JP4466599B2 - 電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 - Google Patents

電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 Download PDF

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本発明は、電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法に関するものである。
従来、電気自動車、ハイブリッド型車両等の電動車両に、電動機械としての駆動モータ又は発電機が配設され、該駆動モータ又は発電機は、N極及びS極の永久磁石から成る磁極対を備えたロータ、該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のステータコイルを備えたステータ等を備える。
そして、例えば、駆動モータを駆動し、駆動モータのトルクである駆動モータトルクを発生させるために電動駆動装置が配設される。また、駆動モータの制御を行うために電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置が配設され、該駆動モータ制御装置において発生させられたU相、V相及びW相のパルス幅変調信号をインバータに送り、該インバータにおいて発生させられた相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流を前記各ステータコイルに供給することによって正弦波PWM制御を行い、前記駆動モータトルクを発生させるようになっている。
ところで、前記駆動モータにおいては、ロータが回転するのに伴って逆起電力が発生し、駆動モータの回転速度である駆動モータ回転速度が高くなるほど駆動モータ又は発電機の端子電圧が高くなり、該端子電圧が閾(しきい)値を超えると、電圧飽和が発生し、駆動モータによる出力が不可能になってしまう。
そこで、電圧飽和の程度を表す値として変調率が算出され、該変調率が、理論上の最大電圧を表すための変調率の最大値、すなわち、最大変調率を超えると、弱め界磁制御領域に入ったと判断され、弱め界磁制御が行われるようになっている。そのために、記録装置に電流指令値マップが形成され、該電流指令値マップにおける駆動モータ回転速度の高い所定の領域で、d軸電流指令値が負の方向に大きくされ、駆動モータの運転領域が拡大され、駆動モータトルクが大きくされる。
また、前記正弦波PWM制御においては、正弦波PWMパターンで非同期PWM信号が発生させられるが、各ステータコイルに印加することができる各相の電圧の振幅には上限があり、上限を超えて電圧を印加しようとすると、比例・積分演算において、電流指令値の変動に電圧指令値の算出を追随させることができなくなり、電圧指令値に振動が発生してしまう。
そこで、前記正弦波PWM制御と過変調PWM制御、1パルス制御等とで電圧制御モードを切り換えることができるようにし、前記変調率が最大変調率以下である場合、正弦波PWM制御を行い、前記変調率が最大変調率を超えると、過変調PWM制御、1パルス制御等を行うようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
図2は従来の電圧制御モードの切換えの説明図である。なお、図において、横軸に変調率を、縦軸に電圧制御モードを採ってある。
図に示されるように、変調率が最大変調率である1以下である場合、電圧制御モードは正弦波PWM制御にされ、変調率が1より大きくなると、電圧制御モードは1パルス制御に切り換えられる。
特開2005−218299号公報
しかしながら、前記従来の駆動モータ制御装置においては、変調率が1より大きくなると、電圧制御モードは1パルス制御に切り換えられ、変調率が1以下になると、電圧制御モードは正弦波PWM制御に切り換えられるが、変調率が1前後にある場合、頻繁に1パルス制御が開始されたり、終了されたりするチャタリング現象が発生してしまう。
その結果、駆動モータを安定させて駆動することができない。
本発明は、前記従来の駆動モータ制御装置の問題点を解決して、電圧制御モードを切り換える際にチャタリング現象が発生するのを防止することができるとともに、電動機械を安定させて駆動することができる電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明の電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出する第1の電流指令値算出処理手段と、前記第1の電流指令値及び電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出する第2の電流指令値算出処理手段と、前記第1、第2の電流指令値及び直流電圧に基づいて変調率を算出する変調率算出処理手段と、前記変調率に基づいて弱め界磁電流を算出し、該弱め界磁電流に基づいて弱め界磁制御を行う弱め界磁制御処理手段と、前記変調率に基づいて前記弱め界磁制御を行うために算出された前記弱め界磁電流に基づいて、電圧制御モードを切り換える電圧制御モード切換処理手段とを有する。
本発明の電動駆動制御方法においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出し、前記第1の電流指令値及び電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出し、前記第1、第2の電流指令値及び直流電圧に基づいて変調率を算出し、前記変調率に基づいて弱め界磁電流を算出し、該弱め界磁電流に基づいて弱め界磁制御を行い、前記変調率に基づいて前記弱め界磁制御を行うために算出された前記弱め界磁電流に基づいて、電圧制御モードを切り換える。
本発明によれば、電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出する第1の電流指令値算出処理手段と、前記第1の電流指令値及び電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出する第2の電流指令値算出処理手段と、前記第1、第2の電流指令値及び直流電圧に基づいて変調率を算出する変調率算出処理手段と、前記変調率に基づいて弱め界磁電流を算出し、該弱め界磁電流に基づいて弱め界磁制御を行う弱め界磁制御処理手段と、前記変調率に基づいて前記弱め界磁制御を行うために算出された前記弱め界磁電流に基づいて、電圧制御モードを切り換える電圧制御モード切換処理手段とを有する。
この場合、弱め界磁電流に基づいて電圧制御モードが切り換えられるので、電圧制御モードの切換えに伴って、チャタリング現象が発生するのを防止することができ、電動機械を安定させて駆動することができる。
また、弱め界磁電流は、積分値として発生させられるので、精度を高く、誤差を極めて小さくすることができる。したがって、ヒステリシス幅を小さくすることができるので、電圧制御モードを円滑に切り換えることができる。その結果、電圧振幅が急に変動することがなくなるので、電動機械トルクに変動が発生するのを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電動車両としての電気自動車、ハイブリッド型車両等に搭載された電動駆動装置、及び該電動駆動装置を作動させるための電動駆動制御装置について説明する。また、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置について説明する。
図1は本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図、図3は本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図、図4は本発明の実施の形態における最大駆動モータ目標トルクマップを示す図、図5は本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図、図6は本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図、図7は本発明の実施の形態における電圧制御モード切換処理の動作を示す図である。なお、図4において、横軸に角速度ωを、縦軸に駆動モータ目標トルクTM* の最大値を表す最大駆動モータ目標トルクTMmax* を、図5において、横軸に駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にd軸電流指令値id* を、図6において、横軸にd軸電流指令値id* を、縦軸にq軸電流指令値iq* を、図7において、横軸に弱め界磁電流Δidを、縦軸に電圧制御モードを採ってある。この場合、電動機械としての駆動モータ31のトルクである駆動モータトルクTMによって電動機械トルクが、駆動モータトルクTMの目標値を表す駆動モータ目標トルクTM* によって電動機械目標トルクが構成される。
図3において、31は電動機械としての駆動モータであり、該駆動モータ31は、例えば、電気自動車の駆動軸等に取り付けられ、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、ロータコア、及びロータコアの円周方向における複数箇所に等ピッチで配設された永久磁石を備え、該永久磁石のS極及びN極によって磁極対が構成される。また、前記ステータは、円周方向における複数箇所に、径方向内方に向けて突出させてティースが形成されたステータコア、並びに前記ティースに巻装されたU相、V相及びW相のコイルとしてのステータコイル11〜13を備える。
前記ロータの出力軸に、ロータの磁極位置を検出するための磁極位置検出部として磁極位置センサ21が配設され、該磁極位置センサ21は、センサ出力として磁極位置信号SGθを発生させ、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置45に送る。なお、磁極位置検出部として前記磁極位置センサ21に代えてレゾルバを配設し、該レゾルバによって磁極位置信号を発生させることができる。
そして、前記駆動モータ31を駆動して電気自動車を走行させるために、バッテリ14からの直流の電流が、電流発生装置としてのインバータ40によって、相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換され、各相の電流Iu、Iv、Iwはそれぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、ドライブ回路51において発生させられた駆動信号を各トランジスタTr1〜Tr6に送り、各トランジスタTr1〜Tr6を選択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることができるようになっている。前記インバータ40として、2〜6個のスイッチング素子を一つのパッケージに組み込むことによって形成されたIGBT等のパワーモジュールを使用したり、IGBTにドライブ回路等を組み込むことによって形成されたIPMを使用したりすることができる。
前記バッテリ14からインバータ40に電流を供給する際の入口側に電圧検出部としての電圧センサ15が配設され、該電圧センサ15は、インバータ40の入口側の直流電圧Vdcを検出し、駆動モータ制御装置45に送る。なお、直流電圧Vdcとしてバッテリ電圧を使用することもでき、その場合、前記バッテリ14に電圧検出部としてバッテリ電圧センサが配設される。
そして、前記駆動モータ31、インバータ40、ドライブ回路51、図示されない駆動輪等によって電動駆動装置が構成され、該電動駆動装置及び駆動モータ制御装置45によって電動駆動制御装置が構成される。また、17はコンデンサである。
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、U相及びV相のステータコイル11、12のリード線に、U相及びV相の電流Iu、Ivを検出する電流検出部としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34は、検出された電流を検出電流iu、ivとして駆動モータ制御装置45に送る。
該駆動モータ制御装置45には、コンピュータとして機能する図示されないCPUのほかに、データを記録したり、各種のプログラムを記録したりするためのRAM、ROM等の図示されない記録装置が配設され、該記録装置に第1、第2の電流指令値マップが設定される。なお、CPUに代えてMPUを使用することができる。
そして、前記ROMには、各種のプログラム、データ等が記録されるようになっているが、プログラム、データ等を、外部記憶装置として配設されたハードディスク等の他の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、前記駆動モータ制御装置45にフラッシュメモリを配設し、前記記録媒体から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに記録する。したがって、外部の記録媒体を交換することによって、前記プログラム、データ等を更新することができる。
次に、前記駆動モータ制御装置45の動作について説明する。
まず、前記駆動モータ制御装置45の図示されない位置検出処理手段は、位置検出処理を行い、前記磁極位置センサ21から送られた磁極位置信号SGθを読み込み、該磁極位置信号SGθに基づいて磁極位置θを検出する。また、前記位置検出処理手段の回転速度算出処理手段は、回転速度算出処理を行い、前記磁極位置信号SGθに基づいて駆動モータ31の角速度ωを算出する。なお、前記回転速度算出処理手段は、磁極数をpとしたとき、前記角速度ωに基づいて駆動モータ31の回転速度である駆動モータ回転速度NM
NM=60・(2/p)・ω/2π
も算出する。該駆動モータ回転速度NMによって電動機械回転速度が構成される。
また、前記駆動モータ制御装置45の図示されない検出電流取得処理手段は、検出電流取得処理を行い、前記検出電流iu、ivを読み込んで取得するとともに、検出電流iu、ivに基づいて検出電流iw
iw=−iu−iv
を算出することによって取得する。
次に、前記駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* 、検出電流iu、iv、iw、磁極位置θ、直流電圧Vdc等に基づいて駆動モータ31を駆動する。なお、本実施の形態においては、前記駆動モータ制御装置45において、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。
そのために、前記駆動モータ制御装置45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに基づいて、駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電気自動車の全体の制御を行う図示されない車両制御装置に送る。そして、該車両制御装置の車両用指令値算出処理手段は、車両用指令値算出処理を行い、前記車速V及びアクセル開度αを読み込み、車速V及びアクセル開度αに基づいて車両要求トルクTO* を算出し、該車両要求トルクTO* に対応させて駆動モータ目標トルクTM* を発生させ、前記駆動モータ制御装置45に送る。
そして、該駆動モータ制御装置45において、前記駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ目標トルクTM* に基づいて駆動モータ31を駆動するために、トルク指令値制限処理手段としてのトルク指令値制限部22、電流指令値設定処理手段としての電流指令値設定部46、弱め界磁制御処理手段としての弱め界磁制御部47、電圧指令値設定処理手段としての電圧指令値設定部48、第1の相変換処理手段としての三相二相変換部49、及び出力信号発生処理手段としてのPWM発生器50を備える。
前記電流指令値設定部46は、電流指令値設定処理を行うために、第1の軸電流指令値算出処理手段として、d軸電流指令値算出部(最大トルク制御部)53及び減算器55を、第2の軸電流指令値設定処理手段としてq軸電流指令値算出部(等トルク制御部)54を備え、d軸電流指令値算出部53及び減算器55は、第1の軸電流指令値設定処理を行い、d軸電流idの目標値を表す第1の電流指令値としてのd軸電流指令値id* を算出し、前記q軸電流指令値算出部54は、第2の軸電流指令値設定処理を行い、q軸電流iqの目標値を表す第2の電流指令値としてのq軸電流指令値iq* を算出する。なお、前記d軸電流指令値算出部53によって第1の電流指令値算出処理手段及び最大トルク制御処理手段が、q軸電流指令値算出部54によって第2の電流指令値算出処理手段及び等トルク制御部処理手段が、前記減算器55によって電流指令値調整処理手段が構成される。
また、前記弱め界磁制御部47は、弱め界磁制御処理を行うために、電圧飽和指標算出処理手段としての減算器58、及び電圧飽和判定処理手段としての、かつ、弱め界磁電流算出処理手段としてのd軸電流調整制御部59を備え、弱め界磁制御処理を行い、直流電圧Vdc(又はバッテリ電圧)が低くなったり、角速度ω(又は駆動モータ回転速度NM)が高くなったりすると、自動的に弱め界磁制御を行う。なお、前記d軸電流調整制御部59は積分器によって構成される。
そして、前記電圧指令値設定部48は、電圧指令値設定処理を行うために、電流制御処理手段としての、かつ、軸電圧指令値算出処理手段としての電流制御部61、及び電圧制御処理手段としての、かつ、第2の相変換処理手段としての電圧制御部62を備える。
前記電流制御部61は、電流制御処理及び軸電圧指令値算出処理を行い、第1、第2の軸電圧指令値としてのd軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を算出する。また、前記電圧制御部62は、第1の電圧指令値算出処理手段としての、かつ、変調率算出処理手段としての電圧振幅算出部63、第2の電圧指令値算出処理手段としての、かつ、電圧位相角算出処理手段としての電圧位相角算出部64、及び電圧位相角変換処理手段としての加算器65を備える。そして、前記電圧制御部62は、電圧制御処理を行い、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を変換し、第1、第2の電圧指令値としての変調率(電圧振幅指標)m及び電圧位相角γを算出する。なお、前記d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* によって第1、第2の軸電圧指令値が構成される。
また、前記PWM発生器50は、出力信号発生処理を行うために、過変調PWMパターン発生処理手段としての過変調PWMパターン発生部72、正弦波PWMパターン発生処理手段としての正弦波PWMパターン発生部73、第1のパルスパターン発生処理手段としての、かつ、多パルスパターン発生処理手段としての5パルスパターン発生部74、第2のパルスパターン発生処理手段としての、かつ、1パルスパターン発生処理手段としての1パルスパターン発生部75、及び電圧モード切換処理手段としての電圧モード切換部77を備える。該電圧モード切換部77は、過変調PWMパターン、正弦波PWMパターン、5パルスパターン及び1パルスパターンの第1〜第4のパターンのうちの一つのパターンを選択し、選択されたパターンで各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを出力信号として発生させ、前記ドライブ回路51に送る。
なお、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwは、過変調PWMパターンで発生させられる場合、過変調PWM信号として、正弦波PWMパターンで発生させられる場合、正弦波PWM信号として、5パルスパターンで発生させられる場合、5パルス信号として、1パルスパターンで発生させられる場合、1パルス信号として電圧モード切換部77に送られる。なお、必要に応じて3パルスパターン発生部を配設し、3パルスパターンで3パルス信号を発生させることができる。前記過変調PWM信号及び正弦波PWM信号は非同期PWM信号を構成し、5パルス信号、3パルス信号、1パルス信号等は同期PWM信号を構成する。
前記ドライブ回路51は、前記各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを受けて6個の駆動信号を発生させ、該各駆動信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwに基づいて、トランジスタTr1〜Tr6をスイッチングして各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記駆動モータ31の各ステータコイル11〜13に供給する。
このように、駆動モータ目標トルクTM* に基づいてトルク制御が行われ、駆動モータ31が駆動されて電気自動車が走行させられる。
次に、前記電流指令値設定部46の動作について説明する。
この場合、前記電流指令値設定部46は、駆動モータ目標トルクTM* 、角速度ω及び直流電圧Vdcを読み込み、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出する。
そのために、前記車両用指令値算出処理手段から駆動モータ制御装置45に駆動モータ目標トルクTM* が送られると、前記トルク指令値制限部22は、トルク指令値制限処理を行い、前記直流電圧Vdc、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定された図4の最大駆動モータ目標トルクマップを参照し、前記直流電圧Vdc及び角速度ωに対応する最大駆動モータ目標トルクTMmax* を読み込み、駆動モータ目標トルクTM* が最大駆動モータ目標トルクTMmax* を超えないように制限する。
前記駆動モータ目標トルクマップにおいて、角速度ωが所定の値ω1以下である場合、最大駆動モータ目標トルクTMmax* は一定の値を採り、角速度ωが所定の値ω1を超えると、最大駆動モータ目標トルクTMmax* は曲線状に小さくされる。角速度ωが所定の値ω1を超える領域において、最大駆動モータ目標トルクTMmax* は、直流電圧Vdcが高いほど大きく、直流電圧Vdcが低いほど小さく設定される。なお、前記最大駆動モータ目標トルクマップによって最大電動機械目標トルクマップが、前記最大駆動モータ目標トルクTMmax* によって最大電動機械目標トルクが構成される。
続いて、前記d軸電流指令値算出部53は、第1の電流指令値算出処理及び最大トルク制御処理を行い、前記トルク指令値制限部22において制限された駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定された図5の第1の電流指令値マップを参照し、前記駆動モータ目標トルクTM* に対応するd軸電流指令値id* を読み出し、該d軸電流指令値id* を減算器55に送る。
この場合、前記第1の電流指令値マップにおいて、d軸電流指令値id* は、駆動モータ目標トルクTM* を達成するために電流振幅指令値の絶対値が最も小さくなるように設定される。そして、前記第1の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が正の値を採るのに対して、d軸電流指令値id* は負の値を採り、駆動モータ目標トルクTM* が零(0)である場合、d軸電流指令値id* は零にされ、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるにつれてd軸電流指令値id* は負の方向に大きくなるように設定される。
このようにして、d軸電流指令値id* が算出されると、前記q軸電流指令値算出部54は、前記トルク指令値制限部22において制限された駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前述されたように、第1の電流指令値マップを参照し、前記駆動モータ目標トルクTM* に対応するd軸電流指令値id* を読み出し、続いて、前記記録装置に設定された図6の第2の電流指令値マップを参照し、駆動モータ目標トルクTM* 及びd軸電流指令値id* に対応するq軸電流指令値iq* を読み出すことによって算出し、該q軸電流指令値iq* を前記電流制御部61に送る。
なお、前記第2の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正の方向に大きくなり、駆動モータ目標トルクTM* が小さくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正の方向に小さくなるように設定される。また、駆動モータ目標トルクTM* が一定の場合、d軸電流指令値id* が負の方向に大きくなると、q軸電流指令値iq* が正の方向に小さくなる。
続いて、前記電圧指令値設定部48の動作について説明する。
前記三相二相変換部49は、第1の相変換処理としての三相/二相変換を行い、磁極位置θを読み込み、検出電流iu、iv、iwをそれぞれd軸電流id及びq軸電流iqに変換し、d軸電流id及びq軸電流iqを第1、第2の実電流として算出し、電流制御部61に送る。そして、電流制御部61は、減算器55を介してd軸電流指令値算出部53から送られたd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値算出部54から送られたq軸電流指令値iq* を受け、三相二相変換部49から前記d軸電流id及びq軸電流iqを受けると、フィードバック制御を行う。
そのために、電流制御部61は、前記d軸電流指令値id* とd軸電流idとの電流偏差δid、及びq軸電流指令値iq* とq軸電流iqとの電流偏差δiqを算出し、各電流偏差δid、δiqに基づいて、比例制御及び積分制御から成る比例積分演算を行う。
すなわち、前記電流制御部61は、電流偏差δidに基づいて比例成分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdp、及び積分成分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdiを算出し、電圧降下Vzdp、Vzdiを加算して、電圧降下Vzd
Vzd=Vzdp+Vzdi
を算出する。
また、前記電流制御部61は、角速度ω及びq軸電流iqを読み込み、角速度ω、q軸電流iq及びq軸インダクタンスLqに基づいて、q軸電流iqによって誘起される誘起電圧ed
ed=ω・Lq・iq
を算出するとともに、前記電圧降下Vzdから誘起電圧edを減算し、出力電圧としてのd軸電圧指令値vd*
vd* =Vzd−ed
=Vzd−ω・Lq・iq
を算出する。
また、電流制御部61は、電流偏差δiqに基づいて比例成分の電圧指令値を表す電圧降下Vzqp、及び積分項分の電圧指令値を表す電圧降下Vzqiを算出し、電圧降下Vzqp、Vzqiを加算して、電圧降下Vzq
Vzq=Vzqp+Vzqi
を算出する。
さらに、電流制御部61は、角速度ω及びd軸電流idを読み込み、角速度ω、逆起電圧定数MIf、d軸電流id及びd軸インダクタンスLdに基づいて、d軸電流idによって誘起される誘起電圧eq
eq=ω(MIf+Ld・id)
を算出するとともに、電圧降下Vzqに誘起電圧eqを加算し、出力電圧としてのq軸電圧指令値vq*
vq* =Vzq+eq
=Vzq+ω(MIf+Ld・id)
を算出する。
続いて、前記電圧制御部62は、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 、直流電圧Vdc及び磁極位置θを読み込み、変調率m及びd−q座標上の電圧位相角γを算出し、該電圧位相角γを固定座標上の電圧位相角βに変換し、変調率m及び電圧位相角βをPWM発生器50に送る。
そのために、前記電圧振幅算出部63は、変調率算出処理を行い、電圧振幅|v|
Figure 0004466599
を、理論上の最大の電圧Vmax
Vmax=0.78×Vdc
によって除算することによって、変調率m
Figure 0004466599
を算出してPWM発生器50に送る。なお、前記変調率mは、電圧振幅|v|の程度を表す値である。また、前記電圧位相角算出部64は、d−q座標上の電圧位相角γ
γ=arctan(vq* /vd*
を算出して加算器65に送り、該加算器65は、電圧位相角変換処理を行い、電圧位相角γに磁極位置θを加算して、固定座標上の前記電圧位相角β
β=γ+θ
を算出し、PWM発生器50に送る。
次に、弱め界磁制御部47の動作について説明する。
ところで、前記駆動モータ31においては、ロータが回転するのに伴って逆起電力が発生するが、駆動モータ回転速度NMが高くなるほど駆動モータ31の端子電圧が高くなり、該端子電圧が閾値を超えると、電圧飽和が発生し、駆動モータ31による出力が不可能になってしまう。
そこで、前記減算器58は、電圧飽和指標算出処理を行い、前記変調率mを読み込むとともに、あらかじめ設定された変調率mの指令値、すなわち、変調率指令値kを読み込み、電圧飽和の程度を表す指標である電圧飽和指標Δm
Δm=m−k
を算出し、電圧飽和指標Δmをd軸電流調整制御部59に送る。
続いて、該d軸電流調整制御部59は、電圧飽和判定処理及び弱め界磁電流算出処理を行い、制御タイミングごとに前記電圧飽和指標Δmを積算し、積算値ΣΔmを算出し、該積算値ΣΔmが正の値を採るかどうかによって電圧飽和が生じているかどうかを判断し、積算値ΣΔmが正の値を採り、電圧飽和が生じている場合、積算値ΣΔmに比例定数を乗算して弱め界磁制御を行うための弱め界磁電流Δidを算出して設定し、積算値ΣΔmが零以下の値を採り、電圧飽和が生じていない場合、前記弱め界磁電流Δidを零にする。
そして、弱め界磁電流Δidは、q軸電流指令値算出部54及び減算器55に送られ、該減算器55は、弱め界磁電流Δidを受けると、電流指令値調整処理を行い、前記d軸電流指令値id* から弱め界磁電流Δidを減算することによってd軸電流指令値id* を調整し、弱め界磁電流Δidを電流制御部61に送る。
この場合、弱め界磁電流Δidが零の値を採るとき、実質的にd軸電流指令値id* の調整は行われず、弱め界磁制御も行われない。一方、弱め界磁電流Δidが正の値を採るとき、d軸電流指令値id* は調整されて値が負の方向に大きくされ、弱め界磁制御が行われる。
したがって、図6に示されるように、減算器55に送られたd軸電流指令値id* の値がida* であるときに、弱め界磁電流Δidが零であって弱め界磁制御が行われない場合は、q軸電流指令値算出部54において、値ida* に対応するq軸電流指令値iq* の値iqa* が読み出される。これに対して、弱め界磁電流Δidが正の値を採り、弱め界磁制御が行われる場合、例えば、減算器55において、d軸電流指令値id* は、負の方向に弱め界磁電流Δidだけ大きい値idb* にされ、値idb* がq軸電流指令値算出部54に送られる。したがって、q軸電流指令値算出部54においてq軸電流指令値iq* は値iqa* より正の方向に小さくされて、値iqb* になる。
ところで、前述されたように、PWM発生器50は、変調率m及び電圧位相角βを受けると、出力信号発生処理を行い、過変調PWMパターン、正弦波PWMパターン、5パルスパターン及び1パルスパターンの各パターンのうちの一つのパターンを選択し、選択されたパターンで各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを発生させるようになっている。
次に、前記PWM発生器50の動作について説明する。
ところで、電圧飽和が生じておらず、電圧振幅|v|の低い領域、すなわち、正弦波領域において、電圧モード切換部77は、電圧モード切換処理を行い、正弦波PWMパターン発生部73で発生させられた正弦波PWM信号を受け、前記ドライブ回路51に送る。
そのために、前記正弦波PWMパターン発生部73は、正弦波PWMパターン発生処理を行い、変調率m及び電圧位相角βを受け、変調率m及び電圧位相角βに基づいて各相の正弦波を発生させ、該正弦波と一定の周波数及び一定の振幅で発振する三角波とを比較し、不等のパルス幅を有する複数のパルスから成るパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを発生させ、該パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを電圧モード切換部77に送る。このようにして、正弦波PWM信号に基づいて、非同期PWM制御としての正弦波PWM制御が行われる。
ところで、前記正弦波PWM制御においては、正弦波PWMパターンで正弦波PWM信号が発生させられるが、各ステータコイル11〜13に印加することができる各相の電圧の振幅|v|には上限があり、上限を超えて電圧を印加しようとすると、比例・積分演算において、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* の変動に変調率m及び電圧位相角βの算出を追随させることができなくなり、変調率m及び電圧位相角βに振動が発生してしまう。
そこで、電圧振幅|v|が高くなると、電圧モード切換部77の図示されない過変調領域判定処理手段は、過変調領域判定処理を行い、駆動モータ回転速度NMが所定の値N1より低い領域、すなわち、過変調領域に収まるかどうかを判断し、駆動モータ回転速度NMが過変調領域に収まる場合、電圧モード切換部77の図示されない電圧制御モード切換処理手段は、電圧制御モード切換処理を行い、過変調PWMパターン発生部72で発生させられた過変調PWM信号を受け、前記ドライブ回路51に送り、電圧制御モードを正弦波PWM制御から過変調PWM制御に切り換える。
そして、過変調PWMパターン発生部72は、過変調領域で過変調PWMパターン発生処理を行い、電圧位相角βに基づいて、各相の第1の値v1以上の部分、すなわち、正弦波のピーク値の近傍がカットされた正弦波を発生させ、該正弦波と一定の周波数及び一定の振幅で発振する三角波とを比較し、不等のパルス幅を有する複数のパルスから成るパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを発生させ、該パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを電圧モード切換部77に送る。このようにして、過変調PWM信号に基づいて、過変調PWM制御が行われる。
ところで、前記インバータ40の各トランジスタTr1〜Tr6によるスイッチングのタイミングが、電圧位相角βと同期させられるようになっていないので、高速回転領域において駆動モータ31を駆動しようとすると、各相の電圧に振動が発生し、ビート現象が発生してしまう。
そこで、本実施の形態においては、過変調PWM制御と1パルス制御とで、更に電圧制御モードを切り換えることができるようになっている。そのために、前記電圧制御モード切換処理手段は、前記過変調領域のような、駆動モータ回転速度NMが前記値N1より低い低速領域においては、過変調PWM制御を行い、電圧振幅|v|が第1の値v1以上で、かつ、駆動モータ回転速度NMが値N1以上になる高速領域、すなわち、同期領域においては、1パルス信号を発生させて、1パルス制御を行うようにしている。
そのために、電圧モード切換部77は、1パルスパターン発生部75で発生させられた1パルス信号を受け、該1パルス信号を前記ドライブ回路51に送る。
前記1パルスパターン発生部75は、第2のパルスパターン発生処理及び1パルスパターン発生処理を行い、電圧位相角βを受け、電圧位相角βに基づいて、電気角で原点を中心に最大で±180〔°〕の範囲内で、例えば、±90〔°〕の範囲で1個のパルスを有する1パルス信号を発生させる。このようにして、1パルス制御を行うことができる。
ところが、駆動モータ回転速度NMが高い領域で過変調PWM制御を行うと、ビート現象が発生してしまう。
そこで、前記電圧制御モード切換処理手段の非同期・同期切換処理手段は、非同期・同期切換処理を行い、電圧制御モードを正弦波PWM制御又は過変調PWM制御から1パルス制御に切り換えるに当たり、あらかじめ5パルス制御を行うようにしている。そのために、電圧モード切換部77は、5パルスパターン発生部74で発生させられた5パルス信号を受け、該5パルス信号を前記ドライブ回路51に送る。
前記5パルスパターン発生部74は、第1のパルスパターン発生処理及び5パルスパターン発生処理を行い、変調率m及び電圧位相角βを受け、変調率m及び電圧位相角βに基づいて、原点を中心に±180〔°〕の範囲内で5個のパルスを有する5パルスパターンの同期PWM信号を発生させる。このようにして、同期制御のうちの5パルス制御、すなわち、多パルス制御を行うことができる。
なお、前記5パルスパターン発生処理が終了したときと1パルスパターン発生処理が開始されたときとで、各ステータコイル11〜13に印加される電圧の変化をなくすために、前述されたように、3パルスパターン発生部を配設し、該3パルスパターンによって三つのパルスを有する3パルスパターンの同期PWM信号を発生させ、3パルスパターンを介して5パルスパターンから1パルスパターンに移行させることができる。
ところで、本実施の形態においては、前述されたように、電圧振幅|v|が変動するのに伴って、前記正弦波PWM制御と、過変調PWM制御、1パルス制御、5パルス制御等とで電圧制御モードを切り換えることができるようになっているが、電圧制御モードを変調率mに従って切り換え、例えば、変調率mが最大変調率以下である場合、過変調PWM制御、5パルス制御等を行い、前記変調率mが最大変調率を超えると、1パルス制御を行うようにすると、駆動モータ31を安定させて駆動することができない。
すなわち、変調率mが最大変調率である1前後にある場合、1パルス制御を開始したり、終了したりするチャタリング現象が発生してしまう。
そこで、変調率mにヒステリシスを設定し、変調率mが最大変調率より所定の値だけ大きい第1の値、及び最大変調率より所定の値だけ小さい第2の値を設定し、変調率mが第1の値より大きくなると1パルス制御を行い、変調率mが第2の値より小さくなると、過変調PWM制御、5パルス制御等を行うことが考えられる。
ところが、変調率mは、d軸電圧指令値vq* 及びq軸電圧指令値vq* に基づいて算出され、該d軸電圧指令値vq* 及びq軸電圧指令値vq* は更にd軸電流指令値id* 、d軸電流id(実電流)、q軸電流指令値iq* 及びq軸電流iq(実電流)に基づいて算出されるようになっているので、d軸電流id及びq軸電流iqにノイズが発生すると、変調率mに比較的に大きいノイズが発生してしまう。
したがって、チャタリング現象が発生するのを防止しようとすると、ヒステリシス幅を大きくしなければならなくなるので、電圧制御モードの切換えを円滑に行うことができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、弱め界磁電流Δidに基づいて、しかも、弱め界磁電流Δidにヒステリシスを設定して、電圧制御モードの切換えを行うようにしている。
すなわち、電圧モード切換部77の前記電圧制御モード切換処理手段は、図7に示されるように、弱め界磁電流Δidに第1、第2の閾値id1、id2を設定し、第1、第2の閾値id1、id2間にヒステリシスを設定するようにしている。
そして、弱め界磁電流Δidが負の方向に大きくなり、第2の閾値id2より大きくなると、前記電圧制御モード切換処理手段は、電圧制御モードを過変調PWM制御、5パルス制御等から1パルス制御に切り換え、弱め界磁電流Δidが負の方向に小さくなり、第1の閾値id1より小さくなると、前記電圧制御モード切換処理手段は、電圧制御モードを1パルス制御から過変調PWM制御、5パルス制御等に切り換える。
なお、前記第1、第2の閾値id1、id2は、過変調PWM制御、5パルス制御等を行うときの電圧振幅|v|の最大値に対応させて設定される。また、前記過変調PWM制御、5パルス制御等によって第1のパルス制御が、1パルス制御によって第2のパルス制御が構成される。
このように、本実施の形態においては、電圧制御モードを弱め界磁電流Δidに基づいて切り換え、該弱め界磁電流Δidにヒステリシスが設定されるようになっているので、電圧制御モードの切換えに伴って、チャタリング現象が発生するのを防止することができる。
また、弱め界磁電流Δidは、d軸電流調整制御部59による積分値として発生させられるので、精度を高く、誤差を極めて小さくすることができる。したがって、ヒステリシス幅を小さくすることができるので、電圧制御モードを円滑に切り換えることができる。その結果、電圧振幅|v|が急に変動することがなくなるので、駆動モータトルクTMに変動が発生するのを防止することができ、電動機械を安定させて駆動することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図である。 従来の電圧制御モードの切換えの説明図である。 本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図である。 本発明の実施の形態における最大駆動モータ目標トルクマップを示す図である。 本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における電圧制御モード切換処理の動作を示す図である。
符号の説明
31 駆動モータ
40 インバータ
45 駆動モータ制御装置
46 電流指令値設定部
47 弱め界磁制御部
51 ドライブ回路
53 d軸電流指令値算出部
54 q軸電流指令値算出部
59 d軸電流調整制御部
63 電圧振幅算出部

Claims (6)

  1. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出する第1の電流指令値算出処理手段と、前記第1の電流指令値及び電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出する第2の電流指令値算出処理手段と、前記第1、第2の電流指令値及び直流電圧に基づいて変調率を算出する変調率算出処理手段と、前記変調率に基づいて弱め界磁電流を算出し、該弱め界磁電流に基づいて弱め界磁制御を行う弱め界磁制御処理手段と、前記変調率に基づいて前記弱め界磁制御を行うために算出された前記弱め界磁電流に基づいて電圧制御モードを切り換える電圧制御モード切換処理手段とを有することを特徴とする電動駆動制御装置。
  2. 前記電圧制御モード切換処理手段は、設定されたヒステリシスに従って電圧制御モードを切り換える請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  3. 前記弱め界磁電流に第1、第2の閾値が設定され、前記電圧制御モード切換処理手段は、弱め界磁電流が第2の閾値より大きくなると、電圧制御モードを過変調PWM制御又は多パルス制御から1パルス制御に切り換え、弱め界磁電流が第1の閾値より小さくなると、電圧制御モードを1パルス制御から過変調PWM制御又は多パルス制御に切り換える請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  4. 前記第1、第2の閾値は、過変調PWM制御又は多パルス制御を発生させるときの電圧振幅の最大値に対応させて設定される請求項に記載の電動駆動制御装置。
  5. 前記変調率算出処理手段は、前記第1、第2の電流指令値及び第1、第2の実電流によって算出される第1、第2の電圧指令値に基づいて、前記変調率を算出する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  6. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出し、前記第1の電流指令値及び電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出し、前記第1、第2の電流指令値及び直流電圧に基づいて変調率を算出し、変調率に基づいて弱め界磁電流を算出し、該弱め界磁電流に基づいて弱め界磁制御を行い、前記変調率に基づいて前記弱め界磁制御を行うために算出された前記弱め界磁電流に基づいて電圧制御モードを切り換えることを特徴とする電動駆動制御方法。
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