JP3478069B2 - リチウムイオン二次電池の残存容量検出方法 - Google Patents
リチウムイオン二次電池の残存容量検出方法Info
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- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
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- G01R31/36—Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
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- G01R31/382—Arrangements for monitoring battery or accumulator variables, e.g. SoC
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- Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池に使用可能な残存容量検出法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】現在、ノート型パソコン、携帯電話等、
リチウム二次電池を電源とした携帯機器が急速に普及し
つつある。これらの機器には通常、使用可能時間を表す
残存容量計が搭載されており、利用者の使用上の便宜を
図っている。 【0003】電池の残存容量の検出方法は、大きく分け
て以下の2種類の方法が現在の携帯機器に採用されてい
る。すなわち、電池の電圧を測定しこれにより決定する
直接法と、充電電流の積算値をメモリーに記憶し、これ
から放電電流を逐次差し引くことで行う間接法である。
現在市販されて携帯電話には上述の電池電圧測定法が、
またノート型パソコンには電流積算法が主に採用されて
いる。 【0004】電池電圧測定による残存容量の検出は数多
く提案されており、特開平7−98367号公報、特開
平6−150981号公報、特開平4−134279号
公報等の特許出願がなされている。また、電流積算によ
る残存容量の検出方法も数多くの提案がなされており、
特開平7−241039号公報、特開平7−10598
5号公報、特開平6−223879号公報、特開平6−
119941号公報等の特許出願に見ることができる。 【0005】その他の残存容量の検出法として、パルス
放電の際の電池電圧の降下量により残存容量を測定する
方法(特開平4−136774号公報)、パルス放電後
の電池電圧の回復特性により残存容量を測定する方法
(特開平4−2066号公報)、電池のキャパシタンス
測定により残存容量を測定する方法(特開平2−301
974号公報)、特定周波数の交流インピーダンスによ
り残存容量を測定する方法(特開平5−281310号
公報)、さらに交流インピーダンスの実数成分と虚数成
分の比や虚数成分と測定周波数との演算により残存容量
を測定する方法(特開平5−135806号公報)が提
案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン二次電
池の残存容量の検出方法として、前述の電池電圧検出方
式は比較的安価に製造出来るが、検出精度が低いという
課題がある。電池電圧は機器使用中に機器の動作モード
に合わせ常に上下変動を伴うため、電池の残存容量を機
器駆動中の電池電圧のみで判断する方式は、当然大きい
誤差を伴い、この方式を用いた携帯電話等の残存容量の
表示は、フル充電状態及び残存容量0の空状態を両端と
したLEDの3ないし4段階別点灯方式を用いているに
過ぎない。 【0007】またノート型パソコンで主に採用されてい
る電気量積算方式は検出精度が高く、残存容量を分単位
で表示できる長所があるが、積算した電気量を記録する
ためのメモリーを必要とするためコスト高になると共
に、携帯電話等の小型電子機器には大きさ的に搭載する
ことが難しいという課題がある。 【0008】本願発明の狙いは特に、携帯電話等の小型
電子機器に現在採用されている電池電圧検出方法の課題
である検出精度の向上を目的とした発明である。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的に
従い、リチウムイオン二次電池の残存容量を簡単な構成
で、かつ、より高い精度で直接測定することを目的と
し、請求項に記載したとおり、被検リチウムイオン二次
電池を所定の電流で所定時間放電し、このとき測定した
前記リチウムイオン二次電池の閉路電圧値を、予め記録
した残存容量−電池電圧対応表で照合することにより、
積算系を用いることなく残存容量を判別する方法であ
り、前記電池の公称容量をC(mAh)とするとき、残
存容量の検出の際放電する所定電流は、C/5(mA)
以下であることを特徴とする二次電池の残存容量検出方
法である。 【0010】 【発明の実施の形態】本願発明の残存容量の検出方法に
より機器を構成するためには、電流放電回路、電圧測定
回路、及び測定データの残存容量換算回路が必要であ
る。測定プロセスは、被検二次電池を例えば70mAの
電流で5秒間放電し、このときの電池の閉路電圧を測定
し、この値を予め記録した残存容量−電池電圧との対応
表と照合することで、残存容量を推定する。使用する残
存容量−電池電圧対応表は、電池の定電流(70mA)
放電カーブから作成することが出来る。 【0011】一般に電池は放電電流が大きいほど閉路電
圧の時間的低下は激しく、単純な定電流放電において
は、放電電流が比較的大きい時は電池の閉路電圧を測定
するだけで、その時の残存容量がある程度精度よく推測
できることになる。本方式においても、被検二次電池を
放電する電流値はより大きいほど、そこから読みとれる
残存容量に関する対応は高精度になるのだが、あまり大
きい電流で放電状態末期の電池を放電すると、大きく電
池電圧が低下してしまうため、駆動中の機器にとっては
電池切れの状態に陥る可能性がある。そこで、使用する
機器の消費電力及び用いる電池の放電電圧特性を熟慮
し、最適な電流値とすることが必要となる。 【0012】以下の実施例に於いて本願発明の方法を具
体的に記述する。本実施例では実際の携帯電話での使用
を想定し、消費電流を変動しつつ、その都度、残存容量
の検知を行い、本願発明の検知方法の有効性を評価し
た。比較例としては、従来技術で記載した単純な電池電
圧測定法を用いた。測定は以下に記載した手順に従い実
施した。 【0013】試験電池は松下電器産業製携帯電話(P2
01ハイパー)用角形リチウムイオン電池(品番FJ
A:定格3.6V,600mAh)を用いた。試験のた
めの放電プロセスは、本携帯電話の通話可能時間である
2時間相当を想定し600mAh/2h=300mA
と、待ち受け可能時間である170時間を想定した60
0mAh/170h=3.5mAを用いた。残存容量の
検知操作は通話状態と待機状態が適時繰り返されるもの
として、300mA通電20分,3.5mA通電1時間
の連続繰り返し放電を行い、300mA通電の直前直後
の電池残存容量を本願発明の検知方法を用いて推定し
た。 【0014】本実施例で行った残量検知は、上述の電流
(300mAまたは3.5mA)を通電中、その通電電
流を瞬間的に60mAに変更し、この電流を5秒間通電
したときの電池の閉路電圧を読みとり、また、当初の電
流値に戻す操作を行う。この時読みとった電圧値を事前
に記録した電圧−残存容量対応表で照合することで残存
容量の推定を行った。 【0015】実際の機器での使用方法は、例えば残量計
ボタンを機器の使用者が押し、その後5秒間60mAの
定電流で電池を放電したときの電圧を読みとることとな
る。このときこの電流値60mAは通電中の消費電流よ
りも小さい値であるので当然この操作を行いながら、電
話で通話をすることは出来ない。しかしながら、この不
便さをさけるためには、例えば電気二重層コンデンサ等
の瞬間的に充放電できる予備電源を設置することでカバ
ーする事も可能である。 【0016】まず、電圧−残存容量対応表作成の手順を
説明する。図1は被検電池の放電容量と電池電圧の関係
図である。本図に示した電池の充電は、定電流420m
A通電、電池電圧が4.1Vに到達した後この電圧を維
持し、定電流通電−4.1V電圧維持を併せて2時間で
終了した。放電は60mAで行い、雰囲気温度は45
℃,20℃,0℃の3種類で行った。 【0017】図1において、例えば電池電圧が3.8V
の所を見ると、環境温度が0℃の時は放電容量は120
mAh(つまり残存容量480mAh)、環境温度が4
5℃の時は放電容量180mAh(つまり残存容量43
0mAh)であり、この結果から計算すると電圧測定に
より残存容量の温度誤差は、例えば(480−430)
/600mAhで大凡公称容量の10%程度となる。つ
まり、本図を基に作成する電圧−残存容量対応表は、電
圧を10当分に分割し、それぞれに対応する残存容量を
100%、90%、−、10%、0%と1:1対応にす
れば温度補正を免れることが出来る。 【0018】以上の結果は放電電流を60mAとした時
のものであるが、温度補正の必要性を検討することを目
的とし、放電電流を順次大きくしたときの温度の影響を
検討した。その結果を図2に示した。図2において、横
軸は放電電流を、また縦軸は電池電圧が3.8Vを示し
たときの45℃での残存容量と0℃での残存容量との差
を600mAで割った値を%単位で示したものである。
本図において、放電電流が120mAつまり、電池の公
称容量をC(mAh)とするとき通電する電流がC/5
(mA)以下の時は、温度誤差は10%程度であるが、
それよりも大きい電流を流したときはこの誤差はかなり
大きくなる。 【0019】そこで実用上必要と考えられる精度を10
%と想定したときは、この通電電流の値は、請求項に記
載したとおりC/5(mA)以下でなければならない。
ただし、温度モニターを行い、電池の温度による電圧の
補正を行えば、常と精度よく残存容量を検知できること
はいうまでもないが、その分、電池パックの形状は大き
くなりかつ、コストアップになるものである。 【0020】次に、上述の携帯電話器を想定した充電モ
ードでの電池残量検知試験を行った。その結果を図3に
示した。測定回路は図3中に示している。手順は、被測
定電池を充電した後、通話モ−ド電流に相当する300
mAで20分放電、直後の時刻t1で測定電流60mA
を定電流源により5秒放電させ、その時の電池電圧V1を
測定する、同様にして時刻t2〜t6に関してV1〜V6を
測定した。なお、携帯電話機の待機モ−ド電流に相当す
る3.5mAで3時間放電(t1 '〜t7 ')、直後60m
Aで5秒間放電、その時の電池電圧を測定したが、時刻
t1〜t7における電圧との差は10mV程度であった。
この操作を電池電圧が3.0Vになるまで繰り返した。
ただし、本電池は残存容量が10%を切ったところから
の電圧低下が激しいため、最後の2回の300mA放電
は図中に示したとおり10分間で行った。 【0021】以上の測定プロセスでの60mA−5秒間
放電時の電池電圧V1〜V7を、残存容量と共に図4に示し
た。残存容量は、図3において電池電圧が3.0Vに到
達した時点を残量0%として、これから時間的に逆算す
ることで計算した。 【0022】この結果から、図4においては、300m
A20分放電直後の60mA−5秒放電時の電圧を7点
と、及び放電前の測定点とを合わせて、残存容量の異な
る状態として合計8点プロットした。図4で得られた結
果より、残存容量を100%から0%までを10%ずつ
に10等分し、これを測定電圧と対応ずけ、(表1)を
作成した。 【0023】(表1)を用いると、電池の残存容量を1
0%間隔で表示することができる。以下、本実施例で示
した残存容量の検知方法の手順を記述する。 【0024】手順 1.機器の使用者が残存容量検出ボタンを押す。 2.60mA−5秒間放電を行う。 3.放電直後の電池の閉路電圧を測定する。 4.測定電圧を表1と照合し、残存容量を決定する。 5.機器使用者に残存容量の値を表示する。 【0025】比較例として従来技術及びその課題で記述
した、単純に放電中の電池の閉路電圧を測定する方法を
検討すると、図3で示したように放電電流が300mA
から3.5mAに変化すると大凡200mV程度増加す
る。そうすると、例えば図3において、電池電圧が3.
8Vの時、300mAの放電を20分経験し今も300
mAの放電を継続しているのか、それとも300mAの
放電を100分経験し、今は3.5mAの放電を行って
いるのか、共に電池電圧は3.8Vであるのでその区別
をすることは出来ない。つまり、放電電流の変動による
電圧変動のため、ただ単に電池の閉路電圧を測定するだ
けでは、残存容量を推定することは事実上困難であると
いえる。 【0026】以上本願発明の二次電池の残存容量検出方
法の有効性の一例をリチウム二次電池で示したが、その
他の二次電池においても、印加電流と印加時間を選択す
れば異なる系の電池にも適応できる。また、対応表をメ
モリ−に記憶させ、マイクロプロセッサと組み合わせ
て、残存容量を表示させることもできる。また電池の種
類に応じた対応表用意すれば、電池の種類をインプット
すればメモリ−から対応する表を選択し、対応する残存
容量を表示させることもできる。 【0027】 【表1】 【0028】 【発明の効果】被検リチウムイオン二次電池を所定の電
流で所定時間放電し、このとき測定した前記リチウムイ
オン二次電池の閉路電圧値を、予め用意した残存容量−
電池電圧対応表で照合することにより残存容量を判別す
る方法であり、前記電池の公称容量をC(mAh)とす
るとき、残存容量の検出の際放電する所定電流は、C/
5(mA)以下であることにより、高精度かつ簡便にリ
チウムイオン二次電池の残存容量の検知が可能である。
次電池に使用可能な残存容量検出法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】現在、ノート型パソコン、携帯電話等、
リチウム二次電池を電源とした携帯機器が急速に普及し
つつある。これらの機器には通常、使用可能時間を表す
残存容量計が搭載されており、利用者の使用上の便宜を
図っている。 【0003】電池の残存容量の検出方法は、大きく分け
て以下の2種類の方法が現在の携帯機器に採用されてい
る。すなわち、電池の電圧を測定しこれにより決定する
直接法と、充電電流の積算値をメモリーに記憶し、これ
から放電電流を逐次差し引くことで行う間接法である。
現在市販されて携帯電話には上述の電池電圧測定法が、
またノート型パソコンには電流積算法が主に採用されて
いる。 【0004】電池電圧測定による残存容量の検出は数多
く提案されており、特開平7−98367号公報、特開
平6−150981号公報、特開平4−134279号
公報等の特許出願がなされている。また、電流積算によ
る残存容量の検出方法も数多くの提案がなされており、
特開平7−241039号公報、特開平7−10598
5号公報、特開平6−223879号公報、特開平6−
119941号公報等の特許出願に見ることができる。 【0005】その他の残存容量の検出法として、パルス
放電の際の電池電圧の降下量により残存容量を測定する
方法(特開平4−136774号公報)、パルス放電後
の電池電圧の回復特性により残存容量を測定する方法
(特開平4−2066号公報)、電池のキャパシタンス
測定により残存容量を測定する方法(特開平2−301
974号公報)、特定周波数の交流インピーダンスによ
り残存容量を測定する方法(特開平5−281310号
公報)、さらに交流インピーダンスの実数成分と虚数成
分の比や虚数成分と測定周波数との演算により残存容量
を測定する方法(特開平5−135806号公報)が提
案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン二次電
池の残存容量の検出方法として、前述の電池電圧検出方
式は比較的安価に製造出来るが、検出精度が低いという
課題がある。電池電圧は機器使用中に機器の動作モード
に合わせ常に上下変動を伴うため、電池の残存容量を機
器駆動中の電池電圧のみで判断する方式は、当然大きい
誤差を伴い、この方式を用いた携帯電話等の残存容量の
表示は、フル充電状態及び残存容量0の空状態を両端と
したLEDの3ないし4段階別点灯方式を用いているに
過ぎない。 【0007】またノート型パソコンで主に採用されてい
る電気量積算方式は検出精度が高く、残存容量を分単位
で表示できる長所があるが、積算した電気量を記録する
ためのメモリーを必要とするためコスト高になると共
に、携帯電話等の小型電子機器には大きさ的に搭載する
ことが難しいという課題がある。 【0008】本願発明の狙いは特に、携帯電話等の小型
電子機器に現在採用されている電池電圧検出方法の課題
である検出精度の向上を目的とした発明である。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的に
従い、リチウムイオン二次電池の残存容量を簡単な構成
で、かつ、より高い精度で直接測定することを目的と
し、請求項に記載したとおり、被検リチウムイオン二次
電池を所定の電流で所定時間放電し、このとき測定した
前記リチウムイオン二次電池の閉路電圧値を、予め記録
した残存容量−電池電圧対応表で照合することにより、
積算系を用いることなく残存容量を判別する方法であ
り、前記電池の公称容量をC(mAh)とするとき、残
存容量の検出の際放電する所定電流は、C/5(mA)
以下であることを特徴とする二次電池の残存容量検出方
法である。 【0010】 【発明の実施の形態】本願発明の残存容量の検出方法に
より機器を構成するためには、電流放電回路、電圧測定
回路、及び測定データの残存容量換算回路が必要であ
る。測定プロセスは、被検二次電池を例えば70mAの
電流で5秒間放電し、このときの電池の閉路電圧を測定
し、この値を予め記録した残存容量−電池電圧との対応
表と照合することで、残存容量を推定する。使用する残
存容量−電池電圧対応表は、電池の定電流(70mA)
放電カーブから作成することが出来る。 【0011】一般に電池は放電電流が大きいほど閉路電
圧の時間的低下は激しく、単純な定電流放電において
は、放電電流が比較的大きい時は電池の閉路電圧を測定
するだけで、その時の残存容量がある程度精度よく推測
できることになる。本方式においても、被検二次電池を
放電する電流値はより大きいほど、そこから読みとれる
残存容量に関する対応は高精度になるのだが、あまり大
きい電流で放電状態末期の電池を放電すると、大きく電
池電圧が低下してしまうため、駆動中の機器にとっては
電池切れの状態に陥る可能性がある。そこで、使用する
機器の消費電力及び用いる電池の放電電圧特性を熟慮
し、最適な電流値とすることが必要となる。 【0012】以下の実施例に於いて本願発明の方法を具
体的に記述する。本実施例では実際の携帯電話での使用
を想定し、消費電流を変動しつつ、その都度、残存容量
の検知を行い、本願発明の検知方法の有効性を評価し
た。比較例としては、従来技術で記載した単純な電池電
圧測定法を用いた。測定は以下に記載した手順に従い実
施した。 【0013】試験電池は松下電器産業製携帯電話(P2
01ハイパー)用角形リチウムイオン電池(品番FJ
A:定格3.6V,600mAh)を用いた。試験のた
めの放電プロセスは、本携帯電話の通話可能時間である
2時間相当を想定し600mAh/2h=300mA
と、待ち受け可能時間である170時間を想定した60
0mAh/170h=3.5mAを用いた。残存容量の
検知操作は通話状態と待機状態が適時繰り返されるもの
として、300mA通電20分,3.5mA通電1時間
の連続繰り返し放電を行い、300mA通電の直前直後
の電池残存容量を本願発明の検知方法を用いて推定し
た。 【0014】本実施例で行った残量検知は、上述の電流
(300mAまたは3.5mA)を通電中、その通電電
流を瞬間的に60mAに変更し、この電流を5秒間通電
したときの電池の閉路電圧を読みとり、また、当初の電
流値に戻す操作を行う。この時読みとった電圧値を事前
に記録した電圧−残存容量対応表で照合することで残存
容量の推定を行った。 【0015】実際の機器での使用方法は、例えば残量計
ボタンを機器の使用者が押し、その後5秒間60mAの
定電流で電池を放電したときの電圧を読みとることとな
る。このときこの電流値60mAは通電中の消費電流よ
りも小さい値であるので当然この操作を行いながら、電
話で通話をすることは出来ない。しかしながら、この不
便さをさけるためには、例えば電気二重層コンデンサ等
の瞬間的に充放電できる予備電源を設置することでカバ
ーする事も可能である。 【0016】まず、電圧−残存容量対応表作成の手順を
説明する。図1は被検電池の放電容量と電池電圧の関係
図である。本図に示した電池の充電は、定電流420m
A通電、電池電圧が4.1Vに到達した後この電圧を維
持し、定電流通電−4.1V電圧維持を併せて2時間で
終了した。放電は60mAで行い、雰囲気温度は45
℃,20℃,0℃の3種類で行った。 【0017】図1において、例えば電池電圧が3.8V
の所を見ると、環境温度が0℃の時は放電容量は120
mAh(つまり残存容量480mAh)、環境温度が4
5℃の時は放電容量180mAh(つまり残存容量43
0mAh)であり、この結果から計算すると電圧測定に
より残存容量の温度誤差は、例えば(480−430)
/600mAhで大凡公称容量の10%程度となる。つ
まり、本図を基に作成する電圧−残存容量対応表は、電
圧を10当分に分割し、それぞれに対応する残存容量を
100%、90%、−、10%、0%と1:1対応にす
れば温度補正を免れることが出来る。 【0018】以上の結果は放電電流を60mAとした時
のものであるが、温度補正の必要性を検討することを目
的とし、放電電流を順次大きくしたときの温度の影響を
検討した。その結果を図2に示した。図2において、横
軸は放電電流を、また縦軸は電池電圧が3.8Vを示し
たときの45℃での残存容量と0℃での残存容量との差
を600mAで割った値を%単位で示したものである。
本図において、放電電流が120mAつまり、電池の公
称容量をC(mAh)とするとき通電する電流がC/5
(mA)以下の時は、温度誤差は10%程度であるが、
それよりも大きい電流を流したときはこの誤差はかなり
大きくなる。 【0019】そこで実用上必要と考えられる精度を10
%と想定したときは、この通電電流の値は、請求項に記
載したとおりC/5(mA)以下でなければならない。
ただし、温度モニターを行い、電池の温度による電圧の
補正を行えば、常と精度よく残存容量を検知できること
はいうまでもないが、その分、電池パックの形状は大き
くなりかつ、コストアップになるものである。 【0020】次に、上述の携帯電話器を想定した充電モ
ードでの電池残量検知試験を行った。その結果を図3に
示した。測定回路は図3中に示している。手順は、被測
定電池を充電した後、通話モ−ド電流に相当する300
mAで20分放電、直後の時刻t1で測定電流60mA
を定電流源により5秒放電させ、その時の電池電圧V1を
測定する、同様にして時刻t2〜t6に関してV1〜V6を
測定した。なお、携帯電話機の待機モ−ド電流に相当す
る3.5mAで3時間放電(t1 '〜t7 ')、直後60m
Aで5秒間放電、その時の電池電圧を測定したが、時刻
t1〜t7における電圧との差は10mV程度であった。
この操作を電池電圧が3.0Vになるまで繰り返した。
ただし、本電池は残存容量が10%を切ったところから
の電圧低下が激しいため、最後の2回の300mA放電
は図中に示したとおり10分間で行った。 【0021】以上の測定プロセスでの60mA−5秒間
放電時の電池電圧V1〜V7を、残存容量と共に図4に示し
た。残存容量は、図3において電池電圧が3.0Vに到
達した時点を残量0%として、これから時間的に逆算す
ることで計算した。 【0022】この結果から、図4においては、300m
A20分放電直後の60mA−5秒放電時の電圧を7点
と、及び放電前の測定点とを合わせて、残存容量の異な
る状態として合計8点プロットした。図4で得られた結
果より、残存容量を100%から0%までを10%ずつ
に10等分し、これを測定電圧と対応ずけ、(表1)を
作成した。 【0023】(表1)を用いると、電池の残存容量を1
0%間隔で表示することができる。以下、本実施例で示
した残存容量の検知方法の手順を記述する。 【0024】手順 1.機器の使用者が残存容量検出ボタンを押す。 2.60mA−5秒間放電を行う。 3.放電直後の電池の閉路電圧を測定する。 4.測定電圧を表1と照合し、残存容量を決定する。 5.機器使用者に残存容量の値を表示する。 【0025】比較例として従来技術及びその課題で記述
した、単純に放電中の電池の閉路電圧を測定する方法を
検討すると、図3で示したように放電電流が300mA
から3.5mAに変化すると大凡200mV程度増加す
る。そうすると、例えば図3において、電池電圧が3.
8Vの時、300mAの放電を20分経験し今も300
mAの放電を継続しているのか、それとも300mAの
放電を100分経験し、今は3.5mAの放電を行って
いるのか、共に電池電圧は3.8Vであるのでその区別
をすることは出来ない。つまり、放電電流の変動による
電圧変動のため、ただ単に電池の閉路電圧を測定するだ
けでは、残存容量を推定することは事実上困難であると
いえる。 【0026】以上本願発明の二次電池の残存容量検出方
法の有効性の一例をリチウム二次電池で示したが、その
他の二次電池においても、印加電流と印加時間を選択す
れば異なる系の電池にも適応できる。また、対応表をメ
モリ−に記憶させ、マイクロプロセッサと組み合わせ
て、残存容量を表示させることもできる。また電池の種
類に応じた対応表用意すれば、電池の種類をインプット
すればメモリ−から対応する表を選択し、対応する残存
容量を表示させることもできる。 【0027】 【表1】 【0028】 【発明の効果】被検リチウムイオン二次電池を所定の電
流で所定時間放電し、このとき測定した前記リチウムイ
オン二次電池の閉路電圧値を、予め用意した残存容量−
電池電圧対応表で照合することにより残存容量を判別す
る方法であり、前記電池の公称容量をC(mAh)とす
るとき、残存容量の検出の際放電する所定電流は、C/
5(mA)以下であることにより、高精度かつ簡便にリ
チウムイオン二次電池の残存容量の検知が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧−残存容量対応表作成のための放電曲線を
示す図 【図2】放電電流を順次大きくした時の温度の影響を示
す図 【図3】携帯電話を想定した放電モードでの電池放電曲
線を示す図 【図4】60mA5秒間放電時の電池電圧と残存容量の
関係図
示す図 【図2】放電電流を順次大きくした時の温度の影響を示
す図 【図3】携帯電話を想定した放電モードでの電池放電曲
線を示す図 【図4】60mA5秒間放電時の電池電圧と残存容量の
関係図
フロントページの続き
(72)発明者 竹山 健一
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(56)参考文献 特開 平8−136627(JP,A)
特開 平7−282857(JP,A)
特開 昭64−59090(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01M 10/42 - 10/48
G01R 31/36
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被検リチウムイオン二次電池を所定電流
で所定時間放電した時の前記リチウムイオン二次電池の
閉路電圧を測定し、この値を予め記録した電池電圧−残
存容量対応表で照合することにより、前記リチウムイオ
ン二次電池の残存容量を検出するリチウムイオン二次電
池の残存検出方法であって、前記リチウムイオン二次電
池の公称容量をC(mAh)とするとき、前記所定電流
は、C/5(mA)以下であることを特徴とするリチウ
ムイオン二次電池の残存容量検出方法。
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DE69826929T DE69826929T2 (de) | 1997-06-24 | 1998-06-23 | Verfahren zur Erfassung des Betriebszustandes wiederaufladbarer Batterien mit nicht wasserhaltigem Elektrolyt |
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-
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- 1997-06-26 JP JP16983697A patent/JP3478069B2/ja not_active Expired - Fee Related
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