JP3539980B2 - アルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビーム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のサイドドア内に取り付けられる乗員保護のためのインパクトビームに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のサイドドア内部には、側部衝突時の乗員保護を目的として、インパクトビームが装着されつつある。インパクトビームは、衝突時のエネルギー吸収量が高いことが要求されるため、従来、通常100kgf/mm2 級の高張力鋼パイプ(以後、ハイテンパイプと呼ぶ)、あるいは150kgf/mm2 級のハイテンパイプが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ハイテンパイプでは、インパクトビームの質量が大きく(約1.5kg/m)、車体質量軽量化に対して問題となっている。さらに、FMVSS No.214(Side Door Strength )に準拠した曲げ試験において、負荷子直下部で局部的に座屈して急激な荷重低下を示すといった問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決し、軽量かつ高強度の自動車サイドドアインパクトビームを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明のアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームは、
Zn:4.0〜8.0重量%、Mg:1.5〜2.5重量%、及びCu:0.01〜0.5重量%を含有し、さらに、Ti:0.005〜0.30重量%、Mn:0.05〜0.2重量%、Cr:0.01〜0.5重量%、Zr:0.05〜0.3重量%、及びV:0.01〜0.15重量%からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がAl及び不純物からなるアルミニウム合金を、高さが25〜32mmの範囲としたソリッド形状又はホロー形状の断面形状に押し出した後に、T6処理を施してなることを特徴とする。
【0006】
T6処理とは、溶体化処理、焼き入れ、及び焼き戻しを順次施すことによって時効硬化を生じさせて強度を向上させる、即ちT6の調質を得る処理を意味する。この場合、焼き入れは水冷で行ない、焼き戻しは最高強度が得られる条件で行なうとよい。
【0007】
上記構成を有する本発明のアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームの組成、及びその割合の限定理由は、次の通りである。
Zn:室温における強度を上昇させる。4.0重量%未満ではT6処理において高い強度が得られず、8.0重量%を越えると応力腐蝕割れが発生しやすくなる。
【0008】
Mg:室温における強度を上昇させる。0.5重量%未満ではT6処理において高い強度が得られず、1.5重量%以上が好ましく、2.5重量%を越えると熱間加工性即ち押出性を劣化させ、また、応力腐食割れが発生しやすくなる。
Cu:応力腐食割れ性を改善する。0.01重量%未満では効果が少なく、0.5重量%を越えてもその改善効果は飽和するため、工業上メリットは少なく、また、溶接性を劣化させる。
【0009】
Ti:鋳造組織の微細化及び鋳造時の鋳塊割れの防止に効果がある。また、結晶粒微細化及び応力腐蝕割れ性の改善に効果がある。0.005重量%未満では効果が少なく、0.3重量%を越えると巨大な金属間化合物が晶出し、好ましくない。
【0010】
Mn、Cr、Zr、V:これらの元素は、結晶微細化及び応力腐蝕割れ性の改善に効果がある。それぞれの下限値未満では効果が少なく、上限値を越えて添加すると、一般に工業的に用いられるDC鋳造の時に巨大な晶出物を形成し、好ましくない。
【0011】
本発明のアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームは、上記の金属元素から構成されるアルミニウム合金を押しだした後に、T6処理を施してなる。
上記各々特徴的な作用を有する元素からなるアルミニウム合金に、T6処理を施すことによって、極めて機械的強度の向上されたアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームが得られる。これら元素は、互いに関与しあい、機械的性質を向上させているものと考えられる。しかもアルミニウムを主成分とするため、かなり軽量なものとなる。
【0012】
【実施例】
以上説明した本発明の構成・効果を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例を説明する。尚、組成割合は、合金全体の重量に基づくものである。Zn:5.5重量%、Mg:1.5重量%、Cu:0.15重量%、Mn:0.2重量%、Zr:0.16重量%からなるアルミニウム合金インゴットを、押出温度500℃、押出比20なる条件にて、断面を図1に示し、各寸法を表1に示すような2種の所謂ソリッド形状に押出を行った。
【0013】
【表1】
Figure 0003539980
【0014】
ここでは、高さHを25〜32mmの範囲とする。高さが25mm未満では曲げ強度不足となり、32mmを超えるとドア内部に入らなくなるからである。次いで、ソリッド形状押出材に475℃×1h→水冷→120℃×12hなるT6処理を施し、インパクトビームを得た。このインパクトビームの衝突時のエネルギー吸収量を調べるために、インパクトビーム又はパイプ1の端部2点A,Bを支持させ、中央部Cに荷重Pを負荷させる3点曲げ試験(第3図)を行い、従来のハイテンパイプと比較した。尚、ここで、ハイテンパイプは、通常の外径31.8mm、肉厚2.0mmなる形状のものを用いた。曲げ試験結果を図4及び表1に示す。
【0015】
図4及び表1から明らかなように、本発明によるソリッド形状アルミニウム合金押出材は、最大荷重についてはハイテンパイプのそれに極僅か劣るもののほぼ同じであり、しかもハイテンパイプのように局部座屈が生じず、負荷点変位140mmまでの吸収エネルギは、ハイテンパイプにくらべ向上され、それぞれ12%及び5%大きかった。また、質量もハイテンパイプにくらべて著しく減少され、それぞれ29%及び12%軽量となった。
【0016】
上記各実施例によれば、アルミニウム合金の組成及び押出形状をうまく選択し、T6処理をうまく施すことによって、従来用いられてきた高強度の材料よりも高強度かつ軽量のアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームを得ることができる。
【0017】
従って、自動車サイドドアインパクトビームでは、高強度である必要に加えて、ドア内部に装着されるために、寸法及び重量に制限があるが、本発明のアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームによって適当なものを得ることができる。
【0018】
尚、上記各実施例では、押出形状を、断面係数を高めて強度を高めたソリッド形状としているが、図2に示すような強度の高いホロー形状にすることもできる。但し、ソリッド形状の押出速度は、ホロー形状(約5m/min )の3倍(約15m/min)であり、極めて速いため、素材コストがより低減されている。 さらに、上記実施例においては、金属の組成割合を一つしか示していないけれども、本発明の範囲内の他の組成でも軽量かつ高強度の合金が得られた。また、Mn、ZrのかわりにTi、Cr、Vを用いた場合にも同様に軽量かつ高強度の合金が得られた。
【0019】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームによれば、軽量で、かつ極めて高強度にさせることができるという優れた効果を奏する。しかも、アルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームをソリッド形状にて形成させた場合には、軽量高強度である上に、押出速度が速く、コストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビームのソリッド形状を表す断面図である。
【図2】他の形状の例としてのホロー形状を表す断面図である。
【図3】本実施例において用いられた3点曲げ試験法を説明する説明図である。
【図4】本実施例におけるアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビーム及び比較のためのハイテンパイプ自動車サイドドアインパクトビームの負荷点変位に対する曲げ荷重を表すグラフである。

Claims (1)

  1. Zn:4.0〜8.0重量%、Mg:1.5〜2.5重量%、及びCu:0.01〜0.5重量%を含有し、さらに、Ti:0.005〜0.30重量%、Mn:0.05〜0.2重量%、Cr:0.01〜0.5重量%、Zr:0.05〜0.3重量%、及びV:0.01〜0.15重量%からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がAl及び不純物からなるアルミニウム合金を、高さが25〜32mmの範囲としたソリッド形状又はホロー形状の断面形状に押し出した後に、T6処理を施してなることを特徴とするアルミニウム合金製自動車サイドドアインパクトビーム。
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