JP4332321B2 - 二次電池の内部情報検知方法、内部情報検知装置、内部情報検知プログラム及び該プログラムを収めた媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池の蓄電容量、内部抵抗で代表される内部情報を検知する方法、検知装置、該検知装置を有する機械、内部情報検知プログラム、及び該プログラムを収めた媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の進歩、小型・軽量で高性能な二次電池の開発によって、携帯型パーソナルコンピューター、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、及び携帯端末などのモバイル機器が急激に発展してきている。
【0003】
また、大気中のCO2ガス量の増加による温室効果で地球の温暖化が生じると予測され、CO2ガスの排出抑制が叫ばれている。このため、CO2ガスを多量に排出する火力発電所は、新たに建設することが難しくなって来ており、火力発電所などの発電機にて作られた電力の有効利用として、夜間電力を一般家庭に設置した二次電池に蓄えて、これを電力消費量が多い昼間に使用して負荷を平準化する、いわゆるロードレベリングが提案されている。また、大気汚染物質を排出しないという特徴を有する電気自動車、大気汚染物質の排出を抑え燃料効率を高めた二次電池と内燃エンジンもしくは燃料電池を組み合わせたハイブリッド型電気自動車の開発が進められており、これらに必須な二次電池として、高エネルギー密度の二次電池の開発が期待されている。
【0004】
上記二次電池の使用されているモバイル機器や電気自動車やロードコンディショナーでは、使用されている二次電池の内部情報が得られれば、それに応じた使用機器側での電力管理をすることによって動作時間を最大限に引き延ばすことができる、また、二次電池の寿命に関する情報を得ることができれば電池の交換時期を知り突然の機能停止を回避することができる。そのため二次電池の蓄電容量、残存電気量、内部抵抗で代表される内部情報を精度よく検知する技術は、極めて重要になっている。
【0005】
残存電気量の検知方法の一つとしては、電池電圧を計測して残存容量を推測し検出する方法が提案されている。具体的には、負極材料に難黒鉛化炭素材料を使用したリチウムイオン二次電池に用いられており、放電電気量(放電量)に対して電池電圧がなだらかに低下するため、電池電圧を計測することによって残存電気量(残存容量)の検知がなされている。しかし、上記電池電圧から残存容量を算出する方法では、残存容量が同じであっても流れる電流により電池電圧が異なるために、精度よく残量を検知することは困難であった。さらに、寿命に近くなり性能が劣化した電池では残存容量を検知することは極めて難しかった。また、上記炭素材料が黒鉛系炭素材料の場合、放電量に対する電池電圧曲線が平坦であり、電池電圧から残存容量を算出する方法を適用することは容易ではなかった。
【0006】
他の残存容量の検知方法としては、積算放電電気量を記憶し、充電電気量(充電量)から積算放電電気量を差し引いて残存容量を算出する方法も提案されている。しかし、この手法では、常に電流値と放電時間を記憶することが必要であり、完全放電に至らない蓄電状態で継ぎ足し充電をする場合には誤差が大きくなる、寿命に近くなり性能が劣化した電池には対応できない、など精度の高い残存容量の検知は望めなかった。
【0007】
また、特開平4−2066号公報にはパルス放電後の電池電圧の回復特性により鉛蓄電池の容量を判別する方法が提案され、特開平4−136774号公報には電源オン時に一時的に大電流で放電し、電圧降下を検出し、予め設定した電池電圧値と比較し、大きいと残存容量が不足していると判断する方法が、提案されている。さらには、特開平11−16607号公報に、二次電池に所定電流を所定時間流したときの電池電圧を測定し、予め記録しておいた電池電圧−残存容量対応表で照合して二次電池の残存容量を検出する方法が提案されている。しかし、上記いずれの提案も劣化して内部抵抗が増加するか蓄電容量が低下した電池の残存容量を検出することは困難であった。
【0008】
次いで、特開平9−134742号公報では、放電終止電圧直前の内部インピーダンスを、蓄電池にインピーダンス測定器で交流電流を流して測定し、劣化を判定する方法が提案されているが、交流電流を発生してインピーダンスを計測する測定器が必要であるために、計測装置が大がかりなものになること、二次電池を使用している間は計測できないことから、実用的ではなかった。
【0009】
さらに、特開平11−271408号公報には、二次電池を定電流−定電圧充電(一定の電流値充電を開始し電池電圧が所定の電圧に達した後、所定の電圧で充電を充電終了まで行う、)方式で充電する場合に、定電流充電モードでの充電量、定電圧充電モードでの電流降下量もしくは電流変化量から、被検知電池の劣化度合いを推定する方法が提案されている。しかし、上記検出方法では、測定された、定電流充電モードでの充電量、定電圧充電モードでの電流降下量もしくは電流変化量から、一義的に蓄電容量に関する電池の内部情報を算出できるまでには至っていない。また、上記検知方法では、劣化時の電池の蓄電容量と、定電流充電モードでの充電量、定電圧充電モードでの電流降下量、定電圧充電モードでの電流変化量、のいずれにも相関があることは示されているが、いずれの関係にもっとも相関があり、信頼性のある電池の蓄電容量の検出方法は何か、具体的にどのように蓄電容量を検出するのかは全く示されていない。さらには、被検知電池が短絡して容量が低下しているのか、電池が劣化して内部抵抗が増加し容量が低下しているのか、蓄電容量自体が低下しているのか、判別をすることはできないので、詳細な劣化状況を把握することはできていない。電池が短絡しているかどうかの情報は、電池をより安全に使用するためにも、電池の内部情報を正確に把握する上でも重要となる。
【0010】
二次電池では、充放電を繰り返すと、電極活物質の劣化、電極活物質の集電体からの脱落やはがれ、電解液の分解等を原因として、内部抵抗が増加し、蓄電容量が低下する場合がある。さらに、電極と出力端子とをつなぐリードの接続部が、振動等の何らかの理由ではがれるようなことが起こると、電池の内部抵抗は増大するかもしれない。また電気化学反応による金属の析出等で、正極と負極との間に短絡する箇所が生じ、内部抵抗と蓄電容量が共に低下する場合もある。上記内部抵抗増加、蓄電容量低下、あるいは短絡した電池に対し、電池の内部情報を検知する場合、従来の方法では大きな誤差を生じていた。
【0011】
したがって、各種の二次電池に対応でき、蓄電容量が低下するか内部抵抗が増大して性能の劣化した電池にも対応できる、機器が実際に使用できる電気量である残量を高精度で検知する方法および装置が強く望まれている。さらには、電池の寿命すなわち性能低下を検知する方法および装置の開発も期待されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の蓄電容量に代表される二次電池の内部情報検知方法では検知精度が低いという問題点を解決し、二次電池の内部情報を高精度で検知する方法及び装置、それを応用した各種機器・機械を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(一定の電流値で充電を開始し電池電圧が所定の電圧に達した後、所定の電圧で充電を充電終了まで行う、)定電流−定電圧充電方式で二次電池を充電する場合、内部抵抗のみが増加した二次電池ではその内部抵抗の増加の大きさに係わらず、定電圧充電領域の充電電流曲線が、ある充電電流値IMで正常な電池の充電電流曲線と交差することを見出した。これにより、二次電池が短絡していなければ、定電圧充電モードでの充電電流がある電流値IMになるまでの時間の計測から、二次電池の蓄電容量に関する情報が得られることと、定電圧モードでの充電電流の収束値から、短絡の有無が判定できることも見出した。さらに、上記蓄電容量の確定から、電池の内部抵抗に関する情報も得られることも見出した。なお、特に断りがない場合、本明細書中で「定電圧充電モード」とは、定電圧で充電している状態ないし定電圧で充電している場合を、制御ないしコンピュータプログラムの側から表現したものであり、電池の側から見れば、「定電圧で充電されている状態」もしくは「定電圧で充電されている場合」と同義である。逆に「定電流充電モード」とは、定電流で充電している状態ないし場合を意味する。
【0014】
本発明は、定電流−定電圧充電方式によって充電を行う場合に、少なくとも(A)被検知電池の定電流充電モードから定電圧充電モードに移行した時点からの時間tと定電圧充電モードでの充電電流値Iを計測するステップ、
(B)定電圧充電に移行時から前記定電圧充電モードでの充電電流Iが所定の電流値IMになるまでの時間を求めるステップ、
(C)前記定電圧充電モードでの充電電気量(充電量)を求めるステップ、
(D)被検知電池と同種同型の正常な電池の定電圧充電モード時の充電電流特性を参照するステップ、
から成り、被検知電池の短絡の有無、被検知電池の蓄電容量(蓄電可能な電気量)、被検知電池の内部抵抗、被検知電池の充電量、被検知電池の使用できる電気量(残量)、あるいはこれらを組み合わせた情報の情報、のいずれかを検知することを特徴とする内部情報検知方法である。前記方法にて得られる内部情報は、被検知電池の短絡の有無、被検知電池の蓄電容量(蓄電可能な電気量)、被検知電池の内部抵抗、被検知電池の充電量、被検知電池の使用できる電気量(残量)、これらを組み合わせた情報のいずれかの情報である。本発明の二次電池の内部情報検知方法によれば、充電開始前の放電深度が未知の被検知電池であっても、すなわち、電気量の残存している電池につぎ足しで充電をするときでも被検知電池の蓄電容量に代表される内部情報を得ることができることになる。
【0015】
また、本発明は、二次電池の内部情報を検知する装置において、
少なくとも定電流−定電圧充電方式で被検知二次電池を充電する際の充電電流値Iを計測する手段と、定電流I0の充電モードから定電圧Vmaxの充電モードへの切り替わり時からの時間tを計測する手段と、定電圧充電モードでの充電電流値が所定値I M になったときの時間t M ’を検知する手段と、定電圧充電での充電電気量Q CV ’を検知する手段と、正常な電池の蓄電容量C N 及び定電圧充電モードでの充電電流値が所定値I M になるときの時間t M と定電圧充電モードでの充電電気量Q CV の値を記憶している手段とを有し、かつ記憶されたこれらの正常な電池のC N とt M とQ CV の値と被検知電池から検知されたt M ’とQ CV ’の情報から被検知電池の蓄電容量を算出する演算手段を有することを特徴とする二次電池の内部情報検知装置である。
また、本発明は、二次電池の内部情報を検知する装置において、
少なくとも定電流−定電圧充電方式で被検知二次電池を充電する際の充電電流値Iを計測する手段と、定電圧充電モードでの充電電流値が所定値I M になったときの時間t M ’を検知する手段と、定電圧充電で充電され得る充電電気量Q CV ’を検知する手段と、正常な電池の蓄電容量C N 及び定電圧充電モードでの充電電流値が所定値I M になるときの時間t M と定電圧充電時の充電電気量Q CV の値を記憶している手段と前記正常な電池の蓄電量Qに対する開回路電圧V oc (Q)の関係並びに正常な電池の定電流I 0 での充電時の蓄電量Qに対する内部抵抗R I0 (Q)の関係をそれぞれ記憶している手段とを有し、
前記被検知電池の計測情報と記憶されている正常な電池の特性情報から、被検知電池の蓄電容量と内部抵抗に関する内部情報を演算手段にて取得することを特徴とする二次電池の内部情報検知装置である。
【0016】
さらに、本発明は、前記内部情報検知装置を付加した1個以上の二次電池からなることを特徴とする電池パックである。
【0017】
また、本発明は、前記内部情報検知装置を有することを特徴とする機械(好ましくは、製造した二次電池が良品であるか不良品であるか検査する検査装置、二次電池を充電する充電器、携帯電話・携帯端末・携帯型コンピューター等の携帯機器、自動車、自転車、船舶、航空機、宇宙船等の移動体から選択される機械)である。
【0018】
さらに、本発明は、二次電池の内部情報を検知するためのプログラムにおいて、前記検知方法を盛り込んだことを特徴とする二次電池の内部情報検知プログラムである。また、本発明は、かかるプログラムを収めた記憶媒体である。
【0019】
本発明の検知方法での、前記被検知電池の短絡の有無は、定電圧充電モードでの充電時間を無限に外挿したとき、充電電流値が正の値を取る場合は被検知電池が短絡していると判定し、充電電流値がゼロに収束する場合は被検知電池が短絡していないと判定することができる。ただし、定電流−定電圧充電において、定電圧充電モードには移行しないような、短絡の程度が大きい場合もあり、この場合は上記短絡判定は適用できない。
【0020】
なお、(D)のステップでの正常な電池の定電圧充電モードでの充電電流特性には、正常な電池の予め計測されたデータ、もしくは正常な電池の予め計測されたデータから得られた関係式、コンピューターによるシミュレーションから得られたデータもしくは関係式、から選択される特性が使用できる。
【0021】
上記結果は、下記一連の模擬実験で明らかになった。
【0022】
先ず、二次電池が短絡している場合、充電特性はどのように推移するかを、二次電池に並列に抵抗を接続して、定電流−定電圧充電操作を行い、定電圧充電モードにおける充電電流の推移を観測した。図3の(1)は、内部抵抗Rを有した、短絡のない正常な二次電池(破線部で囲まれた部分)に抵抗器rPを並列に接続し、充電装置に接続した回路図である。抵抗器rPは、二次電池の短絡部分に相当し、充電装置から充電電流Ic=Ib+Irが流れるとき電池に電流Ibが流れ、短絡部の抵抗器rPには電流Irが流れることになる。ここで、抵抗器を並列に接続した擬似短絡電池の内部抵抗R'は、RからRとrPの並列合成抵抗値R'=R×rP/(R+rP)に低下すると考えることができる。図3の(2)は、図3の(1)において、二次電池にサイズが直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次電池を使用し、抵抗器rPを接続しない場合、抵抗値が、22Ω、10Ωの抵抗器rPを接続した場合の、それぞれの、定電流(1A)−定電圧(4.2V)充電モードでの充電時間に対する、電池電圧(V)と充電電流(A)を示した図である。横軸が時間で、左の縦軸が充電電流値、右の縦軸が電池電圧を示している。図3の(2)の定電圧充電モードでの充電電流曲線から、抵抗器が電池に接続されていない場合、すなわち、短絡していない場合は、充電時間を無限に外挿すると、充電電流はゼロになることがわかり、抵抗器が電池に接続されている場合、すなわち、短絡している場合は、充電時間を無限に外挿しても、充電電流はゼロにならないで、正の値を有することがわかった。より詳細に言えば、図3の(1)において、充電が進行し、充電された二次電池(破線部で囲まれた部分)の開回路電圧が定電圧充電の充電電圧Vmaxに達した後は、電池には充電電流は流れなくなり、すなわちIb=0となる。一方抵抗器rPには、一定の電流Ir=Vmax/rPが流れ続ける。つまり、Ic=Ib+Ir=Vmax/rPとなり、電池の開回路電圧が充電電圧Vmaxに達した後も、充電装置が出力する充電電流値Icは0に収束せず、一定の電流値になると考えられる。
【0023】
さらに、本発明者らは、蓄電容量の低下はなく内部抵抗のみが増大した二次電池の場合、充電特性はどのような推移するかを知るために、二次電池に直列に抵抗器rSを接続して擬似的に内部抵抗を増し、充電操作を行い、定電圧充電モードにおける充電電流の推移を観測した。図4の(1)は、内部抵抗Rを有した、短絡のない正常な二次電池(破線部で囲まれた部分)に抵抗器rsを直列に接続し、充電装置に接続した回路図である。抵抗器rsは、二次電池の内部抵抗増加分に相当する。図4の(1)において、二次電池にサイズが直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次電池を使用し、抵抗器rsを接続しない場合、抵抗値が、55mΩ、89mΩ、110mΩ、150mΩ、の抵抗器rsを接続した場合の、それぞれの、1A(アンペア)の定電流−4.2V(ボルト)の定電圧充電モードでの充電時間〔分〕に対する、充電電流(A)を示した図が図4の(2)で、充電電圧(V)を示した図が図4の(3)である。図4の(2)の充電電流曲線から、電池に接続されている抵抗器の抵抗値によらず、定電圧充電モードでの充電電流曲線がある電流値(以下、この電流値を「充電電流曲線の交点の電流値」と記述する場合もある。ここでは、定電流充電の電流値の1/2の0.5Aであるが、測定誤差を考慮すれば、定電流充電の電流値の0.4倍〜0.6倍と考えても良い)でほぼ交差することがわかった。また、直列に接続した抵抗値が大きくなるに従い定電圧での充電時間に対する充電電流値の変化(低下)の割合は、小さくなっている。抵抗器を直列に接続して、内部抵抗値を模擬的に増加させた電池も、充電時間を無限に外挿した場合、充電電流はゼロに収束し、このときの充電量は抵抗器を接続していない正常な電池の充電量と同じになる。すなわち、充電電流がゼロになるまで充電した電池の充電量は、正常な電池と内部抵抗のみ増加した電池では同じになる。また、図4の(3)からは、直列に接続した抵抗値が大きくなるに従い、所定の電圧に到達するまでの時間、すなわち定電流での充電時間が短くなり、充電開始後早い段階で定電圧の充電に移行することがわかる。
【0024】
さらに、充電電流曲線の交点の位置を詳細に求めるために、図4の(2)の充電時のデータを元に、充電電流曲線の関数式を求めて、直列に接続した抵抗器の抵抗値によらず充電電流曲線がほぼ同一点で交わるかどうか、すなわち、ある充電電流値になるまでの充電時間が同じになるかどうか、交わるときの電流値はどこか、を算出してみた。
【0025】
充電時間に対する充電電流の曲線の関数式を一度に求めるのは難しいので、まず、充電時間tに対する充電量Q(t)の曲線の形と実測値からフィッティングする関数式を求め、次に充電時間に対する充電量の関数を時間微分したものと実測値の電流値との差を取り、ついで電流値の差の曲線を関数式化して、最終的に直列抵抗を接続した二次電池の充電時間に対する充電電流の曲線の関数式を得た。
【0026】
具体的には、以下の手順で、段階的に直列抵抗を接続した二次電池の充電時間に対する充電量の曲線の関数式を得た。
【0027】
先ず、第一に、定電流−定電圧充電における定電圧充電モードでの充電時間に対する蓄電量の関係が次の関係式(4)
Q(t)=C1×[1−exp{−C2×(t−C0)}]+C3 −−−−(4)
(なお、C1C2=1)
と表せるとして、正常な電池に各種抵抗器を直列に接続し、定電流−定電圧充電を行ったときの充電時間に対する蓄電量の実験データを取得し、カーブフィッティングを行い、なお関係式(4)中のC0、C1、C2、C3と直列に接続した抵抗値との関係を求めた。ここで、exp{}は、自然対数の底eの{}乗を示している。
【0028】
ついで、電流値は電気量Qの時間微分dQ/dtで与えられるため、前記関係式(4)の両辺を時間微分して次の関係式(5)
IA(t)=exp{−C2×(t−C0)} −−−−(5)
を得た。
【0029】
次に、充電時間に対する充電電流値の実測データと、関係式(5)とを比較し、その差ΔI(t)の曲線の形から、差ΔI(t)が次の関係式(6)
ΔI(t)=C5×{(t−C0)/C4}C6×exp[1−{(t−C0)/C4}C6] −−−−(6)
と表せるとして、関係式(6)中のC4、C5、C6と直列に接続した抵抗値との関係を求めた。
【0030】
上記得られたC0、C1、C2、C3、C4、C5、C6と直列に接続した抵抗値との関係から、充電時間に対する充電電流値の関係を次の関係式(7)
I(t)=IA(t)+ΔI(t)
=exp{−C2×(t−C0)}+C5×{(t−C0)/C4}C6×exp[1−{(t−C0)/C4}C6] −−−−(7)
として数式化した。
【0031】
実際にサイズが直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次電池に各種抵抗器を直列に接続して、内部抵抗のみ増大した電池での定電流−定電圧充電方式で充電する際の充電特性を計測し、前記手順により内部抵抗値と充電時間に対する充電電流曲線の数式化を行った結果、関係式(7)におけるC0、C2、C4、C5、C6が抵抗値rsに対してそれぞれ以下の関数式として表すことができた。
【0032】
C0=2715.17×exp(−0.0110319×rs)
C2=0.000525602×exp(−0.0046066×rs)
C4=20.8542×rs
C5=0.163965
C6=0.234332×{exp(0.00937306×rs)−1}+1
図5(1)に、直列に抵抗器を接続した二次電池の充電時間に対する充電電流値の関係について、実測データを白抜き丸で、上記得られた数式から算出したデータを実線でそれぞれ示した。図5(1)より、定電圧充電モードに切り替わる直前からの実測データと非常に良く一致する充電電流に関する数式が得られたことが分かる。図5(1)では、まだ、定電流充電モードでの電流値一定の直線部分が充電曲線(実線)に正しく反映されていない、すなわち、電流値が一定である部分(定電流充電モードの期間)についての補正が必要である。
【0033】
そこで、定電流充電モードの期間についての補正を次の手順にて行った。
【0034】
定電流−定電圧方式による充電で、充電電流値が0になるまで充電した場合、正常な電池と正常な電池に抵抗器を直列接続した電池では、全蓄電量は同じになるはずである。したがって、正常な電池での充電電流値が0になるまでの充電量、すなわち上記得られた充電電流の数式(7)の時間による積分値に、抵抗値rsを接続した電池の前記数式(7)での充電電流値が0になるまでの積分値が等しくなるように、抵抗値rsを接続した電池の前記数式(7)を補正するための時間軸でのシフト量(時間)、すなわち正常な電池と抵抗値rsを接続した電池との定電圧充電モードの開始時間の差を算出した。ついで、上記シフト量(時間)を補正した抵抗値rsを接続した電池の前記数式(7)を求め、正常な電池の充電電流の数式(7)と補正した抵抗値rsを接続した電池の前記数式(7)の電流値が等しくなる電流値を求めた。図5(2)は、直列接続する抵抗器の抵抗値を変化させた場合の、抵抗器を接続しない正常な電池の充電電流曲線と抵抗器を接続した電池の充電電流曲線が交差する電流値を抵抗値に対してプロットしたものである。ここでは、直列接続する抵抗器の抵抗値に係わらず、定電流充電モードにおける電流値1Aのほぼ1/2の値の0.5Aで交差することが、数式化した定電圧充電モードでの充電電流曲線からも確認された。
【0035】
容量低下のない二次電池では、内部抵抗の増加に係わらず、前記定電流−定電圧充電方式で充電電流が実質的にゼロになるまで充電した場合の、蓄電量は、同等になる。また、蓄電容量のみが、正常な電池のD倍(Dは定数で0<D≦1)である電池を想定した場合、前記定電流−定電圧充電方式での充電時の充電時間に対する充電電流値をプロットした充電電流曲線は、正常な電池の充電電流曲線を時間軸方向に、D倍した曲線にほぼ一致することが本発明者らの実験から明らかになっている。前述の本発明者らの発見から、内部抵抗が増加し、かつ蓄電容量が正常な電池のD倍低下した電池では、前記定電流−定電圧充電方式での充電時の充電時間に対する充電電流値をプロットした充電電流曲線を時間軸方向に、1/D倍した曲線が、正常な電池の定電圧充電モードの充電電流曲線と、ある充電電流値で交わり、1/D倍した充電電流曲線から得られる蓄電電気量は、正常な電池と等しくなる。これらの関係から、蓄電容量の低下率Dが求まることになる。
【0036】
本発明の、被検知電池の内部情報検知方法の最たる特徴は、短絡していない被検知電池の蓄電容量(蓄電可能な電気量)が正常な電池の蓄電容量のD倍(Dは定数で0<D≦1)に低下している(D=1の場合、蓄電容量は低下していない)と仮定して、被検知電池において定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時から所定の電流値IMになるまでの時間がtM'、定電圧Vmaxで充電される総電気量がQCV'で、正常な電池においてはそれぞれtM、QCVであるとき、次の関係式(1)
D=(QCV'−I0×tM')/(QCV−I0×tM) −−−−(1)
から、被検知電池の蓄電容量を、正常な電池の蓄電容量のD倍であると検知する点にある。また、これにより、正常な電池の蓄電容量Cとすると、被検知電池の蓄電容量C'=C×Dであると算出することが可能である。上記Dの値が、ある値以下になった場合には、寿命であると判定することも可能である。
【0037】
前記所定の電流値IMは、前記定電流充電での充電電流値をI0とするとき、0.4×I0≦IM≦0.6×I0の範囲が好ましく、IM=0.5×I0であることがより好ましい。
【0038】
さらに、本発明の検知方法は、蓄電容量が正常な電池の蓄電容量のD倍である被検知電池において、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時における蓄電量がQ0'、定電圧Vmaxの充電への切り替わり時から所定の電流値IMになるまでの時間がtM'で、正常な電池においてはそれぞれQ0、tMであるとき、次の関係式(2)
Q0''=Q0−I0×(tM'/D−tM) −−−−(2)
から求められるQ0''(なお、Q0''=Q0'/D)、
正常な電池の蓄電量Qと、開回路電圧の関係Voc(Q)並びに定電流I0充電モードでの内部抵抗の関係RI0(Q)から、蓄電量Q0''のときの正常な電池の開回路電圧と内部抵抗はそれぞれVoc(Q0'')とRI0(Q0'')で、被検知電池が蓄電量Q0''であるときの内部抵抗がRI0'(Q0'')であるとするとき、次の関係式(3)
RI0'(Q0'')/RI0(Q0'')={Vmax−Voc(Q0'')}/{I0×RI0(Q0'')} −−−−(3)
から被検知電池の内部抵抗に関する内部情報を検知することを特徴とする。なお、前記正常な電池の蓄電量に対する開回路電圧Voc(Q)並びに内部抵抗のRI0(Q)は、正常な電池の予め計測されたデータ、もしくは正常な電池の予め計測されたデータから得られた関係式、コンピューターによるシミュレーションから得られた関係式、から選択されるものである。上記関数式RI0(Q)は、充電電流I0での充電モードでの電池の内部抵抗をRI0(Q)、電池電圧をVI0(Q)、電池の開回路電圧をVoc(Q)とする時の関係式RI0(Q)={VI0(Q)−Voc(Q)}/I0から算出される。
【0039】
一方、正常な電池に対する被検知電池の内部抵抗の増加は、前述の式(7)を用いても求めることができる。すなわち、定電圧充電モードでの充電電流値の電流曲線を時間軸方向に1/D倍(蓄電容量分の補正を意味する)して、式(7)に一致する抵抗値rsである抵抗増加分を求めることができる。
【0040】
また、本発明の検知方法では、被検知電池の蓄電容量が正常な電池の蓄電容量のD倍であると検知した後、正常な電池の蓄電容量CNと放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)から、正常な電池の全放電量がCd=CN×f(i,T)と表されるとし、被検知電池を電源に使用している機器の平均消費電流をi、平均消費電力をp、被検知電池の平均電圧をVmとする時、機器の作動時間hを、次式h=(D×Cd)/i、もしくはh=(Vm×D×Cd)/pで算出することを特徴とする。さらに、前記内部抵抗増加に関する情報から決定される補正係数rを用いた式h=(1/r)×(D×Cd)/i、もしくはh=(1/r)×(Vm×D×Cd)/pによって、前記機器の作動時間はより精度よく、算出される。前記放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)には、正常な電池を用いて予め求められた計測データ、もしくは計測データを元に算出された関数式、またはコンピュータ・シミュレーションから得られたものを使用することができる。
【0041】
前記本発明の二次電池の内部情報検知方法を適用できる二次電池としては、定電流−定電圧充電方式で充電する二次電池であり、適応できる二次電池の好ましい例としては、リチウムの酸化還元反応を利用したリチウム二次電池(本明細書中で「リチウム二次電池」はいわゆる「リチウムイオン二次電池」を含む概念である)が挙げられるが、リチウム二次電池に限定されるものではない。
【0042】
また、本発明は、前記本発明の二次電池の内部情報検知方法を適用した、二次電池内部情報検知プログラムである。
【0043】
さらに、本発明は、前記本発明の二次電池の内部情報検知方法を適用した、少なくとも定電流−定電圧充電モードでの充電電流値Iを計測する手段と、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時からの時間tを計測する手段と、演算手段と、記憶手段とを有し、前記本発明の二次電池の内部情報検知方法を適用した、二次電池の内部情報検知装置、1個以上の二次電池ユニットから成る電池パック、二次電池の充電器、二次電池を電源とする機械・装置、二次電池の検査装置である。
【0044】
上記本発明の電池パックでは、二次電池の内部情報を電池パックを接続する機器に伝達することで、機器あるいは機械の性能を最大限に引き出すことができるとともに、突然の作動停止を回避することが可能になる。上記本発明の充電器では、充電時に二次電池の性能低下を把握することができる。上記本発明の二次電池の検査装置では、出荷前に適用すれば良品及び不良品の検知を容易に行うことができる。二次電池を電源とする機器では、本発明により、高精度で、実際に使用できる電気量(残量)を検知することができるので、電源管理が容易になるため、作動時間を伸ばすことができる。
【0045】
なお、定電圧充電モードにおける充電電流曲線がある一点でほぼ交差することが一般的に妥当するかについて、本発明者らはさらに実験を重ねた。その結果、数多くのリチウムイオン電池において、定電流充電の電流値の1/2でほぼ交差することが確認された。従って、定電流充電の電流値の1/2という値は、一般的に妥当しうると考えられる。もっとも、ある程度の測定誤差を考慮すると、「充電電流曲線の交点の電流値」に定電流充電の電流値の0.4倍〜0.6倍の範囲の幅を持たせて考えることが可能である。さらに言えば、上述したような実験によって、電池の種類特有の「充電電流曲線の交点の電流値」を容易に求めることが可能であるから、たとえ当該電池の「充電電流曲線の交点の電流値」が1/2からかけ離れた値になったとしても、以下に詳述する本発明を適用することが可能である。加えて、充電電流曲線が厳密には一点で交差しない場合であっても、おおよその交点を近似的に定めることができれば、以下に詳述する本発明を適用することが可能である。その場合、本願特許請求の範囲の「所定の電流値IM」は、かかる近似的に定められた交点の電流値となる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態では、
「定電流−定電圧充電では、
1.充電電流がゼロに近づくほどに充電時間を十分に長くとれば、内部抵抗のみ増加した電池の満充電量は、正常な電池の満充電量と等しい。(電池の蓄電容量(=満充電量)は、放電深度100%から満充電まで充電した電気量で、その時の充電電流曲線と充電時間軸で囲まれた面積に等しい。そのため、内部抵抗のみ増加した電池では、充電電流曲線と充電時間軸で囲まれた面積は、正常な電池のそれと等しくなる。)
2.内部抵抗のみ増加した電池の充電電流曲線は、定電圧充電モードで、正常な電池の充電電流曲線と、定電圧充電モードの電流値の一定値(例えば1/2)の電流値の点で交わる。
3.正常な電池の蓄電容量(蓄電可能な電気量)のD倍に劣化し内部抵抗も増加した電池の、充電電流曲線は、時間軸方向に1/D倍すれば、内部抵抗のみ増加した電池の充電電流曲線になる。(蓄電容量が正常な電池のD倍になった電池では、その充電電流曲線と充電時間軸で囲まれた面積が正常な電池のそれのD倍になる。このことは、蓄電容量が正常な電池のD倍になった電池の、充電電流曲線と充電時間軸で囲まれた面積を1/D倍すれば、正常な電池及び内部抵抗のみ増加した電池のそれと等しくなることを示している。すなわち、蓄電容量が正常な電池のD倍になった電池では、その充電電流曲線を充電時間軸方向に1/D倍すれば、内部抵抗のみ増加した充電電流曲線に変換できることになる。)」
という点を利用して、劣化した電池の容量を算出する。
【0047】
以下、本発明の二次電池の内部情報検知方法を、図1を用いて具体的に説明する。
【0048】
図1は、定電流−定電圧充電を行う最中に二次電池の内部情報検知する本発明の方法の一例をフローチャートにて示したものである。本発明の二次電池の内部情報検知方法を図1に従って説明する。なお、図1におけるS1〜S13のSは、ステップを表し、番号はステップ番号を表している。
【0049】
検知スタートとして、先ずステップ1で被検知電池が短絡しているかどうか判定し、短絡している場合には必要に応じて、被検知電池が短絡していることを警告する(ステップ2)。被検知電池が短絡していない場合は、ステップ3及び4の定電流充電を開始する。なお、ステップ1は、スキップしてもかまわない、ただし、その場合は、少なくとも定電圧充電中もしくは充電終了後に、被検知電池の短絡有無の判定ステップが必要であるのが一般的である。もっとも、予め短絡がないことが明らかになっている場合には、ステップ1は完全にスキップすることができる。ステップ5及び6で、電池電圧が所定の電圧に到達した時点で、定電圧充電に切り替わり、同時にステップ7で充電電流値と時間を計測開始する。ステップ8及び9において、充電終了条件を満たした時点で充電を終了する。ステップ8とステップ9の間もしくは、ステップ9とステップ10の間に、被検知電池の短絡有無の判定ステップを入れてもよい。次に、上記ステップ7における電流値と時間の計測から、ステップ12で定電圧充電モードでの充電電気量の算出、ステップ13で充電電流値が所定の値になった時間を記憶しておき、予め求めておいた正常な電池の充電電流値が所定の値になった時間と定電圧充電モードでの充電電気量と合わせて、ステップ10で、被検知電池が短絡していない場合に、前記式(1)から被検知電池の蓄電容量または正常な電池に対する蓄電容量比Dを求める。なお、ステップ12とステップ13の実行順序は逆にしてもよい。さらに、被検知電池の内部抵抗に関する情報を得たい場合には、ステップ10の結果と、予め求めておいた正常な電池の蓄電量Qに対する、開回路電圧の関係Voc(Q)及び内部抵抗の関係RI0(Q)と前記式(3)から、ステップ11で、被検知電池の内部抵抗値または正常な電池に対する内部抵抗の比率を求める。
【0050】
本発明の好適な実施の形態にかかる二次電池内部情報検知方法の最大の特徴は、図1のフローチャートのステップ7とステップ12とステップ13とステップ10にあり、すなわち定電流−定電圧充電を行い、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時から所定の電流値IMになるまでの時間tM'を計測し、定電圧Vmaxで充電される総電気量QCV'を計測もしくは算出し、予め求めておいた正常な電池の定電圧充電に移行時点から充電電流値がIMになるまでの時間tM、定電圧充電モードで充電される総蓄電量QCV及び正常な電池の蓄電容量(公称容量)と、関係式(1)から被検知電池の容量低下係数Dを算出する点にある。上記本発明の検知方法では、二次電池の定電圧充電領域の情報を用いることによって、被検知電池の充電前の蓄電量を考慮することなく、蓄電容量に関する情報を得ることが可能である。
【0051】
次に、図2を用いて、定電圧充電モードで充電電流値が所定の値になった時間と充電電気量(充電量)と式(1)から、被検知電池の蓄電容量または正常な電池に対する蓄電容量比を求められる理由を説明する。
【0052】
図2は、短絡も内部抵抗の増加も蓄電容量の低下もない正常な電池と、内部抵抗が増加しかつ蓄電容量が正常な電池のD倍に低下した被検知電池を、放電深度100%から、(一定の電流値I0で充電を開始し電池電圧が所定の電圧Vmaxに達した後、所定の電圧Vmaxで充電を充電終了まで行う、)定電流−定電圧充電方式によって充電した場合の、充電時間に対する充電電流をプロットしたものである。図2において、t0は、正常な電池における定電流充電から定電圧充電に移行する時点の充電開始からの時間で、Q0はt0までに蓄電された電気量である。これに対して、t0'は、内部抵抗が増加しかつ蓄電容量が低下した被検知電池における定電流充電から定電圧充電に移行する時点の充電開始からの時間で、Q0'はt0'までに蓄電された電気量である。さらに、内部抵抗が増加しかつ蓄電容量が低下した被検知電池の充電電流曲線を時間軸方向に1/D倍した充電電流曲線を内部抵抗のみ増大した電池の充電曲線とした場合、t0'/D(=t0'')は、内部抵抗が増加しかつ蓄電容量が正常な電池を同じである被検知電池における、定電流充電から定電圧充電に移行する時点の充電開始からの時間で、Q0'/D(=Q0'')はt0''までに蓄電された電気量である。ここで、正常な電池と内部抵抗のみが増大した電池の定電圧充電領域での充電電流曲線は、充電電流値IMで交差する。このとき、正常な電池、内部抵抗が増加しかつ蓄電容量が低下した被検知電池の、それぞれの定電流充電から定電圧充電に移行する時点から充電電流値がIMになるまでの時間をそれぞれtM、tM'とするとき、内部抵抗のみが増大した電池のそれはtM'/D(=tM'')になる。図2において、充電電流値がゼロになるまでの正常な電池と内部抵抗のみが増大した電池の蓄電量は等しいので、正常な電池の充電電流値がIMになる(時間=t0+tM)までの充電電気量と、内部抵抗のみ増大した電池の充電電流値がIMになるまでの充電量との差は、内部抵抗のみ増大した電池の充電電流値がIMからゼロになるまでの充電量と、正常な電池の充電電流値がIMからゼロになるまでの充電量との差に等しい。なお、充電量(充放電効率が100%の場合は:=蓄電量)は、充電電流を時間で積分した値である。さらに、正常な電池と内部抵抗が増加しかつ蓄電容量が低下した被検知電池と内部抵抗のみ増大した電池の、定電圧充電領域での充電電気量をそれぞれ、QCV、QCV'、QCV''とするとき、
I0×(t0−t0'/D)+QCV=QCV''で、(t0−t0'/D)=(tM'/D−tM)、QCV''=QCV'/Dであると考えてよいから、
I0×(tM'/D−tM)+QCV=QCV'/D
上記式から、
D=(QCV'−I0×tM')/(QCV−I0×tM) −−−−(1)
の関係が求まり、正常な電池の定電圧充電に移行時点から充電電流値がIMになるまでの時間tM、及び定電圧充電モードで充電される蓄電量QCV、蓄電容量(もしくは公称容量)のデータを保有しておき、被検知電池の定電圧充電に移行時点から充電電流値がIMになるまでの時間tM'、及び定電圧充電モードで充電される蓄電量QCV'を求めることによって、被検知電池が短絡していない場合には、上記式(1)から被検知電池の蓄電容量は算出される。前記所定の電流値IMは、0.5倍(IM=0.5×I0)であることが好ましい。誤差を考慮すると、前記定電流充電での充電電流I0の、0.4〜0.6倍(0.4×I0≦IM≦0.6×I0)の範囲であることが好ましい。もっとも、前述したように、電池の種類特有の「充電電流曲線の交点の電流値」IMを実験的に求めることは容易であるから、IMが特定の範囲に収まらない場合でも、本発明を適用することは可能である。加えて、充電電流曲線が厳密には一点で交差しない場合であっても、おおよその交点を近似的に定めることが可能な場合、かかる近似的に定められた交点の電流値をIMとみなすことによって本発明を適用することが可能である。
【0053】
また、前述の操作で、得られたtMとtM'の以下の関係から、
(i)(tM'−tM)>a>0の時、被検知電池の内部抵抗が正常な電池より増大している、
(ii)(tM−tM')>b>0の時、被検知電池の蓄電容量が正常な電池より低下している、
と判定することもできる(なお、a,bは電池の種類によって決まる定数である)。
【0054】
さらに、−b≦(tM'−tM)≦aの範囲にある場合、被検知電池は正常な電池の製品バラツキ範囲内で正常な電池の部類に分類することができる。
【0055】
また、前述の操作で、得られたQCVとQCV'の以下の関係から、
(iii)(QCV'−QCV)>c>0の時、被検知電池の内部抵抗が正常な電池より増大している、
(iv)(QCV−QCV')>d>0の時、被検知電池の蓄電容量が正常な電池より低下している、
と判定することも可能である(なお、c,dは電池の種類によって決まる定数である)。
【0056】
さらに、−d≦(QCV'−QCV)≦cの範囲にある場合、被検知電池は正常な電池の製品バラツキ範囲内で、正常な電池の部類に分類することができる。
【0057】
もっとも、厳密に言えば、被検知電池に内部抵抗の増大と蓄電容量の低下との両方が生じている場合、−b≦(tM'−tM)≦a、−d≦(QCV'−QCV)≦cのいずれかもしくは両方が満たされてしまう場合があり得る。かかる場合に、本来異常と判定されるべき被検知電池が正常な電池に分類されてしまうのを防ぐためには別途の考慮が必要となる。例えば、(3)式から得られるRI0'(Q0'')/RI0(Q0'')が所定値k以下であり、−b≦(tM'−tM)≦a、−d≦(QCV'−QCV)≦cの両方が満たされる場合に、被検知電池が正常であると判定することによって、より正確な判定が可能となる。
【0058】
被検知電池の短絡有無の判定
本発明の二次電池の内部情報検知方法で、被検知電池の蓄電電気量が求まるのは、短絡していないことが必要であるために、被検知電池の定電流−定電圧充電の定電圧充電モードに移行する前に、短絡していないことが確認されていることが好ましいが、定電圧充電後に短絡の有無の判定をしてもよい。なお、定電圧充電領域での充電電流値の時間変化ΔI/Δtの推移から、時間を無限大に外挿しても充電電流値がゼロにならず正の値を持つようであれば、被検知電池は短絡しており、正確な蓄電容量が求まらないことになる。
【0059】
被検知電池の充電も放電もしていない休止時、充電時、放電時、から選択される電池の状態を検知して短絡有無を判定でき、具体的には、休止時の電池の開回路電圧変化分、定電流充電モードにおける電池電圧の上昇率、定電圧充電モードにおける充電電流の降下率、放電時の電池電圧の降下率、から選択される一種類以上の電池の状態を検知して、短絡の有無の判定できる。
【0060】
すなわち、充電や放電を行っていない休止時では、経時時間に対する開回路電圧の低下がある場合に、短絡していると判定できる。
【0061】
定電流充電を行っている時には電池電圧もしくは開回路電圧の上昇が正常な電池に比べて小さい場合に、短絡していると判定できる。
【0062】
定電圧充電モードにおける充電電流の降下率が正常な電池より小さい場合、被検知電池は短絡している可能性があると判定できる。さらに、時間を無限に外そうすることで、内部抵抗増大か短絡か判定することができる。
【0063】
定電流放電時には電池電圧もしくは開回路電圧の下降が正常な電池に比べて大きい場合に、短絡していると判定できる。
【0064】
定電流−定電圧充電方式の定電流充電領域での短絡の有無の判定は、次のような方法にて判定することができる。被検知電池の放電深度が100%である時、充電開始から定電圧充電に切り替わるまでの時間が、正常な電池より多くかかる場合、被検知電池は短絡していると判定することができる。充電開始から定電圧充電に切り替わるまでの時間が、正常な電池より短い場合、被検知電池は内部抵抗が増大しているか、蓄電容量が低下しているか、内部抵抗が増大しかつ蓄電容量が低下していると判定することができる。
【0065】
また、被検知電池の放電深度がわからない場合、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時を基準に、それよりtcc時間前の(定電流充電モードでの)電池電圧Vccの時間当たりの上昇率ΔVcc/Δtに関して、被検知電池と正常な電池のそれを比較して、被検知電池の電圧の時間当たりの上昇率が、正常な電池のそれより小さいとき、被検知電池は、内部抵抗が低下しているか、短絡していると判定することができる。このとき、被検知電池の電圧の時間当たりの上昇率が、正常な電池のそれより大きい場合は、正常な電池より、被検知電池は、内部抵抗が増大しているか、蓄電容量が低下しているか、内部抵抗が増大しかつ蓄電容量が低下しているのいずれかであると判定することができる。
【0066】
さらに、被検知電池の短絡を判定するより簡便な方法としては、充電終了時直前の定電圧充電での充電電流値が、定電流充電での充電電流値の0.3倍以上あるとき、及びまたは、定電圧充電領域で充電電流の時間変化ΔI/Δtがプラスになる場合があるとき、被検知電池は短絡していると判定することもできる。また、定電流充電モードでの電池電圧の変化ΔV/Δtがマイナスになる場合があるときも、短絡していると判定することができる。
【0067】
充電終了条件
前記充電は、通常、定電圧充電モードで充電電流が所定の電流値Imin以下になった時点、もしくは充電開始から所定時間tfを経過した時点、のいずれかの時点で、終了する。ただし、短絡、異常発熱等の異常時の充電終了はこれに含まれない。
【0068】
定電圧充電モードでの充電量
前記(1)式に用いる定電圧充電領域での充電電気量QCV'は、充電を終了した時点までの総充電量、もしくは定電圧充電モードにおいて電流値がゼロに達する時点までの総充電電気量のいずれかである。被検知電池の蓄電容量は、定電圧充電モードの電流値がゼロに達する時点までの充電量から求めた方がより正確な値が求まる。ただし、定電流−定電圧充電方式で蓄電できる蓄電量は、充電を終了した時点までの充電量から求めた方がより正確な値が求まる。しかし、上記いずれの定電圧充電モードでの充電量を用いるかで、生じる被検知電池の算出蓄電容量の差は、大きくはない。
【0069】
内部抵抗に関する情報の検出
図1のステップ11を図2を参照しながら、次に説明する。
【0070】
二次電池の蓄電量と、開回路電圧、(電流が流れていないときの)静的内部抵抗には相関がある。また、定電流充電が行われている時の電池電圧と内部抵抗は、電池の蓄電量と電池の温度と、充電電流値に依存する。定電流放電が行われている時の電池電圧と内部抵抗もまた、電池の蓄電量と電池の温度と、放電電流値に依存する。
【0071】
そこで、先ず、正常な二次電池において、蓄電量Qに対する開回路電圧の関係Voc(Q)を求めておく。ついで、電池の充電温度T、定電流I0での充電モードにおける、蓄電量Qに対する内部抵抗の関係RI0(Q)を求めておく。また、電池の充電温度T、定電流I0での充電モードにおける、蓄電量Qに対する電池電圧の関係VI0(Q)を求めておいてもよい。さらに、上記、開回路電圧、並びに充電時の内部抵抗は、蓄電量Qに関する関数式Voc(Q)並びにRI0(Q)として求められているのがより好ましい。なお、上記正常な電池の蓄電量に対する開回路電圧Voc(Q)並びに内部抵抗のRI0(Q)は、正常な電池の予め計測されたデータ、もしくは正常な電池の予め計測されたデータから得られた関係式、コンピューターによるシミュレーションから得られた関係式、から選択されるものである。
【0072】
予め求めておいた、蓄電量Qに対する開回路電圧の関係Voc(Q)、内部抵抗の関係RI0(Q)から、蓄電量Q0''の正常な電池の開回路電圧と内部抵抗がそれぞれVoc(Q0'')とRI0(Q0'')であると求まる。
【0073】
一方、充電時の電池電圧Vcは開回路電圧Vocと充電電流値Icと電池の内部抵抗値Rcから次式のように表される。
【0074】
Vc=Voc+Ic×Rc、もしくはVoc=Vc−Ic×Rc。上記式において、定電流I0での充電モードにおける正常な電池の蓄電量がQ0''(なお、Q0''=Q0'/Dで、Q0'は、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時における被検知電池の蓄電量)であるとき、内部抵抗はRc=RI0(Q0'')、開回路電圧はVoc=Voc(Q0'')、充電電流はIc=I0で、電池電圧はVc=VI0(Q0'')、開回路電圧と充電電流と電池電圧と内部抵抗の関係はVoc(Q0'')=VI0(Q0'')−I0×RI0(Q0'')となる。図2において、内部抵抗のみ増大した電池の定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時における蓄電量がQ0''、このときの内部抵抗をRI0'(Q0'')とすると、このときの開回路電圧は、Vmax−I0×RI0'(Q0'')と表せる。さらに、この内部抵抗のみ増大した電池の開回路電圧は、同じ蓄電量Q0''の正常な電池の開回路電圧と等しいので、
Voc(Q0'')=VI0(Q0'')−I0×RI0(Q0'')=Vmax−I0×RI0'(Q0'')と、表され、
この式の変形から、
RI0'(Q0'')={Vmax−Voc(Q0'')}/I0
さらに、次の(3)式、(3')式が得られる。
【0075】
RI0'(Q0'')/RI0(Q0'')={Vmax−Voc(Q0'')}/{I0×RI0(Q0'')} −−−−(3)
または、
RI0'(Q0'')/RI0(Q0'')={Vmax−VI0(Q0'')}/{I0×RI0(Q0'')}+1 −−−−(3')
ここで、図2から、
Q0''=Q0'/D=Q0−I0×(tM'/D − tM) −−−−(2)
なお、
D=(QCV'−I0×tM')/(QCV−I0×tM) −−−−(1)
である。Q0、tM、QCV、tM'、QCV'を計測して上記式(2)に代入することによって、通常は放電深度100%からの充電以外では求まらない被検知電池のQ0'を、放電深度100%未満からの充電時に求めることができる。
【0076】
予め、正常な電池の、定電流充電で充電される蓄電量(=充電電気量)Q0、定電圧充電モードで充電電流値がI0からIMになるまでの時間tM、定電圧充電モードにおける蓄電量(=充電電気量)QCV、蓄電量Qに関する関数式Voc(Q)、並びにRI0(Q)が求められており、被検知電池の定電圧充電モードでの充電電流値がI0からIMになるまでの時間tM'を計測し、定電圧充電モードにおける蓄電量(=充電電気量)QCV'を求めることによって、上記(1)式、(2)式、(3)式から、蓄電量Q0''での被検知電池の内部抵抗、蓄電量Q0''での正常な電池に対する被検知電池の内部抵抗の比率を求めることができる。なお、蓄電量Q0''での被検知電池の内部抵抗と蓄電量Q0'での被検知電池の内部抵抗と、の差は小さいと考えられるので、算出された蓄電量Q0''での被検知電池の内部抵抗を蓄電量Q0'での被検知電池の内部抵抗と推定することも可能である。さらに、蓄電量Q0''での正常な電池に対する被検知電池の内部抵抗の比率と、放電時の正常な電池に対する被検知電池の内部抵抗の比率との差は小さいと考えられるので、算出された蓄電量Q0''での正常な電池に対する被検知電池の内部抵抗の比率を放電時の正常な電池に対する被検知電池の内部抵抗の比率と推定することも可能である。
【0077】
機器の作動時間の算出
前記方法で、被検知電池の蓄電容量低下率Dを算出した後、正常な電池の蓄電容量CNと放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)から、正常な電池の全放電量がCd=CN×f(i,T)と表されるとし、被検知電池を電源に使用している機器の平均消費電流をi、平均消費電力をp、被検知電池の平均電圧をVmとする時、機器の作動時間hを、次式h=(D×Cd)/i、もしくはh=(Vm×D×Cd)/pで算出することができる。前記放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)には、正常な電池を用いて予め求められた計測データ、もしくは計測データを元に算出された関数式、またはコンピュータ・シミュレーションから得られたものを使用することができる。温度が低下すると電池の電解質のイオン伝導度が低下し、見かけ上の内部抵抗が増加するので、放電量が低下する。また、放電電流が高すぎると電池反応に寄与するイオンの供給が遅れ、見かけ上の内部抵抗が増加するので、放電量が低下する。したがって、これにより、被検知電池を機器に接続して使用する場合、機器の実際の作動時間も算出することが可能になる。前記放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)を導入することで、放電できる電気量(残量)を高い精度で、予測することが可能になる。
【0078】
更に、正常な電池の内部抵抗RI0(Q0'')に対する被検知電池の内部抵抗RI0'(Q0')の比率RI0'(Q0'')/RI0(Q0'')を算出し、前記内部抵抗に関する情報RI0'(Q0'')/RI0(Q0'')から決定される補正係数rを用い、上記機器の作動時間hは、式h=(1/r)×(D×Cd)/i、もしくはh=(1/r)×(Vm×D×Cd)/pによって、より精度よく、算出される。
【0079】
〔二次電池の内部情報検知装置〕
本発明の二次電池の内部情報検知装置は、二次電池の定電流−定電圧充電において、少なくとも定電流−定電圧充電方式で充電する際の充電電流値Iを計測する手段と、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時からの時間tを計測する手段と、演算手段とを有し、被検知電池の内部情報を検知する、二次電池の内部情報検知装置である。前記演算手段は、前記計測された充電電流値I及びまたは定電圧充電の時間tの情報を用いて演算を行う。
【0080】
さらに、本発明の二次電池の内部情報検知装置は、記憶手段を有しているのが好ましく、この記憶手段は被検知電池と同種類で同型の正常な電池の特性の情報を記憶しているのが好ましい。予め記憶されている正常な電池の特性の情報と得られた被検知電池の計測情報とから、被検知電池の内部情報を得ることができる。
【0081】
被検知電池の蓄電容量を検知する本発明の検知装置は、少なくとも定電流−定電圧充電方式で充電する際の充電電流値Iを計測する手段と、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時からの時間tを計測する手段と、定電圧充電モードで充電電流値が所定値IMになったときの時間tM'を検知する手段と、定電圧充電モードでの充電量QCV'を検知する手段と、正常な電池の蓄電容量CN及び定電圧充電モードで充電電流値が所定値IMになるときの時間tMと定電圧充電モードでの充電量QCVの値を記憶した手段とを有し、かつ記憶されたこれらの正常な電池のCNとtMとQCVの値と被検知電池から検知されたtM'とQCV'の情報から被検知電池の蓄電容量を算出する演算手段を有する。蓄電容量の算出式は、前記式(1)を使用する。
【0082】
さらに、被検知電池の内部抵抗を検知する本発明の検知装置は、充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時からの時間tを計測する手段と、定電圧充電モードで充電電流値が所定値IMになったときの時間tM'を検知する手段と、定電圧充電で充電され得る充電電気量QCV'を検知する手段と、正常な電池の蓄電容量CN及び定電圧充電モードで充電電流値が所定値IMになるときの時間tMと定電圧充電モードでの充電量QCVの値を記憶している手段と前記正常な電池の蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)の関係並びに正常な電池の定電流I0での充電モードでの蓄電量Qに対する内部抵抗RI0(Q)の関係をそれぞれ記憶している手段とを有し、前記被検知電池の計測情報と記憶されている正常な電池の特性情報から、被検知電池の蓄電容量と内部抵抗に関する内部情報を演算手段にて取得する。
【0083】
前記蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)並びに内部抵抗RI0(Q)の関係としては、データテーブル、関数式のいずれかを使用する。内部抵抗に関する内部情報を算出するために、前記式(1)、(2)、及び(3)を使用する。
【0084】
また本発明の二次電池の内部情報検知装置は、前記基礎データと前記検出手段から得られた情報を加工する演算手段を有していることが好ましい。前記演算手段が、被検知電池の蓄電容量、及び又は被検知電池の内部抵抗以外にも、充電終了までに要する時間を算出する手段、被検知電池を電源に使用している機器の作動時間を算出する手段、などを有していることも好ましい。
【0085】
さらに、本発明の二次電池内部情報検知装置には、前記計測手段から得られる情報、及び又は前記被検知電池の内部情報に関する情報を出力及び又は表示する手段を付随させてもよい。
【0086】
本発明の二次電池の内部情報検知装置の構成例
本発明の、二次電池の蓄電容量、内部抵抗で代表される内部情報の検知装置の主要部分の回路の構成の一例を図7に示す。基本的には、被検知電池を本装置と接続する端子(701)、被検知電池の端子間電圧を検出する電池電圧検出部(702)、被検知電池の充電電流を検出するところのセンス抵抗器(703)、増幅器(704)、及び制御部(705)から構成されている。
【0087】
ここで端子(701)は本発明を実施する被検知電池と本装置とを容易かつ確実に電気的に接続する事が可能である。電池電圧検出部(702)は、高い入力インピーダンスで被検知電池正負極間の端子間電圧を検出し、この電圧情報は制御部(705)に出力される。被検知電池の充電電流の検出は、センス抵抗器(703)により電流電圧変換されて電圧信号として増幅器(704)に入力し、この電圧情報は制御部(705)に出力される。制御部(705)は内部あるいは外部にタイマを有し、定電流から定電圧の充電への切り替わり時からの充電時間を計測し、定電流から定電圧の充電への切り替わり時からの充電時間に対する充電電流値のデータを取得する。更に制御部(705)は記憶手段として内部あるいは外部にメモリーを有しており、取得した被検知電池のデータを記憶する。また、上記メモリーは、被検知電池と同種類で同型の正常な電池の充電時間に対する充電電流値等の情報、及び取得された被検知電池のデータから内部情報を算出するための算出式をも記憶させておいてもよい。さらには、上記メモリーには、正常な電池の蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)、電池電圧VI0(Q)、内部抵抗RI0(Q)もあらかじめ入力されているのが好ましい。また、上記制御部(705)は、取得した被検知電池の定電圧充電時のデータから、被検知電池の蓄電容量や内部抵抗等に係わる内部情報を算出するための演算機能を有しているのが好ましい。
【0088】
本装置は、算出された被検知二次電池の蓄電容量等の情報を元に、さらに被検知電池の寿命判定、充電終了までの所要時間、あるいは機器の作動可能時間の情報表示機能を付加することも可能である。
【0089】
図7で説明した本発明の二次電池の内部情報検知装置の構成の一例は、単独の装置としても、被検知電池と接続し所定の動作を行うことができる。この時必要となる本装置電源は、図示していないが、外部から供給する以外にも、接続する被検知電池から、例えばレギュレータを介し、取り込むことも可能である。
【0090】
図8は、本装置を二次電池(801)と組み合わせ、電池パックに内蔵した一例を示す回路構成図である。電池パックのプラス端子(802)、マイナス端子(803)、充電用プラス端子(804)(充電用マイナス端子は前記マイナス端子を兼用)、電池電圧モニタ出力端子(805)、及び接続する機器との通信機能(806)を有している。必要に応じ、本装置制御部(705)に、電池パックに搭載する二次電池の過充電保護機能(807)や過放電保護機能(808)を行わせることもできる。なお、図8では二次電池1個から構成されている電池パックであるが、本発明による電池パックを構成する二次電池の個数はこれに限定されることなく、複数個であってもよい。
【0091】
上記通信機能(806)を有することにより、本発明の二次電池の内部情報検知装置を内蔵した電池パックは、二次電池あるいは電池パックの蓄電容量や寿命等の内部の情報、その情報から計算される充電終了までの所要時間あるいは機器の作動可能時間、を接続する機器に知らせることが可能となる。また、図7に代表される本装置を充電器に内蔵することもでき、これにより、電池の蓄電量、蓄電容量、満充電に要する残り時間、電池の劣化状態や寿命等の情報を表示するか、情報として外部に出力することができる。
【0092】
さらに図7に代表される本装置は、二次電池を使用する機器本体に内蔵することも可能である。また、図7に代表される本装置の機能を機器本体の制御部に持たせることもできる。すなわち、機器本体の制御部に、本発明の検知方法に基づくプログラムを入力し、本発明の検知機能を持たせることも可能である。例えば二次電池を接続して使用する携帯型パーソナルコンピュータでは、一般的に本体の動作を主に司る主制御部と、周辺機器とのやりとりを主に司る副制御部をそれぞれ有し、副制御部では、多くの場合、供給電源である二次電池からの電流及びまたは電圧の情報を監視している。上記監視情報を取得する機器の副制御部もしくは主制御部に、本発明の検知方法のプログラム及び必要な二次電池の基礎データを入力することで、本発明の検知装置の機能を機器本体に持たせて、二次電池の内部情報の検知を可能にし、機器の電源管理の精度を高めることができる。これにより、使用する二次電池の蓄電エネルギーを最大限に引き出し、機器の性能を最大限に発揮させることが可能になる。
【0093】
また、本発明の二次電池内部情報検知装置の記憶手段に、記憶する情報を必要に応じて、種類の異なる電池に対応する情報を入力しておくことによって、汎用性を持たせることが可能になる。その上で、本装置に適応する二次電池のタイプを選択する手段を設けることで可能となる。上記二次電池のタイプの選択手段としては、例えばスイッチ入力、有線もしくは無線の電気信号や光信号等での入力、を使用することができる。これにより、同一種類の二次電池であって型式が異なる場合や、二次電池の種類がリチウム(イオン)電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、鉛蓄電池のように、異なる場合にも、対応することができる。
【0094】
被検知電池の内部情報検知プログラムを収めたメモリー媒体
本発明のメモリー媒体は、先に説明した、図1のフローチャートに代表される本発明の検知方法をプログラム化したプログラム、被検知電池と同種同型の正常な電池の基礎特性データを記憶したものである。充電機能を有し、かつメモリー媒体を接続して本発明の被検知電池の内部情報を検知する機能を有する、充電器や、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、携帯端末(Personal Digital Assistant)、電気自動車、に代表される二次電池を電源とする機器に、上記本発明のメモリー媒体を使用することができる。
【0095】
これにより、使用する二次電池の型式及び種類に変更が生じた場合でも、変更に対応する上記メモリー媒体を用意することで、容易に修正が可能になり、正確な二次電池内部情報の検知が可能になる。
【0096】
二次電池の内部情報検知装置の応用機器
前述してきたように、本発明の二次電池内部情報の検知方法は、劣化して蓄電容量の低下や内部抵抗の増加がもたらされた電池であっても、精度良く蓄電容量を算出することができるため、二次電池を電源として使用する機器においては、機器の作動時間を精度良く割り出すことができるし、寿命となった電池の交換時期を正確に知ることができる。そのため、本発明の二次電池の内部情報の検知方法を使用した二次電池の内部情報の検知装置を、二次電池を電源とする機器に搭載することで、機器と機器に搭載している二次電池の性能を最大限に引き出すことが可能になる。
【0097】
本発明の二次電池内部情報の検知装置を付加して性能が最大限引き出される機器の例としては、携帯電話、携帯端末、コンピューター、ビデオカメラ、デジタルカメラ、等の携帯機器、電気自動車やハイブリッド型自動車などの二次電池を電源とする乗り物、が挙げられる。さらに、本発明の二次電池の内部情報の検知装置を付加した、電池パック(単数個の二次電池がパッケージ化されたもの、または複数個の二次電池が直列もしくは並列に接合されてパッケージ化されたもの)や充電器も応用例として挙げられる。上記電池パックには二次電池の内部情報を機器とやりとりする通信機能を持たせても良い。
【0098】
本発明の二次電池内部情報の検知装置を付加して機能が高まる、上記例以外の装置やシステムとしては、製造した二次電池が良品であるか不要品であるか検査する二次電池の検査機器、電力貯蔵システム等も挙げられる。
【0099】
〔実験例〕
正常な電池に対する蓄電容量比率Dの妥当性
実験例1
正常な電池に対する蓄電容量比率Dで補正した充電電流曲線が、正常な電池の充電電流曲線と、定電流充電モードにおける電流値の1/2の電流値で交差することを実験にて示すことによって、本発明の電池の内部情報検知方法の妥当性を示した。
【0100】
図6(1)は、サイズが直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販の正常なリチウムイオン二次電池と、正常な電池と同種同型の予め充放電を200回繰り返しサイクル劣化をさせた電池(被検知電池)にて、定電流−定電圧充電を行ったときの充電時間に対する充電電流値の関係をそれぞれ示した図である。なお定電流での充電電流値は1A、定電圧での充電電圧値は4.2Vとした。図6の(2)は、図6の(1)での定電流−定電圧充電後、電流密度による内部抵抗への影響が極力ない0.13Aの低電流で電池電圧が2.75Vに達するまで放電を行った場合の、放電量に対する電池電圧の関係を示した図である。
【0101】
図6の(2)より、0.13Aの低電流での放電では、予め充放電サイクルを200回繰り返した電池の放電量は、正常な電池の放電量の0.78倍であることがわかった。0.13Aの低電流での放電量は、蓄電容量であると見なせるので、予め充放電サイクルを200回繰り返した電池の正常な電池に対する蓄電容量比率Dは0.78であるといえる。
【0102】
図6の(1)の予め充放電サイクルを200回繰り返した電池の充電電流曲線を時間軸に1/0.78倍(=1.282倍)した充電電流曲線を、前記正常な電池の充電電流曲線とあわせて、図6の(3)に示した。図6の(3)から、200回充放電を繰り返して蓄電容量低下した電池の1/D倍して補正した充電電流曲線が、正常な電池の充電電流曲線と、定電流充電モードにおける充電電流値1Aのほぼ1/2の0.5Aの充電電流値のところで交差することがわかる。このことは、前記(1)式によって、正常な電池に対する被検知電池の蓄電容量比、もしくは被検知電池の蓄電容量が、求まることを示すものである。また、蓄電容量が低下し、内部抵抗が増大した、被検知電池の充電電流曲線を時間軸に1/D倍して補正することによって、内部抵抗のみが増大した電池の充電電流曲線が得られることも示すものである。
【0103】
二次電池特性の基礎データの取得例
実験例2
本発明の二次電池の内部抵抗に関する情報を検知するための、蓄電量に対する開回路電圧、定電流充電での蓄電量に対する内部抵抗の関係である関数式を得る手順の一例を図9〜11を参照して説明する。
【0104】
図9は、直径が17mm、高さが67mmのサイズで公称容量が1300mAhの、正常な市販のリチウムイオン二次電池において、定充電電流値が1A、上限電圧値が4.2Vの定電流−定電圧充電で満充電まで充電した後、休止時間を設け、0.26Aの電流で15分放電(本二次電池公称容量の約5%の電気量の放電)後、休止させるという間欠放電動作を、電池電圧が2.75Vに達するまで繰り返した場合の充放電特性を示す図であり、横軸は時間、縦軸は電池電圧である。
【0105】
図10は、図9で得られた積算放電量に対する電池電圧、及び放電休止時の電池電圧(=開回路電圧)の関係を示したものである。図10において、点線で示しているのは、間欠放電後の休止時の電池電圧(開回路電圧)をトレースしたもので、実線で示してあるのが放電時の電池電圧を示し、曲線の角の部分は放電を停止して休止に入った時点を表している。図10において、電池電圧が急激に低下し電池電圧が2.75Vに達したときの積算放電量が、二次電池の公称容量に等しい蓄電容量である。また、図10において、積算放電量がゼロの時点は、電池が満充電状態で、公称容量に等しい蓄電量を有している状態である。これらのことから、図10の点線の電圧曲線は、この電池の蓄電量と開回路電圧の関係を示したものである。なお、蓄電量は、蓄電容量(=放電終了までの積算放電量)から、その時点の積算放電量を減じた値である。
【0106】
ここで、蓄電量Qに対する開回路電圧Vocの関係の近似曲線の関数式Voc(Q)を一例として、以下のように蓄電量Qの関数として表すことができると仮定した。
Voc(Q)=Pn×Qn+Pn−1×Qn−1+Pn−2×Qn−2+・・・+P1×Q1 + P0×Q0
上記式で、PnからP0は、二次電池の種類、型式、公称容量等によって異なる定数である。
【0107】
本実験例では、開回路電圧Vocを蓄電量Qの6次の多項式と仮定し、サイズが直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次電池について、取得した基礎データを元に、図10の開回路電圧曲線のカーブフィッティングから、蓄電量Qに対する開回路電圧Vocの関数式を算出した。
【0108】
算出した蓄電量Qに対する開回路電圧Vocの関数式は以下の通りであった。
Voc(Q)=−5.1539×Q6+23.017×Q5−40.55×Q4+35.748×Q3−16.121×Q2+3.6098×Q+3.4299
図11は、図10にて求めた蓄電量Qに対する開回路電圧Vocの関係の近似曲線Voc(Q)と、定電流−定電圧方式で充電したときの充電量に対する電池電圧Vの関係をそれぞれ示した図である。充放電のクーロン効率は、ほぼ100%であるので、充電量=蓄電量となっている。今回使用したリチウムイオン電池の充放電のクーロン効率がほぼ100%であったので、充電量=蓄電量である。これにより、図10の放電量は〔満充電量−蓄電量Q〕となり、放電時の蓄電量Qと開回路電圧Vocの関係は、充電時の蓄電量Qと開回路電圧Vocの関係にも一致する。図11は、計測した、定電流1A−定電圧4.2V充電時の充電量(=蓄電量Q)と電池電圧の関係のグラフに、図10で得られた開回路電圧Voc(Q)の関係をプロットしたものである。なお、図11は、図10と同様の操作、すなわち定電流充電−定電圧充電において、ある一定時間充電後に充電を休止し開回路電圧を計測するという一連の操作を繰り返し、充電量に対する電池電圧と開回路電圧の関係を求めることによっても得られる。なお、上記測定データは、同種同型の電池であっても、個体差があるので、複数の電池から得られたデータを平均化したものを使用するのが好ましい。
【0109】
定電流充電領域での蓄電量と電池電圧の関係の関数式VI0(Q)についても、前述の関数式Voc(Q)と同様に蓄電量Qの6次の多項式と仮定し、図11から、直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次電池において求めた。図11の(直径17mm高さ67mmで公称容量が1300nAhの市販のリチウムイオン二次電池の)定電流充電量域での蓄電量Qに対する電池電圧曲線に一致するように6次多項式の定数項を求め、VI0(Q)を得た。求めた関数式は以下の通りである。
VI0(Q)=−61.579×Q6+198.46×Q5−248.74×Q4+153.06×Q3−47.891×Q2+7.3465×Q+3.5055
関数式RI0(Q)は、充電電流I0で充電を行う際に蓄電量がQ、電池電圧がVI0(Q)、開回路電圧がVoc(Q)、電池の内部抵抗がRI0(Q)であるとき、関係式RI0(Q)={VI0(Q)−Voc(Q)}/I0が成り立つので、蓄電量に対する内部抵抗の関係を表す関数式が算出される。算出した関数式は以下の通りである。
RI0(Q)=−56.4251×Q6+175.443×Q5−208.19×Q4+117.312×Q3−31.77×Q2+3.7367×Q+0.0756
なお、本例においては、Voc(Q)、VI0(Q)及びRI0(Q)の各関数式を、蓄電量Qの6次の多項式で表しているが、本発明においては、これらの多項式の次数に限定されるものではない。また、これらの関数式がn次の多項式に限定されるものでもない。
【0110】
短絡有無の判定
実験例3
本実施例では、本発明による被検知電池の短絡判定を行った。短絡した直径14mm高さ50mmのリチウムイオン二次電池を用い、定電流−定電圧充電方式で充電した場合の充電電流曲線、定電流−定電圧充電方式で充電した場合の電池電圧曲線、休止時の開回路電圧の経時変化、の3種類の計測結果を元に、同種同型の短絡していない正常な電池の計測データと比較して、本発明の電池内部情報検知方法の一つである、短絡の有無の判定の有効性を確認した。
【0111】
図12(1)は、定電流−定電圧充電における充電時間に対する充電電流の関係を、図12(2)に定電流−定電圧充電における充電時間に対する電池電圧の関係を、正常な電池と短絡している電池について示したものである。図12の(1)では、定電圧充電モードでの充電電流に着目すると、正常な電池では、時間とともに充電電流が低下して行き3時間でほぼ流れなくなしりゼロに収束しそうであるのに対して、短絡した電池では充電電流は正常な電池ほど減少せずゼロには収束しそうにないし、充電電流の時間変化ΔI/Δtがプラスになっている点も観測されている。
【0112】
図12の(2)では、正常な電池は定電圧充電モードに到達する時間が早いのに対して、短絡している電池は定電圧充電モードに達するまでの時間が長く、電池電圧の上昇が遅く、電池電圧の変化ΔV/Δtがマイナスになる点も観測されている。
【0113】
また、図12の(3)に充電を停止した後の、正常な電池と短絡している電池の開回路電圧の経時変化を示した。図12の(3)から、正常な電池では経時変化がほとんどないのに対して、短絡した電池では経時時間に対する開回路電圧の低下があることがわかる。
【0114】
以上の結果から、本発明の内部情報検知方法が、被検知電池の短絡有無の判定に有効であることが分かった。
【0115】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0116】
(実施例1)
本実施例では、充放電の繰り返しによって容量低下した電池の蓄電容量を本発明の方法で検知した後、実際の放電量から蓄電容量を求め、比較して、本発明の有効性を検証した。すなわち、図1のフローチャートに従って、ステップ10(S10)までの蓄電容量比を求めるところまで行い、その後、実際の放電量を測定した。
【0117】
先ず、サイズが直径17mm高さ67mmで公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次電池を2本用意した。用意した電池の中1本の開回路電圧の経時変化量を確認して短絡していないことを確認した。次に、この電池を1Aの一定の電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの一定の電圧で、全充電時間が2.5時間になるまで充電し、4.2Vの定電圧充電に切り替わった時点から充電電流値が0.5Aになるまでの時間tMと定電圧4.2Vで充電される電気量QCVをそれぞれ計測した。なお、定電圧充電モードでの充電電流の時間変化からは、この電池が短絡していないことが確認された。
【0118】
ついで、0.13Aの定電流で、電池電圧が2.75Vまで、放電し、放電電気量を計測した。放電量は、公称容量値にほとんど一致し、1303.5mAhであった。従って、1303.5mAhの放電量がこの電池の蓄電容量である、正常な電池と見なすことができた。なお、充電電流値が0.5Aになるまでの時間tMは755秒で、定電圧4.2Vで充電された電気量QCVは339.9mAhであった。
【0119】
次に、別の1本の電池を用いて、1Aの一定の電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの一定の電圧で、全充電時間が2.5時間になるまで充電する、定電流−定電圧充電後、0.65Aの定電流放電を電池電圧が2.75Vに達するまで行う、この充放電サイクルを200回繰り返し、蓄電容量検知用の被検知電池とした。
【0120】
被検知電池の開回路電圧の経時変化量を確認して短絡していないことを確認した。次に、200回の充放電を繰り返す前の電池の蓄電容量に対する、上記200回の充放電を繰り返した後の電池の蓄電容量比を算出するために、上記200回の充放電を繰り返した後の電池を、1Aの一定の電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの一定の電圧で、全充電時間が2.5時間になるまで充電し、4.2Vの定電圧充電に切り替わった時点から充電電流値0.5Aになるまでの時間tM'と定電圧V4.2Vで充電される電気量QCV'をそれぞれ計測して、正常な電池に対する被検知電池の蓄電容量比Dを前述の(1)式から算出した。なお、充電電流値が0.5Aになるまでの時間tM'は2341秒で、定電圧4.2Vで充電された電気量QCVは754.9mAhであった。また、定電圧充電モードでの被検知電池の充電電流の時間変化からは、短絡していないことが確認された。
【0121】
その後、0.1C相当の0.13Aの定電流で、電池電圧が2.75Vまで放電し、放電量を計測し、この放電量を電池の蓄電容量とした。放電量は、1015.4mAhであった。
【0122】
得られた結果を表1にまとめた。
【0123】
なお、正常な電池の蓄電容量に対する被検知電池の蓄電容量の比Dは、次の式(1)で表される。
【0124】
D=(QCV'−I0×tM')/(QCV−I0×tM)−−−−(1)
(1)式において、I0=1A、tMは定電圧で充電された正常な電池の充電電流が1Aから0.5Aになるまでの時間、tM'は200回の充放電後の電池の充電電流が1Aから0.5Aになるまでの時間、QCVは定電圧で充電された先の正常な電池の電気量、QCV'は200回の充放電後の電池の定電圧で充電された電気量である。
【0125】
【表1】
【0126】
表1の結果から、蓄電容量比の実測値と算出値の誤差は、次式で計算され、
|0.799−0.779|/0.779×100=2.5(%)
2.5%であった。また、算出されたD値から、被検知電池と同種同型の電池の公称容量がわかっていれば、被検知電池の蓄電容量も算出できることがわかる。
【0127】
本発明の手法を用いれば、定電流−定電圧充電の定電圧領域の充電電流の計測値から、蓄電容量が未知の電池の蓄電容量を放電することなく、簡便に、精度よく算出することができることがわかった。
【0128】
(実施例2)
本実施例では、充放電の繰り返しによって内部抵抗が増加し容量が低下した電池の、内部抵抗に関する情報を本発明の方法で検知し1Cの高電流での被検知電池の放電量を推定した後、実際の放電量と比較し、本発明の有効性を検証した。具体的には、正常な電池の基礎データを用い、被検知電池の定電流−定電圧充電時の定電圧充電モードにおける電流計測データから、内部抵抗に関する情報、実際の放電量を算出した。図1のフローチャートでは実施例1でのステップ10(S10)までの実行の後に、ステップ11(S11)を実行した。
【0129】
実施例1に引き続き、被検知電池を1C、すなわち1.3Aの高電流で放電する場合に、放電可能な電気量を推定した。
【0130】
放電量の推定は、以下の手順で行った。
【0131】
実施例1で得られた、定電流−定電圧充電時の定電圧モードにおける充電の充電電流が1Aから0.5Aになるまでの時間tM、tM'、定電圧充電モードでの充電量QCV、QCV'、正常な電池に対する被検知電池の蓄電容量比Dを、被検知電池の放電量の推算に用いた。
【0132】
また、正常な電池の、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時における蓄電量Q0は、次式〔定電流充電での蓄電量Q0〕=〔公称容量〕−〔定電圧での充電量QCV〕から求めた。なお、〔公称容量〕に替えて、満充電から定電流0.13Aでの電流で放電した全放電量を用いても計算できる。
【0133】
さらに、次式(2)から被検知電池の定電圧Vmaxの充電への切り替わり時における蓄電量Q0'を算出した。
【0134】
Q0'/D=Q0''=Q0−I0×(tM'/D−tM)−−−−(2)
(2)式において、tM'とtMは、それぞれ、被検知電池と正常な電池の充電電流が1Aから0.5Aになるまでの時間である。
【0135】
予め、上記正常な電池に関して、蓄電量Qに対する開回路電圧Vocの関係の近似曲線の関数式Voc(Q)、定電流充電領域での蓄電量と電池電圧の関係の関数式VI0(Q)を求めた。さらに、定電流1.3Aでの放電時の蓄電量Qに対する内部抵抗RId(Q)の関係をも求めた。
【0136】
さらに、前記(3)式によって、正常な電池に対する被検知電池の内部抵抗の比率γを算出した。
【0137】
γ=RI0'(Q0'')/RI0(Q0'')={Vmax−Voc(Q0'')}/{I0×RI0(Q0'')}−−−−(3)
上記式(3)において、Vmax=4.2V,I0=1Aである。
【0138】
定電流1.3Aでの放電時の正常な電池の電池電圧Vd(Q)は、先に得られている開回路電圧Voc(Q)と、放電時の内部抵抗RId(Q)に関する次式の、Vd(Q)=Voc(Q)−Id×RId(Q)で表される。ここで、Id=1.3Aで、電池電圧が急激に低下する2.75Vになった場合、2.75=Voc(Q)−1.3×RId(Q)となり、これより、このときの蓄電量Qが算出され、2.75Vまでの放電量は次の式で求まる。
【0139】
〔1.3Aでの放電量〕=〔公称容量〕−〔蓄電量Q〕
なお、〔公称容量〕は電池の定電流0.13Aでの全放電量で置き換えることができる。
【0140】
また、容量低下がない場合の被検知電池の電池電圧Vd'(Q)は、正常な電池の開回路電圧Voc(Q)と、放電時の被検知電池の内部抵抗RId'(Q)に関する次式、Vd'(Q)=Voc(Q)−Id×RId'(Q)で表される。ここで、算出した上記内部抵抗の比率γが、放電時も変わらないと仮定すると、RId'(Q)=γ×RId(Q)と表され、Vd'(Q)=Voc(Q)−Id×γ×RId(Q)
Id=1.3Aで、電池電圧が2.75Vになった場合、
2.75=Voc(Q')−1.3×γ×RId(Q')となり、これより、このときの蓄電量Q'が算出され、2.75Vまでの容量低下がない場合の被検知電池の放電量は次の式で求まる。
〔1.3Aでの非容量低下被検知電池の放電量〕=〔公称容量〕−〔蓄電量Q'〕
被検知電池は、実際には容量低下も伴うために、先に算出した通り、正常な電池の蓄電容量のD倍であり、被検知電池1.3Aでの放電量は、上で求めた〔1.3Aでの非容量低下被検知電池の放電量〕のD倍であると推定できる。ついで、被検知電池の実際の1.3Aでの放電量を計測し、推算放電量と比較した。得られた上記結果を表2にまとめて示した。
【0141】
表2から、充放電を200回繰り返して劣化した被検知電池の1Cでの実際の放電量と推算放電量との誤差は、次式にて算出され、
{|〔推算放電量〕−〔実際の放電量〕|/〔実際の放電量〕}×100(%){|945−919|/919}×100=2.8(%)
誤差は、2.8%であった。
【0142】
【表2】
【0143】
これより、本発明の内部情報検知方法で、かなり精度よく、内部抵抗に関する情報が得られる。得られた内部抵抗に関する情報から放電量を推定することができることもわかった。
【0144】
また、内部抵抗に関する情報を上記方法とは別の、次のような方法にて求めることも可能である。正常な電池に直列抵抗をつないだ場合の定電圧充電曲線が前述の(7)式として既に求められている場合には、(7)式から被検知電池の内部抵抗が求められることになる。すなわち、実施例1で求められた被検知電池の、容量低下係数Dと定電流充電電流値の1/2に到達した時間tM'から、得られるtM'/D(=tM'')の値を(7)式の時間tに代入して求められる電流値が定電充電電流値の1/2すなわち0.5Aとなることから、正常な電池からの抵抗増加分である抵抗値rsが算出される。そこで、正常な電池の内部抵抗値R0が予め求められていたなら、被検知電池の内部抵抗値はR0+rsとなり、被検知電池の内部抵抗に関する情報が得られることになる。
【0145】
(実施例3)
本実施例では、高温雰囲気中で保存することによって劣化をさせた電池の蓄電容量を、本発明の電池の内部情報検知方法にて算出し、実測放電量と比較することで、本発明の有効性を確認した。
【0146】
実施例1で用いた同種同型の公称容量が1300mAhの市販のリチウムイオン二次電池を70℃の雰囲気中で1週間の高温保存を行ったサンプルを1本用意し、被検知電池とした。被検知電池の開回路電圧の経時変化から、被検知電池が短絡していないことを確認した。次に、この被検知電池を1Aの一定の電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの一定の電圧で、全充電時間が2.5時間になるまで充電し、4.2Vの定電圧充電に切り替わった時点から充電電流値0.5Aになるまでの時間tMと定電圧V4.2Vで充電される電気量QCV'をそれぞれ計測した。
【0147】
ついで、実施例1の正常な電池の計測値を基準に、本発明の検知方法にて、正常な電池に対する被検知電池の蓄電容量の低下の割合を算出した。その後、被検知電池を0.13Aの定電流で、電池電圧が2.75Vまで放電し、放電量を計測し、この放電量を被検知電池の蓄電容量とした。
表3に得られた計測値及び算出値をまとめた。
【0148】
【表3】
【0149】
表3の結果から、蓄電容量比の実測値と算出値の誤差は、次式で計算され、
|0.987−0.969|/0.987×100=1.8(%)
1.8%であった。また、算出されたD値から、被検知電池と同種同型の電池の公称容量がわかれば、被検知電池の蓄電容量も算出できる。
【0150】
本発明の手法を用いれば、蓄電容量が未知の電池の蓄電容量を放電することなく、定電流−定電圧充電の定電圧領域の充電電流の計測値から、簡便に、精度よく算出することができることがわかった。
【0151】
(実施例4)
本実施例では、実施例3で70℃の雰囲気中で1週間保存して準備した、サンプル電池を被検知電池として使用して、実施例2と同様な手順で、電池の内部抵抗に関する情報を取得し、1Cすなわち1.3Aでの定電流放電での放電量を推算した。また、得られた推算値を実測放電量と比較して、本発明の有効性を確認した。得られた、計測値及び算出値をまとめて、表4に示した。
【0152】
【表4】
【0153】
表4から、70℃で一週間保存して劣化した被検知電池の1Cでの実際の放電量と推算放電量との誤差は、次式にて算出され、
{|〔推算放電量〕−〔実際の放電量〕|/〔実際の放電量〕}×100(%){|1246−1234|/1246}×100=1.0(%)
誤差は、1.0%であった。
【0154】
これより、本発明の内部情報検知方法で、かなり精度よく、内部抵抗に関する情報が得られ、また内部抵抗に関する情報から放電量を推定することができることがわかった。
【0155】
以上、実施例1から実施例4までの評価において、本発明の二次電池の内部情報検知方法を用いることによって、二次電池の蓄電容量及び内部抵抗に関する情報を極めて簡便な方法で取得できた。また、これにより、実際の放電量も高い精度で予測することができるとともに、電池の寿命に関しても判定をすることが可能であることがわかった。さらに、蓄電容量もしくは放電量の推算により、二次電池を電源にする機器の作動時間も精度良く検知することができることがわかる。なお、実施例1から実施例4までの評価において、一種類の市販のリチウムイオン二次電池を使用したが、二次電池のサイズや型式や種類に限定されることなく、定電流−定電圧充電方式を採用できる二次電池であれば、本発明は適用可能である。
【0156】
また、実施例1から実施例4まで、単セルの内部情報を検知する例を説明したが、これに限定されることなく、本発明を用いれば、複数のセルを並列、もしくは直列、または直並列に接続して形成されている電池パックにおいても、正常な基準となる電池パックから予め取得しておいたデータから、内部情報を得ることができる。
【0157】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、定電流−定電圧充電方式での定電圧充電モードでの充電電流の計測から、簡便な方法にて、高精度の二次電池の内部情報を検知する方法が提供される。また、この電池の内部情報の検知により、二次電池を電源に使用した機器及び機械装置の電源制御が容易になるとともに、作動時間、充電のタイミング、電池の交換のタイミングなどを容易に知ることが可能になる。したがって、本発明の検知方法を用いた二次電池の内部情報の検知装置を電池パック、充電器、二次電池を電源とする機器または機械装置に付加することによって、二次電池の性能を最大限に引き出すことができ、機器または機械装置の性能も最大限に引き出すことができる。また、二次電池の出荷前に良品・不良品を検査する検査機器に、本発明の検知方法による二次電池の内部情報の検知装置を付加することで、精度の高い出荷検査を行うことも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における二次電池の内部情報検知手順を示したフローチャートの一例である。
【図2】本発明の検知方法に用いる算出式を説明するために、正常な電池、内部抵抗のみ増大した電池、及び内部抵抗増大かつ蓄電容量低下した電池、それぞれの定電流−定電圧充電モードにおける充電時間に対する充電電流の関係を示したグラフの一例である。
【図3】図の(1)は、正常な二次電池に抵抗器を並列に接続し、短絡を模した二次電池に充電器を接続した回路図である。図の(2)は、回路図(1)で並列接続の抵抗器の抵抗値を変化した場合の、定電流−定電圧充電モードにおける充電時間に対する充電電流と電池電圧の変化を示した一例である。
【図4】図の(1)は、正常な二次電池に抵抗器を直列に接続し、内部抵抗の増大を模した二次電池に充電器を接続した回路図である。図の(2)は、回路図(1)で直列接続の抵抗器の抵抗値を変化した場合の、定電流−定電圧充電モードにおけるの充電時間に対する充電電流の変化を示した一例である。図の(3)は、回路図(1)で直列接続の抵抗器の抵抗値を変化した場合の、定電流−定電圧充電モードにおける充電時間に対する充電電圧(=電池電圧)の変化を示した一例である。
【図5】図の(1)は、二次電池の定電流−定電圧充電において、定電圧充電モードに切り替わる直前からの充電電流の時間変化の実測値と、カーブフィッティングから求めた関数式による充電電流曲線との一致を示した図である。図の(2)は、直列接続抵抗器の抵抗値rs=0のときの正常な電池の関数式による充電電流曲線と、種々の直列接続抵抗器の抵抗値rsの関数式による充電電流曲線とが交差する電流値を抵抗値に対して示したものである。
【図6】図の(1)は、正常な二次電池とサイクル劣化した二次電池の定電流−定電圧方式での充電における、充電時間に対する充電電流の変化を示した図である。図の(2)は、図の(1)で充電した、正常な二次電池とサイクル劣化した二次電池を定電流で放電した場合の、放電量に対する電池電圧を示した図である。図の(3)は、図の(1)において、サイクル劣化した二次電池の蓄電容量の低下分を補正して、正常な電池と同じ蓄電容量にした場合の、充電電流曲線を示したものである。
【図7】本発明の二次電池の内部情報検知装置の一例の主構成部分を示す回路図である。
【図8】本発明の二次電池の内部情報検知装置を二次電池と組み合わせ、電池パックに内蔵した一例の主構成部分を示す回路図である。
【図9】二次電池を定電流−定電圧充電方式で充電した後に、放電と放電停止(休止)を繰り返したときの電池電圧の変化を示した図である。
【図10】図9で得られた積算放電量に対する、放電時の電池電圧及び放電休止時の電池電圧(開回路電圧)の関係を示したものである。
【図11】図10にて求めた蓄電量Qに対する開回路電圧の関係の近似曲線と、定電流一定電圧方式で充電したときの電池電圧の関係をそれぞれ示した例である。
【図12】図の(1)は、正常な二次電池と短絡した二次電池に対し、定電流−定電圧充電方式の充電を行ったときの充電時間に対する充電電流の関係を示した例である。図の(2)は、正常な二次電池と短絡した二次電池に対し、定電流−定電圧充電方式の充電を行ったときの充電時間に対する電池電圧の関係を示した例である。図の(3)は、正常な二次電池と短絡した二次電池に対し、定電流−定電圧充電方式の充電を行った後、充電も放電も行わない休止状態の経時時間に対する開回路電圧の関係を示した例である。
Claims (38)
- 二次電池の内部情報の検知方法において、一定の電流値I0で充電を開始し電池電圧が所定の電圧Vmaxに達した後、所定の電圧Vmaxで充電を充電終了まで行う、定電流−定電圧充電方式によって充電を行う場合に、少なくとも以下の(A)〜(D)のステップ
(A)被検知電池の定電流充電モードから定電圧充電モードに移行した時点からの時間tと定電圧充電モードでの充電電流値Iを計測するステップ、
(B)定電圧充電に移行時から前記定電圧充電モードでの充電電流Iが所定の電流値IMになるまでの時間を求めるステップ、
(C)前記定電圧充電モードでの充電電気量(充電量)を求めるステップ、
(D)被検知電池と同種同型の正常な電池の定電圧充電モード時の充電電流特性を参照するステップ、
から成り、被検知電池の短絡の有無、被検知電池の蓄電容量(蓄電可能な電気量)、被検知電池の内部抵抗、被検知電池の充電量、被検知電池の使用できる電気量(残量)、あるいはこれらを組み合わせた情報の情報、のいずれかを検知することを特徴とする二次電池の内部情報検知方法。 - 被検知電池の定電圧充電モードでの充電電流値の時間変化ΔI/Δtの推移から、充電時間を無限に外挿したとき、外挿充電電流値が正の値を取る場合、被検知電池が短絡していると判定することを特徴とする請求項1記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 被検知電池の定電圧充電モードでの充電電流値の時間変化ΔI/Δtの推移から、充電時間を無限に外挿したとき、外挿充電電流値がゼロに収束する場合、被検知電池が短絡していないと判定することを特徴とする請求項1記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記定電圧充電モードにおける充電電流変化から、充電時間が無限に経過した場合の充電電流の収束値を計算することを特徴とする請求項2または3に記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記正常な電池の定電圧充電モードでの充電電流特性(定電圧充電時間tに対する充電電流値INの関係)IN(t)が、正常な電池の予め計測されたデータ、もしくは正常な電池の予め計測されたデータから得られた関係式、コンピューターによるシミュレーションから得られた関係式、から選択される特性であることを特徴とする請求項1記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記充電は、
定電圧充電モード時の充電電流が所定の電流値Imin以下になった時点、充電開始から所定時間tfを経過した時点、
のいずれかの時点で、終了することを特徴とする請求項1記載の二次電池の内部情報検知方法。 - (E)被検知電池の短絡の有無を判定するステップ、
をさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 前記定電圧充電モードでの充電電気量は、
充電を終了した時点までの充電電気量、
定電圧充電モードでの、電流値がゼロに達する時点までの充電電気量
のいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 前記定電圧充電モード時の電流値がゼロに達する時点までの充電電気量は、定電圧充電モードにおける充電電流の変化から外挿される値か、計算される値かのいずれかであることを特徴とする請求項8記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 短絡していない被検知電池において、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わった時点から所定の電流値IMになるまでの時間がtM’で、正常な電池においては定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わった時点から所定の電流値IMになるまでの時間がtMで、
(i)(tM’−tM)>a>0の時、被検知電池の内部抵抗が正常な電池より増大している、
(ii)(tM−tM’)>b>0の時、被検知電池の蓄電容量が正常な電池より低下している、
(a,bは電池の種類によって決まる定数)
と判定することを特徴とする請求項1記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 短絡していない被検知電池において、定電圧充電モード時の定電圧Vmaxで充電される電気量がQCV’で、正常な電池においては定電圧Vmaxで充電される電気量がQCVで、
(iii)(QCV’−QCV)>c>0の時、被検知電池の内部抵抗が正常な電池より増大している、
(iv)(QCV−QCV’)>d>0の時、被検知電池の蓄電容量が正常な電池より低下している、
(c,dは電池の種類によって決まる定数)
と判定することを特徴とする請求項1記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 短絡していない被検知電池の蓄電容量(蓄電可能な電気量)が、正常な電池の蓄電容量のD倍(Dは定数で0<D≦1)に低下していると仮定した場合、
被検知電池において定電流I0の充電モードから定電圧Vmaxの充電モードへの切り替わり時から所定の電流値IMになるまでの時間がtM’、定電圧Vmaxで充電される電気量がQCV’で、正常な電池においてはそれぞれtM、QCVであるとき、次の関係式(1)
D=(QCV’−I0×tM’)/(QCV−I0×tM)−−−−(1)から被検知電池の蓄電容量が、正常な電池の蓄電容量のD倍であると検知することを特徴とする請求項1記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 正常な電池の蓄電容量Cから、被検知電池の蓄電容量C’=C×Dであると算出することを特徴とする請求項12記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記短絡していない電池は、充電時、放電時、充電も放電もしていない休止時、から選択される電池の状態を検知して短絡していないと判定された電池であることを特徴とする請求項7記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記短絡していない電池は、定電流充電モード時の電池電圧の上昇率、定電圧充電モード時の充電電流の降下率、放電時の電池電圧の降下率、休止時の電池の開回路電圧変化分、から選択される一種類以上の電池の状態を検知して、短絡していないと判定された電池であることを特徴とする請求項14記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時を基準に、それよりtcc時間前の(定電流充電モードでの)電池電圧Vccの時間当たりの上昇率△Vcc/△tに関して、被検知電池と正常な電池のそれを比較して、(v)被検知電池の電圧の時間当たりの上昇率が、正常な電池のそれより大きいとき、正常な電池より、被検知電池は、内部抵抗が増大しているか、蓄電容量が低下しているか、内部抵抗が増大しかつ蓄電容量が低下しているのいずれかであると判定する
(vi)被検知電池の電圧の時間当たりの上昇率が、正常な電池のそれより小さいとき、被検知電池は、内部抵抗が低下しているか、短絡していると判定する、ことを特徴とする請求項15記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 前記所定の電流値IMは、前記定電流充電での充電電流I0の0.4×I0≦IM≦0.6×I0の範囲であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記所定の電流値IMは、前記定電流充電での充電電流I0の1/2、すなわちIM=0.5×I0であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 蓄電容量が正常な電池の蓄電容量のD倍である被検知電池において、定電流I0の充電から定電圧Vmaxの充電への切り替わり時における蓄電量がQ0’、定電圧Vmaxの充電への切り替わり時から所定の電流値IMになるまでの時間がtM’で、
正常な電池においてはそれぞれQ0、tMであるとき、
次の関係式(2)
Q0’’=Q0’/D=Q0−I0×(tM’/D−tM)−−−−(2)から求められるQ0’’、正常な電池の蓄電量Qの開回路電圧Voc(Q)及び定電流I0充電モードにおける内部抵抗RI0(Q)の関係から、蓄電量Q0’’の正常な電池の内部抵抗RI0(Q0’’)で、被検知電池が蓄電量Q0’’であるときの内部抵抗をRI0’(Q0’’)とするとき、次の関係式(3)
RI0’(Q0’’)/RI0(Q0’’)={Vmax−Voc(Q0’’)}/{I0×RI0(Q0’’)}−−−−(3)
から被検知電池の内部抵抗に関する内部情報を検知することを特徴とする請求項12記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 前記正常な電池の蓄電量に対する開回路電圧Voc(Q)並びに内部抵抗のRI0(Q)が、正常な電池の予め計測されたデータ、もしくは正常な電池の予め計測されたデータから得られた関係式、コンピューターによるシミュレーションから得られた関係式、から選択されるものであることを特徴とする請求項19記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記正常な電池の計測データが、同種同型の複数個の電池の計測データを平均化したものであることを特徴とする請求項5または20に記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 被検知電池の蓄電容量が正常な電池の蓄電容量のD倍であると検知した後、
正常な電池の蓄電容量CNと、放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)から、正常な電池の全放電量がCd=CN×f(i,T)、
被検知電池の全放電量がCd’=D×CN×f(i,T)で表されるとし、被検知電池を電源に使用している機器の平均消費電流をi、平均消費電力をp、被検知電池の平均電池電圧をVmとする時、機器の作動時間hを、次式h=(D×Cd)/i、もしくはh=(Vm×D×Cd)/pで算出することを特徴とする請求項12に記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 正常な電池の蓄電容量CNと、放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)、前記請求項19の式(3)から得られる内部抵抗に関する情報RI0’(Q0’)/RI0(Q0’)に比例する補正係数rから、被検知電池の全放電量がCd’=(1/r)×(D×CN)×f(i,T)と表されるとし、
前記機器の作動時間が、で補正された式h=(1/r)×(D×CN)×f(i,T)/i、もしくはh=(1/r)×f(i,T)×(Vm×D×CN)/pで算出されることを特徴とする請求項21に記載の二次電池の内部情報検知方法。 - 前記放電電流iと温度Tで決まる補正係数f(i,T)は、正常な電池を用いて、予め求められた計測データ、もしくは計測データを元に算出された関数式、またはコンピュータ・シミュレーションから得られたもの、から選択されるものであることを特徴とする請求項22または23に記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記被検知電池のDが、所定の値以下になった場合、被検知電池は寿命であると判定することを特徴とする請求項12記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 前記二次電池は、リチウムの酸化還元反応を利用したリチウム二次電池であることを特徴とする請求項1及至請求項25のいずれかに記載の二次電池の内部情報検知方法。
- 二次電池の内部情報を検知する装置において、
少なくとも定電流−定電圧充電方式で被検知二次電池を充電する際の充電電流値Iを計測する手段と、定電流I0の充電モードから定電圧Vmaxの充電モードへの切り替わり時からの時間tを計測する手段と、定電圧充電モードでの充電電流値が所定値IMになったときの時間tM’を検知する手段と、定電圧充電での充電電気量QCV’を検知する手段と、正常な電池の蓄電容量CN及び定電圧充電モードでの充電電流値が所定値IMになるときの時間tMと定電圧充電モードでの充電電気量QCVの値を記憶している手段とを有し、かつ記憶されたこれらの正常な電池のCNとtMとQCVの値と被検知電池から検知されたtM’とQCV’の情報から被検知電池の蓄電容量を算出する演算手段を有することを特徴とする二次電池の内部情報検知装置。 - 二次電池の内部情報を検知する装置において、
少なくとも定電流−定電圧充電方式で被検知二次電池を充電する際の充電電流値Iを計測する手段と、定電圧充電モードでの充電電流値が所定値IMになったときの時間tM’を検知する手段と、定電圧充電で充電され得る充電電気量QCV’を検知する手段と、正常な電池の蓄電容量CN及び定電圧充電モードでの充電電流値が所定値IMになるときの時間tMと定電圧充電時の充電電気量QCVの値を記憶している手段と前記正常な電池の蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)の関係並びに正常な電池の定電流I0での充電時の蓄電量Qに対する内部抵抗RI0(Q)の関係をそれぞれ記憶している手段とを有し、
前記被検知電池の計測情報と記憶されている正常な電池の特性情報から、被検知電池の蓄電容量と内部抵抗に関する内部情報を演算手段にて取得することを特徴とする二次電池の内部情報検知装置。 - 前記蓄電量Qに対する開回路電圧Voc(Q)並びに内部抵抗RI0(Q)の関係が、データテーブル、関数式のいずれかである請求項28の二次電池の内部情報検知装置。
- 前記計測手段から得られる情報、及び又は前記被検知電池の内部情報に関する情報を出力及び又は表示する手段を有することを特徴とする請求項27〜29のいずれかに記載の二次電池の内部情報検知装置。
- 請求項27〜請求項30のいずれかに記載の装置を付加した1個以上の二次電池からなることを特徴とする電池パック。
- 前記電池パックがそれを電源に使用する機器との通信手段を有していることを特徴とする請求項31記載の電池パック。
- 前記計測手段から得られる情報、及び又は前記被検知電池の内部情報に関する情報を出力及び又は表示する手段を有することを特徴とする請求項31記載の電池パック。
- 請求項27〜請求項30のいずれかに記載の装置を有することを特徴とする機械。
- 製造した二次電池が良品であるか不良品であるか検査する検査装置、二次電池を充電する充電器、携帯電話・携帯端末・携帯型コンピューターの携帯機器、自動車、自転車、船舶、航空機、宇宙船の移動体から選択されるものであることを特徴とする請求項34記載の機械。
- 前記計測手段から得られる情報、及び又は前記被検知電池の内部情報に関する情報を出力及び又は表示する手段を有することを特徴とする請求項34または35記載の機械。
- 二次電池の内部情報を検知するためのプログラムにおいて、請求項1〜請求項26のいずれかに記載の検知方法を盛り込んだことを特徴とする二次電池の内部情報検知プログラム。
- 請求項37記載の二次電池の内部情報を検知するためのプログラムを収めた記憶媒体。
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