JP4319267B2 - 印刷版取り付け方法および装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリアシート上に印刷版を取り付ける方法および装置に関し、特にキャリアシート上にフレキソ印刷版を見当を合わせて取り付ける方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
フレキソ印刷版は、ゴムや感光性ポリマーあるいは同様の材料で作った弾力のあるレリーフ画像版であり、広範な種類の物品に印刷するために用いられる。印刷工程の重要なステップの１つは、版胴に対する印刷版の正確な位置決めである。印刷が版胴の軸線に対して平行、すなわちねじれないように印刷版を配置する必要がある。また、多色印刷において、それぞれ異なる色に対応する印刷版は、これらが見当を合わせて印刷されるように整列される必要がある。
【０００３】
この位置決めは、ピン見当合わせ穿設器具および貼込み器具を用いてしばしば達成される。この場合、版胴は一般的に印刷機から取り外され、別個の貼込み器具としばしば関係する見当合わせ穴を用いて印刷版が版胴に取り付けられる。
【０００４】
しかしながら、段ボール容器を印刷するのに使用される一般的な多くの印刷機の場合、通常、版胴は印刷機から取り外されない。段ボール印刷のためのフレキソ印刷版を取り付ける従来の方法は、キャリアシートおよび貼込み／校正機ユニットの使用を必要とする。１つあるいはそれ以上の印刷版は、キャリアシートとして知られる大きな可撓性シートの上に接着あるいは粘着テープを介して固定される。例えば、厚紙箱の段ボール印刷においては、箱の両側の相対的に小さな領域がしばしば印刷されるが、これはキャリアシート上に多数の印刷版を取り付ける必要がある。印刷版は、光ガイドおよび反射鏡を使用して印刷版の位置を手動で測定することにより、キャリアシート上に配置される。そして、キャリアシートが印刷機の版胴に配置される。段ボールポスト印刷市場における印刷のため、一色あるいは多色製品を配備する必要がある。多色印刷のため、各連続的な色に対する印刷版は、反射鏡を有する貼込み／校正機ユニットを用いてそれらのキャリアシートの上に配置される。
【０００５】
段ボール印刷のための印刷版の取り付け方法の主たる進歩は、単ヘッドドリル（single-head drill ）の導入によって達成された。印刷機は、この単ヘッドドリルを用いてキャリアシートおよび印刷版の両方に見当合わせ穴を穿設することができる。そして、印刷版が取り付けピンと粘着テープとを用いてキャリアシートに固定される。印刷版が固定されたならば、ピンは取り外される。従って、キャリアシート上の印刷版のライン揃えが各色に対して同じであり、貼込み／校正機ユニットを使用する必要性を排除することができる。また、取り付け処理の速度および正確性を共に改善することができる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
貼込み／校正機ユニットを用いてキャリアシート上に１つ以上の印刷版を取り付ける方法は、時間が嵩み、作業者の熟練度に高く依存し、誤りやを矛盾する結果をはらむ可能性がある。見当合わせ作業に対する改善の要求が増大している現状では、この方法は到底満足できるものではない。
【０００７】
単ヘッドドリルを用いてキャリアシート上に１つ以上の印刷版を取り付ける方法は、キャリアシートおよび印刷版に対する見当合わせ穴の穿設のための時間を独立に必要とし、さらに間違った印刷版をキャリアシートの間違った場所に取り付ける可能性があるため、このような配置や他の誤りを排除することができない。
【０００８】
さらに、印刷作業後の段ボール印刷機は、次の印刷作業のために各色の印刷版が取り付けられたキャリアシートをしばしば保持している。しかしながら、１つあるいはそれ以上の印刷版を収納中のキャリアシートから取り外す可能性がある場合、問題が発生する。それは、印刷版を他のものと見当を合わせて交換することが極めて困難だからである。また、その後の印刷中に追加の色を加える必要がある可能性もあり、従来、他の色に対してキャリアシートに正確に取り付けた印刷版との見当合わせを保証するように、新たな色に対する印刷版をキャリアシートの正確な位置に取り付けることは非常に困難である。
【０００９】
【発明の目的】
本発明の目的は、穿設作業や取り付けピンを使用することなく、キャリアシートに１つ以上の印刷版を取り付けるための方法および装置を提供することにある。
【００１０】
本発明の他の目的は、手計算や手動配置の必要性を排除し、キャリアシート上の印刷版の正確な位置を自動的に決定可能な方法および装置を提供することにある。
【００１１】
本発明の別な目的は、多色カラー印刷のために他のキャリアシートに取り付けられた印刷版に対して最初の見当合わせおよびこれに続く見当合わせを確実に行うことが可能な印刷版の取り付け方法および装置を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明の第１の形態は、第１および第２の見当マークをそれぞれ有する複数の印刷版をキャリアシートに取り付けるための印刷版取り付け装置であって、固定ベース上に取り付けられるテーブルと、このテーブルに隣接して支持部材に対し移動可能に取り付けられ、前記第１の見当マークを観察するための第１ビデオモニタに接続する第１カメラアセンブリィと、前記テーブルに隣接して前記支持部材に対し移動可能に取り付けられ、前記第２の見当マークを観察するための第２ビデオモニタに接続する第２カメラアセンブリィと、前記第１および第２のカメラアセンブリィに連結され、前記テーブルに対してこれら第１および第２のカメラアセンブリィを独立に移動させる移動手段と、この移動手段に接続して移動信号を送信し、各印刷版の前記第１および第２の見当マークに対応した少なくとも２つの移動信号を発生させる信号発生手段を有する作動コントローラとを具え、前記第１および第２のカメラアセブリィは、前記支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、前記第２カメラアセンブリィは、前記第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有することを特徴とするものである。
【００１３】
本発明の第２の形態は、第１および第２の見当マークをそれぞれ有する複数の印刷版をキャリアシートに取り付けるための印刷版取り付け方法であって、
(a) 固定ベースに取り付けられるテーブル上に前記キャリアシートを載置するステップと、
(b) 前記テーブルを移動する移動手段と、第１の前記印刷版を取り付けるための前記第１の見当マークに対応した第１の位置座標へ第１カメラアセンブリィを移動する移動手段とに第１の移動信号を作動コントローラから送信するステップと、
(c) 前記第１の印刷版を取り付けるための前記第２の見当マークに対応した第２の位置座標へ第２カメラアセンブリィを移動する移動手段に対し、第２の移動信号を前記作動コントローラから送信するステップと、
(d) 前記テーブルと前記第１および第２のカメラアセンブリィとを前記第１および第２の移動信号に応じて移動させ、前記第１および第２のカメラアセンブリィを前記第１および第２の位置座標にそれぞれ位置決めするステップであって、前記第１および第２のカメラアセブリィは、これらが取り付けられる支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、前記第２カメラアセンブリィは、前記第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有するステップと、
(e) 前記第１および第２のカメラアセンブリィの下方の前記キャリアシート上に前記第１の印刷版を載置し、前記テーブルに隣接する支持部材に移動可能に取り付けられた前記第１のカメラアセンブリィが接続する第１のビデオモニタの十字線画像に前記第１の見当マークを合致させると共に前記テーブルに隣接する前記支持部材に移動可能に取り付けられた前記第２カメラアセンブリィが接続する前記第２ビデオモニタの十字線画像に前記第２の見当マークを合致させるステップと、
(f) この位置決めステップの後に前記キャリアシート上に前記第１の印刷版を固定するステップとを具えたことを特徴とするものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
本発明の第１の形態による印刷版取り付け装置において、第１および第２のカメラアセブリィは、支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、第２カメラアセンブリィは、第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有するものであってもよい。この場合、テーブルは、このテーブルに連結されて当該テーブルを固定ベースに対し第２の方向に沿って動かす手段を有することが好ましい。
【００１５】
第１および第２のカメラアセンブリィは、カメラと予備見当合わせ光アセンブリィとをそれぞれ具え、第１カメラアセンブリィは、キャリアシート上にマーキングを付す描画ペンアセンブリィを有するものであってもよい。この場合、描画ペンアセンブリィは、電磁プランジャによって作動する可動ロッドに取り付けられた描画ペンを具えていることが好ましい。
【００１６】
移動手段は、移動信号を受信するリニアアクチュエータと、第１および第２の方向に沿った第１および第２のカメラアセンブリィまたはテーブルの移動距離を測定するエンコーダとを具えていてもよい。
【００１７】
作動コントローラに接続して第１および第２の方向に沿った第１および第２のカメラアセンブリィの対応位置をそれぞれ表示する第１および第２のデジタル表示器をさらに具えることも可能である。
【００１８】
信号発生手段は、作動コントローラに接続するコンピュータで実行されるソフトウェアプログラムを具えていてもよく、あるいは、作動コントローラに組み込まれる予めプログラムされたメモリカードを具えていてもよい。
【００１９】
本発明の第２の形態による印刷版取り付け方法において、キャリアシートに取り付けられる次の印刷版に対して(b) から(f) のステップがそれぞれ繰り返されるものであってもよい。
【００２０】
作動コントローラから第１および第２の移動信号を送信するステップは、作動コントローラに接続するコンピュータで実行されるソフトウェアプログラムから第１および第２の移動信号を発することにより行われるものであってもよく、あるいは、作動コントローラに組み込まれる予めプログラムされたメモリカードから第１および第２の移動信号を発することにより行われるものであってもよい。
【００２２】
第１カメラアセンブリィは、描画ペンを有する描画ペンアセンブリィを具え、キャリアシートに描画ペンで描画するステップをさらに具えることも可能である。
【００２３】
それぞれの移動手段は、移動信号を受信するリニアアクチュエータを具えてもよい。
【００２４】
【実施例】
本発明による印刷板取り付け方法を実現し得る印刷版取り付け装置をフレキソ印刷用の刷版に応用した一実施例について、図１〜図３を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施例に限らず、同様な課題を内包する他の分野の技術にも応用することができる。
【００２５】
図１は、複数の印刷版１２、例えばフレキソ印刷版をキャリアシート１４上に取り付けるための装置を描いており、各印刷版１２は第１および第２のトンボ、つまり見当マークを有する。印刷版取り付け装置１０は、上面にキャリアシート１４が取り付けられる可動テーブル１６と、この可動テーブル１６に隣接して案内支持部材２２に移動可能に取り付けられる第１カメラアセンブリィ１８と、可動テーブル１６に隣接して案内支持部材２２に移動可能に取り付けられる第２カメラアセンブリィ２０とを具えている。第１カメラアセンブリィ１８は、第１の見当マークを観察するための第１表示ユニット２６の第１ＴＶモニタ２４に接続し、第２カメラアセンブリィ２０は、第２の見当マークを観察するための第２表示ユニット３０の第２ＴＶモニタ２８に接続している。この好ましい実施例において、第１および第２のＴＶモニタ２４, ２８は、作動コントローラ３２を介してそれぞれ第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０に接続している。さらに、この印刷版取り付け装置１０は、第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０に接続して可動テーブル１６に対して各カメラアセンブリィ１８, ２０を独立に移動するための手段を有する。また、作動コントローラ３２は移動手段に接続してそこに移動信号を送出する。作動コントローラ３２は、各印刷版１２に対する２つの見当マークに対応した少なくとも２つの移動信号をライン３４, ３６を介して発する。作動コントローラ３２で発せられた移動信号は、作動コントローラ３２の前もってプログラムしたメモリカードからか、あるいはこれに接続するコンピュータ３８によって実行されるソフトウェアプログラムから制御される。
【００２６】
可動テーブル１６は、一対の溝付きレール（図示せず）上にボールレースを有する案内ブロックを用いて固定ベース（図示せず）の上に摺動可能に取り付けられており、溝付きレールは、案内支持部材２２に対して直交する、以下でｙ方向と呼称される方向への可動テーブル１６の移動をもたらすように、固定ベースの上面に配置されている。案内支持部材２２は、エンドサポート４０によって固定ベースに対してその端部が可動テーブル１６の上に水平かつこれと平行に固定されている。案内支持部材２２は、第１カメラアセンブリィ１８に取り付けたねじ案内ブラケットに支持される第１ねじ軸４２を有し、この第１ねじ軸４２が回された場合、第１カメラアセンブリィ１８が案内支持部材２２と平行に可動テーブル１６の上を移動するようになっている。この案内支持部材２２に対する平行移動の方向は、以下においてｘ方向と呼称される。第２ねじ軸４４は、第２カメラアセンブリィ２０に同様に連結されている。第１および第２のねじ軸４２, ４４は、共にエンドサポート４０内に設置したＤＣサーボモータ（図示せず）によって回され、これらＤＣサーボモータは作動コントローラ３２に接続し、この作動コントローラ３２からライン３４, ３６を介して送信される移動信号により制御される。第３ねじ軸（図示せず）は、ｙ方向の可動テーブル１６の移動をもたらし、この移動は、第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０のｘ方向の独立した移動を行う。第３ねじ軸も、ＤＣサーボモータによって回され、作動コントローラ３２に接続してこの作動コントローラ３２からライン４６を介して送信される移動信号によって制御される。希望するのであれば、以下に説明するような前もってプログラムした座標の代わりに、ジョイスティック４８を用いることによって移動信号を手動で発生させることができる。また、可動テーブル１６にはｘ方向に延在する位置決めバー５０がそのｘ方向前端に沿って正確に位置決め状態で設けられている。
【００２７】
図２は、ｙ方向に移動可能な可動テーブル１６の上に取り付けられ、ｘ方向に移動可能に予め描かれた第２カメラアセンブリィ２０を描いている。第２カメラアセンブリィ２０は、カメラ５２と、カメラレンズ５４と窓（window）５６とオフセット調整アセンブリィ５８とを有する。また、第２カメラアセンブリィ２０は、予備見当合わせ光アセンブリィ（図示せず）を有し、これは第１カメラアセンブリィ１８に関して以下により詳細に記述される予備見当合わせ光アセンブリィ８０と同じものである。カメラ５２およびレンズ５４は、オフセット調整アセンブリィ５８上のカメラ取り付けブラケット６２に固定具６４を用いて取り付けられており、カメラ５２およびレンズ５４が可動テーブル１６の方に向けられている。窓５６は、レンズ５４が塵埃で汚されないようにレンズ５４に取り付けられている。第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０と可動テーブル１６とが特定の見当マークに対してｘ, ｙ座標に対応した位置にある時、カメラ５２のレンズ５４は、キャリアシート１４（または特定の印刷版１２の見当マーク）上にピントが合う。
【００２８】
オフセット調整アセンブリィ５８は、そこに取り付けられるカメラ５２およびレンズ５４を有するカメラ取り付けブラケット６２のための可動ステージ６６を有する。可動ステージ６６は、案内支持部材２２の第１ねじ軸４２が取り付けられるねじ案内ブラケットを有するリニアアクチュエータ６８に取り付けられ、案内支持部材２２の第１ねじ軸４２は、ｘ方向のリニア軸受７０に沿ってねじ案内ブラケットを動かすための手段として共に機能する。可動ステージ６６は、ロータリエンコーダおよびモータ（図示せず）を有し、ｙ方向のカメラ５２の移動を可能とする。
【００２９】
オフセット調整アセンブリィ５８は、１つあるいはそれ以上の印刷版１２がキャリアシート１４に対して交換されるか、あるいは１つあるいはそれ以上の追加の印刷版１２が最初の取り付け作業に次いでキャリアシート１４に取り付けられる場合、特に有効である。使用者側において、しばしば用いられる「使い古し」のキャリアシートから印刷版を交換することは、極めて困難である。これら「使い古し」のキャリアシートの大部分は、電子システムを用いずに取り付けられており、従ってこれらの古い版台の全部が正しく平行ではない。１台のカメラのオフセット機能は、古い印刷版と同じ位置に新しい印刷版の正確な取り付けを可能とするけれども、このような印刷版は、１００％平行ではない。本発明によるオフセット調整アセンブリィ５８は、交換されるか、あるいは新たな印刷版を第２のカメラアセンブリィ２０のカメラ５２のｙ方向の座標に調整して正確に見当合わせすることをオペレータに可能とする。オフセット調整アセンブリィ５８は、他のキャリアシート上の対応する印刷版を次に取り付けるための調整オフセットを記憶し、従ってそれぞれ連続する印刷版の取り付けのためにリセットしたり再設定したりする必要がない。
【００３０】
第１カメラアセンブリィ１８は、オフセット調整アセンブリィ５８を除いて上述した第２カメラアセンブリィ２０と同じであり、カメラ取り付けブラケット６０が第２ねじ軸４４に連結されたねじ案内ブラケットに直接取り付けられている。また、図２に示すように、各カメラアセンブリィ１８, ２０は、リニアエンコーダ７２、例えば Anilam 直線スケールを有し、ｘ軸線に沿った各カメラアセンブリィ１８, ２０の正確な位置を測定するために作動コントローラ３２に接続している。可動テーブル１６は、ロータリエンコーダ（図示せず）を有し、ｙ軸線に沿った可動テーブル１６の正確な位置を測定するために作動コントローラ３２に接続している。ｘ, ｙ両方の軸線に沿った各カメラアセンブリィ１８, ２０の位置は、作動コントローラ３２から伝えられ、第１および第２の表示ユニット２６, ３０にそれぞれ表示され、可動テーブル１６に対して各カメラアセンブリィ１８, ２０のｘ, ｙ位置座標に対する数値が表示される。作動コントローラ３２は、可動テーブル１６および各カメラアセンブリィ１８, ２０の座標位置を記憶し、取り付け作業中に可動テーブル１６が動いた場合、可動テーブル１６は望ましいｙ座標位置に自動的に戻されよう。
【００３１】
図３は、第１カメラアセンブリィ１８を描いており、上述のようにｙ方向に移動可能な可動テーブル１６の上方に取り付けられ、ｘ方向に移動可能である。第１カメラアセンブリィ１８は、カメラ７４と、カメラレンズ７６と、窓７８と、予備見当合わせ光アセンブリィ８０と、描画ペンアセンブリィ８２とを有する。カメラ７４およびレンズ７６および窓７８は、カメラ７４およびレンズ７６がオフセット調整アセンブリィ５８に取り付けられるのではなく、第２ねじ軸４４が連結されるねじ案内ブラケットに直接取り付けられたカメラ取り付けブラケット６０に装着される点を除き、上述した第２カメラアセンブリィ２０と同じである。予備見当合わせ光アセンブリィ８０は、可撓性の光ファイバケーブル８６に組み合わされる集光レンズ８４を有する。光ファイバケーブル８６は、案内支持部材２２に配置されるクォーツハロゲン照明器具の如き光源（図示せず）に連結されている。集光レンズ８４は、固定具８８によりカメラ取り付けブラケット６０に対して適正な場所に保持され、レンズ７６およびカメラ７４の直下のキャリアシート１４上の領域に光を照らすように配置される。予備見当合わせ光アセンブリィ８０は、このキャリアシート１４上の領域の他に、所定の見当マークに対応するｘ, ｙ座標位置の印刷版１２上の見当マークも照明する。
【００３２】
なお、第１カメラアセンブリィ１８は、図示しないけれども上述したような予備見当合わせ光アセンブリィ８０を有する。
【００３３】
第１カメラアセンブリィ１８は、描画ペンアセンブリィ８２の描画ペン９２を配置するための開口９０を有する。描画ペンアセンブリィ８２は、プル形の中空ソレノイド９８に吸引される電磁プランジャ９６を有する可動ロッド９４に取り付けられた描画ペン９２を具えている。描画ペン９２は、自動プロッタで描画するために用いられる一般的なペンであり、例えば Hewlett Packardから得ることができる。使用状態にない場合、描画ペン９２は図示の如き格納位置に退避している。キャリアシート１４上の容器レイアウトの打ち抜き線 (die cut lines)あるいは折り返し線 (folding lines)を描くために描画ペンアセンブリィ８２が使用され、描画ペン９２は、電磁プランジャ９６が中空ソレノイド９８に入り込む待機位置に手動で押し下げられる。中空ソレノイド９８が動作して描画ペン９２がキャリアシート１４と接触するように動かされる。第１カメラアンセブリィ１８および可動テーブル１６は、オペレータがこの取り付け装置１０のコンピュータ３８の適当なファイルを選択することにより動かされ、キャリアシート１４上に線を描く。
【００３４】
各カメラアセンブリィ１８, ２０は、カメラ５２, ７４に接続する第１および第２の表示ユニット２６, ３０を有する独立したビデオ画像システムの一部をそれぞれ形成する。各表示ユニット２６, ３０は、第１および第２のＴＶモニタ２４, ２８をそれぞれ有し、垂直および水平線を具えた十字線画像をＴＶモニタスクリーンに生ずる電子交差線（electronic cross-line ）発生器（図示せず）に接続している。垂直および水平線の交点は、印刷版１２の一部、すなわちカメラレンズ５４, ７６の中心直下に配置した見当マークと正確に一致する。各ＴＶカメラ５２, ７４は、一般的には印刷版１２の目標領域を２５倍に拡大する。また、各表示ユニット２６, ３０は、数値すなわちデジタル表示器１００, １０２を具えており、見当マークのｘ, ｙ位置座標が読み出される。十字線を発生するために用いられる技術および受信画像を表示する技術およびカメラの座標位置を読み出す技術は、この分野において周知である。
【００３５】
本発明における十字線発生器は、アルファベット／数字記号、例えばＡ１, Ａ２, …，Ｂ１, Ｂ２，…の形態で各ＴＶモニタ２４, ２８に情報を表示するための符号発生器を有し、これらはキャリアシート１４に取り付けられる各印刷版１２に対する第１および第２の見当マークに対応する。符号発生器は、作動コントローラ３２およびコンピュータ３８から次に取り付けられるべき印刷版１２に関する情報を受信する。作動コントローラ３２によって相互に接続されるカメラアセンブリィ１８, ２０と個々の表示ユニット２６, ３０とは、可動テーブル１６上に保持されたキャリアシート１４の印刷版１２の正確な位置決めを可能とする光学システムをもたらしている。
【００３６】
段ボール容器、例えば段ボール箱に対する上述した印刷版取り付け装置１０の一般的な作業工程を以下に記載する。この工程の第１のステップは、印刷されるべき色に対する貼込み台紙の準備である。貼込み台紙は、見当マークのすべてを含む印刷されるべき図柄を実物大に描いたものであり、展開した平らな容器、すなわち印刷されるべき基体のレイアウトに重ねられる。見当マークを含む図柄および容器レイアウトが描かれ、および／または処理され、そしてプリプレスコンピュータの一般的なファイルに電子的に格納される。キャリアシート１４に取り付けられるべき各印刷版１２のため、図柄製作者は、キャリアシート１４上の予め設定した原点およびキャリアシート１４に対する印刷版１２のための第１の見当マークと第２の見当マークとの位置に対する印刷版の位置を決定する。各印刷版１２に対する位置および見当マークは、電子的に格納される。さらに、容器のレイアウトに関する打ち抜き線および折り返し線は、電子的に格納される。見当マークを含む電子的に格納した図柄が印刷版１２のレリーフパターンを形成するのに用いられるマスクを生成するために使用されることは、当業者に理解されよう。
【００３７】
キャリアシート１４は可動テーブル１６上に置かれる。キャリアシート１４は、概ね厚肉の可撓性プラスチック材料である。一般的なキャリアシート１４は、ポリエステルで作られ、０. １０mmから５. ０mmまでの範囲の厚みを有する。キャリアシート１４は、位置決めバー５０を用いて可動テーブル１６上に配置される。位置決めバー５０は、MATTHEWS（登録商標）ロックあるいは同様な位置決め器具であってよい。多くの場合において、版胴に設けた特殊固定器具は、印刷中にキャリアシート１４を所定箇所に保持するのに用いられる。これらが使用される場合、位置決めバー５０に対して使用されるのと同じ同一型式の固定器具を有することが都合がよい。また、キャリアシート１４は、見当合わせ穴と取り付けピンとを用いて位置決め可能である。取り付けピンまたは位置決めバー５０は、可動テーブル１６に対して一体的あるいは取り外し可能に装着可能である。キャリアシート１５は、例えば平たい重りや真空吸引を使用することによって、その移動が阻止される。真空吸引を使用する可動テーブル１６は、寸法の異なるキャリアシートに対応させるために複数の吸引領域を有することが好ましい。
【００３８】
キャリアシート１４にそれぞれ取り付けられるべき印刷版１２のため、貼込み作業者は、記録した印刷版位置および見当マークをプリプレスコンピュータから引き出し、取り付け装置１０のコンピュータ３８のファイルに取り込む。各カメラアセンブリィ１８, ２０は、予め設定した原点位置に可動テーブル１６上を独立に動かされる。これは、キャリアシート１４の最前部の一方の隅や、キャリアシート１４の最前部の中点などであってよい。可動テーブル１６に対する各カメラアセンブリィ１８, ２０の移動は、溝付きレールに沿ったｙ方向の可動テーブル１６の移動と、案内支持部材２２に沿ったｘ方向の各カメラアセンブリィ１８, ２０の移動とによって達成される。各デジタル表示器１００, １０２は、望ましい原点においてｘ＝０, ｙ＝０に調整される。可動テーブル１６は、ｙ方向に動かされると共に各カメラアセンブリィ１８, ２０は、各カメラアセンブリィ１８, ２０が個々の見当マークに対して記録したｘ, ｙ座標となるまで、案内支持部材２２に沿ってｘ方向に動かされる。第１カメラアセンブリィ１８は、作動コントローラ３２からの第１の移動信号に応じ、第１の印刷版１２の第１の見当マークに対して記録されたｘ, ｙ座標を有する位置まで、案内支持部材２２に沿って動かされる。また、第２のカメラアセンブリィ２０は、作動コントローラ３２からの第２の信号に応じ、第２の見当マークに対して記録されたｘ, ｙ座標を有する位置まで案内支持部材２２に沿って動かされる。各カメラアセンブリィ１８, ２０は、固定手段（図示せず）を用いて所定箇所に固定される。各カメラアセンブリィ１８, ２０の予備見当合わせ光アセンブリィ８０は、第１の印刷版１２のための個々の見当マークが形成されたキャリアシート１４の部分を照明する。
【００３９】
粘着テープは、印刷版１２の非レリーフ（非印刷）側に設けられる。この粘着テープは、取り付け作業中、剥離を容易にする保護シート、例えばワックス紙でカバーされていることが好ましく、印刷版１２に対する粘着テープの中央部分は、粘着性を持たせるためにカバーされていない。第１の印刷版１２は、非レリーフ側がキャリアシート１４を向くと共に第１および第２の見当マークを含むレリーフ側がキャリアシート１４上の予備見当合わせ光アセンブリィ８０の下方位置に動かされる。そして、印刷版１２がキャリアシート１４上に載置され、印刷版１２の第１の見当マークが第１カメラアセンブリィ１８の予備見当合わせ光アセンブリィ８０によって照明され、第１ＴＶモニタ２４のスクリーンに表示された十字線マークと合致させ、印刷版１２の第２の見当マークが第２カメラアセンブリィ２０の予備見当合わせ光アセンブリィ８０によって照明され、第２ＴＶモニタ２８のスクリーンに表示された十字線マークと合致させられる。第１の印刷版１２は、キャリアシート１４上の所定箇所に押し付けられ、露出している粘着領域に沿ってキャリアシート１４に付着する。第１の印刷版１２の粘着領域の両側の保護シートは、この印刷版１２から慎重に取り外され、印刷版１２の残った領域がキャリアシート１４に対して接着するように、その所定箇所がキャリアシート１４に押し付けられる。
【００４０】
次に、第２の印刷版のための見当合わせ座標が引き出され、各カメラアセンブリィ１８, ２０ならびに可動テーブル１６は、所定箇所に動かされ、第２の印刷版が上述したように準備される。これは、キャリアシート１４に取り付けられるべきすべての残りの印刷版に対して繰り返される。印刷版取り付け作業中に可動テーブル１６が望ましい見当合わせ座標から離れるように動かすことは可能である。この場合、取り付けられている印刷版１２のためのｙ座標を記憶している作動コントローラ３２は、正しいｙ座標位置に可動テーブル１６を戻すように作動可能である。
【００４１】
本発明は、２つのカメラアセンブリィ１８, ２０を必要とするだけで、多数の印刷版をキャリアシート１４に取り付け可能であるという点で利点を生ずる。キャリアシート１４を可動テーブル１６上の所定箇所に位置させた後、好ましくは印刷版１２がキャリアシート１４に取り付けられる前に、展開した平らな容器のレイアウトがキャリアシート１４上に描かれ、例えば、容器のゆがんだ打ち抜き線およびゆがんだ折り返し線が表示される。第１カメラアセンブリィ１８は原点位置に配置される。描画ペンアセンブリィ８２の描画ペン９２は、描画ペン９２がキャリアシート１４と接触するように動かされる。そして、可動テーブル１６および／または第１カメラアセンブリィ１８が動かされ、描画ペン９２は打ち抜き線と、折り返し線と、容器のその他の関連するマークとをキャリアシート１４上に描く。キャリアシート１４を作ることは、印刷機による印刷前に、印刷版１２が印刷されるべき望ましい箱に対してキャリアシート１４上に正確に配置され、印刷される箱が視覚化されるように援助することを保証する。
【００４２】
全ての印刷版１２がキャリアシート１４に取り付けられた後、各印刷版１２の周縁は、取り扱いおよび／または印刷中にキャリアシート１４から印刷版１２が剥がれないようにエッジシーラントで適切にシールされる。そして、印刷版１２と共にキャリアシート１４が版胴に取り付けられる。位置決めバー５０は、版胴に対してキャリアシート１４を取り付けるために使用可能である。通常、キャリアシート１４は、テンションバンドか、あるいは版胴に設けた特殊固定装置によって版胴に保持される。
【００４３】
【発明の効果】
本発明によると、印刷版に形成された第１の見当マークを観察するための第１ビデオモニタに接続する第１カメラアセンブリィと、印刷版に形成された第２の見当マークを観察するための第２ビデオモニタに接続する第２カメラアセンブリィとをテーブルに対して独立に移動するようにし、テーブルに隣接する支持部材に移動可能に取り付けられた第１のカメラアセンブリィが接続する第１のビデオモニタの十字線画像と第１の見当マークとを合致させると共に支持部材に移動可能に取り付けられた第２カメラアセンブリィが接続する第２ビデオモニタの十字線画像と第２の見当マークとを合致させるようにしたので、穿設作業や取り付けピンを使用することなく、キャリアシート上に１つ以上の印刷版を取り付けることができる。
【００４４】
また、手動計算および手動配置の必要性を除去して代わりにキャリアシート上の印刷版の正確な位置を自動的に決定することができる。
【００４５】
さらに、多色カラー印刷のために他のキャリアシートに取り付けた印刷版に対し、最初およびこれに続く見当合わせを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明をフレキソ印刷版に応用した一実施例の全体を表す概略斜視図である。
【図２】図１に示した実施例における第２カメラアセンブリィの概略側面図であり、カメラとオフセット調整アセンブリィとを示す。
【図３】図１に示した実施例における第１カメラアセンブリィの概略正面図であり、カメラと予備見当合わせ光アセンブリィと描画ペンアセンブリィとを示す。
【符号の説明】
１０ 装置
１２ 印刷版
１４ キャリアシート
１６ 可動テーブル
１８ 第１カメラアセンブリィ
２０ 第２カメラアセンブリィ
２２ 案内支持部材
２４ 第１ＴＶモニタ
２６ 第１表示ユニット
２８ 第２ＴＶモニタ
３０ 第２表示ユニット
３２ 作動コントローラ
３４, ３６ ライン
３８ コンピュータ
４０ エンドサポート
４２ 第１ねじ軸
４４ 第２ねじ軸
４６ ライン
４８ ジョイスティック
５０ 位置決めバー
５２ カメラ
５４ カメラレンズ
５６ 窓
５８ オフセット調整アセンブリィ
６０, ６２ カメラ取り付けブラケット
６４ 固定具
６６ 可動ステージ
６８ リニアアクチュエータ
７０ リニア軸受
７２ リニアエンコーダ
７４ カメラ
７６ カメラレンズ
７８ 窓
８０ 予備見当合わせ光アセンブリィ
８２ 描画ペンアセンブリィ
８４ 集光レンズ
８６ 光ファイバケーブル
８８ 固定具
９０ 開口
９２ 描画ペン
９４ 可動ロッド
９６ 電磁プランジャ
９８ プル形ソレノイド
１００, １０２ デジタル表示器
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリアシート上に印刷版を取り付ける方法および装置に関し、特にキャリアシート上にフレキソ印刷版を見当を合わせて取り付ける方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
フレキソ印刷版は、ゴムや感光性ポリマーあるいは同様の材料で作った弾力のあるレリーフ画像版であり、広範な種類の物品に印刷するために用いられる。印刷工程の重要なステップの１つは、版胴に対する印刷版の正確な位置決めである。印刷が版胴の軸線に対して平行、すなわちねじれないように印刷版を配置する必要がある。また、多色印刷において、それぞれ異なる色に対応する印刷版は、これらが見当を合わせて印刷されるように整列される必要がある。
【０００３】
この位置決めは、ピン見当合わせ穿設器具および貼込み器具を用いてしばしば達成される。この場合、版胴は一般的に印刷機から取り外され、別個の貼込み器具としばしば関係する見当合わせ穴を用いて印刷版が版胴に取り付けられる。
【０００４】
しかしながら、段ボール容器を印刷するのに使用される一般的な多くの印刷機の場合、通常、版胴は印刷機から取り外されない。段ボール印刷のためのフレキソ印刷版を取り付ける従来の方法は、キャリアシートおよび貼込み／校正機ユニットの使用を必要とする。１つあるいはそれ以上の印刷版は、キャリアシートとして知られる大きな可撓性シートの上に接着あるいは粘着テープを介して固定される。例えば、厚紙箱の段ボール印刷においては、箱の両側の相対的に小さな領域がしばしば印刷されるが、これはキャリアシート上に多数の印刷版を取り付ける必要がある。印刷版は、光ガイドおよび反射鏡を使用して印刷版の位置を手動で測定することにより、キャリアシート上に配置される。そして、キャリアシートが印刷機の版胴に配置される。段ボールポスト印刷市場における印刷のため、一色あるいは多色製品を配備する必要がある。多色印刷のため、各連続的な色に対する印刷版は、反射鏡を有する貼込み／校正機ユニットを用いてそれらのキャリアシートの上に配置される。
【０００５】
段ボール印刷のための印刷版の取り付け方法の主たる進歩は、単ヘッドドリル（single-head drill ）の導入によって達成された。印刷機は、この単ヘッドドリルを用いてキャリアシートおよび印刷版の両方に見当合わせ穴を穿設することができる。そして、印刷版が取り付けピンと粘着テープとを用いてキャリアシートに固定される。印刷版が固定されたならば、ピンは取り外される。従って、キャリアシート上の印刷版のライン揃えが各色に対して同じであり、貼込み／校正機ユニットを使用する必要性を排除することができる。また、取り付け処理の速度および正確性を共に改善することができる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
貼込み／校正機ユニットを用いてキャリアシート上に１つ以上の印刷版を取り付ける方法は、時間が嵩み、作業者の熟練度に高く依存し、誤りやを矛盾する結果をはらむ可能性がある。見当合わせ作業に対する改善の要求が増大している現状では、この方法は到底満足できるものではない。
【０００７】
単ヘッドドリルを用いてキャリアシート上に１つ以上の印刷版を取り付ける方法は、キャリアシートおよび印刷版に対する見当合わせ穴の穿設のための時間を独立に必要とし、さらに間違った印刷版をキャリアシートの間違った場所に取り付ける可能性があるため、このような配置や他の誤りを排除することができない。
【０００８】
さらに、印刷作業後の段ボール印刷機は、次の印刷作業のために各色の印刷版が取り付けられたキャリアシートをしばしば保持している。しかしながら、１つあるいはそれ以上の印刷版を収納中のキャリアシートから取り外す可能性がある場合、問題が発生する。それは、印刷版を他のものと見当を合わせて交換することが極めて困難だからである。また、その後の印刷中に追加の色を加える必要がある可能性もあり、従来、他の色に対してキャリアシートに正確に取り付けた印刷版との見当合わせを保証するように、新たな色に対する印刷版をキャリアシートの正確な位置に取り付けることは非常に困難である。
【０００９】
【発明の目的】
本発明の目的は、穿設作業や取り付けピンを使用することなく、キャリアシートに１つ以上の印刷版を取り付けるための方法および装置を提供することにある。
【００１０】
本発明の他の目的は、手計算や手動配置の必要性を排除し、キャリアシート上の印刷版の正確な位置を自動的に決定可能な方法および装置を提供することにある。
【００１１】
本発明の別な目的は、多色カラー印刷のために他のキャリアシートに取り付けられた印刷版に対して最初の見当合わせおよびこれに続く見当合わせを確実に行うことが可能な印刷版の取り付け方法および装置を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明の第１の形態は、第１および第２の見当マークをそれぞれ有する複数の印刷版をキャリアシートに取り付けるための印刷版取り付け装置であって、固定ベース上に取り付けられるテーブルと、このテーブルに隣接して支持部材に対し移動可能に取り付けられ、前記第１の見当マークを観察するための第１ビデオモニタに接続する第１カメラアセンブリィと、前記テーブルに隣接して前記支持部材に対し移動可能に取り付けられ、前記第２の見当マークを観察するための第２ビデオモニタに接続する第２カメラアセンブリィと、前記第１および第２のカメラアセンブリィに連結され、前記テーブルに対してこれら第１および第２のカメラアセンブリィを独立に移動させる移動手段と、この移動手段に接続して移動信号を送信し、各印刷版の前記第１および第２の見当マークに対応した少なくとも２つの移動信号を発生させる信号発生手段を有する作動コントローラとを具え、前記第１および第２のカメラアセブリィは、前記支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、前記第２カメラアセンブリィは、前記第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有することを特徴とするものである。
【００１３】
本発明の第２の形態は、第１および第２の見当マークをそれぞれ有する複数の印刷版をキャリアシートに取り付けるための印刷版取り付け方法であって、
(a) 固定ベースに取り付けられるテーブル上に前記キャリアシートを載置するステップと、
(b) 前記テーブルを移動する移動手段と、第１の前記印刷版を取り付けるための前記第１の見当マークに対応した第１の位置座標へ第１カメラアセンブリィを移動する移動手段とに第１の移動信号を作動コントローラから送信するステップと、
(c) 前記第１の印刷版を取り付けるための前記第２の見当マークに対応した第２の位置座標へ第２カメラアセンブリィを移動する移動手段に対し、第２の移動信号を前記作動コントローラから送信するステップと、
(d) 前記テーブルと前記第１および第２のカメラアセンブリィとを前記第１および第２の移動信号に応じて移動させ、前記第１および第２のカメラアセンブリィを前記第１および第２の位置座標にそれぞれ位置決めするステップであって、前記第１および第２のカメラアセブリィは、これらが取り付けられる支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、前記第２カメラアセンブリィは、前記第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有するステップと、
(e) 前記第１および第２のカメラアセンブリィの下方の前記キャリアシート上に前記第１の印刷版を載置し、前記テーブルに隣接する支持部材に移動可能に取り付けられた前記第１のカメラアセンブリィが接続する第１のビデオモニタの十字線画像に前記第１の見当マークを合致させると共に前記テーブルに隣接する前記支持部材に移動可能に取り付けられた前記第２カメラアセンブリィが接続する前記第２ビデオモニタの十字線画像に前記第２の見当マークを合致させるステップと、
(f) この位置決めステップの後に前記キャリアシート上に前記第１の印刷版を固定するステップとを具えたことを特徴とするものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
本発明の第１の形態による印刷版取り付け装置において、第１および第２のカメラアセブリィは、支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、第２カメラアセンブリィは、第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有するものであってもよい。この場合、テーブルは、このテーブルに連結されて当該テーブルを固定ベースに対し第２の方向に沿って動かす手段を有することが好ましい。
【００１５】
第１および第２のカメラアセンブリィは、カメラと予備見当合わせ光アセンブリィとをそれぞれ具え、第１カメラアセンブリィは、キャリアシート上にマーキングを付す描画ペンアセンブリィを有するものであってもよい。この場合、描画ペンアセンブリィは、電磁プランジャによって作動する可動ロッドに取り付けられた描画ペンを具えていることが好ましい。
【００１６】
移動手段は、移動信号を受信するリニアアクチュエータと、第１および第２の方向に沿った第１および第２のカメラアセンブリィまたはテーブルの移動距離を測定するエンコーダとを具えていてもよい。
【００１７】
作動コントローラに接続して第１および第２の方向に沿った第１および第２のカメラアセンブリィの対応位置をそれぞれ表示する第１および第２のデジタル表示器をさらに具えることも可能である。
【００１８】
信号発生手段は、作動コントローラに接続するコンピュータで実行されるソフトウェアプログラムを具えていてもよく、あるいは、作動コントローラに組み込まれる予めプログラムされたメモリカードを具えていてもよい。
【００１９】
本発明の第２の形態による印刷版取り付け方法において、キャリアシートに取り付けられる次の印刷版に対して(b) から(f) のステップがそれぞれ繰り返されるものであってもよい。
【００２０】
作動コントローラから第１および第２の移動信号を送信するステップは、作動コントローラに接続するコンピュータで実行されるソフトウェアプログラムから第１および第２の移動信号を発することにより行われるものであってもよく、あるいは、作動コントローラに組み込まれる予めプログラムされたメモリカードから第１および第２の移動信号を発することにより行われるものであってもよい。
【００２２】
第１カメラアセンブリィは、描画ペンを有する描画ペンアセンブリィを具え、キャリアシートに描画ペンで描画するステップをさらに具えることも可能である。
【００２３】
それぞれの移動手段は、移動信号を受信するリニアアクチュエータを具えてもよい。
【００２４】
【実施例】
本発明による印刷板取り付け方法を実現し得る印刷版取り付け装置をフレキソ印刷用の刷版に応用した一実施例について、図１〜図３を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施例に限らず、同様な課題を内包する他の分野の技術にも応用することができる。
【００２５】
図１は、複数の印刷版１２、例えばフレキソ印刷版をキャリアシート１４上に取り付けるための装置を描いており、各印刷版１２は第１および第２のトンボ、つまり見当マークを有する。印刷版取り付け装置１０は、上面にキャリアシート１４が取り付けられる可動テーブル１６と、この可動テーブル１６に隣接して案内支持部材２２に移動可能に取り付けられる第１カメラアセンブリィ１８と、可動テーブル１６に隣接して案内支持部材２２に移動可能に取り付けられる第２カメラアセンブリィ２０とを具えている。第１カメラアセンブリィ１８は、第１の見当マークを観察するための第１表示ユニット２６の第１ＴＶモニタ２４に接続し、第２カメラアセンブリィ２０は、第２の見当マークを観察するための第２表示ユニット３０の第２ＴＶモニタ２８に接続している。この好ましい実施例において、第１および第２のＴＶモニタ２４, ２８は、作動コントローラ３２を介してそれぞれ第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０に接続している。さらに、この印刷版取り付け装置１０は、第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０に接続して可動テーブル１６に対して各カメラアセンブリィ１８, ２０を独立に移動するための手段を有する。また、作動コントローラ３２は移動手段に接続してそこに移動信号を送出する。作動コントローラ３２は、各印刷版１２に対する２つの見当マークに対応した少なくとも２つの移動信号をライン３４, ３６を介して発する。作動コントローラ３２で発せられた移動信号は、作動コントローラ３２の前もってプログラムしたメモリカードからか、あるいはこれに接続するコンピュータ３８によって実行されるソフトウェアプログラムから制御される。
【００２６】
可動テーブル１６は、一対の溝付きレール（図示せず）上にボールレースを有する案内ブロックを用いて固定ベース（図示せず）の上に摺動可能に取り付けられており、溝付きレールは、案内支持部材２２に対して直交する、以下でｙ方向と呼称される方向への可動テーブル１６の移動をもたらすように、固定ベースの上面に配置されている。案内支持部材２２は、エンドサポート４０によって固定ベースに対してその端部が可動テーブル１６の上に水平かつこれと平行に固定されている。案内支持部材２２は、第１カメラアセンブリィ１８に取り付けたねじ案内ブラケットに支持される第１ねじ軸４２を有し、この第１ねじ軸４２が回された場合、第１カメラアセンブリィ１８が案内支持部材２２と平行に可動テーブル１６の上を移動するようになっている。この案内支持部材２２に対する平行移動の方向は、以下においてｘ方向と呼称される。第２ねじ軸４４は、第２カメラアセンブリィ２０に同様に連結されている。第１および第２のねじ軸４２, ４４は、共にエンドサポート４０内に設置したＤＣサーボモータ（図示せず）によって回され、これらＤＣサーボモータは作動コントローラ３２に接続し、この作動コントローラ３２からライン３４, ３６を介して送信される移動信号により制御される。第３ねじ軸（図示せず）は、ｙ方向の可動テーブル１６の移動をもたらし、この移動は、第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０のｘ方向の独立した移動を行う。第３ねじ軸も、ＤＣサーボモータによって回され、作動コントローラ３２に接続してこの作動コントローラ３２からライン４６を介して送信される移動信号によって制御される。希望するのであれば、以下に説明するような前もってプログラムした座標の代わりに、ジョイスティック４８を用いることによって移動信号を手動で発生させることができる。また、可動テーブル１６にはｘ方向に延在する位置決めバー５０がそのｘ方向前端に沿って正確に位置決め状態で設けられている。
【００２７】
図２は、ｙ方向に移動可能な可動テーブル１６の上に取り付けられ、ｘ方向に移動可能に予め描かれた第２カメラアセンブリィ２０を描いている。第２カメラアセンブリィ２０は、カメラ５２と、カメラレンズ５４と窓（window）５６とオフセット調整アセンブリィ５８とを有する。また、第２カメラアセンブリィ２０は、予備見当合わせ光アセンブリィ（図示せず）を有し、これは第１カメラアセンブリィ１８に関して以下により詳細に記述される予備見当合わせ光アセンブリィ８０と同じものである。カメラ５２およびレンズ５４は、オフセット調整アセンブリィ５８上のカメラ取り付けブラケット６２に固定具６４を用いて取り付けられており、カメラ５２およびレンズ５４が可動テーブル１６の方に向けられている。窓５６は、レンズ５４が塵埃で汚されないようにレンズ５４に取り付けられている。第１および第２のカメラアセンブリィ１８, ２０と可動テーブル１６とが特定の見当マークに対してｘ, ｙ座標に対応した位置にある時、カメラ５２のレンズ５４は、キャリアシート１４（または特定の印刷版１２の見当マーク）上にピントが合う。
【００２８】
オフセット調整アセンブリィ５８は、そこに取り付けられるカメラ５２およびレンズ５４を有するカメラ取り付けブラケット６２のための可動ステージ６６を有する。可動ステージ６６は、案内支持部材２２の第１ねじ軸４２が取り付けられるねじ案内ブラケットを有するリニアアクチュエータ６８に取り付けられ、案内支持部材２２の第１ねじ軸４２は、ｘ方向のリニア軸受７０に沿ってねじ案内ブラケットを動かすための手段として共に機能する。可動ステージ６６は、ロータリエンコーダおよびモータ（図示せず）を有し、ｙ方向のカメラ５２の移動を可能とする。
【００２９】
オフセット調整アセンブリィ５８は、１つあるいはそれ以上の印刷版１２がキャリアシート１４に対して交換されるか、あるいは１つあるいはそれ以上の追加の印刷版１２が最初の取り付け作業に次いでキャリアシート１４に取り付けられる場合、特に有効である。使用者側において、しばしば用いられる「使い古し」のキャリアシートから印刷版を交換することは、極めて困難である。これら「使い古し」のキャリアシートの大部分は、電子システムを用いずに取り付けられており、従ってこれらの古い版台の全部が正しく平行ではない。１台のカメラのオフセット機能は、古い印刷版と同じ位置に新しい印刷版の正確な取り付けを可能とするけれども、このような印刷版は、１００％平行ではない。本発明によるオフセット調整アセンブリィ５８は、交換されるか、あるいは新たな印刷版を第２のカメラアセンブリィ２０のカメラ５２のｙ方向の座標に調整して正確に見当合わせすることをオペレータに可能とする。オフセット調整アセンブリィ５８は、他のキャリアシート上の対応する印刷版を次に取り付けるための調整オフセットを記憶し、従ってそれぞれ連続する印刷版の取り付けのためにリセットしたり再設定したりする必要がない。
【００３０】
第１カメラアセンブリィ１８は、オフセット調整アセンブリィ５８を除いて上述した第２カメラアセンブリィ２０と同じであり、カメラ取り付けブラケット６０が第２ねじ軸４４に連結されたねじ案内ブラケットに直接取り付けられている。また、図２に示すように、各カメラアセンブリィ１８, ２０は、リニアエンコーダ７２、例えば Anilam 直線スケールを有し、ｘ軸線に沿った各カメラアセンブリィ１８, ２０の正確な位置を測定するために作動コントローラ３２に接続している。可動テーブル１６は、ロータリエンコーダ（図示せず）を有し、ｙ軸線に沿った可動テーブル１６の正確な位置を測定するために作動コントローラ３２に接続している。ｘ, ｙ両方の軸線に沿った各カメラアセンブリィ１８, ２０の位置は、作動コントローラ３２から伝えられ、第１および第２の表示ユニット２６, ３０にそれぞれ表示され、可動テーブル１６に対して各カメラアセンブリィ１８, ２０のｘ, ｙ位置座標に対する数値が表示される。作動コントローラ３２は、可動テーブル１６および各カメラアセンブリィ１８, ２０の座標位置を記憶し、取り付け作業中に可動テーブル１６が動いた場合、可動テーブル１６は望ましいｙ座標位置に自動的に戻されよう。
【００３１】
図３は、第１カメラアセンブリィ１８を描いており、上述のようにｙ方向に移動可能な可動テーブル１６の上方に取り付けられ、ｘ方向に移動可能である。第１カメラアセンブリィ１８は、カメラ７４と、カメラレンズ７６と、窓７８と、予備見当合わせ光アセンブリィ８０と、描画ペンアセンブリィ８２とを有する。カメラ７４およびレンズ７６および窓７８は、カメラ７４およびレンズ７６がオフセット調整アセンブリィ５８に取り付けられるのではなく、第２ねじ軸４４が連結されるねじ案内ブラケットに直接取り付けられたカメラ取り付けブラケット６０に装着される点を除き、上述した第２カメラアセンブリィ２０と同じである。予備見当合わせ光アセンブリィ８０は、可撓性の光ファイバケーブル８６に組み合わされる集光レンズ８４を有する。光ファイバケーブル８６は、案内支持部材２２に配置されるクォーツハロゲン照明器具の如き光源（図示せず）に連結されている。集光レンズ８４は、固定具８８によりカメラ取り付けブラケット６０に対して適正な場所に保持され、レンズ７６およびカメラ７４の直下のキャリアシート１４上の領域に光を照らすように配置される。予備見当合わせ光アセンブリィ８０は、このキャリアシート１４上の領域の他に、所定の見当マークに対応するｘ, ｙ座標位置の印刷版１２上の見当マークも照明する。
【００３２】
なお、第１カメラアセンブリィ１８は、図示しないけれども上述したような予備見当合わせ光アセンブリィ８０を有する。
【００３３】
第１カメラアセンブリィ１８は、描画ペンアセンブリィ８２の描画ペン９２を配置するための開口９０を有する。描画ペンアセンブリィ８２は、プル形の中空ソレノイド９８に吸引される電磁プランジャ９６を有する可動ロッド９４に取り付けられた描画ペン９２を具えている。描画ペン９２は、自動プロッタで描画するために用いられる一般的なペンであり、例えば Hewlett Packardから得ることができる。使用状態にない場合、描画ペン９２は図示の如き格納位置に退避している。キャリアシート１４上の容器レイアウトの打ち抜き線 (die cut lines)あるいは折り返し線 (folding lines)を描くために描画ペンアセンブリィ８２が使用され、描画ペン９２は、電磁プランジャ９６が中空ソレノイド９８に入り込む待機位置に手動で押し下げられる。中空ソレノイド９８が動作して描画ペン９２がキャリアシート１４と接触するように動かされる。第１カメラアンセブリィ１８および可動テーブル１６は、オペレータがこの取り付け装置１０のコンピュータ３８の適当なファイルを選択することにより動かされ、キャリアシート１４上に線を描く。
【００３４】
各カメラアセンブリィ１８, ２０は、カメラ５２, ７４に接続する第１および第２の表示ユニット２６, ３０を有する独立したビデオ画像システムの一部をそれぞれ形成する。各表示ユニット２６, ３０は、第１および第２のＴＶモニタ２４, ２８をそれぞれ有し、垂直および水平線を具えた十字線画像をＴＶモニタスクリーンに生ずる電子交差線（electronic cross-line ）発生器（図示せず）に接続している。垂直および水平線の交点は、印刷版１２の一部、すなわちカメラレンズ５４, ７６の中心直下に配置した見当マークと正確に一致する。各ＴＶカメラ５２, ７４は、一般的には印刷版１２の目標領域を２５倍に拡大する。また、各表示ユニット２６, ３０は、数値すなわちデジタル表示器１００, １０２を具えており、見当マークのｘ, ｙ位置座標が読み出される。十字線を発生するために用いられる技術および受信画像を表示する技術およびカメラの座標位置を読み出す技術は、この分野において周知である。
【００３５】
本発明における十字線発生器は、アルファベット／数字記号、例えばＡ１, Ａ２, …，Ｂ１, Ｂ２，…の形態で各ＴＶモニタ２４, ２８に情報を表示するための符号発生器を有し、これらはキャリアシート１４に取り付けられる各印刷版１２に対する第１および第２の見当マークに対応する。符号発生器は、作動コントローラ３２およびコンピュータ３８から次に取り付けられるべき印刷版１２に関する情報を受信する。作動コントローラ３２によって相互に接続されるカメラアセンブリィ１８, ２０と個々の表示ユニット２６, ３０とは、可動テーブル１６上に保持されたキャリアシート１４の印刷版１２の正確な位置決めを可能とする光学システムをもたらしている。
【００３６】
段ボール容器、例えば段ボール箱に対する上述した印刷版取り付け装置１０の一般的な作業工程を以下に記載する。この工程の第１のステップは、印刷されるべき色に対する貼込み台紙の準備である。貼込み台紙は、見当マークのすべてを含む印刷されるべき図柄を実物大に描いたものであり、展開した平らな容器、すなわち印刷されるべき基体のレイアウトに重ねられる。見当マークを含む図柄および容器レイアウトが描かれ、および／または処理され、そしてプリプレスコンピュータの一般的なファイルに電子的に格納される。キャリアシート１４に取り付けられるべき各印刷版１２のため、図柄製作者は、キャリアシート１４上の予め設定した原点およびキャリアシート１４に対する印刷版１２のための第１の見当マークと第２の見当マークとの位置に対する印刷版の位置を決定する。各印刷版１２に対する位置および見当マークは、電子的に格納される。さらに、容器のレイアウトに関する打ち抜き線および折り返し線は、電子的に格納される。見当マークを含む電子的に格納した図柄が印刷版１２のレリーフパターンを形成するのに用いられるマスクを生成するために使用されることは、当業者に理解されよう。
【００３７】
キャリアシート１４は可動テーブル１６上に置かれる。キャリアシート１４は、概ね厚肉の可撓性プラスチック材料である。一般的なキャリアシート１４は、ポリエステルで作られ、０. １０mmから５. ０mmまでの範囲の厚みを有する。キャリアシート１４は、位置決めバー５０を用いて可動テーブル１６上に配置される。位置決めバー５０は、MATTHEWS（登録商標）ロックあるいは同様な位置決め器具であってよい。多くの場合において、版胴に設けた特殊固定器具は、印刷中にキャリアシート１４を所定箇所に保持するのに用いられる。これらが使用される場合、位置決めバー５０に対して使用されるのと同じ同一型式の固定器具を有することが都合がよい。また、キャリアシート１４は、見当合わせ穴と取り付けピンとを用いて位置決め可能である。取り付けピンまたは位置決めバー５０は、可動テーブル１６に対して一体的あるいは取り外し可能に装着可能である。キャリアシート１５は、例えば平たい重りや真空吸引を使用することによって、その移動が阻止される。真空吸引を使用する可動テーブル１６は、寸法の異なるキャリアシートに対応させるために複数の吸引領域を有することが好ましい。
【００３８】
キャリアシート１４にそれぞれ取り付けられるべき印刷版１２のため、貼込み作業者は、記録した印刷版位置および見当マークをプリプレスコンピュータから引き出し、取り付け装置１０のコンピュータ３８のファイルに取り込む。各カメラアセンブリィ１８, ２０は、予め設定した原点位置に可動テーブル１６上を独立に動かされる。これは、キャリアシート１４の最前部の一方の隅や、キャリアシート１４の最前部の中点などであってよい。可動テーブル１６に対する各カメラアセンブリィ１８, ２０の移動は、溝付きレールに沿ったｙ方向の可動テーブル１６の移動と、案内支持部材２２に沿ったｘ方向の各カメラアセンブリィ１８, ２０の移動とによって達成される。各デジタル表示器１００, １０２は、望ましい原点においてｘ＝０, ｙ＝０に調整される。可動テーブル１６は、ｙ方向に動かされると共に各カメラアセンブリィ１８, ２０は、各カメラアセンブリィ１８, ２０が個々の見当マークに対して記録したｘ, ｙ座標となるまで、案内支持部材２２に沿ってｘ方向に動かされる。第１カメラアセンブリィ１８は、作動コントローラ３２からの第１の移動信号に応じ、第１の印刷版１２の第１の見当マークに対して記録されたｘ, ｙ座標を有する位置まで、案内支持部材２２に沿って動かされる。また、第２のカメラアセンブリィ２０は、作動コントローラ３２からの第２の信号に応じ、第２の見当マークに対して記録されたｘ, ｙ座標を有する位置まで案内支持部材２２に沿って動かされる。各カメラアセンブリィ１８, ２０は、固定手段（図示せず）を用いて所定箇所に固定される。各カメラアセンブリィ１８, ２０の予備見当合わせ光アセンブリィ８０は、第１の印刷版１２のための個々の見当マークが形成されたキャリアシート１４の部分を照明する。
【００３９】
粘着テープは、印刷版１２の非レリーフ（非印刷）側に設けられる。この粘着テープは、取り付け作業中、剥離を容易にする保護シート、例えばワックス紙でカバーされていることが好ましく、印刷版１２に対する粘着テープの中央部分は、粘着性を持たせるためにカバーされていない。第１の印刷版１２は、非レリーフ側がキャリアシート１４を向くと共に第１および第２の見当マークを含むレリーフ側がキャリアシート１４上の予備見当合わせ光アセンブリィ８０の下方位置に動かされる。そして、印刷版１２がキャリアシート１４上に載置され、印刷版１２の第１の見当マークが第１カメラアセンブリィ１８の予備見当合わせ光アセンブリィ８０によって照明され、第１ＴＶモニタ２４のスクリーンに表示された十字線マークと合致させ、印刷版１２の第２の見当マークが第２カメラアセンブリィ２０の予備見当合わせ光アセンブリィ８０によって照明され、第２ＴＶモニタ２８のスクリーンに表示された十字線マークと合致させられる。第１の印刷版１２は、キャリアシート１４上の所定箇所に押し付けられ、露出している粘着領域に沿ってキャリアシート１４に付着する。第１の印刷版１２の粘着領域の両側の保護シートは、この印刷版１２から慎重に取り外され、印刷版１２の残った領域がキャリアシート１４に対して接着するように、その所定箇所がキャリアシート１４に押し付けられる。
【００４０】
次に、第２の印刷版のための見当合わせ座標が引き出され、各カメラアセンブリィ１８, ２０ならびに可動テーブル１６は、所定箇所に動かされ、第２の印刷版が上述したように準備される。これは、キャリアシート１４に取り付けられるべきすべての残りの印刷版に対して繰り返される。印刷版取り付け作業中に可動テーブル１６が望ましい見当合わせ座標から離れるように動かすことは可能である。この場合、取り付けられている印刷版１２のためのｙ座標を記憶している作動コントローラ３２は、正しいｙ座標位置に可動テーブル１６を戻すように作動可能である。
【００４１】
本発明は、２つのカメラアセンブリィ１８, ２０を必要とするだけで、多数の印刷版をキャリアシート１４に取り付け可能であるという点で利点を生ずる。キャリアシート１４を可動テーブル１６上の所定箇所に位置させた後、好ましくは印刷版１２がキャリアシート１４に取り付けられる前に、展開した平らな容器のレイアウトがキャリアシート１４上に描かれ、例えば、容器のゆがんだ打ち抜き線およびゆがんだ折り返し線が表示される。第１カメラアセンブリィ１８は原点位置に配置される。描画ペンアセンブリィ８２の描画ペン９２は、描画ペン９２がキャリアシート１４と接触するように動かされる。そして、可動テーブル１６および／または第１カメラアセンブリィ１８が動かされ、描画ペン９２は打ち抜き線と、折り返し線と、容器のその他の関連するマークとをキャリアシート１４上に描く。キャリアシート１４を作ることは、印刷機による印刷前に、印刷版１２が印刷されるべき望ましい箱に対してキャリアシート１４上に正確に配置され、印刷される箱が視覚化されるように援助することを保証する。
【００４２】
全ての印刷版１２がキャリアシート１４に取り付けられた後、各印刷版１２の周縁は、取り扱いおよび／または印刷中にキャリアシート１４から印刷版１２が剥がれないようにエッジシーラントで適切にシールされる。そして、印刷版１２と共にキャリアシート１４が版胴に取り付けられる。位置決めバー５０は、版胴に対してキャリアシート１４を取り付けるために使用可能である。通常、キャリアシート１４は、テンションバンドか、あるいは版胴に設けた特殊固定装置によって版胴に保持される。
【００４３】
【発明の効果】
本発明によると、印刷版に形成された第１の見当マークを観察するための第１ビデオモニタに接続する第１カメラアセンブリィと、印刷版に形成された第２の見当マークを観察するための第２ビデオモニタに接続する第２カメラアセンブリィとをテーブルに対して独立に移動するようにし、テーブルに隣接する支持部材に移動可能に取り付けられた第１のカメラアセンブリィが接続する第１のビデオモニタの十字線画像と第１の見当マークとを合致させると共に支持部材に移動可能に取り付けられた第２カメラアセンブリィが接続する第２ビデオモニタの十字線画像と第２の見当マークとを合致させるようにしたので、穿設作業や取り付けピンを使用することなく、キャリアシート上に１つ以上の印刷版を取り付けることができる。
【００４４】
また、手動計算および手動配置の必要性を除去して代わりにキャリアシート上の印刷版の正確な位置を自動的に決定することができる。
【００４５】
さらに、多色カラー印刷のために他のキャリアシートに取り付けた印刷版に対し、最初およびこれに続く見当合わせを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明をフレキソ印刷版に応用した一実施例の全体を表す概略斜視図である。
【図２】図１に示した実施例における第２カメラアセンブリィの概略側面図であり、カメラとオフセット調整アセンブリィとを示す。
【図３】図１に示した実施例における第１カメラアセンブリィの概略正面図であり、カメラと予備見当合わせ光アセンブリィと描画ペンアセンブリィとを示す。
【符号の説明】
１０ 装置
１２ 印刷版
１４ キャリアシート
１６ 可動テーブル
１８ 第１カメラアセンブリィ
２０ 第２カメラアセンブリィ
２２ 案内支持部材
２４ 第１ＴＶモニタ
２６ 第１表示ユニット
２８ 第２ＴＶモニタ
３０ 第２表示ユニット
３２ 作動コントローラ
３４, ３６ ライン
３８ コンピュータ
４０ エンドサポート
４２ 第１ねじ軸
４４ 第２ねじ軸
４６ ライン
４８ ジョイスティック
５０ 位置決めバー
５２ カメラ
５４ カメラレンズ
５６ 窓
５８ オフセット調整アセンブリィ
６０, ６２ カメラ取り付けブラケット
６４ 固定具
６６ 可動ステージ
６８ リニアアクチュエータ
７０ リニア軸受
７２ リニアエンコーダ
７４ カメラ
７６ カメラレンズ
７８ 窓
８０ 予備見当合わせ光アセンブリィ
８２ 描画ペンアセンブリィ
８４ 集光レンズ
８６ 光ファイバケーブル
８８ 固定具
９０ 開口
９２ 描画ペン
９４ 可動ロッド
９６ 電磁プランジャ
９８ プル形ソレノイド
１００, １０２ デジタル表示器
Claims (2)
- 第１および第２の見当マークをそれぞれ有する複数の印刷版をキャリアシートに取り付けるための印刷版取り付け装置であって、
固定ベース上に取り付けられるテーブルと、
このテーブルに隣接して支持部材に対し移動可能に取り付けられ、前記第１の見当マークを観察するための第１ビデオモニタに接続する第１カメラアセンブリィと、
前記テーブルに隣接して前記支持部材に対し移動可能に取り付けられ、前記第２の見当マークを観察するための第２ビデオモニタに接続する第２カメラアセンブリィと、
前記第１および第２のカメラアセンブリィに連結され、前記テーブルに対してこれら第１および第２のカメラアセンブリィを独立に移動させる移動手段と、
この移動手段に接続して移動信号を送信し、各印刷版の前記第１および第２の見当マークに対応した少なくとも２つの移動信号を発生させる信号発生手段を有する作動コントローラと
を具え、前記第１および第２のカメラアセブリィは、前記支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、前記第２カメラアセンブリィは、前記第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有することを特徴とする印刷版取り付け装置。 - 第１および第２の見当マークをそれぞれ有する複数の印刷版をキャリアシートに取り付けるための印刷版取り付け方法であって、
(a) 固定ベースに取り付けられるテーブル上に前記キャリアシートを載置するステップと、
(b) 前記テーブルを移動する移動手段と、第１の前記印刷版を取り付けるための前記第１の見当マークに対応した第１の位置座標へ第１カメラアセンブリィを移動する移動手段とに第１の移動信号を作動コントローラから送信するステップと、
(c) 前記第１の印刷版を取り付けるための前記第２の見当マークに対応した第２の位置座標へ第２カメラアセンブリィを移動する移動手段に対し、第２の移動信号を前記作動コントローラから送信するステップと、
(d) 前記テーブルと前記第１および第２のカメラアセンブリィとを前記第１および第２の移動信号に応じて移動させ、前記第１および第２のカメラアセンブリィを前記第１および第２の位置座標にそれぞれ位置決めするステップであって、前記第１および第２のカメラアセブリィは、これらが取り付けられる支持部材に沿って第１の方向に移動自在であり、前記第２カメラアセンブリィは、前記第１の方向と直交する第２の方向に沿って移動する可動ステージを持ったオフセット調整アセンブリィを有するステップと、
(e) 前記第１および第２のカメラアセンブリィの下方の前記キャリアシート上に前記第１の印刷版を載置し、前記テーブルに隣接する支持部材に移動可能に取り付けられた前記第１のカメラアセンブリィが接続する第１のビデオモニタの十字線画像に前記第１の見当マークを合致させると共に前記テーブルに隣接する前記支持部材に移動可能に取り付けられた前記第２カメラアセンブリィが接続する前記第２ビデオモニタの十字線画像に前記第２の見当マークを合致させるステップと、
(f) この位置決めステップの後に前記キャリアシート上に前記第１の印刷版を固定するステップと
を具えたことを特徴とする印刷版取り付け方法。
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