JP4209676B2 - アルミニウム合金製品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
(本発明の技術分野)
本発明はアルミニウム合金に関する。特に、アルミニウム協会(Aluminum Association)により制定された7000シリーズ(あるいは7xxx)アルミニウム(「Al」と称する)合金に関する。さらに特に、本発明は、比較的厚みのある(例えば、2ないし12インチ)ゲージを持つAl合金に関する。圧延製品が典型的に作られる中、本発明は、押出し加工もしくは鋳造型を持った製品への利用も見出した。本発明の手法を通じて、このような厚みを持つ切断面の出発材料/製品からできた部品は、優れた強度−靱性特性を持ち、厚みのあるゲージ部品や厚みのある材料から成型加工されたより薄い部分部品として様々な航空適用構造部品に適した組み合わせ部品を作りだす。侵食耐性特性、特に、応力腐蝕割れ(stress corrosion cracking; SCC)に対する耐性の面で、有益な向上は本発明により与えられた。この合金により作られた構造部品の代表的なものには、一体スパー部材、及び厚み鋳造部材を成型加工された、圧延プレートを含む部品などが含まれる。このようなスパー部材は、高性能航空機のウィングボックスに使うことができる。本発明は、特に、主要着陸装置ビームのような、高強度の航空用押出し加工及び鋳造部品の製造に適している。このような航空機には、民間航空機、貨物便(終夜郵便サービス業者により使われる)、及び軍用航空機が含まれる。本発明の合金は、ターボプロップ航空機に限定しないその他の航空機への利用にも適している。加えて、鋳造厚みプレートのような非航空機部品も本発明により作られるかもしれない。
【0002】
新型のジェット航空機のサイズが大きくなり、より重い荷重を収納し、及び/又は、パフォーマンスや経済性を向上させるため、より長い飛行範囲を得るべく現在のジェット旅客機が成長するにつれ、例えば、機体、翼部、及びスパー部品のような構造部品の重量抑制への要望は増え続ける。航空工学は、合理的な重量抑制として、より高い強度や厚み軽減を可能にした金属部品を明確にすることで、この要求に対峙している。強度に加えて、材料の耐久性やダメージに対する耐性は、航空機の欠陥安全構造デザインに決定的である。このような航空機適用における多角的な材料属性は、結局、定期点検擬術を伴う欠陥安全デザインの主題と組み合わされて、昨今の衝撃耐性デザインへとつながる。
【0003】
伝統的な航空機用翼部構造は、一般的に、図1に説明されている番号2によるデザインされたウィングボックスで構成する。これは、主翼部分として、機体から外側に伸び、一般的に図1にある航空機を鉛直方向へと導く。ウィングボックス2は、上部及び下部翼外板で構成し、この外板の間から伸びるか、あるいは、橋渡ししている垂直構造部材及びスパー12又は20により区切られている。ウィングボックスは、一般に、一つのスパーから他のスパーに伸びるリブも含む。翼外板及びスパーが前記図1の航空機を鉛直上方へと導くが、これらリブは、図1にある航空機に平行に横たわっている。飛行中、旅客機翼の上部翼部構造は、圧縮的に荷重され、この荷重を、許容破壊靱性属性を伴う高圧縮強度と呼ばれる。昨今の最も大きな上部翼外板は、7xxxシリーズのアルミニウム合金、例えば、7150(米国再発行特許発明第34,088号)、又は7055アルミニウム(米国特許第5,221,377号)、で作られている。この同じ航空機の下部翼構造は、飛行中張力を受けるので、上部翼部の対応物に比べてより高い衝撃耐性が必要である。より高い強度を持つ合金を使って、重量的な高価を最大限にすべく下部翼のデザインの望むにもかかわらず、これら合金の衝撃耐性特性は、期待よりもしばしば劣る。このように、旅客機製造業者は、昨今、より衝撃耐性の高い2xxxシリーズの合金、例えば、2024や2324アルミニウム(米国特許第4,294,625号)、を下部翼への適用をすると、両者の2xxx合金は、7xxxシリーズ対応物である上部翼よりも低い強度を持つことを明らかにしている。終始使用されているこの合金部材及び添加物は、アルミニウム協会によるよく知られた基準に合致している。
【0004】
図1にある、上部及び下部翼外板4及び6は、それぞれ、典型的に長軸方向に伸びる縦部材8及び10により強固にされる。このような縦部材は、その切断面の形状から、「J」、「I」、「L」、「T」、「Z」などの様々な形状をとる。これら縦部材は、典型的に、図1に示す翼外板内表面にリベットによって取り付けられる。上述の相対的な強度や衝撃耐性に関する点から、上部翼縦部材8並びに上部スパーキャップ14及び22は、現在、7xxxシリーズ合金で製造され、下部翼縦部材10ならびに下部スパーキャップ16及び24は、2xxxシリーズ合金で製造されている。垂直スパーウェブ部材18及び26は、また、7xxx合金で作られ、スパー12及び20により翼部の長軸方向に伸びる一方で、上部及び下部スパーキャップに取り付けられる。この伝統的なスパーに対するデザインは、「ビルドアップ」スパーとして知られ、上部スパーキャップ14又は22、ウェブ18又は20、及び、下部スパーキャップ16又は24で構成され、(示していないが)締め具も伴っている。明らかに、このスパーの結合部におけるこの締め具及び締め穴は、構造上弱い部分である。18や20のようなビルドアップスパーの構造上の強度を確かなものにするため、ウェブ及び/又はスパーキャップなどの多くの部品の厚みを増す必要があり、それにより、全体の構造の重量を加えることになってしまう。
【0005】
上述した重量的な足かせを克服するための一つの可能なデザイン手法は、上部スパー、ウェブ及び下部スパーを、厚みのある簡単な部材、例えば、鋼板やアルミニウム合金製品、典型的には構造を複雑にしている本質的な金属の量を取り除くこと、より薄い部材又は形状例えばスパー、により成型加工することにより作ることである。時折、この成型加工制御は、その鋼板製品部分に由来して「ホッギングアウト」として知られている。このようなデザインは、ウェブから上部スパー及びウェブから下部スパー接合部を作る必要を消失させる。このような一片のスパーは、「一体スパー」として知られ、押出し加工や鋳造により分厚い鋼板から作ることができる。一体スパーは、これら組み立てられた対応物に比較して重量的に軽いだけでなく;締め具の必要性がないことから、製作や組立にかかるコストを減らす必要がある。一体スパーを作るための理想的な合金は、下部翼合金の持つ破壊靱性/衝撃耐性要求と相まって、上部翼合金の強度特性を持たなければならない。航空機用の市販合金の存在は、前述した適当な要求性の組み合わせを満たさない。下部翼外板合金、例えば2024-T351、の低い強度は、この部材の厚みが有意に増加しなければ、上部翼の高い荷重からくる荷重送達が安全に実行できないだろう。言い換えれば、翼構造全体の望まない重量を負荷することになる。反対に、上部翼を2xxxシリーズ合金によりデザインすると、強度許容度は、全体の重量足かせを招く。
【0006】
大型航空機は、非常に大きな翼を必要とする。このような翼の一体スパーを製作することは、6ないし8インチよりも厚い製品を必要とするだろう。合金7050-T74は、しばしばこの厚み部材に用いられる。6インチ厚の工業規格は、米国航空宇宙材料仕様書(Aerospace Material Specification;AMS)におけるAMS 4050Fとして、最小降伏強さが長軸方向に対し60 ksiであり、平面ひずみ破壊靱性Klc(L-T)が24 ksi√inであると規定している。同様の合金に対して、粘度及び厚みは、逆方向(LT及びT-L)では、60 ksi及び22 ksi√inとそれぞれ規定している。脾角として、より最近開発された上部翼合金、7055-T7751アルミニウムでは、およそ0.375ないし1.5インチ厚でMIL-HDBK-5Hによる最小降伏強さは86 ksiである。もし、7050-T74の一体スパーが60 ksiなる最小降伏強さを持つ前述の7055合金を使用したとすると、上部翼外板に対する全体の強度許容度は最大重量効果における全体の利点を受容することができないだろう。ゆえに、より高い強度、充分な破壊靱性を持つアルミニウム合金の厚みは、新しい航空機デザインにおけるデザインには、一体スパー形状の製造に必要である。これは、厚み部品における高い強度と靱性さを持つアルミニウム材料の利点の一例であり、翼リブ、ウェブ又は縦部材、翼平板及び外板、機体フレーム、フロアビーム及び隔壁、着陸装置ビーム及び航空機構造部材の様々な組み合わせ部材などの近代の航空機の多くのその他の存在物である。
【0007】
異なる高温時効処理に由来する様々なテンパーは、強度や腐蝕耐性や破壊靱性を含むその他の特性の異なるレベルを与えるものとして知られている。7xxxシリーズ合金は、このような高温時効処理状態において「ピーク」強度(「T6型」)として又は「オーバーエイジド」(「T7型」)テンパーとして最もよく作られ、売られている。米国特許第4,863,528号、米国特許第4,832,758号、米国特許第4,477,292号、及び米国特許第5,108,520号は、それぞれ、一定の強度及びパフォーマンス特性を持つ7xxxシリーズ合金テンパーについて述べている。これら特許の内用は、すべてここに参照例として組み入れている。
【0008】
当業者によく知られているのは、7xxxシリーズ鋳造合金において、ピーク強度又はT6型テンパーは、最も高い強度値を供するが、組み合わせることにより、低い破壊靱性及び腐蝕耐性を与えることである。このような同様の合金において、よく知られているのは、オーバーエイジド焼戻し、例えば典型的なT73型テンパー、は、最も高い破壊靱性及び腐蝕耐性を与えるが、有意に低い強度値をも与えるということである。与えた航空部品の製作において、一部のデザイナーは、特定の適用に適合した前述の極端な二つの中から適当なテンパーを選ばなければならない。「T-XX」添え字を含むテンパーに関するより完全な記述は、本技術分野に既知の“Aluminum Standards and Data 2000(アルミニウム協会)”に見出すことができる。
【0009】
多くの航空部品合金製造工程は、強度や他の特性を与えるため、焼入れングやそれに続く高温時効処理工程に続き、溶液熱処理(solution heat treatment;若しくは“SHT”)を必要とする。しかしながら、厚部材における特性の向上を模索することは二つの自然現象に直面する。第一に、厚部材の形状として、これら製品の内部交叉部分において頸肩する焼入れ率は、自然に減少する。言い返せば、厚部材の形状において、強度及び破壊靱性、特に層厚を横切る内部領域において、の損失をもたらす。当業者は、この現象を「焼入れ感受性(quench sensitivity)」と称する。第二に、これもよく知られるが、組成部材としてより強い強度荷重に関してデザインされるため、強度と破壊靱性との反比例関係は、強度を減少させる。
【0010】
本発明をよりよく理解するために、本技術において市販の航空部品7xxxシリーズ合金について確実に示された傾向は、考慮するに値する。アルミニウム合金7050は、例えば、グレイン構造調節における分散質としてCrに代わってジルコニウムを置換し、初期の7075合金よりも多い銅及び亜鉛含量を持つ。合金7050は、先行の7075合金よりも焼入れ感受性において有意な向上を与え、それにより鋼板、押出し加工及び/又は鋳造形状をもつ航空機適用の厚部材における主要ヨウ素として、7050アルミニウムは樹立された。いまだに高い強度−靱性要求を持つ上部翼適用において、705アルミニウムにおけるマグネシウム及び亜鉛に対する組成的最小化は、7050の変形型であるアルミニウム協会登録の7150合金を製造するために、若干向上された。先行の7050に比べて、7150における亜鉛の最小含量は、5.7ないし5.9重量百分率であり、マグネシウムの最小レベルは、1.9ないし2.0重量百分率である。
【0011】
実際、最新の上部翼外板合金が開発された。7055合金は、圧縮降伏強さにおいて、7050や7150合金と比較して、より高い亜鉛含量範囲つまり7.6ないし8.4重量百分率を、同様に銅レベルにおいても、及び、若干低いマグネシウム含量範囲(1.8ないし2.3重量百分率)を供することにより、10%の向上を示した。
【0012】
従来のより高い強度のための努力(組成物及び組成比の最適化を増加させることにより)は、その他の特性の中で強度及び疲れ寿命の向上を得るために、金属の純度の上昇、及び、熱機械的工程を通じた微小構造調節を伴い、オフセットされなければならなかった。米国特許第5,865,911号は、7xxxシリーズ合金鋼板に対する等量的な強度において、強度の有意な向上を報告している。しかしながら、この合金における焼入れ感受性は、厚部材において、他の認知できる不利な点を生じると確信する。
【0013】
アルミニウム協会に登録されている合金7040は、次なる組成範囲を要求している:5.7ないし6.7重量百分率亜鉛;1.7ないし2.4重量百分率マグネシウム、及び、1.5ないし2.3重量百分率銅。関連する文献、”High Strength 7XXX Alloys For Ultra-Thick Aerospace Place: Optimization of Alloy Composition”(Shahaniら著、Proc. IカルシウムA 6, vol. 2, pp105-1110(1998))及び米国特許第6,027,582号、は、7040開発者は、焼入れ感受性を最小限に抑えるための過剰な添加物を避ける一方で、強度及びその他の特性を向上させるための合金化要素の間での最適化バランスを追求したと述べている。合金7040の厚ゲージは、7050合金に対していくつかの特性の向上を要求する一方、これらの向上は、航空部品のデザイナーの要求物にはいまだ及んでいない。
【0014】
本発明は、航空機適用における市販ベースにおいて供給された最近の合金とは異なるいくつかの方法を持っている。現在市販されている7XXX航空機用合金のいくつかの主要合金化要素を、アルミニウム協会のリストに基づいて、示した:
【0015】
【表1】
Figure 0004209676
7075、7050、7010、及び7040アルミニウムは厚、薄(2インチ以下)ゲージにて航空業界に提供されている;その他(7150及び7055)は一般的に薄ゲージで供されている。これら市販合金と比較して、本発明による参照合金は、6.9ないし8.5重量百分率亜鉛、1.2ないし1.7重量百分率マグネシウム、1.3ないし2重量百分率銅、0.05ないし0.15重量百分率ジルコニウム、平衡物としてアルミニウム、付随要素、及び不純物を含んでいる。
【0016】
本発明は、有意に高い強度と破壊靱性を供するため、厚ゲージにおける、焼入れ感受性の有意な減少を呈する7XXXシリーズアルミニウム合金を用い、先行技術の問題を解決する。本発明における合金は、上述の市販7XXX合金に比較して、低い含量の銅(銅)及びマグネシウム(マグネシウム)と合わせて比較的高い亜鉛(亜鉛)含量を持つ。本発明のために、組み合わされた銅及びマグネシウムは、通常、約3.5%以下であり、好ましくは、約3.3%以下である。上述の組成は、以下に述べる参照された3−ステージの時効処理手法概略にのっとって適用される場合、生ずる厚鋳造物(鋼板、押出し加工物、又は鋳造物)は、高い所望の強度、破壊靱性、及び、金属疲労を示し、特に、大気条件に適用されるシーコースト型テスト条件に適用されるときに、より優れた応力腐蝕割れ耐性を示す。
【0017】
先行技術において、3ステップ又は3ステージにおける7XXXアルミニウム合金の時効処理例が知られている。代表的なものとして、米国特許第3,856,584号、第4,477,292号、第4,832,758号、第4,863,528号、及び、第5,108,520号がある。前述の第一ステップ/ステージは、典型的に、250°Fで行われる。本発明における合金組成物に対する好ましいこの第一ステップは150ないし275°Fであり、より好ましくは、200ないし275°Fであり、さらに好ましいのは、225又は230ないし250又は260°Fである。第一ステップ又はステージは、二つの温度、例えば、225°Fで4時間、及び、250°Fで6時間、を含み、両者はただ、「第一ステージ」と数えられ、第二ステージ(約300°F)は以下に述べる。本発明における第一時効処理ステップは、約250°Fで少なくとも2時間制御し、好ましくは、約6ないし12時間であり、時には、18時間以下であることもある。しかしながら、短い持続時間は、寸法(例えば厚み)及び形状の複雑性に依存し、装置の上昇温度(例えば、相対的にゆっくりした温度上昇率)が、これら合金に対する温度における短い持続時間と組み合わされて適用されるかもしれない温度と共に、充分である。
【0018】
いくつかの先行技術における参照された第二ステップは、通常、3ステップ高温時効処理手法が約350又は360°Fよりも高い温度で行ない、続いて、第一ステップと同様、つまり約250°Fにて第三ステップ時効処理が行われる。対比して、本発明における参照された第二時効処理ステージは、約40ないし50°F以下低い温度という有意に低い温度で行う点で異なる。ここに規定した7XXX合金組成物に置ける3ステップ塾生方法の好ましい具体例は、3ステージ又はステップのうち第二番目は、約290又は300ないし330又は335°Fで行わなければならない。さらに特定すると、この第二時効処理ステップ又はステージは、330ないし325°Fの間で行われなければならなく、さらに好ましくは、310ないし320又は325°Fである。この第二ステップ工程における好ましい曝露時間は、適用温度に反比例的に依存する。例えば、もし、310°Fかそれに非常に近い温度で本質的に制御したならば、全体の曝露時間は、約6ないし18時間で充分である。さらに好ましいのは、第二ステージ時効処理は、制御温度において、約8又は10ないし15時間行わなければならない。約320°Fにおいては、全体の第二ステップ曝露時間は、約6ないし10時間程度であり、好ましくは、約7又は8ないし10又は11時間である。第二ステップ時効処理の時間又は温度選択の面において、好ましいターゲット特性もある。最も記すべきは、与えられた温度において短い時間処理を行うと、長い曝露時間は、より良い腐蝕耐性が得られる反面、より高い強度値が得られるということである。
【0019】
前述の第二ステージ時効処理の後、より低い温度での第三時効処理ステージが続く。もし、より高い温度(第二ステージのような)で長時間の曝露を避けるために、第二ステップの温度及び曝露時間に非常に近接した調節を行うために極度の養生が適用されないならば、より厚部材に対する第三ステップを行うための第二ステップからは徐々に冷却するべきではないことが好ましい。第二及び第三時効処理ステップとの間で、本発明の金属製品は、加熱炉より意図的に取り除かれ、250°F又はそれ以下にまで、おそらく室温にまで、ファンやそれに類似したもので急速に冷却される。いかなる事象においても、本発明における第三時効処理ステップに対する好ましい時間/温度曝露は、上述した第一ステップに近い条件、約150ないし275°Fと近接しており、好ましくは、約200ないし275°F、より好ましくは、225又は230ないし250又は260°Fである。上述の方法が特定の特性、特にSCC耐性、を向上させる一方、新しい7XXX合金ファミリーに対し理解されるべきは、特性向上に対する同様の組み合わせは、7X50合金(7050又は7150アルミニウム)、7010及び7040アルミニウムを含む他の7XXX合金における同様の3ステップ時効処理方法を実行されることで知らされるかもしれない、ということである。
【0020】
より最新でかつより大きな航空機にとって、製造者が強く望むのは、7050、7010及び/又は7040アルミニウムなどの現行合金によりルーチンに得る事ができるこれらよりも高い約10ないし15という圧縮降伏強さを持つアルミニウム合金製品であるところの厚部材である。この要求にこたえて、本発明における7XXX型合金は、驚くことに破壊靱性特性を持つ一方、上述の降伏強さの到達点を目の当たりにする。加えて、この合金は、上述に特定した3ステージの高温時効処理手法により時効処理された場合、優れた応力腐蝕割れ耐性を示した。この合金により作られた6インチ厚の鋼板の例は、実験室スケールにおける3.5%の塩溶液を用いた浸透応力腐蝕割れテストに合格した。このテストに従うと、厚金属例は、現在主要な航空機製造者が規定した条件、つまり、T76焼戻し条件に合うべく短い逆方向(又は「ST」)において負荷された25 ksiの加圧下、少なくとも30日間、ヒビ割れを生ずることなく存続しなければならない。これら厚金属例は、その他の静電及び動力特性目標にも合致した。
【0021】
初期の、33ないし45 ksiというより高い負荷レベルにおける代替的な浸透SCCテスト(AI SCC)という実験室レベルでの流れに遭遇する一方、2ステップ焼戻し手法にて知られる本発明による高温時効処理された厚合金例は、25 ksi負荷レベルにおいてなされたシーコーストSCCテスト条件が曝露された場合、いくつかの予期せぬ腐蝕に関連した欠陥を示した。驚かされたのは、実験室レベルで加速されたAI SCCテストは、従前と、シーコースト及び工業レベル両者において、大気圧下でのテストに関連したことである。このような工業的なテストにおいては、本発明の例は、22及び35 ksi負荷レベルで11ヶ月の間なシーコースト曝露した後の本発明に対する前述した3ステージの時効処理が不合格しなかった場合、その品質が損なわれる。航空機製造業者による次世代の飛行機特性によって要求されていない大気圧でのSCC特性を通してでさえ、航空機ウィングボックスのスパーやリブのような決定的な航空機適用にとって重要であると考えられている。このように、2ステージにより時効処理された製品で充分であるかもしれない一方で、本発明の手法は、既述した3ステージによる高温時効処理をより好む。
【0022】
いくつかの7XXX合金のSCC耐性の向上を目的とした既知の「固定」は、強度の減弱と引き換えに、材料を過時効処理してきた。この種の強度引き換えは、一体翼スパーにとって望ましくない。というのも、成型加工された厚部材は、高い圧縮降伏強さに遭遇しなければならないからである。このように、7XXXアルミニウム合金に対し高い腐蝕耐性を向上させる一方で過度に強度特性を満たさない高温時効処理手法を開発するための明確な要求がある。特に望まれるのは、これら合金に対し、強度又は/及びその他の特性に妥協することのないより良いレベルにするシーコーストSCC特性を上げる時効処理方法を開発することである。上述した本発明の3ステージ時効処理方法はこの要求を満たす。
【0023】
本発明の重要な一面は、厚ゲージにおける焼入れ感受性が有意に減弱された性質を示す新しく開発されたアルミニウム合金に焦点を合わせる。この焼入れ感受性は、例えば、約2インチよりも大きく、さらに好ましいのは、約4ないし8インチ又はそれ以下である。この合金の広い組成的内訳は、亜鉛で、約6%ないし9、9.5、又は10重量百分率;マグネシウムで、約1.2又は1.3ないし1.68、1.7又は1.9重量百分率;銅で、約1.2、1.3又は1.4ないし1.9又は2.2重量百分率;マグネシウムの重量百分率よりも銅の重量百分率が大きく、その幅は最大0.3%; 0.3又は0.4重量百分率以下のジルコニウム、0.4重量百分率以下のSc、及び、0.3重量百分率以下のハフニウムなるグループより一つ以下現に選ばれた要素;平衡物が本質アルミニウム、及び付随要素、及び不純物で構成される。「現に」のような、他に記述する場合を除いて、「以下」という表現は、要素的組成は付加的であり、特定の含量的な組成物がゼロである場合も含むような参照する要素の量を意味する場合である他に記述しない場合は、すべての含量的な%は、重量百分率である。
【0024】
ここに使用する場合、「本質的にフリー」という言葉が意味するのは、合金化要素の意図的付加は組成物に対し作られないことであり、かつ、不純物及び/又は製造装置の接触に由来する浸出物により、このような要素の微量成分が、最終的な合金製品に見出されるかもしれないということである。しかしながら、理解されなければならないのは、本発明の狙いは、このような要素のまれな添加を通して、あるいは、所望され達成された特性の組み合わせに対して他に影響を与えないであろう量の要素をさけられるべきではないし、避けられないということである。
【0025】
値の数値的な範囲を参照する場合、このような範囲は、それぞれ及びすべての番号及び/又は表記した最小及び最大範囲との間の画分を含むと理解される。例えば、約6ないし10重量百分率なる範囲は、表現的に、約6.1、6.2、6.3及び6.3%なるすべての中間値を含み、9.5、9.7、9.9%亜鉛を含む上限値までの全ての値をも含む。同じ事をそれぞれの数値的な特性に適用する、つまり、熱処理手法(例えば温度)及び/又は要素的な範囲などである。最大は、要素に対する表記された値アまでの全ての値を参照する。つまり、時間、及び/又はその他の特性的な値、例えば、0.04重量百分率のCrの最大値などであり、及び、最小値に関しては、「最小」は、表記した最小値に対して全ての値を参照する。
【0026】
単語「付随要素」は、Ri、B、及びその他の相対的に小さな含量を含むことができる。例えば、ホウ素又は炭素を含むチタンは、結晶粒度調節のための鋳造目的物として機能する。本発明は、約0.06重量百分率以下のチタン又は約0.01ないし0.06重量百分率のチタン、及び、付加的に、約0.001又は0.03重量百分率のカルシウム、約0.03重量百分率のストロンチウム、及び/又は約0.002重量百分率のBeを付随要素として適合するかもしれない。合金が、減弱された焼入れ感受性及び向上された特性の組み合わせを含む、所望の特性を保持するために、本発明の狙いから離れることなく、付随要素はまた、有意な量として表現できるし、それら独自に所望又はその他の特性を付加することができる。
【0027】
この合金はさらに、ごく少量の及びより少量の好ましい基礎に対して、その他の要素を含むことができる。クロムは、例えば、約0.1重量百分率以下を保つべく、好ましくは避けられる。それにもかかわらず、ごく少量のCrが可能なのは、本発明の合金における一つ以下の特定の適用されたいくつかの値に貢献するかもしれないということである。現に、参照例では、クロムを約0.05重量百分率以下に保っている。マンガンもまた意図的に約0.2又は0.3総重量百分率よりも低く保たれているし、好ましくは、約0.05又は0.1重量百分率を超えないことである。意図的にマンガンの添加が積極的な貢献を生み出すかもしれない、本発明の合金に対する特定の適用が一つ以下ある。
【0028】
合金に対し、金属溶融ステージにおける脱酸化要素として、ごく微量のカルシウムがここに組み込まれるかもしれない。約0.0.3重量百分率以下のカルシウム添加、又は、さらに好ましくは、約0.001ないし0.008重量百分率(又は10ないし80ppm)のカルシウム、は、上述の組成からできたより大きなインゴット鋳造物を予期せぬヒビ割れから回避する補助をする。ヒビ割れが決定的でない場合、鋳造部品及び/又は押出し加工物のための円型ビレットとして、カルシウムはこれに付加する必要はなく、又は少量を付加されるかもしれない。ストロンチウムは、上述の同じ目的で、単独で、又は、カルシウムに付加する形で使用されるかもしれない。伝統的に、ベリリウム付加は、酸化防止剤/インゴットヒビ割れ抑止剤として機能してきた。環境的、健康的安全性の理由を通じて、本発明におけるより好ましい具体例は、本質的にBe−フリーである。
【0029】
鉄及びシリコン含量は、例えば、約0.04または0.05重量百分率のFe、及び約0.02又は0.03重量百分率の珪素を超えないか、それ以下に、有意に低く保たれなければならない。いかなる出来事においても考えられることは、より好ましい基礎を通じて、これら不純物の若干の高いレベル、つまり約0.08重量百分率のFe、及び、約0.06重量百分率の珪素は、許容されるかもしれないということである。より小さな好ましくは、いまだ許容される範囲であるが、約0.15重量百分率のFeレベル及び約0.12重量百分率よりも高い珪素レベルは本発明の合金において存在するかもしれない。鋳造項番に関する具体例では、より高いレベルの約0.25重量百分率のFe、及び約0.25重量百分率の珪素又はそれ以下が、許容される。
【0030】
7XXXシリーズ技術に知られているように、航空機用合金、鉄は、固体化過程で銅を固定することができる。したがって、「効果的な銅」含量に対するこの開示を通じた周期的な参照があり、この「効果的な銅」含量は、存在する鉄による固定されていない銅含量であって、銅含量は実際に固溶体及び合金化に利用されるものである。したがって、いくつかの例において、本発明に存在している効果的な銅およびマンガンの量について考慮することは利点があり、これに対し、鉄及び/又は珪素含量レベル、並びに、可能性のある銅、マンガン及びその両者による妨害の割合に対するここで測定された実際の銅及び/又はマンガンの範囲を調節(又は増加)する。例えば、約0.04又は0.05重量百分率ないし約0.1重量百分率が許容される好ましい鉄含量の上昇は、実測値、測定可能な銅極小量、及び約0.13重量百分率で規定された最大量を挙げることを利点にすることができる。マグネシウムも同様に、7XXXシリーズ合金の固体化過程において、シリコンがマグネシウムを固定することが知られている。したがって、珪素に結合していないマグネシウムの量を意味する「効果的なマグネシウム」としてこの開示において実際に存在しているマグネシウムの量を参照するという利点がある。そして、7XXX合金の溶液化に使用される特定の温度又はいくつかの温度における溶液に対し利用可能である。上述した実際に調節された銅含量の範囲のように、約0.02ないし約0.08、若しくは約0.1又は0.12重量百分率の珪素なる好ましく許容可能な最大珪素含量を上昇することは、本発明の合金において実際に存在するマグネシウムの許容可能/測定可能量を上述と同様に調節することを可能にし、それはおそらく、約0.1ないし0.15重量百分率のオーダーである。
【0031】
本発明における狭義に提示された組成が含むのは、亜鉛では、約6.4又は6.9ないし8.5又は9重量百分率、マグネシウムでは、約1.2又は1.3ないし1.65又は1.68重量百分率、銅では、約1.2又は1.3ないし1.8又は1.85重量百分率、ジルコニウムでは、約0.05ないし0.15重量百分率である。付属的に、後者の組成が含むかもしれないのは、チタンで、約0.03、0.04又は0.06重量百分率以下、スカンジウムで、約0.4重量百分率以下、及びカルシウムで、約0.008重量百分率である。
【0032】
さらに狭義に限定すると、本発明において好ましい組成範囲が含むのは、亜鉛では、約6.9又は7ないし約8.5重量百分率、マグネシウムでは、約1.3又は1.4ないし約1.6又は1.7重量百分率、銅では、約1.4ないし約1.9、及び、ジルコニウムでは、約0.08ないし0.15又は0.16重量百分率である。マグネシウムの%は、(銅の%に0.3を加えた値)を超えず、好ましくは、(銅の%に0.2を加えた値)を超えず、より良くは、(銅の%に0.1を加えた値)以内である。上述した好ましい具体例において、鉄及び珪素含量は、むしろ低く保たれ、それぞれ、約0.04又は0.05重量百分率以下である。好ましい組成が含むのは:亜鉛では、約7ないし8重量百分率、マグネシウムでは、約1.3ないし1.68重量百分率、及び、銅では、約1.4ないし1.8重量百分率であって、より好ましくは、銅の重量百分率は、マグネシウムのそれ以下である。また、本発明において好ましいマグネシウム及び銅の範囲は、組み合わされた場合、銅とマグネシウムの総量が重量百分率で約3.5を超えないか、好ましくは約3.3であることである。
【0033】
本発明における合金は、インゴット体への溶融又はDC鋳造法(direct chill casting)を含む、より多くの又は少ない常套的な手法により調製される。チタン及びボロン、又は、チタンや炭素を含む、常套的な結晶粒微細剤もまた本技術分野に既知のものとして使用されるかもしれない。常套的なスキャルピング(必要ならば)やホモジナイゼーションのあと、これらインゴットは、例えば、鋼板や押出し加工物への熱間圧延、又は、特別な形状部品への鋳造加工により、さらに加工される。一般に、厚部材は、接合部において、2インチよりも大きなオーダーであり、より典型的には、4、6、8、又は12以下のオーダー又はそれ以下である。約4ないし8インチ厚の鋼板の場合、上述の鋼板は、溶液熱処理(solution heat treated; SHT)され、クエンチング(quenched)され、その後、約8%以下、例えば、約1ないし3%に延伸、及び/又は、圧縮されるような、機械的応力除去される。所望の構造的形状は、これら熱処理鋼板部材から成型加工され、より頻繁に一般的には高温時効処理の後、例えば、一体翼スパーのように、部材に対する所望の形状を形成する。SHT、クエンチング、応力除去制御、及び高温時効処理は、押出し加工及び/又は鋳造加工により作られる厚部材の製造の後に行われる。
【0034】
良好な特性の組み合わせは、全ての厚部材に望まれるが、それらが特に有用なのは、常套的に、厚みの増加として、製品の焼入れ感受性を増した場所における厚み範囲においてである。したがって、本発明の合金は特に、2ないし3インチ、若しくは12インチ又はそれより多い値以下の厚みを持つ厚ゲージにおいて利用されることがわかる。
【0035】
(図の説明)
図1は、常套的なスリーピース・ビルドアップ・デザインにおける前部及び後部スパーを含む飛行機に関する典型的なウィングボックスに対する横軸断面図である;
図2は、プラント製作物の中間面近傍における冷却率に関する換算された二つの冷却曲線を示したグラフである。スプレークエンチング下での6および8インチ鋼板に関し、両鋼板の冷却率をシミュレートし、二つの実験的冷却曲線を重ね合わせている;
図3は、合金の長軸方向に関する引張降伏強度(TYS(L))と破壊靱性(KQ(L-t))グラフであって、本発明における合金、並びに、7150及び7055型比較物又はコントロールに対する。すべては、6インチ厚鋼板、押出し加工物、及び鋳造物に関する中間面(又は「T/2」)クエンチ率のシミュレートに基づいている。
【0036】
図4は、図3と同様に、合金の長軸方向に関する引張降伏強度(TYS(L))と破壊靱性(KQ(L-t))グラフであって、本発明における合金、並びに、7150及び7055型コントロールに対する。すべては、8インチ厚鋼板、押出し加工物、及び鋳造物に関する中間面(又は「T/2」)クエンチ率のシミュレートに基づいている。
【0037】
図5は、焼入れ感受性における亜鉛の影響を示したグラフであり、6インチ厚鋼板におけるTYS変化を矢印方向で図示している。
【0038】
図6は、焼入れ感受性における亜鉛の影響を示したグラフであり、8インチ厚鋼板におけるTYS変化を矢印方向で図示している。
【0039】
図7は、フルスケール製造された本発明における6インチ厚鋼板合金の四分割面(quarter plane; T/4)におけるTYS(L)対平面ひずみ破壊靱性(Klc(L-T))値の分布を示したグラフである。文献において報告されている7050及び7040アルミニウムに関する値を比較用として、その外挿された最小値を線(M-M)にて示している。
【0040】
図8は、焼入れ感受性特性の指標として、フルスケール製造物に対して、型鋳造試験(die forging study)を行い、本発明の合金と7050アルミニウムを比較し、そのTYS値に及ぼす部材厚みの影響を示したグラフである。
【0041】
図9は、長軸方向におけるTYS値(ksi)対導電率(EC; %IACSとして)を比較した図である。サンプルには、本発明における合金を従来の2ステップ時効処理及び以下に示す概略の好ましい3ステップ時効処理手法を行った後に得られる6インチ厚鋼板を用いた。3ステップ時効処理サンプルには2ステップ時効処理サンプルを比較すると、同じECレベルを観察しながら、顕著な強度の増加が、又、同じ強度値を観察しながら、顕著なECレベルの増加が見られた。それぞれの場合において、第一時効処理ステップは、225°F、250°F、又はその両方で、それに続く第二時効処理ステップは310°Fで行われた。
【0042】
図10は、様々な短横方向(ST)荷重における一つの好ましい合金組成に対する2ステップ、及び、3ステップ時効処理を行った際のシーコーストSCCテストの結果を図示したグラフである。データは、下記の表9に示している。
【0043】
図11は、様々な短横方向(ST)荷重における二番目の好ましい合金組成に対する2ステップ、及び、3ステップ時効処理を行った際のシーコーストSCCテストの結果を図示したグラフである。データは、下記の表10に示している。
【0044】
図12は、本発明に関する様々な寸法を持つ鋼板に対する、L-T方向に関するオープンホール疲れ寿命(open hole fatigue life)をプロットしたグラフである。異なる方向(T-L)において、95%信頼S/Nバンド(破線)及び現在の外挿された好ましい最小特性(A-Aの実線)が描かれ、一つの航空製造会社が規定した7040/7050-T7451及び7010/7050-T7451鋼板プレートに対する値とを比較している。
【0045】
本発明に関する様々な寸法を持つ鋼板に対する、L-T方向に関するオープンホール疲れ寿命(open hole fatigue life)をプロットしたグラフである。平均値を破線で、現在の外挿された好ましい最小特性(A-Aの実線)が描かれている。
【0046】
図14は、前述した本発明の様々な寸法を持つ鋼板に対する、L-T及びT-L方向に関する疲れヒビ割れ成長(fatigue cracking growth;FCG)率曲線をプロットしたグラフである。現在の外挿されたFCG好適実施例最大値曲線(C-Cの実線)が描かれ、同じ寸法を持つ7040/7050-T7541市販鋼板に対する一つの航空機製造会社が規定したFCG曲線が比較されている。
【0047】
(好適実施例)
航空機用構造部品、及び、非航空機用構造適用に対する押出し加工又は鋳造加工された厚鋼板における重要な機械的特性には、上部翼外板に対する圧縮性、及び、下部翼外板に対する伸長性の両者における、強度を含む。また重要なものは、平面ひずみ及び平面応力の両者、剥れのような腐蝕耐性及び応力腐蝕割れの両者、並びに、スムースとオープンホール疲れ寿命(S/N)などの疲労及び疲れヒビ割れ成長(FCG)耐性の両者などの、破壊靱性である。
【0048】
上述したように、一体型縦部材を伴う一体翼スパー、リブ、ウェブ、及び翼外板パネルは、溶液熱処理、クエンチング、機械的応力除去(必要であれば)、及び高温時効処理された厚外板並びにその他の押し出し加工又は鋳造製品から成型加工することができる。最終構造部材に対する溶液熱処理や急速クエンチングは常に可能ではない。クエンチングに由来する急速冷却は、残留応力を誘発したり、次元的な変形を生じる可能性があるからである。このようなクエンチング誘導性の残留応力は、応力腐蝕割れを生じる可能性もある。そのほかに、急速クエンチングによる次元的な変形は、変形物に実用不可能上困難な標準組立品を与えるための直状部材の追加が必要かもしれない。本発明により製作することのできるその他の代表的な航空部品/製品が含まれるが、限定されたものではない。旅客機用の大型フレームや機体隔壁、より小さな地方型航空機用の上部及び下部翼外板に用いる曲鋼板、様々な航空機用の着陸装置や床ビーム、戦闘機用の隔壁、機体部品及び翼外板などである。加えて、本発明における合金は、現在7050及び7010アルミニウム合金にて製作されている様々な小さな鋳造部品やその他の航空機用の曲構造へ作り変えることができる。
【0049】
薄接合部材におけるより良好な機械的特性の獲得が容易である一方(このような部品の急速な冷却は、合金化要素の無用な沈殿をさけるためである)、急速クエンチングは、過剰な焼入れ変形を生じる可能性がある。このような部品は、高温時効処理された部品に対して行われた後に、残留応力除去手法が、行われる一方、機械的に直状化、及び/又は平板化されるかもしれない。
【0050】
上述したように、アルミニウム合金に対する焼入れ感受性は、大きな関心事である。厚部材に対する溶液熱処理及びクエンチングにおいて、望まれるのは、固溶体において様々な合金化要素を保持するために急速に材料を冷却することである。これはむしろ緩慢な冷却を介して起こるその他のものとしての粗形態においてこれらが溶液外に沈殿してしまうよりも望まれることである。後者は粗沈殿を消磁、結果として機械的な特性の低下をもたらす。例えば、最大点における厚みが2インチ、更に特定すれば、約4ないし8インチ厚みよりもそれ以上のような厚接合部材を持つ製品において、このような加工製品(鋼板、鋳造物、又は押出し加工物)の外部から作用させるクエンチング溶媒は、効率的に、この材料の中央部(又は中間面「T/2」)並びに四分割面(T/4)領域を含む内部から熱を除去することができない。これは、表面からの物理的な距離、及び、距離依存的接触による金属を通じた熱単離という事実によるものである。薄接合部剤において、中間面におけるクエンチング率は、より厚みのある接合部剤よりも元来高い。したがって、少なくとも強度及び靱性という観点に立つと、薄ゲージにおける合金全体の焼入れ感受性は、厚ゲージ部品に比べて、それほど重要ではない。
【0051】
本発明が最初に焦点をおいていることは、例えば約1.5インチよりも大きな厚ゲージにおける7xxxシリーズアルミニウム合金に関する強度−靱性特性を増加することである。本発明合金の低い焼入れ感受性は、極めて重要である。厚ゲージにおいて、焼入れ感受性を低くするにつれ、固溶体における合金化要素を保持する材料としての能力の面で良好になる(SHT温度に由来する緩慢な冷却に対して、粗雑物やその他のものなど、不都合な沈殿形成を回避)。特に、前記加工製品における厚中間面及び四分割面領域に対するより緩慢な冷却の面で、である。本発明は、強度−靱性及び腐蝕体性特性の優れた組み合わせをも達成する一方で、所望の目標、つまり、厚ゲージに対するクエンチングを許容する注意深く調節された合金組成を供することによる低焼入れ感受性、を達成する。
【0052】
本発明を示すために、28%の11-インチ径のインゴットはDC鋳造、破砕され、押出し加工されて、1.25×4インチ幅の方形バーへと加工された。これらバーは、すべて、6及び8インチ厚の加工製品部材の中間面に対するそれと類似する条件と同様の薄部材に対する冷却条件をシミュレートするための異なる割合においてクエンチングされる前に溶液熱処理された。これら方形試験バーは、残留応力除去が約1.5%になるまで冷却延伸された。試験した合金の組成は、下の表2に示した。この中で、亜鉛含量は、約6.0ないし11.0重量百分率を若干超える程度の範囲である。これら同様の試験物に対して、銅及びマグネシウム含量はそれぞれ、約1.5ないし2.3重量百分率とされた。
【0053】
【表2】
Figure 0004209676
異なるクエンチング手法は、フルスケール製造と同じ条件として、1.25インチ厚押出し加工されたバーの中間面において、75°F水でスプレークエンチングを施された6インチ厚鋼板の中間面にシミュレートした冷却率を得るために曝露された。データの第二セットは、同一環境下において、8インチ厚鋼板のそれと一致したシミュレートを含んだ。
【0054】
前述のクエンチングシミュレーションが含むのは、部分表面と同様に、クエンチング溶媒のもつ熱移行特性を改変することであり、押出し加工バーを浸透クエンチングすることにより行われ、3つの既知のクエンチング手法を同時に取り込んだものである。この三手法とは:(i)定義された温水温度でのクエンチング;(ii)二酸化炭素による水に対する飽和;及び(iii)低い表面熱移行性を持つ光沢エッチ加工表面を与えるためのバーに対する化学処理;である。
【0055】
6インチ厚鋼板の冷却条件をシミュレートするために:浸透クエンチング用の水温は、約180°Fで行われ;この水における二酸化炭素の溶解度は、約0.20 LAN(溶解した二酸化炭素濃度の測定値;LANとは二酸化炭素の標準容量を水の容量で除した値である)に保たれた。また、サンプル表面は、標準的な光沢エッチ加工を持つために化学処理が施された。
【0056】
8インチ厚鋼板の冷却条件のシミュレートのため、水温は、190°Fに上げられ、二酸化炭素溶解度は約0.17ないし0.20 LANに調節された。上述の6インチサンプルと同様、この厚鋼板は、標準的な光沢エッチ加工を持つために化学処理が施された。
【0057】
冷却率は、それぞれのバーサンプルの中間面に挿入された熱電対により測定された。基準の参照として、プラントにて製造された6及び8インチ厚鋼板に対しスプレークエンチング下、中間面における冷却率に類似した換算された二つの冷却曲線が、図2のように、プロットされた。これらを重ね合わせると、二つのグループにて表示された。下部グループ(温度スケールにおいて)では、6インチ厚鋼板の中間面に関してシミュレートした冷却曲線が示され;上部では、8インチ厚鋼板の中間面に関してシミュレートした冷却曲線が示された。これらシミュレートされた冷却率は、プラント製造鋼板のそれに対して、約500°F以上での重要な温度範囲において非常に似通っており、決定的ではないが、500°F以下において、実験材料のシミュレートされた冷却曲線は、プラント製造での鋼板のそれと異なっていた。
【0058】
溶液熱処理及びクエンチングの後、許容範囲内の導電率及び剥離腐蝕耐性(EXXCO)を得るための多重的な時効処理時間を使って、高温時効処理挙動が検討された。本発明の合金に対する2ステップ時効処理手法の第一番目は:約250°Fへの緩慢な加熱(約5ないし6時間)、約250°Fで4ないし6時間保持であり、約320°Fで、約4ないし36時間であるところの様々な時間範囲での第二時効処理ステップで構成される。
【0059】
EBのさらに向上した可視的剥離腐蝕耐性率(EA又は吹出し(pitting)のみ)を得るために必要な異なる最小時効処理時間を与えたサンプルについて、引張及びコンパクトテンション(compact tension)平面ひずみ破壊靱性試験データが集められ、36%IACS〔IACS;International Annealed Copper Standard(国際標準軟銅)〕でのあるいはそれ以上における導電率最小値も収集された。後者の値は、本技術分野既知の、時効処理に必要な度合いを示すもの、及び、腐蝕耐性特性促進の指標を供するために使われている。本技術分野既知であるが、すべての引張試験は、ASTM-E8に従い行われ、すべての平面ひずみ破壊靱性試験は、ASTM-E399に従い行われた。
【0060】
図3は、図2に示した合金サンプルを、6インチ厚製品をシミュレートして得られたSHT温度から緩慢にクエンチングした際に得られる強度−靱性結果をプロットしたものを示している。この結果から、一つの組成物のファミリーが際立っており、それはサンプル番号1、6、11、及び18(図3の上部)である。これらサンプル番号を示されたすべては、非常に高い破壊靱性を持ちながら、高い強度特性を持っている。驚くことに、これらサンプル合金組成物のすべては、我々が選択した組成範囲において低い銅濃度及び低いマグネシウム濃度を持つ。つまり、マグネシウム含量で、約1.5重量百分率であって、銅含量で1.5重量百分率であり、一方で亜鉛レベルは、約6.0ないし9.5重量百分率にて様々な値をとっている。これら向上された合金に対する特定の亜鉛濃度は:サンプル番号1においては、6重量百分率、サンプル番号6では7.6重量百分率、サンプル番号11では、8.7重量百分率、及びサンプル番号18では9.4重量百分率であった。
【0061】
同様の手法で加工された(焼戻しを含む)二つの「コントロール」合金、7150アルミニウム(サンプル番号27)及び7055アルミニウム(サンプル番号28)と比較して、前述した合金の特性は、強度及び靱性において顕著に向上した。図3において、破線は、二つのコントロール合金データを結んだもので、高い強度を持ちながら低い靱性特性を持つという「強度−靱性特性傾向」を示している。図3に記載したコントロール合金7150及び7055を結ぶ破線は、本発明合金、サンプル番号1、6、11、及び18に関するデータよりもかなり下部において伸びているかを示している。
【0062】
図3のプロットに含まれるものとして、1.9重量百分率のマグネシウム及び2.0重量百分率の銅を持ちながら様々な亜鉛レベルを持つもの:6.8重量百分率(サンプル番号5)、8.2重量百分率(サンプル番号10)、9.0重量百分率(サンプル番号17)、及び10.2重量百分率(サンプル番号26)を含む合金についての結果がある。このような結果が再び示しているのは、同等の亜鉛レベルを持ちながら1.5重量百分率のマグネシウム及び1.5重量百分率の銅を含む合金と比較して、その靱性が低下していることである。そして、厚ゲージの、高いマグネシウム及び銅合金製品のもつ強度−靱性特性は、7150及び7055コントロール(破線)に比較して、同様か又はわずかに良好である一方で、このような結果が明らかに示す強度及び靱性特性における有意な低下は、マグネシウム及びカルシウム含量が増加する:つまり、(1)本発明の合金の銅及びマグネシウムレベルよりも高い;かつ(2)現在の様々な市販合金のカルシウム/マグネシウムレベルに関する手法;につれ起こっていることである。
【0063】
同様の結果が、上述の図3にて示されたそれよりもより緩慢なクエンチング条件について図4に示されている。この図4の条件は、おおよそ8インチ厚鋼板の中間面冷却条件と類似している。厚鋼板製品を代表するため実行されたより緩慢なクエンチングシミュレーションに関し、図3と同様の結論が、図4において示されたデータで描かれている。
【0064】
このように、既知とは異なり、より高い強度−靱性特性は、現在市販の航空機用合金とは程遠い、少ない銅及びマグネシウムレベルにおいて得られた。付随的に、これら特性が最も最適化された亜鉛レベルは、7050、7010、又は7040アルミニウム鋼板製品で特定されたよりもより高いレベルに一致した。
【0065】
確信するのは、本発明における厚部材で観察される強度及び靱性特性の良好な向上は、合金成分の特定の組み合わせによるものであるということである。例えば、図5にあるTYS強度値は、サンプル番号1、6、11に至るように、亜鉛含量の増加とともに、徐々に増加し、これは、先行技術の「コントロール」よりも優れている。このように、既知とはことなり、もしこの合金が上述したように適正に構築されていないならば、より高い含量の亜鉛溶質は、必然的に焼入れ感受性を増加させない。逆に、本発明においてより高い亜鉛レベルは、実際、厚部材加工製品に対する緩慢なクエンチング条件に対し有用であった。しかしながら、より高い9.4重量百分率なる亜鉛レベルでは、その強度は低下した。したがって、サンプル番号18(亜鉛9.42重量百分率を含む)のTYS強度は、その他のもの、つまり、図5の合金よりもより低い亜鉛レベルを持つ合金、よりも下部に低下する。
【0066】
図6においては、さらに、8インチ厚部材にてシミュレートされたより緩慢なクエンチング条件が示されている。データから分かることは、焼入れ感受性は、総亜鉛含量が7.6重量百分率であるサンプル番号6のそれよりも下部に位置するサンプル番号11に対するTYS強度値により示されているように、8.7重量百分率の亜鉛レベルにおいても増加するということである。焼入れ感受性におけるこの高い溶質効果は、図に示されているTYS強度軸において相対的に位置するコントロール合金7150(サンプル番号27)及び7055(サンプル番号28)により明らかにされている。ここでは、緩慢なクエンチングにおいて(図5)、7055は7150よりも頑強であったが、より緩慢なクエンチングにおいては、相対スケールは逆転された(図6参照)。
【0067】
上述のサンプル番号7に関するパフォーマンスは、記するに値するものである。つまり、サンプル番号7は、表2によると、1.59重量百分率の銅、2.30重量百分率のマグネシウム、及び7.70重量百分率の亜鉛を含んでいる(ゆえに、マグネシウム含量は銅含量を超えている)。図3から、このサンプルは、約73 ksiなる高いTYS強度を示したが、破壊靱性KQ(L-T)は、約23 ksi√inと、相対的に低い値を示した。比較として、7.56重量百分率の亜鉛、1.57重量百分率の銅、及び1.51重量百分率のマグネシウム(マグネシウムよりも銅含量が高い)を含むサンプル番号6は、図3のTYS強度において、75 ksiよりも高い値を示し、また破壊靱性においても、約34 ksi√inとより高い値を示した(靱性において48%の増加)。この比較データが示す重要な点は、(1)マグネシウム含量は約1.68または1.70重量百分率と同等またはより低く保つこと;と同様に、(2)前記マグネシウム含量は、銅含量に0.3重量百分率を加えた値以下に保つこと、であり、より好ましくは、銅含量よりも低く、又は最小値において銅含量を超えないということである。
【0068】
本発明の合金において、最適化及び/又は調節化された破壊靱性(KQ)及び強度(TYS)特性を達成することが望まれる。図3にプロットした破壊靱性及び強度値に退翳した表2に示す組成を比較することにより明らかにされ理解されるように、本発明における組成にあるこれら合金サンプルは、このようなバランスのとれた特性を達成している。特に、サンプル番号1、6、11、及び18は、破壊靱性値(KQ(L-T))において、約34 ksi√inを超えるとともに、TYS値においても、約69 ksiよりも大きい値を保持しているし;あるいは、破壊靱性値(KQ(L-T))において、約29 ksi√inを超えるとともに、TYS値においても、約75 ksiよりも大きい値を持っている。
【0069】
亜鉛の上限含量は、強度及び靱性特定との時制なバランスを達成するために重要になってくる。サンプル番号24(亜鉛11.08重量百分率)、及びサンプル番号22(11.38重量百分率)のように約11.0重量百分率を超えるこれらサンプルは、上述の本発明合金に対し、最小限度の強度及び破壊靱性レベルのセットを達成するのに失敗している。
【0070】
ここに示した好ましい合金組成は、その促進され組み合わされた破壊靱性及び降伏強さ抑制に由来する厚部材を用いた航空機用構造物における高い衝撃耐性を供する。ここに報告した特性値のいくつかの面で一つ示さなければならないのは、KQ値は、ASTM-E399なる現在の評価基準に準拠していない平面ひずみ破壊靱性試験の結果であるということである。KQ値を与える現在の試験において、正確に準拠していない評価基準は:(1)初期には、PMAX/PQ<1.1であり、(2)場合によっては、B(厚み)>2.5(KQ/σYS2で、KQσYS PMAX、及びPQは、ASTM-E399-90で定義されたものである。これらの違いは、本発明にて観察される高い破壊靱性の結果である。平面ひずみ(KIC)の評価結果を得るために、押出し加工バー(1.25インチ厚×4インチ幅)よりもむしろ、厚みのある幅広の試験片が必要とされてきた。評価されたKICは、一般的に、試験片の寸法や幾何学性に比較的依存しない物性と考えられている。一方、KQは、学術的な意味合いにおいて真の物性でないかもしれない。試験片の寸法や幾何学性により変化可能だからである。必要量よりも小さな試験片に由来する典型的なKQ値は、しかしながら、KICの面からみて、保守的である。言い換えれば、報告されている破壊靱性(KQ)値は、ASTM-E399-90の評価基準を満たしながら、一般的にサンプル寸法に関連した際に得られる標準KIC値よりも低い。このKQ値は、1.25インチ厚、2.5ないし3.0インチ幅を持つASTM-E399に準拠したCT試験片(compact tension test specimen)を用い得たものである。これら試験片は、1.2ないし1.5インチのクラック長さA(A/W値は0.45ないし0.5)にプレクラックされ、疲労していた。下述するが、KICに対するASTM-E399の評価基準を満たしたプラント材料に対する試験は、厚みBが2.0インチ、幅Wが4.0インチのCT試験片を使って実施された。この試験片は、1.2ないし1.5インチのクラック長さA(A/W値は0.45ないし0.5)にプレクラックされ、疲労していた。様々な合金組成間での比較データの全ては、同一寸法同一条件下にて得られたデータにより作成された。
【0071】
(例1:プラント試行−鋼板)
プラント試行は、標準的で、次の本発明合金組成を持つフルサイズインゴット鋳造物を使って実施された:7.35重量百分率の亜鉛、1.46重量百分率のマグネシウム、1.64重量百分率の銅、0.04重量百分率の鉄、0.02重量百分率の珪素、及び、0.11重量百分率のジルコニウム。このインゴットは、スキャルピングされ、885ないし890°Fで、24時間、破砕され、6インチ厚鋼板に熱間圧延されている。この熱間圧延された鋼板は、それから、885ないし890°Fにて140分間溶液熱処理され、環境温度にスプレークエンチングされ、約1.5ないし3%の残留応力除去にまで冷却圧延された。この鋼板の一部は、次から構成される2ステップ時効処理手法を適用された:6時間/250°Fでの第一時効処理ステップ、320°Fにて行う第二時効処理ステップで、時間は、6、8、及び11時間行い、それぞれ、表2にT1、T2、及びT3にて示した。引張、破壊靱性、代替的浸透SCC、EXCO、及び導電率試験の結果は、下の表3に示した。図7は、L-T表面ひずみ破壊靱性(KIC)対長軸方向の引張降伏強度の関係の分布図である。両者のサンプルは、鋼板の四分割面(T/4)の位置から採取した。直状の強度−靱性関係傾向(T3-T2-T1の線)は、これらに表現している第二時効処理ステージ時間により得られたデータにて定義し、引いている。好ましい最小特性線(M-M)もまた描かれた。また、図7に含まれているのは、工業規格BMS7-323Cにて製造された6インチ厚7050-T7451鋼板に由来する典型的な特性であり、この値は、AMS D99AA(Preliminary Materials Properties Handbook参考)ドラフト規格に準拠した。なお、両規格は本技術分野において既知である。2ステップ時効処理により得られた鋼板に関する初期的なデータから、本発明の合金組成が明確に示すのは、7050又は7040合金鋼板の両者に比較して、強度−靱性の組み合わせが優れているということである。例えば、7050-T7451鋼板との比較において、本発明版の2ステップ時効処理が達成したのは、等量KIC 35 ksi√inにおいて、TYS値で約11%の増加(72対64 ksi)であった。また、本発明に関するKIC値は、等量TYSレベルにおいて、有意な増加が得られた。例えば、この鋼板製品に関する2ステップ時効処理では、66.3 ksiレベルなる同一のTYS(L)での7040-T7451のそれと比較して、28%のKIC (L-T)靱性が増加(32.3対41 ksi√in)した。
【0072】
【表3】
Figure 0004209676
(例2:プラント試行−鋳造)
本発明合金に関するプラント試行における型鋳造評価は、二つのフルサイズ製造シート/鋼板インゴットを使って行われ、その組成は、以下のCOMP1及びCOMP2にて示した:
COMP1:7.35重量百分率の亜鉛、1.46重量百分率のマグネシウム、1.64重量百分率の銅、0.11重量百分率のジルコニウム、0.038重量百分率の鉄、0.022重量百分率の珪素、0.02重量百分率のチタン
COMP2:7.39重量百分率の亜鉛、1.48重量百分率のマグネシウム、1.91重量百分率の銅、0.11重量百分率のジルコニウム、0.036重量百分率の鉄、0.024重量百分率の珪素、0.02重量百分率のチタン
標準7050インゴットはコントロールとして用いた。前述のインゴットの全ては、885°Fにて24時間破砕され、鋳造のためのビレットに鋸引きされた。近接した型鋳造部品は、評価用として3つの異なる、2、3、及び7インチの厚みにて製造された。これら金属に対して実行される組立ステップは:手動鋳造を利用した二つの前形成制御;ブロッカーダイ制御及び最終仕上げダイ制御であって、35,000トン圧を使った制御;を含む。適用された鋳造温度は、約725ないし750°Fであった。全ての鋳造片は、その後、溶液熱処理され、880ないし890°Fにて6時間クエンチングされ、約1ないし5%の残留応力除去にまで成型された。SCC特性を向上するため、その一部を、次に、T74型時効処理した。時効処理は、225°Fにて8時間、250°Fにて8時間、その後、350°Fにて8時間、にて構成された。長軸方向、長軸、長横軸、及び短横軸方向における引張試験の結果を図8に示した。3方向すべてにおいて、本発明合金に対する引張降伏強度(TYS)値は、2ないし7インチ範囲の厚みにおいて、実質的に保持された。反対に、7050に対するこの特性は、7050合金に対し既知の特性に一貫して、2、3、7インチと厚みが増加するに伴い、TYS値において低下した。したがって、図8の結果が明確に示したのは、低焼入れ感受性における本発明の利点であり、言い換えれば、先行技術の7050合金鋳造物の厚部材で見られる強度特性の低下に比較して、広い厚み範囲に及ぶ強度変化に非感受性を示す本発明合金でできた鋳造物の能力を示したものといえる。
【0073】
本発明は、常套的な7XXXシリーズ合金デザインに対して、高含量のマグネシウムは高い強度を得るために理想的であるという哲学に対し、明確に対抗する。7XXXアルミニウムの薄部材においては真実である可能性がある一方、厚製品に対してはあてはまらない。というのも、より高いマグネシウム含量は、実際上、厚部材に対する焼入れ感受性を増加させ、強度を減少させるからである。
【0074】
本発明の最初の焦点は、実用的に急速なクエンチングを施された厚切断面を持つ製品であったが、当業者は次のことを認識し理解するだろう。つまり、その他の適用において、本発明のもつ低焼入れ感受性が利点を持ち、クエンチング誘導性残留応力を減弱するために、意図的に緩慢なクエンチング率を薄型切断面部材に用いる、ということを理解することである。クエンチング誘導性残留応力は、充分な強度及び靱性を満たすことなく急速クエンチングにより変形の量/度合いをもたらす。
【0075】
本発明合金にて観察される低焼入れ感受性に由来する他の有用な適用は、型鋳造や押出し加工物のような厚及び薄部材を持つ製品に対してである。このような製品は、厚及び薄部材断面領域の間にある降伏強さの相違を避けなればならない。言い換えれば、延伸後のたわみや変形の機会を減弱しなければならない。
【0076】
一般に、7XXXシリーズ合金に対し、ピーク強度に対し進行的に適用されるさらなる高温時効処理として、T6型の鋳造製品(例えば「オーバーエージング」)などの強度は、進行的にかつ体系的に減少することが知られている一方で、その破壊靱性及び腐蝕耐性は進行的かつ体系的に増加する。したがって、昨今の部材デザイナーは、特定の適用に対する強度、破壊靱性、及び腐敗耐性に関する妥協的組み合わせを含んだ特定の焼戻し条件を選択することを学んだ。実際、これは、本発明の合金に対するケースであって、L-T平面ひずみ破壊靱性KIC及びL引張降伏強度の分布図として図7に図示されている。なお、この両者は、6インチ厚鋼板製品の長軸方向における四分割面(T/4)にて測定されたものである。図7が図示するのは、本発明の合金がいかに下記の組み合わせを供するかということである:表3においてT1なる時効処理時間処理した場合、約33 ksi√inなる破壊靱性を持ちながら約75 ksiなる降伏強度を持つ;あるいは、表3においてT2なる時効処理時間処理した場合、約35 ksi√inなる破壊靱性を持ちながら約72 ksiなる降伏強度を持つ;あるいは、表3においてT3なる時効処理時間処理した場合、約40 ksi√inなる破壊靱性を持ちながら約67 ksiなる降伏強度を持つ、という組み合わせである。
【0077】
当業者によってさらに理解されるのは、制限範囲内で、特定の7XXXシリーズ合金に対し、強度−靱性傾向直線が挿入可能で、ある一定に対し、表7にて記載した本発明の三つの例に対し、強度及び破壊靱性の組み合わせに対し外挿可能ということである。多重的な特性の望ましい組み合わせは、適正な高温時効処理の選択により達成される。
【0078】
本発明は、大部分を航空機構造物への適用に関し述べられてきたが、理解すべきは、最終適用は必要的に同様に制限されないということである。逆に、本発明合金及びここに記したその好ましい三つの時効処理手法ステージは、相対的な厚鋳造物、圧延鋼板、押出し加工物、又は、鋳造製品などに対する多くの他の、非航空機関連の最終適用を持つと確信する。特に、SHT温度から緩慢なクエンチング条件における相対的に高い強度を必要とする適用に対してである。このような適用の一つの例は、数多くのその他の製造工程による形状化及び/又は輪郭削り工程を目的とした、様々な形状を持つ成型品へと広く成型加工する必要のある成型鋼板である。このような適用においては、望ましい材料特性は、高い強度と低い機械的変形である。7XXX合金を使った成型鋼板では、溶液熱処理後の緩慢なクエンチングは、その他の機械的変形を生じる可能性のある残留応力を少なくするために必要である。緩慢なクエンチングはまた、より高い焼入れ感受性に起因して、7XXXシリーズ合金に存在する強度の低下やその他の物性をもたらす。本発明合金における非常に低い焼入れ感受性という希少性は、SHTに続く緩慢なクエンチングを許容するし、この合金が、厚成型鋼板として、非航空機用、非構造的適用などの魅力的な選択を行う相対的に高い強度許容を保持している。この特定適用に対し、一貫して、必要なのは、後述する好ましい3ステップ時効処理手法を行うことである。単一ステップでさえ、又は標準的な2ステップでさえ、時効処理手法は十分であるべきである。この成型鋼板には、鋳造鋼板製品が可能である。
【0079】
本発明は、本質的に、先行技術において直面していた問題を克服する。これは、有意に焼入れ感受性の減弱を示す7000シリーズアルミニウム合金製品のファミリーを供することによる。この合金製品は、厚ゲージ航空機用部品及び厚部材製品から成型加工された部品に対し、有意に高い強度及び破壊靱性レベルを供する。ここに述べた時効処理方法は、このような新型合金に腐蝕耐性特性を与える。引張降伏強度(TYS)及び導電性測定(%IACSとして)は、いくつかの新しい7XXX合金組成、及び、本発明において実行した比較としての時効処理工程を受けたサンプルを代表として行われた。前述のEC測定は、実際の腐蝕耐性特性に関連すると確信する。この合金に関し、測定されるEC値が高くなるにつれ、腐蝕耐性も高くなるべきであるからである。図示したように、市販の7050合金は、三つの増加的な腐敗耐性焼戻しを行い製造された:T76(約25 ksi、及び典型的な39.5%IACSなるECにて行う、典型的なSCC最小パフォーマンス、または「保障型」SCC);T74(約35 ksi及び40.5%IACSなるECにて行う、典型的SCC保障型);及びT73(約45 ksi及び41.5%IACSなるECにて行う、典型的SCC保障型);である。
【0080】
航空機、海洋、又はその他の構造物的用において、構造的及び材料的エンジニアにとって、最も脆弱なリンク損失モードをベースにした特定の部材用の材料を選択することは非常に慣習的である。例えば、航空機用の上部翼合金は、大部分が圧縮的な応力を与えられるので、引張応力を含むSCC耐性に対し相対的低い要求性を持つ。このように、上部翼外板合金及びテンパーは、通常、相対的に低い短横軸方向のSCC耐性を持つ反面でより高い強度に対し、選択される。同様の航空機用ウィングボックスの内部では、スパー部材は、引張応力を受ける。構造的エンジニアは、部材の重量的な削減に興味におけるこのような適用のための高い強度を希望するにもかかわらず、最も脆弱なリンクは、このような部材部品における高いSCC耐性に必要である。昨今のスパー部品は、T4のように、より腐蝕に耐性で、低い強度を持つ合金テンパーから、このように伝統的に製造される。同一の強度及び上述したAI SCC試験結果において観察されたEC値の増加に基づくと、本発明における好ましい新型3ステップ時効処理方法は、これら構造的/材料的エンジニア及び航空機部品デザイナーにT74に近い腐蝕耐性レベルを持つ7050/7010/7040-T76製品における強度レベルを供する方法を提供することができる。代替的に、本発明は、有意に高い強度レベルとともに、T76鋳造材料の腐蝕耐性を供することができる。
【0081】
(実例)
新型7XXX合金ファミリーの三つの代表的な組成物は、大型をターゲットにした鋳造品であり、市販スケールのインゴットであって、次なる組成を持つ:
【0082】
【表4】
Figure 0004209676
例えば、6インチ仕上げゲージ鋼板の圧延や溶液熱処理等、成型加工された後のこれら鋳造インゴット材料は、後述する表5にある様々なセットに従い比較時効処理手法を施された。実際、二つの異なる第一ステージは、3ステージ評価において比較され、その一つは、250°Fにおける単一曝露であって、さらに:225°Fにて4時間の第一サブステージ;に続き、250°Fにて6時間の第二サブステージ;なる二つのサブステージに分割されている。この二つのサブステージ処理は、例えば、310°Fでの第二ステージ処理の前段階としてここに第一ステージ処理として参照されている。いかなる出来事においても、特性の認知可能な相違は、これら二つの「タイプ」の第一ステージ間、つまり、250°Fでの単独処理と225及び250°Fにて行う分割処理との間において、観察されなかった。したがって、ここに示したいかなるステージも改変可能であると認識する。
【0083】
【表5】
Figure 0004209676
6インチ厚鋼板のそれぞれの試験片が試験され、2ステップ及び3ステップ時効処理特性の平均値が下記の如く測定された:
【0084】
【表6】
Figure 0004209676
図9は、上記表6に示したデータを用い、引張降伏強度及びEC値を比較したグラフである。有意に記されているのは、上述の3ステップの時効処理を施された合金A、B、及びCに関し、同様の引張降伏強度レベルにおけるそれぞれのEC値が、劇的な増加を示したことである。このデータから分かることは、上述の3ステップ時効処理条件において、310°Fにて行った2ステップ時効処理と比較して、同様のECレベルにおける驚くべき、かつ、有意な強度の増加が観察されたことである。例えば、39.5%IACSにおける合金Aの試験片に2ステップ時効処理を施した際の降伏強度は、72.1 ksiであった。しかし、本発明による3ステップ時効処理を施すと、そのTYS値は75.4 ksiに増加した。
【0085】
ASTM-D-1141に従って代替的浸透によるAI SCC検査が実施された。この検査は、ASTM-G44に必要なより典型的な3.5%塩化ナトリウム溶液よりもより攻撃的な特定の水(合成海洋水(又はSOW)において行われた。表7が示すのは、種々の合金A、B、及びCサンプル(すべてST方向にて)に関する結果であって、2ステップ時効処理を施し、この第二ステップは約320°Fにて種々の時間(6、8、及び11時間)にて構成されるステップにて行った。
【0086】
【表7】
Figure 0004209676
このデータから、初期にST方向にて荷重、時効処理時間、及び/又は、合金の適用を受け、121日間の曝露の後、いくつかのSCCにて損傷を受けた試験片が観察された。
【0087】
合金A及びC(ST方向に対する荷重を適用)におけるSCCに関する比較結果を表8に示した。これら合金は、下記の3ステップからなる時効処理手法の適用を受けた後に、本SCCを行った:(1)250°F、5時間;(2)320°Fにて6、8、又は11時間;及び(3)250°F、24時間。
【0088】
【表8】
Figure 0004209676
極めて顕著であるが、最初の93日の曝露の後、同様の条件で観察したが、どのサンプルにも損傷は見られなかった。したがって、本発明の新しい3ステップ時効処理手法は、常套的な2ステップ時効処理を通して達成可能な特性よりも優れた、稀少な強度/SCC上の利点を供すると確信する一方で、その他の現在の航空機用製造ラインにて、より良い特性的な貢献、及び、さらなる特性向上を与えることを約束している。
【0089】
表7及び表8での測定値比較にて強調されるのは、本発明の合金に対し2ステップ時効処理が適用される可能性がある一方で、ここに述べられたより好ましい3ステップ時効処理手法は実際、かなりのSCC試験特性の向上を補填するということである。表6及び7は、また、SCC特性の「指標」データ、つまり、EC値(%IACSとして)、及び退翳するTYS値(T/4)、を含む。これらデータは、2ステップ及び3ステップ時効処理製品の相対的な値を決めるために、それぞれ、比較されなければならないが、このEC試験は、製品の異なる領域にて測定された。例えば、表7では、表面にて測定した値を用い、対して、表8では、T/10にて測定された値を用いている(知られているのは、EC指標値は、与えられた試験片の表面から内部に進むにつれて、一般的に減少するということである)。このTYS値は、種々の寸法持ち、かつ試験位置としての両者を真の比較として使うことができない(実験室及びプラント)。代わって、図9(下)の相対データは、比較として参考にされなければならない。この比較とは、一般に、本発明合金なる6インチ厚鋼板サンプルに対し、3ステップ時効処理が、長軸方向のTYS値(ksi)及び導電率(%IACS)のそれぞれにおいて、強度及び腐蝕耐性特性を如何に向上させた組み合わせを示すかということである。
【0090】
シーコーストSCC試験データが確認した腐蝕耐性において有意な向上は、新型の上述の新しい7XXX合金ファミリーに対する3ステップ時効処理手法が補填することを悟った。上記表4にある合金Aを定義した合金組成物には、SCC試験は、2ステップ時効処理では、568日間であり、対して3ステップ時効処理では、328日間にも及んだ。この結果は、表9に示した(後者(3ステップ)試験は、前者(2ステップ)試験が開始された後に始められた;したがって、2ステップ時効処理試験片の方がより長い試験期間であった)。
【0091】
【表9】
Figure 0004209676
このデータは、図10にグラフ化され示されている。そこでは、上部左のカラムには、第二ステップ時効処理における、320°Fでの処理時間を参照しており、3ステップ時効処理試験片も一般的にここに参照している。
【0092】
表4にある合金C(7.4重量百分率の亜鉛、1.5重量百分率のマグネシウム、1.9重量百分率の銅、及び0.11重量百分率のジルコニウム)なる第二番目の組成物は、上記の合金Aと同様、比較2ステップ対3ステップ時効処理を適用された。シーコーストSCC試験の長期間での結果は、下記の表10にまとめた。
【0093】
【表10】
Figure 0004209676
表10データは、図11と共にグラフ化され示されている。そこでは、上部左のカラムには、第二ステップ時効処理における、320°Fでの処理時間を参照しており、3ステップ時効処理試験片も一般的にここに参照している。合金A及びCの両データから、最も明らかなのは、好ましい合金組成に対する本発明における好ましい3ステップ時効処理工程は、SCCシーコースト試験特性における有意な向上を補填する。特に、これは、3ステップ時効処理された材料における試験片に関する損傷までの日数が、それぞれ、2ステップ時効処理の対応物に比較される時において、である。しかしながら、SCCシーコースト試験の前段にあって、2ステップ時効処理材料が示したのは、シミュレートされた試験下において、いくつかのSCC特性の促進である。また、2ステップ時効処理材料は、向上された3ステップ時効処理が好ましいにもかかわらず、本発明合金のいくつかの提供に対して適している可能性がある。
【0094】
3ステップ時効処理の面で、上述の合金組成物に関して好ましい特定物、一つ記さなければならないのは:第一時効処理ステップは、好ましくは、約200ないし275°Fにて行うことであり、更に好ましくは、約225または230ないし260°Fにて、最も好ましいのは、約250°Fにて行わなければならない、ということである。そして、約6時間、上述の温度で実施することは極めて満足である一方で、記さねばならないのは、広い意味において、第一ステップ時効処理に関する経過時間は、実質的な沈殿固型化物の量を作り出すのに充分な時間でなければならないということである。したがって、相対的に短い時間経過、例えば約250°Fにての約2又は3時間、は:(1)部品のサイズや形状の複雑性に依存して;及び(2)特に上述の「短時間型」処理/曝露が、数時間にわたる、例えば4ないし6又は7時間、比較的に緩慢な加熱率と同時に行われるとき;充分かもしれない。
【0095】
本発明における好ましい合金組成に対して補填される好ましい第二ステップ時効処理手法は、上述の第一ステップ加熱処理から直接的に、意図的に上昇することができる。又は、第一及び第二ステップとの間で意図的な、かつ、明確な障害があるかもしれない。広い意味では、この第二ステップは、約290又は300ないし、330又は335°Fの間で行うべきである。好ましくは、この第二ステップ時効処理は、約305又は325で行われる。好ましくは、第二ステップ時効処理は、約310ないし320又は325°Fにて行う。この重要な第二ステップ工程に対する上述の好ましい曝露時間は、逆に、実質の適用時間に依存する。例えば、310°Fかそれに近い温度にて実質的に制御されるならば、全体に対し十分な暴露時間は、約6ないし18時間、好ましくは、約7ないし13時間、又は15時間で充分である。より好ましくは、第二ステップ時効処理は、約10又は11か13時間、上記の制御温度にて行うだろう。約320°Fなる第二時効処理ステップの温度において、全体の第二ステップ時間は、約6ないし10時間を範囲とすることができ、好ましくは、約7又は8ないし10または11時間である。第二ステップ時効処理時間及び温度選択に関して好ましい特性がある。更に記すべきに、与えられた温度においての処理時間が短くなるにつれ強度値が高くなる一方、曝露時間が長くなるにつれ、よりよい腐蝕耐性特性を示すようになる。
【0096】
最後に、好ましい第三時効処理手法ステージの面で、良いのは、緩慢に温度を加工させないことである。これは、第二時効処理ステップ温度において長すぎる処理時間の曝露を避けるために、極度な養生が第二ステップ温度及び全体の処理時間に近接して調節されない場合、このような厚成型品に対し必要な第三ステップを行うためである。第二と第三ステップ時効処理との間で、本発明の金属製品は、意図的に、加熱炉口から取り除くことができ、ファンやそれに類似したものを使って、約250やそれ以下に、おそらく、室温程度にまで、急速に冷却される。いかなる出来事においても、本発明における好ましい時間/温度曝露は、上述した第一時効処理ステップとのセットに、近接に平行化している。
【0097】
本発明によれば、本発明合金は好ましくは、インゴット由来の製品に適し、熱間圧延に適した製品へと作られる。例えば、大型のインゴットは、上述組成なる準連続的な鋳造物である可能性があり、表面欠陥部を取り除くため、荒削りされ、又は、成型加工される。これは、良好な圧延表面を供するのに必要である。このインゴットは、その内表面を破砕及び溶液化するために、前加熱される可能性があり、その適した前加熱処理は、その組成物に応じて相対的に高い温度、例えば、900°F、にて加熱される。この実行において、好ましくは、800°F以上への加熱のような第一僅少温度レベル、例えば、約820°Fやそれ以上、又は850°Fやそれ以上、好ましくは、860°Fやそれ以上、例えば、870°F付近やそれ以上、に加熱することであり、かつ、インゴットを約上記の温度にて、有意な時間、例えば、3又は4時間、保持することである。次に、インゴットは、残りの方法にて、つまり、890又は900°F付近にまで、並びに可能な数時間という保持時間にて、加熱される。破砕のためのこのようなステップ化された、又は、ステージ化された加熱は、本分野において数年の間知られてきた。好ましくは、破砕は、4ないし20時間あるいはそれ以上に近接する漸増時間において、破砕温度は、約880ないし890°F以上の温度にて、実行される。これは、約890°F以上なる温度においての漸増持続時間は、少なくとも4時間でなければならなく、好ましくは、それ以上であって、例えば、8ないし20又は24時間、あるいはそれ以上である必要がある。知られているように、大型インゴット寸法ならびにその他の特性は、より長い破砕時間を推奨する可能性がある。好ましくは、構成成分の不溶物及び溶解物の容量%の組み合わせは低く、例えば、1.5容量%以下、好ましくは1容量%以下にて、保たれることである。高い温度は、部分的な溶融に対する警戒の回避を保障するにもかかわらず、ここに述べられた相対的に高い前加熱又は破砕、及び溶液熱処理温度の利用は、この面において目的である。このような警戒は、緩慢な、段階的な加熱あるいはその両方を含む、注意深い加熱を含めることができる。
【0098】
インゴットはその後、熱間圧延され、望ましく、圧延鋼板製品において、非再結晶化された粒構造を達成する。したがって、熱間圧延用のインゴットは、実質的に約820°F以上の温度、例えば、約840付近ないし850°F、又は可能なそれ以上の、炉口に存在することができ、圧延制御は、775°F以上、又は800°F以上、例えば、810又は825°F付近、の初期温度にて実行される。これは、再結晶化の減弱に対する可能性を増加する。また、好ましくは、いくつかの場合において、再加熱制御なしに、ロールミルや熱保持の力を使って、圧延が実行される。圧延の間、その温度は所望の最小限、例えば、750°Fに保たれる。典型的には、本発明の実用において、好ましくは、最大再結晶化率の約50%以下、好ましくは、約35%以下、さらに好ましくは、約25%を超えない再結晶化率であり、達成される再結晶化率が少なくなるにつれ、破壊靱性特性が良好となることと理解される。
【0099】
熱間圧延は、鋼板に対し所望の厚みが得られるまで、通常、逆方向の熱間圧延ミルにおいて継続される。本発明によれば、一体型スパーなどの航空機用部材へと成型加工される鋼板製品は、約2ないし3インチないし約9又は10インチ厚あるいはそれ以上の範囲が可能である。典型的には、この鋼板は、相対的に小型の航空機用に、約4インチ厚、ないし、約6又は8インチないし約10または12インチよりも大きい厚部材の範囲である。好適実施例に加えて、本発明は、小型の、又は旅客機用の下部翼外板の製作に利用できると確信する。その他の応用として、鋳造、及び押出し加工品、特に、航空機用の厚部材を含めることができる。押出し加工品の製造において、本発明合金は、約600ないし750°F、例えば、700°F付近にて、押出し加工され、また本合金は、好ましくは、約10:1またはそれ以上なる(押出し加工率)切断面領域の減少も含む。鋳造物もまたここで使用できる。
【0100】
この熱間圧延鋼板その他の鋳造製品は、約840又は850°Fないし800又は900°F以内で加熱し、溶液を実質的な部分の中に入れることにより溶液熱処理(SHT)される。好ましくは、すべて又は実質的にすべてで、この部分とは、SHT温度において、亜鉛、マグネシウム、及び銅溶融物のことである。また理解されるのは、常に完璧ではない物理的な工程を伴って、これら主要な合金成分におけるおそらくすべての痕跡が、SHT(溶融;solutionizing)工程の間、完全に溶解される可能性がないかもしれない、ということである。ちょうど述べた上昇された温度にまで加温した後、この製品は、溶液熱処理工程を完全にすべくクエンチングされなければならない。いくつかの冷却手段として補完的または置換的なものとして空冷を利用できる可能性がある反面、この冷却は、典型的に、冷却水を含んだ適当な大きさのタンクに浸すことにより、あるいは、水噴射することの両方により行われる。クエンチング後、この製品は、延伸や圧縮によって、冷却処理が必要であるかもしれない。鋼板製品に関し、内部応力の放出や、製品の伸張、又はいくつの場合において、さらなる強化のためである。例えば、この鋼板は、強化され、1又は1.5、又は、2又は3%以上圧縮され、若しくは、その他の冷間加工が同等な程度施されるかもしれない。冷間加工を施された又は施されていない溶液熱処理(及びクエンチング)製品は、ここに述べた好ましい高温時効処理方法又はその他の高温時効処理技術に従って、析出−硬化可能な状態にあり、高温時効処理の準備が整っていると考えられる。ここに使用したように、「溶液熱処理」という言葉は、他に示さない場合、クエンチングも含む意味を持つ。
【0101】
クエンチング、又は所望ならば冷間加工の後、製品(おそらく鋼板製品)は、強度やその他の特性向上を目的として、適当な温度にまで加熱されることにより高温時効処理される。一つの好ましい熱時効処理において、析出硬化可能鋼板合金製品は、上述したように、三つの主要な時効処理ステップを適用される。一般的に知られているのは、与えられた、又は、ターゲットである処理温度に対する加温及び/又は冷却は、沈殿(時効処理)効果を生み出すことができる。この効果は、すべての時効処理において、このような加温条件及びこれらの析出硬化効果を統合することにより考慮することができる。
【0102】
また可能なことは、本発明の時効処理を伴った時効処理統合を利用することである。例えば、プログラム可能な空気炉口において、250°Fにて24時間行う第一ステージ熱処理完了に続き、同一の炉口における温度は、徐々に進行的に310°F近辺なる温度にまで適当な時間をかけて上昇することができ、6ないし24時間保持することができる。これは、この金属が、既に250°Fにて安定化された別の炉口にすばやく移された後に行われる。このより連続的な時効処理体制は、第一から第二及び第二から第三時効処理ステップ処理との間の室温の移行は含まない。このような時効処理統合は、より詳細に米国特許第3,645,804号にて述べられており、この全体の内容は、ここに参照文献として取り込む。二つ、又はより少ない好ましい基礎に基づいて、おそらくは三つの、高温時効処理のフェーズの加温や対応する統合を伴い、鋼板製品は、単一のプログラム可能な炉口の中において実施可能かもしれない。しかしながら、利便性や理解の容易性を目的として、もしそれぞれのステージ、ステップ、又はフェーズが、ここに与えられている他の2ステップからなる高温時効処理手法と異なるものであるならば、本発明の好適実施例は、詳細に説明されてきた。一般的に言うならば、これらの3ステップの第一番目は、当該合金製品の析出硬化を行うと確信する;(より高い温度での)第二番目ステージは、腐蝕耐性の向上、特に通常又は工業的でかつシーコースト刺激性の条件下に対する応力腐蝕割れ耐性の向上を目的として、本発明合金を、一つ若しくはそれ以上の加温された温度に曝露する。第三番目及び最終ステージはさらに、本発明合金の析出硬化を行い、さらなる腐蝕特性向上を補填する一方で、高い強度レベルを与える。
【0103】
本発明合金における低い焼入れ感受性は、当業者において一般的に「プレス焼入れ」として述べられる加工のクラスに対するさらなる他の可能性のある適用を提供することが可能である。その一つは、時効処理硬化可能な押出し加工合金の標準的な製造フロー工程として考えられている「プレス焼入れ」工程であり、このような合金には、2XXX、6XXX、7XXX、又は8XXX合金シリーズが属する。典型的なフロー工程は、ビレットのダイレクトチル(Direct chill: DC)インゴット鋳造、破砕、環境温度への冷却、炉口や誘導電気加熱炉による押出し加工温度への再加熱、加熱されたビレットの最終形状への押出し加工、押出し加工部品の環境温度への冷却、この部品の溶液熱処理、室温における延伸及び自然時効処理、又は、最終テンパーへの高温時効処理を含む。この「プレス焼入れ」工程は、存在する押出し加工型に対し、部品が所望の溶液熱温度近傍、及び、溶液組成物が効率的に固溶体へと加工することを目的とし、押出し加工温度やその他の押し出し加工条件の制御を含む。これは、次いで、瞬時にかつ直接的継続的にクエンチングされ、最終製品として、水、加圧空気、又はその他の媒体によって押出し加工される。プレスクエンチング部品は、その後、通常の延伸へと向かい、自然又は高温時効処理を施される。したがって、典型的なフロー工程と比較して、犠牲の多い分離した溶液熱処理工程は、このプレスクエンチング変法より取り除かれ、それによって、全体の製造コストならびにエネルギー消費が有意に低減される。
【0104】
多くの合金に対して、特に相対的に焼入れ感受性のある7XXX合金シリーズに属する合金に対して、このプレス焼入れ工程を供されたクエンチングは、分離した溶液熱処理に比較して、一般的に効果的でない。この材料に対する有意な悪化、つまり、プレス焼入れに起因する強度、破壊靱性、腐敗耐性、及び、その他の特性の悪化に貢献してしまうからである。本発明合金は、非常に低い焼入れ感受性を持つ事から、プレス焼入れ中における特性の悪化が消去され、多くの轢尾用に対する許容レベルへと有意に減弱することが期待される。
【0105】
SCC耐性が重要ではない本発明の成型鋼板具体例に対し、既知の単一又は2ステージ高温時効処理は、また、ここに述べられた好ましい3ステップ時効処理に代わって、これらの組成物に適用される可能性がある。
【0106】
最小限度(例えば、強度又は靱性特性値)を参照する際、これらが参照することのできるのは、購入又はデザイン材料に対する特性が記述できるレベル、又は材料が保障することのできるレベル、又は、航空機フレーム製造者(安全因子の支配下にある)がデザインにおいて信用することのできるレベルであるということである。いくつかの場合において、標準的な統計的手法を使って、99%の製品が適合、又は、95%の信頼度を持って適合を期待するという統計的基礎を持つことが可能である。充分でない量のデータ故、真に「保障された」値としての、本発明に対する確実な最小値又は最大値を参照することは、統計的に正確ではない。このような例において、計算方法は、外挿値として利用可能なデーター(例えば、最大値及び最小値)より作成されている。例えば、鋼板に関するプロットされた外挿された最小S/N値(図12のA-Aなる実線)、鋳造物に関する(図13のB-Bなる実線)、及び外挿されたFCG最大値(図14のC-Cなる実線)を参照されたい。
【0107】
破壊靱性は、等に良好な靱性が良好な強度と組み合わされる際、航空機フレームデザイナーにとって重要な特性の一つである。比較の方法によって、引張荷重下での、構造部材に関する引張強度又は破壊を伴わない荷重を保持する能力は、引張荷重に対し垂直方向である部材の最も小さなセクションにある領域によって分割される荷重として定義することができる。簡単な直状側構造に対し、セクションの強度は、平滑引張試験片における破壊又は引張強度と直接的に関連する。張力試験がどのように実施されたかを示すものである。しかしながら、ヒビ割れ、又はヒビ割れに似た欠陥を含む構造に対しては、構造部材の強度は、ヒビ割れの長さ、構造部材の幾何学性、及び破壊靱性として知られている材料の特性に依存する。破壊靱性は、荷重下におけるひび割れの有害かつ破壊的な伝播へと繋がる、材料の耐性として考えることができる。
【0108】
破壊靱性はいくつかの方法で測定することが可能である。一つの方法は、ヒビ割れを持つ試験片に張力を荷重することである。そのネットセクション領域(切断面はヒビ割れを有する領域よりも小さい)によって分割される試験片を破壊するために必要な荷重は、単位領域当たり数千ポンドの力を伴う残留強さとして知られている。材料の強度及び試験片の幾何学性が一定である場合、残留強さは、材料の破壊靱性に関する測定値である。強度及び試験片の幾何学性に依存することから、残留強さは通常、破壊靱性に関する測定値として使用される。これは、他の方法が所望に対し実用的でない場合であって、利用可能な材料の寸法や形状といったいくつかの制限に由来している。
【0109】
構造部材の持つ幾何学性は、張力荷重が適用された場合(平面ひずみ変形)、厚みを通じて可塑的に変化しない場合、破壊靱性は、平面ひずみ破壊靱性(Klc)としてしばしば測定される。これは通常、例えば0.6又は好ましくは0.8又は1インチ又はそれ以上の相対的厚製品及び組立部品に適用する。ASTMは、疲れ前ヒビ割れ成型張力試験片を使った、ksi√inなる単位を与えるKlcを測定するための標準試験法を設立した。この試験は、適当な幅、ヒビ割れ長さ、及び厚みなどに適合する標準法である限りは、通常、破壊靱性の測定に使用されるものであって、これは、試験片の幾何学性に依存しないと確信するが故、材料が厚部材である場合に用いられる。Kという記号、通常は、Klcとして使用されるが、は、応力強度因子として参照される。
【0110】
平面ひずみにより変形する構造部材は、上述したように、相対的に厚みを有するものである。より薄い構造部材(0.8ないし1インチ厚以下)は、通常、平面応力下、又はより通常は混合されたモード状態下にて、変形する。このような条件下にて破壊靱性を測定することは、可変値を供する可能性がある。というのも、試験結果が、試験片の持つ幾何学性におけるいくつかの程度に依存するからである。一つの試験方法では、ヒビ割れを持つ方形試験片に、連続的に増加する荷重が適用される。R曲線(ヒビ割れ耐性曲線;crack resistance curve)で知られている応力強度対ヒビ割れ伸張(crack extension)のプロットは、この方法により取得可能である。荷重対ヒビ割れ長曲線における25%セカントオフセット(secant offset)をベースにしたヒビ割れ伸張の特定量における荷重、及び、この荷重における効果的なヒビ割れ長は、KR25として知られる破壊靱性の測定の計算に使用される。20%セカントにおいては、KR20として知られており、単位はksi√inである。周知のASTM-E561は、R曲線の決定に関与し、これは一般的に本技術分野において認識されている。
【0111】
合金製品又は構造部材の幾何学性が、張力荷重を適用した際にその厚みを通した可塑的な変形を許容する場合、破壊靱性は、しばしば、中央ヒビ割れ張力試験により定義される平面ひずみ破壊靱性として測定される。この破壊靱性測定値は、比較的薄い、幅広の前ヒビ割れ試験片に対し生じる最大荷重を用いる。最大荷重におけるヒビ割れ長は、応力−強度因子が平面ひずみ破壊靱性Kcとして参照する強度において、応力−強度因子を計算するために用いられる。しかしながら、この応力−強度因子が、荷重適用前、ヒビ割れ長を使って計算される場合、計算結果は、材料のみかけ破壊靱性Kappとして知られている。この計算結果Kcにおけるひび割れ長は通常より長いので、Kc値は、通常、与えた材料に対するKappよりも高い。破壊靱性における量測定値は、ksi√inなる単位として表示される。強固な材料に対し、このような試験によって生じる数値は、一般的に、本技術分野で認識されているように、試験片の幅が増加するにつれ、又はその厚みが減少するにつれ、増加する。他に表記しない場合には、参照された平面応力(Kc)値は、16インチ幅紙片パネルを参照する。当業者が認識するのは、試験結果は、この試験パネルの幅に依存し、靱性を参照するすべての試験の含包ことを意図するものであるということである。したがって、本発明製品を特徴付ける意味において、Kcの最小値に実質的に等価であって実質的に対応する靱性は、大部分が16インチパネルに関する試験結果を参照する一方で、当業者が理解するであろう異なる幅を持つパネルを使ったものにおけるKc又はKappに対するバリエーションの含包を意図する。
【0112】
靱性が測定された温度は、有意義である。高い高度での飛行において、対応する温度は、例えばマイナス65°Fと非常に低く新型の旅客機プロジェクトにとって、マイナス65°Fにおける靱性は、重要な因子であって、所望する下部翼材料が示す靱性Klc値は、マイナス65°Fにおいて、45 ksi√inであって、KR20値で言えば95 ksi√inであって、好ましくは、100 ksi√inである。このようより高い靱性値故、これら合金で作られる下部翼は、昨今の2000(又は2XXXシリーズ)合金の対応する特性(例えば強度/靱性)の見返りとしてその対応物と置き換わる可能性があるかもしれない。本発明の実用を通じて、スチフナ、リブ及びストリンガなどを単独又は一体型成型された部材との組み合わせによって、上部翼外板を製作する可能性もあるかもしれない。
本発明に従って得られる向上された製品の靱性は、非常に高く、いくつかの場合、この靱性は、材料の耐久性や衝撃に対する抵抗性という航空機デザイナーの焦点が、疲労耐性と同様に破壊靱性を強調することを許容する。疲労によるヒビ割れに対する耐性は、非常に望ましい特性の一つである。疲労ヒビ割れは、反復的な荷重−非荷重のサイクルの結果生じることで、又は、翼部分の上下運動のような高−及び低−荷重のサイクルで参照する。この荷重のサイクルは、飛行中に生じる可能性がある。これは、突風や、気圧における突然の変化や、航空機の地上走行時に起因する。疲労障害は、航空機部材の脱落の大きな割合による。このような障害は、知らぬ間に起こる。というのも、これらは、過度な荷重を伴わない、前兆のない通常の制御条件下で起こり得るからである。ヒビ割れ進展は、加速される。というのも、材料の非不均一性は、開始状態やより小さなひび割れのリンクを誘発するようなサイトとして機能するからである。したがって、厳格度を減ずることによる金属の質を向上する、あるいは、有害な不均一性の数を向上する工程的及び組成的な変化は、疲労持続性を向上してしまう。
【0113】
張力−寿命サイクル(S-N又はS/N)疲労試験は、疲労寿命の主要部分を構成する疲労開始及び小さなひび割れ成長に対する材料の抵抗性を特徴付ける。したがって、S-N疲労特性の向上は、その寿命に対しより高い張力における材料の制御、あるいは、寿命の増加を伴う同様の張力における制御を可能にするかもしれない。前者は、後者が少ない検査やより低い支持コストとして言い換えることができる一方、寸法を減ずることによる有意な重量抑制を、あるいは、部材又は構造的な単純化による製造コストの削減として言い換えることができる。疲労試験中での荷重は、静的究極点以下であり、材料の引張降伏は、引張試験において測定されたものであり、これらは典型的に材料の引張強度よりも低いものである。疲労開始疲労試験は、視覚的に瞬時に到達できない翼スパーなどの、埋没され、隠された構造部品、並びに、ヒビ割れやヒビ割れ開始を見つけ出すその他の試験法に対する重要な指標である。
【0114】
もしヒビ割れやヒビ割れに類似した欠陥が構造の中に存在しているとすると、繰り返しサイクルの疲労荷重は、ヒビ割れの成長を生じる可能性がある。これは、疲労ヒビ割れ伝播として参照される。疲労によるヒビ割れの伝播は、ヒビ割れ寸法および荷重の組み合わせが、材料の破壊靱性を超えるのに充分な場合、ヒビ割れが破壊的に伝播するのに充分大きなひび割れはと導くかもしれない。したがって、疲労によるヒビ割れ精娘に対する材料の耐性における特性は、本質的に航空機構造物の寿命に対する本質的な利益を与える。緩慢なヒビ割れ伝播がより良い。航空機構造部材における急速なヒビ割れ伝播は、検出に対する十分な時間を与える事なく、破壊的な欠落へと導く可能性がある。緩慢なヒビ割れ伝播は、検出時間や整復行動や修復を許容するし、したがって、低い疲労ヒビ割れ成長率は望ましい特性の一つである。
【0115】
反復的荷重中、材料のヒビ割れ伝播に関する比率は、ヒビ割れの長さに影響される。その他の重要な因子は、構造が反復的に最大及び最小荷重を施される違いがある。ヒビ割れ長並びに最大及び最小荷重との違いを含む一つの方法は、反復張力強度因子範囲又はΔK、と呼ばれ、ksi√inを単位にもち、破壊靱性として測定の用に用いられている張力強度因子と同様のものである。応力強度因子範囲(ΔK)は、最大及び最小荷重での張力強度因子との差異である。疲労ヒビ割れ伝播に影響するその他の測定は、反復中での最小と最大荷重との間の比率であり、これを、応力比と呼び、Rと記され、0.1なる比率が意味するのは、最大荷重が最小荷重の10倍であるということである。応力、又は荷重、比率は、正又は負又はゼロであるかもしれない。疲労ヒビ割れ成長率試験は、当業者既知の典型的なASTM-E647-88により行われる。ここに使用する場合、Ktは、ASTM-E1823に記述されている、理論的応力集中係数を参照する。
【0116】
疲労ヒビ割れ伝播率は、ヒビ割れを有する試験片を使った材料に対して測定可能である。このような試験片の一つは、約12インチ長で4インチ幅があり、その中央部を直角方向(幅を横切り通常の長さとして)に伸びるノッチを持つものである。このノッチは約0.32インチ幅であり、0.2インチ長であって、スロットのそれぞれの端が60度の角度を持っているものである。試験片は反復的な荷重を施され、ひび割れがそのノッチの端部に成長する。ひび割れが所定の長さに達した後、クラックの長さが定期的に測定された。ヒビ割れ成長率は、与えたヒビ割れ伸張の増加に関し、ヒビ割れ長さの変化(Δa)を、ヒビ割れ成長の量をもたらした荷重反復の回数(ΔN)で割って算出された。ヒビ割れ伝播率は、Δa/ΔN又は「da/dN」で表現され、その単位は、インチ/回数である。材料の疲労ヒビ割れ伝播率は、ヒビ割れ応力パネルの中央で測定された。R=0.1を使って相対的な濕度が90%であって、ΔKが4ないし20又は30の範囲にて比較したところ、本発明材料は、疲労ヒビ割れ成長に対し比較的良好な耐性を示した。しかしながら、S-N疲労における優れた特性は、本発明の材料が、ウィングスパーのような埋め込み又は隠された部材に良好に適すようになった。
【0117】
本発明製品は、非常に良好な強度、靱性、衝撃耐性特性に加えて、非常に良好な腐蝕耐性を示した。本発明製品の剥離腐蝕耐性は、中間厚み(T/2)又は表面から1/10の厚み部分(T/10)(Tは厚み)またはその両方を用いた試験片に対するEXCO試験において、EBであり、より良い(「EA」若しくは吹出しのみを意味する)ことが可能である。EXCO試験は、本技術分野既知であり、ASTM-G34によく記載されている。「EB」のEXCO率は、いくつかの旅客機に許容可能と考えられ、「EA」はいまだよりよいと考えられているうちにおいて、良好な腐敗耐性と考えられる。
単軸を横切る応力腐蝕割れは、しばしば、比較的厚めの部材において、特に重要な特性と考えられている。本発明製品の単軸方向における応力腐蝕割れ耐性は、以下の概略の基準を通過するのに必要な等価であることが可能である。基準とは、1/8インチ径のバーであって、代替的浸透試験を20日又は代替的に30日間、25又は30 ksiあるいはそれ以上において、試験をASTM-G47(Cリング試験片用としてASTM-G44及びG38、1/8インチバー用としてG49を含む)を使って、前記ASTM-G47、G44、G49、及びG38は本技術分野既知であって方法である。
【0118】
剥離腐蝕及び応力腐蝕耐性の一般的な指標として、鋼板の導電率は、一般的に少なくとも約36、又は好ましくは38ないし40%あるいはそれ以上の%IACSを持つことが可能である。したがって、本発明における良好な剥離腐蝕耐性は、「EB」又はそれ以上のEXCO率により証拠付けられたが、いくつかの場合、応力腐蝕割れ耐性や導電性に関し、航空機機体製造者によってその他の腐蝕耐性測定法が特定され、必要とされるかもしれない。これら基準の一つ持ち來はそれ以上を満足することは良好な腐蝕耐性を示すと考えられる。
【0119】
本発明は、より好ましい鋳造鋼板に関しいくつかの強調点を述べてきた。しかし、押出し加工物や鋳造物など、その他の製品形状が、本発明の恩恵を享受する可能性もあると確信する。この点に対し、これら強調は、J型、Z-又はS-形状、又はハット形状チャネル形状を持つ事が可能なスチフナ型、機体、又は翼外板ストリンガに対してであった。このようなスチフナ型の目的は、航空機用翼外板や機体、又は、同様に結合可能なその他の形状の強化であり、その一方で、重量の付加を伴わないものである。いくつかの場合において、経済的な製造において、より厚い鋼板から成型加工することが可能な、スチフナの持つ幾何学性との間に存在する金属を取り除き、一体型主翼外板厚部材を伴うスチフナ形状のみを残し、すべてのリベットを消失する事による、分離的にストリンガを取り付けることが好ましい。また、本発明は、上述のように、一般的に翼外板材料の長さと一致するようなスパー部材であるところの翼スパー部材へと成型加工する厚鋼板に関し述べてきた。加えて、本発明の特定において有意な向上は、厚鋳造成型鋼板として高度に実用的な用途を付与する。
【0120】
その軽減された焼入れ感受性故、本発明合金製品を第二の製品として鋳造加工する場合、その熱影響性の鋳造領域において、その強度、疲労、破壊靱性、及び/又は腐蝕耐性特性の向上された保持を示すだろう。これを適用するのは、このような合金製品が、摩擦攪拌鋳造を含む固体状態鋳造技術によって鋳造される場合、若しくは、既知で、又は、含まれるが限定的でない例として、電子ビーム鋳造やレーザー鋳造のように、継続的に開発されている融解技術により鋳造される場合も、無関係である。本発明の実用を通じて、両者の鋳造部品は、同様の合金組成により製作されるかもしれない。
【0121】
本発明によるいくつかの部品/製品に対し、このような部品/製品は、時効処理形成されるかもしれないことである。時効処理形成は、低い製造コストを約束し、一方で、典型的に薄ゲージ部材に対し、より複雑な翼形状の形成を許容する。時効処理形成において、部品は、型の中で、通常約250°F又はそれ以上という加温された温度において、数ないし10時間程度保持されるという、機械的な制限が加わり、所望の外形が応力除去により実現される。特に、例えば、約320°F以上のように、高温時効処理における高い温度の間、金属は、所望の形状に形成し、変形することが可能である。一般的に、想定される変形は、鋼板部材の長さに沿って緩やかに曲がった形状を持ちながら鋼板部材の幅を横切る非常にゆったりした曲線を含むような、相対的に簡単なものである。高温時効処理において、特に、第二高温時効処理ステップにおいてより高い温度の中で、このようなゆったりした曲線状態の形成を獲得するのは理想である。一般的に、鋼板材料は、約300°F以上、例えば、約320または330°F、に加温され、典型的に、この鋼板材料は、凸状面の上に配置され、鋼板の反対端部に対し固定され荷重が適用される。江南は、多かれ少なかれ、相対的に概略の時間範囲に対し、形状の輪郭を想定するが、冷却に関し、その応力や荷重が取り除かれると、スプリングバックは極めて小さい。期待されるスプリングバックは、曲線や形状の輪郭のデザインにおいて、補填され、鋼板に所望の形成を施す面において、スプリングバックを補填するものとして強調される。さらに好ましくは、約250°Fという低い温度における第三番目の高温時効処理ステージは、時効処理形成に続くものである。時効処理形成処理の前後両者において、鋼板部材は、例えば、鋼板のテーパー加工のように、成型加工が可能である。機体への近接を意図している部材は、より厚みがあり、翼チップに近接する部分では、より薄いが故である。もし所望であれば、付加的な成型加工や、その他の成型制御は、時効処理形成の前後両者において実行が可能である。高い能力を持つ航空機では、従来の薄鋼板部材の大型スケールにて使用されていたものよりも、相対的に厚部材や、より高いレベルの形成が必要となるかもしれない。
【0122】
本発明合金の様々な形状、例えば、図12にある厚鋼板や図13にある鋳造物などは、オープンホール疲労寿命試験方法による一貫した疲労寿命試験を行うために、製造され、時効処理され、適当に寸法付けされる。これら製造形状の正確な組成を以下に示す:
【0123】
【表11】
Figure 0004209676
L-T方向に対するオープンホール疲労寿命評価において、鋼板及び鋳造製品の両者に対する特定の試験パラメーターが含むのは:Kt値は2.3、周波数は30 Hz、R値は0.1、及び相対的湿度(Relative Humidity; RH)は90%よりも大きい。鋼板試験結果は、図12にグラフ化され;鋳造物の結果は、図13に示されている。鋼板、鋳造物の両者は、いくつかの厚みを持つ製品(4、6、及び8インチ)に対して試験された。
図12を参照すると、6インチ厚鋼板データー(合金D及びEの上部)に関するS/N特性の平均値を実線にて示した。95%信頼バンドは、上述の6インチ「平均」特性直線近傍に描いた(上部及び下部の破線)。このデータから、点のセットは外挿された最小オープンホール疲労寿命(S/N)値をマップした。これら正確にマップされたポイントは以下の通りである:
【0124】
【表12】
Figure 0004209676
実線(A-A)は、図12上に、表12にある上述の外挿された最小S/N値を結合すべく描いた。これら好ましい最小S/N値に対し、一つの航空機製造者の規定したS/N値に関する直線、つまり、7040/7050-T7451鋼板(3ないし8.7インチ厚)及び7010/7050-T7451鋼板(2ないし8インチ鋼板)、を重ねて描いた。線A-Aは、既知の旅客機用7XXX合金に対する、この発明に類似した比較的向上された疲労寿命S/N特性を示し、後者を異なる方向(T-L)にて得た比較データとした。
【0125】
様々な寸法を持つ鋳造物(例えば4、6、及び8インチ)に関するオープンホール疲労寿命(S/N)データから、実線は、算術的に表現した、6インチ厚成分E及び8インチ厚成分Dなる鋳造物に関する平均値を示している。試験サンプルのいくつかはこれら試験の間破壊しなかった;これらは、図13の右側の円の中に囲まれている。この後、点のセットは、外挿された最小オープンホール疲労寿命(S/N)値をマップした。これら正確にマップされたデータは下記の通りである:
【0126】
【表13】
Figure 0004209676
実線(B-B)は、図13上に、上述の表13に示された上述の外挿された最小S/N鋳造物値に結合すべく描いた。
【0127】
図14において、本発明に従った製造された鋼板(4及び6インチ厚、L-T及びT-L両方向に関する)及び鋳造物(6インチ、L-T方向のみ)についての疲労ヒビ割れ成長率曲線をプロットした。試験した実際の組成物は、上記の表11に示した。これら試験は、FCG方法として上述したように実行し、以下に示す特定のパラメーターを与えた:周波数=25 Hz、R値=0.1、相対的湿度(RH)は95%以上。これら曲線から、様々な製品の形状並びに厚みに対し、本発明に関する外挿された最大FCG値の代表としてデータ点の一つのセットをマップした。これら正確な点は以下の通り:
【0128】
【表14】
Figure 0004209676
現在外挿されている最大FCG値は、本発明による厚鋼板及び鋳造物については実線(C-C)にて描いた。対して、L-T、T-L両方向に関し、一つの航空機製造者が規定した7040/7050-T7451(3ないし8.7インチ厚)鋼板についてのFCG値を重ねた描いた。
【0129】
本発明の鋼板製品は、ホールヒビ割れ開始試験を施された。このテストが含むのは、試験片に対し所定の孔(1インチ以下の径)を開け、前記孔にスプリットスリーブを挿入し、次いで、いくつかの大きなサイズを持った心棒を、前記スリーブないし前ドリルした孔に突き通した。このような試験条件した、本発明の6及び8インチ厚鋼板製品は、前記ドリルされた孔からいかなるひび割れの開始がなかったことから、非常に良好な特性を示した。
【0130】
ここに述べてきた好適実施例に関し、本発明は、添付した請求項の狙う範囲内において他なる具体例が行われるかもしれないことを理解すべきである。
【0131】
【図面の簡単な説明】
【図1】 常套的なスリーピース・ビルドアップ・デザインにおける前部及び後部スパーを含む飛行機に関する典型的なウィングボックスに対する横軸断面図である
【図2】 プラント製作物の中間面近傍における冷却率に関する換算された二つの冷却曲線を示したグラフである。
【図3】 合金の長軸方向に関する引張降伏強度(TYS(L))と破壊靱性(KQ(L-T))関係を示したグラフである。
【図4】 合金の長軸方向に関する引張降伏強度(TYS(L))と破壊靱性(KQ(L-T))の関係を示したグラフである。
【図5】 焼入れ感受性における亜鉛の影響を示したグラフである。
【図6】 焼入れ感受性における亜鉛の影響を示したグラフである。
【図7】 フルスケール製造された本発明における6インチ厚鋼板合金の四分割面(quarter plane; T/4)におけるTYS(L)対平面ひずみ破壊靱性(KIC(L-T))値の分布を示したグラフである
【図8】 焼入れ感受性特性の指標として、フルスケール製造物に対して、型鋳造試験(die forging study)を行い、本発明の合金と7050アルミニウムを比較し、そのTYS値に及ぼす部材厚みの影響を示したグラフである。
【図9】 長軸方向におけるTYS値(ksi)対導電率(EC; %IACSとして)を比較した図である。
【図10】 様々な短横方向(ST)荷重における一つの好ましい合金組成に対する2ステップ、及び、3ステップ時効処理を行った際のシーコーストSCCテストの結果を図示したグラフである
【図11】 様々な短横方向(ST)荷重における二番目の好ましい合金組成に対する2ステップ、及び、3ステップ時効処理を行った際のシーコーストSCCテストの結果を図示したグラフである。
【図12】 本発明に関する様々な寸法を持つ鋼板に対する、L-T方向に関するオープンホール疲れ寿命(open hole fatigue life)をプロットしたグラフである。
【図13】 本発明に関する様々な寸法を持つ鋼板に対する、L-T方向に関するオープンホール疲れ寿命(open hole fatigue life)をプロットしたグラフである。
【図14】 前述した本発明の様々な寸法を持つ鋼板に対する、L-T及びT-L方向に関する疲れヒビ割れ成長(fatigue cracking growth;FCG)率曲線をプロットしたグラフである。

Claims (7)

  1. 7.0ないし10.0重量百分率の亜鉛、
    1.2ないし1.68重量百分率のマグネシウム、
    1.2ないし1.9重量百分率の銅、
    0.3重量百分率以下のジルコニウム、
    0.4重量百分率以下のスカンジウム、及び
    0.3重量百分率以下のハフニウム、
    を含み、
    残部がアルミニウムおよび不可避的不純物で構成されることを特徴とするアルミニウム合金。
  2. チタン、マンガンおよびクロムのうちの少なくとも一つを、以下の量で含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金:
    0.06重量百分率以下のチタン、
    0.2重量百分率以下のマンガン、および
    0.05重量百分率以下のクロム。
  3. カルシウム、ストロンチウムおよびベリリウムのうちの少なくとも一つを、以下の量で含むことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金:
    0.03重量百分率以下のカルシウム、
    0.03重量百分率以下のストロンチウム、および
    0.002重量百分率以下のベリリウム。
  4. 銅の量よりも少ない量のマグネシウムを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のアルミニウム合金。
  5. 1.3ないし1.68重量百分率のマグネシウムを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のアルミニウム合金。
  6. 1.3ないし1.9重量百分率の銅を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のアルミニウム合金。
  7. 1.4ないし1.9重量百分率の銅を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のアルミニウム合金。
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