JP5515524B2 - 二次電池の劣化状態判別システム、および二次電池の劣化状態判別方法 - Google Patents

二次電池の劣化状態判別システム、および二次電池の劣化状態判別方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の劣化状態判別システム、および二次電池の劣化状態判別方法に関する。
一般的に、リチウム電池は、正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極と負極活物質に炭素を用いた負極と、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水系電解液とから構成されている。高温下においてリチウム電池が高充電状態(電圧が高い状態)である場合、活物質と非水系電解液との反応等が生じるため、内部抵抗の増加や容量が低下するといった問題が発生していた。このような電池性能の低下を判別するため、物質移動(拡散)過程が律速する条件下において、内部抵抗の一つである物質移動(拡散)抵抗を算出し、その値に基づいて劣化状態を判別していた(特許文献1)。
特開2007−17357号公報
しかしながら、従来の劣化状態判別方法における、物質移動(拡散)抵抗が律速する条件では、電流値が電池性能の低下によって変化するため、精度の高い劣化状態の判別を行うことが困難であった。
そこで本発明の目的は、精度の高い劣化状態を判別することができる二次電池の劣化状態判別システムおよび二次電池の劣化状態判別方法を提供する。
上記目的を達成するための本発明は、測定された充電停止時または放電停止時の二次電池の端子間電圧を第1電圧値とし、第1電圧値を測定してから所定の時間経過した後、測定された二次電池の端子間電圧を第2電圧値とし、この第1電圧値と第2電圧値との差分を変化量ΔVとして算出し、この変化量ΔVを所定の基準変化量と比較し、劣化状態を判別する。本発明は、測定された充電中または放電中の二次電池の電流量を電流量Iとし、変化量ΔVと電流量Iを用いて下記の式(1)に基づいて電圧変化量に対応した電池抵抗Rを算出し、電池抵抗Rと所定の基準電池抵抗値とを比較し劣化状態を判別し、第2電圧値は、充電停止時または放電停止時からt1時間経過した時点におけるVt1電圧値、t2時間経過した時点におけるVt2電圧値、および、t3時間経過した時点におけるVt3電圧値であり、変化量ΔVは、第1電圧値とVt1電圧値との差分を算出した変化量ΔV1、Vt1電圧値とVt2電圧値との差分を算出した変化量ΔV2、および、Vt2電圧値とVt3電圧値との差分を算出した変化量ΔV3であり、電池抵抗Rは、下記の式(2)、(3)、(4)に基づいて算出した第1、第2、第3電池抵抗R1、R2、R3であり、第1、第2、第3電池抵抗R1、R2、R3と対応する所定の基準電池抵抗値とを比較し劣化状態を判別する。
R=ΔV/I・・・(1)
R1=ΔV1/I・・・(2)
R2=ΔV2/I・・・(3)
R3=ΔV3/I・・・(4)
本発明は、充電または放電に伴う電池開放端電圧(OCV)の変化や電池構成材料に使用される活物質材の種類の影響を考慮する必要が無いため、物質移動(拡散)過程が律速する条件によらずに、精度高く劣化状態を判別することができる。
実施形態1における組電池の劣化状態を判別する劣化状態判別システムを示すブロック図である。 二次電池の放電前後における電圧変化を説明する説明図である。 二次電池の充電前後における電圧変化を説明する説明図である。 実施形態1における放電を利用した二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。 実施形態1における充電を利用した二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。 実施形態2における二次電池の劣化状態判別システムを示すブロック図である。 実施形態2における放電を利用した二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。 実施形態2における充電を利用した二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。 (a)放電終了後における電池抵抗の時定数の異なる現象による二次電池の端子間電圧の時間変化を説明する説明図、(b)充電終了後における電池抵抗の時定数の異なる現象による二次電池の端子間電圧の時間変化を説明する説明図である。 実施形態3における放電を利用した二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。 実施形態3における充電を利用した二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。 実施形態4における二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。 電池抵抗RとSOCとの関係を説明する説明図である。 実施形態5における二次電池の劣化状態判別システムを示すブロック図である。 実施形態5における二次電池の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(実施形態1)
図1は、本実施形態における組電池の劣化状態を判別する劣化状態判別システムを示すブロック図である。なお本実施の形態では、車両の駆動用モータに電力を供給する電力源として設けられた組電池(バッテリ)に劣化状態判別システムを適用させたものとして以下説明を行う。
図1に示すように、劣化状態判別システム1は、電圧計2、切り替えスイッチ3、電池制御装置(劣化状態判別手段)4を備え、検出対象物である組電池11に取り付けられる。電池制御装置4は、有線による通信によって車両制御装置8に接続される。車両制御装置8により車両の駆動等の制御が行われる。組電池11は、複数の二次電池10(C1〜Cn)が直列に接続して形成され、車両のモータ6用のインバータ7に接続される。なお本実施の形態では、二次電池10が複数接続された組電池11を「電池」の意として使用するが、二次電池10として記載した方が適切と考えられる場合には、二次電池として記載することもある。
電圧計2は、電圧測定手段であり、組電池11の電圧を測定する。電圧計2は、切り替えスイッチ3と組電池11の間に備えられる。
切り替えスイッチ3は、強電リレー3であり、組電池11とインバータ7とを結ぶ強電ハーネス9に備えられる。
電池制御装置4は、強電リレー3および電圧計2と接続される。電池制御装置4は、CPUやメモリーを備えるマイクロチップからなる。電池制御装置4から強電リレー3に制御信号を送信することで、組電池11とインバータ7との接続のON/OFFを切り替えることができる。また、電池制御装置4は電圧計2から、電圧計2が測定した組電池11の端子間電圧を収集する。収集した端子間電圧はメモリーに保存される。
電池制御装置4は、測定された組電池11の端子間電圧を利用して、組電池11の劣化状態を判別する。組電池11の劣化状態の判別方法については、後に詳細に説明する。
図2は、組電池11(二次電池10)の放電前後の端子間電圧の時間変化分布を示すグラフであり、図3は、組電池11(二次電池10)の充電前後の端子間電圧の時間変化分布を示すグラフである。
二次電池10は、抵抗を有しているため、流れる充放電電流の値に応じて、電池電圧が低下する。この際に流れている電流がオフになった場合、電池抵抗分(内部抵抗)によって低下している電池電圧が回復する。
図2に示すように、二次電池10の放電前後の端子間電圧の時間変化において、領域Aは、二次電池10を開回路状態で測定した端子間電圧を示している。また、領域Bは、二次電池10が放電している状態を示しており、領域Cは、放電を停止あるいは終了し二次電池10から流れる電流がオフになった状態を示している。図2に示すように、領域Cにおいて二次電池10の端子間電圧値が回復している。なお、以下、放電あるいは充電を停止あるいは終了したことを総称して、「放電あるいは充電が終了した」と記すが、終了したことに限らず、停止したことも含む。
図3に示すように、二次電池10の充電前後の端子間電圧の時間変化において、領域Aは、二次電池10を開回路状態で測定した端子間電圧を示している。また、領域Bは、二次電池10が充電している状態を示しており、領域Cは、充電が終了し二次電池10に流れる電流がオフになった状態を示している。図に示すように、領域Cにおいて二次電池10の端子間電圧値が回復している。
ここで、電池抵抗Rの成分は、(1)集電体、電解液、電極面積に由来するオーム損抵抗R1、(2)電池反応の起こりやすさを反映する反応抵抗R2、(3)電池内のリチウムイオンの動きやすさを反映する物質移動(拡散)抵抗R3に分類される。これら3つの抵抗成分は時定数に依存することが知られている。
本実施形態の劣化状態判別システム1では、上記の二次電池10(組電池11)の特性である電池抵抗Rと電池電圧が回復する関係を利用して二次電池10(組電池11)の劣化状態を判別する。電池の劣化が進行した場合、正常値と比べ、ΔVの値が大きくなるため、このΔVの値によって二次電池10(組電池11)の劣化状態を判別することができる。また、充電・放電に伴う電池開放端電圧(OCV)の変化や電池構成材料に使用する活物質材の種類の影響を考慮する必要がないため、精度高く劣化状態を判別することができる。
劣化状態システム1による組電池11の劣化状態判別方法について説明する。
図4は、放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。図5は、充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。
まず、図4に示される放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を説明し、図5に示される充電前後における組電池11の劣化状態判別方法については、放電による劣化状態判別方法(図4)と異なる処理について中心に説明する。
図4に示すように、本実施形態の劣化状態判別処理では、まず、組電池11の開放端電圧(開回路電圧)(Open Circuit Voltage:OCV)を測定できる状態に制御する(ステップS100)。つまり、組電池11にインバータ7などの負荷を接続させないように、強電リレー3をOFF状態に制御する。組電池11は、リチウムイオンを吸蔵、放出する材料を有する正極(正極活性物)と負極(負極活性物)とを備え、該二極間の電解質をリチウムイオンが行き来することによって充放電を行う。組電池11の充電状態(State of Charge:SOC)は、組電池11のOCVと密接な関係があり、OCVを測定または演算することによって求められる。
次に、組電池11を放電する処理が行われる(ステップS102)。本実施形態では、車両制御装置8によりモータ6を駆動する制御が行われ、モータ6を駆動しても良い状態つまりインバータ7からモータ6に電力を供給しても良い状態にされる。次に、電池制御装置4から強電リレー8a、8bに信号を送り、組電池11とインバータ7を電気的に接続することで、組電池11からインバータ7へ放電が開始される。
次に、組電池11の放電が終了される(ステップS104)。本実施形態では、車両制御装置8によりモータ6の駆動を止める制御が行われ、モータ6を止めても良い状態つまりインバータ7からモータ6への電力供給を止めても良い状態にされる。次に、電池制御装置4から強電リレー8a、8bに信号を送り、組電池11とインバータ7との電気的な接続を開放することで、組電池11からインバータ7への放電が停止される。
次に、組電池11の端子間電圧を測定する(ステップS105)。本実施形態では、電池制御装置4から電圧計2に制御信号が送信され、電圧計2が測定した組電池11の端子間電圧の値を第1電圧値E1として電池制御装置4のメモリーに保存する。ここで、電圧計2は放電開始より前から組電池11の端子間測定をしても良く、放電開始時や放電終了時など時間とその時間における端子間電圧の関係が分かれば良い。つまり、常時電圧計2で組電池11の端子間電圧を測定し、メモリーに保存しても良い。
次に、放電終了時から所定時間後の組電池11の端子間電圧を測定する(ステップS106)。ステップS105と同様に、電圧計2により組電池11の端子間電圧を測定し、測定した端子間電圧を第2電圧値E2としてメモリーに保存する。組電池11の特性および図2で示したように、放電終了時から所定時間経過後その組電池11の電圧は回復する。所定時間は、組電池11を構成する二次電池10の活物質の材料や構成、構造などに依存する。また、図2に示したように、放電後から徐々に電圧が回復し、しばらくして安定するため、電圧値は所定間隔で測定しメモリーに保存しておいても良く、安定した電圧値を第2電圧E2とすることが好ましい。
次に、組電池11の電圧変化量を算出する(ステップS107)。電池制御装置4により、放電終了時とそれから所定時間経過時の組電池11の電圧変化量ΔVを算出する。電圧変化量ΔVは、式(1)に示すように、それぞれの電圧値の差分の大きさを示す。
|E1−E2|=ΔV・・・(1)
次に、算出した電圧変化量ΔVと所定の基準変化量とを比較する(ステップS109)。所定の基準変化量は、組電池11を構成する活物質の材料や構成、構造などに依存する。そのため、あらかじめ劣化している組電池11および劣化していない組電池11を測定した電圧変化量に基づいて決定されメモリーに保存することが良い。比較は、算出した電圧変化量ΔVと所定の基準変化量との大きさを比較する。
次に、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(S110)。比較した結果、算出した電圧変化量ΔVが所定の基準変化量よりも大きい場合は、検出対象物である組電池11が劣化していると判別する。反対に、比較した結果、算出した電圧変化量ΔVが所定の基準変化量よりも小さい場合は、検出対象物である組電池11は劣化していないと判別する。
次に、充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法について説明する。充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法については、放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法と異なる処理を中心に説明する。
組電池11の特性の説明および図3で示したように、放電の時と同様に、充電を終了してから所定の時間経過した後の電圧が回復する。その電圧が回復することを利用して、劣化状態を判別することができる。
図5に示すように、放電を利用した劣化状態判別方法におけるステップS100の次に、組電池11を充電する処理が行われる(ステップS202)。まず、車両制御装置8によりモータ6を駆動する制御が行われ、モータ6のエネルギーを電気に変換しても良い状態にされる。次に、電池制御装置4から強電リレー8a、8bに信号を送り、組電池11とインバータ7を電気的に接続することで、組電池11を回生する充電が開始される。
次に、組電池11の充電が終了される(ステップS204)。車両制御装置8によりモータ6の駆動を止める制御が行われ、モータ6を止めても良い状態にされる。次に、電池制御装置4から強電リレー8a、8bに信号を送り、組電池11とインバータ7を電気的な接続を開放することで、組電池11の充電が停止される。
ここで、組電池11を充電するにあたり、モータ6による駆動力を電力に変換して充電する処理を説明したが、組電池11に充電用電源を取り付け、組電池11を充電しても良い。
ステップS204以降の処理は、放電を利用した劣化状態判別方法と同様である。つまり、充電終了時の組電池11の端子間電圧E1を測定し(ステップS105)、所定時間後の端子間電圧E2を測定する(ステップS106)。そして、測定された2つの電圧の差分の大きさを式(1)に基づいて電圧変化量ΔVを算出し(ステップS107)、電圧変化量ΔVと所定の基準値とを比較し(ステップS109)、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(ステップS110)。
組電池11が劣化していると判別した結果に基づいて、ユーザーに電池寿命の低下を発信し、電池交換を伝達しても良い。その結果を受けたユーザーは、電池回復操作の行動を取ることができるため、車両運転時の不具合を回避することができる。
電池回復操作としては、深度サイクルを数サイクル実行する方法がある。例えば、SOCが90%から10%の範囲内で充放電サイクルを数サイクル実行する方法がある。これにより、電極活物質表面堆積物のクリーニング効果があり、反応抵抗R2、物質移動(拡散)抵抗R3を所定値から低下させることができる。また、電解液の再注入を実行することで、リチウムイオン種の供給量が増加し、オーム損抵抗R1、物質移動(拡散)抵抗R3を所定値から低下させることもできる。
回復操作によって電池抵抗が所定値以下にならない場合、ユーザーに電池交換の信号を発信しても良い。これにより、ユーザーは電池交換の行動を取ることができるため、車両運転時の不具合を回避することができる。
以上のとおり、本実施形態によれば、組電池11の放電終了時(充電終了時)と放電後(充電後)からの所定時間経過した時との端子間電圧を測定し、それらの電池電圧の変化(緩和)ΔVを算出する。次に、算出したΔVと所定の基準変化量(劣化前の正常値)とを比較することで組電池11の劣化状態を判別することを特徴とする。組電池11の劣化が進行した場合、正常値と比べ、ΔVの値が大きくなるため、このΔVの値によって組電池11の劣化状態を判別することができる。また、充電・放電に伴う電池開放端電圧(OCV)の変化や電池構成材料に使用する活物質材の種類の影響を考慮する必要がないため、精度高く劣化状態を判別することができる。
(実施形態2)
図6は、実施形態2における組電池11の劣化状態判別システム1を示すブロック図である。劣化状態判別システム1の構成は実施形態1を基本としているので、以下実施形態1と異なる構成について中心に説明し、重複する説明を省略する。同様に、劣化状態判別方法についても、以下実施形態1と異なる処理について中心に説明し、重複する説明を省略する。
本実施形態における組電池11の劣化状態判別システム1は実施形態1に電流計20を加えた構成をしており、その他の構成は同じである。
図6に示すように、電流計20が組電池11とインバータ7との間に備えられる。電流計20は、電流測定手段である。電池制御装置4から送られる信号に基づいて、組電池11に入出力する電流の大きさが測定されても良い。充電時における充電電流、または、放電時における放電電流が組電池11から入出力する。電流センサー20で測定された電流値は、電池制御装置4のメモリー4bに保存される。
図7は、実施形態2における放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図であり、図8は、実施形態2における充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。
本実施形態における、劣化状態判別方法については、実施形態1と異なる処理を中心に説明する。
図7に示すように、組電池11による放電を開始し(ステップS102)、次に、組電池11から放電される放電電流量Iを電流センサー20により測定する(ステップS303)。測定された放電電流値Iは、電池制御装置4のメモリー4bに保存される。電流センサー20は常時放電電流を測定してもよく、それらの測定データを電池制御装置4に保存し、保存されたデータを利用して平均値を放電電流値Iとして検出しても良い。
次に、組電池11の放電を終了し(ステップS104)、放電終了時の組電池11の端子間電圧E1を測定し(ステップS105)、所定時間後の端子間電圧E2を測定する(ステップS106)。そして、測定された2つの電圧の差分の大きさを式(1)に基づいて電圧変化量ΔVを算出する(ステップS107)。
次に、測定した放電電流値Iと算出した電圧変化量ΔVを利用して、式(2)に基づいて電池抵抗Rを算出する(ステップS308)。
R=ΔV/I・・・(2)
次に、算出した電池抵抗Rと所定の基準電池抵抗値とを比較する(ステップS309)。所定の基準電池抵抗値は、組電池11を構成する活物質の材料や構成、構造などに依存する。そのため、あらかじめ劣化している組電池11および劣化していない組電池11を測定した電池抵抗値に基づいて決定しメモリーに保存しても良い。比較は、算出した電池抵抗Rと所定の基準電池抵抗値との大きさを比較する。
次に、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(ステップS310)。比較した結果、算出した電池抵抗Rが所定の基準電池抵抗値よりも大きいと場合は、検出対象物である組電池11が劣化していると判別する。反対に、比較した結果、算出した電池抵抗Rが所定の基準変化量よりも小さい場合は、検出対象物である組電池11は劣化していないと判別する。
充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法については、放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法と異なる処理を中心に説明する。
図8に示すように、放電を利用した劣化状態判別方法におけるステップS100の次に、組電池11を充電する処理が行われる(ステップS202)。次に、電流センサー20により、組電池11に流れる充電電流量Iを測定する(ステップS403)。測定された充電電流値Iは、電池制御装置4のメモリー4bに保存される。電流センサー20は常時充電電流を測定してもよく、それらの測定データを電池制御装置4に保存し、保存されたデータを利用して平均値を充電電流値Iとして検出しても良い。
ステップS204以降の処理は、放電を利用した劣化状態判別方法と同様である。つまり、充電終了時の組電池11の端子間電圧E1を測定し(ステップS105)、所定時間後の端子間電圧E2を測定する(ステップS106)。そして、測定された2つの電圧の差分の大きさを式(1)に基づいて電圧変化量ΔVを算出し(ステップS107)、電圧抵抗Rを式(2)に基づいて算出する(ステップS308)。ここで、ステップS308については、放電電流量Iを充電電流量Iに置き換えて算出すれば良い。そして、電池抵抗Rと所定の基準電圧抵抗値とを比較し(ステップS309)、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(ステップS310)。
本実施形態では、実施形態1の効果に加え、以下のような効果を奏する。組電池11の放電電流量(充電電流)Iを測定し、測定し算出された電池電圧の変化(緩和)ΔVを用いて、電池抵抗Rを算出する。次に、算出したRと所定の基準電池抵抗(劣化前の正常値)とを比較することで組電池11の劣化状態を判別することを特徴とする。電池の劣化が進行した場合、正常値と比べ、R値が大きくなるため、このR値によっても組電池11の劣化状態を判別することができる。
(実施形態3)
実施形態3における組電池11の劣化状態判別システム1は、実施形態2と同じ構成をしている。しかし、実施形態2における劣化状態判別方法とは異なるので、以下実施形態2と異なる劣化状態判別方法について中心に説明する。
図9は、(a)放電終了後における電池抵抗の時定数の異なる現象による組電池11の端子間電圧の時間変化を説明する説明図、(b)充電終了後における電池抵抗の時定数の異なる現象による組電池11の端子間電圧の時間変化を説明する説明図である。
組電池11の特性で説明したように、電池抵抗Rの成分は、(1)集電体、電解液、電極面積に由来するオーム損抵抗R1、(2)電池反応の起こりやすさを反映する反応抵抗R2、(3)電池内のリチウムイオンの動きやすさを反映する物質移動(拡散)抵抗R3に分類される。
図9に示すように、これら3つの電池抵抗成分は時定数の異なる現象であり、それぞれ(1)のオーム損抵抗によりΔV1、(2)の反応抵抗によりΔV2、(3)の物質移動(拡散)抵抗によりΔV3電圧がそれぞれ変化(緩和)する。ΔV1、ΔV2、ΔV3を全て足し合わせた値は、図2で示したΔVに相当している。放電(充電)終了時の端子間電圧Eから徐々に電圧が回復していることを示す。
これらの特性に基づき、電池電圧の変化(緩和)ΔV1、ΔV2、ΔV3を、それぞれ充電または放電終了後の時間t1、t2、t3に検知する。そして、充電または放電終了前の充電電流並びに放電電流(I)を用いることによって電池抵抗RをR1(オーム損抵抗)、R2(反応抵抗)、R3(物質移動抵抗)に分類する。t1、t2、t3の関係は、0<t1<t2<t3である。さらに、測定する時間t1、t2、t3は、0<t1≦0.01<t2<1≦t3(単位:秒)を満たすのが好ましい。
図10は、本実施形態における放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図であり、図11は、本実施形態における充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。
図10に示すように、組電池11による放電を開始(ステップS102)してから、放電電流量Iを測定し(ステップS303)、組電池11の放電を終了し(ステップS104)、放電終了時の組電池11の端子間電圧E1を測定する(ステップS105)。
次に、所定時間(t1、t2、t3)後の端子間電圧Vt1、Vt2、Vt3を測定する(ステップS506)。ステップS105と同様に、電圧計2により組電池11の端子間電圧を所定時間(t1、t2、t3)に測定し、測定した端子間電圧をそれぞれ時間に対応したVt1、Vt2、Vt3としてメモリーに保存する。組電池11の特性および図9で示したように、放電終了時から所定時間経過後その組電池11の電圧は回復する。所定時間は、組電池11を構成する活物質の材料や構成、構造などに依存する。
また、図9に示したように、放電後から徐々に電圧が回復し、しばらくして安定するため、電圧値は所定間隔で測定しメモリーに保存しておいても良い。前述したように、測定する時間t1、t2、t3は、0<t1≦0.01<t2<1≦t3(単位:秒)を満たすのが好ましい。
次に、組電池11のそれぞれの測定時間における電圧変化量ΔV1、ΔV2、ΔV3を算出する(ステップS507)。電池制御装置4により、放電終了時とそれから所定時間経過時の組電池11の電圧変化量ΔV1、ΔV2、ΔV3を算出する。電圧変化量ΔV1、ΔV2、ΔV3は、式(3)〜(5)に示すように、それぞれの電圧値の差分の大きさを示す。
|E1−Vt1|=ΔV1・・・(3)
|Vt1−Vt2|=ΔV2・・・(4)
|Vt2−Vt3|=ΔV3・・・(5)
他にも、電圧変化量ΔV1、ΔV2、ΔV3の精度を上げるために複数回Vt1、Vt2、Vt3を測定し、それぞれ積分した値を使用して算出しても良い。
次に、測定した放電電流値Iと算出した電圧変化量ΔV1、ΔV2、ΔV3を利用して、式(6)〜(8)に基づいて電池抵抗R1、R2、R3を算出する(ステップS308)。
R1=ΔV1/I・・・(6)
R2=ΔV2/I・・・(7)
R3=ΔV3/I・・・(8)
次に、算出した電池抵抗R1、R2、R3とそれぞれに対応した所定の基準電池抵抗値とを比較する(ステップS509)。それぞれの所定の基準電池抵抗値は、組電池11を構成する組電池11を構成する活物質の材料や構成、構造などに依存する。そのため、あらかじめ劣化している組電池11および劣化していない組電池11を測定した電池抵抗値に基づいて決定しメモリーに保存することが良い。比較は、算出した電池抵抗R1、R2、R3と所定の基準電池抵抗値との大きさを比較する。
次に、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(ステップS510)。比較した結果、算出した電池抵抗R1、R2、R3がそれぞれに所定の基準電池抵抗値よりも少なくともいずれか一つが大きいという場合は、検出対象物である組電池11が劣化していると判別する。反対に、比較した結果、算出した電池抵抗R1、R2、R3が所定の基準変化量よりも小さい場合は、検出対象物である組電池11は劣化していないと判別する。
本実施形態における充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法については、放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法と異なる処理を中心に説明する。
図11に示すように、放電を利用した劣化状態判別方法におけるステップS100の次に、組電池11を充電する処理が行われる(ステップS202)。次に、電流センサー20により、組電池11に流れる充電電流量Iを測定し(ステップS403)、充電終了時の組電池11の端子間電圧E1を測定する(ステップS105)。 次に、所定時間(t1、t2、t3)後の端子間電圧Vt1、Vt2、Vt3を測定し(ステップS506)、式(3)〜(5)に基づいて電圧変化量ΔV1〜ΔV3を算出し(ステップS507)、電圧抵抗R1〜R3を式(6)〜(8)に基づいて算出する(ステップS508)。ここで、ステップS508については、放電電流量Iを充電電流量Iに置き換えて算出すれば良い。そして、電池抵抗R1〜R3とそれぞれ所定の基準電圧抵抗値とを比較し(ステップS509)、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(ステップS510)。
本実施形態では、実施形態1の効果に加え、以下のような効果を奏する。組電池11の放電電流量(充電電流)Iを測定し、測定し算出された電池電圧の変化(緩和)ΔV1〜ΔV3を用いて、電池抵抗R1〜R3を算出する。次に、算出したR1〜R3とそれぞれに対応する所定の基準電池抵抗(劣化前の正常値)とを比較することで組電池11の劣化状態を判別することを特徴とする。電池の劣化が進行した場合、正常値と比べ、R1、R2、R3値の少なくともいずれか一つが大きくなるため、このR1〜R3値によっても組電池11の劣化状態を判別することができる。これにより、組電池11の劣化状態の判別はもとより、どの現象の劣化、どの部位の劣化が進行しているか判別が可能となり、高い精度で劣化状態を判別することができる。
また、上記3つの抵抗成分は時定数の異なる現象であり、それぞれ放電(充電終了後)に測定する時間t1〜t3を、0<t1≦0.01<t2<1≦t3(秒)の条件の範囲内で、ΔV1〜ΔV3を検知し、充電または放電終了前の充電電流並びに放電電流(I)を用いることで電池抵抗のR1(オーム損抵抗)、R2(反応抵抗)、R3(物質移動抵抗)を精度良く分類できる。これにより組電池11の劣化状態の判別はもとより、どの現象の劣化、どの部位の劣化が進行しているか判別が可能となり、高い精度で劣化状態を判別することができる。
(実施形態4)
実施形態4における組電池11の劣化状態判別システム1は、組電池11の内部抵抗である電池抵抗RとSOCとの特性の関係を利用するシステムである。劣化状態判別システム1の構成は、実施形態1または2に示した劣化状態判別システム1と同じ構成をしている。電池制御装置4が備えるメモリー5bには、組電池11のOCVとSOCとの関係を示すデータが記録されており、測定した組電池11のOCVからSOCを算出することができる。
図12は、電池抵抗RとSOCとの関係を説明する説明図である。電池抵抗Rは上記で説明したように、R1(オーム損抵抗)、R2(反応抵抗)、R3(物質移動抵抗)からなる。それぞれR1〜R3とSOCとの関係を調べてみると、図12に示すように、SOCが30%より小さい範囲において、高いSOCと比べ、電池抵抗Rが高い傾向を示しやすいことが明らかになっている。例えば、放電においては、低いSOCほど正極活物質内のリチウムサイトが埋まっているため、電極反応を進行させるリチウム挿入のエネルギー障壁が大きくなるため、電池抵抗Rが増加する。特に、反応抵抗(R2)並びに物質移動(拡散)抵抗(R3)が増加する傾向を示す。一方、充電においては、高いSOCほどリチウムイオンの負極活物質内への受け入れがしにくくなり、反応抵抗(R2)が増加する。また、負極活物質中のリチウムイオン濃度が増加し、負極活物質中での物質移動が遅くなり(負極活物質の表面で拡散律速の状態になる)、物質移動抵抗(R3)が増加する。したがって、本範囲の条件において、劣化状態がより判別しやすくなる。
図13は、本実施形態における組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。
まず、組電池11のOCVを測定できる状態に制御する(ステップS100)。次に、OCVを測定し、OCVに基づいてSOCを算出する(ステップS600)。SOCの算出は、あらかじめメモリーに記録されたOCVとSOCの相関関係データに基づいて決定される。OCVとSOCとの相関関係は、組電池11を構成する活物質の材料や構成、構造などに依存する。
次に、SOCの割合に基づいて、放電を開始するか、充電を開始して劣化状態の判別を進めるか否かを決定する(ステップS601、S611、S621)。もし、SOCが30%よりも小さい場合は、劣化状態の判別を進めるため、次の処理である放電を開始する処理に進む(ステップS601)。もし、SOCが90%よりも大きい場合は、劣化状態の判別を進めるため、次の処理である充電を開始する処理に進む(ステップS611)。しかし、SOCが30%以上かつ90%以下の場合は、SOCが30%より小さくなるように放電、または、90%より大きくなるように充電し、再度OCVを測定する(ステップS621)。
次に、組電池11による放電または充電を開始(ステップS102、S202)してから、放電電流量Iまたは充電電流Iを測定し(ステップS303、S403)、組電池11の放電または充電を終了する(ステップS104)。次に、放電終了時の組電池11の端子間電圧E1を測定し(ステップS105)、所定時間後の端子間電圧E2を測定する(ステップS106)。そして、測定された2つの電圧の差分の大きさを式(1)に基づいて電圧変化量ΔVを算出し(ステップS107)、電圧抵抗Rを式(2)に基づいて算出する(ステップS308)。そして、電池抵抗Rと所定の基準電圧抵抗値とを比較し(ステップS309)、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(ステップS310)。
ここで、実施形態3のように放電または充電終了後から所定時間経過したt1、t2、t3における端子間電圧Vt1、Vt2、Vt3を測定しても良い。そして、電池変化量ΔV1、ΔV2、ΔV3を算出し、それぞれに対応したR1(オーム損抵抗)、R2(反応抵抗)、R3(物質移動抵抗)を算出し、それぞれに対応した所定の基準電池抵抗と比較し、少なくとも一つが基準電池抵抗値より大きい場合は劣化していると判別しても良い。
本実施形態では、実施形態1の効果に加え、以下のような効果を奏する。まず、組電池11のSOCを算出し、劣化状態の判別を行うか否かを決定する。もし、SOCが30%より小さい場合は放電を利用した劣化状態の判別を行い、SOCが90%よりも大きい場合は充電を利用した劣化状態の判別を行う。このようなSOC範囲で劣化状態の判別を行うことによって、組電池11の電池抵抗Rが高い傾向を示すので、組電池11の劣化状態が大きくなり、容易に劣化状態を判別することができる。
(実施形態5)
図14は、実施形態5における組電池11の劣化状態判別システム1を示すブロック図である。
劣化状態判別システム1の構成は実施形態2を基本としているので、以下実施形態2と異なる構成について中心に説明し、重複する説明を省略する。同様に、劣化状態判別方法についても、以下実施形態2と異なる処理について中心に説明し、重複する説明を省略する。
本実施形態における組電池11の劣化状態判別システム1は実施形態2に温度センサ(温度測定手段)50を加えた構成をしており、その他の構成は同じである。
図14に示すように、温度センサ50が組電池11に備えられる。温度センサ50は、たとえば、温度センサーや環境温度センサーである。温度センサーは、組電池11の近傍に設置しても良く、赤外線で検知するタイプ等であれば組電池11から離れた位置に設置されても良い。
温度センサーや環境温度センサーによって、充放電中または充放電が終了してから劣化状態の判別がされる際の組電池11の温度を測定する。また、電池運転温度の変化、電池周囲の環境温度の変化を測定しても良い。測定した周辺の温度を利用する事で、組電池11の温度を判別する。また、電池を使用する仕向け地の気候データから判別・補正しても良い。
図15は、実施形態5における放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法を示すフローチャート図である。
本実施形態における、劣化状態判別方法については、実施形態2と異なる処理を中心に説明する。
図15に示すように、組電池11による放電を開始し(ステップS102)、組電池11から放電される放電電流量Iを測定し(ステップS303)、組電池11の放電を終了する(ステップS104)。次に、放電終了時の組電池11の端子間電圧E1を測定し(ステップS105)、所定時間後の端子間電圧E2を測定する(ステップS106)。
次に、組電池11の温度Tを測定する(ステップS706)。温度センサ50により測定された組電池11の温度データT(℃)は、電池制御装置4のメモリー4bに保存される。組電池11の温度Tを測定する段階は、放電開始段階(ステップS102)から所定時間後の端子間電圧E2を測定する段階(ステップS106)の間に測定しても良い。
次に、式(2)に基づいて電池抵抗Rを算出する(ステップS308)。
次に、式(9)に基づいて電池抵抗Rbを算出する(ステップS7S08)。測定された組電池11の温度Tを利用して、算出された電池抵抗Rを下記の式(9)に基づいて補正される。
Rb=R+α×(T−25)・・・(9)
ここで、Rbは補正後の電池抵抗、αは温度補正係数である。αは組電池11(二次電池10)の劣化状態や組電池11(二次電池10)を構成する材料に依存する値である。この補正により、あらゆる環境において、標準的な電池抵抗を算出することができる。
次に、補正し算出した電池抵抗Rbと所定の基準電池抵抗値とを比較する(ステップS709)。所定の基準電池抵抗値は、組電池11を構成する活物質の材料や構成、構造などに依存する。そのため、あらかじめ劣化している組電池11および劣化していない組電池11を測定した電池抵抗値に基づいて決定しメモリーに保存することが良い。比較は、算出した電池抵抗Rbと所定の基準電池抵抗値との大きさを比較する。
次に、比較結果に基づいて組電池11の劣化状態を判別する(ステップS710)。比較した結果、算出した電池抵抗Rbが所定の基準電池抵抗値よりも大きいという場合は、検出対象物である組電池11が劣化していると判別する。反対に、比較した結果、算出した電池抵抗Rが所定の基準変化量よりも小さい場合は、検出対象物である組電池11は劣化していないと判別する。
充電を利用した組電池11の劣化状態判別方法についても、放電を利用した組電池11の劣化状態判別方法に基づいて同様に劣化状態を判別することができる。
本実施形態では、実施形態2の効果に加え、以下のような効果を奏する。組電池11の電池温度(例えば電池運転温度の変化)、電池周辺部(例えば電池周囲の環境温度の変化)の温度の増減によっては、電池抵抗Rが増減する。そこで、組電池11の温度を検出し、電池抵抗Rを補正することによって、高い精度で劣化状態を判別することができる。
なお上述した実施の形態では、組電池11に対して、電圧計2を設けて、組電池11の劣化状態を判別するようにしたが、組電池11を構成する個々の二次電池10にそれぞれ電圧計を備え、電圧計が設けられた二次電池10ごとに劣化状態を判断するようにしてもよい。
最後に、本実施形態の二次電池10の劣化状態判別システム1は、自動車、自転車、電車等の様々な車両システムに用いることができる。また、劣化状態判別システム1を車両に搭載せずに、バッテリー交換ステーション等に設置し、モータ6とインバータ7の代わりに負荷抵抗を判別対象の組電池11または二次電池10に取り付けての劣化状態を判別しても良い。また、携帯電話、ユビキタスコミュニケータ等のモバイルシステムに備えられる二次電池に使用しても良い。さらには、太陽電池発電、風力発電等の電力平準化電源システムに備えられる二次電池に使用しても良い。
1 劣化状態判別システム、
2 電圧計、
3 切り替えスイッチ、
4 電池制御装置(劣化状態判別手段)、
6 モータ、
7 インバータ、
8 車両制御装置、
9 強電ハーネス、
10 二次電池、
11 組電池、
20 電流計、
50 温度センサ(温度測定手段)。

Claims (6)

  1. 二次電池の端子間電圧を測定する電圧測定手段と、
    前記二次電池の充電停止時または放電停止時において前記電圧測定手段が測定した第1電圧値と、前記第1電圧値を測定してから所定の時間経過した後において前記電圧測定手段が測定した第2電圧値と、の差分を変化量ΔVとして算出し、前記変化量ΔVと所定の基準変化量とを比較し劣化状態を判別する劣化状態判別手段と、
    前記二次電池が前記充電中または前記放電中に流す電流量を測定する電流測定手段と、を備え、
    前記劣化状態判別手段は、前記電流測定手段が測定した電流量を電流量Iとし、前記変化量ΔVと前記電流量Iを用いて下記の式(1)に基づいて電圧変化量に対応した電池抵抗Rを算出し、前記電池抵抗Rと所定の基準電池抵抗値とを比較し前記劣化状態を判別し、
    R=ΔV/I・・・(1)
    前記第2電圧値は、前記充電停止時または前記放電停止時からt1時間経過した時点におけるVt1電圧値、t2時間経過した時点におけるVt2電圧値、および、t3時間経過した時点におけるVt3電圧値であり、
    前記変化量ΔVは、前記第1電圧値と前記Vt1電圧値との差分を算出した変化量ΔV1、前記Vt1電圧値と前記Vt2電圧値との差分を算出した変化量ΔV2、および、前記Vt2電圧値と前記Vt3電圧値との差分を算出した変化量ΔV3であり、
    前記電池抵抗Rは、下記の式(2)、(3)、(4)に基づいて算出した第1、第2、第3電池抵抗R1、R2、R3であり、
    R1=ΔV1/I・・・(2)
    R2=ΔV2/I・・・(3)
    R3=ΔV3/I・・・(4)
    前記第1、第2、第3電池抵抗R1、R2、R3と対応する所定の基準電池抵抗値とを比較し前記劣化状態を判別することを特徴とする劣化状態判別システム。
  2. 前記t1時間は前記充電停止時または前記放電停止時から0.01秒以内の時間であり、
    前記t2時間は前記充電停止時または前記放電停止時から0.01秒より大きく、1秒より小さい範囲内の時間であり、
    前記t時間は前記充電停止時または前記放電停止時から1秒以上の時間であることを特徴とする請求項に記載の劣化状態判別システム。
  3. 前記電圧測定手段は、前記二次電池の充電率が90%以上の時点において前記電を停止し前記電停止時の前記第1電圧値を測定、または、前記二次電池の充電率が30%以下の時点において前記電を停止し前記電停止時の前記第1電圧値を測定することを特徴とする請求項1または2に記載の劣化状態判別システム。
  4. 前記二次電池の温度を測定する温度検出手段をさらに備え、
    前記劣化状態判別手段は、前記測定した温度に基づいて算出された電気抵抗を補正することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の劣化状態判別システム。
  5. 前記温度検出手段は、電池温度センサーまたは環境温度センサーであることを特徴とする請求項に記載の劣化状態判別システム。
  6. 二次電池が充電中または放電中に流す電流量を測定する段階と、
    充電停止時または放電停止時の前記二次電池の端子間電圧を第1電圧値として測定する段階と、
    前記第1電圧値を測定してから所定の時間経過した後の前記二次電池の端子間電圧を第2電圧値として測定する段階と、
    前記第1電圧値と前記第2電圧値との差分を変化量ΔVとして算出し、前記変化量ΔVと所定の基準変化量とを比較し劣化状態を判別する段階と、を有し、
    前記劣化状態を判別する段階は、前記電流量を測定する段階において測定された電流量を電流量Iとし、前記変化量ΔVと前記電流量Iを用いて下記の式(1)に基づいて電圧変化量に対応した電池抵抗Rを算出し、前記電池抵抗Rと所定の基準電池抵抗値とを比較し前記劣化状態を判別し、
    R=ΔV/I・・・(1)
    前記第2電圧値は、前記充電停止時または前記放電停止時からt1時間経過した時点におけるVt1電圧値、t2時間経過した時点におけるVt2電圧値、および、t3時間経過した時点におけるVt3電圧値であり、
    前記変化量ΔVは、前記第1電圧値と前記Vt1電圧値との差分を算出した変化量ΔV1、前記Vt1電圧値と前記Vt2電圧値との差分を算出した変化量ΔV2、および、前記Vt2電圧値と前記Vt3電圧値との差分を算出した変化量ΔV3であり、
    前記電池抵抗Rは、下記の式(2)、(3)、(4)に基づいて算出した第1、第2、第3電池抵抗R1、R2、R3であり、
    R1=ΔV1/I・・・(2)
    R2=ΔV2/I・・・(3)
    R3=ΔV3/I・・・(4)
    前記第1、第2、第3電池抵抗R1、R2、R3と対応する所定の基準電池抵抗値とを比較し前記劣化状態を判別することを特徴とする劣化状態判別方法。
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