JP4174661B2 - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、電気信号と弾性表面波との間の変換を行うすだれ状電極を有する弾性表面波装置及びその製造方法に係り、特に、低周波数に対応した小型な弾性表面波装置に関するものである。
【0002】
近年、携帯電話やテレビ受像機等の電子部品や通信部品において、共振子や帯域フィルタ等として弾性表面波装置(以下、「SAW(Surface Acoustic Wave)デバイスという」)が使用されている。
【0003】
図15は、従来のSAWデバイスの一例を示す平面図である。
このSAWデバイス1は、1ポート型SAW共振子であり、圧電基板2とすだれ状電極である櫛形電極(IDT(Inter Digital Transducer))3及び反射器4を備えている。
【0004】
圧電基板2は、例えば水晶で矩形板状に形成されている。IDT3及び反射器4は、圧電基板2の表面に導体金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に形成した上で、フォトリソグラフィ等によりすだれ状となるように形成されている。
【0005】
具体的には、IDT3は、複数の電極指3aが所定のピッチで並設されて長手方向の各端部が交互に短絡されるように形成されている。即ち、2つの櫛形状の電極の各櫛歯部分が、所定距離隔てて互い違いに入り込むように形成されている。このIDT3は、電気的に接続されている外部端子5を介して電気信号と弾性表面波(SAW)との間の変換を行う機能を有する。
【0006】
反射器4は、複数の導体ストリップ4aが所定のピッチで並設されて長手方向の各両端部が短絡されるように形成されている。そして、例えば、同一構成の2つの反射器4が、導体ストリップ4aがIDT3の電極指3aと平行になるように、かつIDT3を弾性表面波の伝播方向、即ちIDT3の電極指3aの長手方向に直交する方向に所定距離隔てて挟み込むように形成されている。この反射器4は、IDT3から伝搬してくる弾性表面波を反射して、弾性表面波のエネルギーを内部に閉じこめる機能を有する。
【0007】
このような構成において、電気信号が、外部端子5を介してIDT3に入力されると、圧電効果により弾性表面波に変換される。この弾性表面波は、IDT3の電極指3aの長手方向に対して直交方向に伝搬され、IDT3の両側から反射器4に放射される。このとき、圧電基板2の材質、電極の厚みや電極の幅等で決定される伝搬速度とIDT3の電極指3aの電極周期d0に等しい波長を持つ弾性表面波が、最も強く励振される。この弾性表面波は、反射器4により多段反射されてIDT3に戻され、共振周波数付近の周波数(動作周波数)の電気信号に変換されてIDT3から外部端子5を介して出力される。
【0008】
ところで、以上に説明した従来技術においては、以下のような問題がある。
近年、SAWデバイスが搭載される各種情報機器類等は、きわめて小型化されていく傾向にあり、搭載機器の目的に応じて、高周波数対応のSAWデバイスや、低周波数対応のSAWデバイス等の各種SAWデバイスも小型化される必要がある。
【0009】
ここで、SAWデバイスに利用される弾性表面波の種類として、レイリー波と呼ばれるものと、SH波(Share Horizontal Wave)と呼ばれるものがある。
【0010】
これらの表面弾性波は、例えばその伝搬速度がレイリー波の場合、STカット水晶X伝搬波において3150m毎秒,SH波の場合、36度回転Yカット水晶Y伝搬波において5000m毎秒である。
【0011】
SAWデバイスの周波数はf=v/λ(v=圧電基板の音速、λ=振動波の波長)であることから、周波数fが低いと波長は長くなり、IDTの間隔は大きくなってしまう。このため、低周波数に対応したSAWデバイスを小型化する上では、速度の遅いレイリー波を用いる必要性が高くなる。
また、このレイリー波とSH波は、さらに次のような特性上の違いを有している。
【0012】
図16は、圧電基板2におけるレイリー波の変位成分を説明する図であり、レイリー波は、伝搬方向Aに進行しながら、圧電基板2の深さ方向への変位成分U3とこれに直交する方向で圧電基板2の表面における変位成分U1を有しており、全体として、水面に立つ波と似ている。
【0013】
これに対して、図17は、圧電基板2におけるSH波の変位成分を説明する図であり、SH波は、伝搬方向Aに進行しながら、これと直交する方向の変位成分U2がほとんどを占めており、これを上から見ると図18のようである。
【0014】
また、SH波とレイリー波を伝搬する圧電基板は、例えば、同じ水晶を用いることができるが、図19に示すように、後述するカット角方位と伝搬方向に違いがある。そして、図19の圧電基板のカット角方位(φ,θ,ψ)が(0,126,90)のSH波を伝搬する水晶基板の場合、図20に示す座標に対応するSH波のU1,U2,U3の相対変位成分は、横軸に図20のZ方向を波長で規格化して示し、縦軸に相対変位をとると図21に示される。
【0015】
また、図22は、レイリー波を伝搬する圧電材料として、図19の圧電基板のカット角方位(φ,θ,ψ)が(0,123,0)の場合の相対変位U1,U2,U3を各変位成分毎に同様に示した図である。
このように、レイリー波の場合には、SH波と比べて、圧電材料の深さ方向Zの変位U3の変位が次第に少なくなっている。
【0016】
さらに、SH波は、横波であることから、圧電基板2の弾性表面波の進行方向の垂直端面にて反射できることがわかっているが、レイリー波は圧電基板2の弾性表面波の進行方向の端面でバルク波に変換され、もどってこない。
【0017】
以上の点を考慮すると、低周波数に対応した小型のSAWデバイスをつくる場合には、レイリー波を伝搬する圧電材料を使用する必要があるが、その弾性表面波は、基板端面で反射できないために、エネルギーを閉じこめるためには、必ず反射器を必要とする。
【0018】
しかも、この反射器にて十分な効率で弾性表面波を反射する必要があるから、多くの本数の導体ストリップで反射器を形成する必要があり、その分十分な面積を持つ圧電基板を用いなければならず、小型化に限界があるという問題がある。
【発明の開示】
【0019】
本発明の目的は、上記問題を解消して、レイリー波を圧電基板の端面で反射できるようにして、反射器を形成するための導体ストリップの本数を減らすことにより、小型に形成することができる、低周波数に対応した弾性表面波装置およびその製造方法を提供することである。
【0020】
上記目的は、請求項1の発明によれば、レイリー波を伝搬する矩形板状の圧電基板と、この圧電基板にすだれ状電極を形成して設けた櫛形電極及び反射器とを備えており、前記圧電基板の少なくとも表面側の短辺の端面が、前記反射器の端部の導体ストリップから出る応力波の仮想の節の位置にて、前記導体ストリップに略平行で、垂直な平滑面とすることで、前記応力波を反射する反射端面とされており、前記反射端面は、反射器の端部の導体ストリップにおける内側基端部から前記反射端面までの距離Bが、
B=(n×PR)
(ただし、n=整数、PR=λ/2、λ=レイリー波の波長とする)
により規定されることを特徴とする弾性表面波装置により、達成される。
【0021】
請求項1の構成によれば、レイリー波を伝搬する矩形板状の圧電基板には、櫛形電極と反射器とが形成されている。この場合、圧電基板の少なくとも表面側の短辺の端面が所定形状の端面とされることで、圧電基板を伝搬する弾性表面波をこの端面にて反射させることができる。そして、圧電基板の端面で弾性表面波を反射させることで、全ての弾性表面波を反射器の機能だけによって反射させなくてすむから、その分反射器の導体ストリップの数を減らすことができ、圧電基板を小型にすることが可能となる。
【0022】
ここで、レイリー波の弾性表面波が圧電基板端面にて反射されるための条件は、本発明者等の研究によれば、次の通りである。
通常、レイリー波を伝搬するSAWデバイスにおいて、弾性表面波は、その進行方向の端面でバルク波に変換されて、もどってこない。しかしながら、圧電基板上に櫛形電極と反射器とが設けられている場合に、所定の条件の下では、櫛形電極から出て進行する弾性表面波が、反射器にて反射される反射波と出会うと、圧電基板の深さ方向への単純な単振動の波としての応力波となって、反射器から圧電基板端面へ向かって反射されることを見いだした。
【0023】
このような現象を実現するためには、第1に圧電基板の端面の位置が反射器の端部の導体ストリップから出る応力波の仮想の節の位置になっていることである。この場合には、圧電基板の端面において、端面自由の境界条件を満足し、反射波は圧電基板の振動を妨げないので、振動エネルギーの散逸となる錯乱バルク波を発生しないと考えられる。また、圧電基板の端面が適切に反射波を戻すためには、その端面が櫛形電極及び反射器の導体ストリップに略平行である必要がある。これにより、反射波は正しい方向へ反射される。また、圧電基板の端面は、垂直な平滑面とされる必要がある。これにより、反射波は、乱反射されることがない。
【0024】
このようにして、請求項1のSAWデバイスでは、圧電基板を伝搬する弾性表面波を端面にて反射させることができるので、全ての弾性表面波を反射器の機能だけによって反射させなくてすむから、その分反射器の導体ストリップの数を減らすことが可能となり、圧電基板を小型に形成することができる。
【0025】
また、特に本発明では、反射器の端部の導体ストリップの基端部から前記反射端面までの距離Bが、B=(n×PR)(ただし、n=整数、PR=λ/2、λ=レイリー波の波長とする)という条件を満たす位置を求めることにより、反射端面の位置を前記応力波の仮想の節の箇所に適切に定めることができる。
【0026】
この構成によれば、レイリー波を伝搬する矩形板状の圧電基板には、櫛形電極と反射器とが形成されている。この場合、圧電基板の少なくとも表面側の短辺の端面が所定形状の端面とされることで、圧電基板を伝搬する弾性表面波をこの端面にて反射させることができる。そして、圧電基板の端面で弾性表面波を反射させることで、全ての弾性表面波を反射器の機能だけによって反射させなくてすむから、その分反射器の導体ストリップの数を減らすことができ、圧電基板を小型にすることが可能となる。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記反射端面は、前記応力波の仮想の節の位置にて、前記圧電基板の表面から一定の距離の深さまで設けられており、反射端面の下端には段部を設けた形状であることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、厳しい位置精度が求められる反射端面の形成が、圧電基板の表面の一定の深さまでに限定されるから、それ以外の箇所である段部の切断により形成する場合に、切断工程が容易となる。
【0028】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、前記反射端面は、前記圧電基板の表面側において、前記反射器の外側に前記反射器に沿って形成された溝部の、内側側面によって構成されていることを特徴としている。
請求項4の構成によれば、圧電基板表面の外周縁に平坦部分を確保することができる。これにより、圧電基板表面の外周縁部に接合されるキャップ部材との気密性を確保することが可能となる。従って、SAW伝搬面を気密に保持することができる。
【0029】
請求項4の発明は、圧電基板上の櫛形電極から放射され前記圧電基板の表面を進行するレイリー波を、反射器により反射して前記櫛形電極に戻すための前記圧電基板の反射端面を、エッチングにより前記反射器の端部の導体ストリップにおける内側基端部から前記反射端面までの距離Bが、B=(n×PR)(ただし、n=整数、PR=λ/2、λ=レイリー波の波長とする)により規定された位置に形成することを特徴とする弾性表面波装置の製造方法である。
【0030】
請求項4の構成によれば、厳しい位置精度が求められる反射端面の形成を、例えばブレードによるダイシング等と比較して、容易に精度よく行うことができる。また、ブレードによるダイシングに伴うチッピングの発生を回避することができるので、反射端面を平滑面に形成することができる。
さらに、ウエハ上に複数のSAWデバイスを形成する場合でも、エッチングにより一括して反射端面を形成することが可能である。従って、例えばダイシングにより順次反射端面を形成する場合と比較して、製造時間を短縮することができるとともに、製造コストを削減することができる。
【0031】
また、圧電基板上の櫛形電極から放射され前記圧電基板の表面を進行するレイリー波を、反射器により反射して前記櫛形電極に戻すための前記圧電基板の反射端面を、エッチングにより前記反射器の端部の導体ストリップにおける内側基端部から前記反射端面までの距離Bが、B=(n×PR)(ただし、n=整数、PR=λ/2、λ=レイリー波の波長とする)により規定された位置に形成するようにしている。
【0032】
この構成によれば、厳しい位置精度が求められる反射端面の形成を、例えばブレードによるダイシング等と比較して、容易に精度よく行うことができる。また、ブレードによるダイシングに伴うチッピングの発生を回避することができるので、反射端面を平滑面に形成することができる。
【0033】
請求項5の発明は、請求項4構成において、前記圧電基板の表面に電極材料被膜を形成する工程と、前記電極材料被膜に第1のパターニングを行って反射端面形成用マスクを形成する工程と、前記反射端面形成用マスクを使用してエッチングにより前記反射端面を形成する工程と、前記電極材料被膜に第2のパターニングを行って電極を形成する工程と、を有することを特徴としている。
請求項5の構成によれば、電極を形成するための電極材料被膜を流用して反射端面形成用マスクを作成し、圧電基板をエッチングして反射端面を形成する。これにより、反射端面形成用マスクを作成するためのマスク材料被膜を別途形成する必要がなく、またマスク材料被膜を除去する必要がない。従って、製造時間を短縮することができるとともに、製造コストを削減することができる。
【0034】
請求項6の発明は、請求項4または5に記載の構成において、前記エッチングは、ドライエッチングであることを特徴としている。
請求項6の構成によれば、異方性エッチングが可能となる。従って、厳しい位置精度が求められる反射端面の形成を、精度よく行うことができる。
【0035】
請求項7の発明は、請求項5の構成において、前記第1のパターニング工程は、リソグラフィ工程と、そのリソグラフィ工程で形成したマスクを使用して前記電極材料被膜をエッチングする工程とにより構成されることを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項5の構成において、前記第2のパターニング工程は、リソグラフィ工程と、そのリソグラフィ工程で形成したマスクを使用して前記電極材料被膜をエッチングする工程とにより構成されることを特徴としている。
請求項8の構成によれば、厳しい位置精度が求められる反射端面の形成を、精度よく行うことができる。
【0036】
請求項9の発明は、請求項8の構成において、前記第2のパターニング工程におけるリソグラフィ工程は、前記第1のパターニング工程において前記電極材料被膜に形成したアライメントマークを用いて、レジスト露光用マスクを前記反射端面に対して相対的に位置決めした上で行うことを特徴としている。
請求項9の構成によれば、反射器の最も外側の導体ストリップにおける基端部と、反射端面との相対的な位置関係を、正確に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のSAWデバイスの第1の実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1のSAWデバイスの概略平面図である。
【図3】図1のSAWデバイスの一部を拡大して示した拡大断面図である。
【図4】図1のSAWデバイスの反射端面位置を求めるための手法を説明する図である。
【図5】図1のSAWデバイスに対応する圧電基板の端部を拡大して示す概略断面図である。
【図6】図1のSAWデバイスの反射端面位置を変化させた場合のCI(クリスタルインピーダンス)値を説明するための図である。
【図7】図1のSAWデバイスの反射器の電極数の変化に対応して、SAWデバイスの反射端面位置に関する許容値δの範囲の変化を計測したグラフである。
【図8】図1のSAWデバイスの圧電基板の両端辺に、弾性材料を塗布して、SAWデバイスのCI値を計測したグラフである。
【図9】図1のSAWデバイスの圧電基板を形成するウエハを個別のSAWデバイスを形成する個々の圧電基板に切断する工程を示す図である。
【図10】図9の一部を拡大して示す正面図である。
【図11】図10の切断作業において、横軸にダイシングブレード刃の厚みをEをとり、縦軸に導体ストリップの各基端から、形成されるべき端面までの距離C3を示したグラフである。
【図12】横軸にSAWデバイスの設計周波数をとり、縦軸に各周波数に対応させたIDT及び反射器に必要な導体ストリップ本数を形成した場合の圧電基板の大きさの変化を示したグラフである。
【図13】本発明のSAWデバイスの第2の実施形態を示す概略平面図である。
【図14】本発明のSAWデバイスの第3の実施形態を示す概略平面図である。
【図15】従来のSAWデバイスを示す概略平面図である。
【図16】圧電材料を伝搬するレイリー波を説明するための概念図である。
【図17】圧電材料を伝搬するSH波を説明するための概念図である。
【図18】圧電材料を伝搬するSH波を説明するための概略斜視図である。
【図19】レイリー波を伝搬する圧電材料とSH波を伝搬する圧電材料の結晶方位の違いを示す図である。
【図20】圧電材料を伝搬する弾性表面波の伝搬方向を示す図である。
【図21】SH波の変位成分の相対変位を示した図である。
【図22】レイリー波の変位成分の相対変位を示した図である。
【図23】図5のSAWデバイスの全体図であり、(1)は平面図であり、(2)はC−C線における側面断面図である。
【図24】ウエハ上でエッチングにより図23に示すSAWデバイスを形成する方法の説明図である。
【図25】反射器の外側にエッチングにより溝部を形成したSAWデバイスの説明図でり、(1)は平面図であり、(2)はA−A線における側面断面図である。
【図26】ウエハ上でエッチングにより図25に示すSAWデバイスを形成する方法の説明図である。
【図27】ICPドライエッチング装置の説明図である。
【図28】図25に示すSAWデバイスの製造工程のフローチャートである。
【図29】図25に示すSAWデバイスの製造工程の第1説明図である。
【図30】図25に示すSAWデバイスの製造工程の第2説明図である。
【図31】図25に示すSAWデバイスの製造工程の第3説明図である。
【図32】ウエハ上にパターニングするアライメントマークの平面図である。
【図33】第2フォトマスクに描画するアライメントマークの平面図である。
【図34】図32に示すアライメントマークと、図33に示すアライメントマークとを、重ね合わせた状態の平面図である。
【図35】図25に示すSAWデバイスにキャップ部材を装着した状態の側面断面図である。
【図36】SAW発振器の平面図である。
【図37】反射端面をエッチングで形成した場合の、反射端面位置のばらつきを計測した結果のグラフである。
【図38】複数のSAWデバイスにおけるCI値の測定結果のグラフであり、(1)は反射端面をエッチングで形成したSAWデバイスにおけるCI値の測定結果であり、(2)は反射端面をエッチングで形成していないSAWデバイスにおけるCI値の測定結果である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のSAWデバイスの第1の実施形態の概略構成を示す斜視図である。また、図2は、図1と同じSAWデバイス10の平面図であり、説明のポイントを理解しやすくするため、櫛形電極(IDT)13及び反射器14の導体ストリップの数を変えて示している。
【0039】
このSAWデバイス10は、圧電基板12と、すだれ状電極である櫛形電極13及び反射器14を備えている。
圧電基板12は、圧電材料として、例えば、水晶,リチウムタンタレート(LiTaO3),リチウムナイオベート(LiNbO3)等の単結晶基板やSi基板へZnO成膜した基板等の多層膜基板等でなり、図19で説明したように、レイリー波を伝搬する結晶方位となるように形成されている。圧電基板12の形状は、例えば、図示されているように、矩形板状とされており、その各短辺の端面15,16は後で詳しく説明する位置に定められている。
【0040】
櫛形電極(IDT)13及び反射器14は、圧電基板12の表面に、アルミニウムやチタン等の導体金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に形成した上で、フォトリソグラフィ等により、すだれ状となるように形成されている。
【0041】
具体的には、IDT13は、複数の電極指13aがスペースSでなる所定のピッチPTの2倍で並設されて長手方向の各端部が短絡するように形成されている。即ち、2つの櫛形状の電極の各櫛歯部分が、所定距離隔てて互い違いに入り込むように形成されている。このIDT31は、電気的に接続されている図15に示す外部端子5を介して電気信号と弾性表面波(SAW)との間の変換を行う機能を有する。
【0042】
IDT13の両側には、それぞれギャップGを隔てて、反射器14,14が設けられている。反射器14は、複数の導体ストリップ14aが、IDT13と同じように、スペースSでなる所定のピッチで並設されて長手方向の各両端部が短絡されるように形成されている。
【0043】
そして、例えば、同一構成の2つの反射器14,14が、導体ストリップ14aがIDT13の電極指13aと平行になるように、かつIDT13を弾性表面波の伝搬方向、即ちIDT13の電極指13aの長手方向に直交する方向に所定距離隔てて挟み込むように形成されている。この反射器14,14は、IDT13から伝搬してくる弾性表面波を反射して、弾性表面波のエネルギーを内部に閉じこめる機能を有する。
【0044】
ここで、本実施形態では、SAWデバイス10は、例えば106メガヘルツ程度の低周波数に対応するように形成され、IDT13の対数(対となる電極指13aの対の数)60対、反射器14の導体ストリップの数105本程度の小サイズチップを用いている。
【0045】
図3は、SAWデバイス10の反射器14と圧電基板端面を含む一部を拡大して示した断面である。
図3は反射器14の寸法の一部を示したものであるが、反射器14aの幅Pは14bと同じで14aと14bはともにスペースSと同じ幅である。また反射器14aの幅P(図2に示す電極指13aもほぼ同じ)とスペースSとを合わせたPRはλ/2(λは表面弾性波の波長)に設定されている。したがってスペースSと反射器14aの幅Pは、それぞれλ/4に設定されている。
【0046】
したがって、ピッチPと電極指13aの幅(導体ストリップ14aも同じ)は、それぞれλ/4に設定されている。また、電極指13aの高さHは、およそH/λ=0.02ないし0.04とされている。
【0047】
そして、本実施形態では、圧電基板12の少なくとも表面側の短辺の端面15,16が、前記反射器の端部の導体ストリップ14b,14cから出るそれぞれの応力波の各仮想の節の位置に定めることで、この応力波を反射する反射端面とされている。
【0048】
この反射端面15,16について、以下に詳しく説明する。
本実施形態では、上述したように、低周波数(例えば、106メガヘルツ程度)対応のSAWデバイス10を小型に形成するに当たり、圧電基板12としてレイリー波を伝搬するものを採用している。
【0049】
このようなレイリー波を伝搬するSAWデバイスにおいは、既に述べたように、通常、弾性表面波は、その進行方向の端面でバルク波に変換されて、もどってこないとされていた。しかしながら、圧電基板12上にIDT13と反射器14とが設けられている場合に、所定の条件の下では、櫛形電極から出て進行する弾性表面波が、反射器にて反射される反射波と出会うと、圧電基板12の深さ方向への単純な単振動の波としての応力波Tとなって、反射器14から圧電基板端面15,16へ向かって出射されることを見いだした。
【0050】
このような反射端面を形成する条件のひとつとして、図5に示す圧電基板12の端面の位置15(16)が、反射器14の端部の導体ストリップ14b,14cから出る、図4に示す応力波Tの仮想の節Jの位置になっていることが必要である。
【0051】
図4はこのような端面位置を求めるための手法を説明する図である。
図4は、このような単振動の波である応力波Tの波形を仮想して示した図である。図において、このような応力波Tは、表面弾性波と同じ周期λを持ち、λ/2で、応力波Tの節Jと腹Vが交代している。
【0052】
したがって、反射端面とすることができる圧電基板12の端面位置は、反射器14の端部の導体ストリップ14b,14cの内端部を基端とすると半波長ずつの位置で繰り返し応力波Tの節Jの位置がくるから、
反射端面位置=n×PR・・・・・式(1)
となる。
【0053】
図5は、図1のSAWデバイス10に対応する圧電基板12の端部を拡大して示す概略断面図であり、すなわち、この図において、圧電基板12の端面を設けるべき位置は、反射器14の最も外側の端部に位置する導体ストリップ14bもしくは14cの基端部から、外側に向かってBの距離隔てられた箇所である。
この距離Bは、上記式(1)に基づいて、
反射端面位置B=(n×PR)±(PR/2)×δ・・・式(2)
(ただし、nは整数で、δは、後述する許容値)
となる。
【0054】
また、図1及び図2において、距離Bに対応するB1とB2の大きさの違いは、上記nの数に違いに起因するものであり、上記式(2)を満たす場合には、B1とB2は同じでもよい。
【0055】
このような反射器14の最も外側の端部に位置する導体ストリップ14bもしくは14cの基端部から、外側に向かってBの距離隔てられた箇所に端面15,16を設けることにより、圧電基板12の端面において、端面自由の境界条件を満足し、反射波は圧電基板12の振動を妨げないので、振動エネルギーの散逸となる散乱バルク波(scattering bulk wave)を発生せずに、弾性表面波を反射することができると考えられる。
【0056】
さらに、圧電基板12の端面15,16が適切に反射波を戻すためには、その端面がIDT13及び反射器14の各電極指13a,導体ストリップ14aに略平行である必要がある。これにより、反射波は正しい方向へ反射される。
また、圧電基板12の端面15,16は、垂直な平滑面とされる必要がある。これにより、反射波は、乱反射されることがない。
【0057】
さらに、図5に示されているように、圧電基板12の反射端面15,16は、その厚み全体に設ける必要はなく、例えば、段部21を残して、この段部21の内側の垂直面として設けてもよい。この場合、反射端面15,16の深さtは、弾性表面波の伝搬に関与する圧電基板12の圧電材料の厚みに対応し、この深さtは好ましくは、λ/2と同等か、それ以上に設定される。
【0058】
また、図1のSAWデバイス10の反射端面を図5で説明したような段部12を残すように形成することで、後述する製造方法を採用することができ、製造上の利点がある。
【0059】
図6は、圧電基板12の反射端面15,16を上述の(2)式に基づいて、そのnの値を変化させて形成した場合のSAWデバイス10のCI(クリスタルインピーダンス)値を求めたものである。
図6(a)は、上記nの値をいくつかの整数4、5、6について設けた位置について示し、図6(b)は、その各位置に反射端面15,16を設けた場合のCI値をグラフにまとめたもので、横軸が反射端面15,16の位置の変化に対応しており、縦軸はCI値となっている。
【0060】
図6(b)に示されているように、上記式(2)の各nの値に対応して、CI値は周期的に変化している。そして、例えば、図示された40Ωの箇所を許容ラインLとして設定すると各nの値毎に、それぞれ(PR/2)・δで示す範囲で許容ラインLを満たす許容値があることがわかる。
【0061】
図7は、この許容値(PR/2)・δの範囲をシュミレーションした結果であり、横軸にプラスマイナス(PR/2)・δに相当する相対公差をとり、縦軸にCI値をとった図である。すなわち、横軸の相対公差が0の場合が(PR/2)の位置であり、その位置よりはずれた左右の位置がプラスマイナス(PR/2)・δに相当する。
【0062】
この場合、IDT13の電極指13aの数を80対(M=80)に固定し、反射器14の導体ストリップ14aの本数(N)を80本とした場合が示されている。CI値の許容ラインLを40Ωとして設定した場合の切断位置公差はおよそ0.6程度となる。
【0063】
図8は、図1で説明したSAWデバイス10と同一の構成で、その端面15,16を上記のように反射端面を構成する位置に設け、試みに圧電基板12の両端辺(反射端面15,16の領域)に、弾性材料,例えばシリコーンを塗布して、SAWデバイス10のCI値を計測したものである。なお図8には、同じ条件で複数回の実験を行った結果を示している。
【0064】
図示されるように塗布前において小さかったCI値は、シリコーンを塗布すると増大している。すなわち、反射端面15,16に到達した弾性表面波は、弾性材料により吸収されてしまい、反射されずにIDT13に戻されない結果、エネルギーの閉じこめ作用が発揮されず、CI値が増大していると考えられる。
かくして、本実施形態のSAWデバイス10においては、圧電基板12を伝搬するレイリー波に基づく弾性表面波を反射端面15,16にて反射させることができるので、全ての弾性表面波を反射器14の機能だけによって反射させなくてすむから、その分反射器14の導体ストリップ14aの数を減らすことが可能となり、低周波数に対応したSAWデバイス10を構成する圧電基板12を小型に形成することができる。
【0065】
図9及び図10は、本実施形態のSAWデバイス10の製造工程の一部を示す図である。
本実施形態のSAWデバイス10は、圧電材料としての例えば水晶等でなるウエハ20を、上述したレイリー波を伝搬させるために必要な結晶方位を有する構成に形成し、このウエハ20に対して、マトリクス状に、複数のIDT13と反射器14,14の複数の電極指及び導体ストリップを形成することにより設ける工程までは従来と同じである。
そして、この複数のIDT13と反射器14,14をマトリクス状に形成したウエハ20の底面を、例えば、ガラス板上にホットメルトワックス等を用いて張りつける。次いで、切断工程を行う。
【0066】
図9には、ウエハ20を個別のSAWデバイス10を形成する個々の圧電基板12に切断する工程が示されている。すなわち、ウエハ20は、各SAWデバイス10の長辺方向に平行な複数の切断線C1と、これと直交する方向に沿った複数の切断線C2により切断される。
【0067】
ここで、切断線C1に沿った切断工程は、上述した圧電基板12の反射端面15,16と関係ないので、その機能と関連する程度にきびしい精度は不要であるから、従来の工程と同様に、例えば、所定のブレード等により適宜切断できる。
これに対して、切断線C2に沿った切断工程は、各圧電基板12の切断線C2に沿った切断により形成される端面が反射端面15,16として機能するように切断する必要があり、より精密な加工が必要となる。
【0068】
図10は、この切断線C2による切断箇所を図9の手前から見た拡大図である。
図10のウエハ20において、長さ方向に隣接する圧電基板12,12の上に形成されている反射器14,14の各端部の導体ストリップ14b,14cの各基端間の距離をDとし、各端部の導体ストリップ14b,14cの各基端から、形成されるべき端面までの距離をCとし、切断に使用されるダイシングブレード23の刃の厚みをEとし、実際の切断幅をFとして表されている。
【0069】
そして、上記距離Dの中心に切断中心C4を位置させると仮定すると、各端部の導体ストリップ14b,14cの各基端から、形成されるべき端面までの距離C3は、上述した式(1)及び図10の関係より、
C3=n×PR=(D−E)/2・・・式(3)
となる。
【0070】
したがって、ダイシングブレード23の刃の厚みEを切断幅Fとほぼ同じとすれば、各端部の導体ストリップ14b,14cの各基端間の距離Dと、切断に使用されるダイシングブレード23の刃の厚みEとの関係で、導体ストリップ14b,14cの各基端から、形成されるべき端面までの距離C3が、n・PRを満たすように工夫する必要がある。
【0071】
そこで、周波数が106.25メガヘルツのSAWデバイス10を作るにあたり、上記のような方法を実行するために、例えば、図10の各端部の導体ストリップ14b,14cの各基端間の距離Dを、例えば312μmとし、ダイシングブレード23の刃の厚みEが150μmのものを用いて切断してみた。
しかしながら、この場合の各数値を、上記式(3)に当てはめると、
C3=(D−E)/2
=(312.6−150)/2
=81.3(μm)
【0072】
各端部の導体ストリップ14b,14cの各基端から、形成されるべき端面までの距離C3は、81.3(μm)という結果となる。
このC3が81.3(μm)という結果について、応力波との関係から反射端面として機能するかどうかを検討すると、製造すべきSAWデバイス10の周波数が106.25メガヘルツであるから、波長λは、29.65μmとなる。PR=λ/2であるから、PR=29.65/2で、PRは14.82(μm)となる。
【0073】
これにより、図11を作成してみると、図11は、横軸にダイシングブレード23の刃の厚みEをとり、縦軸に導体ストリップ14b,14cの各基端から、形成されるべき端面までの距離C3をとったグラフである。図11において、縦軸81.3(μm)は、n=5とn=6のほぼ中間となり応力波Tの腹Vにあたり、CI値が高くなってしまうことがわかる。
したがって、距離C3を応力波Tの節Jに合わせるためには、グラフより、ダイシングブレード23の刃の厚みEは、例えば、より薄い138μm(C3=87.3μm、n=6)か、より厚い167μm(C3=72.8μm、n=5)とする必要がある。
【0074】
このようにして、図10に示した切断をダイシングブレード23を用いる場合にも、その刃の厚みEと切断幅Fとの関係を正確に求めることで、本実施形態の反射端面15,16を形成することができる。
そして、図5を参照してわかるように、このような正確なダイシングは、圧電基板12の表面から、深さtまで行えばよく、深さtまで図10に示すU字状の溝25を形成してしまえば、残りの部分を、より刃の厚みの薄いダイシングブレードにより、切断中心C4のおおよその位置を迅速に切り離せば、図5で説明した端面形状のSAWデバイス10が得られる。
【0075】
さらに、上述のように、最初ダイシングブレード23を用いることなく、例えば所定のウエットエッチングまたはドライエッチングにより、上述したU字状の溝25を形成すれば、より正確な端面位置を設けることができる。そして、この場合も、U字状の溝25を形成してしまえば、残りの部分を、刃の厚みの薄いダイシングブレードにより、切断中心C4のおおよその位置を迅速に切り離せば、図5で説明した端面形状のSAWデバイス10が得られる。
【0076】
図23は、図5のSAWデバイス10の全体図である。同図(1)は平面図であり、同図(2)はC−C線における側面断面図である。一方、図24は、ウエハ上で複数のSAWデバイス10をエッチングにより形成する方法の説明図である。図24においてハッチングで示したように、切断線C2を中心線として、上記の切断幅Fまたはダイシングブレードの刃厚Eと同じ幅に、ウエハのエッチングを行えばよい。
【0077】
図1のSAWデバイス10をこのように製造すると、その反射端面を図5で説明したような段部12を残すような形状とすることができる。この場合、上述したように、圧電基板12の表面から深さtまで精密に加工すれば、後は比較的精密度を要しない方法で切断できるので、製造が容易となる。
【0078】
図25は、反射器の外側にエッチングにより溝部を形成したSAWデバイスの説明図である。同図(1)は平面図であり、同図(2)はA−A線における側面断面図である。
図25のSAWデバイス50では、反射器14の外側に反射器14に沿って溝部52が形成され、その溝部52の内側側面によって反射端面15,16が形成されている。反射端面15,16の形成位置Bは、図5と同じ位置とする。
【0079】
なお、溝部52の長さsは、櫛形電極13および反射器14の幅w以上の長さに形成する。櫛形電極13ではその幅全体からレイリー波を放射するので、溝部52の長さsを櫛形電極13の幅w以上に形成することにより、反射端面15,16においてレイリー波を全て反射することができる。
また、溝部52の深さtは、図5と同様にλ/2以上に形成する。レイリー波は、圧電基板12の表面から深さλ/2の範囲内で伝搬されるので、溝部52の深さtをλ/2以上とすることにより、反射端面15,16においてレイリー波を全て反射することができる。
さらに、溝部52の幅rは、n×PRとなる幅に形成する。これにより、仮に溝部52の内側側面により構成される反射端面15,16をレイリー波が通過したとしても、その通過したレイリー波は溝部52の外側側面で反射されることになる。従って、レイリー波を確実に反射することができる。
【0080】
図26は、ウエハ上で複数のSAWデバイス50をエッチングにより形成する方法の説明図である。図26においてハッチングで示した、ウエハ上の各SAWデバイス50の各溝部52は、エッチングにより全て同時に形成する。
溝部52のエッチングは、ドライエッチングにより行う。ドライエッチングには、C4F8等のCF系ガスや、SF6等のSF系ガスなどの、フッ素を含むガスをエッチングガスとして使用する。このエッチングガスをプラズマ化してフッ素ラジカルを生成し、このフッ素ラジカルで圧電基板を処理することによりエッチングを行う。
【0081】
なお、エッチングガスに酸素ガスを添加すれば、フッ素ラジカルの生成量が増加してプラズマ濃度が高くなり、エッチングレートを上げることができる。また、HeやArなど分子量の小さい希ガスを添加すれば、低エネルギーでプラズマを発生させることができるとともに、発生したプラズマを維持することができる。
【0082】
圧電基板のドライエッチングには、以下に説明するICPドライエッチング装置を使用することができる。図27にICPドライエッチング装置の説明図を示す。ICP(誘導結合型プラズマ)ドライエッチング装置100として、まずチャンバ102を設ける。また、チャンバ102内にはウエハ20を載置するテーブル104を設ける。さらに、チャンバ102内を真空引きする真空ポンプ106を設ける。
【0083】
また、チャンバ102内にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段112、不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段114、および酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段116を設ける。一方、チャンバ102内の使用済みガスを排出する排気配管118を設ける。なお、排気配管118は図示しない排気ポンプに接続し、さらに図示しない除害装置に接続して、前記使用済みガスを外部に排出可能とする。
【0084】
チャンバ102の上部外側には、チャンバ102を取り巻くように誘導コイル122を設ける。なお、誘導コイル122は第1高周波電源124に接続する。一方、ステージ104は第2高周波電源126に接続する。
そして、誘導コイル122がチャンバ102内に発生させる磁界により、エッチングガスがプラズマ化されてフッ素ラジカルを生成する。さらに、第2高周波電源126がチャンバ100内に発生させるバイアス電界により、フッ素ラジカルが垂直上方からウエハ20に作用して、異方性エッチングが施される。なお、上記のICPドライエッチング装置100を使用すれば、例えば1〜2μm/minのエッチングレートが得られ、15〜30分程度で溝部のエッチングが完了する。
【0085】
図28は、図25に示すSAWデバイス50の製造工程のフローチャートである。また、図29、図30および図31は、SAWデバイス50の製造工程の説明図である。なお以下の各工程は、同一のウエハに形成する複数のSAWデバイス50について、同時に行う。
【0086】
まず、図29(1)に示すように、圧電基板12の表面に、電極材料となるAl等の被膜54を形成する(ステップ70)。電極材料被膜54の形成は、蒸着法やスパッタ法などによって行う。
次に、電極材料被膜54に第1のパターニングを行って、反射端面形成用マスクを形成する(ステップ72)。第1のパターニング工程は、リソグラフィ工程(ステップ74)と、電極材料被膜のエッチング工程(ステップ80)とにより構成する。リソグラフィ工程には、光によってレジストを露光するフォトリソグラフィを採用することができる。まず、図29(2)に示すように、電極材料被膜54の表面にレジスト56を塗布する(ステップ76)。次に、図示しない第1フォトマスクを介してレジスト56を露光し、現像する(ステップ78)。なお、第1フォトマスクには圧電基板12をエッチングする部分の形状が描画されている。以上により、図29(3)に示すように、電極材料被膜54をエッチングする部分のレジストが除去される。
【0087】
次に、図30(1)に示すように、このレジスト56をマスクとして、電極材料被膜54をエッチングする(ステップ80)。電極材料被膜54のエッチングにも、図27に示したICPドライエッチング装置100を使用することができる。なお、電極材料被膜54がAl膜の場合には、エッチングガスとして四塩化炭素(CCl4)や三塩化ホウ素(BCl3)などの塩素を含むガスを使用する。これらをプラズマ化して生成した塩素ラジカルを、Al膜と反応させることにより、AlCl4となってAl膜が除去される。以上により、電極材料被膜54がパターニングされ、反射端面形成用マスク55が形成される。
【0088】
次に、図30(2)に示すように、レジスト56を除去する(ステップ82)。レジストの除去は、オゾン水で処理する方法などによって行う。なお、次述する反射端面形成工程において、圧電基板12のエッチングを比較的長時間行うことにより、同時にレジスト56の除去を行うこともできる。
【0089】
次に、図30(3)に示すように、反射端面形成用マスク55を使用して、圧電基板12をエッチングする(ステップ84)。圧電基板12のエッチングには、図27に示したICPドライエッチング装置100を使用することができる。具体的なエッチングの手順は以下の通りである。
まず、チャンバ102内のステージ104上に、ステップ82までの処理を終えた圧電基板12(ウエハ20)を載置する。次に、真空ポンプ106を運転して、チャンバ102内を0.02Torr(2.67Pa)程度にまで減圧する。次に、チャンバ102内に各ガスを供給する。すなわち、エッチングガス供給手段112からC4F8ガスを流量30sccmで供給し、希ガス供給手段114からArガスを流量10sccmで供給し、酸素ガス供給手段116から酸素ガスを流量2sccmで供給する。
【0090】
次に、第1高周波電源124の出力を1200W程度に設定し、誘導コイル122に通電して、チャンバ102内に磁界を発生させる。すると、まずチャンバ内のAr分子が活性化され、さらに活性化されたAr分子がC4F8分子と衝突して、C4F8分子が活性化される。そして、活性化されたC4F8分子からフッ素ラジカルが生成される。なお、活性化されたC4F8分子が酸素分子と反応することにより、さらに多くのフッ素ラジカルが生成される。
【0091】
次に、第2高周波電源126の出力を300W程度に設定し、ステージ104を介して、チャンバ102内にバイアス電界を発生させる。これにより、生成されたフッ素ラジカルが力を受けて、垂直上方から圧電基板12に作用する。そして、圧電基板12が水晶材料の場合には、SiF4となって水晶材料が除去される。以上により、圧電基板12の垂直方向に、異方性エッチングが施される。なお、反射端面形成用マスク55を使用しているので、反射端面15,16を形成する部分のみにエッチングが施される。
【0092】
次に、電極材料被膜54に第2のパターニングを行って、櫛形電極および反射器等を形成する(ステップ86)。第2のパターニング工程も、第1のパターニング工程と同様に、リソグラフィ工程(ステップ88)と、電極材料被膜のエッチング工程(ステップ96)とにより構成する。リソグラフィ工程には、光によってレジストを露光するフォトリソグラフィを採用することができる。まず、図31(1)に示すように、電極材料被膜54の表面にレジスト57を塗布する(ステップ90)。
【0093】
次に、圧電基板12に対する第2フォトマスクの位置決めを行う(ステップ92)。その前提として、第1パターニング工程において、ウエハ表面のいずれかの位置に、アライメントマークをパターニングしておく。なお、ウエハに対する第2フォトマスクの回転方向の位置決めを可能とするため、2個以上のアライメントマークをパターニングしておくのが好ましい。アライメントマークとして、例えば図32に示すマーク58を形成しておく。すなわち、濃色の電極材料被膜54をエッチングすることにより、淡色のウエハ20の表面を十字型に露出させる。なお、十字型は4個の正方形を等間隔に配置することによって構成されるが、それぞれの正方形の配置される間隔を例えば50μmとする。
【0094】
一方、ウエハのマーク58に対応して、第2フォトマスクにもアライメントマークを描画しておく。アライメントマークとして、例えば図33に示すマーク59を形成しておく。すなわち、第2フォトマスクの透光部分に、マーク58の十字型と同形状の十字型59を濃色により描画する。十字型59は2個の長方形を中央で重ね合わせて構成されるが、十字型59を構成する2個の長方形の四隅には、それぞれの長方形における長辺から所定幅に、切り欠き59aを設ける。その所定幅は、図5に示す反射端面の形成位置の許容値である、(PR/2)・δに一致させる。例えば、周波数が106.25MHzのSAWデバイスにおいて、櫛形電極の電極指の数および反射器の導体ストリップの数をそれぞれ80本とした上で、CI値を40Ω以下とする場合の反射端面形成位置の許容値は、約5μmとなる。
【0095】
そして、図34に示すように、ウエハにおけるマーク58の十字型に対して、第2フォトマスクにおけるマーク59の十字型を重ね合わせる。ここで、マーク59の全ての切り欠き59aを通して、ウエハ20の淡色を視認できる位置に、第2フォトマスクを固定する。このように固定した第2フォトマスクを使用して、第2パターニング工程を行うことにより、第1パターニング工程で形成した反射端面の位置は、第2パターニング工程で形成する電極の位置に対して、許容値内の位置となる。
【0096】
次に、図示しない第2フォトマスクを介してレジスト57を露光し、現像する(ステップ94)。なお、第2フォトマスクには、上述したマーク59とともに、形成する電極パターンの形状が描画されている。以上により、図31(2)に示すように、電極材料被膜54をエッチングする部分のレジストが除去される。
次に、図31(3)に示すように、このレジスト57をマスクとして、電極材料被膜54をエッチングする(ステップ96)。その具体的な方法は、第1パターニング工程におけるステップ80と同様である。以上により、電極材料被膜54がパターニングされ、櫛形電極および反射器等が形成される。
【0097】
最後に、図31(4)に示すように、レジスト57を除去する(ステップ98)。以上により、SAWデバイス50が完成する。
以上には、電極を形成するための電極材料被膜を流用して反射端面形成用マスクを作成し、圧電基板をエッチングする方法について説明した。しかし、反射端面形成用マスクを作成する方法はこれに限られるものではなく、電極材料被膜以外のマスク材料被膜を形成して、反射端面形成用マスクを作成してもよい。マスク材料には、Cr、Ag、タングステン等を使用することができる。
【0098】
この場合、ステップ70でマスク材料被膜を形成し、ステップ72の第1パターニング工程を行って、反射端面形成用マスクを作成する。そして、ステップ84で圧電基板のエッチングが終了した後、マスク材料被膜で形成した反射端面形成用マスクを除去する。次に、電極材料被膜を形成し、ステップ86の第2パターニング工程を行って、電極を作成する。この方法によっても、上記と同様にSAWデバイス50を形成することができる。
【0099】
図35は、キャップ部材を装着したSAWデバイス50の側面断面図である。上記のように形成したSAWデバイス50は、櫛形電極13等の酸化による周波数変化を防止するため、SAW伝搬面を気密に保持するキャップ部材60を装着して使用する。キャップ部材60はガラス基板等により形成する。キャップ部材60の中央部にはキャビティ62を設けて、櫛形電極13等を窒素雰囲気に保持する。また、圧電基板12表面の周縁部には、電極形成材料により封止電極64を形成する。そして、この封止電極64とキャップ部材60とを陽極接合することにより、圧電基板12のSAW伝搬面を気密に保持する。
【0100】
一方、外部から櫛形電極13に通電するため、キャップ部材60の表面には外部電極66を設ける。また、櫛形電極の電極パッド68の上方に、キャップ部材60を貫通するスルーホール67を形成する。そして、このスルーホール67に導電性材料を封入することにより、櫛形電極の電極パッド68と上記外部電極66とを導通させて、外部から櫛形電極13への通電を可能とする。
【0101】
図36は、SAWデバイス50を使用して形成したSAW発振器の平面図である。SAW発振器200は、セラミック等のパッケージ202の表面に配線パターン204を形成し、上記のように形成したSAWデバイス50および集積回路素子(IC)206を実装して、発振回路を形成したものである。SAWデバイス50および集積回路素子206と、配線パターン204との間は、ワイヤボンディング等により接続する。一方、SAWデバイス50の櫛形電極等の酸化を防止するため、また異物の混入を防止するため、パッケージ202の表面には、上記と同様にキャップ部材を装着する。
【0102】
図37は、反射端面をエッチングで形成した場合の、反射端面位置のばらつきを計測した結果のグラフである。上記の方法により反射端面をエッチングで形成し、反射器の最も外側の導体ストリップにおける基端部から、反射端面までの距離Bを計測した。なお、1枚のウエハにおいて100個以上のSAWデバイスが同時に形成されるので、その中からランダムに30個を抽出して反射端面位置を計測した。図37のグラフの縦軸は距離Bの計測値であり、平均値を○で示すとともに、平均値±3σ(σは標準偏差)の値をエラーバーで示している。なお、7.36μmが設計値である。また、5枚のウエハにおいてSAWデバイスを作成し、同様に計測を行った。図37のグラフの横軸は、SAWデバイスを形成したウエハ番号である。
【0103】
反射端面位置を計測したSAWデバイスの周波数は、106.25MHzである。よって、図5に示すように、距離Bの許容値は以下の式で表される。
B=設計値±(PR/2)・δ
=設計値±(14.82/2)・0.68
=設計値±5.04 (μm)
図37では、各ウエハにおいて、ほとんどのSAWデバイスが、この許容値の範囲内に形成されていることがわかる。エッチングで反射端面を形成することにより、上記のように寸法精度を確保できることが確認された。
【0104】
図38は、複数のSAWデバイスにおけるCI値の測定結果のグラフである。同図(1)は、反射端面をエッチングで形成したSAWデバイスにおけるCI値の測定結果であり、同図(2)は、反射端面を上記に従って形成していないSAWデバイスにおけるCI値の測定結果である。
同図(2)では、CI値の高いSAWデバイスも存在するのに対して、同図(1)では、CI値が20〜25Ωの低い値に集中している。エッチングで反射端面を形成することにより寸法精度を確保できるので、上記のようにCI値を低く抑えることができる。そして、CI値を低減したSAWデバイスを使用することにより、SAW発振器等において、集積回路素子(IC)の発振余裕度を確保することができる。
【0105】
図12は、従来のSAWデバイス1に関して、横軸に設計周波数をとり、縦軸に必要な導体ストリップ本数を形成した場合の、電極(反射器/IDT/反射器)の大きさの変化を、各周波数に対応させて、曲線Pにより示したものである。
曲線P上で、例えば、従来の設計パラメータでは周波数106メガヘルツのSAWデバイスをつくる場合には、IDTの対数が120対、反射器の導体ストリップ本数120本であり、圧電基板の大きさ,すなわちチップの大きさ(長さ)は約7.1mmとなる。
【0106】
しかしながら、本実施形態のSAWデバイス10では、点Iで示すように、そのIDTの対数が60対、反射器の導体ストリップ本数105本となり、圧電基板の大きさ,すなわちチップの大きさ(長さ)は約4.9mmとなり、著しく小型化することができる。
【0107】
図13は、本発明の第2の実施形態にかかるSAWデバイス30を示す概略平面図である。
図13において、図1及び図2と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから重複する説明は省略する。
このSAWデバイス30は、ふたつのIDT13,13を一列に並べて、両外側に反射器14,14をそれぞれ配置し、IDT13,13の間にも反射器14を設けたもので、入出力端子が2つずつ設けられた2ポート式のものである。
このSAWデバイス30においても、上述したSAWデバイス10と同様にして反射端面15,16を形成することができ、同様の作用効果を発揮する。
【0108】
図14は、本発明の第3の実施形態にかかるSAWデバイス40を示す概略平面図である。
図14において、図1及び図2と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから重複する説明は省略する。
このSAWデバイス40は、フィルタ機能を果たすもので、2個のIDT13,13を並列に並べて、それぞれ両外側に反射器14,14を配置したもので、入出力端子が2つずつ設けられた2重モード式のものである。
【0109】
このSAWデバイス40においても、上述したSAWデバイス10と同様にして反射端面15,16を形成することができ、同様の作用効果を発揮する。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の発明の趣旨を逸脱しない範囲であらゆる形態のSAWデバイスに適用される。
特に、上述の各実施形態の個々の構成は、必要により省略したり、これらと異なる他の構成と、あるいは個々の構成同志任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
以上述べたように、本発明によれば、レイリー波を圧電基板の端面で反射できるようにして、反射器の導体ストリップの本数を減らすことにより、反射器を小型に形成することができる、低周波数に対応した弾性表面波装置を提供することができる。

Claims (9)

  1. レイリー波を伝搬する矩形板状の圧電基板と、
    この圧電基板にすだれ状電極を形成して設けた櫛形電極及び反射器と
    を備えており、
    前記圧電基板の少なくとも表面側の短辺の端面が、前記反射器の端部の導体ストリップから出る応力波の仮想の節の位置にて、前記導体ストリップに略平行で、垂直な平滑面とすることで、前記応力波を反射する反射端面とされており、
    前記反射端面は、反射器の端部の導体ストリップにおける内側基端部から前記反射端面までの距離Bが、
    B=(n×PR)
    (ただし、n=整数、PR=λ/2、λ=レイリー波の波長とする)
    により規定されることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 前記反射端面は、前記応力波の仮想の節の位置にて、前記圧電基板の表面から一定の距離の深さまで設けられており、反射端面の下端には段部を設けた形状であることを特徴とする、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 前記反射端面は、前記圧電基板の表面側において、前記反射器の外側に前記反射器に沿って形成された溝部の、内側側面によって構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  4. 圧電基板上の櫛形電極から放射され前記圧電基板の表面を進行するレイリー波を、反射器により反射して前記櫛形電極に戻すための前記圧電基板の反射端面を、エッチングにより前記反射器の端部の導体ストリップにおける内側基端部から前記反射端面までの距離Bが、
    B=(n×PR)
    (ただし、n=整数、PR=λ/2、λ=レイリー波の波長とする)
    により規定された位置に形成することを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  5. 前記圧電基板の表面に電極材料被膜を形成する工程と、前記電極材料被膜に第1のパターニングを行って反射端面形成用マスクを形成する工程と、前記反射端面形成用マスクを使用してエッチングにより前記反射端面を形成する工程と、前記電極材料被膜に第2のパターニングを行って電極を形成する工程と、を有することを特徴とする、請求項4に記載の弾性表面波装置の製造方法。
  6. 前記エッチングは、ドライエッチングであることを特徴とする、請求項4または5に記載の弾性表面波装置の製造方法。
  7. 前記第1のパターニング工程は、リソグラフィ工程と、そのリソグラフィ工程で形成したマスクを使用して前記電極材料被膜をエッチングする工程とにより構成されることを特徴とする、請求項5に記載の弾性表面波装置の製造方法。
  8. 前記第2のパターニング工程は、リソグラフィ工程と、そのリソグラフィ工程で形成したマスクを使用して前記電極材料被膜をエッチングする工程とにより構成されることを特徴とする、請求項5に記載の弾性表面波装置の製造方法。
  9. 前記第2のパターニング工程におけるリソグラフィ工程は、前記第1のパターニング工程において前記電極材料被膜に形成したアライメントマークを用いて、レジスト露光用マスクを前記反射端面に対して相対的に位置決めした上で行うことを特徴とする請求項8に記載の弾性表面波装置の製造方法。
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