JP4374143B2 - 紙幣判別装置および紙幣判別装置を備えた紙幣自動取引装置 - Google Patents

紙幣判別装置および紙幣判別装置を備えた紙幣自動取引装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(Automated Teller Machine)すなわち紙幣自動取引装置、特に状態の悪い紙幣を判別して処理する紙幣自動取引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の現金自動取引装置において、悪い状態の紙幣を判別して処理するものとして、特公平3−74431号に示された自動入出金機がある。ここでは、紙幣がセンサを通過する間の透過光量の変化を測定することによって紙幣の新旧を判断し、新しい紙幣と古い紙幣とを分けて収納する構成が示されている。
また、特開平10−134225号の自動取引装置には、金種と疲弊度とから装置の処理速度を変更する構成が示されている。
また、特開平10−213581号の紙葉類の状態検知装置には、紙幣を搬送するローラを通過する時の反力を測定して、しわ度などの紙幣状態を検知する構成が示されている。
さらに、特開平1−256435号および特開平8−194859号の現金自動取扱装置には、束で投入された紙幣を1枚ずつに分離する際に発生するスキュー(斜行)やシフト(幅寄り)、紙幣の破れを検知して、入出金口に返却する構成が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
紙幣自動取引装置においては、紙幣のハンドリングに関わる諸技術の向上により、通常の紙幣ではジャム等の障害がほとんど発生しない。しかしながら、過度の使用により剛性が低下した状態の紙幣や、切れが生じた状態の紙幣は障害が発生しやすい。さらに信頼性を向上するためには、低剛性や切れがある状態の悪い紙幣を判別する手段を設け、排除するなどの処理を行う必要がある。
また、近年の紙幣自動取引装置の小型化と低価格化を鑑みて、上記の判別手段も小型・安価に実現する必要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、紙幣を入出金する入出金口と、紙幣の真偽を鑑別する鑑別部と、入金した紙幣を一時的に収納する一時集積部と、前記入出金口と前記鑑別部と前記一時集積部とを接続し紙幣を搬送する搬送路とを有する紙幣自動取引装置において、前記入出金口と前記一時集積部との間の前記搬送路に紙幣の状態を判別する紙幣判別装置を備え、前記紙幣判別装置は、判別される紙幣を紙幣面内において搬送方向と直交し、紙幣の幅方向の両側に向かって引っ張り力を与えて切れ部を広げる付勢手段と紙幣の切れ部を検知する検知手段とを備え、前記付勢手段はテーパローラと従動ベアリングの組み合わせによって構成され、このテーパローラと従動ベアリングは前記紙幣を挟持搬送し、前記テーパローラは紙幣の搬送による変形で紙幣を幅方向の両側に向かって引っ張り力を発生してなり、前記検知手段は、前記付勢手段によって広げられた紙幣の切れ部を検知するようにしたものである。
【0005】
また本発明は、前記テーパローラに複数のテーパ面を設けたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の紙幣自動取引装置1(以下、ATM1)の構成の一例を示す概略図である。以下に、各要素と動作について説明する。
【0010】
ATM1はいくつかのモジュールから構成されており、図1には紙幣取扱装置2と入出力装置3とが示されている。紙幣取扱装置2は紙幣を取り扱う処理、例えば紙幣の入金や出金などの処理を行う。より詳細な構成と動作は後述する。入出力装置3は、例えばモニタとプッシュボタンの組み合わせや、両者を合わせたタッチパネルである。入出力装置3により、ATM1の操作者は入金や出金等の処理を選択して入力し、あるいは操作者へ操作手順の指示などを行う。他にも、カードを扱うモジュールや通帳を扱うモジュール、硬貨を扱うモジュールなどを備えることがある。
【0011】
紙幣を入金するとき、操作者は入出力装置3から入金処理を選択する。入出金口4のシャッターが開き、紙幣は束状で投入される。入出金口4は、ゴムを周設した繰り出しローラなどの機構により、紙幣を一枚ずつに分けて引き出して、搬送路5へ送り出す。搬送路5は、例えばベルトやローラなどから構成され、紙幣を挟み、ベルトやローラを移動・回転することにより、紙幣を搬送する。搬送される紙幣は、鑑別部6において、紙幣の光学的あるいは磁気的特徴などから真偽が判定される。ここで、偽券あるいは破れなどにより紙幣面積が小さいなど、取引に不適であると判定された紙幣は、ゲート7を切り替えて、入出金口4へ返却される。一方、取引可能と判定された紙幣は、一時集積部8へ収納される。操作者と入出力装置3との間で、金額の確認等がされた後、一時集積部8から紙幣を引き出して、搬送路5を介し、集積部9へ搬送する。集積部9が複数ある場合、ゲート7を切り替えて、例えば金種ごとに紙幣を収納する。
【0012】
一方、紙幣を出金するとき、操作者は入出力装置3で出金処理を選択する。集積部9は指示された枚数の紙幣を引き出して、搬送路5へ送り出す。鑑別部6を通過する際に、紙幣が出金に不適当であると判定された場合、ゲート7を切り替えて一時集積部8に収納する。適当である紙幣は入出金口4へ収納する。所定の枚数を収納した後、入出金口4のシャッターを開いて、紙幣を操作者へ渡す状態にする。また、不適当であると判断された紙幣Bは一時集積部8から引き出して、リジェクト集積部10へ収納する。
【0013】
ATM1は、以上に示した概略の動作により、入金および出金処理を行う。
【0014】
このようなATM1においては、紙幣を取り扱う用途と、無人店舗あるいは24時間運用という使用形態とから高い信頼性を要求される。しかし、一般に流通する紙幣を取り扱うため、中には状態の悪い紙幣が存在する。特に、剛性が低くなった紙幣や切れ部が生じた紙幣は、搬送や集積の際に紙幣詰まり(ジャム)などの障害が発生する確率が高い。これは、例えば紙幣を搬送するとき、切れ部が搬送ガイドに引っ掛かって滞留することや、紙幣の搬送方向先端に搬送力を与えられない場所で剛性の低い紙幣が座屈することによりジャムが発生する。特に切れ部と低剛性の両方を備える紙幣の場合、障害の発生率が飛躍的に高くなる。このような剛性の低下や切れ部の発生がみられる紙幣を判別して、通常の処理から排除する必要がある。
【0015】
そこで、図1に示すように、入出金口4から一時集積部8までの間に、紙幣判別手段として紙幣判別装置20を設けた。紙幣判別装置20の構成の一例を図2に示す。
【0016】
本実施例の紙幣判別装置20は、第1の投光手段21と、第2の投光手段22と、受光手段23と、付勢手段24と、演算手段25と、通過検知手段26とからなる。第1の投光手段21は、例えばLEDなどからなり、紙幣Bが搬送される面を挟んで受光手段23と反対側に、受光手段23と向き合うように設ける。第2の投光手段22は、例えば同様にLEDなどからなり、紙幣を搬送する面の、受光手段23と同じ側に設ける。受光手段23は、例えばラインCCDからなり、紙幣の光学的画像を収集する。投光手段21、22と受光手段23は紙幣の状態を検知する検知手段であり、付勢手段24は紙幣Bに変形を与えるものである。
【0017】
図2においては、一例として、回転軸方向に一部が重なったローラを示している。演算手段25は、CPUやメモリなどからなり、受光手段23から得た光学的画像を処理するものである。通過検知手段26は、例えば一対のフォトダイオードとフォトトランジスタとからなり、紙幣Bが光軸を遮ることを検知して、紙幣Bの通過を検知する。
【0018】
なお、受光手段23は第1の投光手段21と第2の投光手段22とのそれぞれに対応して別個に設けてもよい。しかし、図2に示した共用する構成が小型化と低コスト化に適している。この場合、第1の投光手段21と第2の投光手段22とは、一方が発光しているときは他方が消灯するように排他的に投光する。また、鑑別部6に、同様な受光手段23を有する場合、受光手段23を共用して、鑑別部6の中に紙幣判別装置20の構成を設けてもよい。
【0019】
さらに、図2において通過検知手段26は2個設けられているが、第1の投光手段21から受光手段23への光軸の近傍に1個設けるだけでもよい。
【0020】
他の構成要素としては、搬送路5を構成する一部として、搬送ローラ27と搬送ガイド28とを備える。搬送ローラ27は紙幣Bに搬送力を与えるものであるが、平たいベルトであってもかまわない。
【0021】
図3に紙幣判別装置20の斜視図を示す。構成をわかりやすく示すため、第2の投光手段22と、受光手段23と、付勢手段24と、搬送ローラ27と、搬送ガイド28とを示している。搬送ガイド28には、第1の投光手段21と第2の投光手段22と受光手段23との間で光軸が遮られないように透明な部材で構成したガイド面28Tが設けられている。
【0022】
このような紙幣判別装置20を用いた、紙幣の切れ部の検出について説明する。
【0023】
搬送ローラ27と搬送ガイド28とにより搬送された紙幣Bは、第1の投光手段21と受光手段23とを結ぶ光軸上に達する。紙幣Bが光軸上に存在することは、通過検知手段26を通過するタイミングから判断する。
【0024】
切れ部には図4に示すように、端辺から切れ部k1や紙幣中央付近の折れから発生した切れ部k2とが代表的なものである。ここで、図4にあるように、紙幣を平坦においた場合でも、切れ部k1、k2が広がっていることがある。これは切れ部が摩耗などにより広がったものである。このように広がった切れ部k1、k2は、第1の投光手段21からの光線が受光手段23へ直接に届く。従って、演算手段25では光の受光強度が所定の閾値より大きいとき、切れ部があると判別できる。
【0025】
しかしながら、実際には図5に示すように、紙幣を平坦に置いたときに広がりのない切れ部k3、k4の方が多い。そこで、付勢手段24を第1の投光手段21と受光手段23との光軸から上流側に近接して設け、切れ部を広げるようにした。
【0026】
その様子を図6と図7とに示す。
【0027】
付勢手段24は、その回転軸方向に、一部が互いに重なるように設けられたローラから構成したため、紙幣に面外方向の変形を与えることができる。それによって、切れ部k3、k4は紙幣の厚み方向に分かれて、光線が通過できるようになる。この場合においても、第1の投光手段21から受光手段23へ直接に光線が通らない可能性があるが、切れ部が広がっているので、反射光により切れ部周辺が明るくなる。演算手段25では切れ部を判別する受光強度を、切れがない場合の紙幣の透過光量を考慮して設定することにより、判別が可能である。
【0028】
このようにして受光手段23で得た画像より切れ部の長さmあるいは長さnを演算手段25で計算して、所定の閾値より長い場合に悪条件の紙幣であると判別する。また、切れ部を発見した位置から搬送方向の先後端の辺までの距離の最大値から判別しても良い。この方法は切れ部の長さ測定を簡略化できるため、演算手段25の処理性能が低くても実現可能である。また、紙幣の範囲で切れ部と判断された面積、すなわちCCDのドット数を求め、その面積が所定の値より大きいとき、問題とする切れ部があると判別しても良い。
【0029】
また、上記の例では、付勢手段24は互いに重なったローラであるとしたが、例えば図8に示すように、所々に設けた穴より空気を紙幣へ吹き付ける構成であっても良い。ここでは、搬送と直交する方向へ非連続的に力を与えることにより、切れ部k3を広げることができる。また、切れ部k4は紙幣の搬送方向前半に空気で力が与えられるので、紙幣後半と段差を生じて、切れ部を広げることができる。
【0030】
さらに、串歯状のシート部材を設けるなど、付勢手段24は紙幣に搬送と直交する方向へ離散的に力を与え、紙幣を面外方向に変形する構成が適用可能である。
【0031】
紙幣搬送面外に設けられた検知手段によって、紙幣の切れ部を検出する場合、紙幣を面外方向に変形させる際に、検知手段の位置によっては切れ部を確認できない場合がある。したがって、紙幣面内において切れ部を拡大させる方がさらに都合がよい。
【0032】
そこで、付勢手段24として、図9や図10に示すように、紙幣面内で搬送と直交する方向に力を与える構成であっても良い。
【0033】
図9は、付勢手段24にテーパローラを用いた例である。テーパローラとは円錐の一部を切り取った形状のローラであり、側面の円の大きさが互いに異なるものである。そのため、紙幣に当接する外周面はテーパローラの回転軸あるいは搬送ガイド28に対して、所定の角度αだけ傾いている。その形状により、大きい円側では小さい円側に比べて搬送速度が大きくなる。このようなテーパローラを対称に配置することにより、紙幣面内で搬送と直交する方向に速度分布が生じ、力を与えることができる。この力によって、紙幣を搬送と直交する方向に伸縮させ、切れ部を広げることができる。
【0034】
また、図10には、付勢手段24として斜行ローラを用いた例を示す。斜行ローラは、その搬送方向が紙幣の搬送方向に対して、所定の角度βだけ傾いている。そのため、紙幣を搬送と直交する方向に伸縮させ、切れ部を広げることができる。
【0035】
このように、付勢手段24は、紙幣面内で搬送と直交する方向に力を与える構成であり、紙幣の切れ部を拡大して、図5のk3のような切れ部であっても検出しやすくすることができる。
【0036】
本実施例では、投光手段と受光手段とを用いて切れ部を拡大して検出したが、集音センサ等を用いて拡大された切れ部を検出してもよい。
【0037】
次に、紙幣の剛性の判別について説明する。
【0038】
紙幣の剛性の測定方法については、特開平10−213581号にあるように、紙幣を変形させた反力を測定する方法がある。しかし、高速で搬送される紙幣を変形させると、ローラに衝突する時の衝撃が大きいため、あまり正確な測定ができない。
【0039】
そこで、本発明では非接触で測定する方法とした。紙幣は使用した度合いによって、その剛性が低下する。同時に、紙幣は使用により擦れることや手垢が徐々に付着することなどの原因で印刷が不鮮明になる。そこで、第2の投光手段22と受光手段23とにより、紙幣の印刷の外観から剛性を測定する。
【0040】
図11と図12に、紙幣の曲げ剛性と外観特性との相関を取ったグラフを示す。
【0041】
これらのグラフでは、新札におけるそれぞれの特性の平均値を1.0として、測定値を比で表している。紙幣としては、新札の他に、流通紙幣の中から剛性の低いものと中程度のものとを選択した。また、受光手段23にCCD(イメージセンサ)を用いて、紙幣全面の画像を取り込んだときのグラフである。
【0042】
図11は、曲げ剛性と紙幣面の平均輝度値との相関を示している。ここで、輝度とは第2の投光手段22で紙幣面を照らしたときの明るさ、つまり反射率に相当し、曲げ剛性が低くなるに従って、紙幣面が暗く見えることがわかる。
【0043】
また、図12は、曲げ剛性と紙幣面輝度の標準偏差との相関を示している。標準偏差が大きいということは、印刷の明暗がより明確に分かれている、すなわちコントラストが高いことを示す。したがって、曲げ剛性が低くなると標準偏差が小さくなるので、印刷がぼんやりとした不鮮明な外観になることがわかる。
【0044】
以上より、紙幣面の平均輝度および輝度の標準偏差を演算手段25で算出し、一方あるいは両方が所定の閾値を下回ったとき、低剛性であると判別できる。
【0045】
また、図4または図5に示すように、多くの紙幣Bには図柄が印刷された図柄部B1があり、その周囲に印刷の無いあるいは紙幣全面に施された模様のみの下地部B2がある。前述の例では、紙幣全体の画像を取り込んだが、下地部B2のみでも可能である。その結果を、図13と図14に示す。
【0046】
図13は、図11と同様に、剛性が低くなるに従って、輝度が低下する。紙幣の使用度合いが増加して、徐々に汚れたため暗くなっている。
【0047】
一方、図14は、剛性が低くなるに従って、輝度の標準偏差が増加する。これは、本来は明暗の無い下地部B2に、折れ等が生じることによって線が発生し、輝度のばらつきが増えたためである。
【0048】
このような相関から、受光手段23は、紙幣の端辺から下地部B2の間だけ画像を取り込む。演算手段25では、下地部B2の輝度が所定の閾値を下回ることと、輝度の標準偏差が所定の閾値を上回ることのいずれかあるいは両方の条件になるとき、紙幣が低剛性であると判別できる。
【0049】
以上のように、紙幣Bの切れと剛性とを判別し、いずれか一方あるいは両方が正常と定めた閾値を逸脱したとき、悪い状態の紙幣であると判断することができる。そして、悪い状態の紙幣を、入出金口4に返却することにより、集積部9への収納や収納後の出金処理など、次に同紙幣を取り扱うときに発生しやすい障害を防ぐことができる。
【0050】
また、上記の判別では受光手段23として、例えばCCD(イメージセンサ)のような、分解能の高いセンサを用いた。しかしながら、剛性の判別を平均輝度のみで行うならば、受光強度を所定の分解能で出力できる光量センサ(例えば、光導電素子)を用いても構成可能である。
この場合、紙幣の搬送と直交する方向に複数の光量センサを設ける。紙幣Bに切れ部がある場合、上記の例と同様に、第1の投光手段21からの光線が受光手段23へ照射される。演算手段25では切れ部を判別する閾値を、切れがない場合の紙幣の透過光量より大きく設定する。そして、受光手段23での受光強度が所定の閾値を上回ったとき、切れ部があると判別が可能である。
また、第2の投光手段22が紙幣を照らしたときの明るさを光量センサで測定することで剛性を判別できる。前述の例のように、紙幣B全体あるいは下地部B2における、受光手段23の受光強度が所定の閾値を下回ったとき、剛性が低いと判別が可能である。
このように切れ部と低剛性とを判別することができる。ここで特に障害が発生しやすい紙幣は、切れ部を有しかつ低剛性の紙幣が多いので、両者とも所定の閾値から外れたとき、状態の悪い紙幣と判別する。
【0051】
さらに、紙幣判別装置20を入出金口4の近傍に配置することで、紙幣を搬送路5へ送り出す前に判別して、入出金口4へ返却することが可能である。その構成を図15に示す。
【0052】
図15は入出金口4の概略構成を示す。
【0053】
シャッター30が開閉して、操作者から紙幣Bを入出金口4の中に取り込む。紙幣Bは押し板31に押されて、案内板32との間に挟まれる。この状態で、案内板32に最も近接した紙幣Bの一部は、繰り出しローラ33に接する。繰り出しローラ33は外周全体あるいは一部がゴムなどの高摩擦材料からなり、繰り出しローラ33を回転することにより、紙幣を引き出す。このとき、複数の紙幣が同時に引き出されることがある。それを防ぐために、係止ローラ34が設けられている。係止ローラ34は、全周がゴムなどの高摩擦材料からなるローラで、紙幣の引き出し方向とは反対方向にのみ回転するように構成されている。これにより、案内板32に最も近接した紙幣以外は引き出されないように逆向きの力を与え、入出金口4に留める。このように1枚に分けられた紙幣は、搬送路5へ送り出される。
【0054】
ここで、繰り出しローラ33の下流側で、紙幣が繰り出しローラ33に接触する範囲に、紙幣判別装置20を設ける構成とした。紙幣判別装置20の構成は前述の構成と同様のため、省略する。ただし、繰り出しローラ33と係止ローラ34とは、回転軸方向に互いに重なって設けられていることがある。その場合、それらのローラで紙幣を面外方向へ変形させることができるので、付勢手段24を省くことが可能である。
【0055】
このように、紙幣判別装置20を入出金口4の近傍に設けることにより、紙幣を入出金口4から引き出す間に、状態の判別が可能である。ここで、状態が悪いと判別された紙幣は繰り出しローラ33を逆転させて、紙幣を入出金口4へ返却する。それによって、紙幣を搬送路5へ送り出す前に返却することができ、障害の低減に有効である。
【0056】
さらに、返却した紙幣は操作者に取り除いてもらうことが望ましい。
【0057】
特開平1−256435号および特開平8−194859号の現金自動取扱装置には、束で投入された紙幣を1枚ずつに分離する際に発生するスキュー(斜行)やシフトを検知して、紙幣を入出金口へ返却する構成が示されている。
【0058】
この場合、紙幣の初期姿勢が悪い(投入位置が片寄っている、あるいは傾いている)ことが原因であるため、入出力装置3に「紙幣を揃えて入れてください」等の再投入要求メッセージが表示される。
【0059】
また、紙幣の引き出し後に、鑑別部6で取引に不適であると判断された紙幣も、入出金口4へ返却される。このとき、正常な紙幣は一時収納部8へ収納され、入出金口4には不適な紙幣のみがあるため、「この紙幣はお取り扱いできません」等の入金拒否メッセージが表示される。
【0060】
本例の場合は、引き出し途中の1枚の紙幣が取扱に不適であると判断し、入出金口4へ返却される。このとき、入出金口4には、複数の未だ引き出されていない紙幣が残っていることが考えられる。そこで、「最も手前側の紙幣はお取り扱いできません」等の指定紙幣入金拒否メッセージを表示することが望ましい。それによって、不適な紙幣を明らかにし、操作者に取り除いてもらうことにより、障害を事前に防ぐことができる。
【0061】
さらに、これまではATM1が取り扱う金種は1種類の場合で説明した。ATM1が複数の金種を取り扱う場合、金種ごとに光学的特性(平均輝度、標準偏差)が異なることがあるので、金種を判別して、切れ部および低剛性の判別する際の各閾値を変更する必要がある。
【0062】
金種の判別は、紙幣判別装置20が鑑別部6の近傍あるいは鑑別部6の中に設けた場合は、鑑別部6での判別結果を使用する。
【0063】
しかし、紙幣判別装置20と鑑別部6とが離れて配置された場合、例えば入出金口4の近傍に設けた場合は、鑑別部6で判別結果が出るまでに時間差が大きい。そこで、紙幣判別装置20の受光手段23に、分解能の高い手段、例えばCCD(イメージセンサ)を用いて画像の特徴を分析することにより、正確な真偽鑑別までは行わずとも、大まかな金種の判別を行う。また、色を判別する手段、例えば所定の分解能で赤・緑・青等の受光強度を出力できるカラーセンサを用いて、金種ごとの色の違いにより、大まかな金種の判別を行う。カラーセンサは、例えば光導電素子に各色のフィルタを設けたものである。これらにより、鑑別部6での判別結果を待たずに、紙幣判別装置20のみで、状態の悪い紙幣の判別を行うことができる。
【0064】
次に、第2の実施形態の一例を以下に示す。本例では、切れ部を検出可能とするように構成した紙幣判別手段としての紙幣判別装置50と、それを搭載したATM1とを示す。まず、図16に紙幣判別装置50の側面図を示す。
【0065】
図16において、紙幣Bは搬送ガイド55aと搬送ガイド55bとの間を、図面上で左右に搬送される。
【0066】
付勢駆動軸51と搬送駆動軸61、62、63はそれぞれ従動軸52と対向して配置され、従動軸52は押圧力で付勢駆動軸51及び搬送駆動軸61、62、63に圧接されている。付勢駆動軸51と搬送駆動軸61、62、63は図示しないモータにより回転駆動し、従動軸52は付勢駆動軸51から回転力を受けて回転する。付勢駆動軸51、搬送駆動軸61、62、63と従動軸52とにより紙幣Bを挟持して搬送する。付勢駆動軸51は、搬送方向と紙幣面内において直交する方向(以下、幅方向)へ紙幣Bを引っ張る力を与えて、紙幣Bの切れ部を広げながら、紙幣Bを搬送する。その詳細な構造は後述する。
【0067】
画像取り込み手段53は、例えばLEDとCCDラインセンサとの組み合わせであり、紙幣Bへ投光して、その反射光や透過光を受光することにより、紙幣Bの画像を取り込む。鎖線ロは画像を取得する位置を示し、付勢駆動軸51の中心からは距離j1、画像取り込み手段53の近傍の搬送駆動軸61の中心からは距離j2だけ離れている。付勢駆動軸51で広げた切れ部を見るためには、距離j1がなるべく小さいことが望ましいが、付勢駆動軸51と画像取り込み手段53の配置上の制約から約20mmとなった。勿論、本発明はこの距離に限定されるものではなく、付勢駆動軸51で切れ部を広げられる範囲に画像取り込み手段53があればよい。
【0068】
付勢駆動軸51と、搬送駆動軸61、62、63と、従動軸52と、搬送ガイド55a、55bはフレーム54aと54bとにより支持される。フレーム54aと54bは、ピボット67で回転可能に接合される。これは紙幣判別装置50内の清掃やジャム除去などのためであり、紙幣Bを搬送するときは付勢駆動軸51と搬送駆動軸61、62、63と、従動軸52とが圧接されるように固定する。
【0069】
搬送ガイド55の近傍には、通過検知手段66と、磁気測定手段64と、厚さ測定手段65とが設けられている。
【0070】
図17は紙幣判別装置50の付勢搬送軸51と従動軸52と画像取り込み手段53とを、図16の矢印イの方向から見た図である。
【0071】
まず、付勢駆動軸51はシャフト101と、ベアリング102と、テーパローラ103と、止め輪104と、ギア105とから構成されている。ギア105は、図示しないモータから回転駆動され、シャフト101へ回転が伝達される。テーパローラ103はゴムで作られ、シャフト101と接着される。テーパローラ103は、搬送中心線ハの側になるに従い直径が小さくなるように設けられる。ベアリング102はシャフト101とフレーム54aとを回転自由に固定し、止め輪104で軸方向の移動を防止する。
【0072】
従動軸52は従動ベアリング111と、シャフト112と、バネ113とから構成される。従動ベアリング111はシャフト112で支持され、また軸方向の移動は搬送ガイド55bにより限定される。バネ113はシャフト112を介して、従動ベアリング111を付勢駆動軸51へ圧接する。
【0073】
本例では、テーパローラ103と従動ベアリング111は4組配置されている。内側の2組の間隔uは約60mmであり、内側と外側の組の間隔vは約40mmである。テーパローラ103と従動ベアリング111は、紙幣Bが傾斜の向きが異なるテーパローラ103に挟持搬送されるように配置する。その範囲であれば、上記の間隔mと間隔nはいかなる値を取っても良い。
【0074】
判別制御手段56は接続線121を介して画像取り込み手段53と、接続線122を介して磁気測定手段64、厚さ測定手段65、通過検知手段66と接続する。判別制御手段56は電気回路とソフトウェアから構成され、測定や検知の開始を指示し、また測定から得られたデータを分析して、紙幣Bの切れ検出などを行う。
【0075】
機構制御手段57は、電気回路とソフトウェアとからなり、ATM1の全体の動作を制御する。例えば、図1に示したゲート7を切り替える指示などを行う。判別制御手段56とは、接続線123を介して接続され、紙幣情報の授受を行う。動作の例としては、紙幣Bを入金するときは、正常な搬送経路としては、入出金口4から紙幣を取り込み、搬送路5で搬送して、一次集積部8へ収納する。ここで、紙幣判別装置50が図1の鑑別部6に適用され、紙幣Bに切れ部が検出された場合、機構制御手段57はゲート7を切り替えて、当該の紙幣Bを入出金口4へ返却する。あるいは、一次集積部8から集積部9へ紙幣を移し替えるとき、紙幣Bに切れ部が検出された場合、機構制御手段57はゲート7を切り替えて、当該の紙幣Bをリジェクト集積部10へ収納する。
【0076】
次に、付勢駆動軸51の構造と作用について説明する。
【0077】
図18は1組のテーパローラ103と従動ベアリング111とを抜粋した図である。
【0078】
テーパローラ103は、その外周面の幅Wのなかで、幅Tがシャフト101と略平行であり、残りがテーパ面Cとなる。テーパローラ103の最大の直径はφd1maxであり、搬送中心線ハに近づくに従い直径が小さくなるようにテーパ面Cが設けられ、最小の直径がφ1min、テーパ面Cとシャフト101とが成す角度がθである。一方、従動ベアリング111は外周面がシャフト101と略平行であり、直径がφd2である。
【0079】
本例で使用した諸寸法は、φd1maxが約20mm、φd2が約16mm、Wが5mm、Tが0.5mm、θが15°〜45°である。勿論、本発明は前記の諸寸法に限定されるものではない。
【0080】
このようなテーパローラ103と従動ベアリング111との組み合わせにおいて、紙幣Bを搬送するとき、テーパローラ103は図18の点線で示すように、直径の大きい側の外側へ変形する。この変形により矢印で示す力Fが発生する。この変形量は、テーパローラ103と従動ベアリング111との剛性の差によって異なり、発生する力Fの大きさも異なる。ここで、図17に示したように、搬送中心線ハに近い側の直径が小さくなるようにテーパローラ103を配置すれば、紙幣Bを幅方向の両側へ向かって引っ張る力が発生する。その様子を図20に示す。
【0081】
図20において、画像取り込み窓53sは紙幣Bの画像を取り込むため、透明になっており、図16において鎖線ロで示した部位である。
【0082】
付勢駆動軸51により、紙幣Bを幅方向に引っ張る力Fが発生して、紙幣Bの切れ部が開く。それが画像取り込み窓53sを通過するとき、紙幣Bがあって画像取り込み手段53aから画像取り込み手段53bへの光が遮光される部分と、切れ部で光が通過する部分とを捉えることができる。このとき、遮光されるべき領域のなかで、光が透過した領域を測定することにより、切れ部を検出できる。
【0083】
一例として、図20に切れ部の検出結果を示す。
【0084】
本結果で、切れ部の長さは約50mm、マーク□は約3mm以上、マーク△は約30mm以上の切れ部として検出した件数である。
【0085】
この結果より、ここで示した付勢駆動軸51により、切れ部を検出可能であることがわかる。また、テーパ面Cの角度θは、60°未満の範囲で、切れ部を広げることができる。θが60°以上になると、テーパローラ103と紙幣Bとが接触する状態が、テーパの無い搬送ローラと同様になってしまうため、切れが広がらない。また、少しでも角度があれば、切れ部を広げることができるが、小さい角度のテーパは加工が難しく、かつ搬送による摩耗でテーパが無くなる可能性がある。したがって、θの範囲は0°より大きく、60°未満であり、特に15°近傍が望ましい。
【0086】
以上に示した付勢駆動軸51を備える紙幣判別装置50とすることで、切れ部を有する紙幣を検出することができる。さらに、この紙幣判別装置50を備えるATM1とすることにより、過度に使用した紙幣によるジャムを低減することができ、ATM1の信頼性を向上することができる。
【0087】
さらに、テーパローラ103の形状を図21に示すように、テーパ面が2つ以上ある形状としても良い。図21では、テーパの設置間隔Pを2.5mmとして、テーパ面を2つ設けた例を示している。なお、テーパの設置間隔P、テーパ面の個数はこれに限られるものではない。また、上記のテーパは1つのローラに複数のテーパ面を設けても良く、1つのテーパ面を設けたテーパローラを複数個重ねても良い。
【0088】
このような複数のテーパ面を設ける利点を説明する。
【0089】
まず、図22に1つのテーパ面によるテーパローラ103で搬送するときに、紙幣Bに作用する力を示す。図22において、黒丸PaとPbはテーパローラ103と従動ベアリング111とによる挟持点である。
【0090】
前述のように、テーパローラ103で紙幣Bを搬送するとき、紙幣Bを幅方向に引っ張る力FaとFbとがそれぞれ発生する。これによって、切れ部を広げることができる。
【0091】
しかしながら、テーパローラ103は1個のローラ内で直径に違いがあるため、速度差が生じることがある。それによって、PaとPb周りのモーメント力MaとMbとが発生することがある。
【0092】
その結果、紙幣Bは点線で示すように大きく変形して、紙幣Bを破損したり、あるいは搬送ガイド55との摩擦力が大きくなってジャムを生じることがある。
【0093】
一方、複数のテーパ面を設けた場合、図23に示すように複数の挟持点を持つことになる。このとき、挟持点Pa1とPa2、挟持点Pb1とPb2の周りにはそれぞれ同じ向きのモーメント力が発生する。ここで、モーメント力Ma1とMa2は、挟持点Pa1とPa2との間で反対向きに作用するため、紙幣B全体には影響を与えない。同様にモーメント力Mb1とMb2も互いに打ち消しあう。それにより、引張力FaとFbのみを作用させることができる。
【0094】
さらに、図24に示すように、2つの異なる摩擦係数を有する摩擦ローラ105を用いて、摩擦係数が小さい側を搬送中心線ハに近くなるように構成しても良い。
【0095】
図25に摩擦ローラ105の詳細な構成を示す。
【0096】
摩擦ローラ105aは摩擦ローラ105bより摩擦係数が大きくする。例えば、ローラの一方の外周面にフッ素樹脂等の低摩擦剤を塗布する、あるいは異なる摩擦係数のローラを貼り合わせることにより構成できる。
【0097】
このような摩擦ローラ105へ、従動ベアリング111から押圧力Nを加えると、点線で示すように、摩擦ローラ105が両側へ膨らむように変形する。ここで、摩擦ローラ105aは摩擦ローラ105bより摩擦係数が大きいので、F1>F2となり、紙幣Bを摩擦係数が大きい側へ引っ張ることができる。
【0098】
このような摩擦ローラ105を搬送中心線ハに近い側が低摩擦になるように配置することにより、紙幣Bを幅方向両側へ引っ張ることができ、付勢駆動軸51を構成できる。
【0099】
以上のように、紙幣Bを幅方向へ引張力を与える付勢駆動軸51を画像取り込み手段53の近傍に配置することによって、切れ部を検出することができる。
【0100】
なお、上記に示した実施形態において、付勢駆動軸51は1カ所のみであったが、複数設けても良い。例えば、画像取り込み手段53近傍の搬送駆動軸61を付勢駆動軸51に構成することができる。それによって、紙幣Bへ引張力が加わる時間(あるいは距離)が長くなり、切れをより大きく広げることができ、切れ部の検出率を向上することができる。
【0101】
【発明の効果】
本発明により、過度に使用されて切れたり、剛性が低下した紙幣を検出することができ、装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 紙幣自動取引装置の概略構成図。
【図2】 紙幣判別装置の概略構成図。
【図3】 紙幣判別装置の斜視図。
【図4】 切れ部を有する紙幣の模式図。
【図5】 切れ部を有する紙幣の模式図。
【図6】 切れ部を有する紙幣の変形形状を表す模式図。
【図7】 切れ部を有する紙幣の変形形状を表す模式図。
【図8】 紙幣判別装置の斜視図。
【図9】 紙幣判別装置の斜視図。
【図10】 紙幣判別装置の斜視図。
【図11】 剛性と光学的特性の相関図。
【図12】 剛性と光学的特性の相関図。
【図13】 剛性と光学的特性の相関図。
【図14】 剛性と光学的特性の相関図。
【図15】 入出金口の構成図。
【図16】 紙幣判別装置の側面図。
【図17】 付勢駆動軸の構成図。
【図18】 テーパローラの構成図。
【図19】 付勢駆動軸と画像取り込み手段の斜視図。
【図20】 検出件数グラフ。
【図21】 複数のテーパ面を有するテーパローラの構成図。
【図22】 紙幣に作用する力を示す模式図。
【図23】 紙幣に作用する力を示す模式図。
【図24】 付勢駆動軸の構成図。
【図25】 異なる摩擦係数を有する摩擦ローラの構成図。
【符号の説明】
1…紙幣自動取引装置、2…紙幣取扱装置、3…入出力装置、4…入出金口、5…搬送路、6…鑑別部、7…ゲート、8…一時集積部、9…集積部、10…リジェクト集積部、20…紙幣判別装置、21…第1の投光手段、22…第2の投光手段、23…受光手段、24…付勢手段、25…演算手段、26…通過検知手段、27…搬送ローラ、28…搬送ガイド、30…シャッター、31…押し板、32…案内板、33…繰り出しローラ、34…係止ローラ、50…紙幣判別装置、103…テーパローラ、105…摩擦ローラ、111…従動ベアリング、。

Claims (2)

  1. 紙幣を入出金する入出金口と、紙幣の真偽を鑑別する鑑別部と、入金した紙幣を一時的に収納する一時集積部と、前記入出金口と前記鑑別部と前記一時集積部とを接続し紙幣を搬送する搬送路とを有する紙幣自動取引装置において、
    前記入出金口と前記一時集積部との間の前記搬送路に紙幣の状態を判別する紙幣判別装置を備え、
    前記紙幣判別装置は、判別される紙幣を紙幣面内において搬送方向と直交し、紙幣の幅方向の両側に向かって引っ張り力を与えて切れ部を広げる付勢手段と紙幣の切れ部を検知する検知手段とを備え、
    前記付勢手段はテーパローラと従動ベアリングの組み合わせによって構成され、このテーパローラと従動ベアリングは前記紙幣を挟持搬送し、前記テーパローラは紙幣の搬送による変形で紙幣を幅方向の両側に向かって引っ張り力を発生してなり、
    前記検知手段は、前記付勢手段によって広げられた紙幣の切れ部を検知することを特徴とする紙幣自動取引装置。
  2. 前記テーパローラに複数のテーパ面を設けたことを特徴とする請求項1記載の紙幣自動取引装置。
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