JP4462207B2 - 電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 - Google Patents

電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 Download PDF

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本発明は、電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法に関するものである。
従来、電動機械として配設された駆動モータ又は発電機には、回転自在に配設され、N極及びS極の永久磁石から成る磁極対を備えたロータ、該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のステータコイルを備えたステータ等が配設される。
そして、駆動モータ又は発電機を駆動し、駆動モータのトルクである駆動モータトルク、又は発電機のトルクである発電機トルクを発生させるために、電動駆動装置が配設される。駆動モータを駆動するために駆動モータ制御装置が、発電機を駆動するために発電機制御装置が、電動機械制御装置として配設され、該電動機械制御装置において発生させられたU相、V相及びW相のパルス幅変調信号をインバータに送り、該インバータにおいて発生させられた相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流を前記各ステータコイルに供給することによって、前記駆動モータトルクを発生させたり、発電機トルクを発生させたりするようになっている。
前記駆動モータ制御装置においては、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われる。そのために、前記駆動モータ制御装置は、各ステータコイルに供給される電流、ロータの磁極位置、インバータの入口の直流電圧等を検出し、検出された電流、すなわち、検出電流を磁極位置に基づいてd軸電流及びq軸電流に変換し、続いて、電流指令値マップを参照してd軸電流及びq軸電流の目標値を表すd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出し、前記d軸電流とd軸電流指令値との偏差、q軸電流とq軸電流指令値との偏差、及び駆動モータのパラメータに基づいてd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を算出するようにしている。
そして、前記電流指令値マップには、駆動モータトルクの目標値を表す駆動モータ目標トルク、前記直流電圧及び角速度に対応させて、d軸電流指令値及びq軸電流指令値が記録される。なお、前記パラメータは、逆起電圧定数MIf、各ステータコイルの巻線抵抗Ra、インダクタンスLd、Lq等から成る。
ところで、前記駆動モータにおいては、ロータが回転するのに伴って逆起電力が発生するが、駆動モータの回転速度である駆動モータ回転速度が高くなるほど駆動モータの端子電圧が高くなり、該端子電圧が閾(しきい)値を超えると、電圧飽和が発生し、駆動モータによる出力が不可能になってしまう。
そこで、角速度が高くなって弱め界磁制御領域に入ると、弱め界磁制御が行われるように前記電流指令値マップが形成され、該電流指令値マップにおける角速度の高い所定の領域でd軸電流指令値が負の方向に大きくされるようになっている。したがって、駆動モータの運転領域を拡大し、駆動モータトルクを大きくすることができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−130710号公報
しかしながら、前記従来の駆動モータ制御装置においては、d軸電流指令値が負の方向に大きくなりすぎると、弱め界磁制御を効果的に行うことができず、駆動モータトルクを十分に発生させることができなくなってしまう。
そこで、d軸電流指令値が最大d軸電流指令値を超えないように制限してリミット動作をさせ、q軸電流指令値を小さくすることが考えられる。
ところが、例えば、インバータに印加される直流電圧が低下し、それに伴って最大d軸電流指令値が負の方向において小さくなると、弱め界磁制御が行われる運転ポイントが等トルク曲線に沿って移動し、本来使用される必要のないd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値が発生させられ、その結果、電流リプルが発生してしまう。
本発明は、前記従来の駆動モータ制御装置の問題点を解決して、弱め界磁制御でリミット動作をさせたときに、電流リプルが発生することがない電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明の電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出する第1の電流指令値算出処理手段と、前記電動機械の運転条件に対応させて、前記第1の電流指令値を制限する電流制限処理手段と、制限された第1の電流指令値及び前記電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出する第2の電流指令値算出処理手段と、弱め界磁制御を行うために、第1、第2の調整値に基づいて前記第1、第2の電流指令値を調整する第1、第2の電流指令値調整処理手段とを有する。
そして、前記電流制限処理手段は、前記第1の調整値によって調整される前の第1の電流指令値を調整前電流指令値としたとき、負の方向において、前記運転条件によって決定される最大電流指令値が調整前電流指令値以上である場合、第1の電流指令値を、最大電流指令値を超えないように制限し、負の方向において前記最大電流指令値が調整前電流指令値より小さい場合、該調整前電流指令値に微小値を加算したリミット動作調整値を算出し、前記第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に固定して制限する。
また、前記第2の電流指令値調整処理手段は、第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に保持したまま第2の電流指令値を小さくする。
本発明の電動駆動制御方法においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出し、前記電動機械の運転条件に対応させて、前記第1の電流指令値を制限し、制限された第1の電流指令値及び前記電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出し、弱め界磁制御を行うために、第1、第2の調整値に基づいて前記第1、第2の電流指令値を調整する。
そして、前記第1の調整値によって調整される前の第1の電流指令値を調整前電流指令値としたとき、負の方向において、前記運転条件によって決定される最大電流指令値が調整前電流指令値以上である場合、第1の電流指令値を、最大電流指令値を超えないように制限し、負の方向において前記最大電流指令値が調整前電流指令値より小さい場合、該調整前電流指令値に微小値を加算したリミット動作調整値を算出し、前記第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に固定して制限する。
また、第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に保持したまま第2の電流指令値を小さくする。
本発明によれば、電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出する第1の電流指令値算出処理手段と、前記電動機械の運転条件に対応させて、前記第1の電流指令値を制限する電流制限処理手段と、制限された第1の電流指令値及び前記電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出する第2の電流指令値算出処理手段と、弱め界磁制御を行うために、第1、第2の調整値に基づいて前記第1、第2の電流指令値を調整する第1、第2の電流指令値調整処理手段とを有する。
そして、前記電流制限処理手段は、前記第1の調整値によって調整される前の第1の電流指令値を調整前電流指令値としたとき、負の方向において、前記運転条件によって決定される最大電流指令値が調整前電流指令値以上である場合、第1の電流指令値を、最大電流指令値を超えないように制限し、負の方向において前記最大電流指令値が調整前電流指令値より小さい場合、該調整前電流指令値に微小値を加算したリミット動作調整値を算出し、前記第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に固定して制限する。
また、前記第2の電流指令値調整処理手段は、第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に保持したまま第2の電流指令値を小さくする。
この場合、前記運転条件によって決定される最大電流指令値が調整前電流指令値以上である場合、第1の電流指令値が、最大電流指令値を超えないように制限され、最大電流指令値が調整前電流指令値より小さい場合、調整前電流指令値に微小値を加算したリミット動作調整値が算出され、第1の電流指令値が、前記リミット動作調整値に固定されて制限され、第1の電流指令値が前記リミット動作調整値に保持されたまま第2の電流指令値が小さくされるので、電流リプルが発生することがなくなる。
したがって、電動機械を安定させて駆動することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電動車両としての電気自動車、ハイブリッド型車両等に搭載された電動駆動装置、及び該電動駆動装置を作動させるための電動駆動制御装置について説明する。
図1は本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図、図2は本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図、図3は本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図、図4は本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図、図5は本発明の実施の形態における電流制限マップを示す図、図6は従来の駆動モータ制御装置における電圧制限楕円を示す参考図、図7は本発明の実施の形態における電圧制限楕円を示す図である。なお、図3において、横軸に電動機械としての駆動モータ31のトルクである駆動モータトルクTMの目標値を表す駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にd軸電流指令値id* を、図4において、横軸にd軸電流指令値id* を、縦軸にq軸電流指令値iq* を、図5において、横軸に直流電圧Vdcを、縦軸に最大電流指令値idmax* を、図6及び7において、横軸にd軸電流指令値id* を、縦軸にq軸電流指令値iq* を採ってある。この場合、駆動モータトルクTMによって電動機械トルクが、駆動モータ目標トルクTM* によって電動機械目標トルクが構成される。また、図5において、電流制限マップは、角速度ωごとに形成された複数のマップから成る。
図において、31は電動機械としての駆動モータであり、該駆動モータ31は、例えば、電気自動車の駆動軸等に取り付けられ、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、ロータコア、及びロータコアの円周方向における複数箇所に等ピッチで配設された永久磁石を備え、該永久磁石のS極及びN極によって磁極対が構成される。また、前記ステータは、円周方向における複数箇所に、径方向内方に向けて突出させてティースが形成されたステータコア、並びに前記ティースに巻装されたU相、V相及びW相のコイルとしてのステータコイル11〜13を備える。
前記ロータの出力軸に、該ロータの磁極位置を検出するための磁極位置検出部として磁極位置センサ21が配設され、該磁極位置センサ21は、センサ出力として磁極位置信号SGθを発生させ、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置45に送る。なお、本実施の形態においては、磁極位置検出部として前記磁極位置センサ21が使用されるようになっているが、該磁極位置センサ21に代えてレゾルバを配設し、該レゾルバによって磁極位置信号を発生させることができる。
そして、前記駆動モータ31を駆動して電気自動車を走行させるために、バッテリ14からの直流の電流が、電流発生装置としてのインバータ40によって相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換され、各相の電流Iu、Iv、Iwはそれぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、ドライブ回路51において発生させられた駆動信号を各トランジスタTr1〜Tr6に送り、各トランジスタTr1〜Tr6を選択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることができるようになっている。前記インバータ40として、2〜6個のスイッチング素子を一つのパッケージに組み込むことによって形成されたIGBT等のパワーモジュールを使用したり、IGBTにドライブ回路等を組み込むことによって形成されたIPMを使用したりすることができる。
前記バッテリ14からインバータ40に電流を供給する際の入口側に電圧検出部としての電圧センサ15が配設され、該電圧センサ15は、インバータ40の入口側の直流電圧Vdcを検出し、駆動モータ制御装置45に送る。なお、直流電圧Vdcとしてバッテリ電圧を使用することもでき、その場合、前記バッテリ14に電圧検出部としてバッテリ電圧センサが配設される。
そして、前記駆動モータ31、インバータ40、ドライブ回路51、図示されない駆動輪等によって電動駆動装置が構成される。また、17はコンデンサである。
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、U相及びV相のステータコイル11、12のリード線に、U相及びV相の電流Iu、Ivを検出する電流検出部としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34は、検出された電流を検出電流iu、ivとして駆動モータ制御装置45に送る。
該駆動モータ制御装置45には、コンピュータとして機能する図示されないCPUのほかに、データを記録したり、各種のプログラムを記録したりするためのRAM、ROM等の図示されない記録装置が配設され、該記録装置に第1、第2の電流指令値マップが設定される。なお、CPUに代えてMPUを使用することができる。
そして、前記ROMには、各種のプログラム、データ等が記録されるようになっているが、プログラム、データ等を、外部記憶装置として配設されたハードディスク等の他の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、前記駆動モータ制御装置45にフラッシュメモリを配設し、前記記録媒体から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに記録する。したがって、外部の記録媒体を交換することによって、前記プログラム、データ等を更新することができる。
次に、前記電動駆動制御装置の動作について説明する。
まず、前記駆動モータ制御装置45の図示されない位置検出処理手段は、位置検出処理を行い、前記磁極位置センサ21から送られた磁極位置信号SGθを読み込み、該磁極位置信号SGθに基づいて磁極位置θを検出する。また、前記位置検出処理手段の回転速度算出処理手段は、回転速度算出処理を行い、前記磁極位置信号SGθに基づいて駆動モータ31の角速度ωを算出する。なお、前記回転速度算出処理手段は、磁極数をpとしたとき、前記角速度ωに基づいて駆動モータ31の回転速度である駆動モータ回転速度NM
NM=60・(2/p)・ω/2π
も算出する。該駆動モータ回転速度NMによって電動機械回転速度が構成される。
また、前記駆動モータ制御装置45の図示されない検出電流取得処理手段は、検出電流取得処理を行い、前記検出電流iu、ivを読み込んで取得するとともに、前記検出電流iu、ivに基づいて検出電流iw
iw=−iu−iv
を算出することによって取得する。
そして、前記駆動モータ制御装置45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに基づいて、駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電気自動車の全体の制御を行う図示されない車両制御装置に送る。そして、該車両制御装置の車両用指令値算出処理手段は、車両用指令値算出処理を行い、前記車速V及びアクセル開度αを読み込み、車速V及びアクセル開度αに基づいて車両要求トルクTO* を算出し、該車両要求トルクTO* に対応させて駆動モータ目標トルクTM* を発生させ、前記駆動モータ制御装置45に送る。
次に、前記駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* 、検出電流iu、iv、iw、磁極位置θ、直流電圧Vdc等に基づいて駆動モータ31を駆動する。
そのために、前記駆動モータ制御処理手段は、電流指令値算出・調整処理手段としての電流指令値算出部46、弱め界磁制御処理手段としての弱め界磁制御処理部47、電圧指令値算出処理手段としての図示されない電圧指令値算出処理部、第1の相変換処理手段としての図示されない三相二相変換部、及び出力信号発生処理手段としての図示されないPWM発生器を備え、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御を行う。
前記電流指令値算出部46は、電流指令値算出・調整処理を行うために、第1の電流指令値設定処理手段として、d軸電流指令値算出部(最大トルク制御部)53、減算器55及びd軸電流制限部(電流リミッタ)65を、第2の電流指令値設定処理手段として、q軸電流指令値算出部(等トルク制御部)54及び減算器66を備え、前記d軸電流指令値算出部53、減算器55及びd軸電流制限部65は、第1の電流指令値設定処理を行い、d軸電流idの目標値を表す第1の電流指令値としてのd軸電流指令値id* を算出し、前記q軸電流指令値算出部54及び減算器66は、第2の電流指令値設定処理を行い、q軸電流iqの目標値を表す第2の電流指令値としてのq軸電流指令値iq* を算出する。なお、前記d軸電流指令値算出部53によって第1の電流指令値算出処理手段、及び最大トルク制御処理手段が、q軸電流指令値算出部54によって第2の電流指令値算出処理手段、及び等トルク制御処理手段が、前記減算器55、66によって第1、第2の電流指令値調整処理手段が、d軸電流制限部65によって電流制限処理手段が構成される。
また、前記弱め界磁制御処理部47は、弱め界磁制御処理を行うために、切換処理手段としてのスイッチSW1、電圧飽和算定値算出処理手段としての減算器58、第1の電圧飽和判定処理手段としての、かつ、第1の調整値算出処理手段としてのd軸電流調整制御部59、第2の電圧飽和判定処理手段としての、かつ、第2の調整値算出処理手段としてのq軸電流調整制御部67、及び弱め界磁電流制限処理手段としての弱め界磁電流制限部68を備え、弱め界磁電流制限処理を行い、直流電圧Vdc(又はバッテリ電圧)が低くなったり、角速度ω(又は駆動モータ回転速度NM)が高くなると、自動的に弱め界磁制御を行う。なお、前記d軸電流調整制御部59及びq軸電流調整制御部67は、いずれも積分器によって構成される。
そして、前記電圧指令値算出処理部は、電圧指令値算出処理を行うために、電流制御処理手段としての電流制御部、及び電圧制御処理手段としての電圧制御部を備え、電流制御部は電流制御処理を行い、第1、第2の軸電圧指令値としてのd軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を算出し、電圧制御部は電圧制御処理を行い、第1〜第3の相電圧指令値としての電圧指令値vu* 、vv* 、vw* を算出する。なお、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び電圧指令値vu* 、vv* 、vw* によって電圧指令値が構成される。
次に、前記駆動モータ制御処理手段の動作について説明する。
まず、前記電流指令値算出部46は、駆動モータ目標トルクTM* 、前記直流電圧Vdc及び角速度ωに基づいてd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出する。
そのために、前記車両用指令値算出処理手段から駆動モータ制御装置45に駆動モータ目標トルクTM* が送られると、駆動モータ制御装置45のトルク指令値制限処理手段としての図示されないトルク指令値制限部は、トルク指令値制限処理を行い、前記直流電圧Vdc、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定された最大駆動モータ目標トルクマップを参照し、前記直流電圧Vdc及び角速度ωに対応する駆動モータ目標トルクTM* の最大値を表す最大駆動モータ目標トルクTMmax* を読み込み、駆動モータ目標トルクTM* が最大駆動モータ目標トルクTMmax* を超えないように制限する。
続いて、前記d軸電流指令値算出部53は、第1の電流指令値算出処理及び最大トルク制御処理を行い、前記トルク指令値制限部において制限された駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定され、図3に示される第1の電流指令値マップを参照し、前記駆動モータ目標トルクTM* に対応するd軸電流指令値id* を読み込み、該d軸電流指令値id* を減算器55に送る。
この場合、前記第1の電流指令値マップにおいて、d軸電流指令値id* は、駆動モータ目標トルクTM* を達成するために電流振幅指令値の絶対値が最も小さくなるように設定される。すなわち、図6及び7において、L1は等トルク指令曲線、L2は最大トルク指令曲線であり、例えば、駆動モータ目標トルクTM* が等トルク指令曲線L1上にある場合、等トルク指令曲線L1と最大トルク指令曲線L2と交差する点、すなわち、運転ポイントp1、p11によって、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が表される。
そして、前記第1の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が正及び負の値を採るのに対して、d軸電流指令値id* は負の値を採る。また、駆動モータ目標トルクTM* が零(0)である場合、d軸電流指令値id* は零にされ、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなる(図6及び7では原点Oから離れる)に伴ってd軸電流指令値id* は負の方向に大きくなるように設定される。
ところで、前記駆動モータ31においては、ロータが回転するのに伴って逆起電力が発生するが、角速度ω(又は駆動モータ回転速度NM)及び駆動モータ目標トルクTM* によって決まる駆動モータ31の端子電圧が、直流電圧Vdc(又はバッテリ電圧)によって決まる閾値を超えると、電圧飽和が発生し、駆動モータ31による出力が不可能になってしまう。すなわち、図6及び7の出力制限曲線L3で表されるように制限され、出力制限曲線L3より外側で駆動モータ目標トルクTM* を発生させることができなくなってしまう。
そこで、前記電圧制御部の電圧飽和判定指標算出処理手段は、電圧飽和判定指標算出処理を行い、前記d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* に基づいて、電圧飽和の程度を表す値として、電圧飽和判定指標m
m=√(vd* 2 +vq* 2 )/Vdc
を算出し、減算器58に送る。
該減算器58は、電圧飽和算定値算出処理を行い、前記電圧飽和判定指標mから、インバータ40の最大出力電圧を表す閾値を比較値Vmax
Vmax=k・Vdc
としたときの定数kを減算して電圧飽和算定値ΔV
ΔV=m−k
を算出し、弱め界磁制御処理部47に送る。なお、電圧飽和判定指標mによって変調率が、定数kによって目標変調率が構成される。
したがって、前記弱め界磁制御処理部47において、前記電圧飽和算定値ΔVに基づいて弱め界磁制御を行う必要があるかどうかを判断し、弱め界磁制御を行う必要がある場合に、d軸電流指令値id* を、図6及び7における等トルク指令曲線L1に沿って、負の方向に大きくし、前記出力制限曲線L3内で設定するようにしている。
そのために、d軸電流調整制御部59は、第1の電圧飽和判定処理及び第1の調整値算出処理を行い、スイッチSW1を介して減算器58から前記電圧飽和算定値ΔVを受けると、該電圧飽和算定値ΔVを制御タイミングごとに積算し、積算値ΣΔVを算出し、該積算値ΣΔVが正の値を採る場合、積算値ΣΔVに比例定数を乗算して弱め界磁制御を行うための第1の調整値Δidを算出し、正の値に設定し、電圧飽和算定値ΔV又は積算値ΣΔVが零以下の値を採る場合、前記第1の調整値Δidを零にする。
そして、減算器55は、第1の電流指令値調整処理を行い、第1の調整値Δidを受け、前記d軸電流指令値id* から第1の調整値Δidを減算することによってd軸電流指令値id* を調整し、調整されたd軸電流指令値id* をd軸電流制限部65に送る。
この場合、第1の調整値Δidが零の値を採るとき、実質的にd軸電流指令値id* の調整は行われず、弱め界磁制御も行われない。一方、第1の調整値Δidが正の値を採るとき、d軸電流指令値id* は調整されて値が負の方向に大きくされ、弱め界磁制御が行われる。
このようにして調整されたd軸電流指令値id* は、d軸電流制限部65において、後述されるように、必要に応じて制限され、電流制御部に送られるとともに、弱め界磁電流制限部68を介してq軸電流指令値算出部54に送られる。
前記弱め界磁電流制限部68は、d軸電流制限部65から、d軸電流指令値id* 、及びd軸電流制限部65においてd軸電流指令値id* が制限されたことを表す電流制限判定信号sg1を受け、d軸電流調整制御部59から第1の調整値Δidを受け、d軸電流指令値算出部53からd軸電流指令値id* を受け、過渡期においてd軸電流指令値id* が変動してオーバーシュートが発生するのを抑制する。
また、前記q軸電流指令値算出部54は、第2の電流指令値算出処理及び等トルク制御処理を行い、前記トルク指令値制限部において制限された駆動モータ目標トルクTM* 、及びd軸電流制限部65から弱め界磁電流制限部68を介して送られたd軸電流指令値id* を読み込み、前記記録装置に設定された図4の第2の電流指令値マップを参照し、駆動モータ目標トルクTM* 及びd軸電流指令値id* に対応するq軸電流指令値iq* を算出する。
なお、前記第2の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正の方向に大きくなり、駆動モータ目標トルクTM* が小さくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正の方向に小さくなるように設定される。また、駆動モータ目標トルクTM* が一定の場合、d軸電流指令値id* が負の方向に大きくなると、q軸電流指令値iq* が正の方向に小さくなる。
したがって、前記第1の調整値Δidが零であり、弱め界磁制御が行われない場合、第1の調整値Δidは零であるので、例えば、図4に示されるように、d軸電流指令値id* は、値ida* のままq軸電流指令値算出部54に送られ、q軸電流指令値算出部54においてq軸電流指令値iq* の値はiqa* になる。これに対して、第1の調整値Δidが正の値を採り、弱め界磁制御が行われる場合、d軸電流指令値id* は、負の方向に第1の調整値Δidだけ大きい値idb* にされ、q軸電流指令値算出部54に送られ、q軸電流指令値算出部54においてq軸電流指令値iq* は値iqa* より正の方向に小さくされて、値iqb* になる。
このように、電圧飽和が発生するようになると、前記d軸電流指令値id* は、第1の調整値Δidの分だけ負の方向に大きくされ、弱め界磁制御領域で駆動モータ31を駆動することができ、駆動モータ31の運転領域を拡大することができる。
ところで、直流電圧Vdcが低くなればなるほど、角速度ω1が高くなればなるほど、前記出力制限曲線L3は小さくなるが、これに伴って、前記d軸電流指令値id* を負の方向に大きくしすぎると、弱め界磁制御の効果を十分に利用することができなくなってしまう。
そこで、減算器55と電流制御部との間に前記d軸電流制限部65が配設され、該d軸電流制限部65において、d軸電流指令値id* の最大値を表す最大電流指令値idmax* が設定され、前記減算器55において調整されたd軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* を超えて大きくなった場合に、電流制御部に送られるd軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* になるように、前記d軸電流制限部65において減算器55から出力されたd軸電流指令値id* が制限され、リミット動作が行われる。
そのために、前記記録装置に図5に示されるような電流制限マップが形成され、前記d軸電流制限部65の図示されないリミット動作処理手段は、リミット動作処理を行い、前記直流電圧Vdc及び角速度ωを駆動モータ31の運転条件として読み込み、前記電流制限マップを参照し、前記直流電圧Vdc及び角速度ωに対応する最大電流指令値idmax* を読み出し、d軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* を超えないように制限する。例えば、図6及び7において、出力制限曲線L3の場合、最大電流指令値idmax* はαにされる。
なお、前記電流制限マップにおいて、直流電圧Vdcが所定の値η1以下である場合、直流電圧Vdcが大きくなるに伴って最大電流指令値idmax* は曲線状に負の方向に大きくされ、直流電圧Vdcが前記値η1より大きくなると、最大電流指令値idmax* は一定にされる。
また、前記電流制限マップにおいて、d軸電流指令値id* を制限するに当たり、直流電圧Vdcを角速度ωで除算することによって得られる電流制限パラメータVdc/ωを運転条件として使用することができる。その場合、前記駆動モータ制御装置45に運転条件算出処理手段が配設され、該運転条件算出処理手段によって電流制限パラメータVdc/ωが算出される。そして、リミット動作処理手段は、電流制限パラメータVdc/ωを読み込み、電流制限マップを参照し、電流制限パラメータVdc/ωに対応する最大電流指令値idmax* を読み出す。
このように、前記減算器55において調整されたd軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* を超えて大きくなると、前記d軸電流制限部65において、d軸電流指令値id* が制限され、最大電流指令値idmax* にされるので、弱め界磁制御を効果的に行うことができ、駆動モータトルクTMを十分に発生させることができる。
ところで、d軸電流制限部65において、d軸電流指令値id* が制限された場合、q軸電流指令値iq* を併せて制限する必要がある。そのために、d軸電流制限部65の図示されない電流制限判定処理手段は、電流制限判定処理を行い、d軸電流指令値id* の制限が行われているかどうかを、減算器55において調整されたd軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* より大きいかどうかによって判断し、負の方向において減算器55において調整されたd軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* より大きい場合、電流制限が行われていると判断し、前記電流制限判定信号sg1を発生させ、電流制限判定信号sg1をスイッチSW1に送る。
該スイッチSW1は、切換処理を行い、前記電流制限判定信号sg1を受けると、切り換えられ、減算器58とd軸電流調整制御部59とを遮断し、減算器58とq軸電流調整制御部67とを接続する。このとき、d軸電流調整制御部59は、その時点の第1の調整値Δidを保持したままにされるので、減算器55はスイッチSW1が切り換えられた時点の第1の調整値Δidに従ってd軸電流指令値id* を調整し、d軸電流制限部65に送る。
そして、前記q軸電流調整制御部67は、第2の電圧飽和判定処理及び第2の調整値算出処理を行い、スイッチSW1を介して減算器58から前記電圧飽和算定値ΔVを受けると、該電圧飽和算定値ΔVを制御タイミングごとに積算し、積算値ΣΔVを算出し、該積算値ΣΔVが正の値を採る場合、積算値ΣΔVに比例定数を乗算して第2の調整値Δiqを算出し、正の値に設定し、前記電圧飽和算定値ΔV又は積算値ΣΔVが零以下の値を採る場合、前記第2の調整値Δiqを零にする。
また、減算器66は、第2の電流指令値調整処理を行い、第2の調整値Δiqを受け、前記q軸電流指令値iq* から第2の調整値Δiqを減算することによってq軸電流指令値iq* を調整する。
この場合、第2の調整値Δiqが零の値を採るとき、実質的にq軸電流指令値iq* の調整は行われない。一方、第2の調整値Δiqが正の値を採るとき、q軸電流指令値iq* は調整されて値が正の方向に小さくされる。
その結果、d軸電流指令値id* を変化させることなく、q軸電流指令値iq* を小さくし、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を出力制限曲線L3内に収めるようにすることができる。
ところで、例えば、図6において、運転ポイントp1におけるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に従って駆動モータ31が駆動しているときに、前記直流電圧Vdcが急激に低くなったり、角速度ω1が急激に高くなったりして、電流制限パラメータVdc/ωが急激に小さくなると、出力制限曲線がL3からL4に急激に変化し、最大電流指令値idmax* はαからβに急激に変化する。
この場合、d軸電流指令値id* を負の方向においてβより大きくすることができないので、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* は、運転ポイントp1から等トルク指令曲線L1に沿って運転ポイントp2に移動した後、運転ポイントp3に移動し、出力制限曲線L4内に移動することになる。そして、前記運転ポイントp2においては、本来使用される必要のないd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が発生させられ、その結果、電流リプルが発生してしまう。
そこで、本実施の形態において、d軸電流制限部65の図示されないリミット動作調整条件判定処理手段は、リミット動作調整条件判定処理を行い、リミット動作処理が行われる前に、その時点の直流電圧Vdc及び角速度ωに対応する最大電流指令値idmax* を読み込むとともに、減算器55において調整される前のd軸電流指令値id* を表す調整前電流指令値idbf* を読み込み、負の方向において、最大電流指令値idmax* が調整前電流指令値idbf* 以上であるかどうかによって、リミット動作調整条件が成立しているかどうかを判断する。
最大電流指令値idmax* が調整前電流指令値idbf* 以上である場合、リミット動作調整条件は成立しないので、前記リミット動作処理手段は、d軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* より大きくならないように、d軸電流指令値id* を制限してリミット動作を行い、d軸電流指令値id* が最大電流指令値idmax* と等しくなると、前記第2の調整値算出処理手段は、前述されたように、第2の調整値算出処理を行い、d軸電流指令値id* を最大電流指令値idmax* に保持したままq軸電流指令値iq* を小さくする。
これに対して、負の方向において、最大電流指令値idmax* が調整前電流指令値idbf* より小さい場合、リミット動作調整条件が成立するので、d軸電流制限部65の図示されないリミット動作調整処理手段は、リミット動作調整処理を行い、減算器55において調整される前のd軸電流指令値id* にあらかじめ設定された微小値を加算することによって、負の方向において前記d軸電流指令値id* より大きいリミット動作調整値idmaxrを算出する。なお、前記微小値は、d軸電流指令値id* を算出する際の処理上の最小単位とされる。
例えば、図7において、運転ポイントp11におけるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に従って駆動モータ31が駆動しているときに、前記直流電圧Vdcが急激に低くなったり、角速度ω1が急激に高くなったりして、電流制限パラメータVdc/ωが急激に小さくなると、出力制限曲線がL3からL4に急激に変化し、最大電流指令値idmax* はαからβに急激に変化する。
このとき、前記リミット動作調整条件判定処理手段は、最大電流指令値idmax*
idmax* =β
を読み込むとともに、調整前電流指令値idbf*
idbf* =γ
を読み込み、負の方向において、最大電流指令値idmax* が調整前電流指令値idbf* 以上であるかどうかによって、リミット動作調整条件が成立しているかどうかを判断する。この場合、負の方向において、最大電流指令値idmax* が調整前電流指令値idbf* より小さく、リミット動作調整条件が成立するので、前記リミット動作調整処理手段は、値γに微小値を加算することによって、負の方向において前記調整前電流指令値idbf* より大きい所定のリミット動作調整値idmaxr
idmaxr=δ
を算出する。
そして、前記リミット動作処理手段は、前記d軸電流指令値id* をリミット動作調整値idmaxrに固定することによって制限し、リミット動作を行い、前記第2の調整値算出処理手段は、前述されたように、第2の調整値算出処理を行い、d軸電流指令値id* をリミット動作調整値idmaxrに保持したままq軸電流指令値iq* を小さくする。
したがって、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* は、運転ポイントp11から等トルク指令曲線L1に沿って運転ポイントp12に移動した後、運転ポイントp13に移動し、出力制限曲線L4内に移動することになる。この場合、前記運転ポイントp12においては、本来使用されるd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* が発生させられるので、電流リプルが発生することがなくなる。
したがって、駆動モータ31を安定させて駆動することができる。
このようにして発生させられたd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* は、前述されたように、電流制御部に送られる。
なお、前記第2の電流指令値調整処理手段は、d軸電流指令値id* をリミット動作調整値idmaxrに保持したまま、等トルクが得られるq軸電流指令値iq* を算出し、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を電流制御部に送ることができる。
ところで、前記スイッチSW1が切り換えられるのに伴って、d軸電流指令値id* はd軸電流制限部65によって制限された値に固定されるのに対して、q軸電流指令値iq* は第2の調整値Δiqが正の値を採る限り、正の方向に小さくされる。この場合、図4の第2の電流指令値マップにおいて同じ駆動モータ目標トルクTM* の曲線上でd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を発生させることができなくなり、実際に発生させられる駆動モータトルクTMは小さくなるが、前記電圧飽和判定指標mが大きくなるとq軸電流指令値iq* が小さくされるので、電圧飽和が発生するのを防止することができ、駆動モータ31による出力が不可能になるのを防止することができる。
ところで、前記三相二相変換部は、第1の相変換処理としての三相/二相変換を行い、磁極位置θを読み込み、検出電流iu、iv、iwをそれぞれd軸電流id及びq軸電流iqに変換し、d軸電流id及びq軸電流iqを実電流として算出し、電流制御部に送る。そして、該電流制御部は、d軸電流制限部65から電流制限処理が行われた後のd軸電流指令値id* を、減算器66から弱め界磁制御処理が行われた後のq軸電流指令値iq* を受け、三相二相変換部から前記d軸電流id及びq軸電流iqを受けると、フィードバック制御を行い、出力電圧としてのd軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を算出する。
続いて、前記電圧制御部は、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び磁極位置θを読み込み、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を電圧指令値vu* 、vv* 、vw* に変換し、該電圧指令値vu* 、vv* 、vw* を図示されないPWM発生器に送る。そのために、電圧制御部に図示されない第2の相変換処理手段が配設され、第2の相変換処理手段は、第2の相変換処理を行う。
前記PWM発生器は、出力信号発生処理を行い、前記各相の電圧指令値vu* 、vv* 、vw* 及び前記直流電圧Vdcに基づいて、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に対応するパルス幅を有する各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを出力信号として発生させ、前記ドライブ回路51に送る。
該ドライブ回路51は、前記各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを受けて6個の駆動信号を発生させ、該駆動信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwに基づいて、トランジスタTr1〜Tr6をスイッチングして各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記駆動モータ31の各ステータコイル11〜13に供給する。
このように、駆動モータ目標トルクTM* に基づいてトルク制御が行われ、駆動モータ31が駆動されて電気自動車が走行させられる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図である。 本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における電流制限マップを示す図である。 従来の駆動モータ制御装置における電圧制限楕円を示す参考図である。 本発明の実施の形態における電圧制限楕円を示す図である。
符号の説明
31 駆動モータ
40 インバータ
51 ドライブ回路
54 q軸電流指令値算出部
55、66 減算器
65 d軸電流制限部

Claims (5)

  1. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出する第1の電流指令値算出処理手段と、前記電動機械の運転条件に対応させて、前記第1の電流指令値を制限する電流制限処理手段と、制限された第1の電流指令値及び前記電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出する第2の電流指令値算出処理手段と、弱め界磁制御を行うために、第1、第2の調整値に基づいて前記第1、第2の電流指令値を調整する第1、第2の電流指令値調整処理手段とを有するとともに、前記電流制限処理手段は、前記第1の調整値によって調整される前の第1の電流指令値を調整前電流指令値としたとき、負の方向において、前記運転条件によって決定される最大電流指令値が調整前電流指令値以上である場合、第1の電流指令値を、最大電流指令値を超えないように制限し、負の方向において前記最大電流指令値が調整前電流指令値より小さい場合、該調整前電流指令値に微小値を加算したリミット動作調整値を算出し、前記第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に固定して制限し、前記第2の電流指令値調整処理手段は、第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に保持したまま第2の電流指令値を小さくすることを特徴とする電動駆動制御装置
  2. 前記第2の電流指令値調整処理手段は、第1の電流指令値をリミット動作調整値に保持したまま、直流電圧及び角速度に基づいて決定される出力制限曲線内の値になるように第2の電流指令値を小さくする請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  3. 記運転条件は、直流電圧及び角速度であるか、又は直流電圧及び角速度に基づいて算出される電流制限パラメータである請求項1又は2に記載の電動駆動制御装置
  4. 記第2の電流指令値調整処理手段は、第1の電流指令値をリミット動作調整値に保持したまま、等トルクが得られる第2の電流指令値を算出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動駆動制御装置。
  5. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて第1の電流指令値を算出し、前記電動機械の運転条件に対応させて、前記第1の電流指令値を制限し、制限された第1の電流指令値及び前記電動機械目標トルクに基づいて第2の電流指令値を算出し、弱め界磁制御を行うために、第1、第2の調整値に基づいて前記第1、第2の電流指令値を調整するとともに、前記第1の調整値によって調整される前の第1の電流指令値を調整前電流指令値としたとき、負の方向において、前記運転条件によって決定される最大電流指令値が調整前電流指令値以上である場合、第1の電流指令値を、最大電流指令値を超えないように制限し、負の方向において前記最大電流指令値が調整前電流指令値より小さい場合、該調整前電流指令値に微小値を加算したリミット動作調整値を算出し、前記第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に固定して制限し、第1の電流指令値を前記リミット動作調整値に保持したまま第2の電流指令値を小さくすることを特徴とする電動駆動制御方法。
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