JP6599572B2 - 流体動圧軸受装置とこれに用いられる軸受部材及び軸部材 - Google Patents

流体動圧軸受装置とこれに用いられる軸受部材及び軸部材 Download PDF

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Description

本発明は、流体動圧軸受装置とこれに用いられる軸受部材及び軸部材に関する。
流体動圧軸受装置は、軸部材の外周面と軸受部材の内周面との間のラジアル軸受隙間の流体膜(例えば油膜)に生じる圧力により、軸部材を相対回転自在に非接触支持するものである。流体動圧軸受装置は、その高回転精度および静粛性から、情報機器(例えば、HDD等の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM、ブルーレイディスク等の光ディスク駆動装置、MD、MO等の光磁気ディスク駆動装置)のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器の冷却ファン等に使用されるファンモータなどの小型モータ用として好適に使用される。
流体動圧軸受装置は、軸受部材の内周面又は軸部材の外周面に、ラジアル軸受隙間の流体膜に積極的に動圧を発生させるラジアル動圧発生部を設けるタイプ(いわゆる動圧軸受)と、軸受部材の内周面及び軸部材の外周面を何れも円筒面とし、軸部材の振れ回りにより動圧を発生させるタイプ(いわゆる真円軸受)とに大別される。例えば下記の特許文献1には、動圧軸受の一例が示されている。
特許第3954695号公報
例えばノートパソコンやタブレット型端末等の携帯情報機器(いわゆるモバイル機器)は薄型化が進んでいるため、これらに組み込まれるファンモータにも薄型化(軸方向寸法の縮小)が要求されている。その一方で、ファンモータの冷却特性を維持することが求められるため、回転軸に取り付けられるインペラは大きくなる傾向にある。このため、ファンモータの回転軸を支持する流体動圧軸受装置に加わる負荷が大きくなる。特に、上記のようなモバイル機器は様々な環境や姿勢で用いられるため、移動時の振動等により流体動圧軸受装置にさらに大きな負荷が加わり、回転軸の回転精度が低下する恐れがある。
以上のような事情から、流体動圧軸受装置には、負荷容量(特にラジアル方向の負荷容量)のさらなる向上が求められている。例えば、ラジアル軸受隙間をさらに小さくすれば、流体動圧軸受装置のラジアル方向の負荷容量を高めることができる。しかし、ラジアル軸受隙間の大きさは、軸部材及び軸受部材の加工精度、特にラジアル動圧発生部の加工精度に依存するため、これまで以上にラジアル軸受隙間を小さくしようとすれば、極めて高精度な加工が必要となるため加工コスト高を招く。
また、ラジアル軸受隙間に満たされる流体(例えば油)の粘度を高めれば、流体動圧軸受装置の負荷容量を高めることができるが、この場合、軸部材の回転トルクも増大してしまう。
以上の事情に鑑み、本発明が解決すべき課題は、加工コスト高や回転トルク増を招くことなく、流体動圧軸受装置のラジアル方向の負荷容量を高めて、回転精度を向上させることにある。
動圧軸受と真円軸受とを比較した場合、定常姿勢で運転したときは、ラジアル動圧発生部による圧力向上効果が得られる動圧軸受の方が軸の回転精度が高い。一方、流体動圧軸受装置を非定常状態(例えばスイング状態)で使用することで、軸が軸受部材に対して大きく偏心したときは、真円軸受の方が動圧軸受よりも負荷容量が大きくなることが多い。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、軸が偏心した状態では、ラジアル軸受隙間が極小となり、ラジアル軸受隙間の流体圧が非常に高くなる。動圧軸受では、軸受面に凹凸を有するラジアル動圧発生部が形成されるため、凹部(溝部)の形成領域では上記のような極小のラジアル軸受隙間が形成されない。このため、動圧軸受は、凹部が形成される分だけ真円軸受よりも支持面積が小さくなるため、軸の偏心時の負荷容量が真円軸受よりも小さくなる。
本発明は、上記の点に着目してなされたものであり、具体的には、軸受部材と、前記軸受部材の内周に挿入された軸部材と、前記軸受部材の内周面又は前記軸部材の外周面に設けられたラジアル動圧発生部とを備え、前記ラジアル動圧発生部が、周方向に延びる環状丘部と、前記環状丘部から軸方向両側に延びる複数の傾斜丘部と、前記複数の傾斜丘部の周方向間に設けられた複数の傾斜溝部とを有する流体動圧軸受装置において、各傾斜丘部の周方向幅W1と各傾斜溝部の周方向幅W2との比W1/W2を1.2以上とし、且つ、軸受部材の内径をDとしたとき、各傾斜溝部の周方向幅W2を0.2D≦W2≦0.4Dとした。
このように、丘部の面積の割合を大きくする(具体的には、各傾斜丘部の周方向幅W1と各傾斜溝部の周方向幅W2との比W1/W2を1.2以上とする)ことで、軸の偏心時に真円軸受に近い効果を発揮し、負荷容量が高められる。このとき、各傾斜溝部の周方向幅W2を所定範囲内(0.2D≦W2≦0.4D)に設定することで、ラジアル動圧発生部による適度な動圧効果が得られ、上記のように丘部の割合を大きくする効果と相俟って、軸の偏心時に真円軸受よりも高い負荷容量が得られる。
上記のように、真円軸受に近い効果を発揮しつつ、動圧軸受としての効果を発揮するためには、前記傾斜丘部及び前記傾斜溝部の周方向に対する角度を10〜30°の範囲内とすることが好ましい。
前記軸受部材が焼結金属の場合、スイング時に形成される極小のラジアル軸受隙間の潤滑流体が、軸受部材の表面開孔から内部に抜けるため、ラジアル軸受隙間の流体膜の圧力が低下する。この場合、上記のように、丘部の面積比率を大きくして、極小のラジアル軸受隙間の形成領域を大きくすることが効果的である。
上記のような流体動圧軸受装置は、例えばファンモータに好適に組み込まれる。
以上のように、本発明によれば、加工コスト高や回転トルク増を招くことなく、流体動圧軸受装置のラジアル方向の負荷容量を高め、回転精度を高めることができる。
ファンモータの断面図である。 上記ファンモータに組み込まれる流体動圧軸受装置の断面図である。 上記流体動圧軸受装置の軸受部材の断面図である。 他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の軸部材の側面図である。 スイング試験装置の側面図である。
図1に、情報機器、特に携帯電話やタブレット型端末等のモバイル機器に組み込まれる冷却用のファンモータを示す。このファンモータは、本発明の一実施形態に係る流体動圧軸受装置1と、流体動圧軸受装置1の軸部材2に装着されたロータ3と、ロータ3の外径端に取付けられた羽根4と、半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル6aおよびロータマグネット6bと、これらを収容するケーシング5とを備える。ステータコイル6aは、流体動圧軸受装置1の外周に取付けられ、ロータマグネット6bはロータ3の内周に取付けられる。ステータコイル6aに通電することにより、ロータ3、羽根4、及び軸部材2が一体に回転し、これにより軸方向あるいは外径方向の気流が発生する。
流体動圧軸受装置1は、図2に示すように、軸部材2と、ハウジング7と、軸受部材としての軸受スリーブ8と、シール部材9と、スラスト受け10とを備える。尚、以下では、軸方向(図2の上下方向)で、ハウジング7の開口側を上側、ハウジング7の底部7b側を下側と言う。
軸部材2は、ステンレス鋼等の金属材料で円柱状に形成される。軸部材2は、円筒面状の外周面2aと、下端に設けられた球面状の凸部2bとを有する。
ハウジング7は、略円筒状の側部7aと、側部7aの下方の開口部を閉塞する底部7bとを有する。図示例では、側部7aと底部7bとが樹脂で一体に射出成形される。側部7aの外周面7a2には、ケーシング5及びステータコイル6aが固定される。側部7aの内周面7a1には、軸受スリーブ8が固定される。底部7bの上側端面7b1の外径端には、内径部よりも上方に位置する肩面7b2が設けられ、この肩面7b2に軸受スリーブ8の下側端面8cが当接する。肩面7b2には、半径方向溝7b3が形成される。底部7bの上側端面7b1の中央部には、樹脂製のスラスト受け10が配される。尚、ハウジング7の肩面7b2に半径方向溝7b3を設ける代わりに(あるいはこれに加えて)、軸受スリーブ8の下側端面8cに半径方向溝を形成してもよい。
軸受スリーブ8は、円筒状を成し、ハウジング7の側部7aの内周面7a1に、隙間接着、圧入、圧入接着(接着剤介在下での圧入)等の適宜の手段で固定される。本実施形態では、軸受スリーブ8の内径はφ3mm以下、外径はφ6mm以下、軸方向寸法は6mm以下とされる。軸受スリーブ8は、例えば金属、具体的には焼結金属、特に銅及び鉄を主成分として含む銅鉄系焼結金属からなる。
ラジアル軸受面となる軸受スリーブ8の内周面8aには、ラジアル動圧発生部Gが形成される。本実施形態では、ラジアル動圧発生部Gとして、図3に示すようなへリングボーン形状の動圧溝が形成される。具体的に、ラジアル動圧発生部Gは、周方向に延びる環状丘部G1と、環状丘部G1から軸方向両側に延びる複数の傾斜丘部G2と、複数の傾斜丘部G2の周方向間に設けられた複数の傾斜溝部G3とを有する(図3では、環状丘部G1及び傾斜丘部G2にクロスハッチングを付して示している)。図示例では、ラジアル動圧発生部Gが、内周面8aの軸方向に隣接した2箇所の領域に形成される。上下のラジアル動圧発生部Gは同一形状である。環状丘部G1及び傾斜丘部G2の内径面は、同一円筒面上に連続して設けられる。各ラジアル動圧発生部Gは、軸方向で対称な形状を成している。尚、上下のラジアル動圧発生部Gの一方又は双方を、軸方向で非対称な形状としてもよい。この場合、軸方向非対称形状のラジアル動圧発生部により、ラジアル軸受隙間の潤滑流体が軸方向に押し込まれ、ハウジング7の内部で潤滑流体が強制的に循環される。
上側のラジアル動圧発生部Gの下側の傾斜丘部G2と、下側のラジアル動圧発生部Gの上側の傾斜丘部G2とは連続している。同様に、上側のラジアル動圧発生部Gの下側の傾斜溝部G3と、下側のラジアル動圧発生部Gの上側の傾斜溝部G3とは連続している。また、上側のラジアル動圧発生部Gの上側の傾斜溝部G3は、軸受スリーブ8の内周面8aの上端まで達し、下側のラジアル動圧発生部Gの下側の傾斜溝部G3は、軸受スリーブ8の内周面8aの下端まで達している。尚、上下のラジアル動圧発生部Gを軸方向に離隔して形成してもよい。この場合、上下のラジアル動圧発生部Gの軸方向間には、傾斜溝部G3と同径でこれと連続した円筒面が設けられる。
各傾斜丘部G2の周方向幅W1と各傾斜溝部G3の周方向幅W2との比W1/W2は1.2以上とされる。各傾斜溝部G3の周方向幅W2は、軸受スリーブ8の内径をDとしたとき、0.2D≦W2≦0.4Dとされる。例えば、軸受スリーブ8の内径が1.5mmの場合、各傾斜溝G3の周方向幅W2は0.3mm以上0.6mm以下とされる。このためには、同一円周上に配された傾斜溝部G3の本数を4〜8本とする必要がある。本実施形態では、丘溝比W1/W2が1.4、傾斜溝部G3が5本であり、その結果、各傾斜溝部G3の周方向幅W2が約0.39mmとなる。図示例では、各傾斜溝部G3の周方向幅W2は、軸方向全域で一定である。
環状丘部G1に対する傾斜丘部G2及び傾斜溝部G3の傾斜角度θは、10〜30°の範囲内とされ、例えば20°とされる。環状丘部G1の軸方向寸法L1と、環状丘部G1の軸方向一方側の傾斜丘部G2及び傾斜溝部G3の軸方向寸法L2との比L2/L1は、1.2〜2.5程度とされる。本実施形態では、これらの比L2/L1が1.6とされる。
軸受スリーブ8の外周面には、軸方向溝8d1が形成される。軸方向溝8d1の数は任意であり、例えば円周方向等間隔の3箇所に形成される。
シール部材9は、樹脂あるいは金属で環状に形成され、ハウジング7の側部7aの内周面7a1の上端部に固定される。シール部材9は、軸受スリーブ8の上側端面8bと当接している。シール部材9の内周面9aは、軸部材2の外周面2aと半径方向で対向し、これらの間にシール空間Sが形成される。軸部材2の回転時には、シール空間Sにより、軸受内部の潤滑油の外部への漏れ出しが防止される。シール部材9の下側端面9bには、半径方向溝9b1が形成される。尚、シール部材9の下側端面9bに半径方向溝9b1を形成する代わりに(あるいはこれに加えて)、軸受スリーブ8の上側端面8bに半径方向溝を形成してもよい。
上記の流体動圧軸受装置1は、以下のような手順で組み立てられる。まず、ハウジング7の底部7bの上側端面7b1にスラスト受け10を固定する。そして、ハウジング7の側部7aの内周に、予め内部気孔に潤滑油を含浸させた軸受スリーブ8を挿入し、軸受スリーブ8の下側端面8cを底部7bの肩面7b2に当接させた状態で、軸受スリーブ8の外周面8dを側部7aの内周面7a1に固定する。その後、シール部材9をハウジング7の側部7aの内周面7a1の上端に固定する。このとき、シール部材9をハウジング7の側部7aに圧入し、シール部材9とハウジング7の底部7bの肩面7b2とで軸受スリーブ8を軸方向両側から挟持することで、軸受スリーブ8を軸方向で拘束することができる。その後、軸受スリーブ8の内周に潤滑油を点滴し、軸部材2を挿入することで、流体動圧軸受装置1の組立が完了する。このとき、シール部材9で密封されたハウジング7の内部空間(軸受スリーブ8の内部空孔を含む)に潤滑油を充満し、油面はシール空間Sの範囲内に維持される。
上記構成の流体動圧軸受装置1において、軸部材2が回転すると、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面2aとの間にラジアル軸受隙間が形成される。そして、軸受スリーブ8の内周面8aに形成されたラジアル動圧発生部Gが、ラジアル軸受隙間の潤滑油に動圧作用を発生させる。詳しくは、各ラジアル動圧発生部Gの傾斜溝部G3に沿って、ラジアル軸受隙間の潤滑油が環状丘部G1側に集められ、この環状丘部G1と軸部材2の外周面との間で圧力が最大となる。これにより、軸部材2をラジアル方向に支持する第1ラジアル軸受部R1及び第2ラジアル軸受部R2が構成される。また、軸部材2の下端の凸部2bとスラスト受け10とが接触摺動することで、軸部材2をスラスト方向に支持するスラスト軸受部Tが構成される。このとき、シール部材9の下側端面9bの半径方向溝9b1、軸受スリーブ8の外周面8dの軸方向溝8d1、及びハウジング7の肩面7b2の半径方向溝7b3を介して、ハウジング7の閉塞側の空間Pとシール空間Sとが連通されるため、空間Pにおける負圧の発生が防止される。
この流体動圧軸受装置1を有するファンモータは、定常姿勢での使用時には、ラジアル動圧発生部Gによる圧力向上効果により、軸部材2、ひいてはロータ3及び羽根4が高い回転精度で回転し、軸部材2と軸受スリーブ8との接触による異音の発生等が生じにくい。また、このファンモータを非定常状態(例えばスイング状態)で使用し、軸部材2が軸受スリーブ8に対して大きく偏心した場合でも、ラジアル動圧発生部Gの各傾斜丘部G2の割合が大きい(W1/W2≧1.2)ことで、真円軸受に近い支持力を発揮することができる。また、ラジアル動圧発生部Gの各傾斜溝部G3の周方向幅W2を0.2D≦W2≦0.4Dとすることで、上記の真円軸受に近い効果を大幅に阻害しない範囲で、ラジアル動圧発生部Gによる適度な動圧効果が得られる。以上のような作用が相俟って、この流体動圧軸受装置1は、軸部材2の偏心時に、真円軸受よりも高い支持力を発揮して、軸部材2と軸受スリーブ8との接触を可及的に防止することができる。
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば、図4に示すように、軸部材2の外周面2aにラジアル動圧発生部Gを形成し、軸受スリーブ8の内周面8aを円筒面としてもよい。この場合、上記の実施形態と同様に、ラジアル動圧発生部Gの各傾斜丘部G2の周方向幅W1と各傾斜溝部G3の周方向幅W2との比W1/W2は1.2以上とされる。また、ラジアル動圧発生部Gの各傾斜溝部G3の周方向幅W2は、軸部材2の外径をD’としたとき、0.2D’≦W2≦0.4D’の範囲内とされる。その他の流体動圧軸受装置1の構成や、ラジアル動圧発生部Gの詳細は、上記の実施形態と同様であるため重複説明を省略する。
また、上記の実施形態では、スラスト軸受部Tが軸部材2を接触支持するものであるが、これに限らず、スラスト軸受部を、上記実施形態のラジアル軸受部と同様に、油膜の圧力で軸部材を非接触支持するものとしてもよい。具体的には、例えば、軸部材の下端にフランジ部を設け、このフランジ部の上側端面と軸受スリーブの下側端面との間、及び、フランジ部の下側端面とハウジングの端面との間に、それぞれスラスト軸受隙間を設けることができる。この場合、スラスト軸受隙間を介して対向する面の一方に、スラスト動圧発生部を設けてもよい。
また、上記の実施形態では、軸受部材を固定し軸部材を回転させる、いわゆる軸回転タイプの流体動圧軸受装置を示したが、これに限らず、軸部材を固定し軸受部材を回転させる、いわゆる軸固定タイプの流体動圧軸受装置に本発明を適用してもよい。
また、本発明の流体動圧軸受装置は、ファンモータに限らず、情報機器(例えば、HDD)のスピンドルモータや、レーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ、あるいはプロジェクタのカラーホイールに用いることができる。
本発明による効果を確認するため、以下のような試験を行った。まず、図3に示す軸受スリーブ8と略同様の形状を有し、ラジアル動圧発生部の諸元(表1参照)を異ならせた実施例及び比較例1〜3に係る試験片を作製した。各試験片のサイズは、何れも内径1.5mm、外径3.0mm、軸方向幅2.5mmである。
Figure 0006599572
上記の各試験片を、図1に示すファンモータに組み込んでスイング試験を行い、このときの異音の発生の有無を調べた。具体的には、図5に示すように、ファンモータを、2000r/minで回転させながら、軸部材2が水平方向に対して上下に45°となる範囲で回転軸10を中心に回転(スイング)させた。その結果、比較例1〜3では何れも異音が発生したが、実施例では異音は発生しなかった。この結果から、ラジアル動圧発生部の丘溝比W1/W2が1.2以上であり、且つ、各傾斜溝部の周方向幅W2が0.2D≦W2≦0.4D(上記サイズの試験片の場合、0.3mm〜0.6mm)である実施例によれば、流体動圧軸受装置をスイングさせたときの負荷容量が高く、軸と軸受との接触が生じにくいことが明らかになった。
1 流体動圧軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
9 シール部材
G ラジアル動圧発生部
G1 環状丘部
G2 傾斜丘部
G3 傾斜溝部
R1,R2 ラジアル軸受部
S シール空間
T スラスト軸受部

Claims (7)

  1. 軸受部材と、前記軸受部材の内周に挿入された軸部材と、前記軸受部材の内周面又は前記軸部材の外周面に設けられたラジアル動圧発生部とを備え、前記ラジアル動圧発生部が、周方向に延びる環状丘部と、前記環状丘部から軸方向両側に延びる複数の傾斜丘部と、前記複数の傾斜丘部の周方向間に設けられた複数の傾斜溝部とを有する流体動圧軸受装置において、
    前記傾斜丘部及び前記傾斜溝部の周方向に対する角度が10〜30°の範囲内であり、
    前記環状丘部の軸方向寸法L1と各傾斜丘部の軸方向寸法L2との比L2/L1が1.2〜2.5の範囲内である流体動圧軸受装置。
  2. 各傾斜丘部の周方向幅W1と各傾斜溝部の周方向幅W2との比W1/W2が1.2以上である請求項1記載の流体動圧軸受装置。
  3. 前記軸受部材の内径をDとしたとき、各傾斜溝部の周方向幅W2が0.2D≦W2≦0.4Dである請求項1又は2記載の流体動圧軸受装置。
  4. 前記軸受部材が焼結金属で形成された請求項1〜3の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
  5. 請求項1〜の何れかに記載の流体動圧軸受装置を備えたファンモータ。
  6. 周方向に延びる環状丘部と、前記環状丘部から軸方向両側に延びる複数の傾斜丘部と、前記複数の傾斜丘部の周方向間に設けられた複数の傾斜溝部とを有するラジアル動圧発生部を内周面に備え、流体動圧軸受装置に組み込まれる軸受部材であって、
    前記傾斜丘部及び前記傾斜溝部の周方向に対する角度が10〜30°の範囲内であり、
    前記環状丘部の軸方向寸法L1と各傾斜丘部の軸方向寸法L2との比L2/L1が1.2〜2.5の範囲内である軸受部材。
  7. 周方向に延びる環状丘部と、前記環状丘部から軸方向両側に延びる複数の傾斜丘部と、前記複数の傾斜丘部の周方向間に設けられた複数の傾斜溝部とを有するラジアル動圧発生部を外周面に備え、流体動圧軸受装置に組み込まれる軸部材であって、
    前記傾斜丘部及び前記傾斜溝部の周方向に対する角度が10〜30°の範囲内であり、
    前記環状丘部の軸方向寸法L1と、各傾斜丘部の軸方向寸法L2との比L2/L1が1.2〜2.5の範囲内である軸部材。
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