JP4996847B2 - サーボモータにおける電流制御方法,電流制御プログラム,記録媒体,サーボモータ - Google Patents
サーボモータにおける電流制御方法,電流制御プログラム,記録媒体,サーボモータ Download PDFInfo
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Description
逆起電力E(=ω・Φ)は、ωに比例するので、高速回転時ほど大きくなる。同図9において、高速回転時に逆起電力ベクトルEが大きくなると、その先端がリンク電圧円の周縁に近づくため、大きなq軸電流Iqを流すことができなくなってしまう。なぜなら、q軸電流Iqを大きくすると、同図中R・Iqとして表示される+q軸方向(Eと同方向)の駆動電圧ベクトルが長くなり、E+R・Iqのベクトル和の先端がリンク電圧円の外部に出てしまい、電圧飽和が発生してしまうからである。
本発明の電流制御方法では、電圧飽和の発生を防止するために、各相の電機子巻線に印加する各電圧指令値に基づいて位相角θを制御して、無効電流Idの大きさを制御している。具体的には後述するが、大雑把に言えば、各相への各電圧指令値が大きくなって電圧飽和が発生する可能性が高くなったときは、位相角θを大きくして無効電流Idを大きくし、各相への各電圧指令値が小さくなって電圧飽和が発生する可能性が低くなったときは、位相角θを小さくして無効電流Idを小さくする。なお、後述するように、位相角θの制御に利用する各相への各電圧指令値は、現在の値でもよいし、過去の値でもよい。
以上のように、本発明の電流制御方法では、電機子における電圧飽和の発生と直接的に関係する各相の電機子巻線への各電圧指令値に基づいて位相角θを制御して無効電流Idの大きさを制御しているため、電圧飽和が発生しそうな場合に限って必要最小限の無効電流Idを流すことができるので、余分な無効電流Idを流すことなく、的確に電圧飽和の発生を防止することができる。
本発明の電流制御方法では、電圧飽和の発生を防止するために、電機子における電圧飽和の発生と直接的に関係する各相の電機子巻線への各電圧指令値に基づいて位相角θを制御して無効電流Idの大きさを制御しているため、電圧飽和が発生しそうな場合に限って必要最小限の無効電流Idを流すことができるので、余分な無効電流Idを流すことなく、的確に電圧飽和の発生を防止することができる。
すなわち、各相への各電圧指令値の少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えて電圧飽和が発生する可能性が高くなると、Voを超えた電圧指令値をV(Voを超えた電圧指令値が複数ある場合は、最大の電圧指令値とする)として、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°、を満たすようにθを制御する。ここで、V=Voのときには、θ=0°となって無効電流Idが流されず、Vo<V<Vmaxのときには、θ≠0°(0°<θ<90°)となって無効電流Idが流される。そして、Vが大きくなれば、θが大きくなって無効電流Idは(負方向に)大きくなり、V=Vmaxとなると、θ=90°となり、無効電流Idは最大になる。
この電流制御方法では、各相への各電圧指令値と電圧指令値閾値Voとの比較を周期的に行い、ここで得られた(過去の)比較結果に基づいて位相角θを制御する。ここで、各回の比較結果は、「各電圧指令値の全てが電圧指令値閾値Voを超えていない」(電圧飽和が発生する可能性が低い)というものと、「各電圧指令値の少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えている」(電圧飽和が発生する可能性が高い)というものとに2分することができる。そして、以下で述べるように、前者の比較結果は位相角θを小さくするように寄与し、後者の比較結果は位相角θを大きくするように寄与する。
実際のθの決定は、時間的に直前のNo回分の比較結果を抽出して行われる。すなわち、抽出されたNo回分の比較結果のうち、「各電圧指令値の少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えている」(電圧飽和が発生する可能性が高い)という比較結果の数をNとして、θ=(N/No)・90°、を満たすようにθを制御する。ここで、N=0のとき(過去No回分の比較の全てにおいて、電圧飽和が発生する可能性が低いとの比較結果が得られたとき)には、θ=0°となって無効電流Idが流されず、0<N<Noのとき(過去No回分の比較のうちN回において、電圧飽和が発生する可能性が高いとの比較結果が得られたとき)には、θ≠0°(0°<θ<90°)となって無効電流Idが流される。そして、Nが大きくなれば、θが大きくなって無効電流Idは(負方向に)大きくなり、N=Noとなると(過去No回分の比較の全てにおいて、電圧飽和が発生する可能性が高いとの比較結果が得られたとき)、θ=90°となり、無効電流Idは最大になる。
このような構成により、電機子に過度の電流が流れることを防止して、サーボモータの破損を防止することができる。
この電流制御方法によれば、電機子を流れる総電流Iの絶対値|I|が、電機子における許容電流値Imaxを超えないように制限されるので、電機子に過度の電流が流れることを防止して、サーボモータの破損を防止することができる。
本発明の記録媒体は、前記電流制御プログラムが記録され、サーボモータに組み込まれたコンピュータによって読み取り可能であることを特徴とする。
以上のようなサーボモータは、前述した本発明の電流制御方法を実施するための構成を備えているので、本発明の電流制御方法と同じ各作用・効果を奏することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかるサーボモータ1の等価回路図である。
サーボモータ1は、永久磁石によって構成される界磁11と、3相(u相,v相,w相)の電機子巻線を有する電機子12とを備える3相同期モータである。界磁11は、ロータとして回転可能に設けられている。ステータとしての電機子12の各相の電機子巻線に、互いに位相が120°ずつ異なる交流電圧(電機子電圧)を印加すると、この交流電圧と同一の周波数で回転する電機子磁束を発生することができる。界磁11は、この回転電機子磁束に対して自身の界磁束を平行にしようとする磁気的な力を受けて、当該回転電機子磁束に追従して回転する(回転角度ψ、回転角速度ω=dψ/dt。以下、特に断らない限りω≧0(時計回り)、と仮定する)。以上のようにして、サーボモータ1では回転動力が発生される。
なお、図1において、Vu,Vv,Vwは電機子12の各相の電機子電圧、Rは各相共通の抵抗、L´は各相共通の自己インダクタンス、M´は各相間の相互インダクタンスである。また、界磁11の回転角度ψは、界磁束の方向(界磁11のN極とS極とを結ぶ方向)が、電機子12のu相の形成方向に対してなす角度として定義される。
図2において、d軸は界磁束の方向と一致され、これと直交する方向にq軸が形成されている。図1における3相(u相,v相,w相)の電機子巻線は、d相,q相からなる2相の電機子巻線に変換されている。
この図において、Vd,Vqは各相の電機子電圧、Id,Iqは各相の電機子電流、Rは各相共通の抵抗、Lは各相共通の自己インダクタンス、Φは各相の電機子巻線に鎖交する総磁束である。これらの各量は、同期モータに関して知られている次の回路方程式を満たす。
位置指令器21は、所定のパートプログラムに従ってサーボモータ1の回転角度(界磁11の回転角度ψ)の指令値ψ*を出力する。角度指令ψ*は、位置比較器22において、位置センサ31にて測定された実際の角度ψと比較され、両者の角度偏差Δψ=ψ*―ψが位置制御器23に入力される。速度指令器としての位置制御器23は、角度偏差Δψに基づいて所定の演算を行い、サーボモータ1の回転速度の指令値ω*を算出して出力する。速度指令ω*は、速度比較器24において、速度センサ32によって測定された実際の回転速度ωと比較され、両者の速度偏差Δω=ω*―ωが速度制御器25に入力される。総電流指令器としての速度制御器25は、速度偏差Δωに基づいて所定の演算を行い、サーボモータ1における電機子12の総電流(総電機子電流)の指令値I*を算出して演算器26に出力する。なお、速度制御器25は、リミッタ251を備えて構成されている。後で詳しく述べるように、リミッタ251は予め設定された総電流指令の上限I*max(>0)に基づいて総電流指令I*を監視し、総電流指令の絶対値|I*|がI*maxを上回らないように制限する。
より具体的には、速度偏差Δωに基づいて速度制御器25によって算出された総電流指令I*の絶対値|I*|が上限I*maxを超えているとき(|I*|>I*max)、リミッタ251は、算出された総電流指令I*の代わりに、予め記憶された修正総電流指令I*rを総電流指令I*として演算器26に出力する。ここで、修正総電流指令I*rは、|I*r|≦I*max、を満たす任意の数値でよいが、サーボモータ1における発生トルクTを大きく確保するためには、|I*r|=I*max、として修正総電流指令I*rをできる限り大きくすることが好ましい。
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、第1実施形態と共通する事項については説明を省略または簡略化し、両実施形態間において対応する構成要素については同一符号を付す。
第2実施形態にかかるサーボモータ1では、主として演算器26(図3)が第1実施形態にかかるサーボモータ1と相違する。
一方、比較の結果、各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の少なくとも1つが電圧指令値閾値Vo(=90%)を超えていた場合、比較結果が『1』であるとして、演算器26は、当該比較結果『1』を記録する。ここで、比較結果『1』は、各電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えており、電圧飽和が発生する可能性が高いということを意味する。
以上のように、演算器26は、取り込んだ各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に応じて、『0』または『1』の比較結果を記録する。ここで、演算器26は、各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を所定周期(例えば、250μs)で取り込んでいるので、『0』または『1』の比較結果も当該所定周期で演算器26に記録されるようになっている。
すなわち、時間的に直前の32回分の比較結果のうち、電圧飽和が発生する可能性が高いということを意味する比較結果『1』の数をNとして、θ=(N/No)・90°=(N/32)・90°、を満たすように演算器26はθを制御する。
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、第1,2実施形態と共通する事項については説明を省略または簡略化し、当該各実施形態間において対応する構成要素については同一符号を付す。
演算器26では、第1実施形態に記載した式:θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°、または、第2実施形態に記載した式:θ=(N/No)・90°、に基づいて位相角θ(0°≦θ<90°)が算出される。そして、演算器26は、d軸電流指令Id*,q軸電流指令Iq*を、速度制御器25からの指令値I*,位相角θによって、Id*=−|I*|・tanθ、Iq*=I*、と規定して出力する。
|Is*|≦Is*max、のとき、リミッタは、dq各軸電流指令Id*,Iq*を適正であると判定し、そのまま、dq各軸電流比較器27d,27qに出力する。
一方、|Is*|>Is*maxのときは、このIs*を与えるId*,Iq*に基づくdq各軸電流Id,Iqを電機子12に流すと、総電流の絶対値|Is|>許容電流値Imax、となってしまい、異常発熱等の問題が生じてしまう。そこで、リミッタは、このId*,Iq*を不適正と判定する。そして、リミッタは、Id*=−Is*max・sinθ,Iq*=±Is*max・cosθ、をdq各軸の修正電流指令としてdq各軸電流比較器27d、27qに出力する。なお、Iq*の式の右辺に付いている『±』は、サーボモータ1で発生させるトルクの向きに応じて適宜Iq*の符号を選択して出力することを意味する。また、このとき、Is*2=Id*2+Iq*2=Is*max2、である。
以上のように、|Is*|とIs*maxとの大小関係によらず、電機子12を流れる総電流Isの絶対値が許容電流値Imax以下となるので、異常発熱等の問題が生じることなく、安全にサーボモータ1を運転することができる。
11…界磁
12…電機子
21…位置指令器
23…位置制御器
25…速度制御器
26…演算器
28…電流制御器
29…2相/3相変換器
30…電力変換器
31…位置センサ
32…速度センサ
33u,33v,33w…電流センサ
34…3相/2相変換器
251…リミッタ
Claims (14)
- 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する
ことを特徴とする電流制御方法。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とする電流制御方法。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する
ことを特徴とする電流制御方法。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とする電流制御方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電流制御方法において、
I2=Id2+Iq2と表される前記電機子を流れる総電流Iの絶対値が、前記電機子における許容電流値Imaxを超えないように制限する
ことを特徴とする電流制御方法。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。 - 請求項6から請求項9のいずれかに記載の電流制御プログラムが記録され、サーボモータに組み込まれたコンピュータによって読み取り可能である
ことを特徴とする記録媒体。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とするサーボモータ。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とするサーボモータ。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とするサーボモータ。 - 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I * maxを設定しておき、
前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I * の絶対値|I * |が、前記総電流指令の上限I * maxを上回らない(|I * |≦I * max)ように制限する ことを特徴とするサーボモータ。
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