JP4380247B2 - 電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両、例えば、電動車両としての電気自動車に搭載され、電動機械としての駆動モータのトルク、すなわち、駆動モータトルクを発生させるようにした電動駆動装置においては、前記駆動モータトルクを駆動輪に伝達して駆動力を発生させるようにしている。
【0003】
また、電動車両としてのハイブリッド型車両に搭載され、エンジンのトルク、すなわち、エンジントルクの一部を第1の電動機械としての発電機(発電機モータ)に、残りを駆動輪に伝達するようにした電動駆動装置においては、サンギヤ、リングギヤ及びキャリヤを備えたプラネタリギヤユニットを有し、前記キャリヤとエンジンとを連結し、リングギヤと駆動輪とを連結し、サンギヤと発電機とを連結し、前記リングギヤ及び第2の電動機械としての駆動モータから出力された回転を駆動輪に伝達して駆動力を発生させるようにしている。
【0004】
そして、発電機及び駆動モータには、回転自在に配設され、N極及びS極の永久磁石から成る磁極対を備えたロータ、該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のステータコイルを備えたステータ等が配設される。
【0005】
また、前記電気自動車には駆動モータ制御装置が、前記ハイブリッド型車両には電動機械制御装置として発電機制御装置及び駆動モータ制御装置がそれぞれ配設され、該発電機制御装置及び駆動モータ制御装置において発生させられたU相、V相及びW相のパルス幅変調信号をインバータに送り、該インバータにおいて発生させられた相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流を前記各ステータコイルに供給することによって、非同期PWM制御を行い、前記駆動モータを駆動して駆動モータトルクを発生させたり、発電機を駆動して、発電機のトルク、すなわち、発電機トルクを発生させたりするようになっている。
【0006】
ところで、例えば、前記駆動モータ制御装置においては、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。そのために、前記駆動モータ制御装置は、各ステータコイルに供給される電流、ロータの磁極位置、インバータの入口側の直流電圧等を検出し、検出された電流、すなわち、検出電流を磁極位置に基づいてd軸電流及びq軸電流に変換し、前記直流電圧等に基づいてd軸電流及びq軸電流の目標値を表すd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出し、前記d軸電流とd軸電流指令値との偏差、及びq軸電流とq軸電流指令値との偏差が零(0)になるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−130710号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の駆動モータ制御装置においては、前記電流を検出する電流センサ、磁極位置を検出する磁極位置センサ、直流電圧を検出する電圧センサ等の各センサに検出誤差があったり、温度変化に伴って、駆動モータの逆起電圧定数Mif、ステータコイルのインダクタンスLd、Lq、ステータコイルの抵抗Ra等の機器定数が変化したりすると、実現不可能なd軸電流指令値及びq軸電流指令値を設定してしまう。
【0009】
その結果、電圧飽和が発生し、駆動モータ目標トルクTM* と実際に発生させられる駆動モータトルクTMとの間にずれが生じてしまい、走行に伴って運転者に違和感を感じさせたり、駆動モータの駆動が困難になったりしてしまう。
【0010】
そこで、制御変量として、例えば、電気角速度を補正することによって電圧飽和が発生するのを防止することが考えられるが、非同期PWM制御が行われるので、駆動モータを高速で回転させる高速回転領域では駆動モータに振動が発生してしまう。その結果、駆動モータを円滑に駆動することができない。
【0011】
本発明は、前記従来の駆動モータ制御装置の問題点を解決して、電動機械を円滑に駆動することができる電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の電動駆動制御装置においては、電動機械と、電動機械トルクの目標値を表す電動機械目標トルク及び電動機械回転速度に基づいて指令値を算出する指令値算出処理手段と、前記指令値に基づいてそれぞれ駆動信号を発生させる複数の信号発生処理手段と、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出する電圧飽和変量算出処理手段と、前記電圧飽和変量に基づいて、自動弱め界磁制御における電気角速度補正値又は磁極位置補正値を制御変量の補正値として算出する制御変量補正値算出処理手段と、前記制御変量の補正値に基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断する制御切替判定処理手段と、該制御切替判定処理手段による判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替える制御切替処理手段とを有する。
【0020】
本発明の電動駆動制御方法においては、電動機械トルクの目標値を表す電動機械目標トルク及び電動機械回転速度に基づいて指令値を算出し、該指令値に基づいて複数の駆動信号を発生させ、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出し、該電圧飽和変量に基づいて、自動弱め界磁制御における電気角速度補正値又は磁極位置補正値を制御変量の補正値として算出し、該制御変量の補正値に基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断し、該切替条件が成立したかどうかの判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替える。
【0021】
本発明のプログラムにおいては、コンピュータを、電動機械トルクの目標値を表す電動機械目標トルク及び電動機械回転速度に基づいて指令値を算出する指令値算出処理手段、前記指令値に基づいてそれぞれ駆動信号を発生させる複数の信号発生処理手段、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出する電圧飽和変量算出処理手段、前記電圧飽和変量に基づいて、自動弱め界磁制御における電気角速度補正値又は磁極位置補正値を制御変量の補正値として算出する制御変量補正値算出処理手段、前記制御変量の補正値に基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断する制御切替判定処理手段、及び該制御切替判定処理手段による判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替える制御切替処理手段として機能させる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
この場合、車両、例えば、電動車両としての電気自動車について説明するが、本発明をハイブリッド型車両に適用することもできる。
【0024】
図1は本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の機能ブロック図である。
【0025】
図において、31は電動機械としての駆動モータ、91は電動機械トルク(駆動モータトルク)の目標値を表す電動機械目標トルク(駆動モータ目標トルク)及び電動機械回転速度(駆動モータ31の回転速度、すなわち、駆動モータ回転速度)に基づいて指令値(d軸電流指令値及びq軸電流指令値)を算出する指令値算出処理手段、68、26は前記指令値に基づいてそれぞれ駆動信号(パルス幅変調信号及び矩(く)形波信号)を発生させる複数の、本実施の形態においては、第1、第2の信号発生処理手段としてのPWM発生器及び矩形波発生器、43は電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出する電圧飽和変量算出処理手段としての電圧飽和変量算出部、32は、前記電圧飽和変量に基づいて制御を非同期PWM制御と同期PWM制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断する制御切替判定処理手段としてのフラグ作成部、69は、該フラグ作成部32による判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と同期PWM制御とで切り替える制御切替処理手段としてのセレクタである。
【0026】
次に、電気自動車に搭載された電動駆動制御装置について説明する。
【0027】
図2は本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の概略図、図3は本発明の実施の形態における電動駆動制御装置のブロック図、図4は本発明の実施の形態における電圧飽和回避処理部のブロック図、図5は本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の動作を示すメインフローチャート、図6は本発明の実施の形態における位置検出処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の実施の形態における制御変量補正処理のサブルーチンを示す図、図8は本発明の実施の形態における駆動モータ制御処理のサブルーチンを示す図、図9は本発明の実施の形態における信号出力処理のサブルーチンを示す図、図10は本発明の実施の形態における電圧制限楕(だ)円を示す図、図11は本発明の実施の形態における非同期PWM制御と自動弱め界磁制御との関係を説明する図、図12は本発明の実施の形態における非同期PWM制御によるパルス幅変調信号の波形図、図13は本発明の実施の形態における非同期PWM制御による各相の電圧の波形図、図14は本発明の実施の形態における矩形波電圧制御による矩形波信号の波形図、図15は本発明の実施の形態における矩形波電圧制御による各相の電圧の波形図、図16は本発明の実施の形態における電流指令値マップにおける制御領域を示す図、図17は本発明の実施の形態における非同期PWM制御及び矩形波電圧制御の電圧制限楕円を示す図、図18は本発明の実施の形態における矩形波電圧制御と自動弱め界磁制御との関係を説明する図である。なお、図16において、横軸に駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸に電気角速度ωを採ってある。
【0028】
図において、31は電動機械としての駆動モータであり、該駆動モータ31としてDCブラシレス駆動モータが使用され、例えば、駆動モータ31は電動車両の図示されない駆動軸等に取り付けられる。前記駆動モータ31は、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、ロータコア、及び該ロータコアの円周方向における複数箇所に配設された永久磁石を備え、該永久磁石のS極及びN極によって磁極対が構成される。また、前記ステータは、円周方向における複数箇所に、径方向内方に向けて突出させてティースが形成された図示されないステータコア、並びに前記ティースに巻装されたU相、V相及びW相のコイルとしてのステータコイル11〜13を備える。
【0029】
前記ロータの出力軸に、磁極位置θを検出するための磁極位置検出部としてパルス発生型の磁極位置センサ21が配設され、該磁極位置センサ21は、センサ出力として磁極位置信号SGθを発生させ、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置45に送る。
【0030】
そして、前記駆動モータ31を駆動して電動車両を走行させるために、バッテリ14からの直流の電流が電流発生装置としてのインバータ40によって相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換され、各相の電流Iu、Iv、Iwはそれぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。
【0031】
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、各トランジスタTr1〜Tr6を選択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることができるようになっている。
【0032】
本実施の形態においては、電流発生装置としてインバータ40を使用するようになっているが、該インバータ40として、2〜6個のスイッチング素子を一つのパッケージに組み込むことによって形成されたIGBT等のパワーモジュールを使用したり、IGBTにドライブ回路等を組み込むことによって形成されたIPMを使用したりすることができる。
【0033】
前記バッテリ14からインバータ40に電流を供給する際の入口側に電圧検出部としての電圧センサ15が配設され、該電圧センサ15は、インバータ40の入口側の直流電圧Vdcを検出し、駆動モータ制御装置45に送る。前記直流電圧Vdcとしてバッテリ電圧を使用することもでき、その場合、前記バッテリ14に電圧検出部としてバッテリ電圧センサが配設される。
【0034】
なお、前記駆動モータ31、インバータ40、図示されない駆動輪等によって電動駆動装置が構成される。また、17はバッテリ14と並列に接続されたコンデンサである。
【0035】
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、U相及びV相のステータコイル11〜13のリード線にU相及びV相の電流Iu、Ivを検出する電流検出部としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34は検出電流iu、ivを駆動モータ制御装置45に送る。
【0036】
該駆動モータ制御装置45には、コンピュータとして機能する図示されないCPUのほかに、データを記録したり、各種のプログラムを記録したりするためのRAM、ROM等の図示されない記録装置が配設され、前記ROMに電流指令値マップが設定される。
【0037】
そして、前記ROMには、各種のプログラム、データ等が記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、前記駆動モータ制御装置45にフラッシュメモリを配設し、前記外部の記録媒体から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに記録する。したがって、外部の記録媒体を交換することによって、前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0038】
また、22はアクセル操作部としてのアクセルペダル23に隣接させて配設されたアクセルセンサであり、該アクセルセンサ22によってアクセルペダル23の操作量(踏込量)を表すアクセル開度αが検出される。
【0039】
次に、前記駆動モータ制御装置45の動作について説明する。
【0040】
まず、前記駆動モータ制御装置45の図示されない位置検出処理手段は、位置検出処理を行い、前記磁極位置センサ21から送られた磁極位置信号SGθを読み込み、該磁極位置信号SGθに基づいて磁極位置θを検出する。そのために、前記位置検出処理手段の電動機械回転速度算出処理手段は、電動機械回転速度算出処理を行い、前記磁極位置信号SGθに発生させられたパルス間の平均速度を駆動モータ31の制御変量としての電気角速度ωとして算出し、前記位置検出処理手段の磁極位置算出処理手段は、磁極位置算出処理を行い、前記電気角速度ωに従って磁極位置θを算出する。
【0041】
なお、前記電動機械回転速度算出処理手段は、前記電気角速度ωに基づいて電動機械回転速度としての駆動モータ回転速度NM
NM=60・ω/2π
も算出する。
【0042】
続いて、前記位置検出処理手段の制御変量補正処理手段としての電圧飽和回避処理部25は、後述されるように、制御変量補正処理を行い、駆動モータ31の駆動に伴って変化し、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量λを算出し、該電圧飽和変量λに基づいて電気角速度ωを補正する。
【0043】
次に、前記駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、検出電流iu、iv、iw、磁極位置θ、直流電圧Vdc、電気角速度ω等に基づいて駆動モータ31を駆動する。
【0044】
そのために、駆動モータ制御装置45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電気自動車の全体の制御を行う図示されない車両制御装置に送る。そして、該車両制御装置の車両用指令値算出処理手段は、車両用指令値算出処理を行い、前記車速V及びアクセル開度αを読み込み、車速V及びアクセル開度αに基づいて車両要求トルクTO* を算出し、該車両要求トルクTO* に対応させて駆動モータトルクTMの目標値を表す駆動モータ目標トルク(トルク指令値)TM* を発生させ、前記駆動モータ制御装置45に送る。なお、駆動モータトルクTMによって電動機械トルクが、駆動モータ目標トルクTM* によって電動機械目標トルクが構成される。
【0045】
ところで、前記駆動モータ制御装置45においては、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。
【0046】
そこで、前記駆動モータ制御処理手段の電流指令値算出処理手段としてのトルク指令・電流指令変換部24は、電流指令値算出処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* 、直流電圧Vdc及び電気角速度ωを読み込み、図示されない電流指令値マップ及び電流位相指令値マップを参照し、電流指令値、すなわち、d軸電流id及びq軸電流iqの目標値を表すd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出する。
【0047】
前記電流指令値マップ及び電流位相指令値マップは、各直流電圧Vdcごとに設定されていて、駆動モータ目標トルクTM* 及び電気角速度ωが与えられると、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* のベクトル長さ、並びに電流位相を算出することができる。したがって、ベクトル長さ及び電流位相に従ってd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出することができる。なお、前記電流指令値マップ及び電流位相指令値マップに代えて、直接d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出することができるような電流指令値マップを使用することができる。
【0048】
前記トルク指令・電流指令変換部24によって第1の指令値算出処理手段が構成され、該第1の指令値算出処理手段は、第1の指令値算出処理を行い、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を第1の指令値として算出する。
【0049】
次に、前記駆動モータ制御処理手段の検出電流取得処理手段は、検出電流取得処理を行い、前記検出電流iu、ivを読み込んで取得するとともに、検出電流取得処理手段の演算器35は、前記検出電流iu、ivに基づいて検出電流iw
iw=−iu−iv
を算出して取得する。なお、検出電流iwを検出するための電流センサを配設することもできる。
【0050】
続いて、前記駆動モータ制御処理手段の第1の変換処理手段としての三相二相変換部61は、第1の変換処理としての三相二相変換処理を行い、磁極位置θを読み込み、検出電流iu、iv、iwをそれぞれd軸電流id及びq軸電流iqに変換する。
【0051】
このようにして、d軸電流id及びq軸電流iqが実電流として算出され、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が算出されると、前記d軸電流及びq軸電流、並びにd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に基づいて、d軸電流idとd軸電流指令値id* とのd軸電流偏差Δid、及びq軸電流iqとq軸電流指令値iq* とのq軸電流偏差Δiqが零になるように、フィードバック制御が行われる。
【0052】
ところで、例えば、運転者がアクセルペダル23を強く踏み込んで車両を急発進させた場合に、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が急激に変動することがあるが、前記検出電流iu、iv、iwのサンプリング周期が長いと、フィードバック制御を行うに当たりゲインを大きくすることができない。そこで、検出電流iu、iv、iwがサンプリングされた後のd軸電流id及びq軸電流iq、例えば、所定の数(本実施の形態においては、一つ)のサンプリングタイミングだけ後のd軸電流id及びq軸電流iqを予測し、実質的にサンプリング周期を短くするようにしている。
【0053】
また、d軸電流id及びq軸電流iqを予測するに当たり、例えば、各ステータコイル11〜13に供給される電流Iu、Iv、Iwが変化して各ステータコイル11〜13のインダクタンスLd、Lqが変化すると、それに伴って、予測されたd軸電流idp及びq軸電流iqpに予測電流誤差が発生することがあり、その場合、フィードバック制御によってd軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqを零に近づけるのが困難になり、d軸電流id及びq軸電流iqとd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* との間に定常偏差が発生してしまう。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、予測されたd軸電流idp及びq軸電流iqpに基づいて比例制御を行い、実際のd軸電流id及びq軸電流iqに基づいて積分制御を行うようにしている。
【0055】
そのために、d軸電流idは、一方で、駆動モータ制御処理手段の電流予測処理手段としての電流予測部71に送られ、該電流予測部71において電流予測処理が行われ、一つのサンプリングタイミングだけ後のd軸電流idが算出されて予測され、予測されたd軸電流idpが予測電流として、前記駆動モータ制御処理手段の予測偏差算出処理手段としての減算器81に送られる。また、前記d軸電流idは、他方で、そのまま、実電流として、前記駆動モータ制御処理手段の実偏差算出処理手段としての減算器82に送られる。
【0056】
前記電流予測部71は、乗算器(Ra)d1、減算器d2、乗算器(T/Ld)d3及び加算器d4を備え、現在のサンプリングタイミングをn−1とし、一つ後のサンプリングタイミングをnとし、現在のd軸電流idをid(n−1)とし、サンプリング周期をTとし、ステータコイル11〜13のd軸上のインダクタンスをLdとし、ステータコイル11〜13の抵抗をRaとし、現在の電圧降下Vzdの値をVzd(n−1)としたとき、予測されたd軸電流idpの値id(n)は、
id(n)=id(n−1)+(T/Ld){Vzd(n−1)
−Ra・id(n−1)}
になる。
【0057】
そして、前記減算器81は、予測偏差算出処理を行い、d軸電流idpと前記d軸電流指令値id* との予測偏差としてのd軸電流偏差Δidpを算出し、前記減算器82は、実偏差算出処理を行い、d軸電流idと前記d軸電流指令値id* との実偏差としてのd軸電流偏差Δidを算出し、d軸電流偏差Δidp、Δidを、前記駆動モータ制御処理手段の電圧指令値算出処理手段としての電圧指令値算出部78に送る。
【0058】
同様に、q軸電流iqは、一方で、前記電流予測処理手段としての電流予測部72に送られ、該電流予測部72において電流予測処理が行われ、一つのサンプリングタイミングだけ後のq軸電流iqが算出されて予測され、予測されたq軸電流iqpが予測電流として、前記駆動モータ制御処理手段の予測偏差算出処理手段としての減算器86に送られる。また、前記q軸電流iqは、他方で、そのまま、実電流として、前記駆動モータ制御処理手段の実偏差算出処理手段としての減算器87に送られる。
【0059】
前記電流予測部72は、乗算器(Ra)q1、減算器q2、乗算器(T/Lq)q3及び加算器q4を備え、現在のq軸電流iqをiq(n−1)とし、ステータコイル11〜13のq軸上のインダクタンスをLqとし、現在の電圧降下Vzqの値をVzq(n−1)としたとき、予測されたq軸電流iqpの値iq(n)は、
iq(n)=iq(n−1)+(T/Lq){Vzq(n−1)
−Ra・iq(n−1)}
になる。
【0060】
そして、前記減算器86は、予測偏差算出処理を行い、q軸電流iqpと前記q軸電流指令値iq* との予測偏差としてのq軸電流偏差Δiqpを算出し、前記減算器87は、実偏差算出処理を行い、q軸電流iqと前記q軸電流指令値iq* との実偏差としてのq軸電流偏差Δiqを算出し、q軸電流偏差Δiqp、Δiqを、前記駆動モータ制御処理手段の電圧指令値算出処理手段としての電圧指令値算出部79に送る。
【0061】
前記電圧指令値算出部78は、電圧指令値算出処理を行い、前記d軸電流偏差Δidp、Δidが零になるように電圧指令値としてのd軸電圧指令値vd* を算出し、前記電圧指令値算出部79は、電圧指令値算出処理を行い、q軸電流偏差Δiqp、Δiqが零になるように電圧指令値としてのq軸電圧指令値vq* を算出する。
【0062】
なお、前記電圧指令値算出部78、79によって第2の指令値算出処理手段及び比例積分演算処理手段が構成され、電圧指令値算出処理によって第2の指令値算出処理及び比例積分(PI)演算処理が構成される。また、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* によって第2の指令値が構成される。前記第1、第2の指令値算出処理手段によって、指令値算出処理手段91(図1)が構成され、該指令値算出処理手段91は第1、第2の指令値算出処理を行う。
【0063】
前記電圧指令値算出部78は、比例演算処理手段としての比例演算部83、積分演算処理手段としての積分演算部84、電圧降下算出処理手段としての加算器85、及び電圧算出処理手段としての加算器74を備える。そして、前記比例演算部83において、リミッタd11及びゲイン乗算器(Gpd)d12によって比例演算処理が行われ、d軸電流偏差Δidp及び比例演算用のゲインGpdに基づいて比例項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdp
Vzdp=Gpd・Δidp
が比例演算値として算出される。また、前記積分演算部84において、積分器(1/s)d13、リミッタd14及びゲイン乗算器(Gid)d15によって積分演算処理が行われ、d軸電流偏差Δid及び積分演算用のゲインGidに基づいて積分項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdi
Vzdi=Gid・ΣΔid
が積分演算値として算出される。そして、前記加算器85において電圧降下算出処理が行われ、電圧降下Vzdp、Vzdiが加算されて、電圧降下Vzd
Vzd=Vzdp+Vzdi
=Gpd・Δidp+Gid・ΣΔid
が算出される。なお、前記リミッタd11はd軸電流偏差Δidpが、前記リミッタd14は積分値ΣΔidが発散しないように制限する。
【0064】
また、前記駆動モータ制御処理手段の第1の誘起電圧算出処理手段は、第1の誘起電圧算出処理を行い、電気角速度ω及びq軸電流iqpを読み込み、乗算器(−Lq)q16及び乗算器(ω)q18によって、前記電気角速度ω、q軸電流iqp及びq軸上のインダクタンスLqに基づいて、q軸電流iqpによって誘起される誘起電圧ed
ed=−ω・Lq・iqpを算出する。
【0065】
続いて、前記加算器74は、加算器85から送られた電圧降下Vzdに誘起電圧edを加算し、出力電圧としてのd軸電圧指令値vd*
vd* =Vzd+ed
=Vzd−ω・Lq・iqp
を算出する。このようにして、d軸電流偏差Δidp、Δidが零になるようにd軸電圧指令値vd* が発生させられ、該d軸電圧指令値vd* が、リミッタd19を介して前記駆動モータ制御処理手段の第2の変換処理手段としての二相三相変換部67に送られる。なお、前記リミッタd19は、d軸電圧指令値vd* が発散しないように制限される。
【0066】
一方、前記電圧指令値算出部79は、比例演算処理手段としての比例演算部88、積分演算処理手段としての積分演算部89、電圧降下算出処理手段としての加算器90、及び電圧算出処理手段としての加算器76を備える。そして、前記比例演算部88において、リミッタq11及びゲイン乗算器(Gpq)q12によって比例演算処理が行われ、q軸電流偏差Δiqp及び比例演算用のゲインGpqに基づいて比例項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzqp
Vzqp=Gpq・Δiqp
が比例演算値として算出される。また、前記積分演算部89において、積分器(1/s)q13、リミッタq14及びゲイン乗算器(Giq)q15によって積分演算処理が行われ、q軸電流偏差Δiq及び積分演算用のゲインGiqに基づいて積分項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzqi
Vzqi=Giq・ΣΔiq
が積分演算値として算出される。そして、前記加算器90において電圧降下算出処理が行われ、電圧降下Vzqp、Vzqiが加算されて、電圧降下Vzq
Vzq=Vzqp+Vzqi
=Gpq・Δiqp+Giq・ΣΔiq
が算出される。なお、前記リミッタq11はq軸電流偏差Δidqが、前記リミッタq14は積分値ΣΔiqが発散しないように制限される。
【0067】
また、前記駆動モータ制御処理手段の第2の誘起電圧算出処理手段は、第2の誘起電圧算出処理を行い、電気角速度ω及びd軸電流idを読み込み、乗算器(Ld)d16、加算器d17及び乗算器(ω)d18によって、前記電気角速度ω、逆起電圧定数Mif、d軸電流idp及びd軸上のインダクタンスLdに基づいて、d軸電流idpによって誘起される誘起電圧eq
eq=ω(Mif+Ld・idp)
を算出する。
【0068】
続いて、前記加算器76は、加算器90から送られた電圧降下Vzqに誘起電圧eqを加算し、出力電圧としてのq軸電圧指令値vq*
vq* =Vzq+eq
=Vzq+ω(Mif+Ld・idp)
を算出する。このようにして、q軸電流偏差Δiqp、Δiqが零になるように、q軸電圧指令値vq* が発生させられ、該q軸電圧指令値vq* がリミッタq19を介して前記二相三相変換部67に送られる。なお、前記リミッタq19は、q軸電圧指令値vq* が発散しないように制限される。
【0069】
続いて、前記二相三相変換部67は、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び磁極位置θを読み込み、第2の変換処理としての二相/三相変換を行い、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* をU相、V相及びW相の電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* に変換し、該電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* を、駆動モータ制御処理手段の第1の信号発生処理手段及び非同期PWM信号発生処理手段としてのPWM発生器68に送る。
【0070】
該PWM発生器68は、第1の信号発生処理及び非同期PWM信号発生処理を行い、前記各相の電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* 及び前記直流電圧Vdcに基づいて、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に対応するパルス幅を有する非同期PWM信号としての各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを発生させ、制御切替処理手段及び信号出力処理手段としてのセレクタ69に送る。なお、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwによって第1の駆動信号が構成される。
【0071】
前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwは、セレクタ69を介して駆動モータ制御装置45外に配設されたドライブ回路51に送られると、該ドライブ回路51は、前記各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを受けて6個のゲート信号を発生させ、該ゲート信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwに基づいて、トランジスタTr1〜Tr6を所定のキャリア周期ごとにスイッチング(オン・オフ)して各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記駆動モータ31の各ステータコイル11〜13に供給する。
【0072】
このように、駆動モータ目標トルクTM* に基づいて非同期PWM制御によるトルク制御が行われ、駆動モータ31が駆動されて電動車両が走行させられる。
【0073】
ところで、前記非同期PWM制御を行うに当たり、駆動モータ31において、各ステータコイル11〜13に各相の電流Iu、Iv、Iwを所定の振幅及び位相で供給する場合、抵抗Ra、インダクタンスLd、Lq、逆起電圧等を考慮してインバータ40のトランジスタTr1〜Tr6をスイッチングし、各ステータコイル11〜13に所定の電圧Vu、Vv、Vwを印加する必要がある。ところが、電気角速度ωが大きくなり、駆動モータ回転速度NMが高くなるのに伴って、逆起電圧が高くなると、所定のバッテリ電圧VB(又は直流電圧Vdc)では、前記各ステータコイル11〜13に前記所定の電圧Vu、Vv、Vwを印加することができなくなり、駆動モータ31が、図10に示されるd軸及びq軸から成る回転座標系において、電圧制限楕円Ov1で表される出力限界に達してしまう。そして、駆動モータ31が出力限界に達すると、前記電圧指令値算出部78、79による比例積分処理が発散してしまう。
【0074】
ここで、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwが、パルス幅で表されるオン時間が最大になるフルオン状態になるときの指令電圧をVlimとしたとき、指令電圧Vlimは、
Vlim=√(vdlim2 +vqlim2 ) ……(1)
になる。そして、フルオン状態で、しかも、定常状態におけるd軸電圧指令値vdlim及びq軸電圧指令値vqlimは、
vdlim=Ra・idlim−ω・Lq・iqlim ……(2)
vqlim=Ra・iqlim+ω(Mif+Ld・idlim)
……(3) になる。
【0075】
したがって、前記電圧制限楕円Ov1は、前記式(1)に式(2)、(3)を代入し、かつ、抵抗Raが小さいと仮定すると次の式(4)で表すことができる。
【0076】
【数1】
そして、電圧制限楕円Ov1の中心の座標はO(−Mif/Ld,0)となり、長径r1は、
r1=Vlim/(ω・Ld)
になり、短径r2は、
r2=Vlim/(ω・Lq)
になる。
【0077】
この場合、前述されたように、駆動モータ31の出力限界は前記電圧制限楕円Ov1で表されるので、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* は前記電圧制限楕円Ov1より外の値を採ることができない。そして、前記電圧制限楕円Ov1の中心で表されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq*
id* =Mif/Ld
iq* =0
が、電圧飽和に対して最も安全な値になり、前記電圧制限楕円Ov1に近い点で表されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* ほど電圧飽和によって制御の発散が発生しやすい。
【0078】
ところで、駆動モータ31が振動する等によって速度変動が大きい場合に、検出される電気角速度ωに誤差ωeが発生したときに、実現不可能なd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が設定されると、電圧飽和が発生することがある。
【0079】
この場合、電圧飽和が発生すると、駆動モータ目標トルクTM* と実際に発生させられる駆動モータトルクTMとの間にずれが生じて、走行に伴って運転者に違和感を感じさせたり、駆動モータ31の駆動が困難になったりしてしまう。
【0080】
例えば、d軸及びq軸から成る回転座標系においては、電流指令値をベクトル長さE及び電流位相β(ベクトルとd軸との成す角度)から成るベクトルBで表すことができ、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* は、
id* =−E・sinβ
iq* =E・cosβ
になる。
【0081】
この場合、図11に示されるように、例えば、電気角速度ωが低いと判断してベクトルB1が表される電流指令値を選択したときに、実際の電気角速度ωが高い場合には、所定の駆動モータ目標トルクTM* で表される等トルク曲線上においてベクトルB2で表される電流指令値を選択しないと、電圧飽和が発生してしまう。なお、Ov2は電気角速度ωが低いと判断したときの電圧制限楕円、Ov3は実際の電気角速度ωによる電圧制限楕円である。
【0082】
また、前記電流センサ33、34、磁極位置センサ21、電圧センサ15等の各センサに検出誤差があったり、温度変化に伴って、逆起電圧定数Mif、インダクタンスLd、Lq、抵抗Ra等の機器定数が変化したりしたときにも、同様に、電圧飽和が発生することがある。この場合、前記磁極位置センサ21によって検出された磁極位置θに誤差θeが生じると、該誤差θeだけ傾斜したd軸及びq軸から成る回転座標系が形成され、ステータコイル11〜13が電流位相β−θeで通電され、誤差θeだけ回転させられたベクトルで表される実現不可能な電流指令値が発生させられる。その場合も、ベクトルが電圧制限楕円の外に出てしまい、電圧飽和を発生させてしまう。
【0083】
そこで、電圧飽和が発生するのを防止するために、駆動モータ制御装置45に前記電圧飽和回避処理部25及び加算器95が配設される。そして、前記電圧飽和回避処理部25は、電圧飽和変量算出処理手段としての電圧飽和変量算出部43、及び制御変量補正値算出処理手段としての電気角速度補正値算出部44を備え、前記電圧飽和変量算出部43は、電圧飽和変量算出処理を行い、ノイズの影響を受けない変量、本実施の形態においては、d軸電流指令値id* 、q軸電流指令値iq* 及び電圧降下Vzdi、Vzqiに基づいて電圧飽和変量λを算出し、前記電気角速度補正値算出部44は、電気角速度補正値算出処理を行い、前記電圧飽和変量λに基づいて積分演算を行い、電気角速度ωを補正するための補正値を表す電気角速度補正値dωを算出する。また、前記加算器95は、電気角速度ωに電気角速度補正値dωを加算することによって値ω+dωを算出し、該値ω+dωを補正された後の電気角速度ωとしてトルク指令・電流指令変換部24に送る。
【0084】
そのために、電圧飽和変量算出部43において、乗算器(−Lq)q21、乗算器(ω)q23によって、q軸電流指令値iq* に基づいて、非干渉項分の電圧指令値−ω・Lq・iq* が算出され、加算器d24によって、前記非干渉項分の電圧指令値−ω・Lq・iq* と積分項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdiとが加算されてd軸電圧指令値vdf* が算出される。また、乗算器(Ld)d21、加算器d22、乗算器(ω)d23によって、d軸電流指令値id* に基づいて、非干渉項分の電圧指令値ω(Mif+Ld・id* )が算出され、加算器q24によって、前記非干渉項分の電圧指令値ω(Mif+Ld・id* )と積分項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzqiとが加算されてq軸電圧指令値vqf* が算出される。
【0085】
なお、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* は、電気角速度ωに基づいて算出されるが、電気角速度ωは算出処理上、磁極位置θの誤差θeを含まないので、本来ノイズの影響を受けない。また、電圧降下Vzdi、Vzqiは、積分演算部84、89による積分演算処理が行われて算出されたものであるので、ノイズの影響を無視することができる。したがって、d軸電圧指令値vdf* 及びq軸電圧指令値vqf* はノイズの影響を受けない。また、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に基づいてd軸電圧指令値vdf* 及びq軸電圧指令値vqf* を算出するようになっているので電圧飽和が発生するのを早く検出することができる。
【0086】
なお、比例項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdp、Vzqpは、定常状態においてほぼ零であるので、d軸電圧指令値vdf* 及びq軸電圧指令値vqf* を算出する上で無視される。
【0087】
続いて、電圧飽和変量算出部43において、d軸電圧指令値vdf* は、リミッタd25を介して乗算器d26(x)に送られ、該乗算器d26(x)によって二乗され、q軸電圧指令値vqf* はリミッタq25を介して乗算器q26(x)に送られ、該乗算器q26(x)によって二乗され、加算器f1によって値vdf* 2 と値vqf* 2 とが加算されて指令電圧Vom
Vom=√(vdf* 2 +vqf* 2 )
が算出される。なお、前記リミッタd25はd軸電圧指令値vdf* を、前記リミッタq25はq軸電圧指令値vqf* を発散しないように制限する。
【0088】
そして、電圧飽和回避処理部25の指令電圧制限値算出処理手段としての指令電圧制限値作成部29は、指令電圧制限値算出処理を行い、直流電圧Vdcを読み込み、該直流電圧Vdcに基づいて、電圧飽和が発生しないようにするための指令電圧Vomの目標値を表す指令電圧制限値Vom*
Vom* =√((2/3)Vdc)
を算出し、減算器f2に送る。
【0089】
そして、前記電圧飽和変量算出部43において、減算器f2は、電圧飽和変量λとして指令電圧Vomと指令電圧制限値Vom* との偏差ΔVom
ΔVom=Vom−Vom*
を算出し、該偏差ΔVomを電気角速度補正値算出部44に送る。
【0090】
続いて、電気角速度補正値算出部44において、前記偏差ΔVomに基づいて、積分器(1/s)h1によって偏差ΔVomが積分され、積分値ΣΔVomが算出され、リミッタh2によって積分値ΣΔVomの発散が制限され、ゲイン乗算器(Gi)h3によって積分成分Gi・ΣΔVomが電気角速度補正値dωとして算出される。前記リミッタh2は、非同期PWM制御が行われている間、積分値ΣΔVomが所定の電圧を超えないようにする。
【0091】
このようにして、電気角速度補正値dωが算出されると、該電気角速度補正値dωは前記加算器95に送られ、該加算器95は、電気角速度ωに電気角速度補正値dωを加算し、電気角速度ωを補正する。
【0092】
このように、電気角速度ωが電圧飽和変量λに対応させて補正されるので、磁極位置センサ21として電気角速度ωの誤差が大きいセンサを使用したり、振動等による速度変動が大きい駆動モータ31を使用したりしても、電圧飽和が発生するのを防止することができる。したがって、電気自動車の走行に伴って運転者に違和感を感じさせたり、電圧飽和が発生して駆動モータ31の駆動が困難になったりすることがない。
【0093】
また、前記電流センサ33、34、磁極位置センサ21、電圧センサ15等の各センサに検出誤差があったり、温度変化に伴って、逆起電圧定数Mif、インダクタンスLd、Lq、抵抗Ra等の機器定数が変化したりしたときにも、同様に、電気角速度ωが電圧飽和変量λに対応させて補正されるので、電圧飽和が発生するのを防止することができる。したがって、電気自動車の走行に伴って運転者に違和感を感じさせたり、電圧飽和が発生して駆動モータ31の駆動が困難になったりすることがない。
【0094】
ところで、前記非同期PWM制御においては、各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwが図12に示されるように発生させられ、各相の電圧Vu、Vv、Vw(図13においては、電圧Vuだけが示される。)が前記各ステータコイル11〜13に印加される。
【0095】
この場合、電圧Vu、Vv、Vwの振幅の上限Vhmaxは、
Vhmax=0.58×Vdc
であり、それ以上の電圧Vu、Vv、Vwを印加して過変調領域で駆動モータ31を駆動しようとすると、比例積分演算処理において、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* の変動に電圧指令値算出部78、79による電圧指令値算出処理が追随することができず、電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* に振動が発生してしまう。
【0096】
また、前記非同期PWM制御において、トランジスタTr1〜Tr6によるスイッチングのタイミングは、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* の位相と同期させられるようになっていないので、駆動モータ31を高速で回転させる高速回転領域で駆動しようとすると、電圧Vu、Vv、Vwに振動が発生し、ビート現象が現れてしまう。そこで、高速回転領域においては、十分な駆動モータトルクTMを発生させることができなくなってしまう。
【0097】
すなわち、前記非同期PWM制御は、主として、駆動モータ31を中速又は低速で回転させる中速回転領域又は低速回転領域で行うのには適しているが、駆動モータ31を高速で回転させる高速回転領域で行うのには適さない。したがって、駆動モータ31を円滑に駆動することができない。
【0098】
そこで、本実施の形態においては、前記非同期PWM制御のほかに、同期PWM制御、例えば、矩形波電圧制御(1パルス制御)を行うことができるようになっていて、所定の切替条件が成立すると、制御が非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えられるようになっている。そのために、前記電気角速度補正値dωは、電圧飽和回避処理部25の制御切替判定処理手段としてのフラグ作成部32に送られる。該フラグ作成部32は、制御切替判定処理を行い、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替判定指標として前記電気角速度補正値dωを読み込み、該電気角速度補正値dωに基づいて、所定の第1、第2の切替条件が成立するかどうかを判断し、該第1、第2の切替条件が成立すると、制御切替用の切替信号としてのフラグIPを設定する。すなわち、前記フラグ作成部32は、電気角速度補正値dωが閾(しきい)値dωth1以上である場合、第1の切替条件が成立したと判断し、フラグIPをオンにし、電気角速度補正値dωが閾値dωth2より小さい場合、第2の切替条件が成立したと判断し、フラグIPをオフにする。なお、電気角速度補正値dωが閾値dωth1より小さく、閾値dωth2以上である場合、前記フラグ作成部32はフラグIPを変更しない。
【0099】
また、電圧指令値算出部78、79は、二相三相変換部67のほかに、第2の信号発生処理手段及び同期PWM信号発生処理手段としての矩形波発生器26にも接続され、電圧指令値算出部78、79によってd軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* が算出されると、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* は矩形波発生器26にも送られるようになっている。
【0100】
そして、該矩形波発生器26は、第2の信号発生処理及び同期PWM信号発生処理を行い、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に基づいて、図14に示されるような同期PWM信号としての各相の矩形波信号Gu、Gv、Gwを発生させ、前記セレクタ69に送る。前記矩形波信号Gu、Gv、Gwは、電気角で360〔°〕の間に一回ずつ180〔°〕のパルス幅で発生させられ、矩形波の形状の電圧から成り、第2の駆動信号を構成する。
【0101】
そして、前記セレクタ69は、制御切替処理及び信号出力処理を行い、前記電圧飽和回避処理部25から送られた制御切換用のフラグIPを読み込み、該フラグIPのオン・オフに従ってパルス幅変調信号Mu、Mv、Mw及び矩形波信号Gu、Gv、Gwのうちのいずれか一方を選択し、前記ドライブ回路51に送ることによって出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替える。
【0102】
本実施の形態において、前記フラグIPがオンである場合、セレクタ69は矩形波信号Gu、Gv、Gwを出力し、制御を非同期PWM制御から矩形波電圧制御に切り替える。また、前記フラグIPがオフである場合、セレクタ69はパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを出力し、制御を矩形波電圧制御から非同期PWM制御に切り替える。
【0103】
そして、前記矩形波電圧制御において、前記矩形波信号Gu、Gv、Gwがドライブ回路51に送られると、該ドライブ回路51は、前記各相の矩形波信号Gu、Gv、Gwを受けて6個のゲート信号を発生させ、該ゲート信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記矩形波信号Gu、Gv、Gwに基づいて、トランジスタTr1〜Tr6を所定のキャリア周期でスイッチング(オン・オフ)して各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記駆動モータ31の各ステータコイル11〜13に供給する。
【0104】
この場合、各相の矩形波信号Gu、Gv、Gwが出力されるのに伴って、図15に実線で示されるように、各相の電圧Vu、Vv、Vwが前記各ステータコイル11〜13に印加される(図15においては、電圧Vuだけが示される。)。そして、各電圧Vu、Vv、Vwの基本波成分(図15において破線で示される。)の振幅の上限Vhmaxは、
Vhmax=0.64×Vdc
になる。
【0105】
前記矩形波電圧制御において、トランジスタTr1〜Tr6によるスイッチングのタイミングは、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* の位相と同期するので、駆動モータ31を高速回転領域で駆動しても、電圧Vu、Vv、Vwに振動が発生することがなく、ビート現象が現れることはない。
【0106】
この場合、矩形波電圧制御においては、矩形波信号Gu、Gv、Gwの電圧は一定であるので、基本波成分の上限Vhmaxを変化させることができない。したがって、矩形波電圧制御において駆動モータ31を中速回転領域及び低速回転領域で駆動しようとすると、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* が過剰に高くなり、駆動モータ31の駆動効率が低くなってしまう。そこで、前記矩形波電圧制御は、駆動モータ31を高速回転領域で駆動するのに適している。
【0107】
なお、図16に示されるように、電流指令値マップにおいて制御領域AR1、AR2が設定され、電気角速度補正値dωが閾値dωth2より小さい場合、フラグIPがオフにされ、制御領域AR1内で非同期PWM制御が行われ、駆動モータ目標トルクTM* 及び補正された後の電気角速度ω(値ω+dω)に対応するd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が電流指令値マップから読み出され、電気角速度補正値dωが閾値dωth1以上である場合、フラグIPがオンにされ、制御領域AR2内で矩形波電圧制御が行われ、同様に駆動モータ目標トルクTM* 及び補正された後の電気角速度ωに対応するd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が電流指令値マップから読み出される。そのために、図17に示されるように、非同期PWM制御用の電圧制限楕円Ov1及び矩形波電圧制御用の電圧制限楕円Ov4が設定され、前記電圧制限楕円Ov1上、及び電圧制限楕円Ov1より径方向内方のd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が制御領域AR1内に、前記電圧制限楕円Ov4上のd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が制御領域AR2内に設定される。
【0108】
なお、前記制御領域AR1において、駆動モータ目標トルクTM* の上限値は、補正された後の電気角速度ωが値ω1より小さい場合、一定の値を採り、補正された後の電気角速度ωが値ω1以上になると小さくなり、補正された後の電気角速度ωが値ω2になると0〔Nm〕になる。
【0109】
そして、前記制御領域AR2において、補正された後の電気角速度ωが値ω1以上になると、矩形波電圧制御において達成することができるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が電流指令値マップに加えられ、補正された後の電気角速度ωが大きくなるほど駆動モータ目標トルクTM* の上限値は、二次曲線状に小さくされる。
【0110】
したがって、前記制御領域AR1において非同期PWM制御が行われているときに、駆動モータ目標トルクTM* 及び補正された後の電気角速度ωに対応する電圧制限楕円Ov1上、及び電圧制限楕円Ov1より径方向内方のd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値Iq* が読み出され、このとき、電気角速度補正値dωはほぼ0になる。そして、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるの伴って、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が非同期PWM制御では達成することができない値になり、電気角速度補正値dωが閾値dωth1以上になると、制御が切り替えられ、前記制御領域AR2において矩形波電圧制御が行われるようになる。そして、該矩形波電圧制御においては、駆動モータ目標トルクTM* 及び補正された後の電気角速度ωに対応する電圧制限楕円Ov4上のd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値Iq* が読み出され、これに伴って、電気角速度補正値dωはほぼ0になる。続いて、矩形波電圧制御が行われているときに、駆動モータ目標トルクTM* が小さくなると、それに伴って、電気角速度補正値dωが小さくなり、電気角速度補正値dωが閾値dωth2(負)より小さくなると、制御が切り替えられ、前記制御領域AR1において非同期PWM制御が行われるようになる。
【0111】
なお、電気角速度補正値算出部44において、前記リミッタh2は、非同期PWM制御が行われている間、積分値ΣΔVomが所定の電圧を超えないようにするが、矩形波電圧制御が行われている間、積分値ΣΔVomが所定の電圧になるようにするので、電気角速度補正値dωは負の値を採りうる。
【0112】
ところで、前記矩形波電圧制御が行われている間に、磁極位置センサ21、電圧センサ15等の各センサに検出誤差があったり、温度変化に伴って、逆起電圧定数Mif、インダクタンスLd、Lq、抵抗Ra等の機器定数が変化すると、同じ電圧Vu、Vv、Vwをステータコイル11〜13に印加しても、ステータコイル11〜13を流れる電流Iu、Iv、Iwが変化し、ベクトルが電圧制限楕円の外に出てしまうことがある。
【0113】
図18に示されるように、例えば、インダクタンスLd、Lqが小さいと判断して、ベクトルB3で表されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を選択したときに、温度変化に伴って実際のインダクタンスLd、Lqが大きい場合には、所定の駆動モータ目標トルクTM* で表される等トルク曲線上においてベクトルB4で表されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を選択しないと、電圧飽和が発生してしまう。なお、Ov5はインダクタンスLd、Lqが小さいと判断したときの電圧制限楕円、Ov6は実際のインダクタンスLd、Lqによる電圧制限楕円である。
【0114】
ところで、矩形波電圧制御においては、原理上、電圧制限楕円Ov6上でだけベクトルB4で表されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を選択することができ、電圧制限楕円Ov6上と異なる点のd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を選択することができない。したがって、インダクタンスLd、Lqが小さいと判断して、ベクトルB3で表されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を選択した場合、積分項分の電圧降下Vzdi、Vzqiが次第に大きくなり、前記比例積分処理手段による比例積分処理が発散してしまう。
【0115】
この場合、本実施の形態においては、前述されたように、電圧降下Vzdi、Vzqiに基づいて電気角速度補正値dω(>0)が算出され、その結果、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* がベクトルB3で表される値からベクトルB4で表される値に徐々に変更される。そして、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* がベクトルB4で表される値になると、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* が一定になり、自動弱め界磁制御が収束し、駆動モータ目標トルクTM* と実際に発生させられる駆動モータトルクTMとの間にずれが生じないようにすることができる。
【0116】
これに対して、インダクタンスLd、Lqが大きいと判断して、所定のベクトルで表されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を選択したときに、実際のインダクタンスLd、Lqが小さい場合には、積分項分の電圧降下Vzdi、Vzqiが次第に小さくなり、前記比例積分処理手段による比例積分処理が発散してしまう。
【0117】
この場合、本実施の形態においては、前述されたように、電圧降下Vzdi、Vzqiに基づいて電気角速度補正値dω(<0)が算出され、その結果、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が同様に変更される。そして、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が本来のベクトルで表される値になると、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* が一定になり、自動弱め界磁制御が収束し、駆動モータ目標トルクTM* と実際に発生させられる駆動モータトルクTMとの間にずれが生じないようにすることができる。
【0118】
このように、電圧飽和変量λに基づいて電気角速度補正値dωが算出され、該電気角速度補正値dωに基づいて、制御が非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えられるので、駆動モータ31を高速回転領域で駆動しても、電圧Vu、Vv、Vwに振動が発生することがなく、ビート現象が現れることがない。また、駆動モータ31を中速回転領域及び低速回転領域で駆動しても、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* が過剰に高くなることがなく、駆動モータ31の駆動効率を高くすることができる。さらに、駆動モータ目標トルクTM* と実際に発生させられる駆動モータトルクTMとの間にずれが生じないようにすることができるので、走行に伴って運転者に違和感を感じさせたり、駆動モータ31の駆動が困難になったりするのを防止することができる。したがって、駆動モータ31を円滑に駆動することができる。
【0119】
次に、図5のフローチャートについて説明する。
ステップS1 位置検出処理を行う。
ステップS2 駆動モータ制御処理を行い、処理を終了する。
【0120】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS1−1 電動機械回転速度算出処理を行う。
ステップS1−2 磁極位置算出処理を行う。
ステップS1−3 制御変量補正処理を行い、リターンする。
【0121】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS1−3−1 電圧飽和変量算出処理を行う。
ステップS1−3−2 電気角速度補正値算出処理を行う。
ステップS1−3−3 電気角速度補正値dωが閾値dωth1以上であるかどうかを判断する。電気角速度補正値dωが閾値dωth1以上である場合はステップS1−3−4に、電気角速度補正値dωが閾値dωth1より小さい場合はステップS1−3−5に進む。
ステップS1−3−4 フラグIPをオンにする。
ステップS1−3−5 電気角速度補正値dωが閾値dωth2より小さいかどうかを判断する。電気角速度補正値dωが閾値dωth2より小さい場合はステップS1−3−6に進み、電気角速度補正値dωが閾値dωth2以上である場合はリターンする。
ステップS1−3−6 フラグIPをオフにし、リターンする。
【0122】
次に、図8のフローチャートについて説明する。
ステップS2−1 電圧指令値算出処理を行う。
ステップS2−2 検出電流取得処理を行う。
ステップS2−3 三相二相変換処理を行う。
ステップS2−4 比例積分演算処理を行う。
ステップS2−5 二相三相変換処理を行う。
ステップS2−6 第1の信号発生処理を行う。
ステップS2−7 第2の信号発生処理を行う。
ステップS2−8 信号出力処理を行い、リターンする。
【0123】
次に、図9のフローチャートについて説明する。
ステップS2−8−1 フラグIPがオンであるかどうかを判断する。フラグIPがオンである場合はステップS2−8−2に、フラグIPがオフである場合はステップS2−8−3に進む。
ステップS2−8−2 矩形波信号Gu、Gv、Gwを出力し、リターンする。
ステップS2−8−3 パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを出力し、リターンする。
【0124】
ところで、本実施の形態においては、電気角速度補正値dωに基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるようにしているが、補正された後の電気角速度ωの値ω+dωに基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えることができる。その場合、前記フラグ作成部32は、値ω+dωが閾値ω+dωth以上である場合にフラグIPをオンにし、値ω+dωが閾値ω+dωth小さい場合にフラグIPをオフにする。
【0125】
また、本実施の形態においては、電圧飽和変量λに基づいて電気角速度補正値dωが算出されるようになっているが、電圧飽和変量λに基づいて磁極位置θの補正値を表す磁極位置補正値dθを算出し、磁極位置補正値dθを磁極位置θに加算することによって制御変量としての磁極位置θを補正することができる。その場合、磁極位置補正値dθに基づいて制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えることができる。すなわち、前記フラグ作成部32は、磁極位置補正値dθが閾値dθth以上である場合にフラグIPをオンにし、磁極位置補正値dθが閾値dθthより小さい場合にフラグIPをオフにする。さらに、補正された後の磁極位置θの値θ+dθに基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えることができる。その場合、前記フラグ作成部32は、値θ+dθが閾値θ+dθth以上である場合にフラグIPをオンにし、値θ+dθが閾値θ+dθth小さい場合にフラグIPをオフにする。さらに、直流電圧Vdcに基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えることができる。
【0126】
本実施の形態においては、電圧飽和変量λとして偏差ΔVomを使用して電気角速度補正値dωを算出するようにしているが、電圧飽和変量λとして指令電圧Vomを使用したり、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwのオン時間を使用したりして電気角速度補正値dωを算出することができる。
【0127】
前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwのオン時間を使用する場合、電圧飽和変量算出部は、電圧飽和変量算出処理を行い、磁極位置θに誤差θeが生じるのに伴って発生するノイズの影響を受けない変量として、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwのオン時間Tu、Tv、Twを読み込み、該オン時間Tu、Tv、Twに基づいて電圧飽和変量λを算出し、電気角速度補正値算出部は、電気角速度補正値算出処理を行い、前記電圧飽和変量λに基づいて積分演算を行い、電気角速度ωを補正するための電気角速度補正量dωを算出する。
【0128】
そのために、電圧飽和変量算出部において、選択手段としてのセレクタは、選択処理を行い、所定のサンプリング周期Tでオン時間Tu、Tv、Twを読み込み、オン時間Tu、Tv、Twのうちの最大のオン時間Tmaxを選択する。また、指令電圧制限値作成部は、パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwのフルオン状態のオン時間をTfonとしたとき、オン時間Tfonの近傍の値を、目標値を表すオン時間制限値T* として設定し、減算器によって、電圧飽和変量λとしての、オン時間Tmaxとオン時間制限値T* との偏差ΔT
ΔT=Tmax−T*
を算出する。
【0129】
このようにして、電圧飽和変量λが算出されると、電気角速度補正値算出部において、電気角速度補正量dωが算出される。
【0130】
ところで、本実施の形態においては、電圧飽和変量λとして偏差ΔVomが使用されるようになっているが、偏差ΔVomは、非同期PWM制御及び矩形波電圧制御のいずれにおいても、算出することができる。したがって、非同期PWM制御から矩形波電圧制御への切替え、及び矩形波電圧制御から非同期PWM制御への切替えのいずれも、電気角速度補正値dωに基づいて行われる。
【0131】
これに対して、電圧飽和変量λとして前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwのオン時間を使用する場合、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwは非同期PWM制御において発生させられるが、矩形波電圧制御においては発生させられない。したがって、非同期PWM制御から矩形波電圧制御への切替えについては、偏差ΔTに基づいて行われるが、矩形波電圧制御から非同期PWM制御への切替えについては、電流位相に基づいて行われる。
【0132】
本実施の形態においては、同期PWM信号発生処理手段として矩形波発生器26が使用され、該矩形波発生器26によって同期PWM信号として矩形波信号Gu、Gv、Gwが発生させられるようになっているが、同期PWM信号発生処理手段として同期PWM信号発生器を使用し、該同期PWM信号発生器によって同期PWM信号として3パルス信号、5パルス信号等を発生させ、3パルス制御、5パルス制御等を行うこともできる。
【0133】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0134】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電動駆動制御装置においては、電動機械と、電動機械トルクの目標値を表す電動機械目標トルク及び電動機械回転速度に基づいて指令値を算出する指令値算出処理手段と、前記指令値に基づいてそれぞれ駆動信号を発生させる複数の信号発生処理手段と、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出する電圧飽和変量算出処理手段と、前記電圧飽和変量に基づいて、自動弱め界磁制御における電気角速度補正値又は磁極位置補正値を制御変量の補正値として算出する制御変量補正値算出処理手段と、前記制御変量の補正値に基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断する制御切替判定処理手段と、該制御切替判定処理手段による判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替える制御切替処理手段とを有する。
【0135】
この場合、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立すると、駆動信号が選択されて出力され、制御が非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えられるようになっているので、電動機械を高速回転領域で駆動しても、電圧に振動が発生することがなく、ビート現象が現れることがない。また、電動機械を中速回転領域及び低速回転領域で駆動しても、電圧指令値が過剰に高くなることがなく、電動機械の駆動効率を高くすることができる。さらに、電動機械目標トルクと実際に発生させられる電動機械トルクとの間にずれが生じないようにすることができるので、走行に伴って運転者に違和感を感じさせたり、電動機械の駆動が困難になったりするのを防止することができる。したがって、電動機械を円滑に駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における電動駆動制御装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における電圧飽和回避処理部のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における電動駆動制御装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における位置検出処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における制御変量補正処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における駆動モータ制御処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における信号出力処理のサブルーチンを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における電圧制限楕円を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における非同期PWM制御と自動弱め界磁制御との関係を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態における非同期PWM制御によるパルス幅変調信号の波形図である。
【図13】本発明の実施の形態における非同期PWM制御による各相の電圧の波形図である。
【図14】本発明の実施の形態における矩形波電圧制御による矩形波信号の波形図である。
【図15】本発明の実施の形態における矩形波電圧制御による各相の電圧の波形図である。
【図16】本発明の実施の形態における電流指令値マップにおける制御領域を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態における非同期PWM制御及び矩形波電圧制御の電圧制限楕円を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における矩形波電圧制御と自動弱め界磁制御との関係を説明する図である。
【符号の説明】
26 矩形波発生器
31 駆動モータ
32 フラグ作成部
43 電圧飽和変量算出部
44 電気角速度補正値算出部
45 駆動モータ制御装置
68 PWM発生器
69 セレクタ
78、79 電圧指令値算出部
91 指令値算出処理手段
Claims (5)
- 電動機械と、電動機械トルクの目標値を表す電動機械目標トルク及び電動機械回転速度に基づいて指令値を算出する指令値算出処理手段と、前記指令値に基づいてそれぞれ駆動信号を発生させる複数の信号発生処理手段と、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出する電圧飽和変量算出処理手段と、前記電圧飽和変量に基づいて、自動弱め界磁制御における電気角速度補正値又は磁極位置補正値を制御変量の補正値として算出する制御変量補正値算出処理手段と、前記制御変量の補正値に基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断する制御切替判定処理手段と、該制御切替判定処理手段による判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替える制御切替処理手段とを有することを特徴とする電動駆動制御装置。
- 前記電圧飽和変量算出処理手段は、前記指令値に基づいて電圧飽和変量を算出する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
- 前記電圧飽和変量算出処理手段は、前記駆動信号に基づいて電圧飽和変量を算出する請求項1又は2に記載の電動駆動制御装置。
- 電動機械トルクの目標値を表す電動機械目標トルク及び電動機械回転速度に基づいて指令値を算出し、該指令値に基づいて複数の駆動信号を発生させ、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出し、該電圧飽和変量に基づいて、自動弱め界磁制御における電気角速度補正値又は磁極位置補正値を制御変量の補正値として算出し、該制御変量の補正値に基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断し、該切替条件が成立したかどうかの判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えることを特徴とする電動駆動制御方法。
- コンピュータを、電動機械トルクの目標値を表す電動機械目標トルク及び電動機械回転速度に基づいて指令値を算出する指令値算出処理手段、前記指令値に基づいてそれぞれ駆動信号を発生させる複数の信号発生処理手段、電圧飽和の発生しやすさを表す電圧飽和変量を算出する電圧飽和変量算出処理手段、前記電圧飽和変量に基づいて、自動弱め界磁制御における電気角速度補正値又は磁極位置補正値を制御変量の補正値として算出する制御変量補正値算出処理手段、前記制御変量の補正値に基づいて、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替えるための切替条件が成立したかどうかを判断する制御切替判定処理手段、及び該制御切替判定処理手段による判断結果に基づいて前記駆動信号を選択して出力し、制御を非同期PWM制御と矩形波電圧制御とで切り替える制御切替処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。
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