JP2007017357A - 電池残存容量検出方法及び電池残存容量検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池残存容量と相関の強い内部抵抗である物質移動抵抗に基づいて、電池残存容量SOCを測定する。
【解決手段】二次電池40に負荷抵抗12を接続し、定電流放電させ、当該定電流放電中の前記二次電池の端子間電圧を電圧測定部14で測定する。SOC算出部20は、測定した端子間電圧の定電流放電開始直後と、一定時間経過後の端子間電圧に基づいて前記二次電池における電極内反応物質が反応部位まで移動する動き易さに基づく内部物質移動支配の分極値Edまたは内部物質移動支配の抵抗値Rdを検出する。そして、得られた内部物質移動支配の分極値Edまたは内部物質移動支配の抵抗値Rdに基づき前記二次電池40のSOCを検出する。
【選択図】図1
【解決手段】二次電池40に負荷抵抗12を接続し、定電流放電させ、当該定電流放電中の前記二次電池の端子間電圧を電圧測定部14で測定する。SOC算出部20は、測定した端子間電圧の定電流放電開始直後と、一定時間経過後の端子間電圧に基づいて前記二次電池における電極内反応物質が反応部位まで移動する動き易さに基づく内部物質移動支配の分極値Edまたは内部物質移動支配の抵抗値Rdを検出する。そして、得られた内部物質移動支配の分極値Edまたは内部物質移動支配の抵抗値Rdに基づき前記二次電池40のSOCを検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池のための電池残存容量算出に関する。
二次電池の充電状態(SOC:State of Charge)、言い換えると電池残存容量を知ることは重要であるが、これを直接測定することは困難である。しかし、二次電池のSOCと開放電圧(開回路電圧ともいう)と密接な関係があり、この開放電圧を測定または演算して求め、開放電圧−SOCの相関からSOCを求めることが知られている。
例えば、下記特許文献1において、その従来技術には、開放電圧Eを下記式(i)
E=V+I・r ・・・・(i)
を用いて算出することが開示されている。なお、式(i)において、I,Vは、それぞれ充放電時に二次電池に流れる電流および電圧である。また、式(i)において、rは二次電池の内部抵抗であり、この内部抵抗rには、一定の設定値r0、例えばSOC=100%、電池温度20℃の時の内部抵抗を用いている。しかし、内部抵抗rは、電池温度やその時の実際のSOCに依存する。よって、一定の設定値r0を用いて上記式(i)に基づいて算出された開放電圧Eと実際の開回路電圧Eoとの間に誤差が生じ、開放電圧Eの誤差分だけSOCの算出精度が低下することが指摘されている。
E=V+I・r ・・・・(i)
を用いて算出することが開示されている。なお、式(i)において、I,Vは、それぞれ充放電時に二次電池に流れる電流および電圧である。また、式(i)において、rは二次電池の内部抵抗であり、この内部抵抗rには、一定の設定値r0、例えばSOC=100%、電池温度20℃の時の内部抵抗を用いている。しかし、内部抵抗rは、電池温度やその時の実際のSOCに依存する。よって、一定の設定値r0を用いて上記式(i)に基づいて算出された開放電圧Eと実際の開回路電圧Eoとの間に誤差が生じ、開放電圧Eの誤差分だけSOCの算出精度が低下することが指摘されている。
そこで、特許文献1では、内部抵抗rについての誤差を小さくするために下記式(ii)
r=r0・A2/A1 ・・・・(ii)
を用いて内部抵抗rを算出することが開示されている。なお、式(ii)において、roは、電池に関して予め与えられる所定抵抗値、A1は電池温度Tに基づく第1の抵抗比、A2は、所与の基準充電状態に基づく第2の抵抗比である。ここで、基準充電状態は、SOC算出時より過去に算出されたSOCや計測された開放電圧などが用いられている。
r=r0・A2/A1 ・・・・(ii)
を用いて内部抵抗rを算出することが開示されている。なお、式(ii)において、roは、電池に関して予め与えられる所定抵抗値、A1は電池温度Tに基づく第1の抵抗比、A2は、所与の基準充電状態に基づく第2の抵抗比である。ここで、基準充電状態は、SOC算出時より過去に算出されたSOCや計測された開放電圧などが用いられている。
また、下記特許文献2にも、バッテリ端子間電圧とバッテリ負荷電流及びバッテリ内部抵抗からバッテリ開放電圧(開回路電圧)を推定し、この推定バッテリ解放電圧からバッテリの残存容量を推定することが開示されている。
さらに、特許文献2において、上記推定バッテリ開放電圧は、バッテリの無負荷運転時の開放電圧とバッテリの負荷運転時における端子電圧からバッテリ内部抵抗降下分を差し引いた負荷運転時の推定開放電圧に、重み付けして算出している。ここで、バッテリ内部抵抗は、対象となるバッテリのSOCと内部抵抗との特性マップを用い、前回取得したSOC値に基づいて演算して推定している。また、バッテリ内部抵抗の他の推定方法としては、バッテリ解放電圧が変化しないと仮定できる短時間の前後の各時点におけるバッテリ端子間電圧及びバッテリ負荷電流を用いて計算より推定することが示されている。
SOCと内部抵抗rに相関があることは上記特許文献1及び特許文献2からも明らかであるが、従来、内部抵抗値からSOCを求めることは提案されていなかった。即ち、特許文献1や特許文献2は、内部抵抗値からSOCを直接求めるのではなく、閉回路電圧から内部抵抗値や、負荷電流等の演算を経て、開回路電圧を算出し、この開回路電圧とSOCとの相関からSOCを推定しているに過ぎない。
本発明は、内部抵抗の一種である電池内の物質移動抵抗に基づいてSOCを検出する方法を提供する。
本発明は、上記目的を達成でき、二次電池の電池残存容量検出方法であって、前記二次電池を所定の定電流によって定電流放電させ、前記二次電池の端子間電圧の前記定電流放電中における電圧を測定し、前記測定した電圧に基づいて、前記二次電池の内部物質の移動速度に基づく内部物質移動支配の分極値または内部物質移動支配の抵抗値を算出し、前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値に基づき前記二次電池の残存容量を求める。
また、本発明の他の態様では、二次電池の電池残存容量検出方法であって、前記二次電池の開回路時における前記端子間の電圧である開回路電圧と、所定の定電流による前記二次電池の前記定電流放電中における前記端子間の電圧を測定し、前記測定した電圧に基づいて、前記二次電池の内部物質の移動速度に基づく内部物質移動支配の分極値または内部物質移動支配の抵抗値と、前記二次電池の内部物質移動支配以外の分極値または内部物質移動支配以外の抵抗値と、を算出し、前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値と、対応する所定の閾値との比較結果と、前記内部物質移動支配以外の分極値または前記内部物質移動支配以外の抵抗値と、対応する所定の閾値との比較結果と、に基づいて、前記二次電池の劣化状態を判定し、前記劣化状態と、前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値とに基づいて前記二次電池の残存容量を求める。
このように、本発明では、内部抵抗の1つであり、残存容量と高い相関関係を有する電池内の内部物質移動速度が支配する物性値(例えば分極値や抵抗値)を利用して二次電池の残存容量を検出する。
上述のように、SOCと内部抵抗に相関があることが知られていたにも拘わらず、従来、内部抵抗値に基づいてSOCを直接求めていなかった。その理由は、SOCと内部抵抗とに相関があっても、その相関が低いと考えられていたためと推測される。さらに、本発明者らは、相関が低いと見なされていたのは、SOC算出に際して用いられる電池内部抵抗値に問題があり、この内部抵抗の成分を正確に判断していないからであるとの見解に達した。
また、内部抵抗は、以下のように分類することができる。即ち、(1)オーム損抵抗(集電構造、電解液比抵抗、電極面積等に由来する)、(2)反応抵抗(電池反応の起こり易さを反映。電気化学的な交換電流密度でも同義)、(3)物質移動抵抗(電池内の電極反応物質が反応部位まで移動する動き易さを反映)、の3つである。さらに、本発明者らの研究の結果、この3つの内、最もSOCと強い相関を持つ内部抵抗成分が、電池内での物質移動抵抗であることが明らかになった。
従来、内部抵抗について、上記オーム損抵抗と、それ以外の抵抗とを分離して考慮する試みはあったが、反応抵抗と物質移動抵抗とを区別することは行われていなかった。このことが、内部抵抗値とSOCとで高い相関関係が得られていなかった理由の一つと考えられる。
これに対し、本発明では、上記物質移動抵抗として、内部物質移動が電池の内部抵抗を支配する条件下で電池の分極値又は抵抗値を測定し、これをSOCの検出に用いる。
本発明によれば、電池の内部物質移動支配の分極値または抵抗値に基づいて残存容量(SOC)を算出することで、電力源として真に使用できる電池の残存容量を検知することができる。
また、本発明では、電池の内部物質移動支配の分極値または抵抗値を利用することで、電池の劣化状態を判定することも可能である。判定した劣化状態に応じた補正処理を施すことで、いわゆるメモリ効果の発生など、電池の一時的な特性変化状態であっても、電池から電力源として真に使用できる電池残存容量を検知することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るSOC検出方法を実施するSOC検出装置10と、その検出対象である二次電池を含む構成の概略図を示している。二次電池40は、電気自動車やハイブリット自動車などの走行用のモータ52に、インバータ50を介して駆動電力を供給する電源として用いられ、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等が用いられる。
本発明者らは、このような二次電池40の電気化学的パラメータの中で、電池反応用の内部物質移動が支配する状況下における(以下内部物質移動支配)分極値又は抵抗値と、残存容量(SOC)とが高い相関関係を持つことを見出した。そして、本実施形態に係るSOC検出方法では、電池の内部抵抗のうち、上記内部物質移動支配の分極値又は抵抗値を反映するパラメータを測定し、SOCを検出する。また、上述の特許文献3において本発明者が開示するように、内部物質移動支配の分極値又は抵抗値を利用することで、メモリ効果などの一時的特性変化を判断することができる。さらに、回復不能な特性劣化の判断も可能であり、さらにこれらの特性変化(劣化)を考慮してSOC値を補正することもできる。
本実施形態に係るSOC検出装置10は、内部物質移動支配の分極値又は抵抗値を測定する際に二次電池40に選択的に接続される負荷抵抗12、二次電池40の端子間電圧を常時測定する電圧測定部14、二次電池40に流れる電流を常時測定する電流測定部16を有し、これらの測定結果を利用してSOCを求めるSOC算出部20を備える。また、算出するSOCの補正などのため、二次電池40を測定する温度測定部18を設けることもできる。更に、SOC測定時に、二次電池40に負荷抵抗12を選択的に接続するための第1スイッチ32と、SOC測定時に、インバータ50及びモータ52を二次電池40から選択的に切り離す(非接続)ための第2スイッチ34を有する。この第1、第2スイッチ32,34の開閉制御は、SOC算出部20によって行われることが好ましい。しかし、SOC算出部20が、電流容量の大きいこれらスイッチ32,34を直接開閉制御しなくとも良く、この場合、他のスイッチ制御部を介して開閉制御を行い、かつSOC算出部20に対し、スイッチの開閉状況(特にそのタイミング)をスイッチ制御部から通知する構成とすればよい。
次に、図1に示す構成のより具体的な動作について説明する。SOC検出装置10を含むシステムでは、基本的にSOC検出時のみ、第1スイッチ32を閉状態、第2スイッチ34を開状態とする。それ以外の期間(車両動作時など)は、第1スイッチ32を開状態、第2スイッチ34を閉状態に制御し、負荷抵抗12は二次電池40から切り離され、モータ52がインバータ50を介して二次電池40に接続される。車両の始動時や加速時には、二次電池40からの電力がインバータ50を介して走行用モータ52に供給され、車両の減速時には、モータ52が発電機として機能し、得られた電力が二次電池40に回生される。このようにして、二次電池40は充放電を繰り返すこととなる。
二次電池40のSOC検出時には、上述のように第1スイッチ32を閉状態、第2スイッチ34を開状態とし、これにより二次電池40の端子間に負荷抵抗12を接続し、二次電池40を定電流放電させる。この定電流放電時に流すべき電流は、二次電池40において、内部抵抗を内部物質移動の起こりやすさ(内部物質移動速度又は内部物質移動抵抗)が支配する所定の低電流密度の条件に設定する。これは、二次電池40に流れる電流が所定の電流密度条件を満たすことを可能とする抵抗値の負荷抵抗12を採用することで実現できる。
ここで、内部物質移動抵抗が電池内部抵抗において支配的となる電流密度は、図2に示すような測定対象の二次電池の分極曲線から決定することができる。なお、図2において、縦軸は電流密度(mA/cm2)の対数であり、横軸は分極(mV)で表している。
図2の分極曲線は、二次電池40として、ニッケル水素電池を用い、その正極(水酸化ニッケル電極)を用いた電気化学計測用の三極式電池を作成し、実用電池の使用域に準じてしかるべき充電状態とし、正極の還元方向への分極曲線を、一般的手法にて計測して得た曲線である。分極曲線は、実際に採用する電池によって異なるが、図2と同様に、電流密度iの低下に伴って分極値(分極幅)が大きくなり、分極値ηが所定のη0より大きくなると、電流密度と分極値との関係が線形関係から外れ始めるという特性を持つ。この分極幅がη0より大きい領域では、一般論で言う物質移動速度に依存し、電流が規制されている状態が反映されている。
そこで、本実施形態では、この分極値がη0より大きくなるような定電流(電流密度i0)を二次電池40に流し、その時の端子間電圧を測定することで、内部物質移動支配下での分極値又は抵抗値を求める。上記分極値がη0より大きくなる規制電流(電流密度)i0の5%〜90%、より好ましくは50%〜90%の電流が二次電池40に流れるような抵抗値の負荷抵抗12を予め選択しておくことが必要である。一例として、本実施形態では、規制電流(電流密度)i0の70%(i0×0.7)程度の電流が二次電池40に流れるような抵抗値(30mΩ)の負荷抵抗12を採用した。もちろん、抵抗値はこれに限られず、二次電池40及びSOC検出装置を含む図1の回路構成の特性に応じた最適な抵抗値とすることが好適である。
次に、上記のような抵抗値の負荷抵抗12を二次電池40の端子間に接続し、低電流放電させた時に測定される端子間電圧及び通電電流の経時変化について図3を参照して説明する。なお、図3において、横軸は経過時間(秒)、左の縦軸は端子間電圧(V)、右の縦軸は電池に流れる電流(通電電流)(A)である。
まず、図3において、二次電池40の開回路電圧(開放電圧)Eoは、第1及び第2スイッチ32、34の両方を開状態とした状況で電圧測定部14によって測定される電池の端子間電圧である。タイミングt0において、第1スイッチ32を閉状態とすることで、負荷抵抗12が二次電池40に接続され、定電流放電が始まる。この定電流値は、上述の通り、内部抵抗を内部物質移動速度が支配するような値に設定してあるため、定電流放電開始直後のタイミングt1において、端子間電圧は、この内部物質移動速度が支配する条件下での電圧となる。例えば、タイミングt0で第1スイッチ32を閉じてから、0.1秒後のタイミングt1では、内部抵抗は内部物質移動速度が支配的になる。
そこで、タイミングt1における端子間電圧E1を測定し、所定期間(例えばt0から20秒)経過後のタイミングt2において端子間電圧E2を測定し、その差から内部物質移動支配分極値Edを算出する。具体的には下記式(1)で算出することができる。
Ed=E1−E2 ・・・・(1)
Ed=E1−E2 ・・・・(1)
なお、E1は、負荷抵抗接続直後(タイミングt1)の電圧降下後の端子間電圧、E2は、負荷抵抗接続から一定時間後(タイミングt2)の端子間電圧である。ここで、電池内部の物質移動支配下で電池反応が継続している期間がt0からt2に至るまでの期間であり、上記のように本実施形態では、t2は、t0から20秒後に設定している。なお、この式に基づいて求められた内部物質移動支配分極Edは、例えば55.7mVであった。
また、第1スイッチ32を閉じてから時刻t1までにおける電圧降下は、オーム損抵抗および反応抵抗を要因とする電圧降下である。オーム損抵抗および反応抵抗を要因とする電圧降下は、二次電池40に負荷抵抗12を接続してから0.1秒程度(=t1)でほとんど終了するものと考えられる。このため、時刻t0から時刻t1の期間における電圧降下Eo−E1を求めることによって、内部物質移動支配以外の分極値Ectを測定することができる。なお、内部物質移動支配以外の分極値Ectは、例えば74.8mV、開回路電圧Eoは、例えば1382mVであった。
本実施形態では、上述のようにして算出した内部物質移動支配分極Edを利用して、二次電池の劣化状態を考慮したSOC算出処理を行う。このSOC算出処理手順について図4を参照して説明する。
SOCの測定開始前は、第1スイッチ32が開かれ、第2スイッチ34が閉じられている。従って、二次電池40には、負荷抵抗12は接続されておらず、モータ52がインバータ50を介し接続されている。
まず、SOC算出部20は、SOCの測定を開始する直前において、二次電池40が放電状態Sdであったか充電状態Scであったかを示す直前状態、電池温度Tb、開回路電圧Eoを取得する(S1)。ここで、二次電池40の直前状態は、第2スイッチ34が開かれる直前において電流測定部16から入力された電流値の正負によって判断する。また、電池温度Tbは、温度測定部18から、開回路電圧Eoは、電圧測定部14からSOC算出部20に供給される。なお、電池温度Tb、開回路電圧Eoは、第2スイッチ34を開いた後に取り込んでもよい。
次に、第2スイッチ34を開き、約1秒後に第1スイッチ32(放電SW)が閉じられる(S2)。これによって、二次電池40からモータ52が切り離され、負荷抵抗12が接続される。負荷抵抗12の抵抗値rは上記のように規制電流i0の70%程度設定されているため、二次電池40はi0×0.7となるような定電流で放電される。この放電期間において、二次電池40に流れる電流は電流測定部16で測定され、二次電池40の端子間電圧は電圧測定部14で測定され、SOC算出部20へ供給される。SOC算出部20は、時刻t1(例えば、第1スイッチ32が閉じられてから0.1秒後)における電圧E1および時刻t2(例えば、20秒後)における電圧E2を取得する(S3)。
電圧E2の取得を終了した場合には、第1スイッチ32が開かれ、二次電池40から負荷抵抗12が切り離される(S4)。
そして、SOC算出部20は、内部物質移動支配の分極値Edおよび内部物質移動支配以外の分極値Ectを算出する(S5)。この算出は、上述したとおり、
Ed=E1−E2 ・・・(1)
Ect=Eo−E1 ・・・(2)
によって行われる。
Ed=E1−E2 ・・・(1)
Ect=Eo−E1 ・・・(2)
によって行われる。
SOC算出部20は、内部物質移動支配の分極値に対応する閾値Edppおよび内部物質移動支配以外の分極値に対応する閾値Ectppを次のようにして算出する。即ち、SOC算出部20は、内部の記憶部に保持されている直前状態(放電状態Sdまたは充電状態Sc)、電池温度Tbに対応する内部物質移動支配の分極値の閾値Edppの対応マップに基づいて、取得した電池温度Tbおよび直前状態に対応する閾値Edppを取得する。同様に、内部の記憶部に保持されている直前状態、電池温度Tbに対応する内部物質移動支配以外の分極値の閾値Ectppの対応マップに基づいて、取得した電池温度Tbおよび直前状態に対応する閾値Ectppを取得する。
内部物質移動支配の分極値は、電池の内部物質の移動のしやすさについてのものであり、キャリアの量移動速度に支配される。従って、メモリ効果によって活性な電極面積が減少すること等によって大きくなる。そこで、実際の充放電実験により、メモリ効果が発生したことが明らかな値を予め求め、それを閾値Edppとして、決定する。また、内部物質移動支配以外の分極値Ectは、電極物質、電解液などの回復不能な劣化によって大きくなるが、メモリ効果では、あまり変化しない。この内部物質移動支配以外の分極値Ectについても、実際の充放電実験により、明らかに劣化した時の値を予め求め、それを閾値Ectppとして、決定する。なお、この閾値Edpp、Ectppは、直前状態および電池温度Tbによって変化するため、SOC算出部20は、これらを入力としたマップとして記憶している。
SOC算出部20は、S5において算出した内部物質移動支配の分極値Edと内部物質移動支配の分極値の閾値Edpp、内部物質移動支配以外の分極値Ectと内部物質移動支配以外の分極値の閾値Ectppを比較することによって二次電池40の劣化状態を判断する(S6)。
すなわち、S6において、内部物質移動支配の分極値Edがその閾値Edppより小さく、かつ内部物質移動支配以外の分極値Ectがその閾値Ectppより小さい場合(Ed<EdppかつEct<Ectpp)、二次電池40には劣化が発生していないと判断する(S7)。そして、内部に記憶している内部物質移動支配の分極値EdとSOCの関係を示すマップを利用し、Edに対応するSOCを読み出しSOCを決定する(S8)。なお、内部物質移動支配の分極値EdとSOCの関係は、直前が充電状態Scであったか、放電状態Sdであったかによって異なる。従って、Ed−SOCマップは、Sc用と、Sd用でそれぞれ用意しておき、直前状態に応じていずれかを選択して使用する。
ここで、内部物質移動支配の分極値EdからのSOC決定手法について説明する。内部物質移動支配の分極値EdとSOCの対応は、予め実験などによって求めておき、SOC算出部20内に記憶しておく。
内部物質移動支配の分極値EdとSOCの対応の一例を図5に示す。このように、内部物質移動支配の分極値Edは、SOCが非常に小さい場合に最も高い値を示し、SOCが増加するにつれて急な傾きで極値まで減少し、それ以上SOCが増加すると緩やかに上昇する。図5に示した曲線は、二次曲線ともみなせ、一つの内部物質移動支配の分極値Edの値から二通りのSOCの値が読み取れる領域がある。例えば、内部物質移動支配の分極値Edとして図5に示すEd1の値が得られた場合、Ed1に対応するSOCとして一意のSOC1の値が得られるが、内部物質移動支配の分極値Edとして図5に示すEd2の値が得られた場合、Ed2に対応するSOCとしてSOC2とSOC3の2通りの値が得られ、SOCが特定できない。
その場合、S1においてすでに取得されている開回路電圧Eoに基づいてどちらのSOCを選択するべきか判別する。すなわち、SOCが高いほど、開回路電圧Eoは高い。二次電池40の種類によっても異なるが、実験により、SOCと開回路電圧Eoとの関係を調べ、それを記憶しておく。そして、検出した開回路電圧Eoに基づき、対応するSOCを求め、この開回路電圧Eoから求めたSOCと、分極値Edから求めた2つのSOCを比較し、より近い分極値Edから求めたSOCを選択することで、SOCを一意に決定することができる。
このようにして、SOCが算出できた場合には、SOC算出部20は、車両のインパネなどに設けられるSOC表示部などにSOCを表示する(S9)。なお、通常の場合は、前回のSOCが表示されているため、この値を更新することになる。
このように、二次電池40に劣化が発生していない場合、内部物質移動支配の分極値EdとSOCの相関に基づいて、内部物質移動支配の分極値Edから直接、SOCを求めることができる。
次に、S6において、内部物質移動支配の分極値Edがその閾値Edppより大きく、かつ内部物質移動支配の以外の分極値Ectがその閾値Ectppより大きい場合(Ed>EdppかつEct>Ectpp)、二次電池40に回復不可能な劣化が発生していると判断する(S10)。回復不可能な劣化の状態とは、二次電池40の電極物質などが充放電反応を行えない物質に変質するなどの劣化を起こし、充電可能な電池容量が大きく減少してしまっている状態を表す。例えば、電池容量が新品に対し70%にまで、減少した際の内部物質移動支配の以外の分極値Ectを予め求めておき、その値から、閾値Ectppを決定する等が考えられる。
この場合も、SOC算出部20は、S8と同様にして、検出したEdに基づいてSOCを決定する(S11)。そして、決定されたSOCを表示するが、その表示に、回復不可能な劣化が発生した旨を含める。これによって、回復不可能な劣化が発生したことをユーザに通知することができる。
S6において、内部物質移動支配の分極値Edがその閾値Edppより大きく、かつ内部物質移動支配以外の分極値Ectがその閾値Ectppより小さい場合(Ed>EdppかつEct<Ectpp)、二次電池40は一時的な劣化状態にあると判断する(S13)。
この場合、SOC算出部20は、内部物質移動支配の分極値Edを補正した上で、S8と同様のSOC算出の処理を経て、SOCを算出する(S14)。
一時的な劣化状態とは、メモリ効果などによって、電極の一部が不活性な状態になり、電池電圧が低下する劣化をいう。メモリ効果は、浅い放電を繰り返すことによって放電停止点付近における電池電圧が低下してしまう現象であり、深い放電を二次電池40に対して施すことで回復することが可能である。
二次電池40にメモリー効果が発生したことによって、電池電圧が低くなるが、放電が進めば回復することができ、二次電池40から有効に取り出すことのできる電気量は、劣化の無い状態における二次電池40から有効に取り出すことのできる電気量と変わらない。
そこで、二次電池40が一時的な劣化状態にある場合、内部物質移動支配の分極値Edに一時劣化係数αを乗じて、内部物質移動支配の分極値Edの値を補正する。そして、補正後の内部物質移動支配の分極値(α×Ed)を利用して、S8と同様の処理を実行し、SOCを算出する。尚、一時劣化係数αは各二次電池40に固有の値であり、二次電池40ごとに予め設定され、SOC算出部20の内部に保持されている。
S14において、SOCを決定した場合には、決定したSOCおよび一時的な劣化が発生した旨を表示する(S15)。また、SOC算出部20は、一時劣化発生回数を記録しておく。連続した一時劣化発生回数が増加すると、電池電圧の低下が大きくなり、インバータ50への入力電圧が低下する。これによって、モータ52の駆動におけるエネルギー効率が低下する。そこで、連続した一時劣化発生回数が所定以上になった場合には、二次電池40の放電を促すような制御状態を一時的に生起し、メモリー効果を解消することなどが可能になる。
このように、本実施形態では、内部物質移動支配の分極値Edおよび内部物質移動支配以外の分極値Ectに基づいて二次電池40の劣化状態を判定することによって、回復不可能な劣化の状態と一時劣化状態を区別することができる。
また、内部物質移動支配の分極値Edおよび内部物質移動支配以外の分極値Ectに基づいて二次電池40の劣化状態を判定し、一時劣化状態であれば内部物質移動支配の分極値Edを補正してからSOCを算出することで、二次電池40の劣化状態が一時的な劣化状態であっても、二次電池40から真に使用できるSOCを正確に算出することができる。
ここで、本発明は上記した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、上記した実施形態では式(1)の関係に基づいて内部物質移動支配の分極値を求めたが、電圧測定部14から得られた電圧と電流測定部16から得られた電流との関係から二次電池40の内部物質移動支配の抵抗値Rdを算出するようにしてもよい。
この場合、SOC算出部20は、放電開始からt1秒後に測定された電流I1、電圧E1、t2秒後に測定された電流I2、電圧E2にもとづいて内部物質移動支配の抵抗Rdを以下の式に基づいて算出する。
Rd=E1/I1−E2/I2・・・(3)
Rd=E1/I1−E2/I2・・・(3)
またSOC算出部20は、開回路電圧Eo、放電開始からt1秒後に測定された電流I1・電圧E1にもとづいて内部物質移動支配以外の抵抗Rctを以下の式に基づいて算出する。
Rct=(Eo−E1)/I1・・・(4)
Rct=(Eo−E1)/I1・・・(4)
内部物質移動支配の抵抗Rdとその閾値、および内部物質移動支配以外の抵抗Rctとその閾値を比較し、二次電池40の劣化状態を判定する。そして、Ed=Rd×I1より、内部物質移動支配の分極値を算出し、Ed−SOCの相関に基づいて電池容量を算出する。
このように、抵抗値Rd、Rctを用いると、測定した際の電流量を考慮することができる。電圧E1、E2は、電流量Iが大きくなると低下する傾向があり、抵抗Rd、Rctを用いることで、より正確なSOC検出を行うことができる。
本実施の形態においては、二次電池40が一時的な劣化状態にある場合の一例として、メモリー効果が発生している場合を挙げているが、一時的な劣化状態が発生する別の例として、二次電池40を未使用状態のまま放置した場合もある。未使用状態のまま放置した場合も、電圧低下の原因は、メモリー効果の場合と非常に似ているため、メモリー効果と同様に一時的な劣化状態として検出される。また、二次電池40の使用により、電池物質の活性化が行え、電力源として真に使用できる電池の残存容量は変わらないため、同様に一時劣化係数を用いて内部物質移動支配の分極値Edを補正すればよい。なお、未使用状態のまま放置した場合における一時劣化係数の値は、メモリー効果が発生した場合における一時劣化係数αの値とは異なる。どちらの一時劣化係数αの値を使用すべきか否かは、S15において記憶した一時劣化状態の発生回数によって決めることが可能である。例えば、発生回数が0の場合に、未使用放置による劣化と判断すればよい。なお、二次電池40を取り替えた場合には、記憶しているマップなどとともに、一時劣化状態の発生回数もクリアする。
10 SOC検出装置、12 負荷抵抗、14 電圧測定部、16 電流測定部、18 温度測定部、20 SOC算出部、32 第1スイッチ、34 第2スイッチ、40 二次電池、50 インバータ、52 モータ。
Claims (11)
- 二次電池の電池残存容量検出方法であって、
前記二次電池を所定の定電流によって定電流放電させ、前記二次電池の端子間電圧の前記定電流放電中における電圧を測定し、
前記測定した電圧に基づいて、前記二次電池の内部物質の移動速度に基づく内部物質移動支配の分極値または内部物質移動支配の抵抗値を算出し、
前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値に基づき前記二次電池の残存容量を求めることを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 二次電池の電池残存容量検出方法であって、
前記二次電池の開回路時における前記端子間の電圧である開回路電圧と、所定の定電流による前記二次電池の前記定電流放電中における前記端子間の電圧を測定し、
前記測定した電圧に基づいて、
前記二次電池の内部物質の移動速度に基づく内部物質移動支配の分極値または内部物質移動支配の抵抗値と、
前記二次電池の内部物質移動支配以外の分極値または内部物質移動支配以外の抵抗値と、を算出し、
前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値と、対応する所定の閾値との比較結果と、前記内部物質移動支配以外の分極値または前記内部物質移動支配以外の抵抗値と、対応する所定の閾値との比較結果と、に基づいて、前記二次電池の劣化状態を判定し、
前記劣化状態と、前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値とに基づいて前記二次電池の残存容量を求めることを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 請求項2記載の電池残存容量検出方法において、
前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値が対応する前記閾値より小さく、且つ前記内部物質移動支配以外の分極値または前記内部物質移動支配以外の抵抗値が対応する前記閾値より小さいと、前記二次電池を非劣化状態であると判定し、
前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値が対応する前記閾値より大きく、且つ前記内部物質移動支配以外の分極値または前記内部物質移動支配以外の抵抗値が対応する前記閾値より大きいと、前記二次電池を回復不可能な劣化状態であると判定し、
前記内部物質移動支配の分極値または前記内部物質移動支配の抵抗値が対応する所定の閾値より大きく、且つ前記内部物質移動支配以外の分極値または前記内部物質移動支配以外の抵抗値が対応する所定の閾値より小さいと、前記二次電池を一時的劣化状態であると判定することを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 請求項3記載の電池残存容量検出方法において、
前記定電流放電の開始前の前記二次電池の充放電状態および電池温度およびおよび前記開回路電圧の少なくともいずれかに基づいて、
前記内部物質移動支配の分極値または抵抗値に対応する前記閾値と、前記内部物質移動支配以外の分極値または抵抗値に対応する前記閾値とを選択することを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池残存容量検出方法において、
電池残存容量検出対象である前記二次電池に流れる電流の電流密度が、前記二次電池の正極の分極と非劣化状態の二次電池に流れる電流の電流密度の対数との関係が、線形関係から非線形関係に変化する電流密度の5〜90%の値を満たす抵抗値の負荷抵抗を、前記二次電池の端子間に接続して前記定電流放電を行うことを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電池残存容量検出方法において、
前記定電流放電の開始直後における前記二次電池の端子間電圧を第1電圧E1、
前記定電流放電の開始から所定時間経過後における前記二次電池の端子間電圧を第2電圧E2で表す場合に、
前記内部物質移動支配の分極値Edは、E1及びE2から、下記式(1)
Ed=E1−E2 ・・・(1)
を演算して求めることを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電池残存容量検出方法において、
前記定電流放電の開始直後における前記二次電池の端子間電圧を第1電圧E1、前記定電流放電の開始直後に前記二次電池に流れる電流を第1電流I1、
前記定電流放電の開始から所定時間経過後における前記二次電池の端子間電圧を第2電圧E2、前記定電流放電の開始から所定時間経過後に前記二次電池に流れる電流を第2電流I2で表す場合に、
前記内部物質移動支配の抵抗値Rdは、E1,E2、I1,I2から、下記式(2)
Rd=E1/I1−E2/I2 ・・・(2)
を演算して求めることを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の電池残存容量検出方法において、
前記開回路電圧をEo、
前記定電流放電の開始直後における前記二次電池の端子間電圧を第1電圧E1で表す場合に、
前記内部物質移動支配以外の分極値Ectは、Eo及びE1から、下記式(3)
Ect=Eo−E1 ・・・(3)
に基づき算出することを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の電池残存容量検出方法において、
前記開回路電圧をEo、
前記定電流放電の開始直後の前記二次電池の端子間電圧を第1電圧E1、
前記定電流放電の開始直後に前記二次電池に流れる電流を第1電流I1で表す場合に、
前記内部物質移動支配以外の抵抗値Rctは、Eo、E1及びI1から、下記式(4)
Rct=(Eo−E1)/I1 ・・・(4)
を演算して求めることを特徴とする電池残存容量検出方法。 - 二次電池の電池残存容量検出装置であって、
前記二次電池の端子間電圧を測定する電圧測定部と、
前記二次電池の電池残存容量を算出する電池残存容量算出部と、
切替スイッチにより前記二次電池に選択的に接続可能な負荷抵抗と、を有し、
前記負荷抵抗は、
前記二次電池に流れる電流の電流密度が、前記二次電池の正極の分極と非劣化状態の二次電池に流れる電流の電流密度の対数との関係が、線形関係から非線形関係に変化する電流密度の5〜90%の値を満たす抵抗値を有し、
前記電池残存容量算出部は、
前記二次電池の開回路時における前記端子間の電圧である開回路電圧Eoと、
前記負荷抵抗を前記二次電池に接続して前記二次電池を前記定電流放電させたときの放電開始直後における前記端子間の電圧E1と、前記定電流放電開始から所定期間経過後における前記端子間の電圧E2と、に基づいて、
前記二次電池の内部物質の移動速度に基づく内部物質移動支配の分極値Edを、下記式
Ed=E1−E2を演算して求め、
かつ、前記二次電池の内部物質移動支配以外の分極値Ectを、下記式
Ect=Eo−E1を演算して求める演算部と、
前記内部物質移動支配の分極値と対応する所定の閾値とを比較する第1比較部と、
前記内部物質移動支配以外の分極値と対応する所定の閾値とを比較する第2比較部と、
前記第1および第2比較部での比較結果に基づいて前記二次電池の劣化状態を判定する判定部と、
前記劣化状態と、予め保持する内部物質移動支配の分極値と二次電池の残存容量との相関マップに基づいて、測定した前記内部物質移動支配の分極値から対応する二次電池の残存容量を決定する決定部と、を有することを特徴とする電池残存容量検出装置。 - 二次電池の電池残存容量検出装置であって、
前記二次電池の端子間電圧を測定する電圧測定部と、
前記二次電池に流れる電流を測定する電流測定部と、
前記二次電池の電池残存容量を算出する電池残存容量算出部と、
切替スイッチにより前記二次電池に選択的に接続可能な負荷抵抗と、を有し、
前記負荷抵抗は、
前記二次電池に流れる電流の電流密度が、前記二次電池の正極の分極と非劣化状態の二次電池に流れる電流の電流密度の対数との関係が、線形関係から非線形関係に変化する電流密度の5〜90%の値を満たす抵抗値を有し、
前記電池残存容量算出部は、
前記二次電池の開回路時における前記端子間の電圧である開回路電圧Eoと、
前記負荷抵抗を前記二次電池に接続して前記二次電池を前記定電流放電させたときの放電開始直後における前記端子間の電圧E1及び電流I1と、
前記定電流放電開始から所定期間経過後における前記端子間の電圧E2及び電流I2と、に基づいて、
前記二次電池の内部物質の移動速度に基づく内部物質移動支配の抵抗値Rdを、下記式
Rd=E1/I1−E2/I2を演算して求め、
かつ、前記二次電池の内部物質移動支配以外の抵抗値Rctを、下記式
Rct=(Eo−E1)I1を演算して求める演算部と、
前記内部物質移動支配の抵抗値と対応する所定の閾値とを比較する第1比較部と、
前記内部物質移動支配以外の抵抗値と対応する所定の閾値とを比較する第2比較部と、
前記第1および第2比較部での比較結果に基づいて前記二次電池の劣化状態を判定する判定部と、
前記劣化状態と、予め保持する内部物質移動支配の抵抗値と二次電池の残存容量との相関マップに基づいて、測定した前記内部物質移動支配の抵抗値に基づいて対応する二次電池の残存容量を決定する決定部と、
を有することを特徴とする電池残存容量検出装置。
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