JP2005354507A - 圧電デバイスの製造方法と弾性表面波チップ - Google Patents

圧電デバイスの製造方法と弾性表面波チップ Download PDF

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Abstract

【課題】 性能の悪化を招来することなく周波数調整が可能で、信頼性が高い圧電デバイスの製造方法と、このような製造方法に適した弾性表面波チップを提供すること。
【解決手段】 パッケージ40に対して、接着剤46を用いて圧電素子を固定するようにした圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電素子31を前記パッケージに固定した後で、前記圧電素子に対してプラズマPを照射して周波数を調整する工程を含んでおり、前記周波数調整工程において、前記圧電素子の周囲にマスクを配置することにより、前記圧電素子の外縁を超えた領域を、前記プラズマに対して遮蔽する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、電気信号と弾性表面波との間の変換を行う櫛歯型電極を有する弾性表面波装置とその製造方法の改良に関するものである。
近年、携帯電話やテレビ受像機等の電子部品や通信部品において、圧電デバイスが多く使用されており、例えば、共振子や帯域フィルタ等として圧電基板を利用した圧電デバイスのひとつである弾性表面波装置(以下、「SAW(Surface Acoustic Wave)デバイスという」)が使用されている。
このSAWデバイスは、箱状のパッケージの内側に、圧電素子としての弾性表面波チップを収容し、必要な配線の接続を行った後で、パッケージ内部に、例えば、窒素を封入して蓋体で気密に封止した構成である。
この場合、弾性表面波チップは、パッケージに対して、シリコン樹脂などの接着剤を用いて固定する手法が多く採用されている(特許文献1参照)。
図10は、このような固定方法で製造されるSAWデバイスの構成を簡単に図示したものであり、SAWデバイスの概略平面図である。
図において、SAWデバイス1の弾性表面波チップ3は、水晶などの圧電材料で形成した基板4の一面に、櫛歯型電極(IDT(Inter Digital Transducer))5,5が形成されている。ここで、IDT5は、基板4の表面に、アルミニウム等の導体金属により形成されている。
IDT5は、櫛歯状とされた複数の電極指が所定のピッチで並設されて長手方向の各端部が交互に短絡されるように形成されている。即ち、2つの櫛形状の電極の各櫛歯部分が、その先端側を向かい合わせて、所定距離隔てて互い違いに入り込むように形成されている。
このIDT5は、電気的に接続されている電極端子を介して電気信号と弾性表面波(SAW)との間の変換を行う機能を有する。
このような構成でなる弾性表面波チップ3のIDT5が形成されている面と反対の他の面の中央付近は、例えば接着剤6により、パッケージ2の内側底面に対して固着されている。
パッケージ2の開口周辺には、上向き段部7が形成されており、パッケージ2の底面に形成された電極端子と接続された電極部が設けられている。
これに対して、弾性表面波チップ3の能動面には、IDT5と接続された端子部が設けられており、この端子部とパッケージ2側の上記電極部とは、図示しないボンディングワイヤによりワイヤボンディングされている。この状態で図示しない蓋体によりパッケージ2を気密に封止している。
したがって、パッケージ2の底面の電極端子を実装基板(図示せず)などに実装することにより、電気信号が、弾性表面波チップ3の一方のIDT5に入力されると、圧電効果により弾性表面波に変換される。この弾性表面波は、基板4の表面をIDT5の電極指の長手方向に対して直交方向(図10のX方向)に伝搬され、共振周波数付近の周波数(動作周波数)の電気信号に変換されて他方のIDT5から端子部を介して出力される。
特開2002−16476
ところで、上述したSAWデバイスの製造工程では、蓋体による封止前に個々に周波数調整が行われる。
図11は、このような周波数調整の様子を簡単に示す説明図であり、パッケージ2に対して、蓋体を固定する前に上方からプラズマPを照射し、弾性表面波チップ3の基板表面をドライエッチングすることにより、周波数を調整するものである。
ここで、図10に示したように、弾性表面波チップ3がパッケージ2に固定される際に、接着剤6が弾性表面波チップ3の外縁を超えて露出していると、図11に示すように、周波数調整の際に、プラズマPが、基板表面だけでなく、符号P1で示すように、接着剤6にも当たってしまう。
これにより、照射されたプラズマP1の影響で、接着剤6からガスが発生し、その成分が弾性表面波チップ3の基板4に付着して、性能を悪化させる。
また、このようにして、接着剤6が一度プラズマに晒されると、蓋体で封止した後においても、SAWデバイスが高温下におかれると、硬化した接着剤6からガスが生成されやすくなり、その成分が基板4に付着する弊害がある。
図12と図13は、弾性表面波チップを搭載したSAWデバイスについて周波数調整を実施し、完成後の経過時間に対応して、その周波数を測定した結果である。図12は100ないし500ppmの調整量で周波数調整をした場合、図13は1500ないし2000ppmの調整量で周波数調整をした場合をそれぞれ示している。いずれも周波数調整を実施し完成後500時間程度で、周波数が大きくシフトしていることがわかる。
本発明の目的は、上記課題を解消して、性能の悪化を招来することなく周波数調整が可能で、信頼性が高い圧電デバイスの製造方法と、このような製造方法に適した弾性表面波チップを提供することである。
上述の目的は、第1の発明にあっては、パッケージに対して、接着剤を用いて圧電素子を固定するようにした圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電素子を前記パッケージに固定した後で、前記圧電素子に対してプラズマを照射して周波数を調整する工程を含んでおり、前記周波数調整工程において、前記圧電素子の周囲にマスクを配置することにより、前記圧電素子の外縁を超えた領域を、前記プラズマに対して遮蔽するようにした圧電デバイスの製造方法により、達成される。
第1の発明の構成によれば、前記周波数調整工程において、前記圧電素子の外縁を超えた領域を、前記マスクにより遮蔽するようにしているので、圧電素子を固定している前記接着剤が前記圧電素子の外縁を超えてはみ出している場合においても、この接着剤のはみ出し部分は、前記マスクに隠されるので、プラズマに晒されることがない。
かくして、性能の悪化を招来することなく周波数調整が可能で、信頼性が高い圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記圧電素子が、圧電基板の能動面に櫛歯型電極を形成した弾性表面波チップであり、この弾性表面波チップの櫛歯型電極の外側であって、前記固定に際して接着剤が配置される領域に対応した領域に、遮蔽用のパターンを配置したことを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、前記遮蔽用のパターンが、前記プラズマの光成分を遮蔽することができ、この光成分が前記接着剤に照射されることを有効に防止することができる。
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記遮蔽用のパターンが導電パターンであり、この導電パターンが前記櫛歯型電極と一体に形成されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、前記遮蔽用のパターンが導電パターンを利用するものであって、前記櫛歯型電極と一体のものとすることで、製造工程において、この遮蔽用のパターンと櫛歯型電極とを同時に形成することができる。
上述の目的は、第4の発明にあっては、パッケージに対して、接着剤を用いて圧電素子を固定するようにした圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電素子を前記パッケージに固定した後で、前記圧電素子に対してプラズマを照射して周波数を調整する工程を含んでおり、前記圧電素子の固定を行う工程において、前記接着剤を前記圧電素子の外縁から露出しないように配置するようにした圧電デバイスの製造方法により、達成される。
第4の発明の構成によれば、前記圧電素子を固定するための接着剤が前記圧電素子の外縁から露出しないことにより、前記周波数調整工程において、前記プラズマが前記圧電素子自体により遮蔽される。このため、接着剤は、プラズマに晒されることがない。
かくして、性能の悪化を招来することなく周波数調整が可能で、信頼性が高い圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記パッケージの内側底面に、前記圧電素子の外縁から露出しない範囲で、凹部を形成して、前記接着剤を前記凹部に収容することを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、前記パッケージの内側底面に、前記圧電素子の外縁から露出しない範囲で、凹部を形成することで、この凹部に前記接着剤を収容することができ、接着剤が圧電素子の外縁を超えてはみ出すことを有効に防止できる。
第6の発明は、第4の発明の構成において、前記パッケージの内側底面に、前記圧電素子の外縁から露出しない範囲で、突条を形成して、前記接着剤を前記突条の内側に収容することを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、前記パッケージの内側底面に、前記圧電素子の外縁から露出しない範囲で、突条を形成することで、この突条の内側に前記接着剤を収容することができ、接着剤が圧電素子の外縁を超えてはみ出すことを有効に防止できる。
また、上述の目的は、第7の発明にあっては、圧電基板の能動面に櫛歯型電極を形成した圧電素子であって、前記圧電基板の前記櫛歯型電極の外側にプラズマ遮蔽用のパターンを形成した弾性表面波チップにより、達成される。
第7の発明の構成によれば、前記圧電基板の前記櫛歯型電極の外側にプラズマ遮蔽用のパターンが予め形成されている。このため、この弾性表面波チップをパッケージに対して接着剤により固定した場合に、その後で、プラズマを利用した周波数調整工程を実行しても、プラズマの特に光成分が前記遮蔽用パターンにより、弾性表面波チップを透過することがなく、その下の接着剤に照射されることが有効に防止できる。
第8の発明は、第7の発明の構成において、前記遮蔽用のパターンが導電パターンであり、この導電パターンが、前記基板の弾性表面波の伝搬方向と交叉する方向に関して前記櫛歯型電極と隣接して配置されていることを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、遮蔽用のパターンが導電パターンであり、この導電パターンが、前記基板の弾性表面波の伝搬方向と交叉する方向に関して前記櫛歯型電極と隣接して配置されている構成とすることにより、櫛歯型電極と一体に形成することができ、しかも、特に接着剤が配置される領域に対応しやすい位置とすることができる。
図1は、本発明の圧電デバイスの実施形態としてのSAWデバイスを示す概略平面図で、図2はA−A線概略断面図である。
これらの図を参照しながら、第1の実施形態に係るSAWデバイス30の詳しい構成について説明する。
SAWデバイス30は、パッケージ40内に収容された弾性表面波チップ31を備えている。弾性表面波チップ31は、図2に示されているように、圧電基板32と、櫛歯型電極であるIDT33,33及び反射器34,34を備えている。
圧電基板32は、圧電材料として、例えば、水晶,リチウムタンタレート(LiTaO3 ),リチウムナイオベート(LiNbO3 )等の単結晶基板やSi基板へZnO成膜した基板等の多層膜基板等を使用することができる。
IDT33及び反射器34は、圧電基板32の表面に、アルミニウムやチタン等の導体金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に形成した上で、後述するように、フォトリソグラフィ等により、すだれ状もしくは櫛歯状となるように形成されている。後述する製造工程では、アルミニウムの導電層を形成するようにしている。
具体的には、IDT33,33は、それぞれ複数の電極指33aが所定のピッチで並設されて長手方向の各端部が短絡するように形成されている。即ち、2つの櫛形状のIDT33,33の各櫛歯部分が、所定距離隔てて対向され、互い違いに入り込むように形成されている。このIDT33は、電気的に接続されている各電極端子33b,33b(後述)を介して電気信号と弾性表面波(SAW)との間の変換を行う機能を有する。
IDT33の両側には、それぞれ所定のギャップを隔てて、反射器34,34が設けられている。反射器34は、複数の導体ストリップ34aが、IDT33と同じように、所定のピッチで並設されて長手方向の各両端部が短絡されるように形成されている。
そして、例えば、同一構成の2つの反射器34,34は、その導体ストリップ34aがIDT33の電極指33aと平行になるように、かつIDT33を弾性表面波の伝搬方向、即ち矢印Tで示すIDT33の電極指33aの長手方向に直交する方向に所定距離隔てて挟み込むように形成されている。この反射器34,34は、IDT33から伝搬してくる弾性表面波を反射して、弾性表面波のエネルギーを内部に閉じこめる機能を有する。
パッケージ40は、例えば、絶縁性の圧電材料で形成された矩形の箱体であり、内部空間Sを有している。この内部空間Sが弾性表面波チップ31を収容するための収容空間であり、パッケージ40の内側底面44には、接着剤46が塗布され、その上に弾性表面波チップ31を載せて、接着剤46を硬化させることにより、弾性表面波チップ31が固定されている。パッケージ40の上端には、ロウ材を介して、蓋体45が接合されて気密に封止されている。
パッケージ40の開口付近には、上向きの段部42が形成され、その上には電極部43が形成されている。この電極部43は、例えば、図示しない導電スルーホールなどにより、パッケージ40の底面に露出させて形成した図示しない実装電極と接続されている。
そして、弾性表面波チップ31の各電極端子33b,33bは、図示しないボンディングワイヤなどにより、パッケージ40の段部42に形成した電極部43と電気的に接続されている。
このような構成において、電気信号が、上記電極端子を介してIDT33に入力されると、圧電効果により弾性表面波に変換される。この弾性表面波は、矢印T方向、すなわち、IDT33の電極指33aの長手方向に対して直交方向に伝搬され、IDT33の両側から反射器34,34に放射される。このとき、圧電基板32の材質、電極の厚みや電極の幅等で決定される伝搬速度とIDT33の電極指33aの電極周期d0 に等しい波長を持つ弾性表面波が、最も強く励振される。この弾性表面波は、反射器34,34により多段反射されてIDT33に戻され、共振周波数付近の周波数(動作周波数)の電気信号に変換されてIDT33から電極端子33b,33bを介して出力される。
(SAWデバイスの製造方法)
次に、SAWデバイス30の製造方法の実施形態を説明する。
図3は、SAWデバイス30の製造方法に関する実施形態を簡単に示す工程図である。先ず、前工程として、図1および図2で説明したパッケージ40、弾性表面波チップ31、蓋体45を個々に製造する。
パッケージ40は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成する。また、図2に示すように、パッケージ40は、焼結前の成形時に内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間Sを形成する。
弾性表面波チップ31の製造に際しては、例えば、ウエハ状に形成した上述の圧電材料を用いる。すなわち、先ず、スパッタリングまたは蒸着により、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金を圧電ウエハの全面に成膜する。
次いで、IDT33,33、反射器34,34などに対応したレジストパターンを形成し、露光・現像することによって、フォトリソグラフィの手法を用いて、マスキングされていない箇所をエッチングプロセスにより除去し、IDT33,33、反射器34,34などを形成する。
次に、上記圧電ウエハを切断して個々の圧電基板32の大きさに切断することで、弾性表面波チップ31を形成することができる。
蓋体45は、板厚の薄い丈夫な金属板、例えば、コバールの板などを所定の大きさ、形状に加工することにより、形成される。
パッケージ40、弾性表面波チップ31、蓋体45の製造が終わったら、後工程に入る。
先ず、弾性表面波チップ31をパッケージ40に対して実装する(ST1)。
図2に示すように、パッケージ40の内側底面に接着剤46を塗布する。この接着剤46としては、例えば、低弾性のシリコーン系接着剤、好ましくは、樹脂材料にフィラーを含有させた接着剤が適している。樹脂材料に含有されるフィラーが接合後における弾性変形を調整して、樹脂材料だけの場合よりも低弾性となるようにすることができるからである。なお、この場合のフィラーは導電性でも非導電性でもよい。
特に重要なのは、接着剤46が、弾性表面波チップ31の外縁を超えてはみ出さない領域に塗布することである。
この接着剤46の上に弾性表面波チップ31を載置して、接着剤46を硬化することにより、弾性表面波チップ31が、パッケージ40に対して固定される。次に、IDT33,33の各電極端子33b,33bと、パッケージ40側の電極部43,43とをワイヤボンディング(図示せず)により接続する。
次に、蓋体45による封止前に周波数調整を行う(ST2)。
弾性表面波チップ31を接合したパッケージ40を図示しないチャンバー内に収容し、所定の真空度でエッチングガスを供給して、エッチングプラズマを生成して、圧電基板32の能動面もしくはIDT33をドライエッチングすることにより必要な周波数調整を行う。つまり、真空チャンバー(図示せず)には、例えば、フレオンガスボンベと酸素ガスボンベとが接続され、さらに、真空チャンバーには、排気管が設けられ、所定の真空度に真空引きされるようになっている。
真空チャンバー内が、所定の真空度に真空排気され、フレオンガスと、酸素ガスが送られ、その混合ガスが所定の気圧になるまで充填された状態にて、直流電圧が印加されると、プラズマが発生する。そして、イオン化された粒子を含む混合ガスは、ワークである弾性表面波チップ31の圧電基板(水晶)32の能動面に当たる。この衝撃により、能動面の水晶が物理的に削り取られて飛散し、エッチングが進行する。
ここで、接着剤46は、弾性表面波チップ31の外縁を超えない範囲で塗布されている(図2参照)。このため、照射されるプラズマP2は、接着剤46に当たることがないようにされる。すなわち、プラズマP2は弾性表面波チップ31自体に遮られて、接着剤46は直接プラズマP2に晒されない。このため、プラズマを利用した周波数調整を原因とするガスの生成が有効に防止される。
続いて、例えば窒素雰囲気内で、ロウ材を介して、蓋体45を接合して蓋封止する(ST3)。次いで、最後に、必要な検査を行い(ST4)、図1に示すようにSAWデバイス30を完成することができる。
かくして、上記製造方法によれば、圧電素子である弾性表面波チップ31を固定するための接着剤46が弾性表面波チップ31の外縁から露出しないことにより、周波数調整工程において、プラズマP2が弾性表面波チップ31自体により遮蔽される。このため、接着剤は、プラズマに晒されることがない。
かくして、性能の悪化を招来することなく周波数調整が可能で、信頼性が高いSAWデバイス30の製造方法を提供することができる。
図4は、パッケージ40の変形例を示している。
図4において、図1および図2と同じ符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相異点のみを説明する。
パッケージ40の内側底面44には、突条51が形成されている。突条51は好ましくは切れ目無く、弾性表面波チップ31の外縁に適合する位置に形成されている。このような突条51は、突部でも突起部でもよく、パッケージ40の内側底面44に、弾性表面波チップ31の外縁に沿って低い壁を形成するものであればなんでもよい。また、その材料はパッケージ40の材料と同じものとすることで、上述のパッケージ40の製造工程において容易に形成することができる。
これにより、弾性表面波チップ31の接合固定に際して、接着剤46をパッケージ40に塗布する際に、このように突条51の内側に塗布することによって、突条51により接着剤46の流れだしを防止することができる。これにより、接着剤46が弾性表面波チップ31の外縁をはみ出すことが、より確実に防止され、それ以外の作用効果については、上述の実施形態の作用効果と同じである。
また、図示しないが、突条51を巡らせた位置に沿って、内側に凹部(図示せず)を形成するようにしてもよい。この場合にも凹部に接着剤46を収容するように塗布することで、同様の作用効果を発揮できる。そして、このような凹部と上記突条51をあわせて設けるようにすると、接着剤46の流れだしを一層確実に防止することができる。
図5と図6は、弾性表面波チップ31を搭載した第1の実施形態のSAWデバイス30について周波数調整を実施し、完成後の経過時間に対応して、その周波数を測定した結果である。図5は100ないし500ppmの調整量で周波数調整をした場合、図6は1500ないし2000ppmの調整量で周波数調整をした場合をそれぞれ示している。いずれの場合も周波数調整を実施し、完成後100時間程度で、周波数が僅かに変動するが、大きくシフトすることがないことが確認された。
図7は、第2の実施形態を示す図である。
図において、第1の実施形態と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略する。
図7においては、周波数調整工程において、マスク53を使用している。マスク53は、弾性表面波チップ31の少なくとも外縁を露出させないようにし、好ましくはIDT33の領域のみをプラズマP3に対して露出するようにされている。
これにより、弾性表面波チップ31を固定している接着剤46が図示されているように、弾性表面波チップ31の外縁を超えてはみ出している場合においても、この接着剤46のはみ出し部分は、マスク53に隠されるので、プラズマP4に晒されることがない。
したがって、この実施形態においても、性能の悪化を招来することなく周波数調整が可能で、信頼性が高い弾性表面波チップの製造方法を提供することができる。
図8は、第2の実施形態の変形例を示す図である。
図において、第2の実施形態と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略する。
この例では、マスク53−1がパッケージ40を構成する積層基板の最も上段に位置するものと兼用されている。上述のパッケージ40の形成工程において、一番上の段(あるいは途中の段)の積層基板を成形する際に、図示のように弾性表面波チップ31の少なくとも外縁を露出させないようにし、好ましくはIDT33の領域のみをプラズマP3に対して露出するようにすることで、周波数調整工程において、弾性表面波チップと別体のマスクを用意する必要がなくなる。
その他の作用効果は第1の実施形態と同じである。
図9は、主として、第1の実施形態に利用することができる弾性表面波チップ31−1を搭載したSAWデバイス30−2を示す概略平面図である。
図において、SAWデバイス30−2の圧電基板32の能動面には、IDT33や反射器34とは別に、プラズマ遮蔽用パターン55,55が形成されている。この例では、プラズマ遮蔽用パターンは、IDT33と同じ導電パターンにより、一体に形成されている。
すなわち、プラズマ遮蔽用パターン55,55は、圧電基板32の弾性表面波の伝搬方向Tと直交する方向に関してIDT33,33と隣接して位置しており、具体的には、IDT33の各電極指33aを接続するバスバーとして、IDT33の電極端子33bと一体に形成されている。
したがって、この弾性表面波チップ31−1においては、弾性表面波チップ31−1を、上述した工程に従って、パッケージ40に対して接着剤により固定した場合に、その後で、プラズマを利用した周波数調整工程を実行しても、プラズマの特に光成分が遮蔽用パターン55により遮られて、弾性表面波チップ31−1を透過することがなく、その下の接着剤に照射されることが有効に防止できる。これにより、プラズマの光成分のみが照射されることによる接着剤の劣化もしくは性質変化が防止でき、これを原因とするガス成分の生成も防止できる。したがって、図1のような接着剤46の配置に加えて、この弾性表面波チップ31−1を利用すれば、より完全に有害なガスの生成を防止することができる。
特に、図9の場合には、プラズマ遮蔽用パターン55,55は、圧電基板32の弾性表面波の伝搬方向Tと直交する方向に関してIDT33,33と隣接して位置しているので、圧電基板32の長手方向の中央付近に塗布される接着剤が、その位置に対応して、プラズマ遮蔽用パターン55,55により適切に保護される。また、プラズマ遮蔽用パターン55,55は、IDT33,33と一体であるから、製造工程において同時に形成できる利点がある。
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態の各構成はこれらを適宜省略したり、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、上述の実施形態では、反射器を伴う構成としたが、反射器はなくてもよいし、より多数の組のIDTを使用してもよい。
本発明の圧電デバイスの一例としてのSAWデバイスの第1の実施形態を示す概略平面図。 図1のA−A線概略断面図。 図1のSAWデバイスの製造方法の実施形態につき工程順に示すフローチャート。 図1のSAWデバイスの変形例を示す図。 実施形態のSAWデバイスについて周波数調整後の経過時間に対応して、その周波数を測定したグラフ。 実施形態のSAWデバイスについて周波数調整後の経過時間に対応して、その周波数を測定したグラフ。 本発明の第2の実施形態を示す図。 本発明の第2の実施形態の変形例を示す図。 図1のSAWデバイスの変形例を示す概略平面図。 従来のSAWデバイスの概略平面図。 図10のSAWデバイスの周波数調整を示す図。 従来のSAWデバイスについて周波数調整後の経過時間に対応して、その周波数を測定したグラフ。 従来のSAWデバイスについて周波数調整後の経過時間に対応して、その周波数を測定したグラフ。
符号の説明
30・・・SAWデバイス、31・・・弾性表面波チップ、32・・・圧電基板、33・・・IDT、34・・・反射器、40・・・パッケージ、43・・・電極部、46・・・接着剤。

Claims (8)

  1. パッケージに対して、接着剤を用いて圧電素子を固定するようにした圧電デバイスの製造方法であって、
    前記圧電素子を前記パッケージに固定した後で、前記圧電素子に対してプラズマを照射して周波数を調整する工程を含んでおり、
    前記周波数調整工程において、前記圧電素子の周囲にマスクを配置することにより、前記圧電素子の外縁を超えた領域を、前記プラズマに対して遮蔽するようにした
    ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  2. 前記圧電素子が、圧電基板の能動面に櫛歯型電極を形成した弾性表面波チップであり、この弾性表面波チップの櫛歯型電極の外側であって、前記固定に際して接着剤が配置される領域に対応した領域に、遮蔽用のパターンを配置したことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
  3. 前記遮蔽用のパターンが導電パターンであり、この導電パターンが前記櫛歯型電極と一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の圧電デバイスの製造方法。
  4. パッケージに対して、接着剤を用いて圧電素子を固定するようにした圧電デバイスの製造方法であって、
    前記圧電素子を前記パッケージに固定した後で、前記圧電素子に対してプラズマを照射して周波数を調整する工程を含んでおり、
    前記圧電素子の固定を行う工程において、前記接着剤を前記圧電素子の外縁から露出しないように配置する
    ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  5. 前記パッケージの内側底面に、前記圧電素子の外縁から露出しない範囲で、凹部を形成して、前記接着剤を前記凹部に収容することを特徴とする請求項4に記載の圧電デバイスの製造方法。
  6. 前記パッケージの内側底面に、前記圧電素子の外縁から露出しない範囲で、突条を形成して、前記接着剤を前記突条の内側に収容することを特徴とする請求項4に記載の圧電デバイスの製造方法。
  7. 圧電基板の能動面に櫛歯型電極を形成した圧電素子であって、
    前記圧電基板の前記櫛歯型電極の外側にプラズマ遮蔽用のパターンを形成したことを特徴とする弾性表面波チップ。
  8. 前記遮蔽用のパターンが導電パターンであり、この導電パターンが、前記基板の弾性表面波の伝搬方向と交叉する方向に関して前記櫛歯型電極と隣接して配置されていることを特徴とする請求項7に記載の弾性表面波チップ。
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