JP4445608B2 - パチンコ機の球誘導樋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の裏面に配設される機構板に設けられた球タンクから、球払出装置にパチンコ球を導くパチンコ機の球誘導樋に関するもので、特に仕切壁により複数の供給通路が形成されたパチンコ機の球誘導樋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機の球誘導樋は、仕切壁により球払出装置にパチンコ球を導く供給通路を複数形成していた。そして、球導出口と球誘導樋との間で球圧のために球噛みが起るのを防ぐため、球誘導樋の側壁を膨出して補助通路を形成していた。
【0003】
また、最近のパチンコ機は、例えば遊技盤に設けられた可変表示装置を作動させる始動入賞口と、可変表示装置の表示が揃うことにより開閉する大入賞口への入賞によるパチンコ球の払出し個数を違えるようにして、複数の供給通路のそれぞれに連通して複数種類の球払出しが可能な球払出装置を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の球誘導樋にあっては、仕切壁の肉厚が2ミリ程度と薄く、しかも補助通路部分があるため、金型が複雑となってコスト高になり、成形後に仕切壁に歪みが生じたり、破損したりするという問題があった。
【0005】
さらに、仕切壁の上端をテーパー状に切削して薄くしているため、特に複数の供給通路のパチンコ球をそれぞれ独立して流下させる際に、仕切壁により供給通路のパチンコ球がバランスがとれて球詰りを起し、球払出装置に供給できなくなるという問題があった。
【0006】
また、上記球誘導樋を備えたパチンコ機は、一旦可変表示装置の表示が揃うと大入賞口に一気に大量のパチンコ球が入賞するため、パチンコ球が頻繁に流下する供給通路側に位置する球タンクのパチンコ球のみが流出して、球タンクにパチンコ球が偏って残ってしまい、悪くすると球タンクにパチンコ球が有るにもかかわらず、球切れを起してしまうという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、仕切壁によってパチンコ球の流下に支障をきたすことなく、しかも球タンクのパチンコ球を均等に流出させ、球払出装置に確実に供給できるパチンコ機の球誘導樋を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るパチンコ機の球誘導樋は、機構板の裏面上部に配設される球タンクの底壁に開設された球導出口から流出するパチンコ球を整列して球払出装置に導く供給通路を仕切壁により複数形成したパチンコ機の球誘導樋において、少なくとも球導出口の下方に位置する仕切壁上面をパチンコ球が転動可能な幅広としたことを特徴とする。
【0009】
前記幅広の仕切壁の傾斜を球誘導樋の傾斜と異ならせるのが好ましく、球誘導樋の傾斜と同じ傾斜方向で傾斜角度を大きくすることで幅広の仕切壁上のパチンコ球を供給通路に速く供給でき、球誘導樋の傾斜と逆傾斜にすることで幅広の仕切壁上のパチンコ球の球圧が弱められ、仕切壁が狭まる個所での球詰りが起らなくなる。
【0010】
前記幅広の仕切壁を徐々に狭めるのが好ましく、さらに幅広の仕切壁の終端部を山型に切削し、その傾斜により幅広の仕切壁上のパチンコ球を振分けるようにするのがよい。
【0011】
また、機構板の裏面上部にパチンコ球を貯留する球タンクと、該球タンクの底壁に開設された球導出口から流出するパチンコ球を整列する複数の供給通路を仕切壁により形成した球誘導樋と、複数種類の払出しが可能な球払出装置とを備え、前記供給通路のパチンコ球がそれぞれ独立して流下するパチンコ機において、少なくとも球導出口の下方に位置する仕切壁上面をパチンコ球が転動可能な幅広とすると共に、その上面を稼動率の高い供給通路側に向う傾斜面としたことを特徴とする。
【0012】
前記仕切壁の始端に、該仕切壁の高さを有し、かつ球誘導樋の幅を有する球受け部を設け、供給通路の上方にあるパチンコ球を、幅広の仕切壁および球受け部により他方の供給通路に供給するようにして、パチンコ球が偏って残らないようにするのがよい。
【0013】
上記構成にすることにより、仕切壁による球詰りをなくすと共に、補助通路的な機能をもたせ、あまり流下しない供給通路側のパチンコ球を頻繁に流下する供給通路側に流出させ、パチンコ球を偏ることなく均等に流出して、球切れすることなく確実にパチンコ球を球払出装置に供給することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係るパチンコ機の実施の形態を図面と共に説明する。図1はパチンコ機の正面図、図2はパチンコ機の裏面図である。図において、1はパチンコ機の機枠、2は該機枠1の前面に開閉自在に装着される前面枠で、その前面にガラス扉枠3と打球供給皿4を装着した前面板5とがそれぞれ開閉自在に蝶着されている。
【0015】
前記ガラス扉枠3の後側に遊技盤6が装着され、該遊技盤6の前面にはガイドレール7が敷設されている。該ガイドレール7に囲まれる遊技部6aの略中央に可変表示装置8が固着され、該可変表示装置8の直下に始動入賞口9が設けられ、その下方に入賞装置10が装着されている。該入賞装置10は、開閉扉10aが開閉する公知的な装置である。
【0016】
一方遊技盤6の裏面には入賞球集合カバー11が配設されており、該入賞球集合カバー11の裏面に基板ボックス12が装着されている。該基板ボックス12にはパチンコ機の遊技内容を制御するための回路基板が収納されている。
【0017】
13は遊技盤6の裏面に装着される機構板であり、合成樹脂によりほぼ方形状に形成されている。この機構板13のほぼ中央に、前記基板ボックス12および遊技盤6に設けられる可変表示装置8の後部を臨ませるための窓部14が開設されており、該窓部14の上方にはパチンコ球を貯留する球タンク15が取付けられる。また、球タンク15の下方にはパチンコ球を整列して導き出す球誘導樋16が設けられている。そして、該球誘導樋16の下流端は、屈曲誘導樋17を介して同時に複数種類の払出しが可能な球払出装置18に接続されており、さらに球払出装置18の下方には、払出されたパチンコ球を前面枠2の前面の打球供給皿4へ導くための排出樋19が形成される。また、窓部14の下方には入賞球集合カバー11によって入賞球集合部20に集められた入賞球を1個ずつ排出処理する入賞球排出処理装置21が設けられている。
【0018】
前記球タンク15は、前後面壁22,23と左右側壁24,25および底壁26とで上面が開放された方形状の箱型をしており、底壁26は左側壁24に向って緩やかに傾斜しており、その傾斜下端にパチンコ球が導出する球導出口27を開設している。また、球導出口27と前面壁22との間の底壁26に開口29を設け、該開口29に揺動自在に軸支される球切れ検知板30aと検出スイッチ30bとからなる球切れ検出装置30を装着している。このように構成される球タンク15は、左右側壁24,25に突設した取付片31,31をビス止めすることによって機構板13上部に形成した取付凹部32に取付けられる。
【0019】
前記球誘導樋16は、図3ないし図6に示すように、機構板13に接する後面壁33と、該後面壁33に対向する前面壁34および底壁35とにより断面凹状に形成されており、球誘導樋16の上流端底壁35からパチンコ球の球心を支持する高さに立設された仕切壁36によって、パチンコ球を整列して導く複数の供給通路37a,37bが形成されている。このように構成される球誘導樋16は、球タンク15の下方に、後面壁33を機構板13に当てがって、ビス止め等の適宜手段によってパチンコ球が自然流下するように傾斜して取付けられる。
【0020】
しかして、図3および図5に示すように、前記仕切壁36の少なくとも球導出口20の下方に位置する仕切壁36a上面をパチンコ球が転動可能な幅広とし、下流側で徐々に狭めている。このため、球導出口27の幅も供給通路37a,37bの幅と仕切壁36aの幅となり、球導出口27が大きくなる。なお、本実施の形態では仕切壁36aの幅をパチンコ球ほぼ1個分の幅として説明するが、この幅に限定されることなく約パチンコ球半球から1.5球程度が望ましい。
【0021】
上記構成のパチンコ機は、遊技盤6の遊技部6aに打ち込まれた打球が、始動入賞口9に入賞すると、可変表示装置8の可変表示部に表示された数字,文字,図柄等がランダムに変動する。そして、所定時間経過すると変動が止まり、あらかじめ設定された数字,文字または図柄(例えば「7,7,7」等のぞろ目)で停止すると特定遊技状態となる。
【0022】
この特定遊技状態では、入賞装置10の開閉扉10aを一定時間経過するまでの間、または所定個数(例えば10個)の入賞球が入賞するまでの間開成し、内部の特定入賞口に入賞したことを条件に、所定回数(例えば16回)開閉扉10aを連続して開ける動作を繰り返し、球払出装置18から入賞球1個に対し所定のパチンコ球(例えば15個)が賞球として払出される。
【0023】
以上のように球払出装置18からパチンコ球が払出されると、供給通路37a,37bのパチンコ球が流動し、それに伴い仕切壁36a上のパチンコ球も上面を転動し、仕切壁36aが補助通路的な働きをして供給通路37a,37bにパチンコ球を振分け、球タンク15のパチンコ球が、底壁26の傾斜によって球導出口27から供給通路37a,37bおよび仕切壁36a上に流出する。このとき、球導出口27が幅広なため、球誘導樋16との間で球圧のために球噛みが起るのを防ぐことができ、しかも仕切壁36aが幅広なため仕切壁36でバランスがとれて球詰りを起すこともなくなる。また、幅広の仕切壁36aの終端部を山型に切削してもよく、その傾斜によりスムーズに仕切壁36a上のパチンコ球を振分けることができる。
【0024】
また、前記幅広の仕切壁36aの傾斜を球誘導樋16の傾斜と異ならせるようにしてもよく、球誘導樋16の傾斜と同じ傾斜方向で仕切壁36aの傾斜角度を大きくすることで幅広の仕切壁36a上のパチンコ球を供給通路37a,37bに速く供給でき、球誘導樋16の傾斜と逆傾斜にすることで幅広の仕切壁36a上のパチンコ球の球圧が弱められ、仕切壁36aが狭まる個所での球詰りが起らなくなる。
【0025】
図7ないし図9は、供給通路37a,37bのパチンコ球が独立して流下する実施の形態を示し、それぞれの供給通路37a,37bに球払出装置18a,18bを接続し、入賞口によって払出される賞球が異なる実施の形態を示す。また、前記実施の形態と同じ構成には同一符号を付して説明する。
【0026】
しかして、球誘導樋16Aは、図8および図9に示すように幅広の仕切壁36aの終端部から供給通路37a,37bの通路幅をパチンコ球がジグザグ状に流下する約17mmの幅広とし、終端をパチンコ球1個分の12mmとしている。さらに仕切壁36aの始端に、該仕切壁36aの高さを有しかつ球誘導樋16の幅を有する球受け部38を設けている。
【0027】
上記構成のパチンコ機は、遊技盤6の遊技部6aに打ち込まれた打球が、始動入賞口9に入賞すると、球払出装置18aから入賞球1個に相当する所定の賞球(例えば6個)が払出され、特定遊技状態となり入賞装置10に入賞すると球払出装置18bから入賞球1個に対し所定の賞球(例えば15個)が払出される。なお、球払出装置18a,18bはスプロケット等により1個ずつ電気的に払出すものを複数設けるようにしても、複数のケース体に所定個数(例えば6個,15個)を貯留して一気に払出すようにしたものでもよい。
【0028】
そして、特定遊技状態となり入賞装置10に一気に入賞すると、供給通路37aのパチンコ球が頻繁に流動し、それに伴い球タンク15のパチンコ球は、底壁26の傾斜によって球導出口27から供給通路37aおよび仕切壁36a上に流出する。このとき、供給通路37bの上方に位置する球タンク15のパチンコ球は、図9矢印に示すように球受け部38を介して供給通路37aにスムーズに供給されることになり、球タンク15のパチンコ球は均等に流出し、供給通路37aで球切れを起すことなく確実に球払出装置18aに供給することができる。また、幅広の仕切壁36a終端部から供給通路37a,37bの通路幅をパチンコ球がジグザグ状に流下する約17mmの幅広としていることから、パチンコ球にかかる球圧が拡散し弱められ、より球詰りを防止すると共に、球払出装置18a,18bが高速でパチンコ球を払出しても供給通路37a,37bのパチンコ球とパチンコ球の間に隙間があくことがなく、パチンコ球を途切れることなく供給することができる。
【0029】
また、図10に示すように幅広の仕切壁36aの上面を頻繁に流動し稼動率の高い供給通路37a側に傾斜させるようにしてもよく、供給通路37b側のパチンコ球を仕切壁36aを利用して供給通路37aに供給することができる。なお、球受け部38は図11に示すように仕切壁36aと共に別体に形成して、凹溝39を仕切壁36に嵌合するようにしてもよい。さらに、図11および図12に示すように球受け部38の下面をパチンコ球が移動可能なように空間部40として形成することにより、球タンク15からの球圧により球導出口27付近でバランスがとれそうになっても、パチンコ球が図12鎖線に示すように空間部40を自在に動いてバランスがとれるのを防ぎ、球詰りすることがない。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、仕切壁の上面をパチンコ球が転動可能な幅広とすることで、複数の供給通路にパチンコ球を供給する補助通路的な働きをすると共に、球噛み,球詰りを防ぎ球払出装置に確実に供給することができ、しかも球誘導樋の成形が楽になり、仕切壁の歪みや破損を防止することができる。
【0031】
また、仕切壁の始端に球受け部を設けることで、球タンクのパチンコ球を均等に流出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の裏面図である。
【図3】球誘導樋の斜視図である。
【図4】球タンク部分の正面断面図である。
【図5】球誘導樋を機構板に取付けた状態の平面図である。
【図6】球タンクと球誘導樋との関係を示す側断面図である。
【図7】他の実施の形態のパチンコ機の要部裏面図である。
【図8】他の実施の形態の球誘導樋の斜視図である。
【図9】球誘導樋を機構板に取付けた状態の平面図である。
【図10】仕切壁の傾斜を示す側断面図である。
【図11】球受け部の斜視図である。
【図12】球タンク部分の要部正面断面図である。
【符号の説明】
13 機構板
15 球タンク
16,16A 球誘導樋
18,18a,18b 球払出装置
26 底壁
27 球導出口
36,36a 仕切壁
37a,37b 供給通路
38 球受け部
Claims (2)
- 機構板の裏面上部に配設される球タンクの底壁に開設された球導出口から流出するパチンコ球を整列して球払出装置に導く供給通路を仕切壁により複数形成したパチンコ機の球誘導樋において、
前記球タンクの球導出口の下方に位置する前記仕切壁の上面は、幅方向に傾斜のない平坦面で且つパチンコ球の半球以上の幅であることを特徴とするパチンコ機の球誘導樋。 - 前記仕切壁の始端に、該仕切壁の高さを有し、かつ球誘導樋の幅を有する球受け部を設けたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の球誘導樋。
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