JP4473386B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速耐久性を向上しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年の車両の高性能化、高速道路網の発展に伴い、空気入りタイヤにおいても高速耐久性の向上が強く望まれている。従来、ラジアルタイヤの高速耐久性を阻害するものとして、スタンディングウエーブが知られている。スタンディングウエーブは、タイヤが高速走行した際に、接地部で生じたトレッド部の変形が接地を終えても復元することなく回転方向後方に振動の波として残る現象をいう。このようなスタンディングウエーブは、トレッド部の急激な温度上昇を招き、タイヤの熱破壊や、構成部材の接着破壊などを招く。
【0003】
従来、このようなスタンディングウエーブ発生速度を抑制、或いは高速域側に移行させるためには、トロイド状カーカスをタガ締めするベルト層のタイヤ半径方向外側に、有機繊維コードをタイヤ周方向に巻き付けるいわゆるバンドを設けることが知られている。しかしながら、前記のバンドを設ける方法では、トレッド部の重量増加を伴なう他、ベルト層の端部付近に歪が集中しやすく、その耐久性に悪影響が生じる場合がある。
【0004】
発明者らは、種々の実験を行ったところ、タイヤのトレッド部とサイドウォール部の接続部分であるバットレス部に補強層を設け、前記バットレス部の剛性を高めた場合、トレッド部の接地時の変形を接地後に元に戻す復元力が増大し、前記スタンディングウエーブの発生速度が高速側に移行するとの知見を得た。特に、バットレス部を補強するバットレス補強層の配設位置や、コード材料、さらには形状等を限定することにより、より高い高速耐久性が得られるとともに、他の性能を劣化、例えば転がり抵抗や乗り心地を損ねることがないことを知見した。
【0005】
以上のように、本発明は、高速耐久性を向上しうる例えば乗用車用ラジアルタイヤとして好適な空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されしかもタイヤ半径方向最外側に配された外ベルトプライを含む少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、バットレス補強層とを具え、
前記バットレス補強層は、前記外ベルトプライのタイヤ軸方向外端からタイヤ軸方向内外に10mm以内の領域を始点として該始点からサイドウォール部側の終端点までカーカスに接して延在し、
しかも前記始点は、前記ベルト層のタイヤ半径方向内側に位置するとともに、
該バットレス補強層は、タイヤ周方向に対して10〜80゜で傾けた有機繊維コードを有するコードプライからなり、
かつ前記終端点をタイヤの断面最大巾位置よりもタイヤ半径方向外側に位置させるとともに、タイヤ子午線断面において、バットレス補強層のカーカス外面に沿った長さを15mm以上としたことを特徴としている。
【0007】
このようなバットレス補強層を具えた空気入りタイヤでは、カーカスのバットレス部を効果的に補強することができ、スタンディングウエーブを抑制ないしその発生速度を高速側に移行させることができ、高速耐久性が向上される。またバットレス補強層の配設位置、コードプライ材料、コード角度などを限定したことにより、タイヤ重量の大幅な増加を抑制ししかも転がり抵抗が悪化するのを防ぐことができる。
【0008】
また前記バットレス補強層は、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件での損失正接(tanδ)が0.1よりも小のトッピングゴムにより被覆される有機繊維コードからなるコードプライにより構成することができる。この場合、トッピングゴムが、エネルギロスの少ないゴム材料で構成される結果、バットレス部の発熱を抑制し、例えば高速走行に基づく発熱による損傷を防止できる。また、前記サイドウォール部は、サイドウォール部表面かつ前記バットレス補強層が配されたバットレス領域内の少なくとも一部に、サイドウォール部のゴム厚さを減じることにより形成された凹部を設けることもできる。この場合には、ゴム厚さを減じた前記凹部によりバットレス部の放熱が促進され、発熱を減じて耐久性を向上しうる。さらに、前記バットレス補強層のコードプライは、タイヤ周方向に対して45〜80゜で傾けた有機繊維コードを有するのが望ましい。
【0009】
さらに、前記コードプライは、前記タイヤ子午線断面において、振幅の中心線が前記カーカスの外面とほぼ同間隔でのびる屈曲を繰り返す波状部を有して形成することができる。これにより、バットレス補強層のタイヤ半径方向の剛性を相対的に減じることができるため、高速耐久性と転がり抵抗とを特にバランス良く改善しうる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の空気入りタイヤの一実施形態を示す右半分断面図、図2はその内部構造を略示する内部構造図である。図において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されしかもタイヤ半径方向最外側に配された外ベルトプライ7Bを含む少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層7と、バットレス部Bを補強するバットレス補強層9とを具えており、本例では乗用車用のものが例示されている。
【0011】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。前記カーカスコードは、本例ではポリエステルコードが採用されるが、これ以外にもナイロン、レーヨンなどの有機繊維コード、さらにはアラミドコードやスチールコードをも採用しうる。また前記カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りで折り返される折返し部6bとを有する。
【0012】
そしてこれらの本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4を効果的に補強している。また折返し部6bは、本例ではその端部をタイヤ軸を含むタイヤ子午線断面のタイヤ最大巾位置Mよりもタイヤ半径方向外側に位置させたいわゆるハイターンアップ構造としてタイヤの横剛性を高めたものが例示される。ただし、特にこの構造に限定されるわけではない。
【0013】
またベルト層7は、コードをタイヤ赤道に対して例えば10〜45°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向の内側の内ベルトプライ7Aと、その外側にありタイヤ半径方向最外側に配された外ベルトプライ7Bの2枚のベルトプライからなり、前記コードを互いに交差する向きに重ね合わせて構成されている。なお外ベルトプライ7Bのタイヤ軸方向の巾BW2は、本例では内ベルトプライ7Aのタイヤ軸方向の巾BW1に比して小で形成される。前記巾BW2は、例えば、トレッド接地巾TWの80〜100%、より好ましくは90〜100%程度に設定される。また前記ベルトプライ7A、7Bに配列されるコードは、本例ではスチールコードを採用しているが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いることができる。
【0014】
前記トレッド接地巾とは、タイヤを規格で定まる正規リムにリム組みし、かつ正規内圧と正規荷重とを作用させた状態の最大の接地巾をいう。また「正規リム」とは、例えばJATMAであれば標準リム、また「正規内圧」とは、JATMAであれば最高空気圧であるが乗用車用タイヤの場合には180kPa、さらに「正規荷重」とはJATMAであれば最大負荷能力である。
【0015】
前記バットレス補強層9は、図2〜図4から明らかなように、前記カーカス6の外側に該カーカス6と接して延在するように設けられており、外ベルトプライ7Bのタイヤ軸方向外端7eからタイヤ軸方向内外に10mm以内の領域Kに始点9aを具え、かつこの始点9aからサイドウォール部3側の終端点9bまで延在している。発明者らの種々の実験によると、バットレス補強層9の前記始点9aが外ベルトプライ7Bのタイヤ軸方向外端7eから10mmを超えてタイヤ軸方向内側にあっても、高速耐久性の向上効果が頭打ちとなり、むしろタイヤ重量の増加において不利となることが分かった。
【0016】
また前記外ベルトプライ7Bの外端7eでは、ベルト層7に剛性段差が生じ、この外端7eからタイヤ軸方向外側に向かうにつれてタイヤの剛性が低くなる。そして、発明者らの実験によると、バットレス補強層9の前記始点9aが外ベルトプライ7Bのタイヤ軸方向外端7eから10mmを超えてタイヤ軸方向外側にあると、この始点9aと前記外ベルトプライ7Bの外端7eとの間に、局部的に剛性が低い部分が作り出されること、また高速走行時に生じる歪がこの剛性の低い部分に集中して内ベルトプライ7Aの端部などでセパレーション損傷を生じ、バットレス補強層9を設けてもむしろ高速耐久性が悪化することが分かった。このような観点より、前記バットレス補強層9の始点9aは、外ベルトプライ7Bのタイヤ軸方向外端7eからタイヤ軸方向内、外に10mm以内に設ける必要がある。なお始点9aは、外ベルトプライ7Bの外端7eよりも内側にあり、ベルト層7のタイヤ半径方向内側に設定される。
【0017】
また前記バットレス補強層9は、タイヤ周方向に対して10〜80゜の角度θで傾けた例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、アラミドといった有機繊維コードを有するコードプライ10から形成することが必要である。バットレス補強層9は、複数枚の本例では1枚のコードプライ10により形成したものを例示している。例えば、バットレス補強層9を有機繊維コードを具えていない単なるゴムシートにて形成すると、高速耐久性の向上は全く期待できない。またバットレス補強層9に、スチールコードを具えたコードプライ10を用いた場合、高速走行時の遠心力により、ゴムとの接着力の低いスチールコードの切断端面において容易にゴム剥離が生じるため高速耐久性の向上は期待できない。
【0018】
また前記有機繊維コードをタイヤ周方向に対して10゜未満で傾けた場合、バットレス部Bのタイヤ周方向の剛性は増すが、タイヤ半径方向の剛性を向上する効果が小さくなる。特にスタンディングウエーブの改善には、バットレス部のタイヤ周方向の剛性よりもむしろタイヤ半径方向のカーカス剛性の増大が必要となるため、有機繊維コードは前記10゜以上の角度θに設定される。逆に、前記有機繊維コードがタイヤ周方向に対して80゜を超えても、ラジアル構造のカーカスコードとの角度差が小さくなり、同様にバットレス部Bにおけるタイヤ半径方向のカーカス剛性の増大が期待できない。このような観点より、前記角度θは、好ましくは45〜80゜、より好ましくは45〜70゜に設定し、また最外側のカーカスプライ6Aのカーカスコードとの交差角度を20〜70゜に設定することが望ましい。
【0019】
またバットレス補強層9を形成するコードプライ10は、例えば有機繊維コードを小厚さのトッピングゴムにて被覆して形成される。この場合、トッピングゴムを、例えば、損失正接(tanδ)が0.1よりも小、例えば0.06〜0.08のエネルギーロスの少ないゴム材料にて構成することが望ましい。このような損失正接の小さいトッピングゴムで有機繊維コードを被覆することにより、タイヤ走行時に生じるバットレス部Bの歪によって生じる発熱を抑えることができ、発熱耐久性を向上しうる。なお損失正接tanδは、短冊状試料を切り取って、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件で特定する。
【0020】
また種々の実験の結果、バットレス補強層9は、前記終端点9bをタイヤの断面最大巾位置Mよりもタイヤ半径方向外側に位置させるとともに、タイヤ子午線断面において、バットレス補強層9のカーカス外面に沿った長さL(図2に示す)を15mm以上とすることが必要であることが分かった。前記終端点9bをタイヤの断面最大巾位置Mよりもタイヤ半径方向内側に位置させると、バットレス補強層9の長さが大となってタイヤ重量が増大するほか、転がり抵抗が悪化する。またバットレス補強層9のカーカス外面に沿った長さLが15mm未満になると、効果的な範囲でバットレス部Bを補強し得ず、高速耐久性の向上が期待できない。より好ましくは、バットレス補強層9の前記長さLは20〜60mm、さらに好ましくは30〜50mmとするのが望ましい。
【0021】
以上のようなバットレス補強層9を具えた空気入りタイヤ1では、カーカス6のバットレス部Bを効果的に補強することができ、スタンディングウエーブを抑制ないしその発生速度を高速側に移行させることができ、高速耐久性が向上される。またバットレス補強層9の配設位置、コードプライ10材料、コード角度などを限定したことにより、タイヤ重量の大幅な増加を抑制ししかも転がり抵抗が悪化するのを防ぐことができる。さらに、バットレス部は、タイヤ加硫工程について、タイヤ内腔面に配されたインナーライナーゴムがカーカス側に移行するインナーライナーの吸い上げが生じタイヤ内腔面が波打つ「チーズカット」と称される成形不良が生じ易いが、このようなバットレス補強層9を配することにより、かかる不良が防止される。
【0022】
図3(A)、(B)には本発明の他の実施形態を示している。
前記実施形態では、カーカス6の外側にバットレス補強層9を設けたものを例示したが、図3(A)ではバットレス補強層9をカーカス6のタイヤ半径方向内側に配したものを示している。この態様でも、図1の態様と同様の補強効果が得られ、高速耐久性を向上しうる。
【0023】
また図3(B)ではカーカス6を2枚のカーカスプライ6A、6Bから構成し、前記バットレス補強層9をこれらの間に介在させたものを示している。この態様では、バットレス補強層9がカーカスプライ6A、6Bによって内外を被覆される結果、バットレス補強層9をカーカス6の外側に配した場合に比べ、より高い補強効果が得られるため高速耐久性が大巾に向上しうる。
【0024】
図4には、さらに本発明の他の実施形態を示している。
本例では、前記サイドウォール部3は、サイドウォール部3の表面かつ前記バットレス補強層9が配されたバットレス領域内の少なくとも一部に、サイドウォール部3のゴム厚さを減じることにより形成された凹部12を設けたものを例示している。この場合には、ゴム厚さを減じた前記凹部12によりバットレス部Bの放熱が促進され、発熱を減じて耐久性を向上しうる。前記凹部12は、サイドウォール部3の表面を滑らかに延長した仮想表面Vから例えばタイヤ内側に1.0〜1.5mmの厚さXでゴム厚さを減じることが望ましい、特に前記凹部12におけるバットレス補強層9からタイヤ外面までの最小ゴム厚さtを、例えば1.5〜3.0mmに設定することが望ましい。
【0025】
図5には、さらに本発明の他の実施形態を示している。
本実施形態では、バットレス補強層9をなすコードプライ10が、タイヤ子午線断面において、振幅の中心線CLが前記カーカス6の外面とほぼ同間隔でのびる屈曲を繰り返す波状部13を有して形成されたものを例示している。この実施形態によれば、バットレス補強層9のタイヤ半径方向の剛性を相対的に減じることができるため、高速耐久性と転がり抵抗とを特にバランス良く両立しうるものである。
【0026】
前記振幅は、例えば0.5〜1.5mm、より好ましくは0.7〜1.2mmであって、屈曲のピッチは例えば2.0〜10.0mm、より好ましくは2.5〜5.0mmとすることが望ましい。なお図示の例では、波状をなすものを示したが、例えばジグザグ状に折れ曲がるものでも良い。
【0027】
【実施例】
次に本発明のより具体的な実施例について説明する。
タイヤサイズが225/60R16でありかつ表1に示す仕様にて乗用車用空気入りラジアルタイヤを試作するとともに、高速耐久性、転がり抵抗、乗り心地についてテストを行い、性能を比較した。なおタイヤの共通仕様として、カーカスは、ポリエステルコードをタイヤ赤道に対して88゜で傾けてなり、実施例5を除いて1枚で構成するとともに、その外側にスチールコードをタイヤ赤道に対して15゜で傾けた2層のベルトプライを用いた。また外ベルトプライの巾はトレッド接地巾の約90%とした。また実施例6では図4に示す凹部12(X:1.4mm、t:2.5mm、タイヤ半径方向の巾20mm)を有し、実施例7では図5の如く波状(振巾1.0mm、ピッチ3.0mm)でコードプライを形成している。
【0028】
そして高速耐久性として、ドラム試験機を用いて、リム(16×7−JJ)に装着し、ECE高速耐久テスト法に基づき台上ドラム耐久テストを行った。なお台上ドラム試験機において荷重5010N、内圧320kPaとして0から時速200kmまでを10分間、同200kmで10分、同210kmで10分間、同220kmで10分間、同230kmで20分間走行させるものであるが、本試験においては、さらに時速10kmごとに増速各20分間テストを続行しタイヤが破壊するまでステップアップさせた。そして、タイヤが破壊したときの速度と時間を測定した。
【0029】
また転がり抵抗については、転がり抵抗試験機を用い、前記リム組みしたタイヤを内圧200kPa、速度80km/h、荷重4413Nで転がり抵抗を測定し、バットレス補強層を具えていない比較タイヤ(比較例1)の転がり抵抗を100とする指数で表示した。数値が小さいほど転がり抵抗が小さく良好である。
【0030】
また乗り心地については、前記リム組みタイヤを排気量2000ccの国産FF乗用車に装着し、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャソ路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、比較例1を6とする10点法により評価した。数値が大きい方が良好である。
テストの結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べて高速耐久性を向上していることが確認された。また、バットレス補強層を具えるが、その始点、終端点を適切に配置していない比較例のタイヤでは、高速耐久性の向上が期待できないことも確認できた。
【0033】
【発明の効果】
上述したように、請求項1記載の発明では、始点、終端点を適切に規制した所定のバットレス補強層を具えることにより、カーカスのバットレス部を効果的に補強することができ、スタンディングウエーブを抑制ないしその発生速度を高速側に移行させて高速耐久性が向上される。またバットレス補強層の配設位置、コードプライ材料、コード角度などを限定したことにより、タイヤ重量の大幅な増加を抑制ししかも転がり抵抗が悪化するのを防ぐことができる。
【0034】
また、請求項2記載の発明では、バットレス補強層を、損失正接(tanδ)が0.1よりも小のトッピングゴムにより被覆される有機繊維コードからなるコードプライにより構成することにより、バットレス部の発熱を減じ、発熱損傷などを防止しうる。
【0035】
また請求項3記載の発明では、サイドウォール部は、サイドウォール部表面かつ前記バットレス補強層が配されたバットレス領域内の少なくとも一部に、サイドウォール部のゴム厚さを減じることにより形成された凹部を具えることにより、ゴム厚さを減じた前記凹部によりバットレス部の放熱が促進され、発熱を減じて耐久性を向上しうる。
【0036】
また請求項4記載の発明では、バットレス補強層をなすコードプライは、前記タイヤ子午線断面において、振幅の中心線が前記カーカスの外面とほぼ同間隔でのびる屈曲を繰り返す波状部を有して形成することにより、バットレス補強層のタイヤ半径方向の剛性を相対的に減じることができるため、高速耐久性と転がり抵抗とを特にバランス良く改善しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す空気入りタイヤの右半分断面図である。
【図2】その内部構造を示す略図である。
【図3】(A)、(B)は、本発明の他の実施形態を示すバットレス部を拡大した部分拡大断面図である
【図4】本発明のさらに他の実施形態を示すバットレス部を拡大した部分拡大断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態を示すバットレス部を拡大した部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
7A 内ベルトプライ
7B 外ベルトプライ
7e 外ベルトプライの外端
9 バットレス補強層
9a バットレス補強層の始点
9b バットレス補強層の終端点
10 コードプライ
Claims (5)
- トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されしかもタイヤ半径方向最外側に配された外ベルトプライを含む少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、バットレス補強層とを具え、
前記バットレス補強層は、前記外ベルトプライのタイヤ軸方向外端からタイヤ軸方向内外に10mm以内の領域を始点として該始点からサイドウォール部側の終端点までカーカスに接して延在し、
しかも前記始点は、前記ベルト層のタイヤ半径方向内側に位置するとともに、
該バットレス補強層は、タイヤ周方向に対して10〜80゜で傾けた有機繊維コードを有するコードプライからなり、
かつ前記終端点をタイヤの断面最大巾位置よりもタイヤ半径方向外側に位置させるとともに、タイヤ子午線断面において、バットレス補強層のカーカス外面に沿った長さを15mm以上としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記バットレス補強層は、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件での損失正接(tanδ)が0.1よりも小のトッピングゴムにより被覆される有機繊維コードからなるコードプライを具えることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイドウォール部は、サイドウォール部表面かつ前記バットレス補強層が配されたバットレス領域内の少なくとも一部に、サイドウォール部のゴム厚さを減じることにより形成された凹部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- 前記バットレス補強層のコードプライは、タイヤ周方向に対して45〜80゜で傾けた有機繊維コードを有する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されしかもタイヤ半径方向最外側に配された外ベルトプライを含む少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、バットレス補強層とを具え、前記バットレス補強層は、前記外ベルトプライのタイヤ軸方向外端からタイヤ軸方向内外に10mm以内の領域を始点としてサイドウォール部側の終端点まで延在し、しかも該バットレス補強層は、タイヤ周方向に対して10〜80゜で傾けた有機繊維コードを有するコードプライからなり、かつ前記終端点をタイヤの断面最大巾位置よりもタイヤ半径方向外側に位置させるとともに、タイヤ子午線断面において、バットレス補強層のカーカス外面に沿った長さが15mm以上であり、
かつ前記コードプライは、前記タイヤ子午線断面において、振幅の中心線が前記カーカスの外面とほぼ同間隔でのびる屈曲を繰り返す波状部を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
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