JP2008008472A - 流体軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸部材の外周面に他部材を簡易且つ強固に固定する
【解決手段】軸部材2の外周面2aと第1シール部9(フランジ部)の内周面9dとを嵌合し、第1シール部9の上側端面9cの内径端を加締め、さらに両部材の間の隙間に接着剤を介在させることにより両部材を固定する。このように両部材を嵌合するため、挿入時に摩耗粉が生じず、軸受内部にコンタミが混入する恐れがない。また、嵌合面を加締めることで両部材を仮固定できるため、その後の工程で両部材を固定する冶具は不要となる。また、嵌合面のうち、被加締め部以外の箇所は隙間嵌めの状態であるため、接着剤を容易に介在させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、軸受隙間の潤滑膜で、軸部材を回転可能に支持する流体軸受装置に関する。
流体軸受装置は、その高回転精度および静粛性から、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク駆動装置、MD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器の冷却ファン等に使用されるファンモータなどの小型モータ用として好適に使用可能である。
例えば、特許文献1に示されている流体軸受装置(動圧軸受装置)は、軸部材と、軸部材から外径へ突出して設けられ、外周にシール空間を形成するシール部材が設けられている。軸部材とシール部材との固定は、接着、圧入、あるいは接着と圧入の併用等の方法により行われている。
特開2005−321089号公報
しかし、シール部材と軸部材との固定を接着により行う場合、接着剤が完全に固化するまで両部材を固定しておく冶具が必要となる。また、シール部材を軸部材に圧入すると、圧入時に生じる摩耗粉が軸受内部にコンタミとして混入し、軸受性能を低下させる恐れがある。また、接着と圧入とを併用する場合は、両部材の嵌合面に接着剤を介在させることが困難であるため、嵌合面から溢れた接着剤が軸受装置の内部空間に侵入し、軸受性能に悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明の課題は、軸部材の外周面に他部材を簡易且つ強固に固定することができる流体軸受装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、軸部材と、軸部材の外周面に固定されたフランジ部と、軸部材の外周面に面するラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部とを備えた流体軸受装置において、軸部材の外周面にフランジ部の内周面を嵌合し、両部材を加締めと接着とで結合したことを特徴とする。
このように、本発明では、軸部材とフランジ部との固定を、加締め及び接着を併用して行う。具体的には、軸部材の外周面にフランジ部の内周面を嵌合し、両部材を加締めることにより仮固定し、さらに両部材間の隙間に接着剤を介在させることにより両部材を固定する。このように軸部材にフランジ部を嵌合するため、挿入時に摩耗粉が生じず、軸受内部にコンタミが混入する恐れがない。また、両部材を加締めて仮固定することにより、その後の工程で両部材を固定する冶具は不要となる。また、両部材の嵌合面のうち、加締められた部分以外の箇所は隙間嵌めの状態であるため、接着剤を容易に介在させることができる。
両部材の加締めは、例えばフランジ部の内径端で行うことができる。また、加締めによる塑性変形、例えばフランジ部の内径端を加締めることで形成された凹部で、接着剤溜りを形成することができる。
フランジ部を加締める場合、フランジ部が中実であると加締めにより変形しにくくなるため、十分に加締められなかったり、予定外の場所が変形する恐れがある。そこで、フランジ部の内周面に予め凹部を形成しておくと、加締めによるフランジ部の変形をこの凹部で吸収することができる。これにより、フランジ部の変形が容易化され、十分な加締めが可能となると共に、加締めによる変形を前記凹部付近に集中させることができる。
また、例えばフランジ部の軸受内部側の端面に被加締め部を設けると、軸受内部の空間、例えばスラスト軸受隙間に面する部分が変形し、軸受性能が低下する恐れがある。よって、被加締め部は大気開放側の端面に設けることが望ましい。
このように、本発明によると、軸部材の外周面に他部材を簡易且つ強固に固定することができる流体軸受装置が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、動圧軸受装置1と、動圧軸受装置1の軸部材2に取り付けられたロータ(ディスクハブ)3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4aおよびロータマグネット4bと、ブラケット5とを備えている。ステータコイル4aはブラケット5の外周に取り付けられ、ロータマグネット4bは、ディスクハブ3の内周に取り付けられている。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスクDを一枚または複数枚保持する。ステータコイル4aに通電すると、ステータコイル4aとロータマグネット4bとの間に発生する電磁力でロータマグネット4bが回転し、それに伴ってディスクハブ3、および軸部材2が一体となって回転する。
図2に、上記スピンドルモータで使用される動圧軸受装置1を示す。この動圧軸受装置1は、軸部材2、及び軸部材2から外径へ突出して設けられたフランジ部としての第1シール部9および第2シール部10と、内周に軸部材2を挿入した軸受部材6とを主要構成部品として構成される。図2に示す実施形態では、軸受部材6はハウジング7と、スリーブ部8とで別体に構成されている。なお、以下では、説明の便宜上、ハウジング7の開口部から軸部材2の端部が突出している側を上側、その軸方向反対側を下側として説明を進める。
スリーブ部8の内周面8aと軸部材2の外周面2aとの間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、スリーブ部8の上側端面8bと第1シール部9の下側端面9bとの間に第1スラスト軸受部T1が設けられ、スリーブ部8の下側端面8cと第2シール部10の上側端面10bとの間に第2スラスト軸受部T2が設けられる。
軸部材2は、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、あるいは、金属と樹脂のハイブリッド構造とされる。軸部材2は全体として概ね同径の軸状をなし、その中間部分には、他所よりも僅かに小径に形成した逃げ部2bが形成されると共に、第1および第2シール部9、10の固定位置には、凹部、例えば円周溝2cが形成されている。
ハウジング7は、例えば、樹脂材料を射出成形して円筒状に形成され、その内周面7aは、同径でストレートな円筒面となっている。図1に示すブラケット5の内周面にハウジング7の外周面が圧入、接着、圧入接着等の手段で固定される。
ハウジング7を形成する樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSF)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。この実施形態では、ハウジング7を形成する材料として、結晶性樹脂としての液晶ポリマー(LCP)に、導電性充填材としてのカーボンファイバー又はカーボンナノチューブを2〜8wt%配合した樹脂材料を用いている。
この他、黄銅やアルミニウム合金等の軟質金属材料、その他の金属材料でハウジング7を形成することもできる。
スリーブ部8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング7の内周面7aの所定位置に圧入、接着、あるいは圧入接着等の手段で固定される。なお、スリーブ部8は、焼結金属以外にも銅合金等のメタル材料で形成することもできる。
スリーブ部8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、例えば図3(a)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。尚、動圧溝8a1、8a2は、図3(a)に示すように軸方向に離隔して形成する他、軸方向に連続して形成してもよい。あるいは、動圧溝8a1、8a2のうち何れか一方のみを形成してもよい。また、スリーブ部8の外周面8dの一箇所又は複数箇所には、軸方向溝8d1が形成される。
スリーブ部8の上側端面8bには、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受面となる領域が設けられ、この領域には、例えば図3(b)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8b1が形成される。また、スリーブ部8の下側端面8cには、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受面となる領域が設けられ、この領域には、例えば図3(c)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8c1が形成される。
第1シール部9および第2シール部10は、樹脂材料あるいは金属材料でリング状に形成される。
第1シール部9の外周面9aは、ハウジング7の上端開口部の内周面7aとの間に所定の容積をもった第1シール空間S1を形成すると共に、第2シール部10の外周面10aは、ハウジング7の下端開口部の内周面7aとの間に所定の容積をもった第2シール空間S2を形成する。この実施形態において、第1シール部9の外周面9aおよび第2シール部10の外周面10aは、それぞれ軸受装置の外部側に向かって漸次拡径したテーパ面状に形成される。そのため、両シール空間S1、S2は、互いに接近する方向に漸次縮小したテーパ形状を呈する。軸部材2の回転時、両シール空間S1、S2内の潤滑油は毛細管力による引き込み作用と、回転時の遠心力による引き込み作用とにより、シール空間が狭くなる方向に向けて引き込まれる。これにより、ハウジング7の内部からの潤滑油の漏れ出しが効果的に防止される。油漏れをより確実に防止するため、ハウジング7の上側端面7bと下側端面7c、第1シール部9の上側端面9c、および第2シール部10の下側端面10cにそれぞれ撥油剤の被膜を形成することもできる。
第1および第2シール空間S1、S2は、ハウジング7の内部空間に充満された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収するバッファ機能を有する。想定される温度変化の範囲内では、油面は常時両シール空間S1、S2内にある。これを実現するために、両シール空間S1、S2の容積の総和は、少なくとも内部空間に充満された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量よりも大きく設定される。
以下、第1シール部9の軸部材2への固定方法を、図4を用いて説明する。
第1シール部9の内周面9dには予め凹部が形成され、本実施形態では、図4(a)に示すような断面矩形の環状溝9d1が形成される。凹部の形状はこれに限らず、断面を半円形等に形成してもよい。あるいは、凹部を円周方向で離隔した複数箇所に設けてもよい。第1シール部9の内周面9dの径は、軸部材2の外径よりも僅かに大きく設定される。
まず、第1シール部9を軸部材2の上方から外挿し、第1シール部9の下側端面9bを固定冶具11の上側端面11aと当接させることにより、所定位置に配置する(図4(a)参照)。このとき、第1シール部9の内周面9dと軸部材2の外周面2aとの嵌合は隙間嵌めとなる。よって、例えば圧入する場合のように嵌合面が損傷したり、この損傷による摩耗粉がコンタミとして軸受内部に混入する恐れを回避できる。
次に、第1シール部9を固定冶具11で位置決めした状態で、第1シール部9の上側端面9cの内径端を、加締め冶具12で上方から加締める(図4(b)参照)。この加締め冶具12は柱状に形成され、その下端部の内径側に球面部12aを有すると共に、下端部の外径側にテーパ面12bを有する。この加締めは、全周あるいは円周方向で略等間隔に離隔した複数箇所で行われる。この加締め冶具12の円弧部12aで、第1シール部9の上側端面9cの内径端を加締めることにより凹部9c1(被加締め部)を形成すると同時に、第1シール部9の内周面9dの上端部を塑性変形させて、軸部材2の外周面2aに圧着させる。このとき、加締めによる塑性変形が第1シール部9の内周面9dの環状溝9d1で吸収されるため、第1シール部9の上側端面9cの内径端を容易に塑性変形させることができる。また、加締めによる塑性変形を環状溝9d1付近に集中させることができるため、その他の部分、例えばスラスト軸受隙間に面する第1シール部9の下側端面9bが変形することを防止できる。尚、第1シール部9の内周面9dに設けられる環状溝9d1がなくても、問題なく加締めることができ、且つ加締めによる他の部分の変形も無視できる場合は、この環状溝9d1を省略してもよい。
このように、第1シール部9を加締めることにより、軸部材2の外周面2aの所定位置に第1シール部9が仮固定されるため、加締めた後は固定冶具11が不要となる。尚、第1シール部9の上側端面9cの内径端を全周に亘って加締める場合、加締め冶具12を環状に形成してもよい。
第1シール部9と軸部材2とを仮固定した後、軸部材2の外周面2aと第1シール部9の内周面9dとの間に、注入針13で接着剤を注入する(図4(c)参照)。このとき、両部材の嵌合面が隙間嵌めであるため、接着剤を容易に介在させることができる。また、上記の加締めにより第1シール部9の上側端面9cの内径端に形成された凹部9c1を接着剤の注入口とすることができるため、容易に注入することができる。また、シール部9に形成された凹部9c1及び環状溝9d1が接着剤溜りとして機能することにより、第1シール部9と軸部材2との固着力が高められる。さらに、接着剤を注入して両部材の嵌合面の間の隙間を密閉することにより、軸受内部に充満される潤滑剤がこの隙間から漏れ出すことを防止できる。
ところで、本実施形態では、図2に示すように、第1シール部9の上側端面9cが大気に開放すると共に、下側端面9bがスラスト軸受隙間に面する。もし、スラスト軸受隙間に面する下側端面9bを加締めると、スラスト軸受隙間の隙間幅の精度が低下し、スラスト方向の支持力が低下する恐れがある。上記のように、大気開放側となる上側端面9cを加締めることにより、軸受性能を低下させる恐れを防止することができる。
尚、本実施形態では、第2シール部10の軸部材2への固定は、接着、圧入、あるいは溶接等の手段により固定される。例えば第2シール部10を圧入で固定する場合は、上記のように両部材の嵌合面が損傷する恐れがある。しかし、第2シール部10は軸部材2の下端部に固定されるため、圧入ストローク(圧入状態で押し込まれる距離)は比較的短く、両部材はそれほど激しく損傷しない。もちろん、第2シール部10を、第1シール部9と同じ方法で軸部材2に固定してもよい。
第1、第2シール部9、10の軸部材2への固定は、これらのうち何れか一方のシール部を軸部材2に固定した後、スリーブ部8を軸部材2に外装し、このスリーブ部8を挟んで他方のシール部を固定する。その後、この組み付け体をハウジング7の内周面7aに挿入し、スリーブ部8の外周面8dをハウジング7の内周面7aに固定する。スリーブ部8のハウジング7に対する固定は、接着、圧入、接着と圧入の併用、溶着(超音波溶着)等の適宜の手段によって行うことができる。このようにして組立が完了するとシール部9、10で密閉されたハウジング7の内部空間に、スリーブ部8の内部気孔も含め、潤滑流体として例えば潤滑油を充満させる。
軸部材2の回転時には、スリーブ部8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ軸部材2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。また、スリーブ部8の上側端面8bのスラスト軸受面となる領域が第1シール部9の下側端面9bと所定のスラスト軸受隙間を介して対向し、スリーブ部8の下側端面8cのスラスト軸受面となる領域は、第2シール部10の上側端面10bと所定のスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2がラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、上記スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2およびシール部9、10が上記スラスト軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とが構成される。
また、本実施形態では、スリーブ部8の外周面8dに形成された軸方向溝8d1により、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間の外径端と、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間の外径端とを連通している。これにより、軸受装置の内部に充満された潤滑油の圧力バランスを適正に保つことができるため、局所的な負圧の発生による軸受性能の低下を防止できる。尚、本実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2の動圧発生部が、それぞれ軸方向中心に対して上下対称に形成されているが、これらの何れか又は双方を上下非対称形状とすると、ラジアル軸受隙間の潤滑油を強制的に流動させることができる。これによると、ラジアル軸受隙間、スラスト軸受隙間、及び軸方向溝8d1で潤滑油を循環させることができるため、軸受内部における負圧の発生をより効果的に防止できる。また、負圧の発生による問題が生じない場合は、軸方向溝8d1を省略し、スリーブ部8の外周面8dを円筒面とすることができる。
本発明は、上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を示す。尚、以下の説明において、上記の実施形態と同様の構成、機能を有する部位には同じ符合を付し、説明を省略する。
図5に、本発明の第2の実施形態に係る動圧軸受装置1を示す。この動圧軸受装置1では、ハウジング7の下側の開口部が蓋部材14で閉塞されると共に、軸部材2の下端に鍔状部2dが設けられる。蓋部材14は、金属材料あるいは樹脂材料で略円盤状に形成される。蓋部材14は、ハウジング7の大径内周面7dに挿入されると共に、大径内周面7dの上端から内側へ延びた肩面7eに当接して固定される。鍔状部2dの上側端面2d1とスリーブ部8の下側端面8cとの間には、第2のスラスト軸受部T2が形成される。
図6に、本発明の第3の実施形態に係る動圧軸受装置1を示す。この動圧軸受装置1では、軸部材2の外周面2aの上端部に、フランジ部としてのディスクハブ3が固定される。ディスクハブ3は、ハウジング7の上側の開口部を覆う円盤部3aと、円盤部3aの外径端から下方へ延びた円筒部3bと、円筒部3bから外径へ突出した鍔部3cと、鍔部3cの上側端面に設けられたディスク搭載面3dとを備える。円盤部3aの下側端面3a1とハウジング7の上端面7bとの間には、第1のスラスト軸受部T1が形成される。ハウジング7の外周面上方には、上方へ向けて漸次拡径したテーパ面7fが設けられ、このテーパ面7fと円筒部3bの内周面3b1との間に、上方へ向けて隙間幅が漸次縮小したシール空間Sが形成される。円筒部3bの外周部には、ヨーク16を介してロータマグネット4bが取り付けられる。ハウジング7の外周面下方に設けられた円筒面7gは、ブラケット5の内周に固定される。
ディスクハブ3と軸部材2との固定は次のようにして行われる。すなわち、円盤部3aの内周面3a3に予め環状溝3a30を設け、軸部材2の所定位置において円盤部3aの上側端面3a2の内径端を上方より加締めることにより、凹部3a20を形成すると共に、両部材を仮固定する。その後、凹部3a20から両部材の間の隙間に接着剤を注入し、両部材を固定する。
以上の実施形態では、フランジ部を加締めることにより、フランジ部と軸部材とを仮固定する例が示されているが、これに限らず、例えば軸部材を加締めることにより、両部材を仮固定してもよい。
また、以上の実施形態では、フランジ部を加締めた後に、両部材の間に接着剤を注入する場合を示しているが、これとは逆に、両部材の間に接着剤を介在させてから、フランジ部を加締めることもできる。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2を、ヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2で潤滑油に動圧作用を発生させる構成を示しているが、これに限らず、例えばスパイラル形状の動圧溝や、ステップ軸受、あるいは多円弧軸受を形成してもよい。
また、スラスト軸受部T1、T2を、スパイラル形状の動圧溝8b1、8c1で潤滑油に動圧作用を発生させる構成を示しているが、これに限らず、例えばヘリングボーン形状の動圧溝や、ステップ軸受、あるいは波型軸受(ステップ軸受が波型形状になったもの)を形成してもよい。
さらに、上記の実施形態では、第1および第2ラジアル軸受部R1、R2の動圧溝8a1、8a2をスリーブ部8の内周面8aに形成する場合を例示したが、これをラジアル軸受隙間を介して対向する面、すなわち軸部材2の外周面2aに形成することもできる。さらに、第1および第2スラスト軸受部T1、T2の動圧溝8b1、8c1をスリーブ部の両端面8b、8c、あるいはハウジング7の上端面7bに形成する場合を例示したが、これらの面とスラスト軸受隙間を介して対向する面、すなわち第1シール部9の下側端面9bや第2シール部10の上側端面10b、鍔状部2dの上側端面2d1、あるいはディスクハブ3の円盤部3aの下側端面3a1に形成することもできる。
また、上記の実施形態では、動圧軸受装置1の内部空間に充満される潤滑流体として潤滑油が使用されているが、これに限らず、例えば空気等の気体や、潤滑グリース、磁性流体等を使用することもできる。
また、本発明の動圧軸受装置は、上記のようにHDD等のディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータに限らず、光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ等、高速回転下で使用される情報機器用の小型モータ、レーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転軸支持用、あるいは電気機器の冷却ファン用のファンモータとしても好適に使用することができる。
動圧軸受装置1を組み込んだスピンドルモータを示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る動圧軸受装置1を示す断面図である。 スリーブ部8の(a)軸方向断面図、(b)上面図、及び(c)下面図である。 第1シール部9と軸部材2との固定工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る動圧軸受装置1を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る動圧軸受装置1を示す断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
6 軸受部材
7 ハウジング
8 スリーブ部
9 第1シール部(フランジ部)
9c1 凹部(被加締め部)
9d1 環状溝(凹部)
10 第2シール部
11 固定冶具
12 加締め冶具
13 注入針
R1、R2 ラジアル軸受部
S1、S2 シール空間
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (5)

  1. 軸部材と、軸部材の外周面に固定されたフランジ部と、軸部材の外周面に面するラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部とを備えた流体軸受装置において、
    軸部材の外周面にフランジ部の内周面を嵌合し、両部材を加締めと接着とで結合したことを特徴とする流体軸受装置。
  2. 被加締め部をフランジ部の内径端に設けた請求項1記載の流体軸受装置。
  3. 前記加締めによる塑性変形で接着剤溜りを形成した請求項1又は2記載の流体軸受装置。
  4. 被加締め部の塑性変形を、予めフランジ部の内周面に形成した凹部で吸収した請求項1記載の流体軸受装置。
  5. フランジ部の大気開放側の端面に被加締め部を設けた請求項1記載の流体軸受装置。
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