JP4363712B2 - ガラス基板の食刻装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス基板の食刻装置に関するものであって、特にガラス基板に食刻液(etchant)を等しく提供し、ガラス基板を均一に食刻することのできるガラス基板の食刻装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LCD (Liquid Crystal Display), PDP (Plasma Display Panel), ELD (Electroluminescent Display), VFD (Vacuum Fluorescent Display)などの様々な平板表示装置が研究されている。その中でもLCDが、いくつかの短所があるにもかかわらず、画質が優れていて低電力であるという点から、近年最も盛んに研究が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなLCDを採用した携帯用のテレビやノートブックコンピュータが、現在市販されているが、まだ解決すべき問題が種々存在しているのが実情である。特に、携帯用のテレビやノートブックコンピュータなどは、使用者が常に持ち歩くため、大きさや重量を減らすことが、LCD開発の主要な成功要件とされている。
【0004】
LCDの大きさや重さを減らすためには、種々の方法があるが、その構造や現在の技術上、LCDの必須構成要素の重量や大きさを減らすことには、限界がある。反面、LCDの最も基本的な構成要素であるガラス基板は、技術が進むにつれて、その重量を減らすことができる余地が残っている。特に、ガラス基板はLCDを構成する構造のうち、最も重量が大きいため、その重量を減らすための研究が続けられている。
【0005】
ガラス基板の重量を減らすということは、基板の厚さを薄くするということを意味する。しかしながら、ガラスの厚さが薄くなると、ガラスが破損しやすく、またガラスの加工過程でガラスの表面が滑らかにならないと、LCDの画質に重大な欠陥を起こすという点で、非常に難しくて重要なことである。
【0006】
ガラス基板の厚さ、つまり重量を減らすために、現在一番よく用いられている方法が、ガラス基板を食刻液が詰まっている容器に浸漬し、この食刻液によりガラス基板の表面を食刻する方法である。しかしながら、このような方法では、基板自体の不完全性により基板が均一に食刻されず、しかも食刻過程で生成される不純物が基板に付着して、基板の表面が凸凹になるという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、食刻液に基板を立てて配列した後、多孔板を通じて気泡(bubble)を供給し、食刻過程で生成された不純物を基板表面から除去し、新しい食刻液が基板に作用するようにする方法が提案されている。ところが、このような方法でも気泡が上に上がる間に、基板の上部と下部との間の厚さを不均一にするため、基板の厚さを極めて薄く食刻する場合、厚さの不均一によりLCDの製作過程で基板に力が加わると基板にひびが入り、ひどい場合は基板自体が破損される要因となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであって、厚さが薄く、表面が均一になるようにガラス基板を食刻する装置を提供することを目的とする。
【0009】
上記の目的を達成するための本発明によるガラス基板の食刻装置は、食刻液供給管と食刻液排出管とを有する容器と、該容器内に設けられ複数の孔を有する多孔板と、該多孔板の下に設けられ該多孔板へ気泡を提供するバブル板と、前記食刻液排出管と連結され食刻液を浄化するフィルターと、該フィルターと連結され浄化された食刻液を貯蔵するバッファータンクと、該バッファータンクと連結され該バッファータンクから提供された食刻液と新しい食刻液化合物とを混合する化合物混合タンクと、該化合物混合タンクと食刻液供給管とに連結されて化合物混合タンク内の食刻液を食刻液供給管を通じて容器内へ供給するように圧力を提供するポンプを含んで構成される。
【0010】
本発明による第1の態様では、バブル板が:内部に空気通路が形成され、空気注入口及び空気排出口を有する環状のフレームと;フレームの内側面の間に空気排出口と連結されるように設けられ、表面に複数の孔を有する複数の空気チューブとで構成される。
本発明による第2の態様では、バブル板が:その内部に空気通路が形成され、空気注入口及び空気排出口を有する環状のフレームと;フレームの内側面の間に設けられ、空気排出口を通じて排出された空気から気泡を発生させる多孔性発泡樹脂板とで構成される。多孔性発泡樹脂板はテフロン(登録商標)樹脂板とその上に形成された発泡テフロン(登録商標)樹脂板とで構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態によるガラス基板の食刻装置(10)を示した図面である。この食刻装置(10)は、容器(1)と、該容器(1)の上部に設けられた蓋(2)と、前記容器(1)の内部に設けられたバブル板(3)と、その上に設けられた多孔板(4)とから構成されている。容器(1)と蓋(2)とは封止液(water sealant)(5)により封止されている。バブル板(3)の左右には、ガス桶(図示せず)から窒素(N2)又は酸素(O2)を供給する空気供給管(6)が連結されている。
【0012】
容器(1)の下部には化合物混合タンク(7)から食刻液を供給する食刻液供給管(8)が連結されている。
ガラス基板(11)の食刻に用いられた食刻液は、食刻液排出管(18)を通じてフィルター(9)を通して排出され、フィルター(9)により不純物が除去された後に、バッファータンク(12)に貯蔵される。バッファータンク(12)に貯蔵された、浄化された食刻液は化合物混合タンク(7)に供給され、食刻液化合物を供給するDI供給部(13)及びHF供給部(14)から提供されたDI(蒸留水、Distilled water)及びHFと混合される。化合物混合タンク(7)に設けられた濃度測定装置(15)は、混合タンク(7)内の混合液の濃度を測定し、予め設定された基準濃度に至ると、DIとHFの供給が中断される。この際、基準濃度は1-50%の範囲内で設定する。また、混合タンク(7)内部の混合液を一定の温度に保持するため、混合タンクの内部にはPCW(冷却水)管(図示せず)が設けられている。混合タンク(7)内で混合された食刻液は、ポンプ(17)により容器内に供給される。
【0013】
容器(1)で起きる基板と食刻液の発熱反応から生じる温度変化を測定するために、容器(1)の内部には温度測定装置(19)が設けられている。この温度変化に応じて基板が食刻されるようになる。このような方法で、現在市販されている1.4mm厚さの基板を、0.5mm食刻することができる。温度設定は次の式で決定し、最終温度になると自動的に食刻を中断する。
T<sub>t</sub>=T<sub>i</sub>+(K<sub>r</sub>・N・Δt<sub>2</sub> )/m
ここで、 T<sub>t</sub>:最終温度,T<sub>i</sub>:初期温度,K<sub>r</sub>:反応常数,N:基板の数,Δt<sub>2</sub>:食刻すべき厚さである。
【0014】
図2はバブル板(3)を示した平面図であり、図3は図2の左右の側面図であり、図4は図2の上下の側面図であり、図5は空気チューブ(22)を示した図面である。図2に示したように、バブル板は四角の環状のフレーム(20)と、該フレーム(20)の内側面に連結された複数の孔(28)を有する空気チューブ(22)とから構成されている。図面上のフレーム(20)の上下部分の内部には、左右方向へ延びている空気通路(23)が形成されており、空気通路(23)は空気チューブの連結部(25)により空気チューブ(22)と連結され、空気注入部(26)により図1に示した空気供給管(6)と連結される。空気通路(23)の両端部には、図4に示したように栓(27)をする。
【0015】
図6はバブル板(3)上に設けられる多孔板(4)を示した平面図であって、この多孔板(4)にも空気チューブ(22)の孔(28)のように配列された孔(30)が形成されている。
【0016】
以下、本発明の食刻装置によるガラス基板の食刻過程を説明する。
図1に示したように、ガラス基板(11)を多孔板(4)上に配列させた後、ポンプ(17)を動かすと、該ポンプ(17)の圧力により、混合タンク(7)に貯蔵された浄化された食刻液がバブル板(3)を通過させられた後、多孔板(4)の孔(30)を通じてガラス基板(11)の表面に均一に提供される。
【0017】
空気供給管(6)を通じてバブル板(3)へ注入された窒素ガスは、フレーム(20)の空気注入口(26)と空気通路(23)とチューブ連結部(25)を順に通過して空気チューブ(22)内に提供され、該空気チューブ(22)の孔(28)を通過して気泡に変えられた後に、任意に配列された多孔板(4)の孔(30)を通過する。
【0018】
このような気泡が、ガラス基板(11)の表面に付く不純物を除去する。また、気泡が多孔板(4)の孔(30)を通過するため、不純物などが多孔板の孔(30)を塞ぐのを防止する。
ガラス基板(11)の食刻に用いられた食刻液は、不純物を含んでいる。この食刻液は食刻液排出管(18)を通じてフィルター(9)に供給され、該フィルター(9)により濾過された後にバッファータンク(12)に供給される。バッファータンク(12)に貯蔵された、浄化された食刻液は、化合物混合タンク(7)に供給され、DI供給部(13)及びHF供給部(14)から供給されたDI及びHFと混合された後に、ポンプ(17)の圧力により食刻液供給管(8)を通じて容器(1)内へ再び供給される。
【0019】
図7はガラス基板の食刻工程の全体構成を示したブロック図であって、ローディング部(60)、食刻装置(10)、洗浄装置(61)、乾燥装置(62)及びアンローディング部(63)から構成されている。
【0020】
ローディング部(60)からガラス基板が食刻装置(10)に供給され、食刻装置(10)は上記の過程の通り、ガラス基板を食刻する。
このように食刻されたガラス基板(11)は洗浄装置(61)に提供され、洗浄装置(61)は食刻後のガラス基板(11)の表面に付いている不純物を除去する。図8に示したように、洗浄装置(61)の上部には、蒸留水及び窒素ガスを共に供給する供給管(64)とシャワーヘッド(65)が設けられている。洗浄装置の下部には、上記の構造のバブル板(3)が設けられ、DIを供給するDI供給管(66)と、DIを排出するDI排出管(67)とが設けられている。
【0021】
洗浄されたガラス基板は、乾燥装置(62)で乾燥された後、アンローディング部(63)に供給される。乾燥装置(62)の内部には空気が供給され、排気をしながらガラス基板を乾燥させる。
【0022】
図9〜11は、本発明の第2実施形態によるバブル板を示した図面であって、図9はバブル板(3)を示した平面図であり、図10は図9の左右の側面図であり、図11は図9の左右の側面図である。以下、第1実施形態と構造上同じ部分は説明を省略し、同じ参照番号で示す。
【0023】
本実施形態においては、図面に示したように、バブル板(40)が、フレーム(41)と該フレーム(41)の内側に位置する多孔性発泡樹脂板(42)とで構成されている。本実施形態においては、空気注入口(43)が、図面上のフレーム(41)の上下左右に形成され、空気通路(44)もフレームの上下左右に形成されかつ相互に連結されており、樹脂板の連結部(45)もフレーム(41)の内側面全体に均一に配列されている。フレーム(41)の内側面の間に位置する多孔性発泡樹脂板(42)は、図12に示したように、発泡テフロン(登録商標)樹脂板(47)と、その下に位置するテフロン(登録商標)樹脂板(46)とで構成されている。
【0024】
空気注入口(43)に窒素ガスが注入されると、該窒素ガスは、空気通路(44)と樹脂板の連結部(45)とを通じて多孔性発泡樹脂板(42)に供給され、多孔性発泡樹脂板(42)により気泡に変わった後、多孔板(4)の孔(30)を通過してガラス基板(11)に供給され、ガラス基板(11)の表面に付いている不純物を除去する。食刻液供給管(8)を通じて容器(1)内へ供給された食刻液は多孔性発泡樹脂板(42)を通過した後、多孔板(4)の孔(30)を通過してガラス基板(11)の表面に均一に提供される。
【0025】
【発明の効果】
本発明によるガラス基板の食刻装置によれば、多孔板に均一に配列された孔を通じて食刻液がガラス基板に提供されるため、ガラス基板の表面が均一に食刻される。また、バブル板により、気泡がガラス基板に均一に提供されるため、ガラス基板に付く不純物を円滑に除去することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態によるガラス基板の食刻装置を示した図面である。
【図2】 本発明の第1実施形態によるバブル板を示した平図面である。
【図3】 図2の左右の側面図である。
【図4】 図2の上下の側面図である。
【図5】 図2の空気チューブを示す斜視図である。
【図6】 本発明の多孔板を示す平図面である。
【図7】 本発明のガラス基板の食刻工程の全体構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明の洗浄装置を示す断面図である。
【図9】 本発明の第2実施形態によるバブル板を示す平図面である。
【図10】 図9の左右の側面図である。
【図11】 図9の上下の側面図である。
【図12】 第2実施形態の発泡樹脂板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 容器
3,40 バブル板
4 多孔板
7 混合タンク(化合物混合タンク)
8 食刻液供給管
9 フィルター
10 食刻装置
11 ガラス基板
12 バッファータンク
17 ポンプ
18 食刻液排出管
20,41 フレーム
22 空気チューブ
23,44 空気通路
26,43 空気注入口
30 孔
42 発泡樹脂板
46 テフロン(登録商標)樹脂板
47 発泡テフロン(登録商標)樹脂板

Claims (7)

  1. 食刻液供給管と食刻液排出管とを有する容器と、
    前記容器の内部に設けられ、基板と食刻液の発熱反応から生じる温度変化を測定する温度測定装置と、
    前記容器内に設けられ、複数の孔を有する多孔板と、
    前記多孔板の下に設けられて前記多孔板へ気泡を提供するバブル板と
    前記食刻液排出管と連結され、食刻液を浄化するフィルターと、
    前記フィルターと連結され、前記容器から排出された食刻液を貯蔵するバッファータンクと、
    前記バッファータンクと連結され、該バッファータンクから提供された食刻液と新しい食刻液化合物とを混合する化合物混合タンクと、
    前記化合物混合タンク内に設けられ、混合液の濃度を測定する濃度測定装置と、
    前記化合物混合タンクと前記食刻液排出管と連結され、前記混合物混合タンク内の食刻液を、前記食刻液供給管を通じて前記容器内へ供給するように圧力を提供するポンプと、を含んで構成されたガラス基板の食刻装置。
  2. 前記バブル板が、表面に複数の孔を有する複数の空気チューブから構成されていることを特徴とする請求項1記載のガラス基板の食刻装置。
  3. 前記バブル板が、空気注入口を有しかつその内部に空気注入口と連結された空気通路を有し、空気通路と連結されて空気チューブに空気を提供するように空気チューブと連結された空気排出口を有する環状のフレームをさらに具備することを特徴とする請求項記載のガラス基板の食刻装置。
  4. 前記フレームが、四角の環状であることを特徴とする請求項記載のガラス基板の食刻装置。
  5. 前記バブル板が、多孔性発泡樹脂板から構成されていることを特徴とする請求項1記載のガラス基板の食刻装置。
  6. 前記バブル板が、空気注入口を有しかつその内部に空気注入口と連結される空気通路を有し、空気通路と連結されて多孔性発泡樹脂板へ空気を提供する空気排出口を有する環状のフレームをさらに具備することを特徴とする請求項記載のガラス基板の食刻装置。
  7. 前記多孔性発泡樹脂板が、テフロン(登録商標)樹脂板とその上に配置された発泡テフロン(登録商標)樹脂板とから構成されていることを特徴とする請求項記載のガラス基板の食刻装置。
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