JP4461572B2 - 車両用テーブル構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のフロアパネル上に設けられたシートと、このシートのシートクッションの側方に設けられたテーブルとを備えた車両用テーブル構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、RV車等の車両において、例えば特開平9−309366号公報に示されているように、乗員の利便性を向上させるために、運転席と助手席との間にテーブルを配設したものが知られている。また、乗員の利便性をさらに向上させるために、上記公報のように、テーブルを、使用しないときには乗員が運転席と助手席との間を通行できるように、運転席側又は助手席側に格納できるようにする場合がある。
【0003】
上記テーブルは、通常、天板と、該天板を、上記フロアパネル上面に対して略平行な状態に支持する支持部とで構成され、上記のようにテーブルを格納するものでは、上記支持部は、天板を、フロアパネル上面に対して略平行な使用状態とフロアパネル上面に対して略垂直でかつ運転席又は助手席のシートクッション側面に略沿った格納状態との間を相互に回動可能に支持するように構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記テーブルの天板は、通常、使い勝手等の観点から運転席又は助手席のシートクッション上面と略同じ高さになるように配置されると共に、天板の幅は運転席及び助手席間の間隔と略同じに設定される。
【0005】
しかしながら、運転席又は助手席のシートクッション上面と略同じ高さ位置には、通常、運転席及び助手席に着座する乗員をそれぞれ拘束するためのシートベルト装置のタングと係合するバックルが設けられているため、天板をそのような高さ位置に配置すると、天板の両側方近傍にバックルが位置することになり、車両に側突が生じて運転席又は助手席がテーブル側に移動した場合、上記天板とバックルとが直ちに衝突してバックルに大きな衝撃力が作用する可能性があり、より安全性を高めるためには改良の余地がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シートのシートクッションの側方にテーブルを設けた車両において、車両に側突が生じたとしても、バックルを確実に保護して乗員の安全性を向上させようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、車両のフロアパネル上に設けられたシートと、該シートのシートクッションの側方に設けられたテーブルとを備えた車両用テーブル構造を対象として、上記テーブルは、天板と、アームにより該天板を上記フロアパネル上面に対して略平行な状態に支持する支持部とを有し、上記支持部は、上記アームによる上記天板の上記支持状態を保持することを可能にするストッパーを有し、上記テーブルの側方近傍における該テーブルの天板と略同じ高さ位置に、シートベルト装置のタングと係合するバックルが設けられ、上記天板に対して車幅方向から荷重が作用したときに、上記ストッパーによる該天板の上記支持状態の保持が解除されて該天板が変形することによって、該天板が該荷重を吸収するように構成されているものとした。
【0008】
上記の構成により、車両に側突が生じて天板に車幅方向から荷重が作用すると、ストッパーによる該天板の支持状態の保持が解除されて天板は変形してその荷重を吸収する。この結果、天板とバックルとが同じ高さ位置にあったとしても、バックルには大きな衝撃力が作用せず、バックルを確実に保護して乗員の安全性を向上させることができる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、天板に、車幅方向から荷重が作用したときに該天板の変形を促進させる脆弱部が設けられているものとする。こうすることで、荷重を効果的に吸収することができる。
【0010】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、天板の脆弱部は、車両前後方向に延びる薄肉部であるものとする。このことで、脆弱部を容易に形成することができると共に、天板を車幅方向からの荷重に対して変形し易くすることができる。
【0011】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、薄肉部は、天板の上面に凹状に形成されたペンホルダーにより構成されているものとする。このことにより、テーブルの機能性を向上させつつ、薄肉部を簡単に形成することができる。
【0012】
請求項5の発明では、請求項3又は4の発明において、天板の上面において周縁部が他の部分よりも上方に突出しており、薄肉部は、上記天板の周縁部以外の部分に形成され、上記薄肉部の長さ方向の少なくとも一側における上記天板の上面の周縁部に、車両前後方向に延びる2つの凹溝が車幅方向に並ぶように形成されているものとする。
【0013】
このことで、天板の上面において周縁部が他の部分よりも上方に突出していても、天板を効果的に変形させることができると共に、2つの凹溝間にポリエチレン等からなる買物袋等を吊り下げておくようにすることができ、乗員の利便性を高めることができる。
【0014】
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか1つの発明において、テーブルの支持部は、天板を、フロアパネル上面に対して略平行な使用状態とフロアパネル上面に対して略垂直でかつシートのシートクッション側面に略沿った格納状態との間を相互に回動可能に支持するように構成されているものとする。このことにより、天板を格納状態にすることで、運転席及び助手席間を乗員が通行できるようになり、乗員の利便性をさらに向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明とは、主要部以外の点で類似する参考形態を説明し、その後に、本発明の実施形態を説明する。
【0016】
(参考形態)
図1は、参考形態に係る車両用テーブル構造が適用された所謂ウォークスルータイプの自動車の車室内の要部を示し、この自動車は、フロアパネル7(図3及び図4参照)上に設けられた運転席1と、この運転席1の左側側方における上記フロアパネル7上に、該運転席1に対して所定間隔(乗員が通行可能な間隔)をあけて設けられた助手席2とを備えている。この運転席1及び助手席2は、各々、シートクッション1a,2aと、該シートクッション1a,2aの後端部に回動可能に接続されたシートバック1b,2bと、該シートバック1b,2bの上端面に設けられたヘッドレスト1c,2cとを有している。そして、運転席1及び助手席2の後方には2つの第1の後部座席3,3が互いに上記所定間隔と略同じ間隔をあけてそれぞれ設けられ、図示は省略するが、この第1の後部座席3,3の後方には第2の後部座席が設けられて3列シートになっている。
【0017】
上記運転席1及び助手席2間におけるフロアパネル7には、図4に示すように、上方に突出しかつ車両前後方向に延びるトンネル部7aが設けられ、このトンネル部7aの下側には排気管等が配置されている。
【0018】
上記運転席1のシートクッション1aの左後端部には、この運転席1に着座する乗員を拘束するためのシートベルト装置のタング(図示せず)と係合するバックル1dが設けられ、同様に、助手席2のシートクッション2aの右後端部にも、この助手席2に着座する乗員を拘束するためのシートベルト装置のタングと係合するバックル2dが設けられている。また、運転席1のシートクッション1aの左側側面近傍には、上記フロアパネル7のトンネル部7a上面に取付固定されたパーキングブレーキ8が配設されている。
【0019】
上記助手席2のシートクッション2aの右側側方(又は運転席1のシートクッション1aの左側側方)にはテーブル11が設けられ、このテーブル11は、天板12と、該天板12を上記フロアパネル7上面に対して略平行な状態に支持する支持部13(図2〜図5参照)とを有している。この支持部13は、後述の如く、上記天板12を、上記フロアパネル7上面に対して略平行な使用状態(図1〜図4参照)とフロアパネル7上面に対して略垂直でかつ助手席2のシートクッション2aの右側側面近傍において該右側側面に略沿った格納状態(図3の二点鎖線及び図6参照)との間を相互に回動可能に支持するように構成されている。
【0020】
上記天板12の後部の幅(使用状態時における車幅方向の幅)は、上記運転席1と助手席2との間隔と略同じに設定されている。また、天板12の車両前後方向の長さは、シートクッション2aの長さと略同じに設定されている。尚、天板12の前部は、上記パーキングブレーキ8との干渉を避けるために上記後部の幅よりも小さくなっている。
【0021】
上記天板12の使用状態時における上面において周縁部が他の部分よりも上方に突出しており、この周縁部以外の部分に物品等を載置するようになっており、このことで、載置した物品等が滑って落下しないようになされている。
【0022】
上記助手席2は、図3及び図4に示すように、車両前後方向に延びかつフロアパネル7に取付固定された台座部32aと該台座部32aの上端面に固定された係合部32bとからなる左右一対のロアレール32,32と、該ロアレール32,32の係合部32b,32bに対してそれぞれ摺動可能に係合しかつ助手席2のシートクッション2aのパッド35を支持するフレーム36に取付固定された左右一対のアッパレール33,33とからなるシートレール31によって、フロアパネル7に対して車両前後方向にスライド可能に支持されている。尚、上記バックル2dは、上記シートクッション2aのフレーム36に支持部材37及びアッパレール33の上端部を介して支持されており、このバックル2dの下部及び支持部材37のテーブル11側の側方は、上記アッパレール33にブラケット38を介して取付固定されたカバー部材39により覆われている。そして、上記運転席1も、上記助手席2と同様に構成されている(助手席2と同様の部分は同じ符号を付している)。
【0023】
上記支持部13は、上記天板12を、該天板12の格納状態時における上端部が使用状態時における上面よりも高い位置に位置するように回動させることが可能な機構からなっていて、天板12を上記助手席2の右側のロアレール32に対して支持するように構成されている。さらには、支持部13は、上記天板12を、該天板12の格納状態時における上端部が使用状態時における助手席2側端部の略真上側に位置(天板12の格納状態時における下端部が使用状態時における助手席2側端部の略真下側に位置)するように回動させることが可能なリンク機構を構成している。
【0024】
具体的には、上記支持部13は、図2〜図5に示すように、助手席2をスライドさせるシートレール31における右側ロアレール32の台座部32aに取付固定されかつ助手席2のシートクッション2aの右側側面に略沿って上方に延びる前後一対の固定部材15,15を有している。この各固定部材15は、断面略コ字状に形成されていて、シートクッション2aの右側側面に略沿う第1壁部15aと該第1壁部15aと垂直な方向に相対向して延びる第2壁部15b,15bとを有している。この各固定部材15の上端部における両第2壁部15b,15bには、第1アーム16,16の基端部が第1回動軸21によりそれぞれ回動自在に取り付けられている。この両第1アーム16,16の先端部は、上記天板12の使用状態時における下面において助手席2側端部近傍に設けた第1突出部12aの車両前後方向両端面に第2回動軸22によりそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0025】
また、上記両固定部材15,15の下端部近傍における他方の固定部材15側の第2壁部15bには、取付部材27,27が相対向してそれぞれ突設され、この両取付部材27,27に、第2アーム17,17の基端部が第3回動軸23によりそれぞれ回動自在に取り付けられている。この両第2アーム17,17の先端部には第3アーム18,18の基端部が第4回動軸24によりそれぞれ回動自在に取り付けられ、この両第3アーム18,18の先端部は、上記天板12の使用状態時における下面において上記第1突出部12aよりも運転席1側に設けた第2突出部12bの車両前後方向両端面に第5回動軸25によりそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0026】
さらに、上記前側の第2回動軸22の後端部には、第4アーム19の基端部が回動自在に取り付けられ、この第4アーム19には長孔19aが形成されて、この長孔19aに上記第4回動軸24の前端部が該長孔19aに沿って移動可能に挿通されている。この長孔19aは、第4アーム19の長さ方向略中央部からアーム先端側に延びた後、アーム先端部で略垂直に折れ曲がっている。
【0027】
そして、天板12の使用状態時には、図4に示すように、上記第1アーム16は天板12と同様に略水平状態(フロアパネル7上面と略平行な状態)になっている。また、第2及び第3アーム17,18は、車両前後方向から見て第4回動軸24の部分で折れ曲がった状態にはなっておらず、略一直線状に天板12に対して斜めに延びた状態になっている。さらに、第4アーム19は、第2又は第3アーム17,18と略垂直な状態になっていて、その長孔19aは、第4アーム19の長さ方向略中央部からアーム先端側に延びた後、第3アーム18側に折れ曲がった状態になっている。また、第4回動軸24の前端部は、上記第4アーム19の長孔19aのアーム先端側端部における第3アーム18側端部に位置している。
【0028】
上記天板12の使用状態時においては、天板12の上面に上側から押す力が作用しても、上記第2〜第4アーム17〜19が突っ張った状態となって第1アーム16は第1回動軸21の軸心回りに図4で時計回り方向に回動できず、このことで、天板12の水平状態が維持される。このときの天板12の高さ位置は、シートクッション1a,2a上面よりも低い位置に設定されており、このことにより、天板12とバックル1d,2dとは、側面視において互いに上下方向にずれた位置に配置されていることになる。
【0029】
上記第1回動軸21は、上記天板12の使用状態時における助手席2側端部にに沿って車両前後方向に延びていて、該第1回動軸21の軸心回りに第1アーム16と一体的に回動するようになっている。上記第1回動軸21の前端部は、天板12の前端部に沿うように折り曲げられて操作部21aが構成されている。一方、第1回動軸21の後端部には捩りコイルばね29が設けられ、この捩りコイルばね29により第1アーム16は、第1回動軸21の軸心回りに該第1アーム16の先端部が下降する方向(図4で時計回り方向)に回動するように付勢されている。
【0030】
上記天板12を格納状態にするには、先ず、上記第1回動軸21の操作部21aを上側に引き上げる。つまり、第1アーム16を第1回動軸21の軸心回りにその先端部が上昇する方向(図4において反時計回り方向)に回動させる。この第1アーム16の回動により第4アーム19が上側でかつ助手席2側に引っ張られて、第4回動軸24が上側でかつ助手席2側に移動し、このことで、第2アーム17は第3回動軸23の軸心回りに図4で反時計回り方向に回動すると共に、第2アーム17と第3アーム18とが車両前後方向から見て第4回動軸24の部分で折れ曲がった状態となる。このように第1アーム16を僅かに回動させると、天板12の使用状態時における運転席1側端部を下側に押すことで、天板12を第2回動軸22の軸心回りに図4で時計回り方向に回動させることが可能となる。このとき、第4回動軸24の前端部は、上記天板12の運転席1側端部ないし第3アーム18に押されて第4アーム19の長孔19aに沿ってアーム中央側へ移動すると共に、第2アーム17がさらに第3回動軸23の軸心回りに図4で反時計回り方向に回動し、車両前後方向から見た第2及び第3アーム17,18間のなす角度が次第に小さくなる。また、第1アーム16がさらに第1回動軸21の軸心回りに図4で反時計回り方向に回動し、このことで、天板12の回動軸としての第2回動軸22が上側でかつ助手席2側に移動するため、天板12は回動しながら上側でかつ助手席2側に移動する。
【0031】
そして、最終的には(格納状態時には)、図6に示すように、第1アーム16は固定部材15と上下方向に略一直線状をなし、第2及び第3アーム17,18同士は車両前後方向に略重なった状態となり、天板12の格納状態時における上端部が使用状態時における助手席2側端部の略真上側に位置する一方、下端部が使用状態時における助手席2側端部の略真下側に位置する。また、天板12の格納状態時における上端部は、使用状態時の上面よりも上昇してシートクッション1a,2a上面と略同じ高さに位置する一方、下端部はフロアパネル7のトンネル部7a上面近傍に位置する。尚、この状態では、第1アーム16は、捩りコイルばね29の付勢力が作用していても、第1回動軸21の軸心回りに図6で時計回り方向に回動することはできないようになっており、天板12の下端部を上側でかつ運転席1側に僅かに引き上げると、その後は捩りコイルばね29の付勢力により殆ど自動的に使用状態にすることができる。
【0032】
したがって、上記参考形態では、天板12とバックル1d,2dとが、側面視において互いに上下方向にずれた位置に配置されているので、上記天板12の使用状態時にこの自動車に側突が生じて運転席1又は助手席2がテーブル11へ移動したとしても、天板12とバックル1d,2dとが直接的に当接しないので、バックル1d,2dに大きな衝撃力が作用することはない。よって、自動車の側突に対してバックル1d,2dを確実に保護することができ、乗員の安全性を高めることができる。
【0033】
また、テーブル11の支持部13により天板12の格納状態時における上端部が使用状態時における上面よりも高い位置に位置するようになっているので、天板12の使用状態時における位置が比較的低くても、天板12を、その格納状態時には、フロアパネル7のトンネル部7aとの干渉を避け得る高い位置に位置させることができる。この結果、フロアパネル7のトンネル部7aとの干渉を防止しつつ、天板12の幅を可及的に大きく(運転席1と助手席2との間隔と略同じに)することができる。
【0034】
尚、上記参考形態では、天板12とバックル1d,2dとを、側面視において互いに上下方向にずれた位置に配置したが、天板12とバックル1d,2dとを、側面視において互いに車両前後方向にずれた位置に配置してもよい。この場合、天板12の車両前後方向長さを短くする等すればよい。
【0035】
(実施形態)
次に、本発明の実施形態を説明する。図7〜図14は本発明の実施形態を示し(尚、図1〜図6と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、テーブル11の天板12とバックル1d,2dとを略同じ高さ位置に配置したものである。
【0036】
すなわち、この実施形態では、天板12は、その使用状態時に車幅方向から荷重が作用したときに変形することで該荷重を吸収するように構成されている。具体的には、天板12の使用状態時における上面の周縁部以外の車幅方向略中央部に、車両前後方向に延びる凹状のペンホルダー12cが形成されており、このペンホルダー12c部分が脆弱部としての薄肉部とされ、このペンホルダー12cが、天板12に車幅方向から荷重が作用したときに該天板12の変形の基点部となって該変形を促進させるようになっている。
【0037】
また、上記ペンホルダー12cの長さ方向一側(ペンホルダー12cの後側)における上記天板12の上面の周縁部には、車両前後方向に延びる2つの凹溝12d,12dが車幅方向に並ぶように形成され、この各凹溝12dの底面は上面の周縁部以外の部分と同じ面とされている。そして、この2つの凹溝12d,12d間に、図7に二点鎖線で示すように、ポリエチレン等かなる買物袋60等を吊り下げておくことができるようになっている。尚、この各凹溝12dは、後述の如く天板12がペンホルダー12c部分で折れ曲がる際に、その折れ曲がりを助長するものであり、ペンホルダー12cの後側だけでなく、前後両側に設けるようにしてもよい。
【0038】
上記天板12を支持する支持部13は、上記参考形態とは異なり、天板12の使用状態時における助手席2側端部を、移動させない固定の回動軸として該回動軸回りに天板12を回動させるようになっている。具体的には、助手席2をスライドさせるシートレール31における右側ロアレール32の台座部32aに取付固定された両固定部材15,15の上端部がシートクッション1a,2a上面と略同じ高さに位置しており、この上端部における両第2壁部15b,15bが、天板12の使用状態時における助手席2側端面に突設した第1連結部12eの車両前後方向両端面に第1回動軸51によりそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0039】
上記両固定部材15,15の下端部近傍における他方の固定部材15側の第2壁部15bにそれぞれ設けた両取付部材27,27には、上記参考形態における第2アーム22と同様に、第1アーム41,41の基端部が第2回動軸52によりそれぞれ回動自在に取り付けられている。この両第1アーム41,41の先端部には、上記参考形態における第3アーム23と同様に、第2アーム42,42の基端部が第3回動軸53によりそれぞれ回動自在に取り付けられ、この両第2アーム42,42の先端部は、上記天板12の使用状態時における下面において車幅方向中央よりも運転席1側の部分に突設した第2連結部12fの車両前後方向両端面に第4回動軸54によりそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0040】
上記第1回動軸51には、第3アーム43の基端部が回動自在に取り付けられ、この第3アーム43は、図11に詳細に示すように、該第3アーム43の長さ方向略中央部から二股状にアーム先端側に延びるアーム本体部43aと、このアーム本体部43aの2つの分岐した先端部に取り付けられたストッパー43bとからなる。このストッパー43bは、上記アーム本体部43aの2つの分岐した先端部の周囲に巻かれた状態で取り付けられており、このことで、第3アーム43に、上記参考形態における第4アーム19の長孔19aと同様の長孔43cを形成している。つまり、この長孔43cは、第3アーム43の長さ方向略中央部からアーム先端側に延びた後、アーム先端部で略垂直に折れ曲がっている。この長孔43cに、上記第3回動軸53の前端部が該長孔43cに沿って移動可能に挿通されている。
【0041】
尚、上記ストッパー43bは、アーム本体部43aに取り付ける前は、図12に示すように、略V字状をなしており、その両端部同士を互いに係合させることで貫通孔を有する筒状に形成し、この貫通孔内に上記アーム本体部43aの2つの分岐した先端部を挿入して係合させる。このアーム本体部43aとストッパー43bとの係合は、後述の如く、ストッパー43bにアーム先端側への大きな衝撃力が作用すると、解除されるようになっている。
【0042】
そして、天板12の使用状態時には、図10に示すように、第1及び第2アーム41,42は、車両前後方向から見て第3回動軸53の部分で折れ曲がった状態にはなっておらず、略一直線状に天板12に対して斜めに延びた状態になっている。また、第3アーム43は、第1又は第2アーム41,42と略垂直な状態になっていて、その長孔43cは、第3アーム43の長さ方向略中央部からアーム先端側に延びた後、第2アーム42側に折れ曲がった状態になっている。さらに、第3回動軸53の前端部は、上記第3アーム43の長孔43cのアーム先端側端部における第2アーム42側端部に位置している。
【0043】
上記天板12の使用状態時においては、天板12の上面に上側から押す力が作用しても、上記第1〜第3アーム41〜43が突っ張った状態となって天板12は第1回動軸51の軸心回りに図10で時計回り方向に回動できず、このことで、天板12の水平状態が維持される。このとき、天板12の運転席1側の側方近傍及び助手席2側の側方近傍における該天板12と略同じ高さ位置に、バックル1d,2dが配置されていることになる。
【0044】
上記第1回動軸51は、上記参考形態と同様に、上記天板12の使用状態時における助手席2側端部に沿って車両前後方向に延びていて、該第1回動軸51の軸心回りに第3アーム43と一体的に回動するようになっている。上記第1回動軸51の前端部は、天板12の前端部に沿うように折り曲げられて操作部51aが構成されている一方、第1回動軸51の後端部には捩りコイルばね29が設けられ、この捩りコイルばね29により第3アーム43は、第1回動軸51の軸心回りに該第3アーム43の先端部が下降する方向(図10で時計回り方向)に回動するように付勢されている。
【0045】
上記天板12を格納状態にするには、先ず、上記第1回動軸51の操作部51aを上側に引き上げる。つまり、第3アーム43を第1回動軸51の軸心回りにその先端部が上昇する方向(図10において反時計回り方向)に回動させる。この第3アーム43の回動により第3回動軸53の前端部は、第3アーム43の長孔43cのアーム先端側端部における第2アーム42側端部から第1アーム41側端部に相対的に移動することになる。このように第3アーム43を僅かに回動させると、天板12の使用状態時における運転席1側端部を下側に押すことで、天板12を第1回動軸51の軸心回りに図10で時計回り方向に回動させることが可能となる。このとき、第3回動軸53の前端部は、上記天板12の運転席1側端部ないし第2アーム42に押されて第3アーム43の長孔43cに沿ってアーム中央側へ移動すると共に、第1アーム41が第2回動軸52の軸心回りに図10で反時計回り方向に回動し、車両前後方向から見た第1及び第2アーム41,42間のなす角度が次第に小さくなる。尚、天板12の使用状態時における運転席1側端部を下側に少し押せば、その後は捩りコイルばね29の付勢力により殆ど自動的に格納状態にすることができる。
【0046】
そして、最終的には(格納状態時には)、図13に示すように、第1及び第2アーム41,42同士は車両前後方向に略重なった状態となり、天板12の格納状態時における下端部がフロアパネル7のトンネル部7a上面近傍に位置する。尚、この状態では、天板12は、捩りコイルばね29の付勢力により第1回動軸51の軸心回りに図13で反時計回り方向に回動することはできないようになっており、天板12の下端部を上側でかつ運転席1側に引き上げることで使用状態にする。
【0047】
次に、天板12の使用状態時において自動車に側突が生じた場合の動作を図14により説明する。今、仮に、自動車の運転席1側の側面に側突が生じたとすると、その衝撃力により運転席1が助手席2側(テーブル11側)に移動する。これにより、運転席1用のバックル1dが天板12の運転席1側端部にカバー部材39を介して当接する一方、天板12の助手席2側端部は助手席2用のバックル2dにカバー部材39を介して当接する。このとき、天板12が変形しなければ、バックル1d,2dには大きな衝撃力が作用する。しかし、この実施形態では、天板12に対して車幅方向から荷重(衝撃力)が作用すると、天板12はペンホルダー12c部分で折れ曲がって変形し、上記荷重を吸収するため、バックル1d,2dに大きな衝撃力が作用するのを抑制することができる。すなわち、天板12に対して車幅方向から荷重が作用すると、天板12のペンホルダー12c部分が下側に移動しようとして第3回動軸53に下向きの大きな力が作用する。この下向きの力により第3アーム43のアーム本体部43aとストッパー43bとの係合が解除される。このことにより、第3回動軸53は、第3アーム43の長孔43cから外れて下側に移動し、第1及び第2アーム41,42は、第3回動軸53部分で、天板12を格納状態にするときとは反対側に折れ曲がり、この結果、天板12がペンホルダー12c部分で折れ曲がることになる。
【0048】
したがって、上記実施形態では、天板12が変形することで車幅方向から作用する荷重を吸収するので、天板12とバックル1d,2dとが略同じ高さ位置に配置されていたとしても、バックル1d,2dには大きな衝撃力が作用せず、上記参考形態と同様に、バックル1d,2dを確実に保護して乗員の安全性を向上させることができる。
【0049】
尚、上記参考形態及び実施形態では、テーブル11の支持部13を、天板12を使用状態と格納状態との間を相互に回動可能に支持するように構成したが、天板12をフロアパネル7上面に対して略平行な状態に支持するだけのものであってもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両用テーブル構造によると、支持部が、アームによる天板の支持状態を保持することを可能にするストッパーを有し、天板と略同じ高さ位置に、シートベルト装置のタングと係合するバックルが設けられ、上記天板に対して車幅方向から荷重が作用したときに、上記ストッパーによる天板の支持状態の保持が解除されて該天板が変形することによって、該天板が該荷重を吸収するように構成したことにより、バックルを確実に保護して乗員の安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考形態に係る車両用テーブル構造が適用された自動車の車室内の要部を示す斜視図である。
【図2】 テーブルの使用状態時を示す平面図である。
【図3】 テーブルの運転席側から見た側面図である。
【図4】 テーブルの後側から見た部分断面図である。
【図5】 テーブルの斜視図である。
【図6】 テーブルの格納状態時を示す図4相当図である。
【図7】 本発明の実施形態におけるテーブルの天板を示す斜視図である。
【図8】 実施形態における図2相当図である。
【図9】 実施形態における図3相当図である。
【図10】 実施形態における図4相当図である。
【図11】 実施形態における第3アームの先端部の斜視図である。
【図12】 実施形態における第3アームのストッパーの構成を示す分解斜視図である。
【図13】 実施形態における図6相当図である。
【図14】 実施形態における天板が変形した状態を示す図4相当図である。
【符号の説明】
1 運転席(シート)
1d バックル
2 助手席(シート)
2d バックル
7 フロアパネル
7aトンネル部
11 テーブル
12 天板
12c ペンホルダー(脆弱部)(薄肉部)
12d 凹溝
13 支持部
41 第1アーム
42 第2アーム
43 第3アーム
43b ストッパー
Claims (6)
- 車両のフロアパネル上に設けられたシートと、該シートのシートクッションの側方に設けられたテーブルとを備えた車両用テーブル構造であって、
上記テーブルは、天板と、アームにより該天板を上記フロアパネル上面に対して略平行な状態に支持する支持部とを有し、
上記支持部は、上記アームによる上記天板の上記支持状態を保持することを可能にするストッパーを有し、
上記テーブルの側方近傍における該テーブルの天板と略同じ高さ位置に、シートベルト装置のタングと係合するバックルが設けられ、
上記天板に対して車幅方向から荷重が作用したときに、上記ストッパーによる該天板の上記支持状態の保持が解除されて該天板が変形することによって、該天板が該荷重を吸収するように構成されていることを特徴とする車両用テーブル構造。 - 請求項1記載の車両用テーブル構造において、
天板に、車幅方向から荷重が作用したときに該天板の変形を促進させる脆弱部が設けられていることを特徴とする車両用テーブル構造。 - 請求項2記載の車両用テーブル構造において、
天板の脆弱部は、車両前後方向に延びる薄肉部であることを特徴とする車両用テーブル構造。 - 請求項3記載の車両用テーブル構造において、
薄肉部は、天板の上面に凹状に形成されたペンホルダーにより構成されていることを特徴とする車両用テーブル構造。 - 請求項3又は4記載の車両用テーブル構造において、
天板の上面において周縁部が他の部分よりも上方に突出しており、
薄肉部は、上記天板の周縁部以外の部分に形成され、
上記薄肉部の長さ方向の少なくとも一側における上記天板の上面の周縁部に、車両前後方向に延びる2つの凹溝が車幅方向に並ぶように形成されていることを特徴とする車両用テーブル構造。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用テーブル構造において、
テーブルの支持部は、天板を、フロアパネル上面に対して略平行な使用状態とフロアパネル上面に対して略垂直でかつシートのシートクッション側面に略沿った格納状態との間を相互に回動可能に支持するように構成されていることを特徴とする車両用テーブル構造。
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