JP2004340183A - 流体軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジング7の内周に軸受スリーブ8を固定し、軸部材2をラジアル軸受隙間に形成した油膜を介してラジアル方向で非接触に支持する。ハウジング7は、ポリゴンスキャナモータを制御するための制御回路を組み込んだ回路基板10をインサート部品として、樹脂の射出成形で形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の油膜によって軸部材を非接触支持する流体軸受装置に関する。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタ用カラーホイール、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
【0002】
【従来の技術】
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する流体軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
【0003】
この種の流体軸受は、軸受隙間内の潤滑油に動圧を発生させる動圧発生手段を備えたいわゆる動圧軸受と、動圧発生手段を備えていないいわゆる真円軸受(軸受面が真円形状である軸受)とに大別される。
【0004】
例えば、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータに組込まれる流体軸受装置では、図5に示すように、軸部材200をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部Rと、軸部材をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部Tとが設けられ、ラジアル軸受部Rとして、軸受スリーブ800の内周面又は軸部材200の外周面に動圧発生用の溝(動圧溝)を設けた動圧軸受が用いられる。スラスト軸受部Tとしては、例えば、軸部材200の一端面をスラストプレート150によって接触支持する構造の軸受(いわゆるピボット軸受)が用いられる。
【0005】
図示例の流体軸受装置では、軸受スリーブ800はハウジング700の内周の所定位置に固定され、また、ハウジング700の内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するため、ハウジング700の開口部にシール部材140が固定されている(例えば特許文献1参照)。ハウジング700の外周には、モータを制御するための電子部品を実装した回路基板110がかしめや接着等の手段で固定されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−191945号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の流体軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、軸部材、スラストプレート、シール部材といった多くの部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い軸受性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立精度を高める努力がなされている。その一方で、情報機器の低価格化・小型化の傾向に伴い、この種の流体軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
【0008】
そこで、本発明は、流体軸受装置における組立精度、延いては回転精度の向上を図ると共に、さらなる低コスト化を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、ハウジングと、ハウジングに固定され、支持すべき軸部材の回転時に、軸部材をその外周面との間のラジアル軸受隙間に形成した油膜を介してラジアル方向で非接触に支持する軸受スリーブと、ハウジングを固定するためのベース部材とを具備するものにおいて、ハウジングを、ベース部材をインサート部品(アウトサート部品も含む。以下同じ)とする樹脂の型成形で形成した。
【0010】
ハウジングを樹脂でインサート成形(アウトサート成形も含む。以下同じ)することにより、ハウジングを金属材で形成する場合のような鍛造や切削工程が不要となるので、ハウジングの製造コストを低減することができる。また、ベース部材をインサート部品とすることにより、ハウジングに対するベース部材の取り付け作業が不要となるので、組立コストを低減することができる。また、ハウジングとベース部材の組み付け精度を高め、さらには両者間で高い固定力を得ることができる。
【0011】
ここで、「ベース部材」は、ハウジングを規定位置に固定するための部材をいう。例えば上記各種モータ用の流体軸受装置では、モータの回転を制御するための回路が組み込まれる回路基板がベース部材となる。この場合において、上述のように、インサート成形によってハウジングとベース部材の間で高い組み付け精度が確保されるため、ハウジングの固定精度を向上させ、さらには軸部材の回転精度を向上させることが可能となる。
【0012】
このインサート成形時に、ベース部材に凹部または凸部からなる回り止めを設けておけば、ハウジングとベース部材の固定力をさらに高めることができる。
【0013】
さらに軸受スリーブもインサート部品とすることにより(ベース部材と軸受スリーブの双方をインサート部品とすることにより)、軸受スリーブをハウジングに固定する工程を省略できるので、さらなる組立コストの低減、および回転精度の向上を図ることができる。
【0014】
以上に述べた効果と同様の効果は、ハウジングと、ハウジングに固定され、支持すべき軸部材の回転時に、軸部材をその外周面との間のラジアル軸受隙間に形成した油膜を介してラジアル方向で非接触に支持する軸受スリーブと、ハウジングを固定するためのベース部材(例えば回路基板)とを具備するものにおいて、ハウジングを樹脂製とし、この樹脂製ハウジングとベース部材とを溶着によって固定することによっても得られる。
【0015】
この溶着としては、超音波溶着が好ましい。超音波溶着に適した樹脂としては、耐油性を考慮すると、非結晶性樹脂としてポリサルフォン(ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルフォンなど)、ポリエーテルイミド等が、結晶性樹脂としてポリアミド、PBT、PET、POM、LCPなどが好ましい。これら樹脂に、強度や線膨張係数を考慮して充填剤を配合する場合、その配合量は30Vol%以下が好ましい。
【0016】
インサート成形および溶着の何れの場合も、ベース部材とハウジングの軸心との直角度を20μm以下に規制すれば、良好なハウジングの固定精度を確保でき、これによって回転精度を向上させることができる。特に溶着の場合は、軸受スリーブをハウジング内周に固定する工程と、ハウジングとベース部材との溶着工程とを同時に行うことによって上記範囲の直角度が実現可能となる。
【0017】
また、インサート成形および溶着の何れの場合も、動圧溝等の動圧発生手段により、ラジアル軸受隙間内に、潤滑油の動圧作用で圧力(油膜圧力)を発生させるのが望ましい。これにより軸受剛性が高まるので、さらに良好な回転精度を得ることができる。
【0018】
以上に説明した流体軸受装置と、軸部材に取り付けたロータと、ハウジングに取り付けたステータとでモータを構成することにより、上記情報機器用に適合したモータ(スピンドルモータ、ポリゴンスキャナモータ、その他の小型モータ)を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、流体軸受装置(流体動圧軸受装置)を組み込んだモータの一例として、ポリゴンスキャナモータを示している。このモータは、軸部材2を回転自在に非接触支持する流体軸受部1と、軸部材2に取り付けられた回転部材3と、回転部材に固定されたポリゴンミラー4と、半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ5およびモータロータ6とを備えている。ステータ5は、流体軸受部1のハウジング7外周に取り付けられ、ロータ6は、回転部材3の円筒状部分3aの内周に取り付けられる。ステータ5に通電すると、ステータ5とロータ6との間の励磁力でロータ6が回転し、それによって回転部材3、軸部材2、さらにはポリゴンミラー4が一体となって回転する。ハウジング7の外周には、電子部品を実装した、ベース部材としての回路基板10が配置され、モータはこの回路基板10に組み込まれた制御回路によって制御駆動される。
【0021】
流体軸受部1は、ハウジング7と、ハウジング7の内周に固定した軸受スリーブ8と、軸受スリーブの内周に挿入された軸部材2とを主要な構成部品として構成される。
【0022】
軸部材2は、ステンレス鋼等の金属材で形成され、その一端は凸球状に形成されている。この軸部材2を軸受スリーブ8の内周に挿入した状態では、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面2aとの間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、軸部材2の凸球状の下側端面2bとハウジング7の底部7cの内底面7c1との間にスラスト軸受部Tが設けられる。なお、説明の便宜上、スラスト軸受部Tの側を下側、スラスト軸受部Tと反対の側を上側として説明を進める。
【0023】
軸受スリーブ8は、焼結金属からなる多孔質体で円筒状に形成される。焼結金属としては、例えば、銅、鉄、及びアルミニウムの中から選択される1種以上の金属粉末、若しくは銅被覆鉄粉などの被覆処理を施した金属粉末や合金粉末を主原料とし、必要に応じて、すず、亜鉛、鉛、黒鉛、二硫化モリブデン等の粉末又はこれらの合金粉末を混合し、成形し、焼結して得られたものを用いることができる。このような焼結金属は、内部に多数の気孔(内部組織としての気孔)を備えていると共に、これら気孔が外表面に通じて形成される多数の開孔を備えている。この焼結金属は、潤滑油や潤滑グリースを含浸させた含油焼結金属として用いられる。なお、焼結金属に限らず、軟質金属等の他の金属材料で軸受スリーブ8を形成することも可能である。
【0024】
図2に示すように、軸受スリーブ8の内周面8aには、それぞれラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、動圧発生手段として、例えばヘリングボーン形状の動圧溝13がそれぞれ形成される。なお、動圧発生手段として、スパイラル形状や軸方向の溝を形成したり、あるいは三円弧軸受等を採用しても良い。
【0025】
軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部材2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧作用が発生し、軸部材2が上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、軸部材2の下側端面2bがハウジング7の内底面7c1によって接触支持され、これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部Tが構成される。
【0026】
ハウジング7は、回路基板10をインサート部品として、66ナイロン等の樹脂を型成形(例えば射出成形)することにより形成される。このハウジング7は、一端を開口すると共に、他端を閉じた有底筒状で、円筒状の側部7aと、側部7aの外周に形成されたフランジ状の突出部7b1,7b2と、側部7aの下端に一体形成した底部7cとを備えている。インサート成形によって、軸方向に離隔した二つの突出部7b1,7b2の間に回路基板10の端縁(図面では内周縁)が埋め込まれ、ハウジング7と回路基板10とが一体化される。
【0027】
このように回路基板10とハウジング7をインサート成形することにより、ハウジング7の成形と回路基板10のハウジング7への組み付けとを同時に行うことが可能となって、組立工程の簡略化による組立コストの低減を図ることができる。また、インサート成形の際には、ハウジング7の基準面(例えば内周面)と回路基板10とが型によって高精度に位置決めされるので、インサート成形後もハウジング7と回路基板10との間で高い組み付け精度を確保することができる。具体的には、ハウジング10の軸心と回路基板10との間の直角度を20μm以下にすることも可能である。直角度がこれよりも大きいと、回路基板10と軸受スリーブ内周面との直角度も低下し、モータとしての組み付け精度およびモータの回転精度が許容範囲外となる。
【0028】
また、回路基板10は、ハウジングの突出部7b1、7b2によって軸方向両側から拘束された状態でハウジング7と一体化されるため、高い固定力が得られる。従って、振動や衝撃に対してもハウジング7と回路基板10の組み付け精度が低下することもなく、長期間安定して高い組み付け精度を維持することができる。
【0029】
さらなる固定力の強化のため、図2中の右方に破線で示すように、回路基板10に凹部16を設け、インサート成形時にこの凹部16にも樹脂を入り込ませて、回路基板10とハウジング7とを円周方向で凹凸係合させておくのが望ましい。これにより回路基板10の回り止めを図ることができる。凹部16は、回路基板10の内径側の樹脂との接触部に形成すればよく、その形状としては孔状、溝状、あるいは切欠き状が考えられる。同様の効果は、回路基板10に凸部(突起状あるいは突条状)を設け、インサート成形によってこの凸部をハウジング7内に埋め込むことによっても得られる。
【0030】
インサート成形後は、ハウジング7の内周に軸受スリーブ8が圧入や接着等の手段で固定され、さらにハウジング7の開口部内周にシール部材14が同様の固定手段で固定される。次いで、例えば、軸受スリーブ8の内周に潤滑油を充填後、軸部材2を挿入して、その下側端面2bをハウジング7の内底面7c1に接触させることにより、回路基板10を一体に有する流体軸受装置が組み立てられる。
【0031】
組立後の流体軸受装置は、回路基板10をモータケーシング(図示せず)等に取り付けることによってレーザビームプリンタに組み込まれる。この際、上述のように回路基板10とハウジング7の間で高い組み付け精度が確保されているので、プリンタへの組み込み後も高い回転精度を得ることができ、近年のプリンタの高速化や高印刷精度化にも対応可能となる。
【0032】
上述のように、軸部材2の下側端面2bは凸球状に形成されているので、この凸球状部が動圧溝13の形成領域と対向すると、軸受隙間の幅が大きくなって動圧作用が悪影響を受ける。かかる事態を防止するため、図2および図3に示すように、二つのラジアル軸受部R1,R2のうち、下側のラジアル軸受部R2における動圧溝13の形成領域は、軸受スリーブ8の下端内周のチャンファ8bから離隔させ、当該動圧溝形成領域の全領域を軸部材2の円筒状部分と対向させるのが望ましい。また、同様の観点から、軸受スリーブ8をハウジング7内周に固定する際、図示のように軸受スリーブ8の下端面とハウジング内底面7c1との間に隙間を残しておくのが望ましい。
【0033】
図3は、本発明の他の実施形態を示すもので、ハウジング7の内底面7c1にハウジング7とは別体のスラスト受け17を配置し、このスラスト受け17に軸部材2の下端部2bを接触させてスラスト軸受部Tを構成した例である。これにより、スラスト受け17を摺動性に優れる樹脂材料で形成する一方、ハウジング7はこれよりも安価な他の樹脂材料で形成することができるので、さらなる低コスト化を図ることができる。
【0034】
インサート成形に際しては、回路基板10のみをインサート部品とする他、さらに軸受スリーブ8をインサート部品とすることもできる。これにより、回路基板10だけでなく、軸受スリーブ8の組み付け工程も不要となるので、組立コストのさらなる低減化が可能となり、さらに軸受スリーブ8と回路基板10の位置決め精度も向上させることができる。この際、ハウジング7の上端開口部に内径側への延在部を設け、その延在部の内周面と軸部材2の外周面との間でシール隙間を形成することもできる。これは、図1に示す流体軸受装置において、シール部材14をハウジング8と一体化させた構造に相当する。これにより、シール部材14、およびその取り付け工程が不要となり、さらなる低コスト化を図ることができる。
【0035】
このように軸受スリーブ8をインサート部品とする場合、軸受スリーブ8にも成形圧力が付与されるので、その影響で動圧溝13の精度低下を招くおそれがある。従って、これが問題となる場合は、軸受スリーブ8をインサート部品とせず、上述のように軸受スリーブ8をインサート成形後にハウジング内周に圧入して固定するのが望ましい。
【0036】
図4に本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、ハウジング7と回路基板10とを溶着によって固定したもので、図示例では、溶着のうちでステーキングと呼ばれる手段を採用した場合を例示している。
【0037】
この実施形態において、ハウジング7は、回路基板10とは別に射出成形等の成形手段によって成形される。この際、側部7a外周には、外径側に突出するフランジ状の突出部7bが形成され、さらにこの突出部7bに破線で示すように突起7dが形成される。
【0038】
溶着工程では、予め回路基板10に形成した孔10aに突起7dを挿入し、回路基板10から突き出た突起7dの先端部を加圧軟化させてフランジ状の頭部20(実線で示す)を形成し、これを回路基板10に溶着させる。この溶着でも上記インサート成形の場合と同様に、良好な組み付け精度および固定力を低コストに得ることができる。一般的に溶着工程は、高周波溶着、熱溶着、超音波溶着等に大別され、本発明ではその何れも採用可能であるが、ポリゴンスキャナモータ等の情報機器用モータでは、軸受装置が超小型であること(軸径は概ね3mm以下)、および回路基板への熱影響が好ましくないことを考慮し、さらにコスト面を考慮に入れて超音波溶着が最も好ましい。
【0039】
軸受スリーブ8の圧入や接着によるハウジング7内周への固定作業は、上記溶着作業の前後を問わずに行うことができるが、この固定作業を溶着作業と同時に行えば、軸受スリーブ8の内周面8aを基準として回路基板10を取り付けることができるので、回路基板10と軸受スリーブ内周面8aとの直角度(20μm以下)を出しやすくなり、良好な回転精度を確保することができる。
【0040】
これ以外の構成、効果、作業手順、変更例等はインサート成形の場合に準じるので、重複説明は省略する。
【0041】
なお、以上の説明では、スラスト軸受部Tとして、軸部材2の端部を接触支持するピボット軸受を例示しているが、この軸受部Tとしては、ラジアル軸受部R1、R2と同様に、動圧溝等の動圧発生手段で軸受隙間に生じた潤滑油の動圧効果により圧力を発生させて軸部材2をスラスト方向で非接触支持する動圧軸受を使用することもできる。
【0042】
また、本発明は、ラジアル軸受部R1、R2の何れか一方または双方を、動圧発生手段を具備しない、いわゆる真円軸受で構成した流体軸受装置にも同様に適用可能である。
【0043】
もちろん本発明の適用範囲は、上述したポリゴンスキャナモータに限られず、例えばHDD等のディスクドライブ装置用スピンドルモータの軸受部としても使用することができる。
【0044】
【発明の効果】
このように本発明によれば、回路基板とハウジングの組み付けを安価に能率よく行うことができるので、流体軸受装置のさらなる低コスト化を図ることができる。また、回路基板とハウジングの間で良好な組み付け精度が確保されるので、モータの回転精度を向上させることができ、さらには両者間で高い固定力が確保されるので、衝撃荷重等の負荷される過酷な使用条件でも当初の回転精度を長期間安定して維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる流体軸受装置を組み込んだポリゴンスキャナモータの断面図である。
【図2】インサート成形したハウジングと回路基板とを示す断面図である。
【図3】インサート成形したハウジングと回路基板とを示す断面図で、他の実施形態を表す図である。
【図4】溶着固定したハウジングと回路基板とを示す断面図である。
【図5】ポリゴンスキャナモータの一般的な構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 流体軸受部
2 軸部材
2a 軸部材の外周面
2b 軸部材の下端部
3 回転部材
4 ポリゴンミラー
5 ステータ
6 ロータ
7 ハウジング
7a 側部
7b 突出部
7c 底部
7c1 内底面
8 軸受スリーブ
8a 軸受スリーブの内周面
8b チャンファ
10 回路基板(ベース部材)
14 シール部材
16 凹部
17 スラスト受け
R1 第一のラジアル軸受部
R2 第二のラジアル軸受部
T スラスト軸受部
Claims (10)
- ハウジングと、ハウジングに固定され、支持すべき軸部材の回転時に、軸部材をその外周面との間のラジアル軸受隙間に形成した油膜を介してラジアル方向で非接触に支持する軸受スリーブと、ハウジングを固定するためのベース部材とを具備するものにおいて、ハウジングを、ベース部材をインサート部品とする樹脂の型成形で形成した流体軸受装置。
- ベース部材に、凹部または凸部からなる回り止めを設けた請求項1記載の流体軸受装置。
- さらに軸受スリーブもインサート部品とした請求項1記載の流体軸受装置。
- ハウジングと、ハウジングに固定され、支持すべき軸部材の回転時に、軸部材をその外周面との間のラジアル軸受隙間に形成した油膜を介してラジアル方向で非接触に支持する軸受スリーブと、ハウジングを固定するためのベース部材とを具備するものにおいて、ハウジングを樹脂製とし、この樹脂製ハウジングとベース部材とを溶着によって固定した流体軸受装置。
- 溶着に超音波溶着を用いた請求項4記載の流体軸受装置。
- ベース部材とハウジングの軸心との直角度を20μm以下にした請求項1または4記載の流体軸受装置。
- ベース部材が回路基板である請求項1または4記載の流体軸受装置。
- ラジアル軸受隙間内に、潤滑油の動圧作用で圧力を発生させる請求項1または4記載の流体軸受装置。
- 軸部材に取り付けたロータと、ハウジングに取り付けたステータと、請求項1〜8の何れかに記載した流体軸受装置とを有するモータ。
- 軸受スリーブをハウジング内周に固定する工程と、ハウジングとベース部材との溶着工程とを同時に行うことによって請求項4または5に記載した流体軸受装置を製造する方法。
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- 2003-05-13 JP JP2003134751A patent/JP2004340183A/ja active Pending
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