JP4671820B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタや弾性表面波共振器等の弾性表面波素子に関する。
近年、小形化、無調整化を図ることができる弾性表面波フィルタが各種通信装置に使用されるようになり、通信装置の高周波化、高機能化の進展にともない、弾性表面波フィルタを低損失化する要求が益々増大してきている。高周波化にともなって圧電基板材料に起因する固有損が増大するため、例えば2重モード弾性表面波共振器フィルタにおいて、周波数が高くなるほど挿入損失が劣化する傾向がある。
また、IDT電極(Inter Digital Transducer)の電極指ピッチは、高周波になるほど小さくなり、IDT電極の膜厚は薄くなる。例えば、1.9GHz帯の弾性表面波フィルタのIDT電極膜厚は、900MHzの弾性表面波フィルタの約半分の膜厚で設計されることとなり、フィルタ間を接続する引き出し電極等の伝送線路におけるオーミック損失が高周波になるほど大きくなる。そのため、さらに挿入損失が劣化する傾向がある。
このような挿入損失の劣化を抑制するために、種々の提案がされている。例えば、圧電基板上に3つのIDT電極を設けた、縦1次モードと縦3次モードを利用した2重モード弾性表面波共振器フィルタについて、次のような挿入損失を改善する手段が提案されている。
図5に、従来の共振器型弾性表面波フィルタの電極構造の平面図を示す。圧電基板202上に配設された複数の電極指を有するIDT電極204は、互いに対向させ噛み合わせた一対の櫛歯状電極からなり、この一対の櫛歯状電極に電界を印加し弾性表面波を生じさせるものである。IDT電極204の一方の櫛歯状電極に接続された入力端子215から電気信号を入力することにより、励振された弾性表面波がIDT電極204の両側に配置されたIDT電極203,205に伝搬される。また、IDT電極203,205のそれぞれを構成する一方の櫛歯状電極からIDT電極206,209を通じて出力端子216,217へ電気信号が出力される。なお、図中210,211,212,213はそれぞれ反射器電極である。
このように、共振器電極パターンを2段縦続接続させることにより、1段目と2段目の定在波の相互干渉により、帯域外減衰量を高減衰化し、フィルタ特性の帯域外減衰量を向上させることができる。即ち、同様の特性をもつ弾性表面波フィルタを2段縦続接続の構成とすることで、1段目で減衰された信号が2段目でさらに減衰され,帯域外減衰量を約2倍に向上させることができる。
ここで、IDT電極204に接続された入力端子215に電気信号を入力することにより、弾性表面波を励振させ、この弾性表面波がIDT電極204の両側に位置するIDT電極203,205に伝搬され、IDT電極207,208に接続された出力端子216,217から電気信号が出力される。また、IDT電極203〜205の両端及びIDT電極206〜209の両端に位置する反射器電極210,211,212,213により弾性表面波が反射され、両端の反射器電極間で定在波となる。
この定在波のモードには、3つのIDT電極203〜205により1次モードとその高次(3次)モードが含まれる。これらのモードで発生する共振により通過特性が得られるため、これらのモードで発生する共振周波数のピーク位置を制御することにより通過帯域内の挿入損失を改善することができる。従来、隣り合うIDT電極の端部に電極指の狭ピッチ部を設けることにより、IDT電極間におけるバルク波の放射損を低減して、共振モードの状態を制御することにより挿入損失の改善が図られていた(例えば、特許文献1,2参照)。
また、図6に、従来の弾性表面波フィルタの電極構造の平面図を示す。低損失化を実現する他の手段として、IDT電極における共通電極の少なくとも一部の厚みが、電極指の厚みよりも厚くされていることにより、共通電極を伝搬する弾性表面波の音速が、電極指を伝搬する弾性表面波の音速に比べて遅くなり、弾性表面波のエネルギーが閉じ込められ、低損失化を実現した弾性表面波フィルタの例も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−9587号公報 特表2002−528987号公報 特開2002−100952号公報 Masanori Ueda,"High Performance SAW Antenna Duplexer using Ultra-Low-Loss Ladder Filter and DMS for 1.9GHz US PCS", in:Second International Symposium on Acoustic Wave Devices for Future Mobile Communication Systems 2004
しかしながら、特許文献1,2に開示されている弾性表面波装置では、IDT電極間における弾性表面波がバルク波へモード変換されることによる挿入損失の劣化を抑制することは可能であるが、IDT電極、隣接するIDT電極間及び隣接するIDT電極と反射器電極間における弾性表面波の伝搬方向に垂直な方向における弾性表面波のエネルギーの閉じ込めが不完全である。
即ち、弾性表面波の伝搬方向においては、反射器電極により弾性表面波を反射させてエネルギーを閉じ込めることができる。しかし、弾性表面波の伝搬方向だけでなく、弾性表面波の伝搬漏れの光学的観察、即ち弾性表面波素子に光を照射した際に光弾性効果によって光が偏光する現象の観察によって、伝搬方向に垂直な方向(電極指に平行な方向)における漏れが発生していることが判っており、さらに、コンピュータシミュレーションの結果、IDT電極の共通電極上の音速Vbに対してIDT電極の電極指上の音速Vgが遅い場合または等しい場合、弾性表面波の伝搬方向に垂直な方向(電極指に平行な方向)の漏れが発生すると報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
このため、弾性表面波の伝搬方向に垂直な方向においても弾性表面波のエネルギーを十分に閉じ込める必要がある。特許文献1,2に開示されている弾性表面波装置のように、隣り合うIDT電極の端部に電極指の狭ピッチ部を設けることにより、挿入損失を改善しただけでは不充分であり、さらに弾性表面波の伝搬方向に垂直方向の漏れに起因する挿入損失の劣化を抑制する必要がある。
また、特許文献3に開示されているような弾性表面波装置では、IDT電極の一方の共通電極に形成された電極指先端からそれに相対する他方の共通電極までの領域は、電極が形成されておらず、弾性表面波の励振に寄与しない領域である。そのため、この領域の音速は電極指交差部と比較して早くなる。この電極指非交差部領域の音速が、弾性表面波の励振に寄与する電極交差部領域の音速に比べて早いことにより、弾性表面波の伝搬方向に垂直方向の漏れを抑制することが充分にできない。
また、IDT電極の共通電極の一部の厚みを厚くする手段として、Alより密度が大きい金属等を共通電極上に成膜して積層する手段か、または、予めAlまたはAl合金によりIDT電極の厚みを厚くして成膜した後、ドライエッチング等で電極指の部位の厚みを薄くして形成する手段があるが、前者の場合、弾性表面波素子の工程が増加する。また、後者の場合、エッチングを均一に制御して電極膜厚を一定に制御することが困難になる。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、挿入損失の劣化を生じず、優れたフィルタ特性を有し、高品質な弾性表面波フィルタとしても機能できる弾性表面波素子及びそれを用いた通信装置を提供することにある。
本発明の弾性表面波素子は、圧電基板上に一対の平行な共通電極と該各共通電極から互いに噛み合うように延びた複数の電極指とからなるIDT電極が形成されるとともに、該IDT電極の一方の共通電極に形成された前記電極指の先端と相対するように他方の共通電極にダミー電極指が形成されており、該ダミー電極指の幅が前記IDT電極の電極指の幅より狭く形成されているとともに、前記IDT電極の電極指における前記共通電極との接続部の幅がその残部の幅より狭く形成されていることを特徴とするものである。
本発明の弾性表面波素子は好ましくは、上記構成において、前記ダミー電極指のデューティが前記IDT電極の電極指のデューティより小さいことを特徴とするものである。
本発明の弾性表面波装置は、圧電基板上に一対の平行な共通電極と各共通電極から互いに噛み合うように延びた複数の電極指とからなるIDT電極が形成されるとともに、IDT電極の一方の共通電極に形成された電極指の先端と相対するように他方の共通電極にダミー電極指が形成されており、ダミー電極指の幅がIDT電極の電極指の幅より狭く形成されているとともに、IDT電極の電極指における共通電極との接続部の幅がその残部の幅より狭く形成されている構成であり、これにより以下のような効果を奏する。
図3に、IDT電極の位置におけるリーキー波SAWモードの音速異方性を説明するグラフを示す。図3で、Vxは伝搬方向(X方向)の音速、Vyは伝搬方向に垂直な方向(Y方向)の音速である。リーキーSAWモードは、第1のモードとして伝搬方向に平行な不要波が発生する。また、別の不要波発生モードが第2の発生モードとして、図3の音速カーブに対して法線方向の不要波(伝搬方向に対して斜め方向に放射されるモード)が発生する。
本発明によれば、ダミー電極指を他方の共通電極からその近傍までに短く設けることにより、弾性表面波の伝搬方向に平行な第1のモードの不要波を抑制するとともに、ダミー電極指の電極指の幅をIDT電極の電極指の幅より狭く形成されているとともに、IDT電極の電極指における共通電極との接続部の幅がその残部の幅より狭く形成されていることにより、共通電極近傍の音速Vxを早くして、音速カーブ自体をシフトさせる、即ち図3において音速カーブを(a)から(b)へシフトさせることにより、ある周波数における第2のモードの不要波(弾性表面波の伝搬方向に対して斜め方向に放射されるモード)を抑制することができる。そのため、フィルタ特性における通過帯域の肩特性を向上させ、挿入損失を向上させることができる。
また、特許文献3に開示されているような弾性表面波装置では、共通電極の膜厚を厚くする工程をさらに付加する必要があり、工程数が増加するが、本発明の電極構造によれば、工程数はそのままで電極構造を工夫することにより、2つのモードの不要波を抑制して挿入損失が向上した弾性表面波素子を提供することができる。
また、本発明の弾性表面波素子は好ましくは、上記構成において、ダミー電極指のデューティがIDT電極の電極指のデューティより小さいことにより、各ダミー電極指の電極幅が同一でない場合でも、IDT電極の電極指のデューティ(線幅比=線幅/(線幅+線間))よりダミー電極指のデューティを小さく設定することにより、上記と同様に弾性表面波の伝搬方向と平行な方向の共通電極近傍における第1のモードの不要波と、弾性表面波の伝搬方向に対して斜め方向に放射される第2のモードの不要波の両方を抑制することができ、弾性表面波素子の挿入損失を向上させることができる。
以上のような本発明の弾性表面波素子を通信装置に用いることにより、従来より要求されていた厳しい挿入損失を満たすことができるものが得られ、感度が格段に良好な通信装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照にしつつ詳細に説明する。また、本発明の弾性表面波素子について、簡単な構造の共振器型の弾性表面波フィルタを例にとり説明する。なお、以下に説明する図面において、同一部位には同一符号を付すものとする。また、各電極の大きさや電極間の距離等、電極指の本数や間隔等については、説明のために模式的に図示している。
本発明の弾性表面波素子の実施の形態の一例として、図1に圧電基板上に形成されているIDT電極の平面図を示す。図1に示すように、本発明の弾性表面波素子は、圧電基板1上に一対の平行な共通電極と各共通電極から互いに噛み合うように延びた複数の電極指4とからなるIDT電極3が形成され、IDT電極3の一方の共通電極に形成された電極指4先端と相対するように他方の共通電極にダミー電極指5が形成されており、ダミー電極指5の幅がIDT電極3の電極指の幅より狭く形成されているとともに、IDT電極3の電極指における共通電極との接続部8の幅がその残部9の幅より狭く形成されている。
ここで、ダミー電極指5とは、IDT電極3において一方の共通電極から延びた電極指4先端と相対する他方の共通電極との間の間隔部に、他方の共通電極から突設させた小電極指のことをいう。
上記の構成により、ダミー電極指5を他方の共通電極近傍に設けることにより、即ちダミー電極指5を他方の共通電極における一方の共通電極の電極指4との間の間隙部(従来間隙であった部位)に設けることにより、弾性表面波の伝搬方向に平行な第1のモードの不要波を抑制するとともに、弾性表面波の励振に寄与しないIDT電極3の共通電極及び電極指非交差部領域(IDT電極3の一方の共通電極に形成された電極指4先端と相対する他方の共通電極までの領域)における音速を、弾性表面波の励振に寄与する電極指交差部領域の音速より速くすることができる。
また、ダミー電極指5の幅をIDT電極3の電極指の幅より狭く形成されているとともに、IDT電極3の電極指における共通電極との接続部8の幅がその残部9の幅より狭く形成されていることにより、共通電極近傍の音速Vxを早くして、音速カーブ自体をシフトさせる(図3において音速カーブを(a)から(b)へシフトさせる)ことにより、ある周波数における第2のモードの不要波(弾性表面波の伝搬方向に対して斜め方向に放射される不要波のモード)を抑制することができる。そのため、通過帯域における肩特性を向上させ、フィルタ特性の挿入損失を向上させた弾性表面波素子を得ることができる。
本発明の弾性表面波素子の実施の形態の他例として、図2に縦結合型2重モード弾性表面波素子の電極構造の平面図を示す。この例では、3つのIDT電極が弾性表面波の伝搬方向に隣接して設けられており、図1に示す構成と同様に、各IDT電極の電極指4の幅に比べて、各ダミー電極指5の幅は狭くなっており、IDT電極3の電極指における共通電極との接続部8の幅がその残部9の幅より狭いことにより、弾性表面波の不要波を抑制して、フィルタ特性における挿入損失が向上した弾性表面波素子を提供することができる。
本発明において、ダミー電極指5の幅はIDT電極3の電極指4の幅より狭いが、ダミー電極指5の幅はIDT電極3の電極指4の幅の10%〜45%程度であることが好ましい。10%未満では、ダミー電極指5を形成するためのフォトリソ工程で線幅制御することが難しくなり、45%を超えると、ダミー電極部5での音速が速くなりにくいため、上記の第1及び第2のモードの不要波を取り除く効果が低下する。
また、ダミー電極指5の長さは使用周波数によるが、800〜900MHzでは約1波長に相当する4.5μm程度であり、1.8〜1.9GHzでは約1波長に相当する2μm程度である。
また、IDT電極3の電極指における共通電極との接続部8の幅がその残部9の幅より狭く形成されているが、接続部8の幅がその残部9の幅の10%〜45%程度であることが好ましい。10%未満では、接続部8を形成するためのフォトリソ工程で線幅制御することが難しくなり、45%を超えると、ダミー電極部5での音速が速くなりにくいため、上記の第1及び第2のモードの不要波を取り除く効果が低下する。
また、本発明の弾性表面波素子は好ましくは、上記構成において、ダミー電極指5のデューティがIDT電極3のデューティより小さいことにより、各ダミー電極指5の電極幅が同一でない場合でも、IDT電極3の電極指4のデューティよりダミー電極指5のデューティを小さく設定することにより、上記と同様に弾性表面波の伝搬方向と平行な方向の共通電極近傍における第1のモードの不要波と、弾性表面波の伝搬方向に対して斜め方向に放射される第2のモードの不要波の両方を抑制することができ、弾性表面波素子の挿入損失を向上させることができる。
なお、IDT電極3,6,7、反射器電極2の電極指の本数は数本〜数100本にも及ぶので、簡単のため、図面においてはそれらの形状を簡略化して図示している。
また本発明において、ダミー電極指5の形状は図1に示すように四角形状であるが、台形状(先端側が先細り状)等の形状であってもよく、その場合徐々に音速が変化し、弾性表面波の速度が連続に変化することで考慮できていない不要波を取り除けるという効果がある。
本発明の弾性表面波素子は、圧電基板1上に導体層を形成し、この導体層を一対の平行な共通電極と各共通電極から互いに噛み合うように延びた複数の電極指4及びダミー電極指5とにパターニングしてIDT電極3を形成する。
ここで、圧電基板1としてはタンタル酸リチウム単結晶やニオブ酸リチウム単結晶や四ホウ酸リチウム単結晶等を用いることができる。
また、圧電基板1上の導体層としては、アルミニウム,アルミニウム合金,銅,銅合金,金,金合金,タンタル,タンタル合金、またはこれらの材料から成る層の積層膜やこれらの材料とチタン,クロム等の材料との積層膜を用いることができる。導体層の成膜方法としてはスパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いることができる。
この導体層をパターニングする方法としては、導体層の成膜後にフォトリソグラフィを行い、次いでRIE(Reactive Ion Etching)やウェットエッチングを行う方法がある。または、導体層の成膜前に圧電基板1の一方主面にレジストを形成しフォトリソグラフィを行って所望のパターンを開口した後、導体層を成膜し、その後レジストを不要部分に成膜された導体層ごと除去するリフトオフプロセスを行ってもよい。
次に、IDT電極3を保護するための保護膜を成膜する。保護膜の材料としてはシリコン,シリカ等を用いることができる。成膜方法としては、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、電子ビーム蒸着法等を用いることができる。保護膜をエッチングする方法としては、RIE等のドライエッチングやウェットエッチングを行う方法がある。
また、本発明の弾性表面波素子は、上記構成において、IDT電極3がそれらの共通電極を揃えるようにして隣接して形成され、保護膜がそれら隣接するIDT電極3間にわたって圧電基板1上を被覆しており、それら隣接するIDT電極3間の保護膜は、共通電極間の厚みが電極指4間の厚みより厚いことが好ましい。これにより、IDT電極3のみならず、IDT電極3隣接部における共通電極間の弾性表面波の音速が、電極指4間の弾性表面波の音速より遅くなり、IDT電極3が隣接した箇所においても弾性表面波の伝搬方向に対して垂直方向のエネルギーの漏れを防止することができ、フィルタ特性における挿入損失を充分に低減した弾性表面波素子を提供することができる。
また、本発明の弾性表面波フィルタを通信装置に適用することができる。即ち、少なくとも受信回路または送信回路の一方を備え、これらの回路に含まれるバンドパスフィルタとして用いる。例えば、送信回路から出力された送信信号をミキサでキャリア周波数にのせて、不要信号をバンドパスフィルタで減衰させ、その後、パワーアンプで送信信号を増幅して、デュプレクサを通ってアンテナより送信することができる送信回路を備えた通信装置や、受信信号をアンテナで受信し、デュプレクサを通った受信信号をローノイズアンプで増幅し、その後、バンドパスフィルタで不要信号を減衰して、ミキサでキャリア周波数から信号を分離し、この信号を取り出す受信回路へ伝送するような受信回路を備えた通信装置に適用可能であり、本発明の弾性表面波素子を採用すれば、感度が向上した優れた通信装置を提供できる。
以上により、特性の優れた弾性表面波素子を有する受信回路や送信回路を備え、それら感度が格段に良好な優れた通信機等の通信装置を提供できる。
図2に示す弾性表面波フィルタを具体的に試作した実施例について説明する。38.7°YカットのX方向伝搬とするLiTaO単結晶の圧電基板1上に、Al(99質量%)−Cu(1質量%)によるIDT電極3の微細電極パターンを形成した。パターン作製には、スパッタリング装置、縮小投影露光機(ステッパー)、及びRIE装置によりフォトリソグラフィを行った。
まず、圧電基板1の母基板をアセトン、IPA(イソプロピルアルコール)等によって超音波洗浄し、有機成分を落とした。次に、クリーンオーブンによって充分に基板乾燥を行った後、IDT電極3,6,7(電極指4の接続部8を含む)、ダミー電極5及び反射器電極2となる導体層の成膜を行った。これら電極の成膜にはスパッタリング装置を使用し、Al(99質量%)−Cu(1質量%)合金から成る材料を用いた。このときのこれら電極の厚みは約0.15μmとした。
次に、導体層上にフォトレジストを約0.5μmの厚みにスピンコートし、縮小投影露光装置(ステッパー)により、所望形状にパターニングを行い、現像装置にて不要部分のフォトレジストをアルカリ現像液で溶解させ、所望パターンを表出させた後、RIE装置により導体層のエッチングを行い、パターニングを終了し、弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波共振器の電極パターンを得た。
この後、IDT電極3,6,7(電極指4の狭い接続部8がある)、ダミー電極5及び反射器電極2を含む圧電基板1の所定領域上に保護膜を形成した。即ち、CVD装置により、電極パターン及び圧電基板1上にSiOを約0.1μmの厚みに形成した。その後、フォトリソグラフィによってフォトレジストのパターニングを行い、RIE装置で保護膜のIDT電極3,6,7の電極指4における交差部の領域上の部位及び反射器電極2の電極指の領域上の部位ならびに隣接するIDT電極3,6,7及び反射器電極2の電極指間の領域の部位をエッチングして保護膜の膜厚を薄くした。また、同時にフリップチップ実装における電極パッド部分の保護膜の窓開けも行った。
その後、スパッタリング装置を使用し、Alを主体とする電極パッドを成膜した。このときの電極パッドの厚みは約1.0μmとした。その後、フォトレジスト及び不要箇所のAlをリフトオフ法により同時に除去し、フリップチップ用の電極パッドを形成した。
次に、上記電極パッド上に、Auからなるフリップチップ用の導体バンプを、バンプボンディング装置を使用し形成した。導体バンプの直径は約80μm、その高さは約30μmであった。
次に、圧電基板1の母基板をダイシング線に沿ってダイシング加工を施し、図2の弾性表面波素子がそれぞれ形成されたチップごとに分割した。その後、各チップをフリップチップ実装装置にて電極形成面を下面にしてセラミック製のパッケージ内に接着した。その後、N雰囲気中でベーキングを行い、弾性表面波フィルタを完成した。パッケージは2.5×2.0mm角の積層構造のものを用いた。
比較例のサンプルとして、図2に示すIDT電極3,6,7(電極指4の狭い接続部8がない)及び反射器電極2と同様な微細電極パターンであって、ダミー電極指5が形成されていない電極パターンを形成した構成の弾性表面波フィルタを、上記と同様の工程で作製した。
次に、本実施例における弾性表面波フィルタの特性測定を行った。0dBmの信号を入力し、周波数1760MHz〜2160MHz、測定ポイントを800ポイントの条件にて測定した。サンプル数は30個、測定機器はネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製「マルチポート・ネットワークアナライザE5071A」)である。
通過帯域近傍の周波数特性グラフを図4に示す。ここで、図4はフィルタの伝送特性を表す挿入損失の周波数依存性を示すグラフである。図4の実線に示すように、本実施例の弾性表面波素子の挿入損失は2.13dBであり、リップルは0.2dBであった。一方、図4の破線に示すように、比較例の弾性表面波素子の挿入損失は2.35dBであり、リップルは0.3dBであった。
このように本実施例では、フィルタ特性において挿入損失を低減し、通過帯域の肩特性を向上させた弾性表面波素子を実現することができた。
本発明の弾性表面波素子について実施の形態の1例を示す平面図である。 本発明の弾性表面波素子について実施の形態の他例を示す平面図である。 本発明の弾性表面波素子のIDT電極における弾性表面波の音速の変化を示すグラフであり、(a)は従来の弾性表面波素子の弾性表面波の音速を示し、(b)は本発明の弾性表面波素子の弾性表面波の音速を示すものである。 本実施例及び比較例の弾性表面波素子の通過帯域及びその近傍における挿入損失の周波数特性を示すグラフである。 従来の弾性表面波素子の電極位置と電極指ピッチの関係を説明するグラフ、及び電極構造を示す平面図である。 従来の弾性表面波素子の電極構造例を示す平面図である。
符号の説明
1:圧電基板
2:反射器電極
3,6,7:IDT電極
4:IDT電極の電極指
5:ダミー電極指
8:IDT電極の電極指における共通電極との接続部
9:IDT電極の電極指における共通電極との接続部の残部

Claims (4)

  1. 圧電基板上に一対の平行な共通電極と該各共通電極から互いに噛み合うように延びた複数の電極指とからなる複数のIDT電極が形成されるとともに、該IDT電極の一方の共通電極に形成された前記電極指の先端と相対するように他方の共通電極にダミー電極指が形成され、該ダミー電極指の幅が前記IDT電極の電極指の幅より狭く形成されているとともに、前記IDT電極の電極指における前記共通電極との接続部の幅がその残部の幅より狭く形成されており、
    前記複数のIDT電極は、それらの共通電極を揃えるようにして隣接して配置され、隣接して配置されたIDT電極間にわたって前記圧電基板を被覆するSiO からなる保護膜が設けられているとともに、該保護膜は、隣接するIDT電極の共通電極間に位置する部分の厚みが隣接するIDT電極の電極指間に位置する部分の厚みより大きいことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記ダミー電極指のデューティが前記IDT電極の電極指のデューティより小さいことを特徴とする請求項1記載の弾性表面波素子。
  3. 前記IDTが配置された位置における前記圧電基板を伝搬する弾性表面波は、リーキー波である請求項1または2に記載の弾性表面波素子。
  4. 前記ダミー電極指は、平面形状が四角形状であり、前記ダミー電極指の幅が、前記電極指の幅の10%〜45%とされ、
    前記接続部の幅が、前記残部の幅の10%〜45%とされている請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性表面波素子。
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