JPH116044A - 高強度・高靱性アルミニウム合金 - Google Patents

高強度・高靱性アルミニウム合金

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JPH116044A
JPH116044A JP17294297A JP17294297A JPH116044A JP H116044 A JPH116044 A JP H116044A JP 17294297 A JP17294297 A JP 17294297A JP 17294297 A JP17294297 A JP 17294297A JP H116044 A JPH116044 A JP H116044A
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JP
Japan
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extrusion
alloy
strength
toughness
aluminum alloy
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JP17294297A
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Inventor
Shinji Makino
伸治 牧野
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Aisin Keikinzoku Co Ltd
Original Assignee
Aisin Keikinzoku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 500MPa以上の0.2%耐力を有する靱
性、耐応力腐食割れ性、押出加工性に優れたアルミニウ
ム合金およびその製造方法。 【構成】 Zn:7.0〜9.0wt%、Mg:1.0
〜1.5wt%、Cu:0.5〜1.5wt%、Mn:
0.1〜0.5wt%、Cr:0.05〜0.3wt
%、Zr:0.1〜0.2wt%、Fe:0.15wt
%以下、Si:0.10wt%以下および残部がアルミ
ニウムからなるアルミニウム押出形材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造用部材に用い
られるアルミニウム合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、鉄道車両等の構造用部材には、
軽量化の目的で押出加工したアルミニウム合金が使用さ
れている。
【0003】例えば、自動車用構造部材にはJIS6N
01、JIS7003合金、鉄道用構造部材、航空機用
構造部材にはJIS7003、JIS7N01、JIS
7075合金等が使用されている。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】JIS6N01、JIS
7003、JIS7N01合金等は強度不充分であり、
JIS7075合金では強度は充分あるものの、靱性が
極端に悪いだけでなく、耐応力腐食割れ性や押出加工
性、押出生産性が悪く、薄肉で大型断面からなる構造部
材が得られなかった。
【0005】車両用部品においては、車両の軽量化によ
る燃費の向上に寄与するため、高強度アルミニウム材料
による部品の小型化や乗員保護、いわゆる安全対策の観
点から、例えば、バンパ・リィンホースメント用材料に
は衝突時に衝撃吸収性の良い、つまり、靱性に優れた材
料が要求される。また、コスト面から、生産性の良い材
料が要求される。
【0006】本発明は、特願平8−104576号の技
術をさらに改良して、従来得られなかった高強度であ
り、かつ、靱性、耐応力腐食割れ性および押出加工、押
出生産性に優れたアルミニウム合金とその製造方法を提
供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の係る構造部材用
アルミニウム合金の主成分は、Zn、Mg、Cuである
が、Zn、Mg、Cuを添加することで高強度合金が得
られるが、それに反比例して押出加工性、押出生産性、
靱性が悪くなることは広く知られているところである。
【0008】しかし、本発明は、Zn、Mg、Cuの成
分に加えて、Mn、Cr、Zr、Fe、Siの成分量を
変えて、種々の合金を試行評価した結果、一定の組成範
囲にては耐力500MPa以上が得られ、かつ、従来の
高強度合金では得られなかった、ダブルホロー以上の断
面を押出成形することが可能になり、また、同時に靱
性、耐応力腐食割れ性にも優れ、小型で低コストな車両
用部品を供給できることが可能となった。その内容につ
いて、以下に述べる。
【0009】Zn、Mg、Cuは、金属間化合物やそれ
自体の固溶硬化により強度向上が期待できる高強度アル
ミニウムの主要添加成分である。
【0010】Mgは強度向上に対する寄与は大きいが、
添加量が多いと押出加工性、押出生産性を阻害する性質
を持っている。
【0011】Znは押出加工性、押出生産性を比較的に
低下させずに強度向上に寄与するが、Mgに対する添加
比率を一定以上に高くすると、耐応力腐食割れ性が著し
く低下することになる。
【0012】CuはMgほど押出加工性、押出生産性を
阻害せずに強度向上に寄与することができる。また、結
晶粒界部と結晶粒内との電位差緩和により、耐応力腐食
割れ性を向上することができる。
【0013】従って、後述する他の添加成分との組み合
わせにて、耐力約500MPaを維持しつつ、強度と相
反する靱性、耐応力腐食割れ性、押出加工性、押出生産
性に優れた特性を確保するのに、Zn:7.0〜9.0
wt%、Mg:1.0〜1.5wt%、Cu:0.5〜
1.5wt%が最適である。
【0014】Mn、Cr、Zrは、一定の範囲について
は結晶粒を微細化する効果があり、押出加工性、押出生
産性を低下させることなく、靱性、耐応力腐食割れ性を
向上させることができる。その範囲は、種々試作評価し
た結果、Mn:0.1〜0.5wt%、Cr:0.05
〜0.3wt%、Zr:0.1〜0.2wt%であっ
た。
【0015】FeおよびSiは、通常、アルミニウムの
精練、鋳造過程にて不純物として混入する成分である
が、Fe:0.15wt%以下、Si:0.1wt%以
下にしないと、いずれも靱性を低下させることも明らか
になった。
【0016】以上の成分範囲にて調整されたアルミニウ
ム合金を用いて、常法されているビレット鋳造し、押出
加工後、所定の熱処理にても充分に高強度アルミニウム
押出形材が得られるが、本発明によるアルミニウム合金
の特性を最も発揮させるには、以下に述べる製造条件が
良い。
【0017】本発明によるアルミニウム合金を用いて円
柱状のビレットを鋳造し、その後、440〜480℃に
て10〜20時間均質化処理する。
【0018】押出加工時のビレット加熱温度は420〜
470℃が良い。420℃以下では押出加工性が悪く、
470℃以上では再結晶が粗大化して、耐応力腐食割れ
性が低下する。
【0019】押出加工後に、そのまま人工時効処理を実
施しても、強度、靱性、耐応力腐食割れ性、押出加工
性、押出生産性に優れたアルミニウム押出形材が得られ
るが、さらに靱性を向上させるには、押出形材を440
〜500℃に再加熱して、その後、1000℃/分以上
の速度で冷却した後に、8〜72時間人工時効処理する
のが良い。
【0020】そのように製造することにり、押出形材の
断面にて繊維状組織部分の面積比率が90%以上で、強
度、靱性、耐応力腐食割れ性に優れた、押出加工性、押
出生産性の良い、安価な押出形材を得ることができる。
【0021】
【実施例】本発明におけるアルミニウム合金例を、従来
合金と比較しながら説明する。
【0022】
【0023】表1に示す合金A、Bが本発明による添加
成分量の例を示し、比較合金C、Dは本発明の効果を確
認するためのものであり、比較合金EはJIS7003
に相当するアルミニウム合金である。
【0024】
【0025】表2に示す押出形材は、図1に示す45m
m×90mm、肉厚2mmの断面形状のダブルホローの
角パイプを押出加工した材料の評価結果を示す。
【0026】記号の意味は、例えば、「A−(1)」に
て説明すると、Aは合金Aを使用したことを示し、添え
字(1)は直径204mmの円柱ビレットを鋳造し、4
60℃にて12時間均質化処理したビレットを用いて、
押出温度(ビレット加熱温度)440℃にて押出加工し
た後に、90℃×6時間+150℃×10時間の人工時
効処理したことを示し、添え字(2)は押出加工までは
(1)と同様であり、その後に押出形材を460℃にて
1時間加熱し、速やかに水冷して常温まで冷却した後
に、90℃×6時間+150℃×24時間の人工時効処
理した事を示す。
【0027】次に、材料特性の評価方法を説明する。引
張強度、0.2%耐力、伸びは、JISZ2241に基
づいて測定し、靱性は図2に示すように、半円球形状の
ポンチにて打ち抜き荷重を負荷し、その際の変位(S)
−荷重(F)曲線をとると、図3に示すグラフになる。
【0028】aは靱性が悪い場合に、途中で材料割れ性
が発生し、荷重が急激に低下する例を示す。bは靱性の
良い例であり、評価方法としては、S−F曲線にて得ら
れた積分値を測定し、JIS7003を用いたE−
(1)の値を100として指数評価した。
【0029】耐応力腐食割れ性は、JISH8711に
基づいて評価したが、腐食促進液はCrO3 、K2 Cr
2 7 、NaCl混合水溶液を用い、液温90℃に浸漬
し、割れ発生までの時間を測定した。
【0030】繊維状組織面積比率は、押出形材を鏡面研
磨した後にNaOH水溶液にてエッチング処理し、面積
比率を測定した。
【0031】押出加工性は、図1に示す形状のものを押
出した場合の割れ、変形、肌荒れ等の押出欠陥の発生し
ない、最高押出可能速度(m/分)を示し、押出速度が
速い方が押出加工性が良い。
【0032】
【発明の効果】表2にて示す結果から明らかなように、
本発明による合金A、Bを用いて押出加工し、所定の熱
処理をしたものは、高強度でありながら、靱性、耐応力
腐食割れ性に優れた特性を示し、また、押出加工性にお
いても優れた押出スピードを有するものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルミニウム合金を用いた押出形
材の断面例を示す。
【図2】靱性評価方法の模式図を示す。
【図3】靱性評価における変位(S)−荷重(F)曲線
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 691 C22F 1/00 691B 692 692B 692A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn:7.0〜9.0wt%、Mg:
    1.0〜1.5wt%、Cu:0.5〜1.5wt%、
    Mn:0.1〜0.5wt%、Cr:0.05〜0.3
    wt%、Zr:0.1〜0.2wt%、Ti:0.01
    〜0.05wt%を有し、残部がAlおよび不可避的不
    純物からなり、不純物Fe:0.15wt%以下、不純
    物Si:0.10wt%以下のアルミニウム合金を押出
    加工し、その後、440〜500℃に加熱し、1000
    ℃/分以上の速度で50℃以下に冷却し、その後、80
    〜160℃にて2段人工時効処理することにより、繊維
    状組織率が90%以上を有することを特徴とするアルミ
    ニウム合金。
JP17294297A 1997-06-13 1997-06-13 高強度・高靱性アルミニウム合金 Pending JPH116044A (ja)

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