JP4198101B2 - アルカリ現像性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エチレン性不飽和結合を有する特定の化合物を含有するアルカリ現像性樹脂組成物、及び該アルカリ現像性樹脂組成物に光重合開始剤を含有させてなるアルカリ現像性感光性樹脂組成物に関する。
アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含有するアルカリ現像性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有するものであり、このアルカリ現像性感光性樹脂組成物に紫外線若しくは電子線を照射することによって重合硬化させることができるので、光硬化性インキ、感光性印刷版、プリント配線版、各種フォトレジスト等に用いられている。最近、電子機器の軽薄短小化や高機能化の進展に伴い、微細パターンを精度良く形成することができるアルカリ現像性感光性樹脂組成物が望まれている。
このアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物として、下記特許文献1には、光重合性不飽和化合物及び該化合物を含有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物が提案されている。また、下記特許文献2には、ポリカルボン酸樹脂を含有する樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する感光性樹脂組成物が提案されている。また、下記特許文献3には、アルカリ可溶性不飽和樹脂及び該樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物が提案されている。しかし、これらの公知のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、感度が充分でなく、適切なパターン形状や微細パターンを得ることが困難であった。そのため、透明性、密着性及び耐アルカリ性に優れ、微細パターンを精度良く形成できるアルカリ現像性感光性樹脂組成物が望まれていた。
特許第3148429号公報 特開2003−107702号公報 特開2003−89716号公報
解決しようとする問題点は、上述したように、感度が充分で、適切なパターン形状や微細パターンを得ることのできるアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物がこれまでなかったということである。
従って、本発明の目的は、感度、解像度、透明性、密着性、耐アルカリ性等に優れ、微細パターンを精度良く形成できるアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(A)に、不飽和一塩基酸(B)並びにフェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物及びカルボン酸より選択される化合物(C)を付加させた構造を有するエポキシ付加物に対し、多塩基酸無水物(D)をエステル化させて得られた反応生成物を含有するアルカリ現像性樹脂組成物で、上記エポキシ付加物は、上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸(B)のカルボキシル基が0.1〜1.0個で、上記化合物(C)のフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基又はカルボキシル基が0〜0.9個で、かつ上記不飽和一塩基酸(B)及び上記化合物(C)の和が0.1〜1.0個となる比率で付加させた構造を有し、上記エステル化は、上記エポキシ付加物の水酸基1個に対し、上記多塩基酸無水物(D)の酸無水物構造が0.1〜1.0個となる比率で行なわれるアルカリ現像性樹脂組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記アルカリ現像性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有するアルカリ現像性感光性樹脂組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、透明性、密着性、耐アルカリ性等に優れ、微細パターンを精度良く形成できる。
以下、本発明のアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物は、上記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(A)に、不飽和一塩基酸(B)並びにフェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物及びカルボン酸より選択される化合物(C)を、上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸(B)のカルボキシル基が0.1〜1.0個となる比率で、上記化合物(C)のフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基又はカルボキシル基が0〜0.9個となる比率で、かつ(B)成分及び(C)成分の和が0.1〜1.0個となる比率で付加させた構造を有するエポキシ付加物に対し、多塩基酸無水物(D)を、上記エポキシ付加物の水酸基1個に対し酸無水物構造が0.1〜1.0個となる比率でエステル化させて得られた反応生成物を含有する。
上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1個に対して、上記不飽和一塩基酸(B)のカルボキシル基の比率は好ましくは0.4〜1.0個であり、上記化合物(C)のフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基又はカルボキシル基の比率は好ましくは0〜0.6個であり、(B)成分及び(C)成分の和は好ましくは0.4〜1.0個である。また、上記エポキシ付加物の水酸基1個に対し、多塩基酸無水物(D)の酸無水物構造の比率は好ましくは0.4〜1.0個である。
上記一般式(I)中、Cyで示される炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられ、Y及びZで示される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、へプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル等が挙げられ、炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル等が挙げられ、炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル、プロペニル等が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物の調製に用いられるエポキシ樹脂(A)は、トリアリールモノシクロアルキルメタン骨格を有することにより、硬化物の基材への密着性、耐アルカリ性、加工性、強度等が優れるため、非硬化部を現像除去する際に、微細パターンであっても鮮明な画像を精度良く形成できるものと考えられる。エポキシ樹脂(A)としては、上記一般式(I)において、Cyがシクロヘキシル基であるもの;Xがフェニル基であるもの;p及びrが0であるもの;nが0〜5、特に0〜1であるものが好ましい。
上記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(A)の具体例としては、以下の化合物No.1〜No.9の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により何ら制限を受けるものではない。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物に含有される、(A)成分に(B)成分及び必要に応じて(C)成分を付加させた後、(D)成分をエステル化して得られる反応生成物は、例えば、下記[化11]の反応式で示される方法によって製造することができる。
まず、(A)成分であるエポキシ樹脂(1)に、(B)成分である不飽和一塩基酸(2)及び必要に応じて(C)成分であるフェノール化合物等(3)を付加させて、エポキシ付加物である化合物(4)を含む樹脂組成物を得る。続いて、化合物(4)に、(D)成分である多塩基酸無水物(5)を反応させてエステル化反応を行い、目的とする反応生成物である化合物(6)を含む樹脂組成物を得る。更に、任意で、化合物(6)に、(E)成分であるエポキシ化合物(7)を反応させて、化合物(8)を含む樹脂組成物を得ることができる。
上記[化11]に示したエポキシ付加物である化合物(4)を得る方法は、上記の方法に限定されるわけではなく、例えば、化合物(4)におけるnが0の場合、下記[化12]の反応式に示すように、ビスフェノール(9)とグリシジルメタクリレート(10)を含むモノエポキシ化合物とを反応させる方法によって化合物(4)を得ることもできる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物を得るために使用される不飽和一塩基酸(B)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキシエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物を得るために使用される化合物(C)として用い得るフェノール化合物としては、例えば、フェノール、クロロフェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、クミルフェノール、第三ブチルフェノール、第三アミルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、イソオクチルフェノール、第三オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール、2,4−ジ第三ブチルフェノール、2,5−ジ第三ブチルフェノール、3,5−ジ第三ブチルフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、4−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、テルペンフェノール、ナフトール等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物を得るために使用される化合物(C)として用い得るアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソプロパノール、sec−ブチルアルコール、2−ペンチルアルコール、3−ペンチルアルコール、2−へキシルアルコール、3−へキシルアルコール、2−へプチルアルコール、3−へプチルアルコール、4−へプチルアルコール、2−オクチルアルコール、3−オクチルアルコール、4−オクチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−メチルブタン−2−オール、2−メチルペンタン−2−オール、2−メチルヘキサン−2−オール、2−メチルヘプタン−2−オール等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物を得るために使用される化合物(C)として用い得るアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジへプチルアミン、ジオクチルアミン、モルホリン、ピペリジン等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物を得るために使用される化合物(C)として用い得るカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、乳酸、酪酸、オクチル酸、ラウリン酸、リノール酸、リシノール酸、安息香酸、トルイル酸、桂皮酸、フェニル酢酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂肪族、芳香族又は脂環式モノカルボン酸が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物を得るために使用される多塩基酸無水物(D)としては、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、2,2’−3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等の一無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラスルホン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の二無水物が挙げられ、これらの中でも、二酸無水物、又は二酸無水物と一酸無水物との組み合わせが好ましい。
本発明において、上記エポキシ化合物(E)は、酸価調整のために用いられるもので、本発明のアルカリ現像性樹脂組成物の現像性を改良するために用いることができる。エポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、プロパルギルグリシジルエーテル、p−メトキシエチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−メトキシグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、2−メチルクレジルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p−クミルフェニルグリシジルエーテル、トリチルグリシジルエーテル、2,3−エポキシプロピルメタクリレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、グリシジルブチレート、ビニルシクロヘキサンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、スチレンオキシド、ピネンオキシド、メチルスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、下記化合物No.10、N0.11等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物は、固形分の酸価が60〜120mgKOH/gの範囲であることが好ましく、エポキシ化合物(E)の使用量は、上記酸価を満たすように選択するのが好ましい。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物は、さらに光重合開始剤を加えてアルカリ現像性感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、通常、必要に応じて、前記の各成分を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノールを加えた溶液状組成物として用いられる。該溶液状組成物中、溶媒の含有量は、30〜90重量%、特に40〜70重量%が好ましい。
(A)成分に(B)成分及び必要に応じて(C)成分を付加させた後(D)成分をエステル化し、さらに必要に応じて(E)成分を反応させて得られた反応生成物の含有量は、上記溶液状組成物中、1〜70重量%、特に3〜30重量%が好ましい。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物に用いる上記光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4'−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4'−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4'−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9'−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2'−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、下記化合物No.12、No.13等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物において、上記光重合開始剤の含有量は、本発明のアルカリ現像性樹脂組成物に溶媒を加えた上記溶液状組成物に対して、0〜30重量%、特に0.5〜5重量%が好ましい。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物には、さらに不飽和結合を有するモノマー、連鎖移動剤、界面活性剤等を併用することができる。
上記不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸N−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ステアリル 、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸亜鉛、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4-メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物には、さらに熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、ポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル等が挙げられる。
また、本発明のアルカリ現像性樹脂組成物及びアルカリ現像性感光性樹脂組成物には、必要に応じて、アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤等の慣用の添加物を加えることができる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、光硬化性塗料、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線板用フォトレジスト等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
また、本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1] アルカリ現像性樹脂組成物No.1の製造
<ステップ1>1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタンの製造
ビフェニルシクロヘキシルケトン70.5g、フェノール200.7g及びチオ酢酸10.15gを仕込み、トリフルオロメタンスルホン酸40.0gを18℃で20分かけて滴下した。17〜19℃で18時間反応後、水500gを加えて反応を停止させ、トルエン500gを加え、有機層をpH3〜4になるまで水洗して有機層を分離した。トルエン、水及び過剰のフェノールを留去した。残さにトルエンを加えて析出した固体をろ別し、トルエンで分散洗浄して淡黄色結晶59.2g(収率51%)を得た。該淡黄色結晶の融点は239.5℃であり、該淡黄色結晶は目的物であることを確認した。
<ステップ2>1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタンの製造
ステップ1で得られた1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン57.5g及びエピクロルヒドリン195.8gを仕込み、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.602gを加えて64℃で18時間攪拌した。続いて54℃まで降温し、24重量%水酸化ナトリウム水溶液43.0gを滴下し、30分攪拌した。エピクロルヒドリン及び水を留去し、メチルイソブチルケトン216gを加えて水洗後、24重量%水酸化ナトリウム2.2gを滴下した。80℃で2時間攪拌後、室温まで冷却し、3重量%モノリン酸ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行った。溶媒を留去して、黄色固体を57g(収率79%)を得た。(融点64.2℃、エポキシ当量282、n=0.04)。該黄色結晶は目的物であることを確認した。
<ステップ3>アルカリ現像性樹脂組成物No.1の製造
ステップ2で得られた1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン(以下、化合物aともいう)43g、アクリル酸(以下、化合物bともいう)11g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート35g及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、化合物d−1ともいう)9.4gを加えて120℃で8時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸(以下、化合物d−2ともいう)6.0gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.1を得た(Mw=4000、Mn=2100、酸価(固形分)86mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性樹脂組成物No.1が含有する反応生成物は、(A)成分である化合物aに(B)成分である化合物bを付加させた構造を有するエポキシ付加物の水酸基1個に対し、(D)成分である化合物d−1及び化合物d−2の酸無水物構造が0.68個の比率で、エポキシ付加物と化合物d−1及び化合物d−2とをエステル化反応させて得られたものである。また、上記エポキシ付加物は、化合物aのエポキシ基1個に対し、化合物bのカルボキシル基が1.0個の比率で付加させた構造を有するものである。
[実施例2]アルカリ現像性樹脂組成物No.2の製造
1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン(化合物a)43g、アクリル酸(化合物b)11g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート35g及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物(化合物d−1)16gを加えて120℃で8時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸(化合物d−2)0.7gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.2を得た(Mw=8100、Mn=2900、酸価(固形分)89mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性樹脂組成物No.2が含有する反応生成物は、(A)成分である化合物aに(B)成分である化合物bを付加させた構造を有するエポキシ付加物の水酸基1個に対し、(D)成分である化合物d−1及び化合物d−2の酸無水物構造が0.74個の比率で、エポキシ付加物と化合物d−1及び化合物d−2とをエステル化反応させて得られたものである。また、上記エポキシ付加物は、化合物aのエポキシ基1個に対し、化合物bのカルボキシル基が1.0個の比率で付加させた構造を有するものである。
[実施例3] アルカリ現像性樹脂組成物No.3の製造
1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン(化合物a)43g、アクリル酸(化合物b)11g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート35g、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(化合物d−1)16g及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド39mgを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.3を得た(Mw=8600、Mn=3000、酸価(固形分)87mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性樹脂組成物No.3が含有する反応生成物は、(A)成分である化合物aに(B)成分である化合物bを付加させた構造を有するエポキシ付加物の水酸基1個に対し、(D)成分である化合物d−1の酸無水物構造が0.71個の比率で、エポキシ付加物と化合物d−1とをエステル化反応させて得られたものである。また、上記エポキシ付加物は、化合物aのエポキシ基1個に対し、化合物bのカルボキシル基が1.0個の比率で付加させた構造を有するものである。
[実施例4] アルカリ現像性樹脂組成物No.4の製造
1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン(化合物a)43g、アクリル酸(化合物b)11g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート35g及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物(化合物d−1)10gを加えて120℃で8時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸(化合物d−2)6gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、クレジルグリシジルエーテル(化合物e)6.3gを加えて120℃で10時間攪拌した。50℃まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.4を得た(Mw=4700、Mn=2500、酸価(固形分)45mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性樹脂組成物No.4が含有する反応生成物は、(A)成分である化合物aに(B)成分である化合物bを付加させた構造を有するエポキシ付加物の水酸基1個に対し、(D)成分である化合物d−1及び化合物d−2の酸無水物構造が0.7個の比率で、エポキシ付加物と化合物d−1及び化合物d−2とをエステル化反応させて得られたものに、さらに、酸無水物構造に由来するカルボキシル基の0.36個を(E)成分である化合物eでエステル化した構造である。また、上記エポキシ付加物は、化合物aのエポキシ基1個に対し、化合物bのカルボキシル基が1個の比率で付加させた構造を有するものである。
[実施例5] アルカリ現像性樹脂組成物No.5の製造
1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン(化合物a)43g、フェノール(以下、化合物cともいう)5.7g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート25gを加え、115℃まで加熱した。トリフェニルホスフィン0.2gを加えて120℃で4時間攪拌し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート50gを加えて50℃まで冷却した。2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール48mg、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド0.49g及びアクリル酸(化合物b)6.6gを加え、120℃で5時間攪拌し、50℃まで冷却した。ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(化合物d−1)10.27gを加えて120℃で8時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸(化合物d−2)6.23gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌した。50℃まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート58.3gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.5を得た(Mw=4300、Mn=2200、酸価(固形分)87mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性樹脂組成物No.5が含有する反応生成物は、(A)成分である化合物aに(B)成分である化合物b及び(C)成分である化合物cを付加させた構造を有するエポキシ付加物の水酸基1個に対し、(D)成分である化合物d−1及び化合物d−2の酸無水物構造が0.73個の比率で、エポキシ付加物と化合物d−1及び化合物d−2とをエステル化反応させて得られたものである。また、上記エポキシ付加物は、化合物aのエポキシ基1個に対し、化合物bのカルボキシル基が0.6個、化合物cのフェノール性水酸基が0.4個、化合物b及び化合物cの和が1.0個の比率で付加させた構造を有するものである。
[実施例6] アルカリ現像性樹脂組成物No.6の製造
1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン(化合物a)43g、フェノール(化合物c)7.1g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート25gを加え、115℃まで加熱した。トリフェニルホスフィン0.2gを加えて120℃で4時間攪拌し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート50gを加えて50℃まで冷却した。2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール48mg、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド0.49g及びアクリル酸(化合物b)5.5gを加え、120℃で5時間攪拌し、50℃まで冷却した。ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(化合物d−1)10.27gを加えて120℃で8時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸(化合物d−2)6.23gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌した。50℃まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート58.3gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.6を得た(Mw=4400、Mn=2230、酸価(固形分)86mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性樹脂組成物No.6が含有する反応生成物は、(A)成分である化合物aに(B)成分である化合物b及び(C)成分である化合物cを付加させた構造を有するエポキシ付加物の水酸基1個に対し、(D)成分である化合物d−1及び化合物d−2の酸無水物構造が0.7個の比率で、エポキシ付加物と化合物d−1及び化合物d−2とをエステル化反応させて得られたものである。また、上記エポキシ付加物は、化合物aのエポキシ基1個に対し、化合物bのカルボキシル基が0.5個、化合物cのフェノール性水酸基が0.5個、化合物b及び化合物cの和が1.0個の比率で付加させた構造を有するものである。
[実施例7]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1の製造
実施例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.1の14gに対し、トリメチロールプロパントリアクリレート5.9g、ベンゾフェノン2.1g及びエチルセロソルブ78gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1を得た。
[実施例8]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.2の製造
実施例2で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.2の14gに対し、トリメチロールプロパントリアクリレート5.9g、ベンゾフェノン2.1g及びエチルセロソルブ78gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.2を得た。
[実施例9]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.3の製造
実施例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.1の12gに対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8.1g、ベンゾフェノン1.9g、エチルセロソルブ47g及びシクロヘキサノン31gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.3を得た。
[実施例10]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.4の製造
実施例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.1の7.2gに対し、トリメチロールプロパントリアクリレート4.3g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン1.5g及びエチルセロソルブ87gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.4を得た。
[実施例11]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5の製造
実施例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.1の20gに対し、トリメチロールプロパントリアクリレート8.7g、アクリル系共重合体4.6g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン1.7g及びエチルセロソルブ65gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5を得た。
尚、上記アクリル系共重合体は、メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部及びブチルメタクリレート55重量部をエチルセロソルブ300重量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75重量部を加えて70℃で5時間反応させることにより得られたものである。
[比較例1] アルカリ現像性樹脂組成物No.7の製造
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量231)184g、アクリル酸58g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.26g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート35g、ビフタル酸無水物59g及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.24gを加えて120℃で4時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸20gを加え、120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート90gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物のアルカリ現像性樹脂組成物No.7を得た(Mw=5000、Mn=2100、酸価(固形分)92.7mgKOH/g)。
[比較例2] アルカリ現像性樹脂組成物No.8の製造
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190)154g、アクリル酸59g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.26g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート365g、ビフタル酸無水物67g及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.24gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート90gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物のアルカリ現像性樹脂組成物No.8を得た(Mw=7500、Mn=2100、酸価(固形分)91mgKOH/g)。
[比較例3] アルカリ現像性樹脂組成物No.9の製造
<ステップ1>1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)エタンの製造
フェノール75g及び4−アセチルビフェニル50gを60℃で加熱溶解させ、3−メルカプトプロピオン酸5gを加えて攪拌しながら塩化水素ガスを24時間吹き込み、その後72時間反応させた。70℃の温水で洗浄した後、減圧下で180℃まで加熱して蒸発物を留去した。残渣にキシレンを加えて冷却し、析出した結晶をろ取、減圧乾燥して淡黄色結晶65g(収率68%)を得た。該淡黄色結晶の融点は184℃であり、該淡黄色結晶は目的物であることを確認した。
<ステップ2>1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)エタンの製造
ステップ1で得られた1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)エタン37g及びエピクロルヒドリン149.5gを仕込み、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.45gを加えて64℃で18時間攪拌した。続いて54℃まで降温し、24重量%水酸化ナトリウム水溶液32.6gを滴下し、30分攪拌した。エピクロルヒドリン及び水を留去し、メチルイソブチルケトン140gを加えて水洗後、24重量%水酸化ナトリウム1.7gを滴下した。80℃で2時間攪拌後、室温まで冷却し、3重量%モノリン酸ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行った。溶媒を留去して、黄色粘性液体38.7g(収率80%)を得た。(エポキシ当量248、n=0.04)。該黄色粘性液体は目的物であることを確認した。
<ステップ3>アルカリ現像性樹脂組成物No.9の製造
1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)エタン49.6g、アクリル酸14.4g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.14g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート27.4gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート41.5g及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物12.4gを加えて120℃で8時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸7.9gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート34gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物のアルカリ現像性樹脂組成物No.9を得た(Mw=3700、Mn=1900、酸価(固形分)93mgKOH/g)。
[比較例4]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.6の製造
比較例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.7の14gに対し、トリメチロールプロパントリアクリレート5.9g、ベンゾフェノン2.1g及びエチルセロソルブ78gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.6を得た。
[比較例5]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.7の製造
比較例2で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.8の14gに対し、トリメチロールプロパントリアクリレート5.9g、ベンゾフェノン2.1g及びエチルセロソルブ78gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.7を得た。
[比較例6] アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.8の製造
比較例3で得られたアルカリ現像性樹脂組成物No.9の14gに対し、トリメチロールプロパントリアクリレート5.9g、ベンゾフェノン2.1g及びエチルセロソルブ78gを加えてよく攪拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.8を得た。
得られたアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜8の評価を以下のようにして行った。
すなわち、基板上にr−グリシドキシプロピルメチルエトキシシランをスピンコートして良くスピン乾燥させた後、上記アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜7をスピンコート(1300r.p.m、50秒間)し乾燥させた。70℃で20分間プリベークを行った後、ポリビニルアルコール5重量%溶液をコートして酸素遮断膜とした。70℃で20分間の乾燥後、所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後、2.5重量%炭酸ナトリウム溶液に25℃で30秒間浸漬して現像し、良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてパターンを定着させた。得られたパターンについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<感度>
露光時に、露光量が100mJ/cm2で十分だったものをa、100mJ/cm2では不十分で、200mJ/cm2で露光したものをbとした。
<解像度>
露光現像時に、線幅10μm以下でも良好にパターン形成できたものをA、線幅10〜30μmであれば良好にパターン形成できたものをB、線幅30μm以上のものでないと良好なパターン形成ができなかったものをCと評価した。
<密着性>
JIS D 0202の試験方法に従い、塗膜に基盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハンテープによってピーリングテストを行い、基盤目の剥離の状態を目視により評価した。全く剥離が認められなかったものを○、剥離が認められたものを×とした。
<耐アルカリ性>
加熱処理後の塗膜をa)5重量%NaOHaq.中24時間、b)4重量%KOHaq.中50℃で10分間、c)1重量%NaOHaq.中80℃で5分間の条件で浸漬し、浸漬後の外観を目視により評価した。外観変化もなくレジストの剥離も全くなかったものを○、レジストの浮きが見られたりレジストの剥離が認められたものを×とした。
実施例7〜11のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、高感度で解像度に優れるものであり、また、得られた塗膜は、基板との密着性、耐アルカリ性に優れるものであった。
それに対して、比較例4〜6のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、感度が低いため露光量を多くせざるを得ず、解像度が低下し、線幅30μm以上でないと形成できず、また、得られた塗膜の基板との密着性、耐アルカリ性も思わしくなかった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(A)に、不飽和一塩基酸(B)並びにフェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物及びカルボン酸より選択される化合物(C)を付加させた構造を有するエポキシ付加物に対し、多塩基酸無水物(D)をエステル化させて得られた反応生成物を含有するアルカリ現像性樹脂組成物で、
    上記エポキシ付加物は、上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸(B)のカルボキシル基が0.1〜1.0個で、上記化合物(C)のフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基又はカルボキシル基が0〜0.9個で、かつ上記不飽和一塩基酸(B)及び上記化合物(C)の和が0.1〜1.0個となる比率で付加させた構造を有し、
    上記エステル化は、上記エポキシ付加物の水酸基1個に対し、上記多塩基酸無水物(D)の酸無水物構造が0.1〜1.0個となる比率で行なわれるアルカリ現像性樹脂組成物。
  2. 上記反応生成物に、さらにエポキシ化合物(E)を反応させた請求項1記載のアルカリ現像性樹脂組成物。
  3. 上記一般式(I)中、Cyがシクロヘキシル基であり、Xがフェニル基であり、p及びrが0である請求項1又は2記載のアルカリ現像性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ現像性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有するアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
JP2004271688A 2004-09-17 2004-09-17 アルカリ現像性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP4198101B2 (ja)

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