JP5133131B2 - 流体軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材を回転可能に支持する流体軸受装置に関する。
流体軸受装置は、その高回転精度および静粛性から、情報機器(例えばHDD)の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク駆動装置、若しくはMD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ用、プロジェクタのカラーホイールモータ用、又は電気機器の冷却等に使用されるファンモータなどの小型モータ用として使用されている。
例えば、特許文献1に記載されている流体軸受装置は、軸部及びフランジ部を有する軸部材と、内周に軸部材を挿入した軸受スリーブと、内周面に軸受スリーブを固定し、一端を開口すると共に他端を閉塞したハウジングと、ハウジングの開口部に固定されたシール部材とを備える。軸受スリーブの外周面とハウジングの内周面とは、圧入や接着により固定されている。
この流体軸受装置において、軸部材のフランジ部と軸受スリーブとが軸方向で係合すると、軸受スリーブにハウジング開口側への力が加わる。このとき、軸受スリーブの抜け耐力は、軸受スリーブとハウジングとの固定強度、及び、シール部材とハウジングとの固定強度に依存している。
特開2003−239974号公報 特開2005−155912号公報
例えば、HDD用のスピンドルモータに組み込まれる流体軸受装置では、HDDの高容量化に伴って、搭載されるディスクの枚数は増加する傾向にある。これにより、流体軸受装置に加わる負荷が増大し、軸部材と軸受スリーブとの軸方向の係合部に加わる衝撃荷重が大きくなっているため、軸受スリーブとハウジングとの固定強度の向上が求められている。特に、シール部材とハウジングとが固定されない流体軸受装置(例えば、特許文献2)では、シール部材で軸部材の抜け耐力を受け持つことができないため、軸受スリーブとハウジングとの固定強度の向上が必要となる。
本発明の課題は、流体軸受装置の軸受スリーブとハウジングとの固定強度を高めることにある。
前記課題を解決するために、本発明は、軸部及びフランジ部を有する軸部材と、内周に軸部材の軸部を挿入した軸受スリーブと、内周面に軸受スリーブが固定され、一端を開口すると共に他端を閉塞したハウジングと、軸部材の軸部の外周面と軸受スリーブの内周面との間のラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを備え、軸部材のフランジ部と軸受スリーブのハウジング閉塞側の端面とが軸方向で対向し、フランジ部と軸受スリーブとが軸方向に係合することで軸部材の抜け止めを行う流体軸受装置において、ハウジングの内周面の少なくとも一部に、ハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面を設けると共に、軸受スリーブの外周面に円筒面を設け、前記テーパ面のハウジング開口側の端部を前記円筒面に締め代をもって密着させることにより、前記テーパ面のハウジング開口側の端部で前記円筒面を凹ませたことを特徴とする。
このように、本発明の流体軸受装置では、ハウジングの内周面の少なくとも一部に、ハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面を設ける。この場合、例えばテーパ面の少なくともハウジング開口側の端部で、テーパ面を軸受スリーブの外周面と密着させると、軸受スリーブをハウジングから引抜こうとする力(抜去力)が作用した際に、ハウジングのテーパ面が軸受スリーブに軸方向の抗力を付与する。この抗力で軸受スリーブのハウジング開口側への相対移動を規制して軸受スリーブの抜け耐力を高めることができる。この効果は、テーパ面を軸受スリーブの外周面と締め代をもって密着させることにより、より一層効果的に得られる。尚、「ハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面」とは、図14(a),(b)に示すように、テーパ面Tp(太線部)の端部Tp1がハウジング7の開口端部7fまで達しているものに限定する意図ではなく、図14(c),(d)に示すように、テーパ面Tpの端部Tp1がハウジング7の開口端部7fまで達していないものも含む(後述のスリーブに形成されたテーパ面についても同様)。
また、軸受スリーブの外周面形状によっては(例えば円筒面形状とする)、ハウジング内周のテーパ面と軸受スリーブの外周面との間に隙間を形成することもできる。この隙間を接着剤溜まりとして使用すれば、軸受スリーブの抜け耐力をさらに向上させることができる。
一方、軸受スリーブの外周面の少なくとも一部にハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面を設けると共に、ハウジングの内周面に円筒面を設け、前記テーパ面のハウジング閉塞側の端部を前記円筒面に締め代をもって密着させることにより、前記テーパ面のハウジング閉塞側の端部で前記円筒面を凹ませてもよい。この場合、ハウジングから軸受スリーブに軸方向の抗力を付与して軸受スリーブの抜け耐力を向上させることができる。その一方で、ハウジングの内周面と軸受スリーブ外周のテーパ面との間に隙間を形成した場合には、この隙間を接着剤溜まりとして使用することもでき、接着力の強化を通じて軸受スリーブの抜け耐力を向上させることができる。
さらに、ハウジングの内周面に、ハウジング開口側を縮径させたテーパ面を設けると共に、軸受スリーブの外周面に、ハウジング開口側を縮径させたテーパ面を設け、組付前のハウジングのテーパ面のテーパ角度を、組付前の軸受スリーブのテーパ面のテーパ角度よりも大きくし、ハウジングのテーパ面を軸受スリーブの外周面のテーパ面に締め代をもって密着させ、この締め代をハウジング閉塞側へ向けて徐々に小さくし、締め代の最も大きい部分のハウジング開口側に隣接した位置に接着剤溜りを設けてもよい。この場合、ハウジングからの軸受スリーブの抜けを規制する方向でテーパ面同士がテーパ嵌合するので、軸受スリーブの抜け耐力を向上させることができる。 両テーパ面の嵌合部分の少なくともハウジング開口側の端部で、締め代をもってテーパ面同士を密着させれば、抜け耐力をさらに高めることができる。
ところで、図15(a)に示すように、ハウジング107の内周面107aと軸受スリーブ108の内周面108aとを共に円筒面状に形成し、これらを接着剤を介在させて圧入固定する場合、以下のような問題が生じることがある。すなわち、ハウジング107の内周面107aに予め接着剤Gを塗布した状態で、ハウジング107の内周面107aの開口側から軸受スリーブ108を圧入する場合、軸受スリーブ108の一方の端面108bでハウジング107の内周面107aに塗布した接着剤Gが捕捉される。これにより、軸受スリーブ108が所定位置まで挿入されると、図15(b)に示すように、軸受スリーブ108の一方の端面108bに接着剤Gが回り込んだ状態となることがある。このように、接着剤Gが軸受スリーブ108の端面108bに回り込むと、軸受スリーブ108とハウジング107との固定面に介在する接着剤Gが減少し、これらの固定強度が低下する。また、軸受スリーブ108の端面108bが軸部材のフランジ部と対向する場合、回り込んだ接着剤Gがフランジ部と接触し、軸受の運転に支承を来たす恐れがある。
かかる接着剤Gの回り込みは、ハウジングの内周面に、ハウジング開口側を縮径させたテーパ面を設けることによって回避することができる。この場合、ハウジングの内周面に接着剤を塗布した状態で軸受スリーブをハウジングの内周に押し進めると、軸受スリーブがテーパ面を通過する際に、ハウジング閉塞側の端部で軸受スリーブの外周面とハウジング内周のテーパ面との間の隙間が徐々に拡大するため、この隙間で接着剤を捕捉して軸受スリーブの端面への接着剤の回り込みを回避することができる。同様に、軸受スリーブの外周面にハウジング開口側を縮径させたテーパ面を形成し、軸受スリーブの外周面に接着剤を塗布した状態でハウジングの内周に圧入することによっても、接着剤Gの回り込みを防止することができる。
この流体軸受装置において、ハウジングの内周面と軸受スリーブの外周面との間に接着剤溜まりを介在させれば、両者の固定強度をさらに高めることができる。また、ハウジングの内周面に、接着剤溜まりとなる複数の溝を軸方向の複数箇所に形成し、そのうちハウジング閉塞側の溝を、軸受スリーブのハウジング閉塞側端面の近傍に設ければ、軸受スリーブをハウジングの内周に挿入する際、軸受スリーブの端面で捕捉された接着剤を環状溝で保持することができるため、接着剤の回りこみをより確実に防止できる。
軸受スリーブが軸方向方向で非対称形状に形成される場合、ハウジングに所定の方向で固定する必要がある。例えば、軸受スリーブにハウジング開口側を縮径させたテーパ面を形成する場合、テーパ面の小径側がハウジング開口側となるように固定する必要がある。しかし、軸受スリーブのテーパ面は僅かな径差で形成されることが多く、この場合肉眼でテーパ面の縮径方向を確認することは困難となる。そこで、軸受スリーブの端面に動圧発生部を形成すれば、動圧発生部を目印として軸受スリーブのハウジングへの組み付け方向を容易に確認することができる。
以上のように、本発明によれば、軸受スリーブとハウジングとの固定強度を高め、軸受スリーブの抜け耐力を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る流体軸受装置1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に支持する流体軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3の内周に取付けられる。流体軸受装置1のハウジング7は、ブラケット6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持される。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それによって、ディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
図2に示す流体軸受装置1は、軸部材2と、一端を開口すると共に他端を閉塞したハウジング7と、ハウジング7の内周に固定された軸受スリーブ8と、ハウジング7の開口部をシールするシール部材9とを主要な構成部品としている。なお、以下では、説明の便宜上、ハウジング7の開口側を上側、その軸方向反対側を下側として説明を進める。
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、軸部2aと、軸部2aの下端に一体又は別体に設けられたフランジ部2bとを備えている。フランジ部2bは軸受スリーブ8の下側端面8bと軸方向で対向し、このフランジ部2bと軸受スリーブ8とが軸方向で係合することで、軸部材2の抜け止めが行われる。軸部材2は、その全体を金属材料で形成する他、例えばフランジ部2bの全体あるいはその一部(例えば両端面)を樹脂で構成し、金属と樹脂のハイブリッド構造とすることもできる。
軸受スリーブ8は、多孔質体、例えば銅(あるいは銅及び鉄)を主成分とする焼結金属で円筒状に形成される。この他、多孔質体ではない他の金属材料、例えば黄銅等の軟質金属で軸受スリーブ8を形成することも可能である。
軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域(図2の黒塗り部分)が軸方向に離隔して設けられ、これらの2つの領域には、例えば図3に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。上側の動圧溝8a1は、丘部(図3にクロスハッチングで示す)の軸方向中央部の帯状部分に対して軸方向非対称に形成されており、帯状部分より上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。なお、動圧溝は、軸部2aの外周面2a1に形成することもできる。
軸受スリーブ8の下側端面8bには第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受面となる領域(図2の黒塗り部分)が設けられ、該領域には、図示は省略するが、例えばスパイラル状に配列された複数の動圧溝が形成されている。このように、軸受スリーブ8の一方に動圧溝を形成することで、軸受スリーブ8の上下を確認することができるため、組立時において軸受スリーブ8の上下を誤ってハウジング7に挿入する事態を回避することができる。
軸受スリーブ8の外周面8dは、上方へ向けて縮径したテーパ面状に形成される。外周面8dには、両端面8b、8cを連通させる1又は複数本の軸方向溝8d10が形成され、本実施形態で軸方向溝8d10は、円周方向の3箇所に等配されている。尚、図面では、理解し易いように、外周面8dの傾斜角を誇張して示している。
ハウジング7は、円筒状の小径部7aと、小径部7aの上側に配置された円筒状の大径部7bと、小径部7aの下端開口部を封止する底部7cとで構成され、各部7a〜7cは一体に形成されている。小径部7aの内周面7a1および外周面7a4は、それぞれ、大径部7bの内周面7b1および外周面7b2に比べ小径に形成されている。小径部7aの内周面と大径部7bの内周面7b1とは、軸方向と直交する方向の平坦面状に形成された段差面7eで連続している。
小径部7aの内周面7a1には、図4に示すように、上側円筒面7a11、上方へ向けて漸次拡径したテーパ面状のガイド面7a12、上方(ハウジング7の開口側)へ向けて漸次縮径したテーパ面7a13(太線で示す)、及び下側円筒面7a14が設けられる。上側円筒面7a11及び下側円筒面7a14は同一径に形成される。ハウジング7の内周面7a1と軸受スリーブ8の外周面8dとの間には接着剤溜まりが介在し、本実施形態では、ガイド面7a12とテーパ面7a13との軸方向間に形成した環状溝7a10が接着剤溜まりとして機能する。環状溝7a10は、小径部7aの内周面7a1のうち、軸方向中央部よりもやや上方に設けられる。小径部7aの内周面7a1には軸受スリーブ8が固定され、詳しくは、ハウジング7のテーパ面7a13と軸受スリーブ8の外周面8dとの間、及び環状溝7a10に接着剤を介在させた状態で、テーパ面7a13と軸受スリーブ8の外周面8dとが締め代をもって密着している。尚、図4中の点線は、軸受スリーブ8が挿入される前のハウジング7の内周面7a1’を示し、この点線7a1’と実線7a1との径差が締め代となる。また、図面では、理解し易いように、ガイド面7a12及びテーパ面7a13の傾斜角を誇張して示している。
ハウジング7の底部7cの内底面7c1には、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受面となる領域(図2の黒塗り部分)が設けられ、該領域には、図示は省略するが、例えばスパイラル状に配列された複数の動圧溝が形成されている。
上記構成のハウジング7は、樹脂で射出成形される。成形収縮時の収縮量の差による変形を防止するため、ハウジング7の各部7a〜7cは略均一厚に形成されている。
ハウジング7を形成する樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。また、上記の樹脂に、充填材として、例えばガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
シール部材9は、例えば、黄銅等の軟質金属材料やその他の金属材料、あるいは上述したハウジング7の成形に用いられる樹脂材料で、円盤状の第1シール部9aと、第1シール部9aの外径側から下方に張り出した円筒状の第2シール部9bとを備える断面逆L字形に一体形成される。第1シール部9aの内周面9a2は軸部2aの外周面2a1との間に所定容積の第1のシール空間S1を形成する。また、第2シール部9bの外周面9b1は、ハウジング7を構成する大径部7bの内周面7b1との間に所定容積の第2のシール空間S2を形成する。本実施形態において、第1シール部9aの内周面9a2およびハウジング7の大径部7bの内周面7b1は、何れも上方を拡径させたテーパ面状に形成され、そのため第1および第2のシール空間S1,S2は下方に向かって漸次縮小したテーパ形状を呈する。
第1シール部9aの下側端面9a1には、図5に示すように、下側端面9a1を横断する一又は複数の径方向溝10が形成されている。本実施形態で径方向溝10は、図6に示すように円周方向三箇所に等配されている。
上記の構成部材からなる流体軸受装置1は、ハウジング7内に軸部材2を収容した後、ハウジング7の内周に軸受スリーブ8を固定し、さらに軸受スリーブ8にシール部材9を固定することで組み立てることができる。以下、ハウジング7と軸受スリーブ8との固定方法について、図7〜図10を用いて説明する。尚、これらの図では軸部材2を省略している。
まず、図7に示すように、ハウジング7と軸受スリーブ8を形成する。軸受スリーブ8の下端面8bの外径寸法dは、ハウジング7の内周面7a1の上側円筒面7a11及び下側円筒面7a14の内径dと同径か、あるいはこれより僅かに小径に形成される(d≦d)。このハウジング7の内周面7a1に、例えば熱硬化性の接着剤Gを塗布する。図示例では、内周面7a1に設けられた環状溝7a10に接着剤Gが塗布される。この状態で、ハウジング7の開口側から軸受スリーブ8を挿入する。
軸受スリーブ8は、図8に示すように、ハウジング7のガイド面7a12で案内されながら、環状溝7a10まで挿入される。さらに挿入を進めると、軸受スリーブ8の下側端面8bで環状溝7a10に塗布された接着剤Gの一部を捕捉しながら、軸受スリーブ8がテーパ面7a13に圧入される(図9参照)。このとき、軸受スリーブ8の外周面8dとテーパ面7a13との間に接着剤Gが入り込みながら、軸受スリーブ8の圧入を進めることにより、接着剤Gが潤滑剤として機能し、圧入をスムーズに行うことができる。また、軸受スリーブ8の圧入に伴って、軸受スリーブ8の外周面8dとハウジング7のテーパ面7a13と間に接着剤Gを介在させることができるため、両者の固定力を高めることができる。ガイド面7a12及びテーパ面7a13のうち、軸受スリーブ8の下側端面8bが通過した領域は、軸受スリーブ8の外周面形状に倣って弾性復元し、外周面8dに締め代をもって密着する。
さらに挿入を進め、軸受スリーブ8が所定位置まで達したら、挿入を停止する(図10参照)。このとき、軸受スリーブ8の下側端面8bに接着剤Gが回り込まないように、接着剤Gの塗布量や、ハウジング7と軸受スリーブ8との圧入代等を適宜設定すればよい。その後、加熱処理(ベーキング)することによって、ハウジング7の環状溝7a10及びテーパ面7a13と軸受スリーブ8の外周面8dとの間に介在した接着剤Gを硬化させ、両者を固定する。
上記のようにしてハウジング7の内周に軸受スリーブ8した後、シール部材9を接着、圧入、圧入接着等適宜の手段によって軸受スリーブ8の外周上端に固定する。シール部材9の組立が完了すると、シール部材9を構成する第1シール部9aの下側端面9a1は軸受スリーブ8の上側端面8cと当接し、第2シール部9bの下側端面は所定の軸方向隙間11を介してハウジング7の段差面7eと対向する。同時に、第1シール部9aの内周面9a2と軸部2aの外周面2a1との間に第1のシール空間S1が形成され、第2シール部9bの外周面9b1とハウジング7の大径部内周面7b1との間に第2のシール空間S2が形成される。その後、シール部材9で密封されたハウジング7の内部空間に、軸受スリーブ8の内部気孔を含め、潤滑油を充満させることにより、図2に示す流体軸受装置1が完成する。
軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる上下2箇所の領域は、それぞれ、軸部2aの外周面2a1とラジアル軸受隙間を介して対向する。また、軸受スリーブ8の下側端面8bのスラスト軸受面となる領域は、フランジ部2bの上側端面2b1とスラスト軸受隙間を介して対向し、ハウジング7の内底面7c1のスラスト軸受面となる領域は、フランジ部2bの下側端面2b2とスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2の軸部2aが上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、上記スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2が上記スラスト軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2を両スラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とが構成される。
また、軸部材2の回転時には、上述のように、第1および第2のシール空間S1、S2が、ハウジング7の内部側に向かって漸次縮小したテーパ形状を呈しているため、両シール空間S1、S2内の潤滑油は毛細管力による引き込み作用により、シール空間が狭くなる方向、すなわちハウジング7の内部側に向けて引き込まれる。これにより、ハウジング7の内部からの潤滑油の漏れ出しが効果的に防止される。また、シール空間S1、S2は、ハウジング7の内部空間に充填された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収するバッファ機能を有し、想定される温度変化の範囲内では、潤滑油の油面は常にシール空間S1、S2内にある。
なお、第1シール部9aの内周面9a2を円筒面とする一方、これに対向する軸部2aの外周面をテーパ面状としてもよく、この場合、第1のシール空間S1には、さらに遠心力シールとしての機能も付与することができるのでシール効果が一層高まる。
また、上述したように、上側の動圧溝8a1は軸方向非対称に形成されており、丘部の帯状部分より上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている(図3参照)。そのため、軸部材2の回転時、動圧溝8a1による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。そして、この引き込み力の差圧によって、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部2aの外周面2a1との間の隙間に満たされた潤滑油は下方に流動し、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間→軸受スリーブ8の軸方向溝8d10によって形成される流体通路→第1シール部9aの径方向溝10によって形成される流体通路という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。
このように、潤滑油がハウジング7の内部空間を流動循環するように構成することで、潤滑油の圧力バランスが保たれると同時に、局部的な負圧の発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑油の漏れや振動の発生等の問題を解消することができる。上記の循環経路には、第1のシール空間S1が連通し、さらに軸方向隙間11を介して第2のシール空間S2が連通しているので、何らかの理由で潤滑油中に気泡が混入した場合でも、気泡が潤滑油に伴って循環する際にシール空間S1、S2内の潤滑油の油面(気液界面)から外気に排出される。従って、気泡による悪影響はより一層効果的に防止される。
なお、図示は省略するが、軸方向の流体通路はハウジング7の内周面に軸方向溝を設けることによって形成することもでき、径方向の流体通路は軸受スリーブ8の上側端面8cに径方向溝を設けることによって形成することもできる。
以上のような流体軸受装置1の軸部材2に上向きの荷重が加わると、軸部材2のフランジ部2bの上側端面2b1と軸受スリーブ8の下側端面8bとが係合し、軸受スリーブ8にハウジング開口側向きの荷重(抜去力)が加わる。このとき、上記のように、ハウジング7の内周面7a1にテーパ面7a13を設けると共に、軸受スリーブ8の外周面8dをテーパ面状に形成しているため、これらの面がテーパ嵌合することにより、軸受スリーブ8にハウジング7のテーパ面7a13から下向き(ハウジング閉塞側)の抗力が付与される。これにより軸受スリーブ8のハウジング開口側への移動が規制され、軸受スリーブ8の抜け耐力が高められる。また、本実施形態では、ハウジング7の環状溝7a10及びテーパ面7a13と軸受スリーブ8の外周面8dとの間に接着剤が介在することで両者の固定力がさらに高められる。特に、図2に示すように軸受スリーブ8の外径側に第2シール空間S2を形成すると、軸受スリーブ8とハウジング7との固定面積が減少するため、本発明を適用してハウジング7と軸受スリーブ8との固定強度を高めることが望ましい。
尚、ハウジング7のテーパ面7a13の上端部と下端部における径差は、小さすぎると上記の効果を得ることができず、大きすぎるとハウジング7の内周面7a1が塑性変形する恐れがある。従って、上記径差は2〜50μmの範囲内、好ましくは5〜30μmの範囲内に設定することが好ましい。
また、本実施形態の流体軸受装置1では、シール部材9の内周側だけでなく、外周側にもシール空間が形成されている。シール空間は、ハウジング7の内部空間に充満された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収しうる容積を有するものであり、従って本実施形態の構成であれば、第2のシール空間S2をシール部材9の外周側にも設けている分、第1のシール空間S1の軸方向寸法を図9に示す構成よりも小さくすることが可能である。そのため、例えば、軸受装置(ハウジング7)の軸方向寸法を長大化させることなく軸受スリーブ8の軸方向長さ、換言すると両ラジアル軸受部R1、R2間の軸受スパンを図9に示す構成よりも大きくすることができ、モーメント剛性を高めることができる。この点からも、ディスクの多積層化に対応することが可能となる。
本発明は上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明する。尚、以下の説明において、上記実施形態と同様の構成、機能を有する部位には、同一の符号を付して説明を省略する。
上記の実施形態では、予めハウジング7の内周面7a1にテーパ面7a13を形成し、このテーパ面7a13に軸受スリーブ8の縮径部(外周面8d)を圧入しているが、これに限られない。例えば、図11の点線で示すように、ハウジング7の内周面7a1に円筒面7a13’を設け、この円筒面7a13’に軸受スリーブ8のテーパ状外周面8dを圧入することで、ハウジング7の内周面を軸受スリーブ8の外周面形状に倣わせ、これによりハウジング7にテーパ面7a13を形成することもできる。
また、図11に示すように、ハウジング7の内周面7a1に、接着剤溜まりとなる複数の環状溝を軸方向の複数箇所に形成してもよい。このとき、下側の環状溝7a15は、軸受スリーブ8の下側端面8bの近傍に設けることが好ましい。図示例では、環状溝7a15の下端部が、軸受スリーブ8の外周面8dの下端部と同位置に配されている。これにより、ハウジング7の内周面7a1に軸受スリーブ8を圧入する際、軸受スリーブ8の下側端面8bで捕捉された接着剤Gを、下側の環状溝7a15で保持することができ、スラスト軸受面となる軸受スリーブ8の下側端面8bに接着剤Gが回り込む事態を確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、接着剤溜まりがハウジング7の内周面7a1に設けた環状溝で構成されているが、これに限られない。例えば、環状溝を軸受スリーブ8の外周面8dに設けても良い。あるいは、ハウジング7の内周面及び軸受スリーブ8の外周面8dの双方に環状溝を設けても良い。また、接着剤溜まりは環状溝に限らず、例えば、円周方向一部を切欠いた環状溝や、円周方向で離隔した複数の凹部で構成することもできる。
また、上記の実施形態では、ハウジング7及び軸受スリーブ8の双方にテーパ面が設けられているが、これに限らず、何れか一方にテーパ面を設けても良い。例えば、図12に示す実施形態では、軸受スリーブ8の外周面8dを円筒面状に設けている。この場合、ハウジング7のテーパ面7a13と軸受スリーブ8の円筒面状外周面8dとの間に、下方へ向けて径方向寸法を漸次拡大した空間P1が形成される。この空間P1が接着剤溜まりとして機能することで、ハウジング7と軸受スリーブ8との固定強度を高めることができる。また、軸受スリーブ8をハウジング7の内周に挿入する際、予めハウジング7のテーパ面7a13に接着剤を塗布しておけば、前記空間P1で接着剤Gを捕捉することができるため、軸受スリーブ8の下側端面8bへの接着剤Gの回りこみを防止できる。また、ハウジング7のテーパ面7a13の一部を、軸受スリーブ8の外周面8dと締め代をもって密着すれば、この密着部でハウジング7を軸受スリーブ8側に極僅か凹ませることができる。これにより、軸受スリーブ8に抜去力が加わった際には、密着部においてテーパ面7a13が軸受スリーブ8に下向きの抗力を付与し、軸受スリーブ8の抜け耐力を高めることができる。尚、このような空間P1は、ハウジング7の内周面7a1を円筒面状に形成すると共に、軸受スリーブ8の外周面8dを上方へ向けて漸次拡径したテーパ面状に形成することによって、構成することもできる(図示省略)。
また、図13に示す実施形態では、ハウジング7の内周面7a1を円筒面状に形成すると共に、軸受スリーブ8の外周面8dを上方(ハウジング7の開口側)へ向けて縮径したテーパ状に形成している。この場合、ハウジング7の円筒面状内周面7a1と軸受スリーブ8のテーパ状外周面8d(太線で示す)との間に下方へ向けて径方向寸法を漸次縮小した空間P2が形成される。この空間P2が接着剤溜まりとして機能することで、ハウジング7と軸受スリーブ8との固定強度を高めることができる。また、軸受スリーブ8をハウジング7の内周に挿入する際、予め軸受スリーブ8の外周面8dに接着剤を塗布しておけば、前記空間P2で接着剤Gを保持することができるため、軸受スリーブ8の下側端面8bへの接着剤Gの回りこみを防止できる。このとき、ハウジング7の内周面7a1と軸受スリーブ8の外周面8dとを、少なくとも一部で締め代をもって密着すれば、上記と同様に、軸受スリーブ8の抜け耐力を高めることができる。尚、このような空間P2は、軸受スリーブ8の外周面8dを円筒面状に形成すると共に、ハウジング7の内周面7a1を上方へ向けて漸次拡径したテーパ面状に形成することによって、構成することもできる(図示省略)。
上記のような断面楔形の空間P1あるいはP2は、ハウジングの内周面7a1及び軸受スリーブ8の外周面8dの双方に縮径部を形成し、これらの傾斜角を異ならせることにより形成することもできる。
また、上記の実施形態では、シール部材9の内径側及び外径側にそれぞれシール空間が形成されているが、これに限らず、例えば内径側にのみシール空間を形成するシール部材をハウジングに固定してもよい。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2及びスラスト軸受部T1、T2の動圧発生部がそれぞれ軸受スリーブ8の内周面8a、下側端面8b、及びハウジング7の内底面7c1に形成されているが、これらの面と軸受隙間を介して対向する面、すなわち軸部2aの外周面2a1、フランジ部2bの上側端面2b1及び下側端面2b2に形成してもよい。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2のラジアル動圧発生部として、ヘリングボーン形状の動圧溝が例示されているが、これに限らず、例えば、いわゆるステップ軸受や波型軸受、あるいは多円弧軸受を採用することもできる。また、軸受スリーブ8の内周面8a及び軸部材2の外周面2a1の双方を円筒面とし、ラジアル軸受部R1、R2として、動圧発生部を有しない、いわゆる真円軸受を採用することもできる。
また、以上の実施形態では、スラスト軸受部T1、T2のスラスト動圧発生部として、スパイラル形状の動圧溝が例示されているが、これに限らず、例えばステップ軸受や波型軸受を採用することもできる。あるいは、スラスト軸受部T1、T2として、軸部材の端部を接触支持するピボット軸受を採用することもできる。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2が軸方向に離隔して設けられているが、これらを軸方向で連続的に設けても良い。あるいは、これらの何れか一方のみを設けてもよい。
また、以上の実施形態では、流体軸受装置の内部空間に充満される潤滑剤として潤滑油が使用されているが、これに限らず、例えば空気等の気体や、潤滑グリース、磁性流体等を使用することもできる。
また、本発明の動圧軸受装置は、上記のようにHDD等のディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータに限らず、光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ等、高速回転下で使用される情報機器用の小型モータ、レーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転軸支持用、あるいは電気機器の冷却用のファンモータとしても好適に使用することができる。
スピンドルモータの断面図である。 動圧軸受装置の断面図である。 軸受スリーブの断面図である。 ハウジングと軸受スリーブとの固定部を示す拡大断面図である。 図6のシール部材のA−A断面図である。 図5のA方向から見たシール部材の平面図である。 ハウジングと軸受スリーブとの固定方法を示す断面図である。 ハウジングと軸受スリーブとの固定方法を示す断面図である。 ハウジングと軸受スリーブとの固定方法を示す断面図である。 ハウジングと軸受スリーブとの固定方法を示す断面図である。 他の実施形態に係るハウジングと軸受スリーブとの固定部を示す拡大断面図である。 他の実施形態に係るハウジングと軸受スリーブとの固定部を示す拡大断面図である。 他の実施形態に係るハウジングと軸受スリーブとの固定部を示す拡大断面図である。 内周面にテーパ面が形成されたハウジングの例を示す断面図である。 ハウジングと軸受スリーブとの固定面が共に円筒面状である場合における両者の固定方法を示す断面図である。
符号の説明
1 流体軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
7a 小径部
7a1 内周面
7a10 環状溝
7a12 ガイド面
7a13 テーパ面
7a15 環状溝
8 軸受スリーブ
8d 外周面(テーパ面)
9 シール部材
G 接着剤
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
S1、S2 シール空間

Claims (6)

  1. 軸部及びフランジ部を有する軸部材と、内周に軸部材の軸部を挿入した軸受スリーブと、内周面に軸受スリーブが固定され、一端を開口すると共に他端を閉塞したハウジングと、軸部材の軸部の外周面と軸受スリーブの内周面との間のラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを備え、軸部材のフランジ部と軸受スリーブのハウジング閉塞側の端面とが軸方向で対向し、フランジ部と軸受スリーブとが軸方向に係合することで軸部材の抜け止めを行う流体軸受装置において、
    ハウジングの内周面の少なくとも一部に、ハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面を設けると共に、軸受スリーブの外周面に円筒面を設け、
    前記テーパ面のハウジング開口側の端部を前記円筒面に締め代をもって密着させることにより、前記テーパ面のハウジング開口側の端部で前記円筒面を凹ませたことを特徴とする流体軸受装置。
  2. 軸部及びフランジ部を有する軸部材と、内周に軸部材の軸部を挿入した軸受スリーブと、内周面に軸受スリーブが固定され、一端を開口すると共に他端を閉塞したハウジングと、軸部材の軸部の外周面と軸受スリーブの内周面との間のラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを備え、軸部材のフランジ部と軸受スリーブのハウジング閉塞側の端面とが軸方向で対向し、フランジ部と軸受スリーブとが軸方向に係合することで軸部材の抜け止めを行う流体軸受装置において、
    軸受スリーブの外周面の少なくとも一部に、ハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面を設けると共に、ハウジングの内周面に円筒面を設け、
    前記テーパ面のハウジング閉塞側の端部を前記円筒面に締め代をもって密着させることにより、前記テーパ面のハウジング閉塞側の端部で前記円筒面を凹ませたことを特徴とする流体軸受装置。
  3. 軸部及びフランジ部を有する軸部材と、内周に軸部材の軸部を挿入した軸受スリーブと、内周面に軸受スリーブが固定され、一端を開口すると共に他端を閉塞したハウジングと、軸部材の軸部の外周面と軸受スリーブの内周面との間のラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを備え、軸部材のフランジ部と軸受スリーブのハウジング閉塞側の端面とが軸方向で対向し、フランジ部と軸受スリーブとが軸方向に係合することで軸部材の抜け止めを行う流体軸受装置において、
    ハウジングの内周面の少なくとも一部に、ハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面を設けると共に、軸受スリーブの外周面の少なくとも一部に、ハウジング開口側へ向けて縮径させたテーパ面を設け
    組付前のハウジングのテーパ面のテーパ角度を、組付前の軸受スリーブのテーパ面のテーパ角度よりも大きくし、ハウジングのテーパ面と軸受スリーブの外周面のテーパ面との間に接着剤を入り込ませた状態で両テーパ面を締め代をもって密着させ、この締め代をハウジング閉塞側へ向けて徐々に小さくし、締め代の最も大きい部分のハウジング開口側に隣接した位置に接着剤溜りを設けたことを特徴とする流体軸受装置。
  4. ハウジングの内周面と軸受スリーブの外周面との間に接着剤溜まりを介在させた請求項1又は2に記載の流体軸受装置。
  5. ハウジングの内周面に接着剤溜まりとなる複数の溝を軸方向の複数箇所に形成し、そのうちハウジング閉塞側の溝を、軸受スリーブのハウジング閉塞側端面の近傍に設けた請求項3又は4記載の流体軸受装置。
  6. 軸受スリーブの端面に動圧発生部を形成した請求項1〜3何れか記載の流体軸受装置。
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