JP4996847B2 - サーボモータにおける電流制御方法,電流制御プログラム,記録媒体,サーボモータ - Google Patents

サーボモータにおける電流制御方法,電流制御プログラム,記録媒体,サーボモータ Download PDF

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Description

本発明は、サーボモータにおける電流制御方法,電流制御プログラム,記録媒体,サーボモータに関する。詳しくは、dq変換を施したサーボモータの電機子にd軸電流を流すことによって電機子における電圧飽和の発生を防止するための電流制御方法,電流制御プログラム,記録媒体,サーボモータに関する。
従来、サーボモータの電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を界磁束の方向とするdq変換を施した電機子にd軸電流Idを流すことが行われている(例えば、特許文献1参照)。サーボモータにおいては、q軸電流Iqがトルクを発生させるための有効電流であるのに対して、d軸電流Idはトルクの発生に寄与しない無効電流である。しかしながら、無効電流Idを流すことによって、電機子に発生する逆起電力の影響を低減して電圧飽和の発生を防止することができるので、より大きな有効電流Iqを流すことができるようになり、電流・トルク制御を安定して行うことができるようになる。
このことは、特許文献1の図2および図9によく示されている。これらの図は、電機子電圧をd軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqの直交2成分に分けて表示したものである。d軸電圧Vdとq軸電圧Vqとのベクトル和が電機子に印加される総電機子電圧に相当する。同各図中に示されている円はリンク電圧を表しており、総電機子電圧の上限を規定するものである。したがって、総電機子電圧ベクトルの先端がリンク電圧円の内部に入っていれば、同各図の表示に従って所望の電機子電圧を電機子に印加することができるが、逆に、総電機子電圧ベクトルの先端がリンク電圧円の外部に出てしまうと、電圧飽和が発生して同各図の表示に従う所望の電機子電圧が電機子に印加されないため、トルク発生のための所望のq軸電流Iqを電機子に流すことができなくなってしまう。
さて、同各図において+q軸方向のベクトルである逆起電力Eは、具体的には、同期型サーボモータに関する公知の式、E=ω・Φ、と表される。ここで、ωはサーボモータの回転角速度、Φは電機子巻線に鎖交する総磁束である(以下、特に断らない限り、ω≧0,Φ≧0、との仮定の下で説明する)。
逆起電力E(=ω・Φ)は、ωに比例するので、高速回転時ほど大きくなる。同図9において、高速回転時に逆起電力ベクトルEが大きくなると、その先端がリンク電圧円の周縁に近づくため、大きなq軸電流Iqを流すことができなくなってしまう。なぜなら、q軸電流Iqを大きくすると、同図中R・Iqとして表示される+q軸方向(Eと同方向)の駆動電圧ベクトルが長くなり、E+R・Iqのベクトル和の先端がリンク電圧円の外部に出てしまい、電圧飽和が発生してしまうからである。
しかし、ここで、同図2のように、無効電流Id(≦0)を流せば、不都合は解消する。無効電流Idを流すことによって、逆起電力ベクトルEと逆方向(−q軸方向)の相殺電圧ベクトル−ω・L・|Id|を発生することができるからである。−q軸方向の相殺電圧ベクトルが付加されることによって、+q軸方向の駆動電圧ベクトルR・Iqを長くしたとしても、これらのベクトル和としての総電機子電圧ベクトルの先端をリンク電圧円内に留めることが可能になる。したがって、無効電流Idを流せば、高速回転時であっても、大きな有効電流Iqを流し続けることができ、安定して大きなトルク(∝Iq)を発生し続けることができる。
特開平9−84400号公報(第2〜第4頁、図2、9)
特許文献1のサーボモータでは、逆起電力E(=ω・Φ)が回転角速度ωに比例することに鑑みて、無効電流Idを回転角速度ωのみの1変数関数として定義し、回転角速度ωが大きくなるほど負方向に大きくなる無効電流Idを流すことによって電圧飽和の発生を防止している(以下、無効電流Idは負方向であるものとし、「負方向に大きい」を「大きい」と、「負方向に小さい」を「小さい」と簡略的に記載する)。
特許文献1のサーボモータでは、高速回転時(ω:大)であれば、常に大きな無効電流Idが流される。しかしながら、高速回転時であっても、例えば、サーボモータにかかる負荷が小さい場合には、発生させるトルクが小さくて済むので、有効電流Iq(∝トルク)を小さくすることができる。すると、同図9において、駆動電圧ベクトルR・Iqを短くすることができるので、たとえ、高速回転時に逆起電力E(=ω・Φ)が大きくなっても、これらのベクトル和としての総電機子電圧ベクトルの先端をリンク電圧円内に留めることが可能であり、電圧飽和は発生しにくくなる。このため、電圧飽和の発生を防止するための相殺電圧ベクトル−ω・L・|Id|も小さくすることができるので、この場合は大きな無効電流Idを流す必要はない。このように、高速回転時であっても、特許文献1のサーボモータのように電圧飽和の発生を防止するために常に大きな無効電流Idを流し続ける必要はなく、むしろ、特許文献1のサーボモータでは、本来流す必要がない余分な無効電流Idを流し続けることによって、本来発生させずに済んだはずの余分な熱が発生され続けてサーボモータの保守管理上追加的な補償措置を講ずる必要が生じたり、サーボモータのエネルギー効率が悪化したりといった様々な問題が生じてしまう。
また、特許文献1のサーボモータでは、低速回転時(ω:小)であれば、流される無効電流Idは小さい。しかしながら、低速回転時であっても、例えば、サーボモータにかかる負荷が大きい場合には、発生させるトルクを大きくしなければならないので、有効電流Iq(∝トルク)を大きくしなければならない。すると、同図9において、駆動電圧ベクトルR・Iqが長くなるので、たとえ、低速回転時に逆起電力E(=ω・Φ)が小さくても、これらのベクトル和としての総電機子電圧ベクトルの先端をリンク電圧円内に留めることが困難になり、電圧飽和が発生しやすくなる。この場合、電圧飽和の発生を防止するためには、相殺電圧ベクトル−ω・L・|Id|を大きくする必要があるが、特許文献1のサーボモータでは、低速回転時には小さな無効電流Idしか流されないので、相殺電圧ベクトルは小さく、電圧飽和の発生を防止するのに十分ではない。
以上のように、特許文献1のサーボモータでは、回転角速度ωに応じて無効電流Idの大きさを決めているために、高速回転時には余分な無効電流Idを流してしまう恐れがあり、低速回転時には電圧飽和の発生を的確に防止することができない恐れがある。
本発明の目的は、余分な無効電流Idを流すことなく、的確に電圧飽和の発生を防止することができる電流制御方法,電流制御プログラム,記録媒体,サーボモータを提供することである。
本発明の電流制御方法は、界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、前記位相角θを、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値に基づいて制御することを特徴とする。
本発明の電流制御方法では、無効電流Idを、Id=−|I|・sinθ(0°≦θ≦90°)、と規定している。ここで、θ=0°のときには、Id=0となって無効電流Idが流されず、θ≠0°(0°<θ≦90°)のときには、Id<0となって無効電流Idが流される。そして、θが大きくなれば、無効電流Idは(負方向に)大きくなり、電圧飽和の発生を防止するための相殺電圧ベクトルが大きくなる。
本発明の電流制御方法では、電圧飽和の発生を防止するために、各相の電機子巻線に印加する各電圧指令値に基づいて位相角θを制御して、無効電流Idの大きさを制御している。具体的には後述するが、大雑把に言えば、各相への各電圧指令値が大きくなって電圧飽和が発生する可能性が高くなったときは、位相角θを大きくして無効電流Idを大きくし、各相への各電圧指令値が小さくなって電圧飽和が発生する可能性が低くなったときは、位相角θを小さくして無効電流Idを小さくする。なお、後述するように、位相角θの制御に利用する各相への各電圧指令値は、現在の値でもよいし、過去の値でもよい。
以上のように、本発明の電流制御方法では、電機子における電圧飽和の発生と直接的に関係する各相の電機子巻線への各電圧指令値に基づいて位相角θを制御して無効電流Idの大きさを制御しているため、電圧飽和が発生しそうな場合に限って必要最小限の無効電流Idを流すことができるので、余分な無効電流Idを流すことなく、的確に電圧飽和の発生を防止することができる。
本発明の電流制御方法は、界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、前記位相角θを、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値に基づいて制御することを特徴とする。
本発明の電流制御方法では、無効電流Idを、Id=−|Iq|・tanθ(0°≦θ<90°)、と規定している。ここで、無効電流Idを、Id=−|I|・sinθ、と規定した先の場合と同様に、θ=0°のときには、Id=0となって無効電流Idが流されず、θ≠0°(0°<θ<90°)のときには、Id<0となって無効電流Idが流される。そして、θが大きくなれば、無効電流Idは(負方向に)大きくなり、電圧飽和の発生を防止するための相殺電圧ベクトルが大きくなる。
本発明の電流制御方法では、電圧飽和の発生を防止するために、電機子における電圧飽和の発生と直接的に関係する各相の電機子巻線への各電圧指令値に基づいて位相角θを制御して無効電流Idの大きさを制御しているため、電圧飽和が発生しそうな場合に限って必要最小限の無効電流Idを流すことができるので、余分な無効電流Idを流すことなく、的確に電圧飽和の発生を防止することができる。
本発明の電流制御方法では、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とする
この電流制御方法は、各相への各電圧指令値の現在の値に基づいて位相角θを制御して無効電流Idの大きさを制御する方法である。
すなわち、各相への各電圧指令値の少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えて電圧飽和が発生する可能性が高くなると、Voを超えた電圧指令値をV(Voを超えた電圧指令値が複数ある場合は、最大の電圧指令値とする)として、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°、を満たすようにθを制御する。ここで、V=Voのときには、θ=0°となって無効電流Idが流されず、Vo<V<Vmaxのときには、θ≠0°(0°<θ<90°)となって無効電流Idが流される。そして、Vが大きくなれば、θが大きくなって無効電流Idは(負方向に)大きくなり、V=Vmaxとなると、θ=90°となり、無効電流Idは最大になる。
本発明の電流制御方法では、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°としてもよい
この電流制御方法は、各相への各電圧指令値の過去の値に基づいて位相角θを制御して無効電流Idの大きさを制御する方法である。
この電流制御方法では、各相への各電圧指令値と電圧指令値閾値Voとの比較を周期的に行い、ここで得られた(過去の)比較結果に基づいて位相角θを制御する。ここで、各回の比較結果は、「各電圧指令値の全てが電圧指令値閾値Voを超えていない」(電圧飽和が発生する可能性が低い)というものと、「各電圧指令値の少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えている」(電圧飽和が発生する可能性が高い)というものとに2分することができる。そして、以下で述べるように、前者の比較結果は位相角θを小さくするように寄与し、後者の比較結果は位相角θを大きくするように寄与する。
実際のθの決定は、時間的に直前のNo回分の比較結果を抽出して行われる。すなわち、抽出されたNo回分の比較結果のうち、「各電圧指令値の少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えている」(電圧飽和が発生する可能性が高い)という比較結果の数をNとして、θ=(N/No)・90°、を満たすようにθを制御する。ここで、N=0のとき(過去No回分の比較の全てにおいて、電圧飽和が発生する可能性が低いとの比較結果が得られたとき)には、θ=0°となって無効電流Idが流されず、0<N<Noのとき(過去No回分の比較のうちN回において、電圧飽和が発生する可能性が高いとの比較結果が得られたとき)には、θ≠0°(0°<θ<90°)となって無効電流Idが流される。そして、Nが大きくなれば、θが大きくなって無効電流Idは(負方向に)大きくなり、N=Noとなると(過去No回分の比較の全てにおいて、電圧飽和が発生する可能性が高いとの比較結果が得られたとき)、θ=90°となり、無効電流Idは最大になる。
本発明の電流制御方法においては、さらに、前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限するものとする。
このような構成により、電機子に過度の電流が流れることを防止して、サーボモータの破損を防止することができる。
本発明の電流制御方法では、I =Id +Iq と表される前記電機子を流れる総電流Iの絶対値が、前記電機子における許容電流値Imaxを超えないように制限することが好ましい。
この電流制御方法によれば、電機子を流れる総電流Iの絶対値|I|が、電機子における許容電流値Imaxを超えないように制限されるので、電機子に過度の電流が流れることを防止して、サーボモータの破損を防止することができる。
本発明の電流制御プログラムは、界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、前記位相角θを、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値に基づいて制御することを特徴とする。
本発明の電流制御プログラムは、界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、前記位相角θを、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値に基づいて制御することを特徴とする。
上述した本発明の電流制御プログラムにおいては、前述した本発明の電流制御方法と同様に位相角θの制御および総電流指令I の制限を行う。
本発明の記録媒体は、前記電流制御プログラムが記録され、サーボモータに組み込まれたコンピュータによって読み取り可能であることを特徴とする。
以上のような電流制御プログラムおよび記録媒体は、前述した本発明の電流制御方法を実施するために利用されるので、本発明の電流制御方法と同じ各作用・効果を奏することができる。
本発明のサーボモータは、界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、前記位相角θを、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値に基づいて制御することを特徴とする。
本発明のサーボモータは、界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、前記位相角θを、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値に基づいて制御することを特徴とする。
上述した本発明のサーボモータにおいては、前述した本発明の電流制御方法と同様に位相角θの制御および総電流指令I の制限を行う。
以上のようなサーボモータは、前述した本発明の電流制御方法を実施するための構成を備えているので、本発明の電流制御方法と同じ各作用・効果を奏することができる。
続いて、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかるサーボモータ1の等価回路図である。
サーボモータ1は、永久磁石によって構成される界磁11と、3相(u相,v相,w相)の電機子巻線を有する電機子12とを備える3相同期モータである。界磁11は、ロータとして回転可能に設けられている。ステータとしての電機子12の各相の電機子巻線に、互いに位相が120°ずつ異なる交流電圧(電機子電圧)を印加すると、この交流電圧と同一の周波数で回転する電機子磁束を発生することができる。界磁11は、この回転電機子磁束に対して自身の界磁束を平行にしようとする磁気的な力を受けて、当該回転電機子磁束に追従して回転する(回転角度ψ、回転角速度ω=dψ/dt。以下、特に断らない限りω≧0(時計回り)、と仮定する)。以上のようにして、サーボモータ1では回転動力が発生される。
なお、図1において、Vu,Vv,Vwは電機子12の各相の電機子電圧、Rは各相共通の抵抗、L´は各相共通の自己インダクタンス、M´は各相間の相互インダクタンスである。また、界磁11の回転角度ψは、界磁束の方向(界磁11のN極とS極とを結ぶ方向)が、電機子12のu相の形成方向に対してなす角度として定義される。
図1のサーボモータ1に対してdq変換を施すと、図2の等価回路が得られる。
図2において、d軸は界磁束の方向と一致され、これと直交する方向にq軸が形成されている。図1における3相(u相,v相,w相)の電機子巻線は、d相,q相からなる2相の電機子巻線に変換されている。
この図において、Vd,Vqは各相の電機子電圧、Id,Iqは各相の電機子電流、Rは各相共通の抵抗、Lは各相共通の自己インダクタンス、Φは各相の電機子巻線に鎖交する総磁束である。これらの各量は、同期モータに関して知られている次の回路方程式を満たす。
Figure 0004996847
ここで、Pは微分演算子d/dtである。この方程式の右辺の第2項は、dq各相の電機子巻線に誘起される逆起電力を表しており、Φによる逆起電力ω・Φがq相の電機子巻線だけに誘起されることがわかる。
図2において、サーボモータ1のトルクTを発生させるのは、d軸方向の界磁束と直交するq軸電流Iqである(具体的には、T∝Φ・Iq)。これに対してd軸電流IdはトルクTの発生に寄与しない無効電流であるが、特許文献1に記載されているように、負の無効電流Idを流すことによって、逆起電力を相殺する相殺電圧成分を発生することができ、電機子12における電圧飽和の発生を防止することができる。
図3は、図1および図2に示されるサーボモータ1のフィードバック制御ブロック線図である。
位置指令器21は、所定のパートプログラムに従ってサーボモータ1の回転角度(界磁11の回転角度ψ)の指令値ψを出力する。角度指令ψは、位置比較器22において、位置センサ31にて測定された実際の角度ψと比較され、両者の角度偏差Δψ=ψ―ψが位置制御器23に入力される。速度指令器としての位置制御器23は、角度偏差Δψに基づいて所定の演算を行い、サーボモータ1の回転速度の指令値ωを算出して出力する。速度指令ωは、速度比較器24において、速度センサ32によって測定された実際の回転速度ωと比較され、両者の速度偏差Δω=ω―ωが速度制御器25に入力される。総電流指令器としての速度制御器25は、速度偏差Δωに基づいて所定の演算を行い、サーボモータ1における電機子12の総電流(総電機子電流)の指令値Iを算出して演算器26に出力する。なお、速度制御器25は、リミッタ251を備えて構成されている。後で詳しく述べるように、リミッタ251は予め設定された総電流指令の上限Imax(>0)に基づいて総電流指令Iを監視し、総電流指令の絶対値|I|がImaxを上回らないように制限する。
演算器26には、速度制御器25から出力される総電流指令Iとともに、後述する2相/3相変換器29から出力されるu相,v相,w相の電圧指令値Vu,Vv,Vwも入力され、当該各値に基づいて後述する位相角θ(0°≦θ≦90°)が算出される。そして、演算器26は、d軸電流指令Id,q軸電流指令Iqを、総電流指令I,位相角θによって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定して出力する。
演算器26には、サーボモータ1の電機子12において電圧飽和を発生することなくu,v,w各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxの各値と、当該各最大電機子電圧Vmaxよりも小さく設定された所定の電圧指令値閾値Voの各値とが、予め格納されている。ここで、最大電機子電圧Vmaxの値,電圧指令値閾値Voの値は、u,v,w各相ごとに異なる値であってもよいが、本実施形態では、u,v,w各相の最大電機子電圧Vmaxの各値を一律に百分率表示で100%とし、当該百分率表示の下でu,v,w各相の電圧指令値閾値Voの値を一律に90%と設定している。
演算器26は、所定周期(例えば、250μs)で、2相/3相変換器29から各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを取り込み、当該各値Vu,Vv,Vwを前記百分率表示の下での百分率に変換した後、電圧指令値閾値Vo(=90%)と比較する。
比較の結果、各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwの全てが電圧指令値閾値Vo(=90%)を超えていなかった場合、演算器26は、θ=0°と算出して、Id=0,Iq=Iを出力する。
一方、比較の結果、各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwの少なくとも1つが電圧指令値閾値Vo(=90%)を超えていた場合、演算器26は、当該Voを超えた電圧指令値(前記百分率表示の下での百分率)をV(Voを超えた電圧指令値が複数ある場合は、最大の電圧指令値とする)として、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°={(V−90)/(100−90)}・90°と算出し、当該θによって規定されるId,Iqを出力する。ここで、V=90%(Vo)のときには、θ=0°であってIdは0となり、90%(Vo)<V<100%(Vmax)のときには、θ≠0°(0°<θ<90°)であって、Idは負の値となる。例えば、V=95%のときには、θ=45°であって、Id=−|I|・(1/√2),Iq=I・(1/√2)となる。そして、Vが大きくなれば、θが大きくなってId(=−|I|・sinθ)は(負方向に)大きくなり、V=100%(Vmax)となると、θ=90°となり、Idは最大になる。
以上のように、本実施形態では、u,v,w各相の各電圧指令値Vu,Vv,Vwの現在の値に基づいて位相角θを制御してd軸電流指令Idの大きさを制御している。特に、本実施形態では、演算器26が各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを取り込む周期(例えば、250μs)で、位相角θが順次更新されるようになっている。
演算器26から出力されたdq各軸電流指令Id,Iqは、それぞれ、dq各軸電流比較器27d,27qにおいて、サーボモータ1の電機子12に実際に流されているdq各軸電流Id,Iqと比較され、dq各軸電流偏差ΔId=Id―Id,ΔIq=Iq―Iqが電流制御器28に出力される。ここで、電流比較器27d,27qに入力されるdq各軸電流Id,Iqは、dq変換前の3相サーボモータ1(図1参照)のu,v,w各相の電機子電流Iu,Iv,Iwを各相ごとに設けられた電流センサ33u,33v,33wによって測定し、これらを3相/2相変換器34によってdq2相のdq軸電流Id,Iqに変換することにより得られたものである。
dq各軸電流偏差ΔId,ΔIqが入力された電流制御器28は、これらに基づいて所定の演算を行い、dq各軸電圧指令Vd、Vqを算出して出力する。
2相/3相変換器29は、dq各軸電圧指令Vd,Vqの入力に基づいて所定の演算を行い、uvw3相電圧指令Vu,Vv,Vwを算出して電力変換器30に出力する。なお、前述したように、2相/3相変換器29から出力される各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwは、所定周期で演算器26に取り込まれ、d軸電流指令Idの大きさを規定する位相角θの演算に用いられるようにもなっている。
電力変換器30は、図示しない電源装置によって、2相/3相変換器29から入力された3相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに基づく電機子電圧Vu、Vv、Vwをu,v,w各相の電機子巻線に印加し、当該各電機子電圧に対応する3相の電機子電流Iu,Iv,Iwを当該各相の電機子巻線に流す。
以上のように、サーボモータ1では、図3に示されるフィードバックループによって、位置,速度,電圧または電流が適切に制御されるようになっている。
特に、本実施形態では、電機子12における電圧飽和の発生を防止するための無効電流指令Idの大きさを規定する位相角θを、u,v,w各相の電機子巻線に印加する各電圧指令値Vu,Vv,Vwに基づいて演算器26が制御している。具体的には前述した通りであるが、大雑把に言えば、u,v,w各相への各電圧指令値Vu,Vv,Vwが大きくなって電機子12において電圧飽和が発生する可能性が高くなったときは、位相角θが大きくなって無効電流指令Idが大きくなり、u,v,w各相への各電圧指令値Vu,Vv,Vwが小さくなって電機子12において電圧飽和が発生する可能性が低くなったときは、位相角θが小さくなって無効電流指令Idが小さくなるようになっている。このように、本実施形態では、電機子12における電圧飽和の発生と直接的に関係するu,v,w各相の電機子巻線への各電圧指令値Vu,Vv,Vwに基づいて位相角θを制御して無効電流指令Idの大きさを制御しているため、電圧飽和が発生しそうな場合に限って必要最小限の無効電流Idを電機子12に流すことができるので、余分な無効電流Idを流すことなく、的確に電圧飽和の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、速度制御器25に設けられたリミッタ251によって、電機子12を流れる総電流Iの指令である総電流指令Iの絶対値|I|が、電機子12における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限Imaxを上回らないように制限される(|I|≦Imax)ので、電機子12に過度の電流が流れることを防止して、サーボモータ1の破損を防止することができる。
より具体的には、速度偏差Δωに基づいて速度制御器25によって算出された総電流指令Iの絶対値|I|が上限Imaxを超えているとき(|I|>Imax)、リミッタ251は、算出された総電流指令Iの代わりに、予め記憶された修正総電流指令Irを総電流指令Iとして演算器26に出力する。ここで、修正総電流指令Irは、|Ir|≦Imax、を満たす任意の数値でよいが、サーボモータ1における発生トルクTを大きく確保するためには、|Ir|=Imax、として修正総電流指令Irをできる限り大きくすることが好ましい。
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、第1実施形態と共通する事項については説明を省略または簡略化し、両実施形態間において対応する構成要素については同一符号を付す。
第2実施形態にかかるサーボモータ1では、主として演算器26(図3)が第1実施形態にかかるサーボモータ1と相違する。
演算器26は、第1実施形態と同様に、所定周期(例えば、250μs)で、2相/3相変換器29から各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを取り込み、当該各値Vu,Vv,Vwを、u,v,w各相の最大電機子電圧Vmaxの各値を100%とする百分率表示の下での百分率に変換した後、電圧指令値閾値Vo(第1実施形態と同じく90%と設定する)と比較する。
比較の結果、各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwの全てが電圧指令値閾値Vo(=90%)を超えていなかった場合、比較結果が『0』であるとして、演算器26は、当該比較結果『0』を記録する。ここで、比較結果『0』は、各電圧指令値Vu,Vv,Vwの全てが電圧指令値閾値Voを超えておらず、電圧飽和が発生する可能性が低いということを意味する。
一方、比較の結果、各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwの少なくとも1つが電圧指令値閾値Vo(=90%)を超えていた場合、比較結果が『1』であるとして、演算器26は、当該比較結果『1』を記録する。ここで、比較結果『1』は、各電圧指令値Vu,Vv,Vwの少なくとも1つが電圧指令値閾値Voを超えており、電圧飽和が発生する可能性が高いということを意味する。
以上のように、演算器26は、取り込んだ各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに応じて、『0』または『1』の比較結果を記録する。ここで、演算器26は、各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを所定周期(例えば、250μs)で取り込んでいるので、『0』または『1』の比較結果も当該所定周期で演算器26に記録されるようになっている。
演算器26は、所定周期で記録される比較結果のうち、時間的に直前の少なくともNo回分の比較結果を記録しておくことができ、当該No回分の比較結果に基づいて、表式:Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、における位相角θの制御を行う(以下、No=32の場合を例にとって説明する)。
すなわち、時間的に直前の32回分の比較結果のうち、電圧飽和が発生する可能性が高いということを意味する比較結果『1』の数をNとして、θ=(N/No)・90°=(N/32)・90°、を満たすように演算器26はθを制御する。
ここで、N=0のとき(直前の32回分の比較結果の全てが、電圧飽和が発生する可能性が低いということを意味する『0』であったとき)には、θ=0°であって、無効電流指令Idは0となり、0<N≦32のとき(直前の32回の比較のうちN回において、電圧飽和が発生する可能性が高いということを意味する比較結果『1』が記録されたとき)には、θ≠0°(0°<θ<90°)であって、無効電流指令Idは負の値となる。例えば、直前の32回の比較のうち16回において、比較結果『1』が記録されたときには、θ=45°であって、Id=−|I|・(1/√2),Iq=I・(1/√2)となる。そして、比較結果『1』の数Nが大きくなれば、θが大きくなってId(=−|I|・sinθ)は(負方向に)大きくなり、N=32(No)となると、θ=90°となり、Idは最大になる。
以上のように、本実施形態では、u,v,w各相の各電圧指令値Vu,Vv,Vwの過去の値(直前の32回分の比較結果)に基づいて位相角θを制御して無効電流指令Idの大きさを制御している。なお、本実施形態では、演算器26が各相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを取り込む周期(例えば、250μs)で新たな比較結果が得られるようになっており、当該新たな比較結果によって、θの決定に利用される32回分の比較結果のうち最も古い比較結果が置換されるようになっている。このように、位相角θの決定に利用される直前の32回分の比較結果が前記周期で順次更新されるので、位相角θも当該周期で順次更新されるようになっている。
以上のように、本実施形態では、電機子12における電圧飽和の発生を防止するための無効電流指令Idの大きさを規定する位相角θを、u,v,w各相の電機子巻線に印加する各電圧指令値Vu,Vv,Vwに基づいて演算器26が制御している。具体的には前述した通りであるが、大雑把に言えば、直前の32回分の比較結果に占める比較結果『1』の数が大きくなって、電圧飽和が発生する可能性が高くなったときは、位相角θが大きくなって無効電流指令Idが大きくなり、直前の32回分の比較結果に占める比較結果『1』の数が小さくなって、電圧飽和が発生する可能性が低くなったときは、位相角θが小さくなって無効電流指令Idが小さくなるようになっている。このように、本実施形態では、電圧飽和が発生しそうな場合に限って必要最小限の無効電流Idを電機子12に流すことができるので、余分な無効電流Idを流すことなく、的確に電圧飽和の発生を防止することができる。
<第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、第1,2実施形態と共通する事項については説明を省略または簡略化し、当該各実施形態間において対応する構成要素については同一符号を付す。
本実施形態では、図3におけるリミッタ251が設けられておらず、速度制御器25からの指令値Iが、そのまま、演算器26に入力される。
演算器26では、第1実施形態に記載した式:θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°、または、第2実施形態に記載した式:θ=(N/No)・90°、に基づいて位相角θ(0°≦θ<90°)が算出される。そして、演算器26は、d軸電流指令Id,q軸電流指令Iqを、速度制御器25からの指令値I,位相角θによって、Id=−|I|・tanθ、Iq=I、と規定して出力する。
演算器26には、Is*2=Id*2+Iq*2=I*2・(1+tanθ)、で表される総電流指令Isの絶対値が、上限Ismaxを上回らないように制限するリミッタ(図示せず)が設けられている。ここで上限Ismaxは、第1,2実施形態における総電流指令の上限Imaxと同一の値であり、電機子12における許容電流値Imaxに対応する。
リミッタは、演算器26によって算出されたId(=−|I|・tanθ=−|Iq|・tanθ)とIq(=I)とに基づいてIsを算出し、その絶対値|Is|を上限Ismaxと比較する。
|Is|≦Ismax、のとき、リミッタは、dq各軸電流指令Id,Iqを適正であると判定し、そのまま、dq各軸電流比較器27d,27qに出力する。
一方、|Is|>Ismaxのときは、このIsを与えるId,Iqに基づくdq各軸電流Id,Iqを電機子12に流すと、総電流の絶対値|Is|>許容電流値Imax、となってしまい、異常発熱等の問題が生じてしまう。そこで、リミッタは、このId,Iqを不適正と判定する。そして、リミッタは、Id=−Ismax・sinθ,Iq=±Ismax・cosθ、をdq各軸の修正電流指令としてdq各軸電流比較器27d、27qに出力する。なお、Iqの式の右辺に付いている『±』は、サーボモータ1で発生させるトルクの向きに応じて適宜Iqの符号を選択して出力することを意味する。また、このとき、Is*2=Id*2+Iq*2=Ismax、である。
以上のように、|Is|とIsmaxとの大小関係によらず、電機子12を流れる総電流Isの絶対値が許容電流値Imax以下となるので、異常発熱等の問題が生じることなく、安全にサーボモータ1を運転することができる。
本発明は、サーボモータに利用することができる。
本発明の第1実施形態にかかるサーボモータの等価回路図である。 前記第1実施形態にかかるサーボモータに対してdq変換を施して得られる等価回路図である。 前記第1実施形態にかかるサーボモータのフィードバック制御ブロック線図である。
符号の説明
1…サーボモータ
11…界磁
12…電機子
21…位置指令器
23…位置制御器
25…速度制御器
26…演算器
28…電流制御器
29…2相/3相変換器
30…電力変換器
31…位置センサ
32…速度センサ
33u,33v,33w…電流センサ
34…3相/2相変換器
251…リミッタ

Claims (14)

  1. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
    前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する
    ことを特徴とする電流制御方法。
  2. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
    前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とする電流制御方法。
  3. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
    前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
    当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する
    ことを特徴とする電流制御方法。
  4. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御方法であって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
    前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
    当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とする電流制御方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電流制御方法において、
    =Id+Iqと表される前記電機子を流れる総電流Iの絶対値が、前記電機子における許容電流値Imaxを超えないように制限する
    ことを特徴とする電流制御方法。
  6. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
    前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。
  7. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
    前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。
  8. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
    前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
    当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。
  9. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータに組み込まれたコンピュータにおいて、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流す電流制御プログラムであって、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
    前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
    当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とする電流制御プログラム。
  10. 請求項6から請求項9のいずれかに記載の電流制御プログラムが記録され、サーボモータに組み込まれたコンピュータによって読み取り可能である
    ことを特徴とする記録媒体。
  11. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
    前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とするサーボモータ。
  12. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値の全てが前記電圧指令値閾値Voを超えない場合は、θ=0°とし、
    前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超える場合は、当該Voを超える電圧指令値をVとして、θ={(V−Vo)/(Vmax−Vo)}・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とするサーボモータ。
  13. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、前記電機子を流れる総電流I,位相角θ(0°≦θ≦90°)によって、Id=−|I|・sinθ,Iq=I・cosθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
    前記各電圧指令値と前記電圧指令値閾値Voとの比較を所定周期で継続的に行い、
    前記所定周期で継続的に得られる比較結果のうち、時間的に直前の所定回数No分の比較結果を抽出し、
    当該No回分の比較結果のうち、前記各電圧指令値の少なくとも1つが前記電圧指令値閾値Voを超えていた回数をNとして、θ=(N/No)・90°とするとともに、
    前記電機子を流れる総電流Iの指令である総電流指令I の絶対値|I |が、前記総電流指令の上限I maxを上回らない(|I |≦I max)ように制限する ことを特徴とするサーボモータ。
  14. 界磁と、多相の電機子巻線を有する電機子とを備えるサーボモータであって、
    前記界磁によって発生される界磁束と、前記各相の電機子巻線に電機子電圧を印加することによって発生される電機子磁束との相互作用に基づいて、前記界磁および前記電機子の相対回転動力を発生する際に、前記電機子における電圧飽和の発生を防止するために、d軸方向を前記界磁束の方向とするdq変換を施した前記電機子にd軸電流を流し、
    d軸電流Id,q軸電流Iqを、位相角θ(0°≦θ<90°)によって、Id=−|Iq|・tanθ、と規定し、
    前記各相の電機子巻線に印加する電機子電圧の指令値である各電圧指令値について、前記電機子において電圧飽和を発生させることなく前記各相の電機子巻線に印加することが可能な最大電機子電圧Vmaxよりも小さい所定の電圧指令値閾値Voを設定し、
    前記電機子における許容電流値Imaxに対応する総電流指令の上限I maxを設定しておき、
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