JP2002061641A - 動圧型軸受装置 - Google Patents
動圧型軸受装置Info
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Abstract
軸受隙間を簡易かつ精度良く設定する。 【解決手段】 動圧型軸受装置1は、ハウジング7と、
ハウジング7の内周面7aに固定された円筒状の軸受部
材8と、軸部材2とを備えている。ハウジング7は、円
筒状の側部7bと、底部7cと、側部7bの上端から内
径側に連続して延びた環状の鍔部7eとで構成される。
鍔部7eの内周面7e1は、軸部材2の軸部2aの外周
面と僅かなシール隙間S6を介して対向する。この鍔部
7eによって、ハウジング7内がシールされ、油の漏れ
出しが防止される。
Description
関する。この軸受装置は、特に情報機器、例えばHD
D、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、DV
D−ROM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気
ディスク装置などのスピンドルモータ、あるいはレーザ
ビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータな
どのスピンドル支持用として好適である。
は、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化な
どが求められている。これらの要求性能を決定づける構
成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受
があり、近年では、この種の軸受として、上記要求性能
に優れた特性を有する動圧型軸受の使用が検討され、あ
るいは実際に使用されている。
ドルモータに組込まれる動圧型軸受装置では、軸部材を
ラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受
部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に非接触支持す
るスラスト軸受部とが設けられ、これら軸受部として、
軸受面に動圧発生用の溝(動圧溝)を有する動圧型軸受
が用いられる。ラジアル軸受部の動圧溝は、ハウジング
や軸受部材の内周面(ラジアル軸受面)又は軸部材の外
周面に形成され、スラスト軸受部の動圧溝は、軸部材に
設けられたスラスト板の両端面、又は、これに対向する
面(スラスト軸受面)にそれぞれ形成される。また、ハ
ウジング内の油が外部に漏れるのを防止するため、ハウ
ジングの上端開口部にシール部材を装着している。
種の動圧型軸受装置において、部品点数を削減し、組立
工程を簡素化すると共に、スラスト軸受部のスラスト軸
受隙間を簡易かつ精度良く設定することができる構成を
提供することにある。
め、本発明は、円筒状の側部と、底部と、側部の上端か
ら内径側に連続して延びた環状の鍔部とを有するハウジ
ングと、ハウジングの内周面に固定された軸受部材と、
軸受部材の内周面に挿通された軸部材と、軸部材と軸受
部材との相対回転時に生じる動圧作用で軸部材を回転自
在に非接触支持するラジアル軸受部およびスラスト軸受
部とを備え、ハウジングの鍔部の内周面と軸部材の外周
面との間にシール隙間を有する構成を提供する。この構
成によれば、ハウジングに一体に設けられた鍔部がシー
ルの役割を果たすので、別体のシール部材を配設する必
要がなく、その分、部品点数を削減することができる。
スト軸受面を構成する軸受部材の下端面が、ハウジング
の底部の内面から定寸位置に形成されている構成とする
ことができる。この構成によれば、スラスト軸受隙間を
所定値に精度良く設定することができる。
部は、側部および鍔部と別体に形成し、側部の下端部分
に設けられた段状の装着部に装着することができ、その
場合、装着部の段差面が、軸受部材の下端面から定寸位
置に形成されている構成とすることができる。この構成
によれば、スラスト軸受隙間を所定値に精度良く設定す
ることができる。
説明する。
圧型軸受装置1を組み込んだ情報機器用スピンドルモー
タの一構成例を示している。このスピンドルモータは、
HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部
材2を回転自在に非接触支持する動圧型軸受装置1と、
軸部材2に装着されたディスクハブ3と、半径方向のギ
ャップを介して対向させたモータステータ4およびモー
タロータ5とを備えている。ステータ4はケーシング6
の外周に取付けられ、ロータ5はディスクハブ3の内周
に取付けられる。動圧型軸受装置1のハウジング7は、
ケーシング6の内周に装着される。ディスクハブ3に
は、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持さ
れる。ステータ4に通電すると、ステータ4とロータ5
との間の励磁力でロータ5が回転し、それによって、デ
ィスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
動圧型軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7の
内周面7aに固定された円筒状の軸受部材8と、軸部材
2ととを主要な構成要素とする。
部7cと、側部7bの上端から内径側に連続して延びた
環状の鍔部7eとで構成され、側部7bの内周面7aは
上端から下端にかけて同一内径に形成される。底部7c
は、側部7bおよび鍔部7eとは別体の蓋部材で構成さ
れる。この実施形態において、底部7cは、側部7bの
下端部分に設けられた段状の装着部7b1に装着され、
接着剤等で固定される。底部7cとなる蓋部材の上端面
が装着部7b1の段差面7b2と当接することによっ
て、底部7cの内面7c1の位置が決まる。鍔部7eの
内周面7e1は、軸部材2の軸部2aの外周面と僅かな
シール隙間S6を介して対向する。また、鍔部7eの内
面7e2は、軸受部材8の上端面8cと密着する。この
鍔部7eによって、ハウジング7内がシールされ、油の
漏れ出しが防止される。
又は別体に設けられたスラスト板2bとを備えている。
スラスト板2bの幅寸法はW1である。軸部2aは、軸
受部材8の内周面8aに所定のラジアル軸受隙間S5を
もって挿入され、鍔部7eの内周面7e1にシール隙間
S6をもって挿入される。スラスト板2bは、軸受部材
8の下端面8bと底部7cの内面7c1との間の空間部
に収容される。スラスト板2bの上端面2b1と軸受部
材8の下端面8bとの間、および、スラスト板2bの下
端面2b2と底部7cの内面7c1との間には、それぞ
れ、所定の大きさをもったスラスト軸受隙間S3、S4
が設けられる。
金属で形成され、その内部の気孔に潤滑油又は潤滑グリ
ースが含浸されて含油軸受とされる。軸受部材8の内周
面8aの、ラジアル軸受面となる領域には動圧溝が形成
される。軸部材2が回転すると、ラジアル軸受隙間S5
に動圧作用が発生し、軸部材2の軸部2aがラジアル軸
受隙間S5内に形成される潤滑油の油膜によってラジア
ル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸
部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジ
アル軸受部11が構成される。尚、動圧溝は、軸部材2
の軸部2aの外周面に形成しても良い。
材8の下端面8b、および、スラスト板2bの下端面2
b2又はハウジング7の内面7c1の、スラスト軸受面
となる領域には、それぞれ動圧溝が形成される。軸部材
2が回転すると、スラスト軸受隙間S3およびS4に動
圧作用が発生し、軸部材2のスラスト板2bがスラスト
軸受隙間S3、S4内に形成される潤滑油の油膜によっ
てスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これに
より、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持
するスラスト軸受部12が構成される。
圧溝形状は任意に選択することができ、公知のへリング
ボーン型、スパイラル型、ステップ型、多円弧型等の何
れかを選択し、あるいはこれらを適宜組合わせて使用す
ることができる。
に説明する工程で組立てられる。
下端開口側(装着部7b1の側)から軸受部材8を入
れ、内周面7aに沿って鍔部7eの内面7e2に当接す
るまで押し込む。これにより、装着部7b1の段差面7
b2に対する軸受部材8の下端面8bの位置が定寸位置
Wに決まる。この状態で、軸受部材8をハウジング7の
内周面7aに固定する。固定方法としては、圧入、接着
等がある。従って、軸受部材8の下端面8bと装着部7
b1の段差面7b2との間の軸方向寸法Wを、スラスト
板2bの幅寸法W1に両側のスラスト軸受隙間S3、S
4の値を加えた値に管理しておけば{W=W1+(S3
+S4)}、スラスト軸受隙間S3、S4を簡易かつ精
度良く設定することができる。あるいは、軸受部材8を
ハウジング7の内周面7aに固定した後、軸受部材8の
下端面8bの位置を基準として、装着部7b1の加工を
行っても良い。そうすることで、軸受部材8の下端面8
bと装着部7b1の段差面7b2との間の軸方向寸法W
を正確に決めることができる。尚、軸受部材8をハウジ
ング7の内周面7aに接着剤で固定する場合、鍔部7e
の側を下にした状態で、軸受部材8とハウジング7との
接着部位に接着剤を充填するようにすると、充填時に接
着剤がスラスト軸受部に流れ込む不都合を防止すること
ができる。
部7b1の側)から軸部材2を挿入する。この時、図4
に示すように、スラスト板2bの上端面2b1を軸受部
材8の下端面8bに当接させ、スラスト板2bの下端面
2b1と装着部7b1の段差面7b2との間の軸方向寸
法を計測することで、スラスト軸受隙間S3およびS4
(S3+S4)を正確に管理することができる。
材8と軸部材2を組み込み、装着部7b1に底部7cを
固定した後、ハウジング7内を潤滑油で満たすと、図1
に示す動圧型軸受装置1が得られる。
ジング7に一体に設けられた鍔部7eがシールの役割を
果たすので、別体のシール部材を配設する必要がなく、
その分、部品点数を削減することができる。また、全て
の部品をハウジング7の片側(装着部7b1の側)から
組込むことができるので、組立作業の効率が良い。さら
に、各部品の単体精度を管理することで、スラスト軸受
隙間を簡易かつ精度良く設定することができる。
立工程を簡素化すると共に、スラスト軸受部のスラスト
軸受隙間を簡易かつ精度良く設定することができ、それ
によって、この種の動圧型軸受装置の優れた軸受性能を
確保しつつ、製造コストをさらに低減させることができ
る。
るスピンドルモータの断面図である。
断面図である。
る。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】円筒状の側部と、底部と、前記側部の上端
から内径側に連続して延びた環状の鍔部とを有するハウ
ジングと、 前記ハウジングの内周面に固定された軸受部材と、 前記軸受部材の内周面に挿通された軸部材と、 前記軸部材と軸受部材との相対回転時に生じる動圧作用
で前記軸部材を回転自在に非接触支持するラジアル軸受
部およびスラスト軸受部とを備え、 前記ハウジングの鍔部の内周面と前記軸部材の外周面と
の間にシール隙間を有する動圧型軸受装置。 - 【請求項2】前記スラスト軸受部のスラスト軸受面を構
成する前記軸受部材の下端面が、前記ハウジングの底部
の内面から定寸位置に形成されている請求項1記載の動
圧型軸受装置。 - 【請求項3】前記ハウジングの底部が、前記側部の下端
部分に設けられた段状の装着部に装着されている請求項
1又は2記載の動圧型軸受装置。 - 【請求項4】前記装着部の段差面が、前記軸受部材の下
端面から定寸位置に形成されている請求項3記載の動圧
型軸受装置。
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