JP2007110542A - 弾性表面波フィルタおよびそれを備えた通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルク波の放射損を低減し、通過帯域内における挿入損失を小さくし、通過帯域幅が広く、平衡信号出力に対応可能な弾性表面波フィルタとそれを備えた通信装置とを提供すること。
【解決手段】弾性表面波素子部A,Bを有する弾性表面波フィルタ1であって、弾性表面波素子部Aは、櫛歯状の電極指を有したIDT電極3,2,4と、反射器電極7,8とが配設されている。弾性表面波素子部Bは、櫛歯状の電極指を有するIDT電極16と、IDT電極16の外側のIDT電極13,15と、反射器電極17,18とが配設されている。IDT電極16は、電極指の片方が2分割され、それぞれに出力端子11,12が接続されている。電極指ピッチL1は、IDT電極16の電極指間隔の平均値よりも大きな値となるように規定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性表面波フィルタおよびそれを備えた通信装置に関する。この弾性表面波フィルタは、特に、移動体通信機器等の通信装置に好適に用いられる。
近年、弾性表面波フィルタが、より小型化され、幅広い分野で用いられている。そして、この小型化に加え、通信キャリアの高周波化にともない、通過帯域の広帯域化がさらに求められている。例えば、1.9GHz帯域の携帯電話機に搭載される弾性表面波フィルタは、実効通過帯域(以下、単に通過帯域ともいう)幅が80MHz以上であることが求められている。すなわち、比帯域幅(中心周波数に対する通過帯域幅)の割合が約4%(=80MHz/1.9GHz)以上となる。このような通過帯域の広帯域化(比帯域幅の増加)を実現するため、例えば、圧電基板上に3個のIDT(Inter Digital Transducer)電極を設け、1次モードとその高次(3次)モードとの多重(2重)モードを有する共振子型弾性表面波フィルタが提案されている。
図6は、従来の弾性表面波フィルタ101の電極構造を示した平面図である。
弾性表面波フィルタ101は、圧電基板上に、IDT電極102,103,104と、2つの反射器電極107とを配置している。図中の符号105,106は、隣り合うIDT電極どうしの電極間部分(IDT電極102とIDT電極103との間の部分、IDT電極102とIDT電極104との間の部分;距離d)を示し、符号108は、隣り合うIDT電極と反射器電極との間の電極間部分(IDT電極103と反射器電極107との間の部分、IDT電極104と反射器電極107との間の部分)を示している。符号111は入力端子(IN)を示し、符号112は接地端子を示し、符号113は出力端子(OUT)を示している。
この弾性表面波フィルタ101において、IDT電極102に接続された入力端子111に信号を入力することにより、弾性表面波が励振される。そして、この弾性表面波がIDT電極102の両側に位置するIDT電極103,104に伝搬され、IDT電極103,104に接続された出力端子113から信号が出力される。また、弾性表面波フィルタ101の両端に位置する反射器107により、複数の定在波を有するモードが生成される。
この定在波を有するモードでは、3つのIDT電極102,103,104の位置関係により、1次モードとその高次(3次)モードとが含まれている。これらのモードに発生する共振周波数の間隔を制御することにより、この弾性表面波フィルタの通過帯域特性が得られる。具体的には、共振周波数は、IDT電極102,103,104における隣り合う電極指の中心間距離(ピッチL)を同じくして、隣り合うIDT電極間の距離dを調整することで、共振周波数どうしの間隔を制御することができる(例えば、特許文献1参照)。
図7は、従来の縦続接続した共振子型の弾性表面波フィルタ201の電極構造を示す平面図である。
弾性表面波フィルタ201は、圧電基板上に、互いに対向させた一対の櫛歯状の電極指で形成されたIDT電極203を備えており、この電極指の片方に電圧を印加して、弾性表面波を生じさせるものである。
IDT電極203の片方の電極指に接続された入力端子210(IN)から信号を入力することにより、励振された弾性表面波が、IDT電極203の両側に配置されたIDT電極202,204に伝搬される。IDT電極202,204の片方の電極指から、配線パターン、IDT電極206,208を介して、IDT電極207の片方の電極指に接続された出力端子213(OUT)から信号が出力される。なお、図中の符号205,209は反射器電極を示し、符号211,212は接地端子を示している。
この構成によれば、この弾性表面波フィルタ201に生じる定在波は、IDT電極203,202,204により生成され、1次モードとその高次(3次)モードとを含んでいる。これらのモードに発生する共振周波数どうしの間隔を制御することにより、通過帯域を調整することができるため、結果として、複数ある共振周波数どうしの周波数間隔を広げることで、弾性表面波フィルタ201の通過帯域を広くすることができる。
また、この弾性表面波フィルタ201は、複数のIDT電極が配置されたパターンを2段縦続接続しているので、所定の通過帯域外の周波数をより減衰させることができ、ノイズなどの原因となる不要部分の周波数の出力を抑制することができる。
さらに、図示しないが、不平衡信号の入力から平衡信号を出力できるようにするために、後段にある3つのIDT電極のうちの1つのIDT電極の片方の電極指を弾性表面波の伝搬方向に対して直交する分割線によって2分割し、その分割部分のそれぞれに出力端子を接続するものも考えられている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−267990号公報 特開2002−9587号公報 特開平1−231417号公報 特開平4−40705号公報 特開平7−58581号公報 特表2002−528987号公報 特開平11−97966号公報
しかしながら、従来の弾性表面波フィルタにおいて、圧電基板としてLiTaO3で形成されたものを用いた場合、比帯域幅が約0.40%のもの(例えば、特許文献3を参照)や、2%程度のもの(例えば、特許文献4を参照)しか存在しなかった。これらは、上述したような比帯域幅の割合が約4%以上を求められている近年の傾向に沿っているとはいえない。
一方では、約3.7%の比較的大きな比帯域幅を有するもの(例えば、特許文献5を参照)があるが、このときの弾性表面波フィルタの挿入損失特性は、温度により変動しやすかった。
また、形成される微細な各電極指により、その形状のばらつきにより、出力周波数が大きく変動するおそれもあった。
以上のことから、従来の弾性表面波フィルタは、広くかつ安定した通過帯域幅を必要とする携帯電話機等の通信装置への適用が難しかった。
ところで、特許文献1のように(図6参照)、隣り合うIDT電極どうしの電極間部分105,106(距離d)を調整し、IDT電極間の距離によるバルク波の放射損を低減することで、弾性表面波フィルタの有する定在波のモードの状態を制御できるものがある。このため、この弾性表面波フィルタでは、広帯域化、挿入損失の改善がさらに図られている(加えて、特許文献2,特許文献6を参照)が、弾性表面波フィルタの製造工程において、圧電基板の温度変動に伴う焦電効果により、IDT電極の狭いピッチが形成された部分(特に、電極間部分105,106)に電荷が集中してしまうおそれがある。これにともない、この狭いピッチが形成された部分(電極間部分105,106)に生じた電位差が原因で放電が起こり、IDT電極が損傷してしまい、弾性表面波フィルタの信頼性の低下を招来する。特に、携帯電話機等の通信装置に用いる弾性表面波フィルタは、近年の出力周波数の高周波化に伴って、IDT電極の電極指間の間隔が狭く、その電極指の幅が細くなっているため、前述のようなIDT電極の電極指に対する焦電破壊をさらに生じるおそれがあった。
そこで、本発明は、このような背景のもとになされたもので、その目的は、バルク波の放射損を低減することができ、通過帯域内における挿入損失を小さくし、かつ、通過帯域幅の広いフィルタ特性を有しており、平衡信号出力に対応可能な弾性表面波フィルタ、およびそれを備えた通信装置を提供することである。
上記の目的を達成するための弾性表面波フィルタは、圧電基板上に形成された共振子型弾性表面波素子により弾性表面波を励振する弾性表面波フィルタであって、前記共振子型弾性表面波素子は、弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に延びる櫛歯状の電極指を有する奇数個のIDT電極を含み、当該奇数個のIDT電極の前記弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に、前記弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に形成された電極指を有する反射器電極が配設されており、前記共振子型弾性表面波素子の中央のIDT電極は、相対する電極指の片方が2つの電極指群に2分割されるとともに、前記2分割された各電極指群に入出力端子が接続され、前記2分割された各電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分における電極指間隔が、前記中央のIDT電極内における電極指間隔の平均値よりも大きな値で形成されている。
この構成によれば、本発明の弾性表面波フィルタは、共振子型弾性表面波素子の中央のIDT電極を形成する電極指間隔が、中央部で広く形成されているので、狭いピッチで形成されることに起因して生じるバルク波の放射損を低減することができる。これにより、通過帯域内における挿入損失を小さくすることができ、かつ、通過帯域幅の広いフィルタ特性を有することができる。
これに加え、IDT電極及び反射器電極の電極指ピッチの関係を規定することにより、このIDT電極を含む共振子型弾性表面波素子において、1次モードと3次モードとこれらの高調波モードとの共振周波数を微調整することが可能となり、さらに、広帯域、かつ、低損失で、良好な挿入損失特性を有する弾性表面波フィルタが実現できる。特に、この共振子型弾性表面波素子の中央のIDT電極を形成する電極指間隔が、中央部で広く形成されているので、中央のIDT電極に接続された入出力端子が接続された中央のIDT電極における電極指間の狭いピッチが形成された部分に生じやすかった電位差による放電を軽減することができ、IDT電極や反射器が焦電破壊されることを少なくすることができる。
また、前記中央のIDT電極において、前記2分割された電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分の電極指間隔は、前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値に比べて、1.05倍〜1.2倍の範囲の値を有していることが好ましい。
さらに、前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値は、前記中央のIDT電極に隣接したIDT電極の電極指間隔の平均値よりも大きな値を有していることが好ましい。
このように、弾性表面波フィルタに備わるIDT電極どうしの電極指間隔を規定することで、弾性表面波フィルタに生じるバルク波をさらに低減することができ、IDT電極に生じるおそれのある焦電破壊を抑制することができる。
また、本発明の弾性表面波フィルタは、圧電基板上に形成され、縦続接続された複数の共振子型弾性表面波素子により弾性表面波を励振する弾性表面波フィルタであって、前記複数の共振子型弾性表面波素子は、第1の弾性表面波素子部と第2の弾性表面波素子部とを含んでおり、前記第1の弾性表面波素子部は、弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に延びる櫛歯状の電極指を有した奇数個のIDT電極を含み、中央の前記IDT電極には、相対する電極指の片方に入出力端子が接続され、当該奇数個のIDT電極の前記弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に、前記弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に形成された電極指を有する反射器電極が配設されており、前記第2の弾性表面波素子部は、弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に延びる櫛歯状の電極指を有する奇数個のIDT電極を含み、当該奇数個のIDT電極の前記弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に、前記弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に形成された電極指を有する反射器電極が配設されており、前記第2の弾性表面波素子部の中央のIDT電極は、相対する電極指の片方が2つの電極指群に2分割されるとともに、前記2分割された各電極指群に入出力端子が接続され、前記2分割された各電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分における電極指間隔が、前記中央のIDT電極内における電極指間隔の平均値よりも大きな値で形成されている。
この構成によれば、本発明の弾性表面波フィルタは、共振子型弾性表面波素子を2つ縦続接続した構造を有する。これにより、共振子型弾性表面波素子が有するフィルタ機能が2重になるため、入力信号の通過帯域外にある余分な周波数を含む信号を、さらに低減することができる。
また、前記中央のIDT電極において、前記2分割された電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分の電極指間隔は、前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値に比べて、1.05倍〜1.2倍の範囲の値を有していることが好ましい。
さらに、前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値は、前記中央のIDT電極に隣接したIDT電極の電極指間隔の平均値よりも大きな値を有していることが好ましい。
本発明の通信装置は、上述の弾性表面波フィルタを含む受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えている。この通信装置によれば、以上のような本発明の弾性表面波フィルタを通信装置に用いることにより、本発明の弾性表面波フィルタを、これらの回路に含まれるバンドパスフィルタとして用いることができる。
前記送信回路は、例えば、送信信号をミキサでキャリア周波数にのせて、不要信号をバンドパスフィルタで減衰させ、その後、パワーアンプで送信信号を増幅して、デュプレクサを通ってアンテナより送信する回路である。前記受信回路は、例えば、受信信号をアンテナで受信し、デュプレクサを通った受信信号をローノイズアンプで増幅し、その後、バンドパスフィルタで不要信号を減衰して、ミキサでキャリア周波数から信号を分離し、この信号を取り出す回路である。
このように、本発明の弾性表面波フィルタを採用すれば、感度が向上した優れた通信装置を提供できる。
以下では、本発明の弾性表面波フィルタ及びそれを備えた通信装置の実施の形態を、共振子型の弾性表面波素子を含んだものを例にとり、図面に基づいて、以下に詳細に説明する。
なお、以下に説明する図面において、各電極の大きさ、電極間の距離、電極指の本数・間隔等については、説明のために模式的に図示したものである。
図1(a)は、本発明の一実施形態にかかる弾性表面波フィルタの圧電基板を主面から見た平面図であり、図1(b)は、第2の弾性表面波素子部の電極指ピッチ(電極指の中心間距離)の変化を、弾性表面波の伝搬方向の位置について示した線図である。
なお、本明細書で「主面19a」とは、板状の圧電基板19の表面であり、IDT電極や反射器電極が形成された電極形成面のことをいう。
弾性表面波フィルタ1は、圧電基板19と、この圧電基板19の主面19a上に形成された、第1の弾性表面波素子部としての弾性表面波素子部Aと、第2の弾性表面波素子部としての弾性表面波素子部Bとを有している。
弾性表面波素子部Aは、各種電極パターンとして、IDT電極2,3,4と反射器電極7,8(以下、単に反射器ともいう)とを含んでいる。各IDT電極2,3,4は、共振子として、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に形成された複数本の電極指を一対有し、弾性表面波の伝搬方向に並んで形成されている。反射器7,8は、IDT電極2,3,4が発生させる弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に配置され、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に電極指が形成されている。
また、弾性表面波素子部AにおけるIDT電極2,3,4のうち、中央のIDT電極3の電極指の片方には、図1(a)に示されるように、入力端子9が接続されている。
一方、弾性表面波素子部Bは、各種電極パターンとして、IDT電極13,16,15と反射器17,18とを含んでいる。各IDT電極13,16,15は、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に形成された複数本の電極指を一対有し、弾性表面波の伝搬方向に並んで形成されている。反射器17,18は、IDT電極13,16,15が発生させる弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に配置され、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に電極指が形成されている。
また、中央のIDT電極16は、これを形成する電極指が、分割電極群Saと分割電極群Sbとに、左右に2分割されている。IDT電極16の分割電極群において、分割電極群Sa側の電極指には出力端子11が接続され、分割電極群Sb側の電極指には出力端子12が接続されている。
さらに、IDT電極16の中央付近において、分割電極群Saの一番中央に近い端部電極指16a1と、分割電極群Sbの一番中央に近い端部電極指16b1とは、電極指ピッチ(電極指中心間距離をいう)L1離れて形成されている。
分割電極群Saにおいて、端部電極指16a1と分割電極群Sa内で端部電極指16a1に隣接する電極指16a2とは、電極指ピッチL2a離れて形成されている。
また、図1(b)に示されるように、分割電極群Saにおける電極指ピッチの平均値、すなわち、端部電極部16a1からIDT電極13に一番近い電極指16anまでの電極指ピッチの平均値、をL3aとする。
一方、分割電極群Sbにおいて、端部電極指16b1と分割電極群Sb内で端部電極指16b1に隣接する電極指16b2とは、電極指ピッチL2b離れて形成されている。
また、分割電極群Sbにおける電極指ピッチの平均値、すなわち、端部電極部16b1からIDT電極13に一番近い電極指16bnまでの電極指ピッチの平均値、をL3bとする。
ここで、IDT電極16において、分割電極群Saと分割電極群Sbとは、その境界に対して、ほぼ対称に形成されているため、電極指ピッチL2a=電極指ピッチL2b(以下、総称するときは、電極指ピッチL2ともいう)が成り立ち、電極指ピッチL3a=電極指ピッチL3b(以下、総称するときは、電極指ピッチL3ともいう)が成り立つ。
電極指ピッチL1は、図1(b)によると、分割電極群Sa,Sbの電極指の平均電極指ピッチL3より大きく形成されている。電極指ピッチL2は、図1(b)によると、分割電極群Sa,Sbの電極指の平均電極指ピッチL3より大きく形成されている。この電極指ピッチL1,L2,L3の大きさに関しては、後述する。
また、図1において、符号10は接地端子である。
弾性表面波素子部AおよびBが形成された圧電基板19は、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、リチウム単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶などの大きな焦電性を有する圧電単結晶の材料で形成されている。これにより、圧電基板19は、電気機械結合係数を大きく、かつ、周波数温度係数を小さくすることができる。
また、圧電基板19は、上記に挙げる焦電性圧電単結晶の材料のうち、酸素を還元処理したり、Fe等の金属物質の固溶をしたりすることで、焦電性を著しく減少することができる。これにより、IDT電極に対する焦電破壊を軽減することができ、弾性表面波フィルタ1の信頼性を良好に向上することができる。
圧電基板19の厚みは、好ましくは、0.1〜0.5mm程度である。このため、その厚みが0.1mm未満で薄く形成されたときのように、圧電基板19が脆くなることもなく、逆に、その厚みが0.5mmを超えて厚く形成されたときのように、材料コストが大きくなることもなく、また、圧電基板19の厚みが増すことにより、弾性表面波フィルタ1の寸法が大きくなることもない。
なお、圧電基板19を形成する材料は、特に、ニオブ酸リチウム単結晶などの酸素結合結晶で形成されることが好ましい。これにより、弾性表面波フィルタの製造中および使用中において、圧電基板19の分極による電位差を生じにくくすることができ、圧電基板19上に形成されているIDT電極および反射器に生じる焦電効果による放電破壊を少なくすることができる。
弾性表面波素子部A及び弾性表面波素子部Bに含まれるIDT電極2,3,4,13,16,15および反射器7,8,17,18は、蒸着法、スパッタリング法やCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)などの薄膜形成法を用いて、AlやAl合金(例えば、Al−Cu系やAl−Ti系)などの金属材料で形成されている。各種電極パターンの厚みは0.1〜0.5μm程度とすることで、弾性表面波フィルタ1として、好適な特性を得ることができる。
弾性表面波フィルタ1を形成する各弾性表面波素子部A,B上には、Si,SiO2,SiNx,Al23などの半導体材料または絶縁体材料で形成された保護膜(図示せず)が形成されている。これにより、弾性表面波フィルタ1表面における導電性異物による通電防止や各弾性表面波素子部A,Bの耐電力性を向上することができる。
弾性表面波フィルタ1には、圧電基板19の主面19a上に、弾性表面波素子部A,Bを取り囲むように、四角枠状の環状電極(図示せず)が形成されている。
この弾性表面波フィルタ1を実装するための実装用基板(図示せず)には、圧電基板19上に形成された入出力用端子9,11,12に対向する位置に、所定の導体パッド(図示せず)が設けられている。また、この実装用基板には、圧電基板19の環状電極に対向する位置に、所定の環状導体(図示せず)が設けられている。
弾性表面波フィルタ1は、実装用基板に対して、これらの弾性表面波素子部A,Bが形成された圧電基板19の主面19aをフェースダウンで実装している。すなわち、半田等の金属材料を用いて、実装用基板側の所定の導体パッドに端子9,11,12を電気的および機械的に接合するとともに、実装用基板上の所定の環状導体に圧電基板19の主面19a上に形成された環状電極を機械的に接合する。そして、圧電基板19の主面19a、実装用基板の実装面及び環状電極により形成された空間により、弾性表面波素子部A,Bが外気と触れないよう、密閉することができる。
なお、本発明の弾性表面波フィルタ1の実装構造は、前述した環状電極等で囲まれた封止構造の態様に限定されるものではない。
このようにして、弾性表面波素子部Aと弾性表面波素子部Bとを縦続接続した弾性表面波フィルタ1が形成される。そして、この弾性表面波フィルタ1は、1次モードと高次(3次)モードとの多重モードの定在波を有することができる。
また、この弾性表面波フィルタ1は、不平衡−平衡変換機能を有している。具体的には、弾性表面波素子部Aの入力端子9からの不平衡信号の入力に応じて、弾性表面波素子部Bの出力端子11,12から平衡信号の出力が行われる。これにより、この弾性表面波フィルタの後段にある回路部材が平衡信号にのみ対応している場合でも、出力された信号を平衡に変換するための不平衡−平衡変換器を挿入する必要がない。よって、この不平衡−平衡型の弾性表面波フィルタ1は、不平衡−平衡変換器の設置領域を省くことができるので、全体として、移動体通信機器などの通信装置の小型化に対応することができる。
以下、この弾性表面波フィルタ1の特徴的な構造を説明する。
弾性表面波素子部Bにおいて、分割電極群Sa、Sbとして2分割された領域を有するIDT電極16は、電極指ピッチL1(以下、単にL1ともいう)および電極指ピッチL2(以下、単にL2ともいう)が、分割電極群Sa及びSbの電極指の平均電極指ピッチL3(以下、単にL3ともいう)より大きく形成されている。したがって、L1>L3かつL2>L3の関係を有するのであれば、L1>L2、L1<L2やL1=L2であってもよい。
1>L2、すなわち、L1>L2>L3の関係がある場合(図1参照)、電極指ピッチが異なるIDT電極内でのバルク波放射による損失量を低減し、通過帯域が大きくなるという点で好ましい。また、この場合、図1に示すように、L1−L2<L2−L3であることがより好ましく、電極指ピッチが異なるIDT電極内でのバルク波放射による損失量をより低減するという利点がある。
また、L1<L2、すなわち、L2>L1>L3の関係がある場合、分割されたIDT電極どうしでの焦電破壊が少なくなり、通過帯域が大きくなるという利点がある。
さらに、L1=L2、すなわち、L1=L2>L3の関係がある場合、通過帯域が大きくなるという利点がある。
ここで、L1は、L3よりも1.05倍〜1.2倍の範囲を有することが好ましい。このとき、L1は、L3よりも1.05倍未満のときのように、焦電破壊を生じることがなく、また、バルク波の増大を抑制することができる。一方、L1は、L3よりも1.2倍を超えるときのように、通過帯域の平坦度が悪くなり(リップルが大きくなり)、低損失な通過帯域を形成できないということを少なくすることができる。
なお、IDT電極16の電極指ピッチの平均値L3は、IDT電極16を挟む位置に形成されたIDT電極13やIDT電極15の電極指ピッチの平均値よりも大きいことが好ましい。これにより、弾性表面波フィルタ1に生じるバルク波を低減することができ、IDT電極16に生じるおそれのある焦電破壊を抑制することができる。
弾性表面波素子部Bでの反射器17,18の電極指ピッチは、図1(b)に示されるように、それぞれに隣接するIDT電極13,15に比べて大きく形成されている。このことは、反射器は電気的に短絡状態であり、一方、IDT電極は終端抵抗がついた状態であるため、これらは電気回路的に異なる状態にあり、その結果、反射器における弾性表面波を反射する実効周波数帯域と、IDT電極における弾性表面波の実効周波数帯域とが異なるためである。よって、この実効周波数帯域を合致させる方法として、反射器の電極指ピッチをIDT電極の電極指ピッチよりも広くしている。また、弾性表面波素子部Aでの反射器7,8の電極指ピッチは、弾性表面波素子部Bと同様に、それぞれに隣接するIDT電極2,4に比べて大きく形成されている。
以上のようにして、本発明の弾性表面波フィルタ1は、IDT電極16を形成する電極指間隔が広く形成されているので、狭いピッチで形成されることに起因して生じるバルク波の放射損を低減することができる。これにより、通過帯域内における挿入損失を小さくすることができ、かつ、通過帯域幅の広いフィルタ特性を有することができる。
これに加え、IDT電極及び反射器の電極指ピッチの関係を規定することにより、このIDT電極を含む共振子型弾性表面波素子において、1次モードと3次モードとこれらの高調波モードとの共振周波数を微調整することが可能となり、さらに、広帯域、かつ、低損失で、良好な挿入損失特性を有する弾性表面波フィルタが実現できる。特に、出力端子11,12が接続されたIDT電極16における電極指間の狭いピッチが形成された部分に生じやすかった電位差による放電を軽減することができ、IDT電極や反射器が焦電破壊されることを少なくすることができる。
また、本発明の弾性表面波フィルタ1は、それに含まれる弾性表面波素子部BにおけるIDT電極16を2分割することで、不平衡−平衡変換器を必要とすることなく、不平衡信号の入力に応じて、平衡信号の出力を行うことができる。
さらに、本発明の弾性表面波フィルタは、移動体通信機器などの通信装置に好適に適用することができる。
すなわち、受信回路又は送信回路の一方又は両方を備える通信装置において、本発明の弾性表面波フィルタを、これらの回路に含まれるバンドパスフィルタとして用いることができる。
前記送信回路は、例えば、送信信号をミキサでキャリア周波数にのせて、不要信号をバンドパスフィルタで減衰させ、その後、パワーアンプで送信信号を増幅して、デュプレクサを通ってアンテナより送信する回路である。前記受信回路は、受信信号をアンテナで受信し、デュプレクサを通った受信信号をローノイズアンプで増幅し、その後、バンドパスフィルタで不要信号を減衰して、ミキサでキャリア周波数から信号を分離し、この信号を取り出す回路である。
本発明の弾性表面波フィルタを採用すれば、感度が向上した優れた通信装置を提供できる。
なお、本発明の弾性表面波フィルタは、図1のような弾性表面波素子の電極構造に図示された態様に限定されるものではない。例えば、弾性表面波素子部Aと弾性表面波素子部Bとの間に、他の弾性表面波素子を1段以上縦続接続した、多数段に形成される弾性表面波フィルタにも、本発明は良好に適用することができる。
また、図2に示されるように、弾性表面波フィルタ20の弾性表面波素子部CのIDT電極21は、図1の弾性表面波フィルタ1での電極指16a1と電極指16b1との間隙をなくして、それらの電極指を一本の電極指21cとしたような形状を有している。このとき、交互に形成された電極指のうち、電極指21cと電極指21a2との電極指ピッチをL2aとし、電極指21cと電極指21b2との電極指ピッチをL2bとする。電極指ピッチL2(=L2a=L2b)とIDT電極21の平均電極指ピッチL3との関係を、L2>L3とすることで、弾性表面波フィルタ1とほぼ同様の効果を得ることができる。すなわち、弾性表面波フィルタ20に生じるバルク波をより低減することができ、IDT電極21に生じるおそれのある焦電破壊を抑制することができる。
さらに、図3に示されるように、弾性表面波フィルタ30の弾性表面波素子部DのIDT電極31は、弾性表面波素子部Bの電極指ピッチの規定と同様に、IDT電極31の中心に向けて、電極指ピッチを大きくすることもできる。これにより、弾性表面波フィルタ30に生じるバルク波をさらに低減することができ、IDT電極31に生じるおそれのある焦電破壊を抑制することができる。
また、図4に示されるように、弾性表面波フィルタ40は、図1の弾性表面波フィルタ1の弾性表面波素子部Aを除いた形状を有している。つまり、弾性表面波フィルタ40は、弾性表面波素子部BのIDT電極13,15に、入力端子9が直接接続された形状を有している。これにより、弾性表面波フィルタ1よりも小さく形成されていながらも、弾性表面波素子部Bにより、バルク波を抑制することができ、通過帯域内における挿入損失を小さくすることができ、かつ、通過帯域幅の広いフィルタ特性を得ることができる。また、出力端子11,12に生じやすかった焦電効果による電極指破壊を低減することができる。
なお、弾性表面波フィルタ1は、図示しないが、それぞれのIDT電極間(つまり、弾性表面波素子部Aにおける、IDT電極2とIDT電極3との間、IDT電極3とIDT電極4との間、弾性表面波素子部BにおけるIDT電極13とIDT電極16との間、IDT電極16とIDT電極15との間)に反射器電極を挿入して形成されてもよい。これにより、この反射器電極内の電極指のピッチを調整することで、多重結合モードの有する定在波を良好に制御することができ、結果として、定在波モードの共振現象によりフィルタリングする周波数を容易に制御することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、図1に示される本発明にかかる弾性表面波フィルタ1を具体的な実施例について説明する。
弾性表面波フィルタ1を形成する基板としての圧電基板19を、38.7°YカットのLiTaO3単結晶で形成した。
圧電基板19の主面19a上に形成されるIDT電極および反射器電極(各種電極パターン)は、以下のように、スパッタリング装置、縮小投影露光機(ステッパー)やRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いて、フォトリソグラフィを行うことで、形成した。
各種電極パターンを形成するため、まず、アセトンやIPA(イソプロピルアルコール)等の材料によって、多数の圧電基板19の領域が形成された母基板(個々の弾性表面波フィルタに切り分ける(ダイシング)する前段階での、各種電極パターンが形成されるウエハ状の基板)を超音波洗浄し、この母基板上に付着した有機成分を落とした。そして、クリーンオーブンによって、母基板を充分に乾燥した。
次に、スパッタリング装置を用いて、Al99重量%−Cu1重量%合金で、各種電極パターンの下地となる金属膜の成膜を行った。この金属膜の膜厚は、約0.3μmであった。
次に、この金属膜上に、フォトレジスト層を約0.5μmの厚みにスピンコートし、縮小投影露光装置を用いて、各種電極パターンが所定の形状となるようにパターニングを行った。そして、現像装置を用いて、不要部分のフォトレジスト層をアルカリ現像液で溶解することで、所定の各種電極パターンを表出した。その後、RIE装置を用いて、金属膜のエッチングを行い、パターニングを終了した。このようにして、各種電極パターンを形成した。
圧電基板となる母基板上に形成されたIDT電極の電極指の対数はそれぞれ、IDT電極3が17対であり、IDT電極2,4が13対であり、IDT電極16が17対であり、IDT電極13,15が13対であった。IDT電極2,3,4,13,15,16の電極指の平均電極指ピッチは、ともに約2.25μmであった。また、反射器7,8,17,18の電極指の電極の平均電極指ピッチは、約2.29μmであった。
その後、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、圧電基板19の主面19a上の各種電極パターンを覆うように、約0.02μmの厚みの保護膜をSiO2で形成した。
次に、入力端子9及び出力端子11,12を形成するために、母基板上の面にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィによって、そのフォトレジスト層のパターニングを行った。そして、RIE装置等を用いて、端子9,11,12の下地となる電極パッドの窓開け部用のエッチングを行った。その後、スパッタリング装置を用いて、フォトレジスト層上にAlを主成分とする金属膜を約1.0μmの膜厚で形成した。その後、リフトオフ法を用いて、フォトレジスト層および不要箇所に形成した金属膜を除去し、弾性表面波フィルタ1を外部回路基板等にフリップチップ実装するための電極パッドを形成した。
次に、バンプボンディング装置を用いて、前記電極パッド上に、フリップチップ用の導体バンプをAuで形成した。導体バンプの直径は約80μmであり、高さは約30μmであった。これにより、電極パッド上に導体バンプを積層した入力端子9及び出力端子11,12を形成した。
次に、所定の各種電極パターンなどを形成した母基板を、所定のダイシング線に沿ってダイシングし、個々のチップとして、弾性表面波フィルタ1に切り分けた。その後、フリップチップ実装装置を用いて、弾性表面波フィルタ1の入力端子9及び出力端子11,12が形成された面(圧電基板19の主面19a)を下側にして接着し、各弾性表面波フィルタ1をパッケージに接合した。このパッケージは、セラミック層を多層積層した2.5×2.0mm角のものを用いた。その後、N2雰囲気中でベークを行った。このベークとは、半導体デバイスの半製品、製品の各製造段階で付着した不要な水分を取り除くために、一定時間、高温で処理すること、または、各製造段階で形成されている部品材料のなじみをよくしたりするために、所定以上の温度をかけて処理することである。そして、弾性表面波フィルタ1を含む弾性表面波装置を作製した。
次に、本発明の一実施形態にかかる弾性表面波フィルタの特性測定を行った。
図5(a)は、作製した弾性表面波フィルタ1の周波数と挿入損失との関係を表したグラフとしての図であり、図5(b)は、図5(a)の拡大図として、通過帯域を含む周波数(890〜990MHz)と挿入損失のグラフである。
本発明の一実施形態にかかる弾性表面波フィルタとして、上述の実施例での弾性表面波フィルタ1とする。
比較例のサンプルとして、図7に示されている、弾性表面波フィルタ201を、上記の実施例とほぼ同様の工程によって作製した。IDT電極203,207の対数は17対とし、IDT電極202,204,206,208の対数は15対とし、IDT電極202,203,204,206,207,208の電極指の平均電極指ピッチはともに約2.25μmとした。また、IDT電極の両側に配設した反射器205,209の電極指ピッチは約2.29μmとした。
そして、弾性表面波フィルタ1に0dBmの信号を入力し、図5(a)に示すように、周波数840〜1040MHz、測定ポイントを800ポイントとして測定した。サンプル数は30個であり、測定装置にはマルチポートネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製「E5071A」)を用いた。
通過帯域内における最大挿入損失は、本発明では、図5(b)に示されるように、通過帯域幅35MHzを確保できる最大挿入損失は約1.7dBであった。一方、比較例としての従来の弾性表面波フィルタでは、前記条件において、約2.8dBであった。このように、本発明の弾性表面波フィルタ1は、挿入損失を低減することができた。
また、ネットワークアナライザで測定した比帯域幅は、本発明では、図5(b)に示されるように、絶対挿入損失3dBにて4.7%(通過帯域幅44MHz、中心周波数943MHz)であった。一方、比較例では、約3.9%(通過帯域幅37MHz、中心周波数946.5MHz)であった。このように、本発明にかかる弾性表面波フィルタ1は、通過帯域の広帯域化をすることができた。
このように、本発明の実施例では通過帯域の広帯域化および低挿入損失化を実現することができた。これは、すなわち、弾性表面波フィルタ1に生じるバルク波の放射損を低減して、挿入損失の改善が図られたためと考えられる。
(a)は、本発明の一実施形態にかかる弾性表面波フィルタの圧電基板を主面から見た平面図であり、(b)は、第2の弾性表面波素子部の電極指ピッチ(電極指の中心間距離)の変化を、弾性表面波の伝搬方向の位置について示した線図である。 本発明の他の実施形態にかかる弾性表面波フィルタの平面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる弾性表面波フィルタの平面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる弾性表面波フィルタの平面図である。 (a)は、作製した弾性表面波フィルタの周波数と挿入損失との関係を表したグラフとしての図であり、(b)は、(a)の拡大図として、通過帯域を含む周波数(890〜990MHz)と挿入損失のグラフである。 従来の弾性表面波フィルタの電極構造を示した平面図である。 従来の縦続接続した共振子型の弾性表面波フィルタの電極構造を示す平面図である。
符号の説明
1 弾性表面波フィルタ
19 圧電基板
19a 主面
2,3,4,13,15,16 IDT電極
7,8,17,18 反射器電極
9,11,12 入出力端子
Sa,Sb 分割電極群
16a1,16b1 端部電極指
16a2,16b2 電極指
A,B 弾性表面波素子部
1,L2,L3 電極指ピッチ(電極指間隔)

Claims (7)

  1. 圧電基板上に形成された共振子型弾性表面波素子により弾性表面波を励振する弾性表面波フィルタであって、
    前記共振子型弾性表面波素子は、
    弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に延びる櫛歯状の電極指を有する奇数個のIDT電極を含み、
    当該奇数個のIDT電極の前記弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に、前記弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に形成された電極指を有する反射器電極が配設されており、
    前記共振子型弾性表面波素子の中央のIDT電極は、
    相対する電極指の片方が2つの電極指群に2分割されるとともに、前記2分割された各電極指群に入出力端子が接続され、
    前記2分割された各電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分における電極指間隔が、前記中央のIDT電極内における電極指間隔の平均値よりも大きな値で形成されている、弾性表面波フィルタ。
  2. 前記中央のIDT電極において、
    前記2分割された電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分の電極指間隔は、前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値に比べて、1.05倍〜1.2倍の範囲の値を有している、請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値は、
    前記中央のIDT電極に隣接したIDT電極の電極指間隔の平均値よりも大きな値を有している、請求項1または請求項2に記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 圧電基板上に形成され、縦続接続された複数の共振子型弾性表面波素子により弾性表面波を励振する弾性表面波フィルタであって、
    前記複数の共振子型弾性表面波素子は、第1の弾性表面波素子部と第2の弾性表面波素子部とを含んでおり、
    前記第1の弾性表面波素子部は、
    弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に延びる櫛歯状の電極指を有した奇数個のIDT電極を含み、
    中央の前記IDT電極には、相対する電極指の片方に入出力端子が接続され、
    当該奇数個のIDT電極の前記弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に、前記弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に形成された電極指を有する反射器電極が配設されており、
    前記第2の弾性表面波素子部は、
    弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に延びる櫛歯状の電極指を有する奇数個のIDT電極を含み、
    当該奇数個のIDT電極の前記弾性表面波の伝搬方向の外側の両方に、前記弾性表面波の伝搬方向に直交する方向に形成された電極指を有する反射器電極が配設されており、
    前記第2の弾性表面波素子部の中央のIDT電極は、
    相対する電極指の片方が2つの電極指群に2分割されるとともに、前記2分割された各電極指群に入出力端子が接続され、
    前記2分割された各電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分における電極指間隔が、前記中央のIDT電極内における電極指間隔の平均値よりも大きな値で形成されている、弾性表面波フィルタ。
  5. 前記中央のIDT電極において、
    前記2分割された電極指群の最も内側の電極指に挟まれた部分の電極指間隔は、前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値に比べて、1.05倍〜1.2倍の範囲の値を有している、請求項4に記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 前記中央のIDT電極の電極指間隔の平均値は、
    前記中央のIDT電極に隣接したIDT電極の電極指間隔の平均値よりも大きな値を有している、請求項4または請求項5に記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の弾性表面波フィルタを含む受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えたことを特徴とする通信装置。

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