JP2001355032A - 衝撃吸収性に優れたアルミニウム合金押出材 - Google Patents

衝撃吸収性に優れたアルミニウム合金押出材

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JP2001355032A
JP2001355032A JP2000175200A JP2000175200A JP2001355032A JP 2001355032 A JP2001355032 A JP 2001355032A JP 2000175200 A JP2000175200 A JP 2000175200A JP 2000175200 A JP2000175200 A JP 2000175200A JP 2001355032 A JP2001355032 A JP 2001355032A
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aluminum alloy
extruded material
aging
extruded
fibrous structure
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Shinji Makino
伸治 牧野
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Aisin Keikinzoku Co Ltd
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Aisin Keikinzoku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車の衝突時のエネルギー吸収性能を高める
ためのアルミニウム合金およびその製造方法の提供。 【解決手段】Si:0.5〜1.2wt%、Mg:0.4〜0.8wt%、Cu:
0.2〜0.7wt%、Zr:0.05〜0.15wt%、Cr:0.05〜0.15wt
%、Mn:0.10〜0.35wt%、Ti:0.005〜0.05wt%を含み、残
部がアルミニウムからなるアルミニウム合金を480〜520
℃に加熱して押出成形し、その後、溶体化および亜時
効、過時効の人工時効を施したアルミニウム合金押出形
材で、中央部が繊維状組織、両側表層部が再結晶組織に
することにより、衝撃吸収性に優れ、衝撃時の割れを抑
えて自動車の乗員を保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のサイドメン
バ、サイドルーフレール、バンパリィンホースメント等
の構造材に適した、衝撃吸収性に優れたアルミニウム合
金押出材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃費向上の一手段として、車体
の軽量化が要求されている中で、自動車構造材にアルミ
ニウム合金押出形材の適用が検討されている。
【0003】自動車の構造材としては、高強度、曲げ加
工性、耐食性が要求され、7000系アルミニウム合金
(Al−Zn−Mg系)および6000系アルミニウム
合金(Al−Mg−Si系)が注目されているが、70
00系アルミニウム合金は自然時効型合金であり、押出
成形から曲げ加工までに工程が長いと硬くなり、加工が
しにくくなる欠点があることから、熱処理合金として6
000系アルミニウム合金が特に有望視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の高強度
の6000系アルミニウム合金からなる押出材は、引張
り強度は高いが、伸び特性が充分でなく、曲げ加工時に
割れが発生しやすい欠点があった。
【0005】また、自動車の構造材に適用するには、車
両の衝突時の安全性を確保する必要があり、従来のアル
ミニウム合金押出材では、強い衝撃を受けた場合に細か
く分断し、竹が裂けたような所謂分断割れが発生し、衝
撃吸収性が悪く、特にバンパリィンホースメント等に適
用した場合には、分断割れ突起部による人員への二次的
危険性が存在する技術的課題があった。
【0006】そこで、本発明は自動車の構造材としてサ
イドルーフレール、サイドメンバ、バンパリィンホース
メントを製作する時点での曲げ加工性および車両の衝突
時の衝撃吸収性に優れたアルミニウム合金押出材の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る衝撃吸収性
に優れたアルミニウム合金押出材は、アルミニウム合金
成分と押出成形条件の最適化にて得られたものであり、
まず、アルミニウム合金の成分を以下に設定したもので
ある。
【0008】熱処理合金として強度を確保するために、
Si:0.5〜1.2wt%、Mg:0.4〜0.8w
t%とし、Mg2Siの析出硬化型合金をベースに、C
u:0.2〜0.7wt%添加することで強度を向上さ
せた。
【0009】Si:0.5wt%未満、Mg:0.4w
t%未満、また、Cu:0.2wt%未満では強度が低
下する不具合が生じる。
【0010】Mg:0.8wt%を越えると、強度が高
くなるものの、伸び特性が低下するとともに、押出加工
性が悪化し、また、Si:1.2wt%、Cu:0.7
wt%を越えると曲げ加工性、耐食性が低下するととも
に、押出加工性も悪くなるという不具合が生じる。
【0011】本発明においては、後述する押出成形条
件、熱処理条件にて材料中心部繊維状組織とし、上下表
層部分を再結晶組織とするサンドイッチ構造組織を得る
ために、Mn、Cr、Zrの成分配合の最適化を図った
点に特徴がある。
【0012】Zrはアルミニウム合金の押出成形時に押
出形材の再結晶化を抑え、繊維状組織にする効果があ
り、0.05wt%未満では効果が小さく、0.15w
t%を越えると効果が飽和する。
【0013】従って、より繊維状組織比率を高めるに
は、Zrに加えて、Mn、Crを添加するのが良い。
【0014】Mn:0.10wt%未満、Cr:0.0
5wt%未満では、それぞれ繊維状組織による効果が小
さく、Mn:0.35wt%、Cr:0.15wt%を
越えると、編析が著しくなるので、Mn:0.10〜
0.35wt%、Cr:0.05〜0.15wt%の範
囲が適正である。
【0015】アルミニウム合金の押出成形は、アルミニ
ウム合金を円柱状に鋳造してビレットを作り、押出加工
に供されるが、この鋳塊中の結晶粒を微細化するのにT
iの添加が効果があり、Ti:0.005〜0.05w
t%の範囲にすれば、押出材の金属組織が安定する。
【0016】0.05wt%を越えると微細化の効果が
飽和するのみならず、編析してしまう。
【0017】上述したアルミニウム合金を用いて、以下
の押出成形条件にて押出加工すると、押出材の断面金属
組織において、肉厚中央部が繊維状組織になり、両側表
層部が略粒状の再結晶組織になることが明らかになっ
た。
【0018】まず、アルミニウム合金ビレットを480
〜520℃に加熱し、押出材の成形スピード5〜20m
/分にて押出成形し、水冷またはエアー吹き付け空冷に
て150℃以下に冷却後に、押出材実体温度170〜2
20℃にて人工亜時効または人工過時効処理する。
【0019】ここで、亜時効の場合には0.5〜2.0
時間、過時効の場合には4〜48時間が望ましい。
【0020】このように、押出材の肉厚中央部を繊維状
組織にし、両側表層部を略粒状の再結晶組織の、いわゆ
るサンドイッチ構造組織にすることで、全面繊維状組織
では強度は高いが、衝撃時に分断割れが発しやすく、全
面再結晶組織では強度が不充分となるのを、相互に補完
できることが明らかになったものである。
【0021】断面繊維状組織比率は、自動車構造部品の
要求値に合わせて調整可能であるが、衝撃エネルギー吸
収性に優れるのは70〜90%の範囲、望ましくは70
〜75%の範囲が良い。
【0022】
【実施例】次に、本発明による効果も比較例と比較して
説明する。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示す成分組成のφ204mmのビレ
ットを通常の方法により鋳造し、その後、540℃の温
度で5時間均質化処理を施した。
【0025】なお、比較例2はJIS6N01相当、比
較例3はJIS6061相当のアルミニウム合金であ
り、比較例4はMn、Cr、Zrが本発明アルミニウム
合金の範囲より外れており、比較例5はSi、Mgが本
発明アルミニウム合金の範囲より外れているものであ
る。
【0026】次に、外形45mm×45mm、肉厚2m
mの角パイプの押出型を用いて、押出形材温度が530
℃、押出スピードを10m/分として、表1に示すビレ
ットを押出成形した。
【0027】次に、得られた押出形材を490〜530
℃の温度で保持30分、その後、水焼き入れする溶体化
処理を施し、その後、205℃の温度にて0.5〜24
Hrの時間にて亜時効、過時効の人工時効処理をした。
【0028】これらの供試材について、各々JISに定
められている引張り試験をして、引張り強度、0.2%
耐力、伸びを測定した。
【0029】次に、図1に示す、これらの角パイプを3
00mmの長さに切断し、軸方向の圧壊試験を実施し
た。
【0030】また、これらの各供試材を鏡面研磨仕上げ
を行い、その後、エッチングして金属組織を観察した。
これらの結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】なお、表2における軸圧壊試験の割れの評
価は、割れの発生のない場合を○、角パイプコーナー部
に割れが発生した場合を△、分断割れが発生した場合を
×で示した。
【0033】表2から明らかなように、本発明1は機械
的性質、エネルギー吸収量、割れ状態の全てにおいて優
れた特性を示す。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るア
ルミニウム合金の押出形材は、指定の成分、指定の製造
条件でアルミニウム合金ビレットを押出成形することに
より、押出材の中央部が繊維状組織、両側表層部を再結
晶組織にすることができ、衝撃吸収性の要求のある自動
車部品に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルミニウム合金を用いた押出形
材の断面形状を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 21/02 B62D 21/02 Z 25/06 25/06 A C22F 1/00 601 C22F 1/00 601 612 612 630 630B 682 682 683 683

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:0.5〜1.2wt%、Mg:
    0.4〜0.8wt%、Cu:0.2〜0.7wt%、
    Zr:0.05〜0.15wt%、Cr:0.05〜
    0.15wt%、Mn:0.10〜0.35wt%を有
    し、残部がAlおよび不可避的な不純物からなるアルミ
    ニウム合金を円柱形状に鋳造して得られたビレットを押
    出成形し、冷却後に亜時効または過時効に人工時効処理
    し、押出材肉厚中央部繊維状組織、両側表層部を略粒状
    の再結晶組織からなることを特徴とする衝撃エネルギー
    吸収性に優れたアルミニウム合金押出材。
  2. 【請求項2】 Si:0.5〜1.2wt%、Mg:
    0.4〜0.8wt%、Cu:0.2〜0.7wt%、
    Zr:0.05〜0.15wt%、Cr:0.05〜
    0.15wt%、Mn:0.10〜0.35wt%、T
    i:0.005〜0.05wt%を有し、残部がAlお
    よび不可避的な不純物からなるアルミニウム合金を円柱
    形状に鋳造して得られたビレットを押出成形し、冷却後
    に亜時効または過時効に人工時効処理し、押出材肉厚中
    央部繊維状組織、両側表層部を略粒状の再結晶組織から
    なることを特徴とする衝撃エネルギー吸収性に優れたア
    ルミニウム合金押出材。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008213839A (ja) * 2008-06-12 2008-09-18 Kobe Steel Ltd 対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金押出中空形材
CN103045919A (zh) * 2012-06-05 2013-04-17 湖南晟通科技集团有限公司 一种6系高强度铝合金及型材制造方法
US9353431B2 (en) 2011-06-23 2016-05-31 Uacj Corporation High-strength aluminum alloy material and process for producing the same
US9512510B2 (en) 2011-11-07 2016-12-06 Uacj Corporation High-strength aluminum alloy and process for producing same
US10208370B2 (en) 2014-01-29 2019-02-19 Uacj Corporation High-strength aluminum alloy and manufacturing method thereof

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