JP4329061B2 - 計器装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される計器装置に関し、特に、その照明構造に特徴を有する計器装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の計器装置として、例えば、アナログ式の指示計器を備えており、この指示計器は表示板と指針とを備えている。この表示板には指針の回動位置に対応して目盛や数字などが形成されている。この表示板は透光性の基板に目盛や文字などの表示を行う部分のみを残して他の部分は黒色の印刷などによって遮光されている。そして、表示板の裏側に設けられた光源によって前記目盛や文字などの表示が透過照明されるものである。この指示計器の前面に暗色系の着色処理を施した半透明の保護カバーを設けてある。この保護カバーは指示計器を保護するとともに、外部からの光の入射量あるいは内部からの光量を減ずるものである。そして、明るい発光輝度を有する指示計器の表示光は保護カバーによって減光されるので、保護カバー内部を見せることなく目盛や文字などの表示と指針のみが暗闇に浮き出て表示されるものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−98235号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の計器装置の場合、目盛や文字などの表示と指針のみが暗闇に浮き出て表示されるものであり、表示の照明のおもしろみや斬新さに欠けるものであった。
【0005】
そこで、本発明は、この点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、斬新な照明を行うことが可能な計器装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、目盛を備えた文字板と、前記目盛を指示するとともに前記文字板の前方に設けられ発光する指針と、前記指針の前方に設けられるカバーとを備え、このカバーを介して前記目盛と前記指針とを視認する計器装置において、前記指針の回転中心部に反射部材を設け、前記文字板及び、あるいはその近傍に反射部を設け、前記指針からの光と前記反射部材で反射拡散させた前記指針からの光とで前記反射部を照明するものである。
【0009】
また、本発明は、目盛を備えた文字板と、前記目盛を指示するとともに前記文字板の前方に設けられる指針と、前記文字板の背後に位置し前記指針に光を供給し前記指針を発光させる光源と、前記指針の前方に設けられるカバーとを備え、このカバーを介して前記目盛と前記指針とを視認する計器装置において、前記指針の回転中心部に反射部材を設け、前記文字板及び、あるいはその近傍に反射部を設け、前記指針からの光と前記反射部材で反射拡散させた前記指針からの光とで前記反射部を照明するものである。
【0010】
また、本発明は、前記反射部を前記反射部材側に傾斜させたものである。
【0011】
また、本発明は、前記反射部をすり鉢状としたものである。
【0012】
また、本発明は、前記すり鉢状の反射部を前記文字板の目盛部分に対応する位置に設けたものである。
【0013】
また、本発明は、前記カバーは光透過率を低くしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の計器装置は、目盛6を備えた文字板3と、目盛6を指示するとともに文字板3の前方に設けられ発光する指針2と、指針2の前方に設けられるカバー17とを備え、カバー17を介して目盛6と指針2とを視認する計器装置において、指針2の回転中心部2bに反射部材18を設け、文字板3に反射部3aを設け、指針2からの光と反射部材18で反射拡散させた指針2からの光とで反射部3aを照明するものである。このように構成したことにより、斬新な照明を行うことが可能な計器装置を提供することができる。
【0017】
また、目盛6を備えた文字板3と、目盛6を指示するとともに文字板3の前方に設けられる指針2と、文字板3の背後に位置し指針2に光を供給し指針2を発光させる光源10と、指針2の前方に設けられるカバー17とを備え、カバー17を介して目盛6と指針2とを視認する計器装置において、指針2の回転中心部2bに反射部材18を設け、文字板3に反射部3aを設け、指針2からの光と反射部材18で反射拡散させた指針2からの光とで反射部3aを照明するものである。このように構成したことにより、斬新な照明を行うことが可能な計器装置を提供することができる。
【0018】
また、反射部3aを反射部材14、18側に傾斜させたものである。このように構成したことにより、斬新な照明を行うことが可能な計器装置を提供することができる。
【0019】
また、反射部3aをすり鉢状としたものである。このように構成したことにより、立体感のある表示板を備えた計器装置を提供することができる。
【0020】
また、すり鉢状の反射部3aを文字板3の目盛6部分に対応する位置に設けたものである。このように構成したことにより、立体感のある表示板を備えた計器装置を提供することができる。
【0021】
また、カバー13、17は光透過率を低くしたものである。このように構成したことにより、立体感のある表示板を備えた計器装置を提供することができる。
【0022】
また、反射部3aは、文字板3に設けるのではなく、その近傍に設けたものでもよい。このように構成したことにより、立体感のある表示板を備えた計器装置を提供することができる。
【0023】
【実施例】
図1、図2は本発明の第1実施例を示すもので、以下、本発明を例えば自動車の計器装置に適用した場合について説明する。
【0024】
本実施例による計器装置1は、図1に示すように、指針2と、この指針2の背後に位置する文字板3と、この文字板3が露出するように開口部4を備えた合成樹脂からなる見返し板5とを備えている。
【0025】
この計器装置1は、車両の速度を指示する指示計器であり、指針2は、棒状の指示部2aと指針2の回転中心となる回転中心部2bとで構成されている。指示部2aと回転中心部2bは透明な合成樹脂にて一体に形成されている。指示部2aは文字板3の背後に設けた後述する光源からの光を受けて発光するものである。
【0026】
文字板3には、目盛6と、この目盛6に対応した速度を表す数字や単位を表す文字7などが設けられている。この文字板3は、板状の透明な合成樹脂からなる基板に、目盛6や文字7などを除いて遮光性の黒色の塗料が印刷されている。目盛6や文字7の部分は光が透過するように形成されており、後述する光源の光を受けて、発光するものである。なお、目盛6や文字7の部分を光透過性の着色塗料にて形成してもよい。また、文字板3の見返し板4の開口部4に近接する周辺部分に、すり鉢状の反射部3aが形成されている。この反射部3aには、文字板3の目盛6が設けられている。なお、この反射部3aの部分は、その地色が遮光性の銀色で着色されている。
【0027】
文字板3の背後には、回路基板8が設けられ、さらに、この回路基板8の文字板3側には、文字板3の目盛6や文字7などを照明する第1の光源9と、指針2を照明する第2の光源10とを備えている。また、回路基板8の背後に指針2を回転駆動する計器本体11が設けられている。
【0028】
回路基板8はガラスエポキシ樹脂からなる硬質の回路基板であり、その表面に図示しない電極パターンが形成されている。
【0029】
第1、第2の光源9、10は、本実施例では、表面実装型のチップ型で、それぞれ赤色と白色の光を発する発光ダイオード9、10である。
【0030】
計器本体11は、本実施例では、交差コイル式の計器本体であるが、交差コイル式の計器本体に限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータであってもよい。この計器本体11から駆動軸12が伸びており、この駆動軸12が指針2の回転中心部2bに設けたボス部2cに圧入によって指針2と接続し、指針2を駆動するものである。そして、計器本体11によって駆動された指針2の指示部2aが文字板3の目盛6を指示するものである。
【0031】
なお、図2中、21は白色の合成樹脂からなる遮光壁であり、第1、第2の光源9、10の照明色が混じり合わないようするとともに、第2の光源10からの光をもれなく指針2に導くものである。
【0032】
指針2は、第2の光源10からの光を回転中心部2bの受光部2dで受け、この受けた光を反射面2eで指示部2a側に反射するものである。
【0033】
指針2の前方には、光透過率の低いカバー13が設けられている。このカバー13は、黒色の合成樹脂からなり光透過率は30パーセントである。このカバー13は、文字板3の板面にほぼ並行な板状体である。このカバー13の回転中心部2bに反射部材14が設けられている。この反射部材14は、その裏面にピン15を備えており、このピン15をカバー13に設けた貫通孔16に挿入後、熱によって溶かして変形させて固定してある。なお、固定方法は、この方法に限定されるものではなく、超音波を用いた溶着であってもよい。この反射部材14は、その表面側は黒色であるが、その裏面側、つまり、指針2や文字板3側は白色である。なお、この白色は、塗料にて実現してもよいし、白色の合成樹脂を用いて実現してもよい。そして、前述した反射部3aは、反射部材14側に傾斜している。この反射部材14は、指針2の回転中心部2bを計器装置1を視認する運転者から視認できないように、回転中心部2bを覆い隠すものである。
【0034】
このように構成したことにより、第1、第2の光源9、10が発する光によって、文字板3の目盛6や文字7と、指針2とが照明されて発光し、カバー13を介して、文字板3の目盛6や文字7と、指針2とが視認されるものである。そして、指針2の回転中心部2bは、露出しており、第2の光源10の光が、回転中心部2bから直接反射部3aを照明するとともに、指針2の回転中心部2bから反射部材14に照射され、反射部材14にて、反射部3a方向に反射拡散され、反射部3aを照明する。これによって、反射部材14にて照明された反射部3aがカバー13を介して、立体的な造形を視認することができる。これによって、斬新な表示を行うことが可能な計器装置を提供することができる。また、反射部3aを照明するのに、指針2の光を利用するので、構造が簡単で、コストを抑制することが可能となる。
【0035】
なお、本実施例では、反射部3aは反射部材14からの光を良好に反射するために、銀色に着色されていたが、前記実施例に限定されるものではなく、計器装置1のデザインによって、その色を自由に設定してよい。また、反射部3aはすり鉢状であるが、反射に良好な、例えば、白色、灰色、銀色などの明るい色であれば、反射部3aは、隆起していない平面であっても良い。
【0036】
また、本実施例では、反射部材14は、一つの部品であったが、この構造に限定されるものではなく、反射部3aに反射するものであれば、カバー13に印刷によって、形成しても良い。この場合、2層の印刷層を形成し、この2層の印刷層のカバー13側を、例えば黒色などの任意の色とし、他方、指針2側の印刷層を白色などの光を良好に反射する明るい色とすればよい。
【0037】
次に、本発明の第2実施例を図3を用いて説明する。なお、前記第1実施例と同一及び相当箇所には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0038】
前記第1実施例のカバー13は、文字板3の板面にほぼ並行な板状体であったが、本実施例のカバー17は湾曲しており、前記第1実施例の反射部材14を設けても、良好に反射部3aに光を反射することが不可能であった。そこで、本実施例では、指針2の回転中心部2b部分に円盤状の反射部材18を設けたものである。反射部材18は回転中心部2bに溶着などの任意の方法によって、固定されている。このように構成したことによって、第2の光源10の光が、回転中心部2bから直接反射部3aを照明するとともに、指針2の回転中心部2bから反射部材18に照射され、反射部材18にて、反射部3a方向に反射拡散され、反射部3aを照明する。これによって、反射部材18にて照明された反射部3aがカバー13を介して、計器装置1の表示を視認することができる。これによって、前記第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
なお、前記各実施例では、反射部3aはすり鉢状であったが、前記各実施例に限定されるものではなく、文字板3の一部にのみ設けたものであってもよい。
【0040】
次に本発明の第3実施例を、図4を用いて説明する。なお、前記各実施例と同一及び相当箇所には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0041】
前記各実施例では、反射部3aは文字板3に設けてあったが、前記各実施例に限定されるものではなく、文字板3は平らな板状体とし、見返し板5の開口部4にリング状部材19を設け、このリング状部材19に反射部材14側に傾斜した反射部20を設けたものであっても良い。このリング状部材19は、合成樹脂によって形成され、その表面が銀色に着色されている。このように構成したことによって、第2の光源10の光が、指針2の回転中心部2bから反射部材14に照射され、反射部材14にて、反射部20方向に反射拡散され、反射部20を照明する。これによって、反射部材14にて照明された反射部20がカバー13を介して、計器装置1の表示を視認することができる。これによって、前記各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
なお、本実施例において、文字板3に前記各実施例のように、文字板3に反射部3aを形成してあっても良い。このように構成することによって、より立体的な造形を視認することができる。
【0043】
なお、前記各実施例では、第1の光源9と第2の光源10とは、その発光色が異なるために、別々に設けていたが、前記実施例に限定されるものではなく、指針2と文字板3とを同じ色で照明する場合は、第1の光源9と第2の光源10を共通としても良い。
【0044】
また、前記各実施例では、目盛6と指針2とも、それぞれ、第1、第2の光源9、10からの光を供給されて発光していたが、前記実施例に限定されるものではなく、目盛6と指針2とが、自ら発光するように構成したものであっても良い。この場合、文字板3は、エレクトロルミネセンスなどの発光素子にて形成し、目盛6が発光するようにしてもよい。また、指針2に関しても、指示部2aと回転中心部2bの部分にエレクトルミネセンスを設け、自らが発光するようにしてもよい。
【0045】
なお、前記各実施例では、カバー13、17は光透過率の低いものであったが、光透過率の高いカバーであっても、前記各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、所期の目的を達成することができ、斬新な照明を行うことが可
能な計器装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の正面図である。
【図2】図1中のA−A線の断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の断面図である。
【図4】 本発明の第3実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 計器装置
2 指針
2a 指示部
2b 回転中心部
2c ボス部
2d 受光部
2e 反射面
3 文字板
3a 反射部
4 開口部
5 見返し板
6 目盛
7 文字
8 回路基板
9 第1の光源
10 第2の光源
11 計器本体
12 駆動軸
13、17 カバー
14、18 反射部材
15 ピン
16 貫通孔
19 リング状部材
20 反射部
Claims (6)
- 目盛を備えた文字板と、前記目盛を指示するとともに前記文字板の前方に設けられ発光する指針と、前記指針の前方に設けられるカバーとを備え、このカバーを介して前記目盛と前記指針とを視認する計器装置において、前記指針の回転中心部に反射部材を設け、前記文字板及び、あるいはその近傍に反射部を設け、前記指針からの光と前記反射部材で反射拡散させた前記指針からの光とで前記反射部を照明することを特徴とする計器装置。
- 目盛を備えた文字板と、前記目盛を指示するとともに前記文字板の前方に設けられる指針と、前記文字板の背後に位置し前記指針に光を供給し前記指針を発光させる光源と、前記指針の前方に設けられるカバーとを備え、このカバーを介して前記目盛と前記指針とを視認する計器装置において、前記指針の回転中心部に反射部材を設け、前記反射部材側に傾斜した前記文字板及び、あるいはその近傍に反射部を設け、前記指針からの光と前記反射部材で反射拡散させた前記指針からの光とで前記反射部を照明することを特徴とする計器装置。
- 前記反射部を前記反射部材側に傾斜させたことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の計器装置。
- 前記反射部をすり鉢状としたことを特徴とする請求項3に記載の計器装置。
- 前記すり鉢状の反射部を前記文字板の目盛部分に対応する位置に設けたことを特徴とする請求項4に記載の計器装置。
- 前記カバーは光透過率を低くしたことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の計器装置。
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