの端面とフランジ部の端面とが摺接し、軸部材の端面とベース部材の底部との間に隙間が形成され、
    ベース部材が、ステータコイルの取付け部を含めて樹脂で一体に成形されることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. ラジアル軸受部が多円弧軸受で構成されている請求項記載の動圧軸受装置。
  3. 請求項1又は2に記載された動圧軸受装置を有するディスク装置のスピンドルモータ。
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