JP2008256088A - 流体軸受装置およびこれを有するモータ - Google Patents

流体軸受装置およびこれを有するモータ Download PDF

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Abstract

【課題】軸受部材と保持部材の固定強度を低コストに高める。
【解決手段】流体軸受装置1は、軸受部材9と、軸受部材9に対して相対回転する回転部材10と、軸受部材9を内周に固定した保持部材6とを備える。軸受部材9は、内周にラジアル軸受部R1、R2を収容した軸受スリーブ8と、軸受スリーブ8を内周に固定したハウジング7とで構成され、相互に固定されるハウジング7の外周面7a3および保持部材6の内周面6aは、軸方向の下方側に向かって漸次縮径している。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体軸受装置およびこれを有するモータに関するものである。
流体軸受装置は、軸受部材と回転部材の相対回転によって両部材間の軸受隙間に形成される油膜で回転部材を回転自在に支持するものである。この流体軸受装置は、高速回転、高回転精度、低騒音等の特徴を有するものであり、近年ではその特徴を活かして、情報機器をはじめ種々の電気機器に搭載されるモータ用の軸受装置として、より具体的には、HDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、ファンモータなどのモータ用軸受装置として好適に使用されている。
例えば、ディスク装置用のスピンドルモータに組込まれる流体軸受装置では、通常、軸受部材の内周面と回転部材の外周面との間のラジアル軸受隙間に、回転部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部が設けられる。ラジアル軸受部は、ラジアル軸受隙間内を充満する潤滑油に動圧を発生させる動圧発生部を有する動圧軸受で構成される場合と、この種の動圧発生部を有さない真円軸受で構成される場合とがある。
ところで、上記のスピンドルモータは、ロータマグネットとステータコイルとを備えるものであり、流体軸受装置の回転部材はロータマグネットとステータコイルとの間に生じる電磁力で回転駆動される。例えば、ロータマグネットは回転部材の内周に固定される一方、ステータコイルは軸受部材の外周に固定した保持部材の外周に固定される(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開2003−65324号公報 特開2005−282770号公報
近年のディスク装置の大容量化等に伴い、回転部材に搭載されるディスク枚数が増加して流体軸受装置が重量化する傾向にある。そして、かかる重量化によっても安定した軸受性能を維持可能とするため、軸受部材と保持部材の間の固定強度を一層高めることが求められている。しかしながら、上記特許文献のように、軸受部材の外周面および保持部材の内周面の双方がストレートな円筒形状とされている場合には、両部材間に必要十分な固定強度を確保するのが難しい。
両者間の固定強度を高めることを目的として、例えば両者を圧入固定する場合には、相互に固定される軸受部材の外周面および保持部材の内周面のうち、少なくとも何れか一方に粗面処理を施す場合がある。また、両者を接着固定する場合には、少なくとも何れか一方にUV処理等の表面改質処理を施す場合がある(例えば、上記特許文献2を参照)。しかしながら、これらの表面処理は、部材製作後の別工程で施す必要があるため、工程数の増加による流体軸受装置のコスト増が避けられないものとなる。近年、ディスク装置の低価格化の傾向は著しく、従って、流体軸受装置に対するコスト低減の要請も依然として厳しいため、かかる手段を採用するのは賢明ではない。
そこで、本発明は、軸受部材と保持部材の固定強度を低コストに高めた流体軸受装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、軸受部材と、軸受部材に対して相対回転する回転部材と、軸受部材を内周に固定した保持部材と、軸受部材と回転部材の間のラジアル軸受隙間に形成される油膜で回転部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを備える流体軸受装置において、相互に固定される軸受部材の外周面および保持部材の内周面が、軸方向の一方側に向かって漸次縮径していることを特徴とする流体軸受装置を提供する。なお、相互に固定される両面は、その全体を軸方向の一方側に向かって漸次縮径するように形成する他、その一部を軸方向の一方側に向かって漸次縮径するように形成することもできる。また、縮径の仕方は、直線的であっても曲線的であってもよい。
上記のように、相互に固定される軸受部材の外周面および保持部材の内周面を、軸方向の一方側に向かって漸次縮径した構成とすることにより、軸方向の一方側に対しては、いわゆる楔作用によって両者の抜け止めを図ることができる。また、軸方向の他方側に対しては両者の対向面積が増大するので、両者を圧入固定する場合には嵌め合い面積の増大によって、また両者を接着固定する場合には接着面積の増大によって両者の固定強度を高めることができる。また、相互に固定される軸受部材の内周面および保持部材の内周面をストレートな円筒形状とした場合、摩擦力あるいは接着力は固定面に沿った接線方向(軸線方向)のみにしか作用しないのに対し、上記本発明の構成を採用すれば、摩擦力あるいは接着力は、接線方向および接線方向に直交する方向の二方向に作用するため、この点からも両者の固定強度を高めることができる。
軸受部材と保持部材とを接着固定する場合、相互に固定される軸受部材の外周面および保持部材の内周面の間に所定の接着隙間を設け、この接着隙間に接着剤を介在させることによって両者を接着固定する、いわゆる隙間接着を採用するのが望ましい。隙間接着で両者を固定すれば、接着隙間で保持部材に対する軸受部材の高さ方向(軸方向)および径方向相対位置を微調整することができる。これはすなわち、ステータコイルとロータマグネットの相対位置を微調整できることを意味し、従って所望の回転性能が容易に確保可能となる。
軸受部材と保持部材とを隙間接着で固定する場合、接着隙間の幅は、その全長に亘って一定とする他、軸方向で異ならせることもできる。接着隙間の幅を軸方向で異ならせれば、保持部材の内周に軸受部材を配置する際の相対スライド等によって、接着隙間の各所における接着剤量に偏りが生じた場合でも、接着剤は、毛細管力による引き込み作用によって接着隙間の幅が相対的に狭い部分に引き込まれる。従って、接着隙間の全体を過不足なく接着剤で充満することができ、軸受部材と保持部材とを確実かつ強固に接着固定することができる。
以上の構成からなる流体軸受装置は、ステータコイルと、ロータマグネットとを有するモータに組み込んで好適に使用することができる。
以上より、本発明によれば、高コスト化を招く一因となる表面処理等を別途施すことなく軸受部材と保持部材の固定強度を低コストに高めることができる。従って、高い回転性能を長期に亘って維持可能な流体軸受装置が低コストに得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、流体軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部2を有する回転部材10を回転自在に支持する流体軸受装置1と、半径方向のギャップを介して対向したステータコイル4およびロータマグネット5と、保持部材(ブラケット)6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取り付けられ、ロータマグネット5は回転部材10を構成するハブ部3の内周に取り付けられる。流体軸受装置1の軸受部材9は、ブラケット6の内周に固定される。ハブ部3には、図示は省略するが、磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体(以下単に、「ディスク」と称す)が一又は複数枚保持される。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それに伴って、回転部材10および回転部材10に保持されたディスクが一体に回転する。
なお、流体軸受装置1は、他の情報機器用スピンドルモータ、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置のスピンドルモータに使用することもでき、この場合にはディスクを支持するターンテーブル(図示省略)が、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータに使用する場合にはポリゴンミラー(図示省略)が、ファンモータに使用する場合にはファン(図示省略)が、ハブ部3に替わってそれぞれ軸部2に設けられる。
また、図1では、ステータコイル4をブラケット6の外周に、ロータマグネット5をハブ部3の内周に取り付けた構成としているが、例えばブラケット6や回転部材10(ハブ部3)の形状を変更することにより、ステータコイル4をブラケット6の内周に、ロータマグネット5を回転部材10の外周に取り付けることもできる。
図2は、図1に示す流体軸受装置1を拡大して示すもので、本発明に係る流体軸受装置の第1実施形態を示すものである。この流体軸受装置1は、軸受部材9と、軸受部材9に対して相対回転する回転部材10とを主要な構成部材として備える。本実施形態において、軸受部材9は、ハウジング7と、ハウジング7の内部に固定された軸受スリーブ8とで構成され、回転部材10は、軸受スリーブ8の内周に挿入される軸部2と、軸部2の一端に設けられたハブ部3とで構成される。なお、以下説明の便宜上、ハウジング7の開口した側を上側、その軸方向反対側を下側として説明を進める。
軸部2は、例えばステンレス鋼等の金属材料で略同一径の軸状に形成される。軸部2の上端部内周にはねじ穴が設けられ、該ねじ穴に、ハブ部3との間でディスクを挟持するクランパ(図示省略)がねじ止め固定される。
ハブ部3は、図1にも示すように、円盤状の円盤部3aと、円筒状の第1突出部3bと、第1突出部3bよりも外径側に形成された円筒状の第2突出部3cとを一体に備える。第2突出部3cはステータコイル4と径方向に対向し、その内周には、ロータマグネット5を取り付けるための取り付け部3dが設けられ、この取り付け部3dにロータマグネット5が接着等の手段で取り付けられる。
上記構成のハブ部3は、例えば、軸部2をインサートして樹脂で射出成形される。ハブ部3を形成する樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の結晶性樹脂、あるいはポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)等の非晶性樹脂を使用することができる。もちろんこれらは一例にすぎず、使用環境等を考慮してその他の樹脂を使用することもできる。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの樹脂および充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
なお、回転部材10は、上記のように軸部2と、軸部2をインサートして樹脂で射出成形されたハブ部3とで形成する他、軸部2とハブ部3とをそれぞれ個別に製作した後、両者を接着、圧入等の適宜の手段で組み付けることによって形成することもできる。
軸受部材9を構成する軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする燒結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング7の内周に、圧入、接着等適宜の手段で固定される。なお、焼結金属に限らず、例えば黄銅等の軟質金属や、焼結金属ではない他の多孔質体で軸受スリーブ8を形成することも可能である。
軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、動圧発生部として、例えば図3に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成されている。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。一方、下側の動圧溝8a2は軸方向対称に形成され、その上下領域の軸方向寸法はそれぞれ上記軸方向寸法X2と等しくなっている。なお、動圧溝は、軸部2の外周面2aに形成することもでき、またその形状は、スパイラル形状等公知のその他の形状とすることもできる。軸受スリーブ8の外周面8dには、1又は複数本の軸方向溝8d1が軸方向全長に亘って形成されており、本実施形態では、3本の軸方向溝8d1が円周方向等間隔に形成されている。
ハウジング7は、黄銅等の軟質金属材料、あるいは樹脂材料で、略円筒状の側部7aと、側部7aの下端開口部を閉塞する底部7bとを一体に備える有底筒状に形成される。側部7aの内周面7a4は、ストレートな円筒面に形成されている。
側部7aの上側端面7a1には、スラスト軸受部Tのスラスト軸受面となる領域が設けられ、該領域には、動圧発生部として、例えば図4に示すようなスパイラル形状に配列された複数の動圧溝7a11が形成されている。動圧溝は、スラスト軸受隙間を介して対向するハブ部3の円盤部3aの下側端面3a1に形成することもでき、またその形状は、ヘリングボーン形状等、公知のその他の形状とすることもできる。
側部7aの外周面のうち、上部側には、上方に向かって漸次拡径するテーパ面7a2が形成され、このテーパ面7a2は、ハブ部3の第1突出部3bの内周面3b1との間に、上方に向かって半径方向寸法が漸次縮小する環状のシール空間Sを形成する。シール空間Sは、回転部材10の回転時、スラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間の外径側と連通する。
ハウジング7の外周には、例えばステンレス鋼で略円筒状に形成されたブラケット6が配設され、ハウジング7は、その下方側の外周面7a3とブラケット6の内周面との間に形成された環状の接着隙間Pに充満された接着剤を介して、ブラケット6の内周に接着固定(隙間接着)されている。相互に接着固定される側部7aの外周面7a3およびブラケット6の内周面6aは、何れも下方に向かって漸次縮径したテーパ面状に形成されている。図5に拡大して示すように、本実施形態で側部7aの外周面7a3およびブラケット6の内周面6aは、それぞれ傾斜角を異ならせて形成され、側部7aの外周面7a3の傾斜角θ1は、ブラケット6の内周面6aの傾斜角θ2よりも大きく設定されている(θ1>θ2)。従って、両面間に形成される接着隙間Pは、その幅が下方にむかって漸次縮小したテーパ形状を呈する。なお、図示例は、理解の容易化のために傾斜角θ1、θ2の角度差を誇張して描いている。また、接着隙間Pに充満する接着剤としては、熱硬化性接着剤、嫌気性接着剤、あるいは両者の硬化特性を併せ持つ接着剤などを使用することができる。
以上の構成部材からなる流体軸受装置1の内部空間には、軸受スリーブ8の内部気孔も含め潤滑油が充満される。なお、上記のシール空間Sは、ハウジング7の内部空間に充満された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収するバッファ機能を有し、想定される温度変化の範囲内で潤滑油の油面は常にシール空間S内にある。また、図示する完成品の状態で、軸受スリーブ8の下側端面8cとハウジング7の内底面7c1との間には僅かな隙間が存在する。
上記構成の流体軸受装置1において、回転部材10が回転すると、軸受スリーブ8の内周面8aの上下2箇所に離隔して形成されたラジアル軸受面となる領域が、それぞれ軸部2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、回転部材10の回転に伴って、両ラジアル軸受隙間に形成される油膜は、軸受スリーブ8の両ラジアル軸受面に形成された動圧溝8a1,8a2の動圧作用によってその油膜剛性が高められ、回転部材10がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、回転部材10をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが形成される。
また、回転部材10が回転すると、ハウジング7の上側端面7a1に形成されたスラスト軸受面となる領域が、ハブ部3の下側端面3a1と所定のスラスト軸受隙間を介して対向する。そして回転部材10の回転に伴って、スラスト軸受隙間に形成される油膜は、スラスト軸受面に形成された動圧溝7a11の動圧作用によってその油膜剛性が高められ、回転部材10がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、回転部材10をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部Tが形成される。
また上述のように、第1ラジアル軸受部R1の動圧溝8a1は、軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心より上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。そのため、回転部材10の回転時、動圧溝8a1による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。そして、この引き込み力の差圧によって、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部2の外周面2aとの間の隙間に満たされた潤滑油が下方に流動し、軸受スリーブ8の下側端面8cとハウジング7の内底面7c1との間の隙間→軸受スリーブ8の軸方向溝8d1によって形成される流体通路→ハブ部3の下側端面3a1と軸受スリーブ8の上側端面8bとの間の隙間という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。
このように、潤滑油が軸受内部を流動循環するように構成することで、潤滑油の圧力バランスが保たれると同時に、軸受内部における局部的な負圧の発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑油の漏れや振動の発生等が防止される。また、軸受スリーブ8の軸方向溝8d1によって形成される流体通路の上端が、外気に開放されたシール空間Sにスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間を介して通じている。そのため、何らかの理由で潤滑油中に気泡が混入した場合でも、気泡は潤滑油が流動循環する際に外気に排出されるので、気泡による悪影響はより一層効果的に防止される。
また、潤滑油の外部への漏れは、シール空間Sの毛細管力と、スラスト軸受部Tの動圧溝7a11による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)によって、一層効果的に防止される。
以上のように、本発明では、相互に接着固定される軸受部材9の外周面(ハウジング7の外周面7a3)およびブラケット6の内周面6aを、下方に向かって漸次縮径したテーパ面状に形成した。かかる構成とすることにより、下方側に対しては、いわゆる楔作用によって両者の抜け止めを図ることができる一方で、上方側に対しては、接着面積の増大によって両者の接着強度を高めることができる。また、従来構成のように相互に固定される軸受部材の外周面およびブラケットの内周面をストレートな円筒面状とした場合には、接着力は固定面に沿った軸線方向のみにしか作用しないのに対し、本発明のように相互に接着固定される両面をテーパ形状とした場合、接着力はハウジング7の外周面7a3に沿った接線方向と、これに直交する方向の二方向に作用するため、この点からも上方側に対する両者の接着強度を高めることができる。従って、相互に接着固定されるハウジング7の外周面7a3やブラケット6の内周面6a等に表面改質処理等を施すことなく、ハウジング7とブラケット6の間の接着強度を低コストに高めることができる。
また、ハウジング7とブラケット6とは隙間接着されているので、接着隙間Pでブラケット6に対するハウジング7の軸方向相対位置および径方向相対位置を微調整することができる。これはすなわち、図1に示すステータコイル4に対するロータマグネット5の相対位置を微調整することができることを意味し、従って、所望の回転性能が容易に確保可能となる。
また、ハウジング7の外周面7a3およびブラケット6の内周面6aは、それぞれ傾斜角θ1、θ2をそれぞれ異ならせて形成され、接着隙間Pは下方に向かってその幅が漸次縮小したテーパ形状を呈しているので、接着剤が接着隙間Pの一部に偏って充満された場合でも、接着剤は、毛細管力による引き込み作用によって接着隙間Pの幅が相対的に小さい部分にも引き込まれる。従って、接着隙間Pの全体を過不足なく接着剤で充満することができ、ハウジング7とブラケット6とを確実かつ強固に接着固定することができる。
なお、以上では、相互に接着固定されるハウジング7の外周面7a3およびブラケット6の内周面6aを下方に向かって漸次縮径したテーパ面状に形成すると共に、ハウジング7の外周面7a3の傾斜角θ1をブラケット6の内周面6aの傾斜角θ2よりも大きく設定した場合について説明を行ったが、例えば図6(a)に示すように、ブラケット6の内周面6aの傾斜角θ2をハウジング7の外周面7a3の傾斜角θ1よりも大きく設定することもできる。また、以上で説明したように相互に接着固定されるハウジング7の外周面7a3およびブラケット6の内周面6aを一定の比率で縮径させるのではなく、例えば図6(b)に示すように、ハウジング7の外周面7a3の縮径比率を軸方向で異ならせることもできる。図示は省略するが、もちろん、ブラケット6の内周面6aの縮径比率を軸方向で異ならせることもできる。
また、以上の説明では、相互に接着固定されるハウジング7の外周面7a3およびブラケット6の内周面6aを、下方に向かって直線的に漸次縮径させた構成としているが、例えば図6(c)に示すように、両面7a3,6aを下方に向かって曲線的に漸次縮径させることもできる。この場合、同図にも示すように、両面7a3,6aの曲率を異ならせることにより接着隙間Pの幅を軸方向で異ならせることができる。もちろん、両面7a3,6aの曲率を同一とし、接着隙間Pの幅を軸方向で同一とすることもできる。
以上、本発明の構成を適用した流体軸受装置の一実施形態について説明を行ったが、本発明は上記構成の流体軸受装置1に限定適用されるものではない。以下、本発明の構成を適用可能な流体軸受装置の他の構成例について説明を行うが、図2に準ずる構成部材、部分には同一の参照番号を付して、重複説明を省略する。
図7は、本発明に係る流体軸受装置の第2実施形態を示している。同図に示す流体軸受装置21が図2に示す流体軸受装置1と異なる主な点は、回転部材10が、軸部2、ハブ部3、および軸部2の下端にねじ止め固定されたフランジ部12で構成されている点、またハウジング7の下端開口部がハウジング7と別体の蓋部材13で封止され、軸受部材9が、ハウジング7、軸受スリーブ8、および蓋部材13で構成されている点にある。また、ハブ部3の下側端面3a1とハウジング7の上側端面7a1との間に第1スラスト軸受部T1が設けられ、軸受スリーブ8の下側端面8cとフランジ部12の上側端面12aとの間に第2スラスト軸受部T2が設けられる。本実施形態においても、図6(a)〜(c)に示す構成を採用することもできる。
図8は、本発明に係る流体軸受装置の第3実施形態を示している。同図に示す流体軸受装置31は、主に以下示す点で上述した流体軸受装置と構成を異にする。まず、回転部材10が、ハブ部3と、ハブ部3の内周に固定された軸部材22とからなり、このうち軸部材22は、軸受スリーブ8の内周に挿入された軸部22aと、軸部22aの下端に一体または別体に設けられたフランジ部22bとで構成される。また、軸受部材9の上端開口部内周にはリング状のシール部材29が固定され、シール空間Sは、シール部材29の内周面29aと軸部22aのテーパ状外周面22a2との間に設けられる。さらに、軸受スリーブ8の下側端面8cとフランジ部22bの上側端面22b1との間に回転部材10をスラスト一方向に支持する第1スラスト軸受部T1が設けられ、フランジ部22bの下側端面22b2とハウジング7の内底面7b1との間に回転部材10をスラスト他方向に支持する第2スラスト軸受部T2が設けられる。
また、図2および図7に示す流体軸受装置1,21では、相互に接着固定されるハウジング7の外周面およびブラケット6の内周面の全体を下方に向かって漸次縮径させたが、図8に示す流体軸受装置31では、相互に接着固定される両面の一部を下方に向かって漸次縮径させている。もちろん、本実施形態においても、相互に接着固定される両面の全体を下方に向かって縮径させることも可能である。これとは逆に、図2および図7に示す実施形態にあっては、図8に示す実施形態と同様に、相互に接着固定される両面の一部を、下方に向かって縮径させることもできる。また、本実施形態においても、図6(a)〜(c)に示す構成を採用することもできる。
また、以上で説明を行った実施形態では、相互に接着固定されるハウジング7の外周面およびブラケット6の内周面を、下方に向かって縮径させた構成としているが、これとは逆に、相互に接着固定される両面を、上方に向かって縮径させることもできる。
また、以上の説明では、ハウジング7とブラケット6とを相互に接着固定(隙間接着)する構成としているが、ハウジング7とブラケット6とは相互に圧入固定することもできる。この場合でも、軸方向の一方側に対しては楔作用によって抜け止めを図ることができ、軸方向の他方側に対しては嵌め合い面積の増大、および両面間に作用する摩擦力の増大によって、両者の固定強度を高めることが可能である。
また、以上の説明では、軸受部材9を、ハウジング7と、ハウジング7の内部に固定した軸受スリーブ8とで構成しているが、軸受部材9は両者を一体化した構成とすることもできる。かかる構成とすれば、部品点数および組立工数を削減することができ、上述した構成に比べ一層の低コスト化を図ることができる。
また、以上の説明では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T、T1、T2として、ヘリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により軸受隙間内を充満する潤滑油に動圧を発生させる構成を例示しているが、ラジアル軸受部R1、R2として、いわゆるステップ軸受、多円弧軸受、あるいは非真円軸受を、スラスト軸受部T1、T2として、いわゆるステップ軸受や波型軸受を採用しても良い。また、ラジアル軸受部をステップ軸受や多円弧軸受で構成する場合、ラジアル軸受部R1、R2のように、2つのラジアル軸受部を軸方向に離隔して設けた構成とする他、軸受スリーブ8の内周側の上下領域に亘って1つのラジアル軸受部を設けた構成としても良い。さらには、ラジアル軸受部R1,R2として動圧発生部を有しない真円軸受を、またスラスト軸受部として、軸部材(軸部)の一端を接触支持するピボット軸受を採用することもできる。
ディスク装置用のスピンドルモータを概念的に示す断面図である。 本発明に係る流体軸受装置の第1実施形態を示す断面図である。 軸受スリーブの断面図である。 ハウジングの上側端面を示す図である。 図2に示す流体軸受装置の要部拡大断面図である。 (a)〜(c)図は、何れも、図2に示す流体軸受装置の他例を示す要部拡大断面図である。 流体軸受装置の第2実施形態を示す断面図である。 流体軸受装置の第3実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1,21,31 流体軸受装置
2 軸部
3 ハブ部
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
6 保持部材(ブラケット)
6a 内周面
7 ハウジング
7a3 外周面
8 軸受スリーブ
9 軸受部材
10 回転部材
P 接着隙間
R1、R2 ラジアル軸受部
T、T1、T2 スラスト軸受部
S シール空間

Claims (4)

  1. 軸受部材と、軸受部材に対して相対回転する回転部材と、軸受部材を内周に固定した保持部材と、軸受部材と回転部材の間のラジアル軸受隙間に形成される油膜で回転部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを備える流体軸受装置において、
    相互に固定される軸受部材の外周面および保持部材の内周面が、軸方向の一方側に向かって漸次縮径していることを特徴とする流体軸受装置。
  2. 軸受部材と保持部材とが隙間接着されている請求項1に記載の流体軸受装置。
  3. 接着隙間の幅を軸方向で異ならせた請求項2に記載の流体軸受装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の流体軸受装置と、ステータコイルと、ロータマグネットとを有するモータ。
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