JP3392693B2 - 二次電池の容量検出方法 - Google Patents

二次電池の容量検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する分野】本発明は、二次電池の容量を検出
する容量検出方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ノートパソコンや携帯電話等の携帯型電
子機器においては、その電源として充放電可能な二次電
池(例えば、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電
池、リチウムイオン二次電池等)が用いられている。こ
うした場合、電源の供給が突然に途絶えて、データが失
われたり使用できなくなることがないように、二次電池
の残存容量を検出して表示するようにしている。また、
充電時にあっては、二次電池がどのような充電状態にあ
るかを容易に判断することができるように、二次電池の
充電容量を検出している。 【0003】斯る残存容量または充電容量の検出は、通
常、二次電池の放電電流を積算し、この積算量を二次電
池の電池容量から減算することにより、または二次電池
の充電電流を積算していくことにより行っている。更
に、二次電池の劣化や使用環境による二次電池の容量変
化を考慮して、特開平5−87896号公報によれば、
二次電池の放電終止電圧及び満充電電圧の検出に対応し
て、二次電池の容量を0%または100%として表示す
るように補正している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした二
次電池、特にリチウムイオン二次電池にあっては、放電
時の周囲環境や放電条件により、放電効率が大きく変化
する。図2はリチウムイオン二次電池を条件1(温度3
0℃)及び条件2(温度0℃)において、0.5Cの放
電電流で放電したときの電池電圧の変化を示している。
二次電池の電池電圧が放電終止電圧に到達した時点にお
いて、条件1の場合、電池容量の100%の放電を行う
ことができるものの、条件2の場合、電池容量の80%
の放電しかできない。 【0005】一方、電池容量の表示は、二次電池の放電
終止電圧及び満充電電圧の検出に対応して、二次電池の
容量を0%または100%とする。従って、条件1のよ
うに、放電終止電圧到達時に100%の放電となる場合
には何ら問題ないが、条件2のような場合には、放電終
止電圧への到達時、電池容量の表示は0%となっている
ものの、実際には二次電池には20%の容量が残ってい
る。 【0006】この状態から二次電池の充電を開始する
と、二次電池は、その充電容量の表示が80%になった
時点で満充電状態となり、充電容量の表示が正確に行え
ないこととなる。 【0007】図3はこの様子を示すグラフである。同グ
ラフにおいて、横軸は放電時間、縦軸は算出された電池
容量である。実線で示す条件1の場合には、満充電され
て100%の電池容量となっている状態から放電が行わ
れると、放電時間と共に電池容量が低下し、放電停止電
圧に到達した時点で残存容量の算出結果は0%となる。
この時、二次電池の実際の残存容量も0%であるため、
算出された残存容量と実際の残存容量とは一致してい
る。従って、この状態から二次電池の充電を行ったと
き、算出した充電容量は、正確な二次電池の残存容量を
示す。 【0008】一方、破線で示す条件2の場合には、放電
停止電圧に到達して残存容量が0%であると算出された
とき、実際には二次電池に20%の容量が残っている。
従って、この状態で充電容量を算出しながら充電を行う
と、充電容量が80%であると算出された時点で、二次
電池は満充電に達してしまう。即ち、算出した充電容量
(換言すれば、表示される充電容量)と実際の二次電池
の充電容量との間に誤差が生じることとなる。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、二次電池の充
電電流を積算して充電容量を検出すると共に、前記二次
電池の放電電流の積算量を前記充電容量より減算して前
記二次電池の残存容量を検出する二次電池の容量検出方
法において、前記二次電池の放電効率を考慮して前記充
電容量を算出することを特徴としている。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例を示すブ
ロック回路図であって、1はバッテリーパック、2はパ
ーソナルコンピュータ本体(PC本体)である。そし
て、バッテリーパック1は、PC本体2に対して機械的
かつ電気的に着脱可能となっている。 【0011】PC本体2は、バッテリーパック1に収納
されている二次電池を充電するための充電回路(図示し
ない)と、二次電池の残存容量及び充電容量(以下、こ
れらをまとめて電池容量という)を表示する表示手段と
を備えている。 【0012】次に、バッテリーパック1において、10
はリチウムイオン二次電池からなる二次電池、11は二
次電池10の充放電回路に介挿された充放電スイッチ、
12は二次電池10の電池電圧を検出する電圧検出回路
であり、特に、二次電池10が満充電電圧及び放電終止
電圧になったとき、検出信号を発生する。 【0013】13は二次電池10に熱的に結合されたサ
ーミスタ、14はサーミスタ13の出力に基づいて二次
電池10の電池温度を検出する温度検出回路、15は二
次電池10の充放電回路に介挿された電流検出抵抗、1
6は電流検出抵抗15の出力に基づいて充電電流及び放
電電流を検出する電流検出回路、17は電圧検出回路1
2、温度検出回路14及び電流検出回路16からの検出
信号を受けて、種々の算出及び演算処理を行う演算回路
である。 【0014】演算回路17は、電流検出回路16により
検出された放電電流を積算することにより、二次電池1
0の放電容量を算出し、この放電容量を二次電池10の
充電容量から減算することによって、二次電池10の残
存容量を検出する。また、二次電池10の電池電圧が放
電終止電圧になったことが、電圧検出回路12により検
出されると、演算回路17は、電圧検出回路12よりの
検出信号を受けて、二次電池10の残存容量を0%とす
る。 【0015】一方、演算回路17は、電流検出回路16
により検出された充電電流を積算することにより、二次
電池10の充電容量を算出する。そして、これを積算す
ることによって、二次電池10の充電容量を検出する。
また、二次電池10の電池電圧が満充電電圧になったこ
とが、電圧検出回路12により検出されると、演算回路
17は、電圧検出回路12よりの検出信号を受けて、二
次電池10の充電容量を100%とする。 【0016】なお、図1において、18は充放電端子、
19は演算回路17とPC本体2との間の通信端子であ
り、例えば、演算回路17により演算された二次電池1
0の電池容量に関するデータが、PC本体2に送信され
る。 【0017】以下、本発明の動作について詳細に説明す
る。バッテリーパック1をPC本体2に装着し、充放電
端子18よりPC本体2に放電電流を供給することによ
り、二次電池10の放電が行われる。演算回路17は、
電流検出抵抗15及び電流検出回路16により検出され
た放電電流を積算して放電容量を算出する。そして、二
次電池10の充電容量からこの放電容量を減算して、二
次電池10の残存容量を算出する。算出された残存容量
は、逐次通信端子19よりPC本体2に送信され、PC
本体2にて表示される。 【0018】一方、斯る残存容量の算出と同時に、二次
電池10の電池電圧が電圧検出回路12により検出され
ている。そして、二次電池10の電池電圧が放電終止電
圧に到達したことが検出されると、演算回路17は、二
次電池10の残存容量を0%であると補正する。尚、こ
の時に算出された残存容量が0%でない場合、演算回路
17は、その残存容量値を記憶しておく。 【0019】一方、バッテリーパック1をPC本体2に
装着して充放電端子18より充電電流を供給することに
よって、二次電池10の充電が行われる。この時、演算
回路17は、電流検出抵抗15及び電流検出回路16に
より所定のサンプリング周期で検出した充電電流を積算
することにより、二次電池10の充電容量を算出する。 【0020】具体的には、充電容量の算出は、以下の算
出式に基づいて行われる。 Y=Σ[Ys×η×Yo×(100−X)÷Yh÷10
0] なお、この算出式における各項目は、以下の通りであ
る。 Ys:所定のサンプリング周期でサンプリングした充電
容量(mAh) η:充電効率(%) Yo:二次電池の本来の電池容量(mAh) X:充電開始時点で算出されている二次電池の残存容量
値(%) Yh:充電開始前に放電された二次電池の放電容量(m
Ah) 斯る算出式において、(Yo÷Yh÷100)は二次電
池の放電効率ηoの逆数を示す値であり、前述の算出式
は以下のように示される。 Y=Σ[Ys×η×(100−X)÷ηo] この算出式を用いて二次電池10の充電容量を算出する
ことによって、図3に一点鎖線で示すように、条件2に
よる放電が行われた二次電池10においても、これの満
充電が検出された時点で算出された充電容量は、100
%となる。 【0021】具体例として、今、本来の電池容量(=Y
o)が1000mAhである二次電池10を放電終止電
圧まで放電した(従って、X=0となる)場合、その時
の二次電池10の放電容量(=Yh)が800mAhで
あったとすると、前述の算出式は、Y=Σ[Ys×η×
10/8]となる。 【0022】 【発明の効果】本発明は、二次電池の充電電流を積算し
て充電容量を検出すると共に、前記二次電池の放電電流
の積算量を前記充電容量より減算して前記二次電池の残
存容量を検出する二次電池の容量検出方法において、前
記二次電池の放電効率を考慮して前記充電容量を算出す
るので、二次電池の充放電時の充放電環境等による悪影
響を受けることなく、二次電池の充電容量を正確に検出
することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示すブロック回路である。 【図2】二次電池の放電時の電圧変化を示すグラフであ
る。 【図3】算出される電池容量の変化を示すグラフであ
る。 【符号の説明】 1 バッテリーパック 2 PC本体 10 二次電池 17 演算回路

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 二次電池の充電電流を積算して充電容量
    を検出すると共に、前記二次電池の放電電流の積算量を
    前記充電容量より減算して前記二次電池の残存容量を検
    出する二次電池の容量検出方法において、前記充電容量
    は、 Y=Σ[Ys×η×(100−X)÷ηo] (但し、Ys:所定のサンプリング周期でサンプリング
    された充電容量、η:充電効率、X:充電開始時点で算
    出されている二次電池の残存容量値、ηo:放電効率) の算出式により 算出することを特徴とする二次電池の容
    量検出方法。
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