JP2018077170A - バッテリ評価方法およびバッテリ評価装置 - Google Patents

バッテリ評価方法およびバッテリ評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】サンプリング間隔の長短を問わず、直流抵抗と反応抵抗を求めるバッテリ評価方法およびバッテリ評価装置を提供する。
【解決手段】突入電流が初期電流値から最大電流値まで増加した後、最大電流値から定常電流値まで減少する初期期間中に、バッテリ12の放電電流Iと、放電電流Iに対応するバッテリ12の端子間電圧Vbとを複数回繰り返し測定し、初期期間のうちで突入電流が減少する減少期間において、閾値電流以上の大電流領域で測定された放電電流Iと端子間電圧Vbとの関係を示す一次関数により直流抵抗Rdを求め、一次関数にかかる切片の電圧Vsと、通電前の電圧との電圧差を最大電流値で除することにより反応抵抗Rrを求める。この構成によれば、放電電流Iと端子間電圧Vbの標本データに基づく一次関数により直流抵抗Rdと反応抵抗Rrが求められ、サンプリング間隔の長短を問わない。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくともバッテリの直流抵抗と反応抵抗とを求めるバッテリ評価方法およびバッテリ評価装置に関する。
バッテリの抵抗には、バッテリ自体の構造などに起因する純抵抗、化学的な反応に起因する反応抵抗、濃度分極に起因する分極抵抗の3つがある。純抵抗は後述する「直流抵抗」に相当する。バッテリの劣化度を推定するには、純抵抗と反応抵抗を分離して求めることが望まれる。純抵抗は、高周波の交流を用いて求めることが一般的に知られているが、車載用のバッテリでは非常に短時間の周期でサンプリングを行うことは困難であった。
従来では、例えば下記の特許文献1において、車両使用中でもバッテリの純抵抗を測定できることを目的とする車載バッテリ純抵抗測定方法に関する技術が開示されている。この車載バッテリ純抵抗測定方法は、放電電流と端子電圧との相関を示す突入電流の単調増加期間に対する電流−電圧特性の二次式からなる第1の近似式と、突入電流の単調減少期間に対する電流−電圧特性の二次式からなる第2の近似式とを求める。そして、放電電流が流れることにより生じる電圧降下から、化学的な反応に基因して発生する濃度分極成分による電圧降下を除いた第1及び第2の近似式のピーク値に対応する点における単位電流変化当たりの2つの端子電圧変化の値の中間の値を求め、求めた中間の値をバッテリの純抵抗の値として測定する。
特許第4383020号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、電流が単調増加する突入電流期間で複数回の測定を行い、二次式で近似することが必要となる。例えばスタータモータとして直流モータを使用している場合は、突入電流期間が4[msec]以下となる。通常の電流や電圧を測定するセンサではサンプリング間隔が突入電流期間よりも長いため、実用的な測定ができない。一方、サンプリング間隔が短いセンサは存在するものの、高価であるためにコストが嵩む。
本開示はこのような点に鑑みてなしたものであり、サンプリング間隔の長短にかかわらず、少なくとも直流抵抗と反応抵抗を測定できるバッテリ評価方法およびバッテリ評価装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、バッテリ(12)の直流抵抗(Rd)と反応抵抗(Rr)とを求めるバッテリ評価方法において、突入電流が初期電流値(Io)から最大電流値(Imax)まで増加した後、前記最大電流値から定常電流値(Ist)まで減少する初期期間(Ts)中に、前記バッテリの放電電流(I)と、前記放電電流に対応する前記バッテリの端子間電圧(Vb)とを複数回繰り返し測定し、前記初期期間のうちで前記突入電流が減少する期間(Td)において、閾値電流(Ith)以上の大電流領域(Bc)で測定された前記放電電流と前記端子間電圧との関係を示す一次関数(L2)により前記直流抵抗を求め、前記一次関数にかかる切片の電圧(Vs)と、前記初期期間の始期以前の電圧(Vnow)との電圧差(Vd)を、前記最大電流値で除することにより前記反応抵抗を求める。
第2の発明は、バッテリ(12)の直流抵抗(Rd)と反応抵抗(Rr)とを求めるバッテリ評価装置において、突入電流が初期電流値(Io)から最大電流値(Imax)まで増加した後、前記最大電流値から定常電流値(Ist)まで減少する初期期間中に、前記バッテリの放電電流(I)と、前記放電電流に対応する前記バッテリの端子間電圧(Vb)とを複数回繰り返し測定する測定部(13d)と、前記初期期間のうちで前記突入電流が減少する期間(Td)において、閾値電流(Ith)以上の大電流領域(Bc)で前記放電電流と前記端子間電圧との関係を示す一次関数(L2)により前記直流抵抗を求める直流抵抗算出部(13c)と、前記一次関数にかかる切片の電圧(Vs)と、前記初期期間の始期以前の電圧(Vnow)との電圧差(Vd)を、前記最大電流値で除することにより前記反応抵抗を求める反応抵抗算出部(13f)とを有する。
上述した各発明の構成によれば、測定した複数の放電電流と複数の端子間電圧からなる標本データに基づいて回帰分析を行って一次関数を求め、当該一次関数の傾きから直流抵抗を求める。一次関数の切片にかかる電圧と、初期期間の始期以前に測定しておいた電圧との差分を最大電流値で除すれば、反応抵抗が求められる。また、サンプリング間隔の長短にかかわらず、簡単なステップで求めることができる。
なお「バッテリ」は、充電と放電が可能な二次電池やキャパシタである。「直流抵抗」は、電極間における電子の移動に対する電気的な抵抗であり、純抵抗に相当する。「反応抵抗」は、充電時または放電時に行われる化学的な反応に対する電気的な抵抗である。直流抵抗と反応抵抗は、いずれもバッテリの内部抵抗に含まれる。「初期期間の始期以前」は、放電電流の大小を問わず、初期期間の始期(すなわち放電電流のうちの突入電流が初期電流値の時点)または当該始期よりも前のタイミングである。「サンプリング間隔」は、標本データを取得する時間間隔であり、サンプリング周期とも呼ぶ。「負荷装置」は、バッテリとの電気的な接続に伴って突入電流が流れる装置であって、始動装置や起動装置等を含む。
電源システムの構成例を示す模式図である。 評価装置の構成例を示す模式図である。 バッテリ評価処理の手続き例を示すフローチャート図である。 始動判定処理の手続き例を示すフローチャート図である。 劣化度推定処理の手続き例を示すフローチャート図である。 放電電流の経時的な変化例を示すタイムチャート図である。 サンプリング間隔が長い場合の放電電流と端子間電圧との関係例を示すグラフ図である。 サンプリング間隔が短い場合の放電電流と端子間電圧との関係例を示すグラフ図である。 反応抵抗と劣化度との関係例を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。本形態では、車両用の電源システムとし、バッテリに対する評価を行う評価装置および評価方法に適用する。特に明示しない限り、「初期期間の始期以前」には通電前や始動前を含み、「算出」には推定や特定を含む。
(評価装置)
図1に示す電源システム10は、車両に備えられ、エンジン11,バッテリ12,評価装置13,制御装置14,始動装置15などを有する。この電源システム10は、始動装置15によってエンジン11の始動を行う。車両には、例えばエンジン11のみを動力源とする車両や、エンジン11と電動機を動力源とするハイブリッド車両、バッテリ12から供給される電力によって作動する電動機を動力源とする電気自動車を含む。電動機には、電動機能と発電機能を兼ねる回転電機を含む。
エンジン11は、燃料をシリンダー内で燃焼させ、燃焼ガスを直接作動流体として用いて、その熱エネルギーによって仕事をする原動機であればよい。例えば、燃料による区分ではガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が該当し、構造による区分ではレシプロエンジンやロータリーエンジン等が該当する。
バッテリ12は、後述する始動装置15を含めて電力を必要とする機器や部品等に電力を供給し、充電と放電が可能な二次電池やキャパシタである。二次電池は、例えばリチウムイオン電池,リチウムイオンポリマー電池,ニッケル水素電池,鉛蓄電池などが該当する。キャパシタは、例えば電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタが該当する。また、バッテリ12は複数の単位電池が接続されて構成されていてもよい。本形態のバッテリ12は、リチウムイオン電池である。
評価装置13は、「バッテリ評価装置」に相当し、後述する機能を実現できれば任意に構成してよい。本形態の評価装置13はECUとする。ECUは、Electronic Control Unitの頭文字からなる略称の処理装置である。
制御装置14は、通信回線を介して送受信可能に接続される評価装置13の上位装置にあたり、電源システム10全体の制御を司る。評価装置13は通信部13aを介して制御装置14との通信を行う。本形態の制御装置14はECUとする。
始動装置15は、バッテリ12との接続に伴って突入電流が流れる点で「負荷装置」に相当し、制御装置14から伝達される始動信号に基づいてエンジン11を始動する機能を担う。この始動装置15は、スタータモータ15aや制御部15bなどを有する。スタータモータ15aは、エンジン11を始動させるモータである。本形態における「始動」には、駐車等によってエンジンが駆動停止しているときに行う通常の始動と、アイドリングストップを含めてエンジンが一時的に駆動停止しているときに行う再始動を含む。制御部15bは、評価装置13または制御装置14から伝達される信号に従ってスタータモータ15aの駆動を制御する。スタータモータ15aは、電動機でもよく、回転電機でもよい。本形態の制御部15bはECUとする。
図2に示す評価装置13は、通信部13a,始動判定部13b,直流抵抗算出部13c,測定部13d,電力算出部13e,反応抵抗算出部13f,劣化度推定部13g,記録媒体13hなどを有する。本形態の評価装置13はソフトウェア構成とする。ソフトウェア構成は、CPUがプログラムを実行することで各要素の機能を実現する構成である。
測定部13dは、電流センサSi,電圧センサSv,温度センサStを含み、バッテリ12に関する放電電流I,端子間電圧Vb,バッテリ温度Tを測定する機能を担う。電流センサSiは、放電時にバッテリ12から始動装置15に流れる放電電流Iを測定する。電圧センサSvは、バッテリ12の端子間電圧Vbを測定する。端子間電圧Vbは、バッテリ12におけるプラス極端子とマイナス極端子との間の電位差である。電流センサSiと電圧センサSvの測定は、初期期間Ts中にサンプリング間隔をあけて複数回行う。本形態の電流センサSi,電圧センサSv,温度センサStはそれぞれセンサICで構成する。初期期間Tsについては後述する。サンプリング間隔は、センサの種類にもよるが、長短を問わず任意に設定してよい。
直流抵抗算出部13cは、測定部13dで測定した複数の放電電流Iと複数の端子間電圧Vbからなる標本データに基づいて求められる一次関数により直流抵抗Rdを算出する機能を担う。標本データは、初期期間Tsのうちで突入電流が減少する減少期間Td、かつ、放電電流Iが閾値電流以上の電流になる大電流領域に限定する。具体的な直流抵抗Rdの算出法については後述する。
反応抵抗算出部13fは、バッテリ12の反応抵抗Rrを算出する機能を担う。具体的には、直流抵抗算出部13cで求めた一次関数にかかる切片の電圧と初期期間Tsの始期以前の電圧との電圧差を、最大電流値Imaxで除することで反応抵抗Rrを算出する。具体的な反応抵抗Rrの算出法については後述する。反応抵抗算出部13fは、反応抵抗Rrを算出するごとに記録媒体13hに記録する。
記録媒体13hは、所要の処理に必要な情報が記録可能な媒体であればよい。所要の処理に必要な情報には、例えば反応抵抗Rr、直流抵抗Rd、バッテリ温度Tと係数Kとの関係を表す関係情報を含む。関係情報は、例えばマップ,テーブル,データベース等として記録してもよく、一次式以上の関数式を含む数式で定義される情報を記録してもよい。記録媒体13hには、例えばSSDを含むフラッシュメモリや、ハードディスク、光磁気ディスク等を含む光ディスク、RAMなどのうちで一以上が該当する。なお、反応抵抗Rrはエンジン11を始動するごとに算出するため、算出前には電源システム10を備えた車両の駐車等で電源が遮断される場合がある。そのため、記録媒体13hには電源遮断後も記録内容を保持可能な不揮発性メモリを含むのが望ましい。
電力算出部13eは、バッテリ12の放電可能電力Pdを算出する機能を担う。具体的には、直流抵抗算出部13cで算出した直流抵抗Rdと、反応抵抗算出部13fで算出した反応抵抗Rrとを用いて放電可能電力Pdを算出する。具体的な放電可能電力Pdの算出法については後述する。
始動判定部13bは、エンジン11の始動が行えるか否かの判定を行う機能を担う。具体的には、電力算出部13eで算出した放電可能電力Pdが閾値電力Pth以上であるか否かよって判定を行う。閾値電力Pthは、エンジン11を始動する際に駆動するスタータモータ15aに必要な最低限度の電力を設定するとよい。始動判定部13bは、エンジン11の始動が行えるか否かを判定した始動判定結果Jsを制御装置14に伝達する。
劣化度推定部13gは、記録媒体13hに記録された一以上の反応抵抗Rrに基づいて、バッテリ12の劣化度SOHを推定する。劣化度はバッテリ12の劣化状態を示す値であって、State Of Healthの頭文字からなる略称を符号として用いる。具体的な劣化度SOHの推定法については後述する。
(評価方法)
上述した評価装置13の作動時に繰り返し実行される処理について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3に示すバッテリ評価処理では、ステップS18,S19が直流抵抗算出部13cおよび反応抵抗算出部13fに相当する。図4に示す始動判定処理では、ステップS22,S23が電力算出部13eに相当し、ステップS24〜S26が始動判定部13bに相当する。図5に示す劣化度推定処理は劣化度推定部13gに相当する。なお、バッテリ評価処理と劣化度推定処理における終了には、リターンする場合を含む。電流は、バッテリ12に充電する方向をプラスとし、バッテリ12から放電する方向をマイナスと定義する。
図3のステップS10では、操作信号Ciに基づいてエンジン11を始動する操作がされたか否かを判別する。もしエンジン11を始動する操作がされた場合はYESになり、ステップS11に進む。これに対して、エンジン11を始動する操作が行われていない場合はNOになり、バッテリ評価処理を終了する。
ステップS10の操作信号Ciは、図2に示す外部装置から制御装置14を介して評価装置13に入力される信号である。図示を省略した外部装置は、評価装置13と同様の装置であって、電源システム10または車両に備えられる始動操作部材の操作を検出して操作信号Ciを出力する。始動操作部材は、例えばイグニッションキー,スタートボタン,アクセルペダル,ブレーキペダルなどが該当する。
図2に示す制御装置14は、操作信号Ciを受けて、評価装置13に操作信号Ciを伝達するとともに、エンジン11を始動させるべく始動装置15に始動信号Csを伝達する。始動信号Csを受けた始動装置15は、バッテリ12から供給される電力によってスタータモータ15aを駆動させ、エンジン11の始動を行う。スタータモータ15aを駆動させるに伴って、バッテリ12からスタータモータ15aに放電電流Iが流れる。
図3に戻って、ステップS11ではバッテリ12の端子間電圧Vbを電圧センサSvで測定し、測定した端子間電圧Vbを初期期間Tsの始期以前(すなわち通電前や始動前)の電圧Vnowとして記録媒体13hに記録する。記録した後は、バッテリ12とスタータモータ15aとを接続して通電する。この通電に伴って、バッテリ12からスタータモータ15aに突入電流が流れる。この突入電流は、後述する放電電流Iの一部である。
ステップS12では、バッテリ12の放電電流I,端子間電圧Vb,バッテリ温度Tを測定する。測定はサンプリング間隔ごとに行う。放電電流Iは電流センサSiで測定する。端子間電圧VbはステップS11と同じく電圧センサSvで測定する。バッテリ温度Tは温度センサStで測定する。測定した放電電流Iと端子間電圧Vbは、後述する最大電流値Imaxを検出したり、一次関数を求めたりするために標本データとして記録媒体13hに記録する。
ステップS13では、ステップS12で測定した放電電流Iについて、最大電流値Imaxを検出したか否かを判別する。もし最大電流値Imaxを検出した場合はYESになり、ステップS14に進む。これに対して、最大電流値Imaxを検出していない場合はNOになり、標本データを収集するためにステップS12に戻る。
ステップS14では、後述する直流抵抗Rdを求めるために、ステップS13で検出した最大電流値Imaxを記録媒体13hに記録する。
ステップS15では、標本データの収集を終えるか否かを判断するため、ステップS12で測定した放電電流Iが閾値電流Ithよりも小さいか否かを判別する。閾値電流Ithには、定常電流値Istよりも小さい値が設定される。もし放電電流Iが閾値電流Ithよりも小さい場合はYESになり、ステップS16に進む。これに対して、放電電流Iが閾値電流Ithよりも大きい場合はNOになり、標本データの収集を続けるためにステップS12に戻る。
ステップS16では、記録媒体13hに記録された複数の放電電流Iと複数の端子間電圧Vbの標本データに基づいて、回帰分析を行って一次関数を求める。一次関数を求める際に用いる標本データは、突入電流が減少する期間(以下では「減少期間Td」と呼ぶ)に測定されたものである。減少期間Tdは、ステップS12で放電電流Iの最大電流値Imaxを検出してから、ステップS15で放電電流Iが閾値電流Ithよりも小さいと判別されるまでの期間である。本形態の回帰分析は、最小二乗法とする。
ステップS17では、ステップS16で求めた一次関数について、相関係数R2値の検定が有意か否かを判別する。言い換えると、一次関数で表される式と標本データとの間に相関があるかを判別する。有意か否かについては、例えば閾値をRthとすると、Rth≦R2≦1を満たすか否かで判別すればよい。もし相関係数R2値の検定が有意である場合はYESになり、ステップS18に進む。これに対して、相関係数R2値の検定が有意でない場合はNOになり、推定した抵抗値を採用せず、ステップS10に戻って標本データの再収集を行う。
ステップS18では、ステップS16で求めた一次関数(例えば図7,図8に示す特性線L2)に基づいて、直流抵抗Rdと反応抵抗Rrを算出する。直流抵抗Rdは、一次関数の傾きから算出できる。反応抵抗Rrは、一次関数にかかる切片の電圧と、初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowとの差分(すなわち電圧差Vd)を最大電流値Imaxで除すれば算出できる。直流抵抗Rdと反応抵抗Rrとのうちで、少なくとも反応抵抗Rrは記録媒体13hに記録する。
二点鎖線で示すステップS19では、ステップS18で求めた直流抵抗Rdと反応抵抗Rrについて、バッテリ12の温度に基づく補正を行う。具体的には、まず記録媒体13hに記録された関係情報を参照して、ステップS12で測定したバッテリ温度Tに対応する係数Kを求める。そして、直流抵抗Rdと反応抵抗Rrをそれぞれ係数Kで補正する。すなわちRd=Rd×KやRr=Rr×Kの演算を行う。演算で補正された直流抵抗Rdと反応抵抗Rrを標本データとして記録媒体13hに記録した後、バッテリ評価処理を終了する。なお、ステップS19は抵抗値の温度補正が必要な場合に実行してよく、当該温度補正が不要な場合には実行しなくてもよい。
図4に示す始動判定処理では、エンジン11を始動できるか否かの判定を行う。ステップS20では、始動判定条件を満たすか否かを判別する。始動判定条件は、エンジン11が始動するか否かの判定を行う条件であれば任意に設定してよい。例えば、図3のステップS10と同じ条件でもよく、バッテリ12の状態(例えば端子間電圧Vbや充電容量等)に関する条件でもよく、その他の条件でもよい。もし始動判定条件を満たす場合はYESになり、ステップS21に進む。これに対して、始動判定条件を満たさない場合はNOになり、始動判定処理を終了する。
ステップS21では、図3のステップS18が実行されて直流抵抗Rdと反応抵抗Rrが記録媒体13hに記録されているか否かを判別する。もし直流抵抗Rdと反応抵抗Rrが記録されていた場合はYESになり、ステップS22に進む。これに対して、直流抵抗Rdと反応抵抗Rrが記録されていない場合はNOになり、始動判定処理を終了する。言い換えると、最初の始動時にバッテリ評価処理が実行されても、まだ直流抵抗Rdと反応抵抗Rrが記録されていないため、始動判定処理のステップS22以降は実行されない。そのため、2回目の始動(特に再始動)以降にステップS22以降が実行される。
ステップS22では、バッテリ12の放電可能電力を算出する。ここで、放電可能電力をPdとし、初期期間Tsの始期以前(すなわち通電前や始動前)に図3のステップS11で測定されたバッテリ12の電圧をVnowとし、バッテリ12の使用下限電圧をVminとする。これらとともに、直流抵抗Rdと反応抵抗Rrを用いて式で表すと、Pd=(Vnow−Vmin)/(Rd+Rr)×Vminの関係が成り立つ。
二点鎖線で示すステップS23では、ステップS22で求めた放電可能電力について、図3のステップS19と同様にして係数Kで補正する。すなわちPd=Pd×Kの演算を行い、補正された放電可能電力Pdとして記録媒体13hに記録する。なおステップS23は、図3のステップS19と同様に、抵抗値の温度補正が必要な場合に実行してよく、当該温度補正が不要な場合には実行しなくてもよい。
ステップS24では、放電可能電力Pdが始動可能な閾値電力Pth以上か否かを判別する。すなわち、Pd≧Pthを満たすか否かを判別する。もし放電可能電力Pdが閾値電力Pth以上の場合はYESになり、ステップS25に進む。これに対して、放電可能電力Pdが閾値電力Pth未満の場合はNOになり、ステップS26に進む。
ステップS25では「始動可能」を始動判定結果Jsとして制御装置14に伝達し、ステップS26では「始動不可」を始動判定結果Jsとして制御装置14に伝達する。いずれも始動判定結果Jsを伝達した後、始動判定処理をリターンする。
図2において、評価装置13から始動判定結果Jsを受けた制御装置14は、「始動可能」である場合に限って始動信号Csを始動装置15に伝達する。制御装置14から始動信号Csを受けた始動装置15は、エンジン11の始動を行うべくスタータモータ15aの駆動を開始する。これに対して、始動装置15が制御装置14から始動信号Csを受けない場合は、スタータモータ15aの駆動を開始しない。
次に、バッテリ12の劣化度を推定する劣化度推定処理について、図5を参照しながら説明する。この劣化度推定処理は、反応抵抗Rrが記録媒体13hに記録されている場合に実行され、図3に示すバッテリ評価処理とは無関係に実行される。
図5のステップS30では、記録媒体13hに記録されている反応抵抗Rrに基づいて、バッテリ12の劣化度SOHを推定する。本形態では、劣化度SOHと反応抵抗Rrとの関係を特性線として記録媒体13hに記録しておき、反応抵抗Rrに対応する劣化度SOHを特定することで推定する。
ステップS31では、ステップS30で推定した劣化度SOHが閾値劣化度SOHthを超えているか否かを判別する。もし劣化度SOHが閾値劣化度SOHthを超えている場合はYESになり、ステップS32に進む。これに対して、劣化度SOHが閾値劣化度SOHth以下の場合はNOになり、ステップS33に進む。
ステップS32では、劣化度推定結果Jdを「異常」とし、通信部13aを介して制御装置14に伝達する。劣化度推定結果Jdの伝達後は、劣化度推定処理を終了する。
ステップS33では、劣化度推定結果Jdを「正常」とし、通信部13aを介して制御装置14に伝達する。劣化度推定結果Jdの伝達後は、劣化度推定処理を終了する。
上述した評価装置13によって行われる評価例について、図6〜図9を参照しながら説明する。ただし図6〜図9では、外部からバッテリ12に流入する電流をプラスとし、バッテリ12から外部に流出する電流をマイナスとする。放電電流Iはバッテリ12から外部に流出する電流になるため、マイナス値になる。したがって、マイナス値が大きくなるにつれて放電電流Iが大きくなる。
図6には、時間tの経過とともに変化する放電電流Iの一例を示す。時刻t1に始動操作部材が操作されたことで始動装置15が作動し、放電電流Iが流れ始める。この時刻t1は初期期間Tsの始期に相当する。図6に示す時刻t1における放電電流Iの初期電流値Ioは0[A]である。この初期電流値Ioは、アイドリングストップなどでは0[A]以外の値になる場合もある。0[A]以外の値は、例えば所定時点の電流値でもよく、複数の時点で測定した電流値の平均値(単純平均値,加重平均値,移動平均値を含む)でもよい。つまり、初期電流値Ioは0[A]でもよく、0[A]以外の値でもよい。放電電流Iは急激に増加し、時刻t2に最大電流値の−Imaxを検出し、時刻t3に定常電流値の−Istに至る。この時刻t3は初期期間Tsの終期に相当する。よって、時刻t1から時刻t3までが初期期間Tsに相当し、時刻t2から時刻t3までが減少期間Tdに相当する。閾値電流−Ith以下のマイナス側の放電電流Iは、大電流領域Bcに相当する。
図7には、サンプリング間隔を8[msec]とした測定例を示す。放電電流Iが0[A]のとき、端子間電圧Vbは初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowと等しい。実線で示す特性線L2は減少期間Tdにおける放電電流Iから回帰分析を行って求めた一次関数である。放電電流Iが0[A]のとき、特性線L2によって切片の電圧Vsが求められる。二点鎖線で示す特性線L1は、特性線L2と傾きが同じ一次関数であって、電圧Vnowを通る。図示するように、特性線L2に関係する放電電流Iの最大値は電流−I1であり、特性線L1に関係する放電電流Iの最大値は電流−I2である。すなわち、放電電流Iがマイナス側で増加するときに最大となる電流−I1と、放電電流Iがマイナス側で減衰するときに最大となる電流−I2とで、電流値が異なる。
図8には、サンプリング間隔を0.1[msec]とした測定例を示す。測定できるサンプリング数が図7よりも大幅に増えるが、初期期間Tsの始期以前の電圧Vnow,一次関数の切片の電圧Vsは図7と同様に求められる。また、放電電流Iがマイナス側で増加するときに最大となる電流−I1と、放電電流Iがマイナス側で減衰するときに最大となる電流−I2とで、電流値が異なる。
図9は、反応抵抗Rrに対する劣化度SOHの変化を特性線L3で示す。特性線L3は、反応抵抗Rrが増加するにつれて、劣化度SOHも増加率が増える。劣化度SOHがSOH1のときは、反応抵抗RrがR1である。劣化度SOHがSOH2のときは、反応抵抗RrがR2である。バッテリ12に異常があるか否かを判断する基準は閾値劣化度SOHthであり、具体的な数値は実験や実地データ等によって定めるとよい。劣化度SOHがSOHthのときは、反応抵抗RrがRthである。図9の例によれば、R1<Rth<R2、SOH1<SOHth<SOH2である。例えば反応抵抗RrがR1であれば、劣化度SOHはSOH1<SOHthであるので、バッテリ12は正常であると判断できる。一方、反応抵抗RrがR2であれば、劣化度SOHはSOH2>SOHthであるので、バッテリ12は異常であると判断できる。
上述した実施の形態によれば、以下に示す各作用効果を得ることができる。
バッテリ評価方法に相当するバッテリ評価処理は、突入電流が初期電流値Ioから最大電流値Imaxまで増加した後、最大電流値Imaxから定常電流値Istまで減少する初期期間Ts中に、バッテリ12の放電電流Iと、放電電流Iに対応するバッテリ12の端子間電圧Vbとを複数回繰り返し測定し、初期期間Tsのうちで突入電流が減少する減少期間Tdにおいて、閾値電流Ith以上の大電流領域Bcで測定された放電電流Iと端子間電圧Vbとの関係を示す一次関数(すなわち図7,図8に示す特性線L2)により直流抵抗Rdを算出し、一次関数にかかる切片の電圧Vsと、初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowとの電圧差Vdを、最大電流値Imaxで除することにより反応抵抗Rrを求める。この構成によれば、測定した複数の放電電流Iと複数の端子間電圧Vbからなる標本データに基づいて回帰分析を行って一次関数を求め、当該一次関数の傾きから直流抵抗Rdを求める。一次関数にかかる切片の電圧Vsと、初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowとの差分(すなわち電圧差Vd)を最大電流値Imaxで除すれば、反応抵抗Rrを求める。また、サンプリング間隔の長短にかかわらず、簡単なステップで求めることができる。
直流抵抗Rdと反応抵抗Rrとを用いてバッテリ12の放電可能電力Pdを算出し、放電可能電力Pdが閾値電力Pth以上であるか否かよって、始動装置15によるエンジン11の始動が行えるか否かの判定を行う。この構成によれば、求められる放電可能電力Pdに基づいて、エンジン11の始動が行えるか否かを的確に判定できる。
反応抵抗Rrを記録し、記録された反応抵抗Rrに基づいてバッテリ12の劣化度SOHを推定した。この構成によれば、反応抵抗Rの変化によって、バッテリ12の劣化度SOHを的確に推定することができる。
バッテリ評価装置に相当する評価装置13は、初期電流値Ioから最大電流値Imaxまで増加した後、最大電流値Imaxから定常電流値Istまで減少する突入電流が流れている初期期間Ts中に、バッテリ12の放電電流Iと、放電電流Iに対応するバッテリ12の端子間電圧Vbとを複数回繰り返し測定する測定部13dと、初期期間Tsのうちで突入電流が減少する減少期間Tdにおいて、閾値電流Ith以上の大電流領域Bcで測定された放電電流Iと端子間電圧Vbとの関係を示す一次関数により直流抵抗Rdを算出する直流抵抗算出部13cと、一次関数にかかる切片の電圧Vsと、初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowとの電圧差Vdを、最大電流値Imaxで除することにより反応抵抗Rrを算出する反応抵抗算出部13fとを有する。この構成によれば、測定した複数の放電電流Iと複数の端子間電圧Vbからなる標本データに基づいて回帰分析を行って一次関数を求め、当該一次関数の傾きから直流抵抗Rdを求める。一次関数にかかる切片の電圧Vsと、初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowとの差分(すなわち電圧差Vd)を最大電流値Imaxで除すれば、反応抵抗Rrを求める。また、サンプリング間隔の長短にかかわらず、簡単なステップで求めることができる。
評価装置13は、直流抵抗Rdと反応抵抗Rrとを用いてバッテリ12の放電可能電力Pdを算出する電力算出部13eと、放電可能電力Pdが閾値電力Pth以上であるか否かよって、始動装置15によるエンジン11の始動が行えるか否かの判定を行う始動判定部13bとを有する。この構成によれば、算出される放電可能電力Pdに基づいて、エンジン11の始動が行えるか否かを的確に判定できる。
評価装置13は、反応抵抗算出部13fによって反応抵抗Rrを記録する記録媒体13hと、記録媒体13hに記録された反応抵抗Rrに基づいて、バッテリ12の劣化度SOHを推定する劣化度推定部13gとを有する。この構成によれば、反応抵抗Rの変化によって、バッテリ12の劣化度SOHを的確に推定することができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態では、電源システム10を車両に適用した。この形態に代えて、電源システム10を車両以外の他の装置に適用してもよい。他の装置は、例えば商用電源が無い現場で使用される発電機や、鉄道車両,船舶,航空機を含む輸送機器などが該当する。また、評価装置13は、バッテリ12を電源とする一般的な電気機器、例えば、携帯電話や蓄電池などに適用されるものであってもよい。その他には、家電製品,音響機器,携帯電話を除く携帯機器,通信機器,電力機器などに適用されるものであってもよい。電源システム10や評価装置13を適用する対象が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、バッテリ12であるリチウムイオン電池を評価した。この形態に代えて、リチウムイオン電池以外の二次電池を評価してもよい。リチウムイオン電池以外の二次電池は、一般型,液循環型,メカニカルチャージ型,高温動作型,電子トラップ型などの二次電池が該当する。一般型の二次電池は、例えば鉛蓄電池,リチウムイオンポリマー電池,ニッケル・水素蓄電池,ニッケル・カドミウム蓄電池,ニッケル・鉄蓄電池,ニッケル・亜鉛蓄電池,酸化銀・亜鉛蓄電池などが該当する。液循環型の二次電池は、例えばレドックス・フロー電池,亜鉛・塩素電池,亜鉛・臭素電池,メカニカルチャージ型,アルミニウム・空気電池,空気亜鉛電池,空気・鉄電池などが該当する。メカニカルチャージ型の二次電池は、例えばルミニウム・空気電池,空気亜鉛電池,空気・鉄電池などが該当する。高温動作型の二次電池は、例えばナトリウム・硫黄電池,リチウム・硫化鉄電池などが該当する。電子トラップ型の二次電池は、例えば半導体二次電池などが該当する。バッテリ12の種類が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、バッテリ12との接続に伴って突入電流が流れる負荷装置を、スタータモータ15aを含む始動装置15とした。この形態に代えて、他の負荷装置としてもよい。他の負荷装置は、バッテリ12から供給される電力を受けて作動し、かつ、バッテリ12との接続に伴って突入電流が流れる装置であれば任意に適用してよい。例えば、起動装置,発電機,電動機,回転電機,電装部品,商用電源などが該当し、主に誘導性素子を含む装置である。電動機や回転電機には、車両を含む輸送機器を運行させる際に用いるモータを含む。負荷装置の種類が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、評価装置13や制御装置14をソフトウェア構成のECUとした。この形態に代えて、ハードウェア構成としてもよく、ECU以外の制御装置としてもよい。ハードウェア構成は、電子回路や論理回路などを含むハードウェアロジックで各要素の機能を実現する構成である。ECU以外の制御装置は、コンピュータ、ワンチップマイコンを含むマイコンなどが該当する。評価装置13や制御装置14の構成が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、放電電流Iと端子間電圧Vbとの関係を表す一次関数を最小二乗法によって求めた。この形態に代えて、最小二乗法以外の回帰分析によって求めてもよい。最小二乗法以外の回帰分析には、重回帰分析を含めてよく、モデルを問わない。例えば、線形回帰,リッジ回帰,Lasso回帰,エラスティックネットなどが該当する。モデルには、例えば一般線形モデル,一般化線形モデル,混合モデル,一般化線形混合モデルなどが該当する。一次関数を求める手法が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、図3のステップS12では、サンプリング間隔ごとにバッテリ12の放電電流Iと端子間電圧Vbを測定した。図8のサンプリング間隔は8[msec]とし、図9のサンプリング間隔は0.1[msec]とした。この形態に代えて、他のサンプリング間隔ごとにバッテリ12の放電電流Iと端子間電圧Vbを測定してもよい。すなわち、電流センサSiと電圧センサSvの種類に応じてサンプリング間隔を定めてよい。サンプリング間隔の長さが相違するに過ぎず、一次関数である特性線L2を求めることができればよいので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、図5のステップS30および図9において、記録媒体13hに記録された特性線L3に基づいて、反応抵抗Rrに対応する劣化度SOHを特定することで推定した。この形態に代えて、他の推定法で劣化度SOHを推定してもよい。他の推定法は、例えば劣化度SOHと反応抵抗Rrとの関係を関数式で記録媒体13hに記録しておき、反応抵抗Rrを変数とし、関数式を演算して劣化度SOHを求めることで推定してもよい。また、図3のステップS16と同様に複数の反応抵抗Rrに基づいて回帰分析を行って一次関数を求め、当該一次関数に従って現時点の反応抵抗Rrから劣化度SOHを特定することで推定してもよい。劣化度SOHを推定法が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、図5のステップS15において、標本データの収集を終えるか否かの判断として、放電電流Iが閾値電流Ithよりも小さいか否かを判別した。この形態に代えて、他の条件を満たすか否かで判別してもよい。他の条件は、標本データの収集を終える条件であれば任意に設定してよい。例えば、特性線L2を求めるのに必要な数の標本データを収集したこと、始動操作部材が操作された図6の時刻t1から所定期間を経過したことなどが該当する。所定期間は、特性線L2を求めるのに必要な数の標本データを収集できる時間間隔である。標本データの収集を終えるか否かの条件が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowを、図3のステップS11でエンジン11を始動する操作がされた時点(図6では時刻t1)に測定した電圧とした。この形態に代えて、初期期間Tsの始期以前における他のタイミングで測定した電圧を電圧Vnowとしてもよい。他のタイミングは、例えばエンジン11をストップする時点や、バッテリ12の状態(例えば端子間電圧Vbや充電容量等)が所要の状態になった時点などが該当する。あるいは、複数の時点で測定した電圧値の平均値(単純平均値,加重平均値,移動平均値を含む)でもよい。初期期間Tsの始期以前の電圧Vnowを測定するタイミング等が相違するに過ぎないので、実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
10…車両、11…エンジン、12…バッテリ、13…評価装置、14…制御装置、13a…通信部、13b…始動判定部、13c…直流抵抗算出部、13d…測定部、13e…電力算出部、13f…反応抵抗算出部、13g…劣化度推定部、13h…記録媒体、15…始動装置、15a…スタータモータ、15b…制御部、Sv…電圧センサ、Si…電流センサ、Rd…直流抵抗、Rr…反応抵抗、Pd…放電可能電力、Pth…閾値電力、I…放電電流、I1,I2…電流、Io…初期電流値、Imax…最大電流値、Ist…定常電流値、Ith…閾値電流、Vb…端子間電圧、V1,V2,V3…電圧、Vd…電圧差、Ts…初期期間、Td…減少期間、Bc…大電流領域、Vnow…初期期間の始期以前の電圧、Vs…切片の電圧、Vd…電圧差、L1,L2,L3…特性線、SOH…劣化度、SOHth…閾値劣化度、Jd…劣化度推定結果、Js…始動判定結果、Ci…操作信号、Cs…始動信号

Claims (6)

  1. バッテリ(12)の直流抵抗(Rd)と反応抵抗(Rr)とを求めるバッテリ評価方法において、
    突入電流が初期電流値(Io)から最大電流値(Imax)まで増加した後、前記最大電流値から定常電流値(Ist)まで減少する初期期間(Ts)中に、前記バッテリの放電電流(I)と、前記放電電流に対応する前記バッテリの端子間電圧(Vb)とを複数回繰り返し測定し、
    前記初期期間のうちで前記突入電流が減少する期間(Td)において、閾値電流(Ith)以上の大電流領域(Bc)で測定された前記放電電流と前記端子間電圧との関係を示す一次関数(L2)により前記直流抵抗を求め、
    前記一次関数にかかる切片の電圧(Vs)と、前記初期期間の始期以前の電圧(Vnow)との電圧差(Vd)を、前記最大電流値で除することにより前記反応抵抗を求めるバッテリ評価方法。
  2. 前記直流抵抗と前記反応抵抗とを用いて前記バッテリの放電可能電力(Pd)を求め、
    前記放電可能電力が閾値電力(Pth)以上であるか否かよって、負荷装置(15)の作動が行えるか否かの判定を行う請求項1に記載のバッテリ評価方法。
  3. 前記反応抵抗を記録し、
    記録された前記反応抵抗に基づいて、前記バッテリの劣化度(SOH)を推定する請求項1に記載のバッテリ評価方法。
  4. バッテリ(12)の直流抵抗(Rd)と反応抵抗(Rr)とを求めるバッテリ評価装置において、
    突入電流が初期電流値(Io)から最大電流値(Imax)まで増加した後、前記最大電流値から定常電流値(Ist)まで減少する初期期間中に、前記バッテリの放電電流(I)と、前記放電電流に対応する前記バッテリの端子間電圧(Vb)とを複数回繰り返し測定する測定部(13d)と、
    前記初期期間のうちで前記突入電流が減少する期間(Td)において、閾値電流(Ith)以上の大電流領域(Bc)で前記放電電流と前記端子間電圧との関係を示す一次関数(L2)により前記直流抵抗を求める直流抵抗算出部(13c)と、
    前記一次関数にかかる切片の電圧(Vs)と、前記初期期間の始期以前の電圧(Vnow)との電圧差(Vd)を、前記最大電流値で除することにより前記反応抵抗を求める反応抵抗算出部(13f)と、
    を有するバッテリ評価装置。
  5. 前記直流抵抗と前記反応抵抗とを用いて前記バッテリの放電可能電力(Pd)を求める電力算出部(13e)と、
    前記放電可能電力が閾値電力(Pth)以上であるか否かよって、負荷装置(15)の作動が行えるか否かの判定を行う始動判定部(13b)と、
    を有する請求項4に記載のバッテリ評価装置。
  6. 前記反応抵抗算出部によって求められた前記反応抵抗を記録する記録媒体(13h)と、
    前記記録媒体に記録された前記反応抵抗に基づいて、前記バッテリの劣化度(SOH)を推定する劣化度推定部(13g)と、
    を有する請求項4または5に記載のバッテリ評価装置。
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