JP2002340732A - 車両衝突試験装置のピットの閉塞装置 - Google Patents

車両衝突試験装置のピットの閉塞装置

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JP2002340732A JP2001151908A JP2001151908A JP2002340732A JP 2002340732 A JP2002340732 A JP 2002340732A JP 2001151908 A JP2001151908 A JP 2001151908A JP 2001151908 A JP2001151908 A JP 2001151908A JP 2002340732 A JP2002340732 A JP 2002340732A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両衝突試験装置のピットの開口部を、撮影用
の透明ピットカバーと、一般ピットカバーのいずれかに
よって閉塞する作業が、的確にできるようにする。 【解決手段】コンクリートカバーC1 と撮影用の透明ア
クリルカバーC2 を二段に配置し、ピットPの開口部1
の内壁面1aに取付けられたカバー支持ユニットU1
よって、下側の透明アクリルカバーC2 を昇降可能に支
持させ、コンクリートカバーC1 によって前記開口部1
を閉塞するときには、前記透明アクリルカバーC2 を、
前記コンクリートカバーC1 の下方の退避位置に配置さ
せ、透明アクリルカバーC2 によって前記開口部1を閉
塞するときには、前記透明アクリルカバーC2を上昇さ
せて閉塞位置に配置させると共に、前記コンクリートカ
バーC1 を取り除く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突試験装置
に設けられたピットの開口部を閉塞する装置に関するも
のであり、更に詳しくは、前記開口部を、一般ピットカ
バーと透明ピットカバーのうちのいずれかを選択して閉
塞させる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両衝突試験装置は、エンドレスのワイ
ヤロープで牽引することによって所定の速度で走行させ
たテスト車両Tを、衝突バリア(図示せず)に衝突させ
たり、或いは、2両のテスト車両Tどうしを衝突させ
て、その損壊状況を試験したり、撮影したりするための
装置である。そして、図13に示されるように、車両衝
突試験装置における衝突地点の下方には、ピットPが設
けられている。テスト車両Tの衝突試験が行われると
き、ピットPの開口部51は、例えばコンクリートより
成る一般ピットカバー(コンクリートカバーC1 )によ
って閉塞されている。このコンクリートカバーC1 は、
前記開口部51の周縁部に取付けられた支持部材52に
載置された状態で支持されている。前記コンクリートカ
バーC1 の上面は、テスト車両Tの走行路面Rとほぼ同
一の高さ位置に配置されている。
【0003】前記テスト車両Tの衝突時の損壊状況を、
その直下から写真撮影する場合がある。このとき、ピッ
トP内にカメラKが設置される。そして、コンクリート
カバーC1 が取り外されて、例えば透明アクリルより成
る透明ピットカバー(透明アクリルカバーC2 )が装着
され(図9参照)、該透明アクリルカバーC2 によって
ピットPの開口部51が閉塞される。この交換作業は、
各カバーC1,C2 が重量物であることに加え、ピットP
の開口部51を開放した状態で行われるため、的確な作
業を行うことが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した不
具合に鑑み、一般ピットカバーと透明ピットカバーのう
ちのいずれかのピットカバーで、ピットの開口部を閉塞
する作業を的確にできるようにすることを課題としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、撮影用の透明ピットカバー
と、一般ピットカバーのいずれかを選択して、車両衝突
試験装置の衝突地点に設けられたピットの開口部を閉塞
する装置であって、前記透明ピットカバーを下方から昇
降可能に支持するための支持ロッドを備えた複数基のカ
バー支持ユニットが、前記ピットの開口部の内壁面にそ
れぞれ取付けられて、前記透明ピットカバーによる閉塞
時には、前記カバー支持ユニットにより、前記透明ピッ
トカバーを上昇させて閉塞位置に配置し、前記一般ピッ
トカバーによる閉塞時には、前記カバー支持ユニットに
より、前記透明ピットカバーを前記閉塞位置の下方の退
避位置に下降させた状態で、前記透明ピットカバーの上
面に支持脚体を介して前記一般ピットカバーを、前記閉
塞位置に配置した状態で支持することを特徴としてい
る。
【0006】請求項1に記載の発明の場合、二段に設置
された撮影用の透明ピットカバーと、一般ピットカバー
は、複数基のカバー支持ユニットによって支持されてい
る。このとき、ピットの開口部は、前記一般ピットカバ
ーによって閉塞されているため、車両の衝突試験が可能
である。また、前記透明ピットカバーは、前記一般ピッ
トカバーよりも下方の退避位置に配置されている。この
一般ピットカバーを、撮影用の透明ピットカバーに交換
する場合、次のようにして行う。前記カバー支持ユニッ
トにより、下方から透明ピットカバーを上昇させる。そ
れに伴い、一般ピットカバーは、車両の走行路面よりも
上昇される。この状態で、上側の一般ピットカバーを取
り除く。ピットの開口部は、透明ピットカバーによって
閉塞されているため、透明ピットカバー上での車両の衝
突試験が可能である。このように、ピットの開口部は、
一般ピットカバーと透明ピットカバーのいずれかによ
り、常に閉塞されるため、ピットカバーの交換作業、即
ち、いずれかのピットカバーによって、ピットの開口部
を閉塞する作業を的確に行うことができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明を前提として、前記支持ロッドは、油圧シリンダ
により昇降されることを特徴としている。このため、カ
バー支持ユニットの構成が簡単になると共に、その大き
さをコンパクトなものにすることができる。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明を前提として、前記カバー支持ユニット
は、水平方向に進退して、上昇状態の支持ロッドの下端
部を保持する保持具を備えていることを特徴としてい
る。即ち、上昇された状態で閉塞位置に配置されたピッ
トカバーは、カバー支持ユニットを構成する支持ロッド
によって、その上昇状態が確実に支持される。このた
め、上昇状態のピットカバーが、下降するおそれは全く
ない。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の発明を前提として、前記カバー支持ユニット
は、一対の支持ロッドの間に油圧シリンダが配置された
構成であることを特徴としている。即ち、ピットカバー
は、一対の支持ロッドによってガイドされた状態で昇降
される。このため、前記ピットカバーが傾いたりするこ
となく、スムーズに昇降される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。図1は本発明に係る閉塞装置Aの
正面断面図、図2はピットPの開口部1の平面図、図3
は図2のX−X線断面図、図4はコンクリートカバーC
1 が閉塞位置に配置された状態の閉塞装置単体Bの下方
からの斜視図、図5は同じく正面図、図6は同じく平面
図、図7は同じく側面断面図である。図1及び図2に示
されるように、本実施例のピットPの閉塞装置Aは、平
面視におけるピットPの開口部1の内壁面1aに配設さ
れた複数基(本実施例の場合、8基)の閉塞装置単体B
から構成されている。各閉塞装置単体Bは、いずれも同
一構造であり、上下の各スペーサ2,3を介して二段に
設置された2枚のピットカバー(コンクリートカバーC
1 と透明アクリルカバーC2 )のうち、下側に配置され
た透明アクリルカバーC2 を、下方から昇降可能に支持
するためのカバー支持ユニットU1 と、前記下側の透明
アクリルカバーC2 が閉塞位置(テスト車両Tの走行路
面Rと同一高さとなる位置)に配置されたときに、該透
明アクリルカバーC2 を下方から支持するためのストッ
パユニットU2 とから構成されている。
【0011】最初に、ピットPについて説明する。図1
ないし図3に示されるように、本実施例のピットPの開
口部1は、平面視において方形状であり、正面断面視に
おいて下側が広くなっている。本実施例の場合、テスト
車両Tの走行路面RからピットPの床面までの高さは、
約7mである。そして、開口部1の内壁面1aと連続す
る内側の天井壁面4には、その周方向に沿って、H形鋼
より成る枠材5が固着されている。この枠材5には、そ
の長手方向と直交して、多数本のブラケット6が固着さ
れていて、各ブラケット6の先端部には、前記枠材5と
ほぼ平行にして、複数本(本実施例の場合、8本)の各
支持部材7が固着されている。これらの支持部材7は、
ピットPの開口部1の内壁面1aよりも内方に突出した
状態で取付けられていて、退避位置(後述)に配置され
た透明アクリルカバーC2 を載置して、支持するための
ものである。なお、図2において、8は、テスト車両T
を牽引するドーリ(図示せず)を走行させるためのレー
ルである。
【0012】次に、各ピットカバー(コンクリートカバ
ーC1 及び透明アクリルカバーC2)について説明す
る。図2及び図3に示されるように、各カバーC1,C2
は、ピットPの開口部1に対応する方形状であり、その
大きさは、前記開口部1の内側寸法よりも僅かに小さ
い。そして、上下の各カバーC1,C2 どうしの間で、そ
れらの周辺部分には、H形鋼より成る上側のスペーサ2
が介装されていると共に、下側の透明アクリルカバーC
2 の周辺部分の下方には、同じく下側のスペーサ3が設
置されている。そして、各カバーC1,C2 は、前記下側
のスペーサ3が、各支持部材7に載置されることによっ
て支持されている。そして、この状態で、コンクリート
カバーC1 が閉塞位置に配置される。即ち、コンクリー
トカバーC1の上面が、テスト車両T(図1参照)の走
行路面Rとほぼ同一の高さ位置に配置されている。な
お、図3において、9は、透明アクリルカバーC2 を保
護するために、該透明アクリルカバーC2 と上下の各ス
ペーサ2,3との間に装着された当板である。
【0013】次に、閉塞装置単体Bについて説明する。
この閉塞装置単体Bは、カバー支持ユニットU1 とスト
ッパユニットU2 とから構成されている。最初に、カバ
ー支持ユニットU1 について説明する。図4ないし図7
に示されるように、ピットPにおける各支持部材7どう
しの間の天井壁面4で、開口部1の内壁面1aに臨む部
分には、所定の間隔をおいて、H形鋼より成る2本のブ
ラケット11が垂下されている。これらのブラケット1
1の正面側には、両ブラケット11に跨がってベース板
12が固着されている。このベース板12の上部には、
幅方向に所定の間隔をおいて一対の第1ガイドスリーブ
13が取付けられていて、各第1ガイドスリーブ13に
は、それぞれ第1ガイドロッド14が挿通されている。
各第1ガイドロッド14は、前記各第1ガイドスリーブ
13に支持されて昇降可能である。そして、各第1ガイ
ドロッド14の上端部は、平板状の第1連結板15の両
端部に連結されている。このため、一対の第1ガイドロ
ッド14は、常に一体となって昇降される。また、これ
らの第1ガイドロッド14は、上昇した状態で、ストッ
パユニットU2 (後述)を構成する第2ガイドロッド2
4の受け部24aに載置されることによって支持され
る。そのため、各第1ガイドロッド14の下端部14a
は、前記第2ガイドロッド24に傾いた状態で当接しな
いように、半球状を呈している。
【0014】そして、正面視における一対の第1ガイド
ロッド14の間には、第1油圧シリンダ16が、高さ方
向に沿って取付けられている。前記第1油圧シリンダ1
6のシリンダロッド16aの上端部には、前記第1連結
板15を押し上げるための当接板17が取付けられてい
る。コンクリートカバーC1 が閉塞位置に配置された状
態で、第1油圧シリンダ16を作動させて、そのシリン
ダロッド16aを上昇させると、前記当接板17が第1
連結板15に当接し、該第1連結板15を押し上げる。
それに伴い、一対の第1ガイドロッド14が、各第1ガ
イドスリーブ13にガイドされながら、前記第1連結板
15と一体に上昇される。各閉塞装置単体Bを構成する
それぞれの第1油圧シリンダ16のシリンダロッド16
aは、すべて同期して昇降するように構成されている。
なお、図5において、18は、前記第1油圧シリンダ1
6を支持するためのブラケットである。
【0015】次に、ストッパユニットU2 について説明
する。このストッパユニットU2 は、上記した一対の第
1ガイドロッド14を上昇させた状態で保持させるため
のものである。図4、図6及び図7に示されるように、
ベース板12の背面側には、側面視において略L字状の
シリンダブラケット19が固着されている。このシリン
ダブラケット19の奥側の部分で、幅方向のほぼ中央部
には、シリンダ取付板21が立設されていて、該シリン
ダ取付板21に第2油圧シリンダ22が、水平に取付け
られている。そして、前記シリンダブラケット19の底
部で、幅方向の両側には、一対の角筒状の第2ガイドス
リーブ23が取付けられている。各第2ガイドスリーブ
23には、それぞれ水平な挿通孔23aが設けられてい
て、各挿通孔23aに、それぞれ第2ガイドロッド24
が挿通されている。これらの第2ガイドロッド24の後
端部は、第2連結板25によって一体に連結されてい
る。そして、この第2連結板25は、その上端部が、前
記第2油圧シリンダ22のシリンダロッド22aと連結
されている。第2油圧シリンダ22を作動させて、その
シリンダロッド22aを進退させることにより、一対の
第2ガイドロッド24は各第2ガイドスリーブ23にガ
イドされ、一体となって進退する。なお、図6におい
て、20は、シリンダブラケット19を支持するための
リブである。また、図7において、26は、一対の第2
ガイドロッド24を通すためにベース板12に設けられ
た通し孔であり、27は、各第2ガイドスリーブ23を
下方から支持するために、一対のブラケット11に固着
された支持板である。
【0016】前記一対の第2ガイドロッド24の先端部
の上面は、水平に切除されていて、当該部分に、カバー
支持ユニットU1 を構成する一対の第1ガイドロッド1
4の下端部14aを支持するための受け部24aが形成
されている。第2油圧シリンダ22を作動させて、その
シリンダロッド22aを引っ込めると、一対の第2ガイ
ドロッド24の受け部が、前記ベース板12の正面側に
突出される。逆に、前記シリンダロッド22aを突出さ
せると、一対の第2ガイドロッド24の受け部は、前記
ベース板12の背面側に退避される。
【0017】本発明に係るピットPの閉塞装置Aの作用
について説明する。通常の状態では、図1及び図7に示
されるように、コンクリートカバーC1 がピットPの閉
塞位置に配置されている。該コンクリートカバーC1
下方には、上側のスペーサ2、透明アクリルカバー
2 、及び下側のスペーサ3がこの順で配置されてい
て、前記下側のスペーサ3が、各支持部材7に載置され
ることによって支持されている。即ち、前記コンクリー
トカバーC1 の上面が、テスト車両Tの走行路面Rとほ
ぼ同一となる高さ位置に配置されていると共に、前記透
明アクリルカバーC2は、前記コンクリートカバーC1
の下方の退避位置に配置されている。このとき、図5及
び図7に示されるように、下側のスペーサ3と第1連結
板15との間には、僅かな隙間が形成されている。相対
向して走行する2台のテスト車両Tは、走行路面Rから
コンクリートカバーC1 の上面を走行し、正面衝突す
る。その状態を、図1において二点鎖線で示す。
【0018】次に、2台のテスト車両Tの衝突状況を写
真撮影する場合について説明する。このとき、図9に示
されるように、ピットPの開口部1は、透明アクリルカ
バーC2 によって閉塞される。この場合、図10ないし
図12に示されるように、第1油圧シリンダ16を作動
させ、そのシリンダロッド16aを上昇させる。前記シ
リンダロッド16aが上昇されると、当接板17が第1
連結板15に当接する。更にシリンダロッド16aを上
昇させると、前記第1連結板15が持ち上げられ、それ
に伴い、一対の第1ガイドロッド14が、各第1ガイド
スリーブ13にガイドされた状態で昇降される。この結
果、上下の各カバーC1,C2 は、一体となって持ち上げ
られる。前記第1油圧シリンダ16のシリンダロッド1
6aは、一対の第1ガイドロッド14にガイドされた状
態で上昇される。しかも、各第1油圧シリンダ16のシ
リンダロッド16aは、同期して昇降するように構成さ
れているため、上下の各カバーC1,C2 は、傾いたりす
ることなく、安定状態で上昇される。また、ストッパユ
ニットU2 を構成する第2油圧シリンダ22のシリンダ
ロッド22aは突出されていて、一対の第2ガイドロッ
ド24は、ベース板12の背面側に退避されているた
め、一対の第1ガイドロッド14が上昇するに当たって
支障となることはない。
【0019】そして、前記第1油圧シリンダ16のシリ
ンダロッド16aが、上昇端位置まで上昇したことがリ
ミットスイッチ(図示せず)によって検出されると、第
2油圧シリンダ22が作動する。即ち、突出状態を呈し
ていたシリンダロッド22aが引っ込められる。する
と、第2連結板25を介して前記シリンダロッド22a
に連結されていた一対の第2ガイドロッド24が、各第
2ガイドスリーブ23にガイドされながら前進され、そ
の受け部24aが、対応する第1ガイドロッド14の直
下に配置される。このとき、図8に示されるように、コ
ンクリートカバーC1 と上側のスペーサ2は、テスト車
両Tの走行路面Rよりも上方に配置されると共に、透明
アクリルカバーC2 の上面は、前記走行路面Rよりも少
し上方に突出した状態で配置される。前記透明アクリル
カバーC2 が、前記走行路面Rよりも突出した長さh1
は、一対の第1ガイドロッド14の下端部14aと、対
応する第2ガイドロッド24の受け部24aとの隙間h
2 とほぼ同一である。
【0020】前記第1油圧シリンダ16の作動を停止さ
せると、図11に示されるように、そのシリンダロッド
16aは下降端位置まで下降される。図11において、
その状態を、二点鎖線で示す。それに伴い、上下の各カ
バーC1,C2 及び一対の第1ガイドロッド14が自重に
よって下降される。ところが、図8に示されるように、
一対の第1ガイドロッド14の各下端部14aの直下に
は、対応する第2ガイドロッド24の受け部24aが存
しているため、各第1ガイドロッド14は、対応する各
第2ガイドロッド24の受け部24aに載置され、その
ままの状態で支持される。しかも、一対の第1ガイドロ
ッド14の下端部14aが半球状となっているため、各
第1ガイドロッド14は傾いたりすることなく、確実に
対応する各第2ガイドロッド24の受け部24aに支持
される。このようにして、上下の各カバーC1,C2 は、
一対の第1及び第2ガイドロッド14,24によって支
持され、落下防止が図られる。このため、前記第1油圧
シリンダ16に何らかの不具合が生じても、上下の各カ
バーC1,C2 が下降するおそれはない。
【0021】このとき、図9に示されるように、コンク
リートカバーC1 は、テスト車両Tの走行路面Rより上
方に配置されていると共に、透明アクリルカバーC2
閉塞位置に配置されている。即ち、透明アクリルカバー
2 の上面が、前記走行路面Rとほぼ同一の高さ位置に
配置されている。この状態で、コンクリートカバーC 1
及び上側のスペーサ2が取り外される。ピットPの開口
部1は、透明アクリルカバーC2 によって閉塞されてい
るため、作業者がピットP内に落下するおそれは全くな
く、的確に作業をすることができる。この状態で、テス
ト車両Tの衝突試験が行われる。このときのピットカバ
ーは透明なので、ピットPの床面に設置されたカメラK
により、テスト車両Tの衝突状況を写真撮影できる。
【0022】ピットPの開口部1を、コンクリートカバ
ーC1 によって再度、閉塞させる場合には、前述したの
と逆の操作を行なう。即ち、第1油圧シリンダ16を作
動させ、そのシリンダロッド16aを上昇させ、いった
ん、透明アクリルカバーC2を僅かに持ち上げる。それ
に伴い、一対の第1ガイドロッド14が持ち上げられ、
それらの下端部4aと対応する第2ガイドロッド24の
受け部24aとの間に隙間h2 が生じる。第2油圧シリ
ンダ22を作動させ、そのシリンダロッド22aを突出
させる。すると、一対の第2ガイドロッド24が後退さ
れる。この状態で、第1油圧シリンダ16のシリンダロ
ッド16aを下降させる。透明アクリルカバーC2 が下
降され、下側のスペーサ3を介して各支持部材7に載置
され、そのままの状態で支持される。各第1油圧シリン
ダ16のシリンダロッド16aは、同期して昇降するよ
うに構成されているため、上下の各カバーC1,C2 は、
傾いたりすることなく、安定状態で下降され、前記透明
アクリルカバーC2 が退避位置に配置される。前記透明
アクリルカバーC2 の周辺部に上側のスペーサ2が設置
され、コンクリートカバーC1 が載置される。このとき
も、ピットPの開口部1は、前記透明アクリルカバーC
2 によって閉塞されているため、作業者がピットP内に
落下するおそれは全くなく、的確に作業をすることがで
きる。そして、コンクリートカバーC1 の上面は、テス
ト車両Tの走行路面Rとほぼ同一高さに配置されるた
め、そのまま衝突試験を行うことができる。
【0023】本明細書では、一般ピットカバーがコンク
リートカバーC1 である場合について説明した。しか
し、テスト車両Tの走行路面Rと同じ摩擦係数を有する
カバーであれば、コンクリート以外のものから成るカバ
ーであっても構わない。
【0024】
【発明の効果】本発明に係るピットの閉塞装置は、撮影
用の透明ピットカバーと、一般ピットカバーのいずれか
を選択して、車両衝突試験装置の衝突地点に設けられた
ピットの開口部を閉塞する装置であって、前記透明ピッ
トカバーを下方から昇降可能に支持するための支持ロッ
ドを備えた複数基のカバー支持ユニットが、前記ピット
の開口部の内壁面にそれぞれ取付けられていて、前記カ
バー支持ユニットにより、前記透明ピットカバーを昇降
させることで、ピットの開口部を、いずれかのピットカ
バーで閉塞させることができる。このとき、ピットの開
口部は、一般ピットカバーと透明ピットカバーのいずれ
かにより、常に閉塞されているため、ピットカバーの交
換作業、即ち、いずれかのピットカバーによって、ピッ
トの開口部を閉塞する作業を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉塞装置Aの正面断面図である。
【図2】ピットPの開口部1の平面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】コンクリートカバーC1 が閉塞位置に配置され
た状態の閉塞装置単体Bの下方からの斜視図である。
【図5】同じく正面図である。
【図6】同じく平面図である。
【図7】同じく側面断面図である。
【図8】第1油圧シリンダ16を作動させて、上下の各
カバーC1,C2 を持ち上げる状態の作用説明図である。
【図9】透明アクリルカバーC2 が閉塞位置に配置され
た状態の閉塞装置Aの正面断面図である。
【図10】同様の状態の閉塞装置単体Bの下方からの斜
視図である。
【図11】同じく正面図である。
【図12】同じく側面断面図である。
【図13】従来のピットPの正面断面図である。
【符号の説明】 A:閉塞装置 B:閉塞装置単体(閉塞装置) C1 :コンクリートカバー(一般ピットカバー) C2 :透明アクリルカバー(透明ピットカバー) P:ピット U1 :カバー支持ユニット(閉塞装置) U2 :ストッパユニット(閉塞装置) 1:開口部 1a:内壁面 2,3:スペーサ(支持脚体) 14:第1ガイドロッド(支持ロッド) 14a:下端部 16:第1油圧シリンダ 24:第2ガイドロッド(保持具)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影用の透明ピットカバーと、一般ピッ
    トカバーのいずれかを選択して、車両衝突試験装置の衝
    突地点に設けられたピットの開口部を閉塞する装置であ
    って、 前記透明ピットカバーを下方から昇降可能に支持するた
    めの支持ロッドを備えた複数基のカバー支持ユニット
    が、前記ピットの開口部の内壁面にそれぞれ取付けられ
    て、 前記透明ピットカバーによる閉塞時には、前記カバー支
    持ユニットにより、前記透明ピットカバーを上昇させて
    閉塞位置に配置し、 前記一般ピットカバーによる閉塞時には、前記カバー支
    持ユニットにより、前記透明ピットカバーを前記閉塞位
    置の下方の退避位置に下降させた状態で、前記透明ピッ
    トカバーの上面に支持脚体を介して前記一般ピットカバ
    ーを、前記閉塞位置に配置した状態で支持することを特
    徴とする車両衝突試験装置のピットの閉塞装置。
  2. 【請求項2】 前記支持ロッドは、油圧シリンダにより
    昇降されることを特徴とする請求項1に記載の車両衝突
    試験装置のピットの閉塞装置。
  3. 【請求項3】 前記カバー支持ユニットは、水平方向に
    進退して、上昇状態の支持ロッドの下端部を保持する保
    持具を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の車両衝突試験装置のピットの閉塞装置。
  4. 【請求項4】 前記カバー支持ユニットは、一対の支持
    ロッドの間に油圧シリンダが配置された構成であること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の車両衝突試験装置
    のピットの閉塞装置。
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