JP4178764B2 - 車両衝突試験装置のピットの閉塞装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両衝突試験装置に設けられたピットの開口部を閉塞する装置に関するものであり、更に詳しくは、前記開口部を、一般ピットカバーと透明ピットカバーのうちのいずれかを選択して閉塞させる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両衝突試験装置は、エンドレスのワイヤロープで牽引することによって所定の速度で走行させたテスト車両Tを、衝突バリア(図示せず)に衝突させたり、或いは、2両のテスト車両Tどうしを衝突させて、その損壊状況を試験したり、撮影したりするための装置である。そして、図13に示されるように、車両衝突試験装置における衝突地点の下方には、ピットPが設けられている。テスト車両Tの衝突試験が行われるとき、ピットPの開口部51は、例えばコンクリートより成る一般ピットカバー(コンクリートカバーC1 )によって閉塞されている。このコンクリートカバーC1 は、前記開口部51の周縁部に取付けられた支持部材52に載置された状態で支持されている。前記コンクリートカバーC1 の上面は、テスト車両Tの走行路面Rとほぼ同一の高さ位置に配置されている。
【0003】
前記テスト車両Tの衝突時の損壊状況を、その直下から写真撮影する場合がある。このとき、ピットP内にカメラKが設置される。そして、コンクリートカバーC1 が取り外されて、例えば透明アクリルより成る透明ピットカバー(透明アクリルカバーC2 )が装着され(図9参照)、該透明アクリルカバーC2 によってピットPの開口部51が閉塞される。この交換作業は、各カバーC1,C2 が重量物であることに加え、ピットPの開口部51を開放した状態で行われるため、的確な作業を行うことが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した不具合に鑑み、一般ピットカバーと透明ピットカバーのうちのいずれかのピットカバーで、ピットの開口部を閉塞する作業を的確にできるようにすることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、撮影用の透明ピットカバーと、一般ピットカバーのいずれかを選択して、車両衝突試験装置の衝突地点に設けられたピットの開口部を閉塞する装置であって、前記透明ピットカバーを下方から昇降可能に支持するための支持ロッドを備えた複数基のカバー支持ユニットが、前記ピットの開口部の内壁面にそれぞれ取付けられて、前記透明ピットカバーによる閉塞時には、前記カバー支持ユニットにより、前記透明ピットカバーを上昇させて閉塞位置に配置し、前記一般ピットカバーによる閉塞時には、前記カバー支持ユニットにより、前記透明ピットカバーを前記閉塞位置の下方の退避位置に下降させた状態で、前記透明ピットカバーの上面に支持脚体を介して前記一般ピットカバーを、前記閉塞位置に配置した状態で支持することを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の発明の場合、二段に設置された撮影用の透明ピットカバーと、一般ピットカバーは、複数基のカバー支持ユニットによって支持されている。このとき、ピットの開口部は、前記一般ピットカバーによって閉塞されているため、車両の衝突試験が可能である。また、前記透明ピットカバーは、前記一般ピットカバーよりも下方の退避位置に配置されている。この一般ピットカバーを、撮影用の透明ピットカバーに交換する場合、次のようにして行う。前記カバー支持ユニットにより、下方から透明ピットカバーを上昇させる。それに伴い、一般ピットカバーは、車両の走行路面よりも上昇される。この状態で、上側の一般ピットカバーを取り除く。ピットの開口部は、透明ピットカバーによって閉塞されているため、透明ピットカバー上での車両の衝突試験が可能である。このように、ピットの開口部は、一般ピットカバーと透明ピットカバーのいずれかにより、常に閉塞されるため、ピットカバーの交換作業、即ち、いずれかのピットカバーによって、ピットの開口部を閉塞する作業を的確に行うことができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明を前提として、前記支持ロッドは、油圧シリンダにより昇降されることを特徴としている。このため、カバー支持ユニットの構成が簡単になると共に、その大きさをコンパクトなものにすることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明を前提として、前記カバー支持ユニットは、水平方向に進退して、上昇状態の支持ロッドの下端部を保持する保持具を備えていることを特徴としている。即ち、上昇された状態で閉塞位置に配置されたピットカバーは、カバー支持ユニットを構成する支持ロッドによって、その上昇状態が確実に支持される。このため、上昇状態のピットカバーが、下降するおそれは全くない。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明を前提として、前記カバー支持ユニットは、一対の支持ロッドの間に油圧シリンダが配置された構成であることを特徴としている。即ち、ピットカバーは、一対の支持ロッドによってガイドされた状態で昇降される。このため、前記ピットカバーが傾いたりすることなく、スムーズに昇降される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明に係る閉塞装置Aの正面断面図、図2はピットPの開口部1の平面図、図3は図2のX−X線断面図、図4はコンクリートカバーC1 が閉塞位置に配置された状態の閉塞装置単体Bの下方からの斜視図、図5は同じく正面図、図6は同じく平面図、図7は同じく側面断面図である。図1及び図2に示されるように、本実施例のピットPの閉塞装置Aは、平面視におけるピットPの開口部1の内壁面1aに配設された複数基(本実施例の場合、8基)の閉塞装置単体Bから構成されている。各閉塞装置単体Bは、いずれも同一構造であり、上下の各スペーサ2,3を介して二段に設置された2枚のピットカバー(コンクリートカバーC1 と透明アクリルカバーC2 )のうち、下側に配置された透明アクリルカバーC2 を、下方から昇降可能に支持するためのカバー支持ユニットU1 と、前記下側の透明アクリルカバーC2 が閉塞位置(テスト車両Tの走行路面Rと同一高さとなる位置)に配置されたときに、該透明アクリルカバーC2 を下方から支持するためのストッパユニットU2 とから構成されている。
【0011】
最初に、ピットPについて説明する。図1ないし図3に示されるように、本実施例のピットPの開口部1は、平面視において方形状であり、正面断面視において下側が広くなっている。本実施例の場合、テスト車両Tの走行路面RからピットPの床面までの高さは、約7mである。そして、開口部1の内壁面1aと連続する内側の天井壁面4には、その周方向に沿って、H形鋼より成る枠材5が固着されている。この枠材5には、その長手方向と直交して、多数本のブラケット6が固着されていて、各ブラケット6の先端部には、前記枠材5とほぼ平行にして、複数本(本実施例の場合、8本)の各支持部材7が固着されている。これらの支持部材7は、ピットPの開口部1の内壁面1aよりも内方に突出した状態で取付けられていて、退避位置(後述)に配置された透明アクリルカバーC2 を載置して、支持するためのものである。なお、図2において、8は、テスト車両Tを牽引するドーリ(図示せず)を走行させるためのレールである。
【0012】
次に、各ピットカバー(コンクリートカバーC1 及び透明アクリルカバーC2 )について説明する。図2及び図3に示されるように、各カバーC1,C2 は、ピットPの開口部1に対応する方形状であり、その大きさは、前記開口部1の内側寸法よりも僅かに小さい。そして、上下の各カバーC1,C2 どうしの間で、それらの周辺部分には、H形鋼より成る上側のスペーサ2が介装されていると共に、下側の透明アクリルカバーC2 の周辺部分の下方には、同じく下側のスペーサ3が設置されている。そして、各カバーC1,C2 は、前記下側のスペーサ3が、各支持部材7に載置されることによって支持されている。そして、この状態で、コンクリートカバーC1 が閉塞位置に配置される。即ち、コンクリートカバーC1 の上面が、テスト車両T(図1参照)の走行路面Rとほぼ同一の高さ位置に配置されている。なお、図3において、9は、透明アクリルカバーC2 を保護するために、該透明アクリルカバーC2 と上下の各スペーサ2,3との間に装着された当板である。
【0013】
次に、閉塞装置単体Bについて説明する。この閉塞装置単体Bは、カバー支持ユニットU1 とストッパユニットU2 とから構成されている。最初に、カバー支持ユニットU1 について説明する。図4ないし図7に示されるように、ピットPにおける各支持部材7どうしの間の天井壁面4で、開口部1の内壁面1aに臨む部分には、所定の間隔をおいて、H形鋼より成る2本のブラケット11が垂下されている。これらのブラケット11の正面側には、両ブラケット11に跨がってベース板12が固着されている。このベース板12の上部には、幅方向に所定の間隔をおいて一対の第1ガイドスリーブ13が取付けられていて、各第1ガイドスリーブ13には、それぞれ第1ガイドロッド14が挿通されている。各第1ガイドロッド14は、前記各第1ガイドスリーブ13に支持されて昇降可能である。そして、各第1ガイドロッド14の上端部は、平板状の第1連結板15の両端部に連結されている。このため、一対の第1ガイドロッド14は、常に一体となって昇降される。また、これらの第1ガイドロッド14は、上昇した状態で、ストッパユニットU2 (後述)を構成する第2ガイドロッド24の受け部24aに載置されることによって支持される。そのため、各第1ガイドロッド14の下端部14aは、前記第2ガイドロッド24に傾いた状態で当接しないように、半球状を呈している。
【0014】
そして、正面視における一対の第1ガイドロッド14の間には、第1油圧シリンダ16が、高さ方向に沿って取付けられている。前記第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16aの上端部には、前記第1連結板15を押し上げるための当接板17が取付けられている。コンクリートカバーC1 が閉塞位置に配置された状態で、第1油圧シリンダ16を作動させて、そのシリンダロッド16aを上昇させると、前記当接板17が第1連結板15に当接し、該第1連結板15を押し上げる。それに伴い、一対の第1ガイドロッド14が、各第1ガイドスリーブ13にガイドされながら、前記第1連結板15と一体に上昇される。各閉塞装置単体Bを構成するそれぞれの第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16aは、すべて同期して昇降するように構成されている。なお、図5において、18は、前記第1油圧シリンダ16を支持するためのブラケットである。
【0015】
次に、ストッパユニットU2 について説明する。このストッパユニットU2 は、上記した一対の第1ガイドロッド14を上昇させた状態で保持させるためのものである。図4、図6及び図7に示されるように、ベース板12の背面側には、側面視において略L字状のシリンダブラケット19が固着されている。このシリンダブラケット19の奥側の部分で、幅方向のほぼ中央部には、シリンダ取付板21が立設されていて、該シリンダ取付板21に第2油圧シリンダ22が、水平に取付けられている。そして、前記シリンダブラケット19の底部で、幅方向の両側には、一対の角筒状の第2ガイドスリーブ23が取付けられている。各第2ガイドスリーブ23には、それぞれ水平な挿通孔23aが設けられていて、各挿通孔23aに、それぞれ第2ガイドロッド24が挿通されている。これらの第2ガイドロッド24の後端部は、第2連結板25によって一体に連結されている。そして、この第2連結板25は、その上端部が、前記第2油圧シリンダ22のシリンダロッド22aと連結されている。第2油圧シリンダ22を作動させて、そのシリンダロッド22aを進退させることにより、一対の第2ガイドロッド24は各第2ガイドスリーブ23にガイドされ、一体となって進退する。なお、図6において、20は、シリンダブラケット19を支持するためのリブである。また、図7において、26は、一対の第2ガイドロッド24を通すためにベース板12に設けられた通し孔であり、27は、各第2ガイドスリーブ23を下方から支持するために、一対のブラケット11に固着された支持板である。
【0016】
前記一対の第2ガイドロッド24の先端部の上面は、水平に切除されていて、当該部分に、カバー支持ユニットU1 を構成する一対の第1ガイドロッド14の下端部14aを支持するための受け部24aが形成されている。第2油圧シリンダ22を作動させて、そのシリンダロッド22aを引っ込めると、一対の第2ガイドロッド24の受け部が、前記ベース板12の正面側に突出される。逆に、前記シリンダロッド22aを突出させると、一対の第2ガイドロッド24の受け部は、前記ベース板12の背面側に退避される。
【0017】
本発明に係るピットPの閉塞装置Aの作用について説明する。通常の状態では、図1及び図7に示されるように、コンクリートカバーC1 がピットPの閉塞位置に配置されている。該コンクリートカバーC1 の下方には、上側のスペーサ2、透明アクリルカバーC2 、及び下側のスペーサ3がこの順で配置されていて、前記下側のスペーサ3が、各支持部材7に載置されることによって支持されている。即ち、前記コンクリートカバーC1 の上面が、テスト車両Tの走行路面Rとほぼ同一となる高さ位置に配置されていると共に、前記透明アクリルカバーC2 は、前記コンクリートカバーC1 の下方の退避位置に配置されている。このとき、図5及び図7に示されるように、下側のスペーサ3と第1連結板15との間には、僅かな隙間が形成されている。相対向して走行する2台のテスト車両Tは、走行路面RからコンクリートカバーC1 の上面を走行し、正面衝突する。その状態を、図1において二点鎖線で示す。
【0018】
次に、2台のテスト車両Tの衝突状況を写真撮影する場合について説明する。このとき、図9に示されるように、ピットPの開口部1は、透明アクリルカバーC2 によって閉塞される。この場合、図10ないし図12に示されるように、第1油圧シリンダ16を作動させ、そのシリンダロッド16aを上昇させる。前記シリンダロッド16aが上昇されると、当接板17が第1連結板15に当接する。更にシリンダロッド16aを上昇させると、前記第1連結板15が持ち上げられ、それに伴い、一対の第1ガイドロッド14が、各第1ガイドスリーブ13にガイドされた状態で昇降される。この結果、上下の各カバーC1,C2 は、一体となって持ち上げられる。前記第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16aは、一対の第1ガイドロッド14にガイドされた状態で上昇される。しかも、各第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16aは、同期して昇降するように構成されているため、上下の各カバーC1,C2 は、傾いたりすることなく、安定状態で上昇される。また、ストッパユニットU2 を構成する第2油圧シリンダ22のシリンダロッド22aは突出されていて、一対の第2ガイドロッド24は、ベース板12の背面側に退避されているため、一対の第1ガイドロッド14が上昇するに当たって支障となることはない。
【0019】
そして、前記第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16aが、上昇端位置まで上昇したことがリミットスイッチ(図示せず)によって検出されると、第2油圧シリンダ22が作動する。即ち、突出状態を呈していたシリンダロッド22aが引っ込められる。すると、第2連結板25を介して前記シリンダロッド22aに連結されていた一対の第2ガイドロッド24が、各第2ガイドスリーブ23にガイドされながら前進され、その受け部24aが、対応する第1ガイドロッド14の直下に配置される。このとき、図8に示されるように、コンクリートカバーC1 と上側のスペーサ2は、テスト車両Tの走行路面Rよりも上方に配置されると共に、透明アクリルカバーC2 の上面は、前記走行路面Rよりも少し上方に突出した状態で配置される。前記透明アクリルカバーC2 が、前記走行路面Rよりも突出した長さh1 は、一対の第1ガイドロッド14の下端部14aと、対応する第2ガイドロッド24の受け部24aとの隙間h2 とほぼ同一である。
【0020】
前記第1油圧シリンダ16の作動を停止させると、図11に示されるように、そのシリンダロッド16aは下降端位置まで下降される。図11において、その状態を、二点鎖線で示す。それに伴い、上下の各カバーC1,C2 及び一対の第1ガイドロッド14が自重によって下降される。ところが、図8に示されるように、一対の第1ガイドロッド14の各下端部14aの直下には、対応する第2ガイドロッド24の受け部24aが存しているため、各第1ガイドロッド14は、対応する各第2ガイドロッド24の受け部24aに載置され、そのままの状態で支持される。しかも、一対の第1ガイドロッド14の下端部14aが半球状となっているため、各第1ガイドロッド14は傾いたりすることなく、確実に対応する各第2ガイドロッド24の受け部24aに支持される。このようにして、上下の各カバーC1,C2 は、一対の第1及び第2ガイドロッド14,24によって支持され、落下防止が図られる。このため、前記第1油圧シリンダ16に何らかの不具合が生じても、上下の各カバーC1,C2 が下降するおそれはない。
【0021】
このとき、図9に示されるように、コンクリートカバーC1 は、テスト車両Tの走行路面Rより上方に配置されていると共に、透明アクリルカバーC2 が閉塞位置に配置されている。即ち、透明アクリルカバーC2 の上面が、前記走行路面Rとほぼ同一の高さ位置に配置されている。この状態で、コンクリートカバーC1 及び上側のスペーサ2が取り外される。ピットPの開口部1は、透明アクリルカバーC2 によって閉塞されているため、作業者がピットP内に落下するおそれは全くなく、的確に作業をすることができる。この状態で、テスト車両Tの衝突試験が行われる。このときのピットカバーは透明なので、ピットPの床面に設置されたカメラKにより、テスト車両Tの衝突状況を写真撮影できる。
【0022】
ピットPの開口部1を、コンクリートカバーC1 によって再度、閉塞させる場合には、前述したのと逆の操作を行なう。即ち、第1油圧シリンダ16を作動させ、そのシリンダロッド16aを上昇させ、いったん、透明アクリルカバーC2 を僅かに持ち上げる。それに伴い、一対の第1ガイドロッド14が持ち上げられ、それらの下端部4aと対応する第2ガイドロッド24の受け部24aとの間に隙間h2 が生じる。第2油圧シリンダ22を作動させ、そのシリンダロッド22aを突出させる。すると、一対の第2ガイドロッド24が後退される。この状態で、第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16aを下降させる。透明アクリルカバーC2 が下降され、下側のスペーサ3を介して各支持部材7に載置され、そのままの状態で支持される。各第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16aは、同期して昇降するように構成されているため、上下の各カバーC1,C2 は、傾いたりすることなく、安定状態で下降され、前記透明アクリルカバーC2 が退避位置に配置される。前記透明アクリルカバーC2 の周辺部に上側のスペーサ2が設置され、コンクリートカバーC1 が載置される。このときも、ピットPの開口部1は、前記透明アクリルカバーC2 によって閉塞されているため、作業者がピットP内に落下するおそれは全くなく、的確に作業をすることができる。そして、コンクリートカバーC1 の上面は、テスト車両Tの走行路面Rとほぼ同一高さに配置されるため、そのまま衝突試験を行うことができる。
【0023】
本明細書では、一般ピットカバーがコンクリートカバーC1 である場合について説明した。しかし、テスト車両Tの走行路面Rと同じ摩擦係数を有するカバーであれば、コンクリート以外のものから成るカバーであっても構わない。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係るピットの閉塞装置は、撮影用の透明ピットカバーと、一般ピットカバーのいずれかを選択して、車両衝突試験装置の衝突地点に設けられたピットの開口部を閉塞する装置であって、前記透明ピットカバーを下方から昇降可能に支持するための支持ロッドを備えた複数基のカバー支持ユニットが、前記ピットの開口部の内壁面にそれぞれ取付けられていて、前記カバー支持ユニットにより、前記透明ピットカバーを昇降させることで、ピットの開口部を、いずれかのピットカバーで閉塞させることができる。このとき、ピットの開口部は、一般ピットカバーと透明ピットカバーのいずれかにより、常に閉塞されているため、ピットカバーの交換作業、即ち、いずれかのピットカバーによって、ピットの開口部を閉塞する作業を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉塞装置Aの正面断面図である。
【図2】ピットPの開口部1の平面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】コンクリートカバーC1 が閉塞位置に配置された状態の閉塞装置単体Bの下方からの斜視図である。
【図5】同じく正面図である。
【図6】同じく平面図である。
【図7】同じく側面断面図である。
【図8】第1油圧シリンダ16を作動させて、上下の各カバーC1,C2 を持ち上げる状態の作用説明図である。
【図9】透明アクリルカバーC2 が閉塞位置に配置された状態の閉塞装置Aの正面断面図である。
【図10】同様の状態の閉塞装置単体Bの下方からの斜視図である。
【図11】同じく正面図である。
【図12】同じく側面断面図である。
【図13】従来のピットPの正面断面図である。
【符号の説明】
A:閉塞装置
B:閉塞装置単体(閉塞装置)
C1 :コンクリートカバー(一般ピットカバー)
C2 :透明アクリルカバー(透明ピットカバー)
P:ピット
U1 :カバー支持ユニット(閉塞装置)
U2 :ストッパユニット(閉塞装置)
1:開口部
1a:内壁面
2,3:スペーサ(支持脚体)
14:第1ガイドロッド(支持ロッド)
14a:下端部
16:第1油圧シリンダ
24:第2ガイドロッド(保持具)
Claims (4)
- 撮影用の透明ピットカバーと、一般ピットカバーのいずれかを選択して、車両衝突試験装置の衝突地点に設けられたピットの開口部を閉塞する装置であって、
前記透明ピットカバーを下方から昇降可能に支持するための支持ロッドを備えた複数基のカバー支持ユニットが、前記ピットの開口部の内壁面にそれぞれ取付けられて、
前記透明ピットカバーによる閉塞時には、前記カバー支持ユニットにより、前記透明ピットカバーを上昇させて閉塞位置に配置し、
前記一般ピットカバーによる閉塞時には、前記カバー支持ユニットにより、前記透明ピットカバーを前記閉塞位置の下方の退避位置に下降させた状態で、前記透明ピットカバーの上面に支持脚体を介して前記一般ピットカバーを、前記閉塞位置に配置した状態で支持することを特徴とする車両衝突試験装置のピットの閉塞装置。 - 前記支持ロッドは、油圧シリンダにより昇降されることを特徴とする請求項1に記載の車両衝突試験装置のピットの閉塞装置。
- 前記カバー支持ユニットは、水平方向に進退して、上昇状態の支持ロッドの下端部を保持する保持具を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両衝突試験装置のピットの閉塞装置。
- 前記カバー支持ユニットは、一対の支持ロッドの間に油圧シリンダが配置された構成であることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両衝突試験装置のピットの閉塞装置。
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