JP4258679B1 - オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼 Download PDF

Info

Publication number
JP4258679B1
JP4258679B1 JP2008546012A JP2008546012A JP4258679B1 JP 4258679 B1 JP4258679 B1 JP 4258679B1 JP 2008546012 A JP2008546012 A JP 2008546012A JP 2008546012 A JP2008546012 A JP 2008546012A JP 4258679 B1 JP4258679 B1 JP 4258679B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
content
cracking
haz
stainless steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008546012A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009044802A1 (ja
Inventor
孝裕 小薄
和博 小川
弘征 平田
佳孝 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP4258679B1 publication Critical patent/JP4258679B1/ja
Publication of JPWO2009044802A1 publication Critical patent/JPWO2009044802A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/001Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing N
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/004Very low carbon steels, i.e. having a carbon content of less than 0,01%
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/008Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing tin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/02Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/06Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/46Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with vanadium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/48Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with niobium or tantalum
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/50Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with titanium or zirconium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/60Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing lead, selenium, tellurium, or antimony, or more than 0.04% by weight of sulfur

Abstract

C<0.04%、Si≦1.5%、Mn≦2%、Cr:15〜25%、Ni:6〜30%、N:0.02〜0.35%、sol.Al≦0.03%を含むとともに、Nb≦0.5%、Ti≦0.4%、V≦0.4%、Ta≦0.2%、Hf≦0.2%及びZr≦0.2%の1種以上を含有し、残部がFeと不純物からなり、不純物中のP≦0.04%、S≦0.03%、Sn≦0.1%、As≦0.01%、Zn≦0.01%、Pb≦0.01%及びSb≦0.01%で、F1=S+{(P+Sn)/2}+{(As+Zn+Pb+Sb)/5}≦0.75及び0.05≦Nb+Ta+Zr+Hf+2Ti+(V/10)≦1.7−9×F1を満足するオーステナイト系ステンレス鋼は、溶接時のHAZでの液化割れ、高温で長時間使用された場合のHAZでの耐脆化割れ性に優れ、しかも、良好な耐ポリチオン酸SCC性と高温強度を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼、詳しくは、C固定化元素を含有するオーステナイト系ステンレス鋼に関し、より詳しくは、発電ボイラ、石油精製、石油化学工業用プラントの加熱炉管等に用いられるC固定化元素を含有するオーステナイト系ステンレス鋼に関する。さらに詳しくは、C固定化元素を含有し、溶接部の耐液化割れ性および耐脆化割れ性に優れるとともに高い耐食性、なかでも、ポリチオン酸応力腐食割れに対する高い抵抗力を有するオーステナイト系ステンレス鋼に関する。
近年、エネルギー需要のひっ迫から発電ボイラ、石油精製や石油化学工業用プラントの新設が進んでおり、その加熱炉管等に使用されるオーステナイト系ステンレス鋼には優れた耐食性はもちろん優れた高温強度を有することが求められている。
このような技術的背景のもとに、例えば、非特許文献1には、Cの含有量を低減するとともに、特定量のNを含み、かつC固定化元素として特定量のNbを含有することによって優れた耐応力腐食割れ性と高温強度を有し、溶接後の後熱処理無しで長時間の時効後も鋭敏化が発生しない高耐食オーステナイト系ステンレス鋼が提案されている。
また、非特許文献2には、C固定化元素を含有するオーステナイト系ステンレス鋼の溶接後の溶接熱影響部(以下、「HAZ」という。)での割れについて、溶接熱サイクルにより炭化物の固溶および次サイクルによるM23析出温度への再加熱により鋭敏化領域が形成され、「ナイフラインアタック」と称される粒界腐食割れが生じることが報告されている。
さらに、非特許文献3および非特許文献4に、高濃度のNbおよびCを含有するオーステナイト系ステンレス鋼を用いて詳細に調査した結果、HAZにおける液化割れが粒界に析出したNbCやLaves相といった低融点化合物が溶融することにより生じ、したがって、HAZにおける液化割れを防止するには、こうした低融点化合物の粒界析出を抑止すればよいことが報告されている。
一方、非特許文献5には、18%Cr−8%Ni系のオーステナイト系ステンレス耐熱鋼の溶接部において、長時間加熱によってHAZに粒界割れが生じることが指摘されている。
また、特許文献1には、C固定化元素を活用したステンレス鋼、具体的には、特定の化学成分からなり、Nb/C≧4かつN/C≧5とした、「粒界腐食と粒界応力腐食割れに強いステンレス鋼」が開示されている。なお、以下の説明においては、「応力腐食割れ」を「SCC」という。
さらに、特許文献2には、「高温用N含有オーステナイトステンレス鋼」、具体的には、高Cr化によって高温高圧下での耐硫化性を達成し、高Cr化、高Ni化、低C化の複合効果によって耐塩化物SCC性を向上させ、さらに、低C化と必要に応じてNbを含有させることによって耐ポリチオン酸SCC性を高めた、「Cl、Sの共存する350℃以上の高温環境下で使用する耐硫化、耐SCC性にすぐれた高温用N含有オーステナイトステンレス鋼」が開示されている。
特開昭50−67215号公報 特開昭60−224764号公報 工藤赳夫ら:住友金属、38(1986)、p.190 西本和俊ら:ステンレス鋼の溶接(2000)、p.114[産報出版] 中尾嘉邦ら:溶接学会誌、第51巻(1982)第1号、p.64 中尾嘉邦ら:溶接学会誌、第51巻(1982)第12号、p.989 R.N.Youngerら:Journal of The Iron and Steel Institute、October(1960)、p.188
前述の非特許文献1で開示された技術は、C量を低く抑えたうえでCの安定化に必要なNbの含有量を低くしているため、溶接金属における凝固割れ感受性の低減には有効である。しかしながら、HAZにおける液化割れおよび長時間使用の際の脆化割れの発生に関しては何ら配慮されていない。このため、非特許文献1に記載されているC固定化元素を含有するオーステナイト系ステンレス鋼は、確かに耐食性に優れることはもちろん優れた高温強度も有しているものではあるが、大入熱にてTIG溶接により組み立てた直後および高温で長時間使用した場合にはそれぞれ、HAZにおいて、上記2種類の異なった割れが発生することを避けられない。
非特許文献2で報告された粒界腐食割れは、上記の腐食環境にさらされる前の溶接施工段階で生じるHAZ粒界の液化割れとは全く異なるものである。
非特許文献3および非特許文献4で提案された技術のHAZにおける割れ感受性の低減効果は、Cの含有量が0.1%を超える高C領域、かつ、Nbの含有量も1%を超える高Nb領域では有効である。しかしながら、耐食性向上のためにCの含有量を0.05%未満と低く抑え、かつNbの含有量を0.5%以下に低減した領域では依然としてHAZで液化割れが発生することを避けられない。しかも、非特許文献3および非特許文献4で開示されたオーステナイト系ステンレス鋼を耐食用途に使用した際には、C含有量が高いためにHAZにて鋭敏化腐食が発生することも避けられない。
前述の非特許文献5では、M23やNbCといった炭化物がHAZにおける割れに影響を及ぼす因子として示唆されているものの、そのメカニズムについては明らかにされていない。しかも、非特許文献5に開示されている技術は、長時間加熱後のHAZ脆化割れに対する対策でしかなく、必ずしも溶接直後のHAZにおける液化割れに対して適用できるものではない。
特許文献1で提案された鋼は、ポリチオン酸SCCに対する抵抗力を低C化、かつ高N化により高めているが、このような対策を施しただけでは過酷な条件下においてもポリチオン酸SCCを抑制することができるものではない。さらに、単なる低Cおよび高N化だけでは、溶接部の耐液化割れ性と耐脆化割れ性をともに高めることができるものではない。
特許文献2で提案された鋼も、耐硫化性と耐SCC性を高めただけのものであって、溶接部の耐液化割れ性と耐脆化割れ性をともに高めることができるものではない。さらに、その鋼は、より過酷な条件下において、SCC、なかでも、ポリチオン酸SCCを抑制することができるものではない。
上述したように、C固定化元素を活用した高耐食オーステナイト系ステンレス鋼において、HAZでの液化割れおよび長時間使用中にHAZに割れが生じる現象に関しては古くから知られているものの、前者に関しては、C含有量が低くかつC固定化元素の含有量も少ない領域での液化割れの発生機構およびその対策は未確立である。また、後者に関しても完全な機構解明には至っておらず、さらにはその対策、特に、材料面からの対策は確立されていない。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、C固定化元素を含有し、溶接時にHAZに生じる液化割れを抑止できるとともに、高温で長時間使用された場合のHAZでの耐脆化割れ性にも優れ、しかも、高い耐食性、なかでも、ポリチオン酸SCCに対する高い抵抗力を有するオーステナイト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
本発明者らは、溶接後のHAZにおける液化割れ(以下、「溶接後のHAZにおける液化割れ」を単に「液化割れ」ともいう。)を抑制できるとともに高温での長時間使用の際のHAZにおける脆化割れ(以下、「高温での長時間使用の際のHAZにおける脆化割れ」を単に「脆化割れ」ともいう。)も抑制することが可能で、かつ高い耐食性、なかでも、ポリチオン酸SCCに対して高い抵抗力を有する、C固定化元素含有オーステナイト系ステンレス鋼の提供を目的として、液化割れ、脆化割れおよびポリチオン酸SCCの発生機構について詳細な調査、検討を行った。
その結果、液化割れの発生に関して、先ず、下記(a)および(b)の事項が明らかになった。
(a)C含有量が0.05%未満、特に、0.04%未満と低く、しかも、C固定化元素の含有量も低いオーステナイト系ステンレス鋼においては、前記C固定化元素とCとが結合した炭化物の析出温度が低いので、粒界にはCr炭窒化物が析出する。そして、C固定化元素の炭化物は粒内に析出する。
(b)上記(a)から、液化割れの発生機構は、前記した非特許文献3および非特許文献4におけるもの、つまり、粒界に析出したNbCやLaves相といった低融点化合物の溶融という発生機構とは根本的に異なるものである。
そこでさらに調査、検討を加えた結果、下記(c)〜(h)の知見を得た。
(c)粒界にCr炭窒化物が析出し、粒内にC固定化元素の炭化物が析出した組織を有する上記のC含有量が0.05%未満、特に、0.04%未満と低く、しかも、C固定化元素の含有量も低いオーステナイト系ステンレス鋼が溶接熱サイクルにより高温に加熱されることによって、粒内に優先して析出したNbC等C固定化元素の炭化物が固溶する。このため、析出物による結晶粒成長のピンニング効果が消失してしまい、融点直下まで加熱されたHAZでは結晶粒が極めて粗大化するので粒界の表面積が著しく減少する。
(d)粒内に固溶したC固定化元素およびCは高温加熱によって粒内を拡散し、粒界へ偏析する。しかも、融点直下に加熱された部位においては、結晶粒の粗大化により粒界表面積が著しく減少していることから、粒界では他の場所と比較して偏析の程度は大きくなっていることが想定される。
(e)このため、融点直下に加熱されたHAZでは、結晶粒が極めて粗大化することに基づく粒界表面積の減少により、低温加熱された他の部位と比較してC固定化元素やCが粒界に濃化し、粒界の融点自体が低下する。
(f)母材中に含有されるPやSといった粒界への偏析傾向の著しい元素も同様にHAZ粒界に偏析するため、粗粒HAZでの粒界の融点は著しく低下している。
(g)2パス目以降の溶接熱サイクルによる加熱によって、上述の低融点化した結晶粒界が溶融するため、粒界が液化して割れが発生する。
(h)上記のような液化割れを抑制するためには、C固定化元素の含有量増加による炭化物の高温までの安定化が有効であると考えられる。一方、C固定化元素を過剰に含有させた場合には、Cr鋭敏化領域を増大させることによる耐食性の劣化が危惧される。このため、高耐食性を維持しつつHAZでの液化割れを抑制するためには、鋼中のPやSといった不純物元素の量を低減し、それに付随してC固定化元素の含有量を最適化することが有効である。
また、前記脆化割れに関して、下記(i)〜(k)の事項が明らかになった。
(i)脆化割れは溶接により高温にさらされた、いわゆる「粗粒HAZ」の結晶粒界に発生している。
(j)脆化割れの破面は延性に乏しく、破面上にはP、S、Sn等の粒界を脆化させる元素の濃化が生じている。
(k)割れ部近傍のミクロ組織には、結晶粒内に析出した多量の炭化物や窒化物が認められる。
上記(i)〜(k)の判明事項から、本発明者らは、脆化割れの発生機構に関して次の(l)〜(n)を結論するに至った。
(l)溶接熱サイクル中、およびその後の高温での使用中に粒界脆化元素であるP、S、Sn等の元素が粒界に偏析する。そして特に、これらの元素は結晶粒界表面積が小さい粗粒HAZに著しく偏析するので、その粒界は極めて脆化する。
(m)高温での使用中に外部応力が作用した際、粒内にはNbCやTiCといった炭化物固定化元素の炭化物を始めとして炭窒化物や窒化物が多量に析出しているので、粒内の変形が妨げられ、このため、脆化した粒界面への応力集中が生じ、粒界が開口して割れが発生しやすくなる。特に、粗粒HAZのような結晶粒径が大きい場所では粒界面への応力集中が助長され、割れが極めて発生しやすくなる。
(n)前記脆化割れと類似の割れ形態を示すものとしては、例えば、伊藤らが、溶接学会誌、第41巻(1972)第1号、p.59に述べている低合金鋼のSR割れが挙げられる。しかしながら、この低合金鋼のSR割れは、溶接後の短時間のSR熱処理時に発生する割れであり、前述の高温での長時間使用の際のHAZに発生する脆化割れとは発生時期が全く異なるものである。しかも、その母材の組織はフェライト相であって、本発明が対象とするオーステナイト相における割れとはその発生機構も完全に異なるものである。このため、当然のことながら、前記低合金鋼のSR割れの防止対策をそのまま、高温での長時間使用の際のHAZに発生する脆化割れの防止対策に活用することはできない。したがって、この種の脆化割れを抑制するためには、下記〈1〉および〈2〉の対策を講じるのが有効である。
〈1〉C固定化元素の低減による粒内での炭化物の析出の抑制、
〈2〉鋼中のPやS、Sn等の粒界脆化元素の含有量の低減。
上述のように、溶接後の液化割れおよび高温での長時間使用の際のHAZにおける脆化割れの両者の防止策としては、P、S、Sn等の粒界に偏析して粒界を脆化させる元素の含有量を低減することが有効であることが判明した。しかしながら、C固定化元素の含有量に関しては、液化割れと脆化割れに対して相反する作用を有する。
さらに、ポリチオン酸SCCに関して、下記(o)の知見を得た。
(o)P、S、Sn、Sb、Pb等の粒界に偏析しやすい不純物元素の含有量が多い場合、特にHAZにおける耐ポリチオン酸SCC性が劣化する。なお、耐ポリチオン酸SCCのような粒界SCCは、一般に粒界腐食と応力の重畳作用で生じる腐食である。このため、上記のメカニズムは完全には明らかになっていないが、不純物元素が粒界に偏析することによって粒界が腐食しやすくなり、かつ粒界自身も脆化するため、これらの重畳作用によってポリチオン酸環境での粒界SCCが促進されるものと考えられる。
そこで、本発明者らは、粒内での炭化物の析出量を最適化するとともに粒界偏析を軽減することによって、前記の液化割れと脆化割れがともに抑止できるとともに、強度の確保とポリチオン酸環境での耐SCC性の改善も可能になるとの想定の下に、C固定化元素であるNb、Ti、Ta、Zr、HfおよびVの含有量と粒界に偏析して粒界を脆化させる元素であるS、P、Sn、Sb、Pb、ZnおよびAsの含有量の最適な条件について詳細な検討を実施した。その結果、下記(p)〜(s)の重要な知見を得た。
(p)前記の液化割れと脆化割れの両者を防止し、しかも、耐ポリチオン酸SCCも改善するためには、粒界に偏析して粒界を脆化させる元素であるP、S、Sn、Sb、Pb、ZnおよびAsの含有量を特定の範囲に規制することが必要である。
(q)前記の元素のうちでもSの悪影響が最も大きく、次いで、PおよびSnの影響が大きい。したがって、前記2つの割れを防止し、しかも、耐ポリチオン酸SCCも改善するためには、それぞれの元素の含有量の規制に加えて、各元素の影響の重みを考慮し、式中の元素記号を、その元素の質量%での含有量として、下記の(1)式で表されるパラメータF1の値を0.075以下とすることが必須の要件となる。
F1=S+{(P+Sn)/2}+{(As+Zn+Pb+Sb)/5}・・・(1)。
(r)特に、上述したP、S、Sn、Sb、Pb、ZnおよびAsという粒界に偏析して粒界を脆化させる元素の含有量に応じて、C固定化元素であるNb、Ti、Ta、Zr、HfおよびVの含有量を特定の範囲に調整することによって、強度の確保とポリチオン酸環境での耐SCC性の向上に加えて、前記の液化割れと脆化割れの両者を防止することができる。
(s)特に、前記C固定化元素の中では、Tiの影響が最も大きく、次いでTa、Nb、ZrおよびHfの影響が大きい。したがって、強度の確保とポリチオン酸環境での耐SCC性の向上に加えて、前記2つの割れを防止するためには、それぞれの元素の含有量の規制に加えて、各元素の影響の重みを考慮し、式中の元素記号を、その元素の質量%での含有量として、下記の(2)式で表されるパラメータF2の値を0.05以上とするとともにその上限を〔1.7−9×F1〕とすることが必須の要件となる。
F2=Nb+Ta+Zr+Hf+2Ti+(V/10)・・・(2)。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(3)に示すオーステナイト系ステンレス鋼にある。
(1)質量%で、C:0.04%未満、Si:1.5%以下、Mn:2%以下、Cr:15〜25%、Ni:6〜30%、N:0.02〜0.35%、sol.Al:0.03%以下を含むとともに、Nb:0.5%以下、Ti:0.4%以下、V:0.4%以下、Ta:0.2%以下、Hf:0.2%以下およびZr:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のP、S、Sn、As、Zn、PbおよびSbがそれぞれ、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Sn:0.1%以下、As:0.01%以下、Zn:0.01%以下、Pb:0.01%以下およびSb:0.01%以下で、かつ下記の(1)式および(2)式で表されるF1およびF2の値がそれぞれ、F1≦0.075および0.05≦F2≦1.7−9×F1を満足することを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
F1=S+{(P+Sn)/2}+{(As+Zn+Pb+Sb)/5}・・・(1)、F2=Nb+Ta+Zr+Hf+2Ti+(V/10)・・・(2)。
ここで、(1)式および(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
(2)質量%で、C:0.05%未満、Si:1.5%以下、Mn:2%以下、Cr:15〜25%、Ni:6〜13%、N:0.02〜0.1%、sol.Al:0.03%以下を含むとともに、Nb:0.5%以下、Ti:0.4%以下、V:0.4%以下、Ta:0.2%以下、Hf:0.2%以下およびZr:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のP、S、Sn、As、Zn、PbおよびSbがそれぞれ、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Sn:0.1%以下、As:0.01%以下、Zn:0.01%以下、Pb:0.01%以下およびSb:0.01%以下で、かつ下記の(1)式および(2)式で表されるF1およびF2の値がそれぞれ、F1≦0.075および0.05≦F2≦1.7−9×F1を満足することを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
F1=S+{(P+Sn)/2}+{(As+Zn+Pb+Sb)/5}・・・(1)、
F2=Nb+Ta+Zr+Hf+2Ti+(V/10)・・・(2)。
ここで、(1)式および(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
(3)Feの一部に代えて、質量%で、下記の第1群から第3群までのいずれかのグループに属する1種以上の元素を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
第1群:Cu:4%以下、Mo:5%以下、W:5%以下およびCo:1%以下
第2群:B:0.012%以下
第3群:Ca:0.02%以下、Mg:0.02%以下および希土類元素:0.1%以下
なお、希土類元素(以下、「REM」という。)は、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量はREMのうちの1種または2種以上の元素の合計含有量を指す。
以下、上記(1)〜(3)に示すオーステナイト系ステンレス鋼に係る発明を、それぞれ、「本発明(1)」〜「本発明(3)」という。また、総称して「本発明」ということがある。
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、溶接部の耐液化割れ性および耐脆化割れ性に優れ、しかも、良好な耐ポリチオン酸SCC性と高温強度を有するので、発電ボイラや石油精製、石油化学工業用プラント等の硫化物を含む環境下で高温、長時間使用される機器の素材として用いることができる。
以下、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼における成分元素の限定理由について詳しく説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.05%未満
Cは、耐食性、なかでも、耐ポリチオン酸SCC性の確保という観点からは、Crと結合したCr炭化物の析出による鋭敏化を抑制するために、その含有量は極力低減することが望ましい。一方、Cは、オーステナイト相を安定化する効果を有するとともに、微細な粒内炭化物を形成して、高温強度の向上に寄与する元素である。このため、高温強度の確保という観点からはむしろ炭化物形成元素の量に見合った量のCを含有させることが、粒内炭化物の析出による強化の点から好ましい。しかしながら、Cの含有量が過剰になり、特に0.05%以上になると、溶接凝固割れ感受性を増大させるとともに、耐食性の著しい劣化をきたす。したがって、Cの含有量を0.05%未満とした(本発明(2))。なお、Cの含有量は0.04%未満であればより好ましい。このため、本発明(1)におけるCの含有量を0.04%未満とした。Cの含有量は、0.03%未満であればさらに好ましく、0.02%以下であればより一層好ましい。
Si:1.5%以下
Siは、オーステナイト系ステンレス鋼の溶製時に脱酸作用を有し、また、耐酸化性および耐水蒸気酸化性等を高めるのに有効な元素である。しかしながら、その含有量が過剰になり、特に、1.5%を超えると、溶接割れ感受性を著しく増大させるし、Siがフェライト相を安定化させる元素であるためにオーステナイト相の安定性を低下させる。したがって、Siの含有量は1.5%以下とした。なお、Siの含有量は1%以下とすることが好ましく、0.75%以下であればなお一層好ましい。一方、前記したSiの効果を確実に得るためには、Si含有量の下限は0.02%とすることが望ましく、0.1%とすれば一層望ましい。
Mn:2%以下
Mnは、オーステナイト相を安定化させる元素であるとともに、Sによる熱間加工脆性の抑制の他、溶製時の脱酸に有効な元素である。しかしながら、その含有量が2%を超えると、σ相等の金属間化合物相の析出を助長し、高温環境下にて使用した場合には、高温における組織安定性の劣化に起因した靱性や延性の低下を生じる。したがって、Mnの含有量は2%以下とした。なお、Mnの含有量は1.5%以下とすることが望ましい。Mn含有量の下限は0.02%とすることが好ましく、0.1%とすれば一層好ましい。
Cr:15〜25%
Crは、高温での耐酸化性および耐食性の確保のために必須の元素であり、その効果を得るためには、15%以上含有させる必要がある。しかしながら、その含有量が過剰になり、特に、25%を超えると、高温でのオーステナイト相の安定性を低下させて、クリープ強度の低下を招く。したがって、Crの含有量を15〜25%とした。なお、Cr含有量の望ましい下限は17%であり、また、望ましい上限は20%である。
Ni:6〜30%
Niは、安定なオーステナイト組織を確保するために必須の元素であり、長時間使用時の組織安定性を確保して、所望のクリープ強度を得るために必須の元素である。しかしながら、その効果を十分に得るためには、前記したCr含有量とのバランスが重要であり、今回のCr含有量の下限値に対しては6%以上の含有量が必要である。一方、高価な元素であるNiの30%を超える多量の添加はコストの増加を招く。したがって、Niの含有量は6〜30%とした(本発明(1))。なお、Ni含有量の上限は20%とすることが好ましく、13%であればより好ましい。このため、本発明(2)におけるNiの含有量を6〜13%とした。Ni含有量の上限は12%とすることがより一層好ましい。また、Ni含有量の下限は7%とすることが好ましく、9%とすれば一層好ましい。
N:0.02〜0.35%
Nは、オーステナイト相を安定化させる元素であり、マトリックスに固溶するとともに粒内に微細な炭窒化物として析出し、クリープ強度を向上させるのに有効な元素である。これらの効果を十分に得るためには、Nの含有量を0.02%以上とする必要がある。しかしながら、0.35%を超える過剰なNを含有した場合、粒界にCr窒化物が形成されるため鋭敏化によりHAZでの耐ポリチオン酸SCC性が劣化する。したがって、Nの含有量は0.02〜0.35%とした。なお、なお、N含有量の下限は0.04%とすることが好ましく、0.06%とすれば一層好ましい。また、N含有量の上限は0.3%とすることが好ましく、0.1%とすれば一層好ましい。
sol.Al:0.03%以下
Alは、脱酸作用を有するが、多量の添加は清浄度を著しく害し、加工性や延性を劣化させ、特に、Alの含有量がsol.Al(「酸可溶性Al」)で0.03%を超えると、加工性や延性の低下が著しくなる。したがって、sol.Alの含有量を0.03%以下とした。下限は特に設けないが、0.0005%以上が好ましい。
Nb:0.5%以下、Ti:0.4%以下、V:0.4%以下、Ta:0.2%以下、Hf:0.2%以下およびZr:0.2%以下のうちの1種または2種以上
C固定化元素であるNb、Ti、V、Ta、HfおよびZrは、本発明の根幹をなす重要な元素群である。すなわち、これらの元素とCが結合した炭化物が粒内に析出することによって、粒界でのCr炭化物の析出が抑止されて鋭敏化が抑制され、高い耐食性を確保することができる。さらに、粒内に微細析出した上記の炭化物は、クリープ強度の向上にも寄与する。しかしながら、上記の元素の含有量が過剰になると、溶接熱サイクル下での炭化物の固溶温度が上昇する。このため、炭化物固溶による上述の元素の粗粒HAZ粒界での偏析が軽減され、次層溶接時の熱サイクル付与による粒界の溶融割れを抑制することができる。しかし一方では、炭化物が過剰に粒内析出することになって、粒内の変形が妨げられるので、後述する不純物元素の偏析によって脆化している粒界面への一層の応力集中を招き、このため、高温での長時間使用時の粗粒HAZでの脆化割れを助長してしまう。さらに、いわゆる「ナイフラインアタック」のようにCr鋭敏化領域を拡大して耐食性の著しい劣化も招く。特に、Nbの場合は0.5%を超えると、また、TiおよびVの場合は、いずれも0.4%を超えると、さらに、Ta、HfおよびZrの場合は、いずれも0.2%を超えると、上述した弊害が大きくなる。したがって、高い耐食性の確保とともに、溶接後の液化割れおよび長時間使用の際の脆化割れの双方を抑止するために、Nb、Ti、V、Ta、HfおよびZrについてその含有量を、Nb:0.5%以下、Ti:0.4%以下、V:0.4%以下、Ta:0.2%以下、Hf:0.2%以下およびZr:0.2%以下とした。
上記各元素の含有量の上限は、Nbが0.4%、Tiが0.3%、Vが0.2%、Taが0.15%、Hfが0.15%、Zrが0.1%であることが好ましい。
なお、上記のNb、Ti、V、Ta、HfおよびZrは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種以上の複合で含有させることができる。ただし、後述するように、優れた耐ポリチオン酸SCC性を確保するためには、既に述べたパラメータF2の値が0.05以上になるようにする必要があり、また、HAZでの溶接直後および長時間使用の際の割れ感受性を低減するためには、パラメータF2の値の上限を〔1.7−9×F1〕とする必要がある。
本発明においては、不純物中のP、S、Sn、As、Zn、PbおよびSbは、その含有量をそれぞれ、特定の値以下に制限する必要がある。
すなわち、上記の元素はいずれも、溶接熱サイクル中、または、その後の高温での使用中に粗粒HAZの粒界に偏析して、粒界の融点を下げるとともに粒界の結合力を低下させ、次層溶接時の熱サイクル付与による粗粒HAZでの粒界溶融に基づく液化割れ、高温で使用中の脆化割れを招く。加えて、粒界腐食を促進し、かつ粒界強度の低下をもたらすため、耐ポリチオン酸SCC性を劣化させる。したがって、先ず、その含有量をそれぞれ、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Sn:0.1%以下、As:0.01%以下、Zn:0.01%以下、Pb:0.01%以下およびSb:0.01%以下に制限する必要がある。
なお、粗粒HAZにおける溶接後の液化割れ、長時間使用の際の脆化割れおよび耐ポリチオン酸SCC性に対しては、前記の元素のうちSが最も大きな影響を及ぼし、次いで、PおよびSnの影響が大きい。そして、前記の液化割れと脆化割れの両者を防止し、しかも、耐ポリチオン酸SCCも改善するためには、既に述べたパラメータF1の値が0.075以下になるようにする必要があり、また、このパラメータF1はパラメータF2との関係で〔F2≦1.7−9×P1〕を満たすようにする必要がある。次に、上記のことについて説明する。
パラメータF1の値:0.075以下
前記(1)式、つまり、〔S+{(P+Sn)/2}+{(As+Zn+Pb+Sb)/5}〕で表されるF1の値が0.075を超える場合には、粒界結合力の低下を抑制することができないので、粗粒HAZにおける溶接後の液化割れおよび長時間使用の際の脆化割れの発生、さらには、耐ポリチオン酸SCC性の劣化を避けられなくなる。このため、パラメータF1の値は0.075以下にする必要がある。なお、パラメータF1の値は小さければ小さいほど好ましい。
パラメータF2の値:0.05以上で〔1.7−9×F1〕以下
前記(2)式、つまり、〔Nb+Ta+Zr+Hf+2Ti+(V/10)〕で表されるF2の値が0.05以上の場合に、優れた耐ポリチオン酸SCC性を確保することができ、また、このF2の値が前述のパラメータF1との関係で〔1.7−9×F1〕以下を満たす場合に、粗粒HAZにおける溶接後の液化割れおよび長時間使用の際の脆化割れを防止することが可能となる。
上記の理由から、本発明(1)および(2)に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、上述した範囲のCからsol.Alまでの元素を含むとともに、上述した範囲のNb、Ti、V、Ta、HfおよびZrのうちの1種または2種以上を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物中のP、S、Sn、As、Zn、PbおよびSbがそれぞれ、上述した範囲にあり、かつ前記の(1)式および(2)式で表されるF1およびF2の値がそれぞれ、F1≦0.075および0.05≦F2≦1.7−9×F1を満足することと規定した。
なお、本発明(1)あるいは本発明(2)に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、そのFeの一部に代えて、必要に応じてさらに、
第1群:Cu:4%以下、Mo:5%以下、W:5%以下およびCo:1%以下、
第2群:B:0.012%以下、
第3群:Ca:0.02%以下、Mg:0.02%以下およびREM:0.1%以下、
の各グループの元素の1種以上を選択的に含有させることができる。
すなわち、前記第1群から第3群までのいずれかのグループの元素の1種以上を任意元素として添加し、含有させてもよい。
以下、上記の任意元素に関して説明する。
第1群:Cu:4%以下、Mo:5%以下、W:5%以下およびCo:1%以下
第1群の元素であるCu、Mo、WおよびCoは、高温強度を高める作用を有するので、この効果を得るために上記の元素を添加し、含有させてもよい。以下、第1群の元素について詳しく説明する。
Cu:4%以下
Cuは、高温で微細に析出して高温強度の向上に有効な元素である。Cuにはオーステナイト相を安定にする作用もある。しかしながら、Cuの含有量が多くなるとCu相の析出が過剰になって粗粒HAZでの脆化割れ感受性が高くなり、特に、4%を超えると、前記粗粒HAZでの脆化割れ感受性が著しく高くなる。したがって、添加する場合のCuの含有量は、4%以下とした。なお、Cuの含有量は3%以下とすることが好ましく、2%以下であればなお一層好ましい。一方、前記したCuの効果を確実に得るためには、Cu含有量の下限は0.02%とすることが望ましく、0.05%とすれば一層望ましい。
Mo:5%以下
Moは、マトリックスに固溶して高温強度の向上、なかでも高温でのクリープ強度の向上に寄与する元素である。Moは、Cr炭化物の粒界析出を抑制する作用も有する。しかしながら、Moの含有量が多くなるとオーステナイト相の安定性が低下するため却ってクリープ強度を低下させ、しかも、粗粒HAZでの脆化割れ感受性が高くなり、特に、5%を超えると、クリープ強度の低下が著しくなるとともに粗粒HAZでの脆化割れ感受性が著しく高くなる。したがって、添加する場合のMoの含有量は、5%以下とした。なお、Moの含有量は1.5%以下とすることが好ましい。一方、前記したMoの効果を確実に得るためには、Mo含有量の下限は0.05%とすることが望ましい。
W:5%以下
Wも、マトリックスに固溶して高温強度の向上、なかでも高温でのクリープ強度の向上に寄与する元素である。しかしながら、Wの含有量が多くなるとオーステナイト相の安定性が低下するため却ってクリープ強度を低下させ、しかも、粗粒HAZでの脆化割れ感受性が高くなり、特に、5%を超えると、クリープ強度の低下が著しくなるとともに粗粒HAZでの脆化割れ感受性が著しく高くなる。したがって、添加する場合のWの含有量は、5%以下とした。なお、Wの含有量は3%以下とすることが望ましく、1.5%以下とすれば一層望ましい。一方、前記したWの効果を確実に得るためには、W含有量の下限は0.05%とすることが好ましい。
Co:1%以下
Coは、Niと同様オーステナイト相の安定性を高めて高温強度の向上に寄与する。しかしながら、Coは極めて高価な元素であるため含有量が多くなるとコストの上昇を招き、特に、1%を超えるとコストの上昇が著しくなる。したがって、添加する場合のCoの含有量は、1%以下とした。なお、Coの含有量は0.8%以下とすることが望ましく、0.5%以下とすれば一層望ましい。一方、前記したCoの効果を確実に得るためには、Co含有量の下限は0.03%とすることが好ましい。
なお、上記のCu、Mo、WおよびCoは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種以上の複合で含有することができる。
第2群:B:0.012%以下
第2群の元素であるBは粒界強化作用を有するので、この効果を得るために添加し、含有させてもよい。以下、第2群の元素であるBについて詳しく説明する。
B:0.012%以下
Bは、粒界に偏析するとともに粒界炭化物を微細分散させることにより、粒界強化に寄与する元素である。しかしながら、Bの過剰な添加は粒界の融点を低下させ、特に、含有量で0.012%を超えると粒界の融点低下が大きくなるので、溶接時に溶融線に近接するHAZの粒界で液化割れを生じてしまう。したがって、添加する場合のBの含有量は、0.012%以下とした。なお、Bの含有量は0.005%以下とすることが好ましく、0.0045%以下であればなお一層好ましい。一方、前記したBの効果を確実に得るためには、B含有量の下限は0.0001%とすることが望ましく、0.001%とすれば一層望ましい。
第3群:Ca:0.02%以下、Mg:0.02%以下およびREM:0.1%以下のうちの1種または2種以上
第3群の元素であるCa、MgおよびREMは、熱間加工性を高める作用を有するので、この効果を得るために上記の元素を添加し、含有させてもよい。以下、第3群の元素について詳しく説明する。
Ca:0.02%以下
Caは、Sとの親和力が大きく、熱間加工性を高める作用を有する。また、僅かではあるが、Sの粒界偏析に起因した粗粒HAZの脆化割れを軽減する効果がある。しかしながら、Caの過剰な添加は酸素との結合による清浄性の低下、換言すれば清浄度の増加を招き、特に、含有量で0.02%を超えると清浄性の低下が著しくなり、却って熱間加工性を劣化させてしまう。したがって、添加する場合のCaの含有量は、0.02%以下とした。なお、Caの含有量は0.01%以下とすることが好ましい。一方、前記したCaの効果を確実に得るためには、Ca含有量の下限は0.0001%とすることが望ましく、0.0005%とすれば一層望ましい。
Mg:0.02%以下
Mgも、Sとの親和力が大きく、熱間加工性を高める作用を有する。また、僅かではあるが、Sの粒界偏析に起因した粗粒HAZの脆化割れを軽減する効果がある。しかしながら、Mgの過剰な添加は酸素との結合による清浄性の低下を招き、特に、含有量で0.02%を超えると清浄性の低下が著しくなり、却って熱間加工性を劣化させてしまう。したがって、添加する場合のMgの含有量は、0.02%以下とした。なお、Mgの含有量は0.01%以下とすることが好ましい。一方、前記したMgの効果を確実に得るためには、Mg含有量の下限は0.0001%とすることが望ましい。
REM:0.1%以下
REMは、Sとの親和力が大きく、熱間加工性を高める作用を有する。REMには、Sの粒界偏析に起因した粗粒HAZの脆化割れを軽減させる効果もある。しかしながら、REMの過剰な添加は酸素との結合による清浄性の低下を招き、特に、含有量で0.1%を超えると清浄性の低下が著しくなり、却って熱間加工性を劣化させてしまう。したがって、添加する場合のREMの含有量は、0.1%以下とした。なお、REMの含有量は0.05%以下とすることが望ましい。一方、前記したREMの効果を確実に得るためには、REM含有量の下限は0.001%とすることが好ましい。
既に述べたように、「REM」とは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量はREMのうちの1種または2種以上の元素の合計含有量を指す。
なお、上記のCa、MgおよびREMは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種以上の複合で含有することができる。
上記の理由から、本発明(3)に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、本発明(1)または本発明(2)に係るオーステナイト系ステンレス鋼のFeの一部に代えて、下記の第1群から第3群までのいずれかのグループに属する1種以上の元素を含有することと規定した。
第1群:Cu:4%以下、Mo:5%以下、W:5%以下およびCo:1%以下、
第2群:B:0.012%以下、
第3群:Ca:0.02%以下、Mg:0.02%以下およびREM:0.1%以下。
本発明(1)〜本発明(3)に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、溶解に使用する原料について綿密詳細な分析を実施して、特に不純物中のSn、As、Zn、PbおよびSbの含有量がそれぞれ、前述のSn:0.1%以下、As:0.01%以下、Zn:0.01%以下、Pb:0.01%以下およびSb:0.01%以下で、かつ前記の(1)式および(2)式で表されるF1およびF2の値がそれぞれ、F1≦0.075および0.05≦F2≦1.7−9×F1を満たすものを選択した後、電気炉、AOD炉やVOD炉などを用いて溶製して製造することができる。
次いで、溶製された溶湯を、いわゆる「造塊法」でインゴットに鋳造した後の熱間鍛造または連続鋳造によってスラブ、ブルームやビレットにし、これらを素材として、板材に加工する場合は、例えば、熱間圧延でプレートやコイル状に加工し、また管材に加工する場合は、例えば、熱間押出製管法やマンネスマン製管法で管状に熱間加工する。
すなわち、熱間加工はどのような加工であってもよく、例えば、最終製品が鋼管の場合では、ユジーンセジュルネ法に代表される熱間押出製管法や熱間押抜き製管法、マンネスマンプラグミル法やマンネスマンマンドレルミル法などに代表されるロール圧延製管法(マンネスマン製管法)を挙げることができる。また、最終製品が鋼板の場合では、通常の厚鋼板や熱延鋼帯の製造方法を挙げることができる。
熱間加工の加工終了温度は、特に規定しないが、1000℃以上とするのが好ましい。これは、加工終了温度が1000℃未満になると、Nb、TiおよびVの炭窒化物の固溶が不十分になって、クリープ強度や延性が損なわれるためである。
なお、熱間加工後に冷間加工を行ってもよく、冷間加工としては、例えば、最終製品が鋼管の場合では、上記の熱間加工により製造された素管に引き抜き加工を施す冷間抽伸製管法や冷間圧延製管法を挙げることができる。また、最終製品が鋼板の場合では、通常の冷延鋼帯の製造方法を挙げることができる。さらに、組織を均一にして強度のより一層の安定化を図るためには、加工歪みを与えて熱処理時に再結晶・整粒化させるのがよいため、冷間加工の場合では最後の加工を断面減少率10%以上で行って、歪みを付与することが望ましい。
また、上記の熱間加工後の最終熱処理の加熱温度、または熱間加工後にさらに冷間加工を行った後の最終熱処理の加熱温度は、1000℃以上で行えばよい。上記加熱温度の上限は特に規定しないが、1350℃を超えると、高温粒界割れや延性低下を引き起こしやすくなるだけでなく、結晶粒が極めて大きくなり、さらに、加工性も著しく低下する。このため、上記加熱温度の上限は1350℃とするのが好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1および表2に示す化学組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼である鋼A1〜A10および鋼B1〜B5を電気炉にて溶解し、熱間鍛造、熱間圧延により成形した。次いで、1100℃に加熱した後に水冷する熱処理を施し、さらにその後、機械加工により厚さ20mm、幅50mmで長さ100mmの鋼板を作製した。
なお、表1および表2中の鋼A1〜A10は化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼である。一方、鋼B1〜B5は成分元素の含有量、パラメータF1の値およびF2の値のいずれかが、本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
Figure 0004258679
Figure 0004258679
まず、鋼A1〜A10および鋼B1〜B5の上記鋼板の長手方向に角度30°、ルート厚さ1mmのV開先を加工した後、被覆アーク溶接棒としてJIS Z 3224(1999)に規定の「DNiCrFe−3」を用いて、厚さ25mm、幅200mmで長さ200mmのJIS G 3106(2004)に規定のSM400Cの市販の鋼板上に、四周を拘束溶接した。
その後、表3に示す化学組成を有する溶接ワイヤを用いて、TIG溶接により入熱量を20kJ/cmの条件にて開先内に多層溶接を実施した。
Figure 0004258679
上記の溶接施工後、各試験体から継手の断面ミクロ組織観察用試験片を10個ずつ採取し、断面を鏡面研磨した後腐食し、HAZ粗粒域における液化割れの発生有無を光学顕微鏡を用いて倍率を500倍として観察した。
表4に、上記液化割れの調査結果を示す。なお、表4の「液化割れ」欄における「○」印および「△」印はそれぞれ、各鋼についての10個の試験片において、液化割れが全く認められなかったことおよび1〜2個の試験片に割れが認められたことを示す。
Figure 0004258679
表4から、鋼A1〜A10を用いた本発明例である試験番号1〜10の場合、液化割れが発生しないことが明らかである。
また、上記のようにして得た鋼A1〜A10および鋼B1〜B5の拘束溶接継手試験体に550℃×10000時間の時効熱処理を施し、各試験体から継手の断面ミクロ組織観察用試験片を4個ずつ採取し、断面を鏡面研磨した後腐食し、HAZ粗粒域における脆化割れの発生有無を光学顕微鏡を用いて倍率を500倍として観察した。
表4に、上記脆化割れの調査結果を併せて示す。なお、表4の「脆化割れ」欄における「○」印、「△」印および「×」印はそれぞれ、各鋼についての4個の試験片において、脆化割れが全く認められなかったこと、1〜2個の試験片に割れが認められたことおよび3個以上の試験片に割れが認められたことを示す。
表4から、鋼A1〜A10を用いた本発明例である試験番号1〜10の場合、脆化割れも発生しないことが明らかである。
上述のことから、HAZにおいて優れた耐液化割れ性および長時間使用の際の優れた耐脆化割れ性を確保するには、各成分元素の含有量に加えてパラメータF1およびF2に関する条件も満たさねばならないことが明らかである。
さらに、鋼A1〜A10および鋼B1〜B5について、拘束しなかったこと以外は上記の拘束溶接継手と同様の溶接材料および溶接条件で溶接継手を作製し、各試験体から下記の試験片を採取して耐食性および高温強度特性(クリープ特性)を評価することも行った。
耐食性の調査には、厚さ2mm、幅10mmで長さが75mmの短冊状のものを溶接部位置を中央にして半径5mmで拘束したいわゆる「Uベンド試験片」を用い、Wackenroder溶液(蒸留水中にSOガスを吹き込んで作成したHSO飽和水溶液に多量のHSガスを吹き込んだ溶液)に700℃で、1000時間、3000時間および5000時間浸漬し、割れ発生の有無を倍率を500倍とした光学顕微鏡で観察して、溶接継手の耐ポリチオン酸SCC性を評価した。
高温強度特性の調査には、溶接金属を中心とする平行部の直径と長さがそれぞれ、6mmと60mmの丸棒クリープ試験片を用い、600℃、200MPaの条件でクリープ破断試験を行った。なお、破断時間が5000時間以上のものだけが本発明の目的を達成できるとして「合格」と判定した。
表4に、上記の耐ポリチオン酸SCC性と高温強度特性(クリープ特性)の調査結果を併せて示す。なお、表4の「耐SCC性」欄は、前記の耐ポリチオン酸SCC性を意味し、「○」印は5000時間の浸漬にて割れの発生しなかったもの、「△」印は3000時間の浸漬にて割れの発生が認められたもの、「×」は1000時間の浸漬にて割れの発生が認められたものを意味する。さらに、「クリープ特性」欄における「○」印および「×」印はそれぞれ、破断時間が5000時間以上であったことおよび破断時間が5000時間未満であったことを示す。
表4から、耐食性については、それぞれ、NbとCの含有量が本発明で規定する量の上限値を超える鋼B3と鋼B4を用いた試験番号13と試験番号14では、1000時間の浸漬にて割れの発生が認められた。また、それぞれ、パラメータF1の値とパラメータF2の値が本発明で規定する範囲を外れる鋼B1と鋼B2を用いた試験番号11と試験番号12では、3000時間の浸漬にて割れの発生が認められた。これより、これらの鋼は耐食性(耐ポリチオン酸SCC性)に劣ることが明らかである。また、高温強度特性についても、Nの含有量が本発明で規定する値を下回る鋼B5を用いた試験番号15は、破断時間が5000時間未満であってクリープ強度が低く、高温強度特性に劣ることが明らかである。
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、溶接部の耐液化割れ性および耐脆化割れ性に優れ、しかも、良好な耐ポリチオン酸SCC性と高温強度を有するので、発電ボイラや石油精製、石油化学工業用プラント等の硫化物を含む環境下で高温、長時間使用される機器の素材として用いることができる。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.04%未満、Si:1.5%以下、Mn:2%以下、Cr:15〜25%、Ni:6〜30%、N:0.02〜0.35%、sol.Al:0.03%以下を含むとともに、Nb:0.5%以下、Ti:0.4%以下、V:0.4%以下、Ta:0.2%以下、Hf:0.2%以下およびZr:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のP、S、Sn、As、Zn、PbおよびSbがそれぞれ、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Sn:0.1%以下、As:0.01%以下、Zn:0.01%以下、Pb:0.01%以下およびSb:0.01%以下で、かつ下記の(1)式および(2)式で表されるF1およびF2の値がそれぞれ、F1≦0.075および0.05≦F2≦1.7−9×F1を満足することを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
    F1=S+{(P+Sn)/2}+{(As+Zn+Pb+Sb)/5}・・・(1)
    F2=Nb+Ta+Zr+Hf+2Ti+(V/10)・・・(2)
    ここで、(1)式および(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
  2. 質量%で、C:0.05%未満、Si:1.5%以下、Mn:2%以下、Cr:15〜25%、Ni:6〜13%、N:0.02〜0.1%、sol.Al:0.03%以下を含むとともに、Nb:0.5%以下、Ti:0.4%以下、V:0.4%以下、Ta:0.2%以下、Hf:0.2%以下およびZr:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のP、S、Sn、As、Zn、PbおよびSbがそれぞれ、P:0.04%以下、S:0.03%以下、Sn:0.1%以下、As:0.01%以下、Zn:0.01%以下、Pb:0.01%以下およびSb:0.01%以下で、かつ下記の(1)式および(2)式で表されるF1およびF2の値がそれぞれ、F1≦0.075および0.05≦F2≦1.7−9×F1を満足することを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
    F1=S+{(P+Sn)/2}+{(As+Zn+Pb+Sb)/5}・・・(1)
    F2=Nb+Ta+Zr+Hf+2Ti+(V/10)・・・(2)
    ここで、(1)式および(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
  3. Feの一部に代えて、質量%で、下記の第1群から第3群までのいずれかのグループに属する1種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
    第1群:Cu:4%以下、Mo:5%以下、W:5%以下およびCo:1%以下
    第2群:B:0.012%以下
    第3群:Ca:0.02%以下、Mg:0.02%以下および希土類元素:0.1%以下
JP2008546012A 2007-10-04 2008-10-02 オーステナイト系ステンレス鋼 Active JP4258679B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007260477 2007-10-04
JP2007260477 2007-10-04
PCT/JP2008/067922 WO2009044802A1 (ja) 2007-10-04 2008-10-02 オーステナイト系ステンレス鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4258679B1 true JP4258679B1 (ja) 2009-04-30
JPWO2009044802A1 JPWO2009044802A1 (ja) 2011-02-10

Family

ID=40526226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008546012A Active JP4258679B1 (ja) 2007-10-04 2008-10-02 オーステナイト系ステンレス鋼

Country Status (10)

Country Link
US (1) US8133431B2 (ja)
EP (1) EP2199420B1 (ja)
JP (1) JP4258679B1 (ja)
KR (2) KR101256268B1 (ja)
CN (2) CN104611624B (ja)
CA (1) CA2698562C (ja)
DK (1) DK2199420T3 (ja)
ES (1) ES2420839T3 (ja)
PL (1) PL2199420T3 (ja)
WO (1) WO2009044802A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104480408A (zh) * 2014-12-10 2015-04-01 无锡鑫常钢管有限责任公司 一种0Cr18Ni9小直径无缝毛细不锈钢管及生产工艺
CN107267728A (zh) * 2017-06-09 2017-10-20 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种冷拔用热轧钢带及其生产方法

Families Citing this family (61)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101091863B1 (ko) * 2009-03-06 2011-12-12 포스코특수강 주식회사 고온강도가 우수한 스테인레스 강재 및 그 제조방법
EP2287351A1 (en) * 2009-07-22 2011-02-23 Arcelormittal Investigación y Desarrollo SL Heat-resistant austenitic steel having high resistance to stress relaxation cracking
JP5552284B2 (ja) * 2009-09-14 2014-07-16 信越化学工業株式会社 多結晶シリコン製造システム、多結晶シリコン製造装置および多結晶シリコンの製造方法
CN101967611B (zh) * 2010-11-05 2012-07-25 钢铁研究总院 一种高韧性奥氏体锅炉钢
WO2012134529A1 (en) 2011-03-31 2012-10-04 Uop Llc Process for treating hydrocarbon streams
CN102364291A (zh) * 2011-06-27 2012-02-29 苏州方暨圆节能科技有限公司 抗菌耐蚀的不锈钢热交换板
RU2566820C1 (ru) * 2011-09-30 2015-10-27 Юоп Ллк Способ и устройство для обработки потоков углеводородов
DE112012003677T5 (de) * 2011-10-20 2014-06-26 Borgwarner Inc. Turbolader und ein Bauteil hierfür
KR101356866B1 (ko) * 2011-12-26 2014-01-28 주식회사 포스코 내식성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법
JP5794945B2 (ja) 2012-03-30 2015-10-14 新日鐵住金ステンレス株式会社 耐熱オーステナイト系ステンレス鋼板
JP5880310B2 (ja) * 2012-06-25 2016-03-09 新日鐵住金株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼
CN109321822A (zh) 2012-10-30 2019-02-12 株式会社神户制钢所 奥氏体系不锈钢
CN103451573A (zh) * 2013-08-02 2013-12-18 安徽三联泵业股份有限公司 水泵叶轮用耐空泡腐蚀不锈钢合金材料及其制造方法
CN103451567A (zh) * 2013-08-02 2013-12-18 安徽三联泵业股份有限公司 抗腐蚀能力强的水泵轴用不锈钢材料及其制造方法
KR20150072755A (ko) * 2013-12-20 2015-06-30 주식회사 포스코 연속박판 주조기를 이용한 sts321강의 제조방법
JP6627373B2 (ja) * 2015-03-04 2020-01-08 日本製鉄株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼
ES2734051T3 (es) * 2015-06-05 2019-12-04 Nippon Steel Corp Acero inoxidable austenítico
JP6369632B2 (ja) * 2015-06-15 2018-08-08 新日鐵住金株式会社 高Cr系オーステナイトステンレス鋼
EP3318650B1 (en) * 2015-07-01 2019-10-09 Nippon Steel Corporation Austenitic heat-resistant alloy and welded structure
JP6499557B2 (ja) * 2015-09-08 2019-04-10 日新製鋼株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼板の溶接方法
CN106563888A (zh) * 2015-10-10 2017-04-19 丹阳市华龙特钢有限公司 一种高性价比埋弧焊焊丝及其生产方法
WO2017171178A1 (ko) * 2016-03-28 2017-10-05 엘지전자 주식회사 스테인리스강 및 상기 스테인리스강으로 이루어지는 배관
KR20180122675A (ko) * 2016-03-31 2018-11-13 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 용접 구조 부재
CN109070280A (zh) * 2016-03-31 2018-12-21 新日铁住金株式会社 焊接结构构件
CA3020258C (en) * 2016-04-06 2021-01-05 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Austenitic stainless steel and production method therefor
RU2615939C1 (ru) * 2016-06-16 2017-04-11 Юлия Алексеевна Щепочкина Коррозионно-стойкая сталь
CN106191405A (zh) * 2016-08-23 2016-12-07 钢铁研究总院 一种热处理炉用高性能奥氏体耐热钢及其制备方法
KR102223549B1 (ko) * 2016-08-30 2021-03-05 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 오스테나이트계 스테인리스 강
US11649517B2 (en) 2016-10-21 2023-05-16 Korea Advanced Institute Of Science And Technology High-strength Fe—Cr—Ni—Al multiplex stainless steel and manufacturing method therefor
CN106498285B (zh) * 2016-11-30 2019-02-12 中国科学院金属研究所 一种无需时效处理的奥氏体抗菌不锈钢
CN106544600A (zh) * 2016-12-15 2017-03-29 陆照福 一种奥氏体型沉淀硬化不锈钢锻件及其加工方法
CN106636947A (zh) * 2016-12-16 2017-05-10 安徽宝恒新材料科技有限公司 一种耐海水腐蚀不锈钢及其制作方法
KR101903173B1 (ko) * 2016-12-23 2018-10-01 주식회사 포스코 열간 가공성 및 내식성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 및 이의 제조 방법
KR20180074408A (ko) * 2016-12-23 2018-07-03 주식회사 포스코 내황산 부식특성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강
CN107354383A (zh) * 2017-07-07 2017-11-17 安徽同盛环件股份有限公司 一种高耐磨复合合金环件及其制备工艺
JP6429957B1 (ja) * 2017-08-08 2018-11-28 新日鐵住金ステンレス株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法、ならびに燃料改質器および燃焼器の部材
EP3693487A4 (en) * 2017-10-03 2021-01-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation AUSTENITE BASED STAINLESS STEEL
ES2962575T3 (es) * 2018-02-28 2024-03-19 Nippon Steel Corp Junta de soldadura de acero inoxidable austenítico
JP7106962B2 (ja) * 2018-04-19 2022-07-27 日本製鉄株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼
CN108660373A (zh) * 2018-05-11 2018-10-16 上海申江锻造有限公司 一种高强度奥氏体不锈钢叶轮轴的制造方法
JP6560427B1 (ja) * 2018-11-29 2019-08-14 株式会社特殊金属エクセル ステンレス鋼帯またはステンレス鋼箔及びその製造方法
CN109504827A (zh) * 2018-12-22 2019-03-22 中南大学 一种含铜钽钴高耐蚀不锈钢及其加工与热处理方法
CN109355469A (zh) * 2018-12-22 2019-02-19 中南大学 一种铜钒钴抗蚀奥氏体不锈钢及其加工与热处理方法
CN109355594B (zh) * 2018-12-22 2022-04-01 佛山培根细胞新材料有限公司 一种铜钒钴改性不锈钢及其加工与热处理方法
CN109504832A (zh) * 2018-12-22 2019-03-22 中南大学 一种铜锆抗蚀增强奥氏体不锈钢及其制备方法
CN110079744A (zh) * 2019-05-14 2019-08-02 东南大学 一种含重稀土双相不锈钢及其制备方法
EP4006179A4 (en) 2019-07-25 2022-09-14 Nippon Steel Corporation AUSTENITIC STAINLESS STEEL MATERIAL AND WELDING JOINT
DE102019123174A1 (de) * 2019-08-29 2021-03-04 Mannesmann Stainless Tubes GmbH Austenitische Stahllegierung mit verbesserter Korrosionsbeständigkeit bei Hochtemperaturbeanspruchung
CN110607490B (zh) * 2019-09-24 2021-03-26 南京佑天金属科技有限公司 一种铪锆钛增强奥氏体不锈钢及其制备方法
CN110484836B (zh) * 2019-09-24 2021-01-05 南京佑天金属科技有限公司 一种铪锆钛钼增强奥氏体不锈钢及其制备方法
CN110551951B (zh) * 2019-09-27 2020-11-13 常州长海焊材有限公司 一种超低碳耐高温焊丝及其制备方法
CN110964990B (zh) * 2019-11-11 2021-06-01 南京工程学院 核电用高性能大直径厚壁奥氏体不锈钢锻管及其短流程制备方法
CN114929917B (zh) * 2020-01-10 2023-11-03 日本制铁株式会社 奥氏体系不锈钢钢材
EP4130322A1 (en) * 2020-03-30 2023-02-08 NIPPON STEEL Stainless Steel Corporation Austenitic stainless steel
CN112609126A (zh) * 2020-11-13 2021-04-06 宁波宝新不锈钢有限公司 一种核电设备用奥氏体不锈钢及其制备方法
WO2022123812A1 (ja) * 2020-12-10 2022-06-16 日立金属株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法
CN112647025A (zh) * 2020-12-16 2021-04-13 无锡腾跃特种钢管有限公司 一种高性能不锈钢钢管的制造工艺
CN112941403A (zh) * 2021-01-14 2021-06-11 上海欣冈贸易有限公司 一种焊接用无硫低碳钢金属合金及其组合物
CN113106355B (zh) * 2021-03-11 2022-04-26 湖南恒基粉末科技有限责任公司 一种高硬度316l不锈钢及其制备方法和应用
CN113862583A (zh) * 2021-09-18 2021-12-31 温州瑞银不锈钢制造有限公司 一种高强度耐腐蚀的奥氏体不锈钢
CN116005077A (zh) * 2023-02-16 2023-04-25 慈溪市龙山汽配有限公司 一种高强导轨材料及其制备方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5067215A (ja) 1973-10-20 1975-06-05
JPS60224764A (ja) * 1984-04-24 1985-11-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 高温用n含有オ−ステナイトステンレス鋼
JPH0694583B2 (ja) * 1984-10-03 1994-11-24 株式会社東芝 耐熱オーステナイト鋳鋼
JPH06158234A (ja) * 1992-11-27 1994-06-07 Nippon Steel Corp 加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
JPH06184631A (ja) * 1992-12-18 1994-07-05 Nippon Steel Corp 耐硝酸オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法
JPH07138708A (ja) * 1993-11-18 1995-05-30 Sumitomo Metal Ind Ltd 高温強度と熱間加工性の良好なオーステナイト鋼
JP3578866B2 (ja) * 1996-03-29 2004-10-20 日新製鋼株式会社 B含有オーステナイト系ステンレス鋼の溶接方法
JPH09279313A (ja) * 1996-04-15 1997-10-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 都市ゴミ焼却設備排ガス系用ステンレス鋼
JP3409965B2 (ja) * 1996-05-22 2003-05-26 川崎製鉄株式会社 深絞り性に優れるオーステナイト系ステンレス熱延鋼板およびその製造方法
JP3296723B2 (ja) * 1996-07-23 2002-07-02 川崎製鉄株式会社 深絞り性に優れるオーステナイト系ステンレス熱延鋼板およびその製造方法
JPH11256283A (ja) * 1998-03-13 1999-09-21 Sumitomo Metal Ind Ltd 熱間加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
JP2002173742A (ja) * 2000-12-04 2002-06-21 Nisshin Steel Co Ltd 形状平坦度に優れた高強度オーステナイト系ステンレス鋼帯およびその製造方法
JP3632672B2 (ja) * 2002-03-08 2005-03-23 住友金属工業株式会社 耐水蒸気酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼管およびその製造方法
JP4539559B2 (ja) * 2003-06-10 2010-09-08 住友金属工業株式会社 水素ガス用オーステナイトステンレス鋼とその製造方法
JP2005023353A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 高温水環境用オーステナイトステンレス鋼
JP4062190B2 (ja) * 2003-06-30 2008-03-19 住友金属工業株式会社 原子力用オーステナイト系ステンレス鋼管
EP1637785B9 (en) * 2004-09-15 2011-01-05 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Steel tube excellent in exfoliation resistance of scale on inner surface
WO2006106944A1 (ja) * 2005-04-04 2006-10-12 Sumitomo Metal Industries, Ltd. オーステナイト系ステンレス鋼

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104480408A (zh) * 2014-12-10 2015-04-01 无锡鑫常钢管有限责任公司 一种0Cr18Ni9小直径无缝毛细不锈钢管及生产工艺
CN104480408B (zh) * 2014-12-10 2016-08-31 无锡鑫常钢管有限责任公司 一种0Cr18Ni9小直径无缝毛细不锈钢管及生产工艺
CN107267728A (zh) * 2017-06-09 2017-10-20 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种冷拔用热轧钢带及其生产方法
CN107267728B (zh) * 2017-06-09 2019-04-12 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种冷拔用热轧钢带及其生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
DK2199420T3 (da) 2013-06-10
CN104611624B (zh) 2018-04-03
CA2698562A1 (en) 2009-04-09
EP2199420A4 (en) 2011-12-21
WO2009044802A1 (ja) 2009-04-09
KR20100060026A (ko) 2010-06-04
KR20120137520A (ko) 2012-12-21
US20100054983A1 (en) 2010-03-04
KR101256268B1 (ko) 2013-04-19
PL2199420T3 (pl) 2013-10-31
CN102317489A (zh) 2012-01-11
EP2199420B1 (en) 2013-05-22
CA2698562C (en) 2013-08-06
CN104611624A (zh) 2015-05-13
ES2420839T3 (es) 2013-08-27
JPWO2009044802A1 (ja) 2011-02-10
EP2199420A1 (en) 2010-06-23
US8133431B2 (en) 2012-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4258679B1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP4258678B1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP6969666B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼溶接継手
JP4946758B2 (ja) 長期使用後の加工性に優れた高温用オーステナイト系ステンレス鋼
JP4697357B1 (ja) オーステナイト系耐熱合金
US10233523B2 (en) Carburization resistant metal material
JP4803174B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
WO2018151222A1 (ja) Ni基耐熱合金およびその製造方法
US20100034690A1 (en) Carburization resistant metal material
JP2004323937A (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
WO2006109664A1 (ja) フェライト系耐熱鋼
JP4816642B2 (ja) 低合金鋼
US11866814B2 (en) Austenitic stainless steel
US8865060B2 (en) Austenitic stainless steel
JP5329632B2 (ja) 二相ステンレス鋼、二相ステンレス鋼鋳片、および、二相ステンレス鋼鋼材
JP7372537B2 (ja) オーステナイト系耐熱鋼
JP6795038B2 (ja) オーステナイト系耐熱合金およびそれを用いた溶接継手
JP2020164919A (ja) オーステナイト系耐熱鋼
JP7464817B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP2021195602A (ja) 低合金耐熱鋼

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090127

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4258679

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250