JP4277398B2 - 配線板の検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は周縁部に外部接続端子を有し中央部に集積回路素子が搭載される配線板が有する導体パターンの検査装置に係り、特にそれぞれの導体パターンの断線の有無と導体パターン間の短絡の有無を同時に検査できる検査装置に関する。
【0002】
近年の集積回路素子の高密度実装化と高集積度化に伴いそれを搭載する配線板も導体パターンも高密度に集積形成され、導体パターンの検査に際して導体パターンの両端に検査プローブを当接させる等の方法は実施不可能になりつつある。
【0003】
それに代わり導体パターンの一端から試験電圧を印加したとき導体パターンから放出される電磁波を検出することで、導体パターンの両側電極にプローブを当接させることなく断線の有無を検出できる装置の採用が各社で検討されている。
【0004】
しかし、従来の検査装置を用いると導体パターンの断線と導体パターン間の短絡とを同時に検査することができない。そこで導体パターンの断線の有無と導体パターン間の短絡の有無を同時に検査できる検査装置の開発が要望されている。
【0005】
また、単に導体パターンの断線の有無を検査できればよい場合も従来の検査装置を用いると検査に長い時間を要する。そこで導体パターンの断線の有無だけを検査する場合には比較的短時間で検査できる検査装置の開発が要望されている。
【0006】
【従来の技術】
図4は被検査配線板の一例を示す斜視図、図5は従来の布線検査機の原理を示す図、図6は従来の配線板検査装置を示すブロック図、図7は切り換えユニットの一例を示す図、図8は従来の配線板検査方法を示すフローチャートである。
【0007】
図4において集積回路素子1を搭載する配線板2は例えば絶縁体21の中に複数の導体パターン22が放射状に配設され、それぞれの導体パターン22は両端に絶縁体21の表面に露出するように第1の電極23と第2の電極24とが形成されている。
【0008】
配線板2の周縁沿いに配列された第1の電極23はテスト電極或いは外部回路に接続するための接続端子として用いられ、配線板2の中央部に配列された第2の電極24はそれぞれ図示省略されたバンプ等を介し集積回路素子1に接続される。
【0009】
プリント配線板の導体パターン検査装置として例えば図5(a) に示す布線検査機があり(特許第2626626号)、布線検査機は発振器31に接続されたアンテナ32と、被検査配線板33の導体パターン34に接続された受信器35とを有する。
【0010】
検査に際して導体パターン34に近接させたアンテナ32に発振器31から図5(b) に示すサイン波形の信号を印加すると、図5(c) に示す信号が導体パターン34から受信器35に入力されメモリ36に予め格納されている基準データと比較される。
【0011】
比較器37において受信器35に入力された信号のレベルとメモリ36に格納されている基準データのレベルとが比較され、両方のレベルがほぼ合致すれば導体パターンは良品と判定されるがレベルが異なると導体パターンは不良と判定される。
【0012】
しかし、上記布線検査機は導体パターンの断線を検出する機能を有するが導体パターン間の短絡を検出する機能が無い。そこで配線板の検査には図6に示す如く上記布線検査機の機能に短絡検出機能を付加した検査装置が用いられている。
【0013】
即ち、従来の配線板検査装置は、第1の電極23の全てに接続可能な切り換えユニット4と、絶縁層51を介し第2の電極24の全てに対向可能な導体層52を有するアンテナ部材5と、被検査配線板2を検査する測定回路6とで構成されている。
【0014】
測定回路6は検査に際して対象導体パターンにサイン波信号を印加する発振器61、および直流電圧を印加する直流電源62と、断線を検知する信号受信部65および導通判定部66と、短絡を検知する電流検出部63および絶縁判定部64を有する。
【0015】
切り換えユニット4は例えば図7に示す如くそれぞれ第1の電極23に接続可能な複数のスイッチ素子41を具えており、全てのスイッチ素子41は第1の接点42が発振器61または直流電源62に、第2の接点43が電流検出部63に接続されている。
【0016】
また、スイッチ素子41のコモン端子44はそれぞれ対応する第1の電極23に接続されており、1個のスイッチ素子41を作動させると任意の第1の電極23(図では上から2番目)が選択され、残りの第1の電極23は電流検出部63に接続される。
【0017】
導体パターンの検査は図8に示す如く選択された導体パターンに対して断線の検出と短絡の検出とが直列的に行われ、被検査配線板2上にアンテナ部材5を載置し切り換えユニット4を第1の電極23に接続することから検査が開始される。
【0018】
切り換えユニット4によって選択された第1の電極23を介し導体パターンに発振器61からサイン波信号を印加すると、アンテナ部材5に誘起された信号が信号受信部65に入力され予め設定された基準と比較されて断線の有無が判定される。
【0019】
次いで導体パターンに直流電源62から直流電圧を印加し、互いに短絡させた残りの第1の電極23を介して流れる電流を測定することにより、電圧が印加された導体パターンと他の導体パターンとの間の絶縁、即ち短絡の有無が判定される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の配線板の検査は図8に示す如く、選択された導体パターンに対して断線の検出と短絡の検出とが直列的に行われ、検査の対象となる導体パターンの数が増加するに伴って検査に要する時間が増大するという問題があった。
【0021】
また、検査の目的によっては導体パターンの短絡は検出できなくても断線の有無だけを検査できればよい場合もあるが、導体パターン毎に導体パターンの断線や短絡を検査する従来の検査装置は検査に長時間を要するという問題があった。
【0022】
本発明の目的は、導体パターンの断線の有無と導体パターン間の短絡の有無を同時に検査できる検査装置と検査方法、または導体パターンの断線だけを検査する場合は比較的短時間で検査できる検査装置と検査方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明になる配線板の検査装置を示すブロック図である。なお全図を通し同じ対象物は同一記号で表している。
【0024】
上記課題は第1の電極23および第2の電極24を具えた導体パターン22が複数形成された配線板2について、導体パターンの断線および導体パターン間の短絡を検査する装置であって、任意の第1の電極23を選択し、残りの第1の電極23を互いに短絡させる切り換えユニット4と、絶縁層51を介して第2の電極24の全てに誘電的に結合している導体層52を有するアンテナ部材5と、測定回路7とを具え、測定回路7は、切り換えユニット4によって選択された第1の電極23に、電位が瞬時に変化する試験電圧、またはパルス波形の試験電圧を印加する電圧印加部71と、電流検出部72および絶縁判定部73と、信号受信部74および導通判定部75とを具え、電流検出部72および絶縁判定部73は、選択された第1の電極23に試験電圧が印加されたとき、短絡された残りの第1の電極23を介して流れる電流を検出して、導体パターン間の短絡の有無を判定する機能を有し、信号受信部74および導通判定部75は、選択された第1の電極23に試験電圧が印加されたとき、アンテナ部材5から入力される信号を受信して、導体パターンの断線の有無を判定する機能を有する配線板の検査装置によって達成される。
【0025】
このように選択された第1の電極に例えばパルス波状の試験電圧を印加する配線板検査装置は、試験電圧の立ち上がりまたは立ち下がりに同期し、導体パターンの抵抗値に対応した信号が、選択された第1の電極に対応する導体パターンと第2の電極からアンテナ部材を介し信号受信部に入力され、信号受信部に入力された信号の電圧レベルから導体パターンの断線の有無を判定することができる。
【0026】
しかも、試験電圧の立ち上がり時に、選択された第1の電極に対応する導体パターンとその他の導体パターン間の絶縁抵抗に対応する電流が、短絡された残りの第1の電極を介して電流検出部に流れ、電流値から導体パターン間の短絡有無を判定することができる。選択された第1の電極に印加される試験電圧はいずれも同じ電圧であり、電圧を少なくとも1回不連続に変化させることによって、導体パターンの断線の有無と導体パターン間の短絡有無とを同時に判定できる。
【0027】
即ち、導体パターンの断線の有無と導体パターン間の短絡の有無を同時に検査できる検査装置と検査方法、または導体パターンの断線だけを検査する場合は比較的短時間で検査できる検査装置と検査方法を実現することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下添付図により本発明の実施例について説明する。図2は入力波形と検出波形を示す図、図3は本発明になる配線板検査方法を示すフローチャート、図9は本発明になる別の検査装置を示すブロック図、図10は別の検査装置の動作原理を説明する図、図11は別の検査装置の第1の変形例を示す図、図12は別の検査装置の第2の変形例を示す図、図13は第2の変形例の間隔が異なる具体例を示す図、図14は第2の変形例の面積が異なる具体例を示す図、図15は別の検査装置の第3の変形例を示す図、図16は本発明になる更に別の検査装置を示すブロック図、図17は被検査配線板装着部の構成例を示す側断面図、図18は分割型アンテナ部材の分割パターンを示す図、図19は分割型アンテナ部材の一実施例を示す図、図20は分割型アンテナ部材の他の実施例を示す斜視図、図21は分割型アンテナ部材の簡易構成法を示す斜視図、図22はアンテナ部材の変形例を示す模式図、図23は変形例に用いられる判定回路の一例を示す図である。
【0029】
本発明になる配線板の検査装置は図1に示す如く切り換えユニット4とアンテナ部材5と測定回路7とを具えており、アンテナ部材5は被検査配線板2に載置することで絶縁層51を介し第2の電極24の全てに対向可能な導体層52を有する。
【0030】
また、切り換えユニット4は第1の電極23の全てに接続可能でその中から任意の第1の電極23を1個選択できる機能と、任意の第1の電極23を選択すると選択された1個を除き残った第1の電極23を互いに短絡させる機能とを具えている。
【0031】
従来の検査装置とは異なり測定回路7が選択された第1の電極23にパルス波形の試験電圧を印加する電圧印加部71と、短絡を検出する電流検出部72および絶縁判定部73と、断線を検出する信号受信部74および導通判定部75とを具えている。
【0032】
電流検出部72は選択された第1の電極23に試験電圧が印加されたとき他の第1の電極23を介して流れる電流を検出し、絶縁判定部73は電流レベルから選択された電極23に対応する導体パターンと他の導体パターンとの短絡有無を判定する。
【0033】
また、信号受信部74は選択された第1の電極23に試験電圧が印加されるとアンテナ部材5から入力される信号を受信し、導通判定部75が入力信号のレベルから選択された電極23に対応する導体パターンの抵抗を検知し断線有無を判定する。
【0034】
即ち、図2(a) に示す如く電圧印加部71から選択された第1の電極23に対しパルス波形の試験電圧が印加されると、図2(b) に示す如くパルス波形の立ち上がりと立ち下がりに同期し信号がアンテナ部材5から信号受信部74に入力される。
【0035】
アンテナ部材5から信号受信部74に入力される信号のレベルは試験電圧が印加される導体パターンの導体抵抗値に比例し、例えば導通判定部75において入力信号のレベルを基準値と比較することにより断線の有無を判定することができる。
【0036】
また、図2(a) に示す如く電圧印加部71から選択された第1の電極23に対してパルス波形の試験電圧が印加されると、図2(c) に示す如く選択された第1の電極、導体パターン、および残りの第1の電極を介し電流が電流検出部に流れる。
【0037】
試験電圧が印加されたとき電流検出部に流れる電流のレベルは導体パターン間に介在する絶縁抵抗値に反比例しており、例えば絶縁判定部73において電流値の大きさを基準値と比較することにより短絡の有無を判定することが可能になる。
【0038】
本発明になる配線板の検査装置は電圧印加部71から選択された第1の電極23にパルス波形の試験電圧を印加することで、断線の有無を判定することができ断線の有無の判定と並行して導体パターン間の短絡の有無を判定することができる。
【0039】
即ち、選択された導体パターンに対し断線の検出と短絡の検出とが直列的に行われる従来の配線板の検査方法と異なり、本発明になる配線板の検査方法は図3に示す如く断線の検出と短絡の検出とが並行して行われ試験時間が短縮される。
【0040】
なお、前記実施例において電圧印加部71から選択された第1の電極に印加される試験電圧はパルス波形の電圧であるが、必ずしもパルス波形電圧に限定されることなく検査中に直流電圧をオンオフさせても同等の効果を得ることができる。
【0041】
因みに発明者等の実験によれば選択された導体パターンに試験電圧として 100Vの直流電圧を印加しオンオフさせると、1V程度の信号電圧が信号受信部に入力されると共に10μA程度の電流が電流検出部に流れることが確認されている。
【0042】
このように選択された第1の電極に例えばパルス波状の試験電圧を印加する配線板検査装置は、試験電圧の立ち上がりまたは立ち下がりに同期し、導体パターンの抵抗値に対応した信号が、選択された第1の電極に対応する導体パターンと第2の電極からアンテナ部材を介し信号受信部に入力され、信号受信部に入力された信号の電圧レベルから導体パターンの断線の有無を判定することができる。
【0043】
また、試験電圧の立ち上がり時に、選択された第1の電極に対応する導体パターンとその他の導体パターン間の絶縁抵抗に対応する電流が、短絡された残りの第1の電極を介して電流検出部に流れ、電流値から導体パターン間の短絡有無を判定することができる。選択された第1の電極に印加される試験電圧はいずれも同じ電圧であり、電圧を少なくとも1回不連続に変化させることによって、導体パターンの断線の有無と導体パターン間の短絡有無とを同時に判定できる。
【0044】
配線板の検査は被検査配線板上の全ての導体パターンに関して断線の有無と短絡有無とを検出できることが望ましいが、検査の目的によっては断線した導体パターンの特定は困難でも断線の有無が短い時間で検査できればよい場合もある。
【0045】
本発明になる配線板検査装置の別の検査装置はこのような要望に対処可能に構成された検査装置で図9(a) に示す如く、第1の電極を介し被検査配線板が有する全ての導体パターンに同時にサイン波信号を印加可能な発振器を具えている。
【0046】
即ち、本発明になる別の検査装置は、例えば複数の試験プローブ等を介し第1の電極23の全てに接続可能な発振器61と、アンテナ部材5と、アンテナ部材5に接続され断線の有無を検知する信号受信部65および導通判定部66を具えている。
【0047】
発振器61は第1の電極23を介し被検査配線板2の全ての導体パターン22に同時にサイン波信号を印加可能な機能を有し、アンテナ部材5は被検査配線板2に載置されると絶縁層51を介し第2の電極24の全てに対向可能な導体層52を有する。
【0048】
図10(a) に示す如く2本の導体パターン22に対して第1の電極23を介し発振器61から個々にサイン波信号を印加すると、それぞれの導体パターンの第2の電極24とアンテナ部材5を介して図10(b) 、図10(c) に示す受信信号が出力される。
【0049】
このように発振器61から2本の導体パターン22にサイン波信号を個々に印加する場合と異なって同時に印加する場合、受信信号の電圧レベルは第2の電極24の数に比例しそれぞれの受信信号の電圧レベルが異なるときはその合計値になる。
【0050】
その結果、例えば個々にサイン波信号が印加されたときの受信信号の電圧レベルが、図10(b) 、図10(c) に示す如くそれぞれ 120mV、 100mVとすると、2本の導体パターン22に同時に印加された場合には図10(d) に示す如く 220mVになる。
【0051】
したがって、2本の導体パターン22に同時にサイン波信号が印加されたとき、アンテナ部材5を介して出力される受信信号の電圧レベルが 120mVまたは 100mVであれば、2本の導体パターン22のいずれか1本が断線していると判定される。
【0052】
なお、被検査配線板2は第1の電極23と第2の電極24が1:1で接続された導体パターン22の他に図9(b) に示す如く、複数の導体パターンが途中で接続されている導体パターン25や、途中で分岐された導体パターン26を含む場合がある。
【0053】
このように被検査配線板2が導体パターン22の他に導体パターン25や導体パターン26を包含している場合であっても、導体パターン22のみを有する被検査配線板と同様に本発明になる別の検査装置により導体パターンの断線を検知できる。
【0054】
図9に示す検査装置はこのような原理に基づいたもので検査に際し全ての導体パターン22にサイン波信号が印加され、全ての第2の電極24から放射される電磁波はアンテナ部材5により集約され受信信号として信号受信部65に入力される。
【0055】
信号受信部65に受信信号が入力されるとその電圧レベルが導通判定部66において予め格納されている基準値と比較され、受信信号の電圧レベルが基準値より低いとき被検査配線板2に断線した導体パターン22が含まれていると判定される。
【0056】
このように第1の電極を介して全ての導体パターンに同時にサイン波信号を印加する配線板検査装置は、アンテナ部材を介し信号受信部に入力される信号の電圧レベルが第2の電極の数に比例する。したがって、導体パターンに断線があれば断線した導体パターンの数に比例して信号の電圧レベルが低下し、断線のないときの信号の電圧レベルと比較することによって断線の有無を判定できる。しかも、全ての導体パターンを同時に検査できるため検査時間が大幅に短縮される。
【0057】
なお、図9では発振器61が第1の電極23に接続され受信信号がアンテナ部材5から信号受信部65に入力されているが、発振器61をアンテナ部材5に接続し全ての第1の電極23を信号受信部65に接続して同等の効果を得ることも可能である。
【0058】
しかし、図9の検査装置は短時間で導体パターンの断線の有無を検出できるが断線した導体パターンを特定できない。次に示す変形例は導体パターンの断線の有無を短時間で検出すると共に断線した導体パターンを特定可能な装置である。
【0059】
前記検査装置の第1の変形例は図11に示す如く印加されるサイン波信号の電圧または周波数が導体パターン毎に異なり、図11(a) に示す変形例は周波数が同じで電圧の異なるサイン波信号が導体パターン毎に発振器61から印加されている。
【0060】
信号受信部65に受信信号が入力されるとその電圧レベルが導通判定部66において予め格納されている基準値と比較され、受信信号の電圧レベルが基準値より低いとき被検査配線板2に断線した導体パターン22が含まれていると判定される。
【0061】
それぞれの導体パターンから得られる受信信号の電圧レベルは発振器61から印加されたサイン波信号の電圧にほぼ対応し、基準値と受信信号の電圧レベルとの差から逆算することにより断線した導体パターンを特定することが可能である。
【0062】
また、図11(b) に示す変形例は電圧が同じで周波数の異なるサイン波信号が導体パターン毎に発振器61から印加され、図示省略されているが受信信号が入力される信号受信部65は周波数毎に電圧レベルを検出する周波数弁別回路を有する。
【0063】
したがって、導通判定部66において受信信号の電圧レベルを周波数毎に予め格納されている基準値と比較することで、導体パターンの断線の有無を検知すると共に欠落した周波数から断線した導体パターンの位置を特定することができる。
【0064】
図9に示す検査装置は第2の電極と導体層との間隔および第2の電極のそれぞれと導体層との対向面積が一定であるが、第2の変形例は第2の電極と導体層との間隔または第2の電極と導体層との対向面積が異なるアンテナ部材を有する。
【0065】
図12はその一例でアンテナ部材5は第2の電極24との間隔gが導体パターン毎に変化するよう導体層52が段差を有し、段差のある導体層52の上に絶縁層51を形成することでアンテナ部材5が第2の電極24と当接する面は平坦になっている。
【0066】
このように第2の電極24との間隔gを導体パターン毎に変化させることによって、それぞれの第2の電極24から放射される電磁波のレベルが同じであっても、第2の電極24からアンテナ部材5に伝わる受信信号の電圧レベルに差が生じる。
【0067】
例えば、それぞれの第2の電極からアンテナ部材に伝わる受信信号の電圧レベルが図13(a) に示す如く異なっていると、対応する導体パターンの1本が断線することによって信号受信部に入力される電圧値が図13(b) に示す如く変化する。
【0068】
信号受信部65に受信信号が入力されるとその電圧レベルが導通判定部66において格納されている基準値と比較されるが、基準値と受信信号の電圧レベルとの差から逆算することによって断線した導体パターンを特定することが可能である。
【0069】
なお、図示省略されているが第2の電極24との間隔が導体パターン毎に変化するよう導体層52に段差を設ける代わりに、平坦な導体層52を傾け第2の電極24と対向する面が斜面を形成するようにしてもほぼ同等の効果を得ることができる。
【0070】
また、第2の電極24のそれぞれと導体層52との対向面積が導体パターン毎に異なるよう導体層52を形成することにより、サイン波信号の電圧レベルや第2の電極24と導体層52の間隔gが一定であっても受信信号の電圧レベルに差が生じる。
【0071】
例えば、それぞれの第2の電極からアンテナ部材に伝わる受信信号の電圧レベルが図14(a) に示す如く異なっていると、対応する導体パターンの1本が断線することによって信号受信部に入力される電圧値が図14(b) に示す如く変化する。
【0072】
なお、第2の電極24と導体層52との間に介在する絶縁層51の誘電率が導体パターン毎に異なるよう形成することにより、それぞれの第2の電極24と導体層52との間隔あるいは対向面積が同じであっても受信信号の電圧レベルに差が生じる。
【0073】
その結果、対向面積を変えたときと同様に図14(a) に示す如くアンテナ部材に伝わる受信信号の電圧レベルに差が生じ、対応する導体パターンの1本が断線することによって信号受信部に入力される電圧値が図14(b) に示す如く変化する。
【0074】
信号受信部65に受信信号が入力されるとその電圧レベルが導通判定部66において格納されている基準値と比較されるが、基準値と受信信号の電圧レベルとの差から逆算することによって断線した導体パターンを特定することが可能である。
【0075】
しかし、第2の電極の面積が小さい配線板を対象とする場合は導体パターン毎に導体層52との間隔gを変える方法や、導体パターン毎に導体層との対向面積あるいは絶縁層の誘電率を変える方法はアンテナ部材の形成が極めて困難である。
【0076】
導体層を微細加工し段差を形成しても受信信号の電圧レベル差が小さくて断線した導体パターンの特定が困難になり、同様に導体パターン毎に導体層との対向面積や絶縁層の誘電率を変える方法も受信信号の電圧レベル差を拡大できない。
【0077】
そこで図12に示す如く第2の電極24が複数列に分けて配列された配線板を対象にし導体層52との間隔gを変えると共に、第2の電極24の列と対向する導体層52の幅w1 、w2 を変えることにより受信信号の電圧レベル差拡大が可能になる。
【0078】
また、図示省略されているが第2の電極24のそれぞれと導体層52との対向面積を導体パターン毎に変える代わりに、導体パターン毎に誘電率が異なる絶縁層51を第2の電極24と導体層52の間に介在させても同等の効果を得ることができる。
【0079】
図9に示す検査装置はアンテナ部材5が絶縁層51を介し第2の電極24の全てに対向可能な導体層52を具えているが、第3の変形例では図15(a) 、(b) に示す如くアンテナ部材5がそれぞれ第2の電極24と対向可能な複数のセル53を有する。
【0080】
絶縁層51を介し第2の電極24と対向する導体片からなるセル53と信号受信部65との間に切り換えユニット54が介在し、切り換えユニット54を適宜操作することによって選択された任意のセル53を信号受信部65に接続することが可能である。
【0081】
したがって、導体パターンの断線検出に際して全てのセル53を信号受信部65に接続しておき、断線した導体パターンを含むことが検出されたとき、セル53を順次信号受信部65から切り放すことによって断線した導体パターンを特定できる。
【0082】
なお、アンテナ部材5の形成に際して例えば被検査配線板2の製造データを変換してそれぞれのセルの作成データとし、被検査配線板2が有する第2の電極24と1:1で対向可能な複数のセル53を具えたアンテナ部材5を形成してもよい。
【0083】
本発明の配線板検査装置の更に別の検査装置は図16(a) に示す如く切り換えユニット4と測定回路70とを具えており、切り換えユニット4は例えば図7に示す如くそれぞれ第1の電極23に接続可能な複数のスイッチ素子41を具備している。
【0084】
スイッチ素子41のコモン端子44はそれぞれ対応する第1の電極23に接続されており、1個のスイッチ素子41を作動させると任意の第1の電極23(図では上から2番目)が選択され、残りの第1の電極23は短絡されるように構成されている。
【0085】
また、全てのスイッチ素子41は第1の接点42がサイン波信号を出力可能な発振器61に一括して接続されており、発振器61から出力されるサイン波信号はスイッチ素子41および選択された第1の電極23を介して導体パターン22に印加される。
【0086】
測定回路70はサイン波信号を出力可能な発振器61の他に断線を検知する信号受信部65および導通判定部66を具えており、全ての第2の電極24から放射される電磁波はそれぞれ受信信号としてアンテナ部材5から信号受信部65に入力される。
【0087】
信号受信部65に受信信号が入力されるとその電圧レベルが導通判定部66において予め格納されている基準値と比較され、受信信号の電圧レベルが基準値より低いときサイン波信号の印加された導体パターン22が断線していると判定される。
【0088】
また、選択された導体パターン22が隣接する導体パターン22と短絡している場合は、切り換えユニット4を介して全ての導体パターン22にサイン波信号が印加され、受信信号の電圧レベルが基準値より高くなることから容易に検出できる。
【0089】
なお、図示省略されているが切り換えユニット4により任意の第1の電極23を選択してサイン波信号を印加すると共に、残った第1の電極23を短絡して関連する導体パターンの全てを接地回路に接続するように構成することも可能である。
【0090】
この場合は受信信号の電圧レベルが基準値より低いときサイン波信号の印加された導体パターン22の断線と判定され、隣接する導体パターン22と短絡している場合には受信信号の電圧レベルが接地レベルになることから容易に検出できる。
【0091】
なお、被検査配線板2は第1の電極23と第2の電極24が1:1で接続された導体パターン22の他に図16(b) に示す如く、複数の導体パターンが途中で接続されている導体パターン25や、途中で分岐された導体パターン26を含む場合がある。
【0092】
このように被検査配線板2が導体パターン22の他に導体パターン25や導体パターン26を包含している場合であっても、導体パターン22のみを有する被検査配線板と同様に本発明の更に別の検査装置により導体パターンの断線を検知できる。
【0093】
上述の如く切り換えユニットを介し個々の導体パターンにサイン波信号を印加する本発明の更に別の検査装置は、全ての導体パターンに同時にサイン波信号を印加する前記本発明の別の検査装置に比べ検査時間が長くなるが、個々の導体パターンにサイン波信号または直流電圧を順次印加して、導体パターンの短絡を検出する従来の検査装置に比べ検査時間を大幅に短縮できる。しかも前記本発明の別の検査装置は断線した導体パターンの特定が困難であるが、本発明の更に別の検査装置は断線した導体パターンの特定を容易にできるという特徴を有する。
【0094】
図16に示す本発明の配線板検査装置の更に別の検査装置は導体パターンの選択手段として切り換えユニットを有するが、切り換えユニットに変えて例えば発振器61に接続された1本の試験プローブを第1の電極23に順次接触させてもよい。
【0095】
しかし、この場合は試験プローブの接触した第1の電極23にサイン波信号が印加され導体パターンの断線は検出されるが、隣接した導体パターンに関する第1の電極23はフリーになっていて導体パターンの短絡を検出することができない。
【0096】
前述の如く第1の電極23に発振器61を接続し第2の電極24と対向させたアンテナ部材5から信号を取り出しているが、図17に示す如く対象となる被検査配線板2は第1の電極23が表面に露出している場合と裏面に露出している場合がある。
【0097】
図17は第1の電極23が露出している面に関係なく被検査配線板2を装着できる被検査配線板装着部8の構成例であって、基台81は被検査配線板2の裏面に露出した第1の電極23のそれぞれに接触可能な複数の試験プローブ82を具えている。
【0098】
一方、アンテナ部材5は全ての第2の電極24に対向可能な導体層52の周囲に植設された複数の試験プローブ83を有し、複数の試験プローブ83は被検査配線板2の表面に露出した第1の電極23のそれぞれに接触可能な位置に配置されている。
【0099】
アンテナ部材5は被検査配線板2の導体パターン22から漏れる電磁波を遮断するため導体からなるグランド部50を有し、アンテナ部材5に設けられた導体層52および複数の試験プローブ83は絶縁体を介してグランド部50に装着されている。
【0100】
基台81およびアンテナ部材5に設けられた試験プローブ82、83はそれぞれ切換制御回路84を介して発振器61に接続され、被検査配線板2に合わせて切換制御回路84を操作することで表面または裏面の第1の電極23が発振器61に接続される。
【0101】
なお、対象となる被検査配線板2が表面または裏面の何れかに第1の電極23 が露出しているものに限定可能であれば、不要な試験プローブを除去すると共に切換制御回路84の制御対象を縮小して被検査配線板装着部を専用化してもよい。
【0102】
図15(a) 、(b) に示す本発明の変形例はアンテナ部材5がそれぞれ第2の電極24と対向可能な複数のセル53を有するが、被検査配線板2は搭載される集積回路素子1により形成される第2の電極24の数や位置、間隔等が異なることがある。
【0103】
したがって、分割型アンテナ部材を用いた検査装置では全ての第2の電極に対向可能にそれぞれのセルを形成すると、セルの数や位置、間隔等が被検査配線板2の有する第2の電極24に適合した専用のアンテナ部材を準備する必要がある。
【0104】
以下に示すアンテナ部材5は被検査配線板が有する第2の電極の数や位置、間隔等が異なっても対向可能なセルを具え、第2の電極の数や位置、間隔等が異ななる複数種類の被検査配線板の検査を可能にする共用型のアンテナ部材である。
【0105】
即ち、図18は共用型のアンテナ部材におけるセルの分割パターンで、図18(a) のアンテナ部材5は複数のセル53がマトリックス状に配列されており、第2の電極と対向可能なセル53を信号受信部に接続し残りのセル53をGNDに接続する。
【0106】
このようにセル53をマトリックス状に配列することによって例えば配線板上の第2の電極の位置や間隔が異なっても、セル53のどれかがそれぞれ第2の電極と対向可能になり同一アンテナ部材を用い複数種類の被検査配線板を検査できる。
【0107】
なお、被検査配線板の表面に形成された第2の電極の配列領域がアンテナ部材上のセル53の配列領域より広い場合は、アンテナ部材5をセル53の配列方向と平行に移動させることにより第2の電極と対向する領域を拡張することができる。
【0108】
しかし、マトリックス状に配列されているセル53のそれぞれを信号受信部またはGNDに接続できるよう構成すると、それぞれのセル53に対応するスイッチ回路を設ける必要があり切り換えユニットの構成や接続および制御が複雑になる。
【0109】
図18(b) 、(c) 、(d) に示すアンテナ部材5はセル53の数を減らすことによって上記の問題点の解消を図ったもので、図18(b) に示すアンテナ部材5は帯状に分割され所定のピッチで平行に配列された導体片からなるセル53を具えている。
【0110】
このようなアンテナ部材5はセル53の長さ方向に配列された第2の電極に対しセル53が1:1で対向することはないが、X軸方向に配列された第2の電極に対向させた後で90度回転させY軸方向の第2の電極に対向させることができる。
【0111】
X軸方向およびY軸方向に配列された全ての第2の電極にセル53を1:1で対向させるには、図18(a) のアンテナ部材5に比べ検査に要する時間が増大するが、切り換えユニットの構成や接続および制御を大幅に簡略化することができる。
【0112】
また、図18(c) に示すアンテナ部材5は所定のピッチで同心円状に配列された円形の導体片からなるセル53を具備し、図18(d) に示すアンテナ部材5は同様に所定のピッチで同心状に配列された四角形の導体片からなるセル53を具備する。
【0113】
このようなアンテナ部材5は前記アンテナ部材5のように第2の電極にセル53を1:1で対向させることは難しいが、例えば一つの導体パターンを選択し試験信号を印加してその導体パターンを検査する検査装置等においては有効である。
【0114】
分割型アンテナ部材の場合は上述の如くセル53と切り換えユニットとの間がそれぞれのセル53に対応する配線で結ばれ、出力信号の電圧レベルは一体型アンテナ部材の導体層52を介し出力される出力信号の電圧レベルに比べ極めて小さい。
【0115】
したがって、接続に際しアンテナ部材5と切り換えユニットとの間、および切り換えユニットと信号受信部との間を長いケーブルで接続することは、出力信号にノイズが重畳される等信頼性を低下させる要因になり避けなければならない。
【0116】
そこで分割型アンテナ部材の一実施例は図19(a) に示す如く切り換えユニット54の直後に信号増幅用のAMP55を有し、図19(b) に示す如くアンテナ部材5と切り換えユニット54とAMP55とからなるアンテナユニット9を構成している。
【0117】
図示省略されているが切り換えユニット54は例えばセル53が接続される基板とMOS-FET で構成されたIC等を有し、AMP55はコネクタ等を介して信号受信部や制御回路に接続される基板と信号を増幅する少なくとも1個のICを有する。
【0118】
図19に示すアンテナユニット9では第2の電極と対向可能なセル53を除いて残りのセル53をGNDに接続しているが、図20に示す如く透孔付き導体層91を有するシールド板92をアンテナユニット9と被検査配線板との間に挿入してもよい。
【0119】
シールド板92は第2の電極と対向する位置にそれぞれ透孔93が形成された透孔付き導体層91と絶縁層94とで構成され、透孔付き導体層91は対象となる被検査配線板が有する第2の電極の数や位置、間隔等に合わせ透孔93が形成されている。
【0120】
分割型アンテナ部材を被検査配線板に直接対向させる場合は、被検査配線板の種類が切り換わると、切り換えユニット54を制御するデータを交換して、第2の電極と対向可能なセル53を除いた残りのセル53をGNDに接続する必要がある。
【0121】
しかし、アンテナユニット9と被検査配線板との間にシールド板92を挿入し透孔付き導体層91をGNDに接続する場合は、直接対向させる場合と異なり第2の電極と対向するセル53を除いた残りのセルを全てGNDに接続する必要がない。
【0122】
したがって、被検査配線板の種類が切り換わり第2の電極の数や位置が若干ずれても、切り換えユニット54を制御するデータを交換する必要がなく、その被検査配線板に適したシールド板92を選択し挿入することにより容易に対応できる。
【0123】
また、左右対象に配列された第2の電極24を有する被検査配線板2の場合は図21に示す如く被検査配線板2を裏返し、検査の対象となる被検査配線板2と対向させることにより被検査配線板2を簡易分割型アンテナ部材として利用できる。
【0124】
その場合は導体パターンから漏れる電磁波を遮断するため図示の如く被検査配線板2の間にシールド板92が挿入され、第2の電極24と対向する領域に透孔93が形成されている透孔付き導体層91は図示省略されているがGNDに接続される。
【0125】
この場合は図18に示す如く複数のセルを具えた分割型アンテナ部材を準備する必要がなく、切り換えユニット54も簡易分割型アンテナ部材のセルを切り換えるだけであって、残りのセルをGNDに接続する等の複雑な操作を必要としない。
【0126】
これまでに述べたアンテナ部材はいずれも非接触型で導体層と第2の電極とは絶縁体を介して誘電的に結合しており、導体層に入力される信号の電圧レベルは絶縁体が有する誘電率の影響によって入力信号の電圧レベルに比べ極めて低い。
【0127】
導体層を覆う絶縁体を薄くすると共に誘電率の高い絶縁体を採用することにより信号電圧のレベル向上は可能であるが、誘電率は絶縁体の材質固有の値であり絶縁体の薄型化には限度があってそれだけでは電圧レベルの向上に限界がある。
【0128】
図22に示したアンテナ部材の変形例は間に絶縁体を介在させないで導体層を第2の電極と対向させたアンテナ部材で、図22(a) に示すアンテナ部材10は導体層またはセル53を限りなく第2の電極24に近づけ電圧レベルの向上を図っている。
【0129】
即ち、アンテナ部材10は被検査配線板2の導体パターンから漏れる電磁波を遮断するためグランド部50を具えており、アンテナ部材10の第2の電極24と対向可能な位置に配列されたセル53は絶縁体によりグランド部50から絶縁されている。
【0130】
このように構成されたアンテナ部材10をセル53が限りなく第2の電極24に近づくよう被検査配線板2上に載置すると、セル53と第2の電極24との間に完全に接触した状態、不安定な形で接触した状態、および全く接触しない状態が生じる。
【0131】
第2の電極24にセル53が接触している場合のセル53の出力信号レベルは第1の電極23への入力信号のレベルと等しく、セル53が全く接触していない場合にセル53から出力される信号レベルは第1の電極23への入力信号に比べ著しく小さい。
【0132】
また、セル53と第2の電極24とが不安定な形で接触している場合にセル53から出力される信号のレベルは不定値で、完全に接触しているとき出力される信号レベルと全く接触していないとき出力される信号レベルとの間において変動する。
【0133】
しかし、セル53から出力される信号のレベルが不安定であっても、また第1の電極23への入力信号に比べて小さくても、セル53から信号が出力されているということはその導体パターン22が断線していないことを意味し良品と判定される。
【0134】
なお、セル53が全く接触していない場合の出力信号のレベルはその間に介在する空気の誘電率によって左右されるが、セル53と第2の電極24との間隔を極めて小さくできるため間に絶縁体を介在させた場合に比べて高くすることができる。
【0135】
非接触型のアンテナ部材に接続される測定回路はレベルがほぼ等しいセル53の出力信号を対象として構成されており、このようにセル53の出力信号が著しく異なるアンテナ部材に接続し導体パターンの良否を判定することは不可能である。
【0136】
図23(a) に示す判定回路はレベルが著しく異なるセル53の出力信号から導体パターンの良否を判定するようしたもので、セル53から出力される信号のピーク値保持回路11と接触検査判定回路12と非接触検査判定回路13とで構成されている。
【0137】
セル53から出力される信号のピーク値が保持されると接触検査判定回路12はピーク値を予め設定されている基準値と比較し、ピーク値が基準値より高ければその導体パターンを良品と判定し低ければその導体パターンを不良品と判定する。
【0138】
接触検査判定回路12においてその導体パターンが不良品と判定されると非接触検査判定回路13はピーク値を基準値と比較し、ピーク値が基準値より高ければその導体パターンを良品と判定し低ければその導体パターンを不良品と判定する。
【0139】
また、図23(b) に示す判定回路はピーク値検出回路14と接触検査判定回路15と非接触検査判定回路13とで構成されており、接触検査判定回路15は検出されたピーク値を基準値と比較して基準値より高ければ導体パターンを良品と判定する。
【0140】
検出されたピーク値を基準値と比較して基準値より低ければ導体パターンを不良品と判定してスイッチ回路16を閉じる。スイッチ回路16が閉じると非接触検査判定回路13はセルの出力信号を基準値と比較し導体パターンを良否を判定する。
【0141】
図22(a) に示すアンテナ部材10は導体層またはセル53を限りなく第2の電極24に近づけ電圧レベルの向上を図っているが、図22(b) に示すアンテナ部材10はセル53と第2の電極24との間に液体を介在させて電圧レベルの向上を図っている。
【0142】
即ち、図22(a) の場合と異なりアンテナ部材10はセル53を上方にして筒状容器17の底部に水密可能に固定されており、被検査配線板2を筒状容器17の上部に載置することによりセル53と第2の電極24は予め設定された間隔を介し対向する。
【0143】
絶縁体に代わるものとして少なくとも対向するセル53と第2の電極24との間に液体(例えば水)18が充填されており、非接触型のアンテナ部材に用いられる絶縁体の代わりにセル53は液体18を介し第2の電極24と誘電的に結合されている。
【0144】
非接触型のアンテナ部材に用いられる樹脂等からなる絶縁体の誘電率が3〜10であるのに対し、水の場合は誘電率が80程度と極めて大きいため、セル53と第2の電極24の間隔が絶縁体の厚さと同等であれば電圧レベルの向上が可能である。
【0145】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば導体パターンの断線の有無と導体パターン間の短絡の有無を同時に検査できる、または導体パターンの断線だけを検査する場合は比較的短時間で検査できる検査装置と検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる配線板の検査装置を示すブロック図である。
【図2】 入力波形と検出波形を示す図である。
【図3】 本発明になる配線板検査方法を示すフローチャートである。
【図4】 被検査配線板の一例を示す斜視図である。
【図5】 従来の布線検査機の原理を示す図である。
【図6】 従来の配線板検査装置を示すブロック図である。
【図7】 切り換えユニットの一例を示す図である。
【図8】 従来の配線板検査方法を示すフローチャートである。
【図9】 本発明になる別の検査装置を示すブロック図である。
【図10】 別の検査装置の動作原理を説明する図である。
【図11】 別の検査装置の第1の変形例を示す図である。
【図12】 別の検査装置の第2の変形例を示す図である。
【図13】 第2の変形例の間隔が異なる具体例を示す図である。
【図14】 第2の変形例の面積が異なる具体例を示す図である。
【図15】 別の検査装置の第3の変形例を示す図である。
【図16】 本発明になる更に別の検査装置を示すブロック図である。
【図17】 被検査配線板装着部の構成例を示す側断面図である。
【図18】 分割型アンテナ部材の分割パターンを示す図である。
【図19】 分割型アンテナ部材の一実施例を示す図である。
【図20】 分割型アンテナ部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図21】 分割型アンテナ部材の簡易構成法を示す斜視図である。
【図22】 分割型アンテナ部材の変形例を示す模式図である。
【図23】 変形例に用いられる判定回路の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 被検査配線板 4 切り換えユニット
5 アンテナ部材 7 測定回路
8 被検査配線板装着部 9 アンテナユニット
10 アンテナ部材 11 ピーク値保持回路
12 接触検査判定回路 13 非接触検査判定回路
14 ピーク値検出回路 15 接触検査判定回路
16 スイッチ回路 17 筒状容器
18 液体 22、25、26 導体パターン
23 第1の電極 24 第2の電極
41 スイッチ素子 44 コモン端子
50 グランド部 51 絶縁層
52 導体層 53 セル
54 切り換えユニット 55 AMP
61 発振器 65 信号受信部
66 導通判定部 70 測定回路
71 電圧印加部 72 電流検出部
73 絶縁判定部 74 信号受信部
75 導通判定部 81 基台
82、83 試験プローブ 84 切換制御回路
91 透孔付き導体層 92 シールド板
93 透孔 94 絶縁層

Claims (4)

  1. 第1の電極および第2の電極を具えた導体パターンが複数形成された配線板について、該導体パターンの断線を検査する装置であって、
    発振器と、絶縁層を介して該第2の電極の全てに誘電的に結合している導体層を有するアンテナ部材と、信号受信部および導通判定部とを具え、
    該発振器は、該第1の電極を介して少なくとも1個の該導体パターンに、サイン波形またはパルス波形の試験用信号を印加可能な機能を有し、
    該信号受信部および該導通判定部は、該アンテナ部材から入力される信号を受信して基準電圧と比較し、該導体パターンの断線の有無を判定する機能を有し、
    該アンテナ部材は、第2の電極と導体層の間に介在する絶縁層の誘電率が、該第2の電極毎に異なることを特徴とする配線板の検査装置。
  2. 第1の電極および第2の電極を具えた導体パターンが複数形成された配線板について、該導体パターンの断線を検査する装置であって、
    発振器と、絶縁層を介して該第2の電極の全てに誘電的に結合している導体層を有するアンテナ部材と、信号受信部および導通判定部とを具え、
    該発振器は、該第1の電極を介して少なくとも1個の該導体パターンに、サイン波形またはパルス波形の試験用信号を印加可能な機能を有し、
    該信号受信部および該導通判定部は、該アンテナ部材から入力される信号を受信して基準電圧と比較し、該導体パターンの断線の有無を判定する機能を有し、
    該アンテナ部材は、複数のセルがマトリクス状に配列され、該第2の電極と対向するセルを該信号受信部に接続し、残りのセルを接地したことを特徴とする配線板の検査装置。
  3. 第1の電極および第2の電極を具えた導体パターンが複数形成された配線板について、該導体パターンの断線を検査する装置であって、
    発振器と、絶縁層を介して該第2の電極の全てに誘電的に結合している導体層を有するアンテナ部材と、信号受信部および導通判定部とを具え、
    該発振器は、該第1の電極を介して少なくとも1個の該導体パターンに、サイン波形またはパルス波形の試験用信号を印加可能な機能を有し、
    該信号受信部および該導通判定部は、該アンテナ部材から入力される信号を受信して基準電圧と比較し、該導体パターンの断線の有無を判定する機能を有し、
    該アンテナ部材は、第2の電極と導体層の間に介在する絶縁層の誘電率が、該第2の電極毎に異なるように形成され、
    さらに、該アンテナ部材は、複数のセルがマトリクス状に配列され、該第2の電極と対向するセルを該信号受信部に接続し、残りのセルを接地したことを特徴とする配線板の検査装置。
  4. 第1の電極および第2の電極を具えた導体パターンが複数形成された配線板について、該導体パターンの断線、および該導体パターン間の短絡を検査する装置であって、
    全ての該第1の電極に接続され任意の該第1の電極を選択すると共に残りの該第1の電極を短絡させる切り換えユニットと、絶縁層を介して該第2の電極の全てに誘電的に結合している導体層を有するアンテナ部材と、測定回路とを具え、
    該測定回路は、該切り換えユニットにより選択された該第1の電極に、サイン波形またはパルス波形の試験用波信号を印加する発振器と、信号受信部および導通判定部とを具え、
    該信号受信部および該導通判定部は、該第1の電極に試験用信号が印加されたとき、該アンテナ部材から入力される信号を受信して該導体パターンの断線または短絡の有無を検知する機能を有し、
    該アンテナ部材は、複数のセルがマトリクス状に配列され、該第2の電極と対向するセ ルを該信号受信部に接続し、残りのセルを接地したことを特徴とする配線板の検査装置。
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