JP3390554B2 - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波共振器として電
気通信機器に用いられる弾性表面波装置及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電基板上にすだれ状電極(IDT:In
terdigital Transducer ;以下IDTと略記する)およ
び該IDTにより励振される表面波を反射する反射器が
設けられた弾性表面波装置は、IDTや反射器が設けら
れた面および表面波が伝搬する伝搬路上が弾性的に開放
されかつ気密空間を有するように構成されている。図8
は弾性表面波素子101の構造を示す平面図である。図
8に示す如く、一般に弾性表面波素子101は、圧電基
板102上に、基板表面の所定の方向に表面波を励振す
るためのIDT103及びバスバー104,104’、
端子電極105,105’、さらにバスバー104,1
04’と端子電極105,105’とを接続する引出し
電極106,106’等が配設されてる。電極材料とし
ては、通常、アルミニウム(Al)や金(Au)が用い
られる。
【0003】図8の場合は簡単のため、IDT103の
みで構成された多対IDT型弾性表面波共振子を例にと
ったが、表面波伝搬方向でIDTの左右(図8ではID
T103の上下)に反射器を配した弾性表面波共振子、
又は、IDTを2個以上用いた2端子対弾性表面波共振
子、弾性表面波共振子を複数個用いた共振子型弾性表面
波フィルタ、さらには、2つの入出力IDT間に表面波
伝搬路を持ついわゆるトランスバーサル型弾性表面波フ
ィルタ等の弾性表面波素子があり、以下に述べる問題
は、これらの素子に共通した問題である。
【0004】図8において、端子電極105,105’
を介してIDT103に高周波電圧が印加されると、圧
電作用により基板表面にIDT103の電極ピッチに対
応した歪が生じる。この歪が等周期で連続したものがい
わゆる基板表面にエネルギを集中して伝搬する表面波で
あり、基板表面は物理的に振動することになる。IDT
によって励振された表面波は、IDTの左右(図8では
IDT103の上下)方向に伝搬するが、IDT自身が
反射器として動作するため、電極指の対数がある程度以
上多くなるとほぼ全反射され、励振波と反射波による共
振を呈し共振子が構成される。この共振状態では弾性表
面波のエネルギはほぼIDT内部に閉じ込められてお
り、エネルギが閉じ込められている部分は、バスバー1
04,104’とバスバー104,104’の内側にあ
るIDT103の部分であり、バスバー104,10
4’の外側では、そのエネルギは指数関数的に減少す
る。
【0005】このような弾性表面波素子101を機器に
組み込んで用いるために、従来は一般にケースに収容さ
れて弾性表面波装置として実装される。すなわち、弾性
表面波素子101(共振子)が正常に動作するために
は、励振される表面波及びその表面波エネルギが閉じ込
められる部分の表面を弾性的(あるいは別の表現を用い
ると機械的)に開放(フリー)にする必要がある。従っ
て弾性表面波素子の封止(モールド)にはIC等で用い
られているようなチップ全体を樹脂で隙間なく固定する
ような封止方法は用いられず、少なくとも弾性表面波素
子として正常に機能させるための振動機能面107、す
なわち、図8のIDT103,バスバー104,10
4’及びバスバー104,104’の外側に数λ0 (λ
0 ;表面波の波長)程度の範囲の破線で囲まれた部分の
表面を弾性的に開放して中空状態にする必要がある。図
8はIDTのみからなる共振子の例であるが、IDTの
両側(図8ではIDT103の上下)に反射器を有する
弾性表面波共振子、及び入出力IDT間に伝搬路を持つ
トランスバーサル型フィルタの場合は反射器や伝搬路も
振動機能面に含まれることは言うまでもない。また、図
8のように引出し電極106,106’がある場合はバ
スバー104,104’との接続部付近を除けば振動機
能面ではない。また、温度特性を改善するために、ある
いは、表面を保護するために、弾性表面波素子101の
表面にSiO2 膜を付けることが行われるが、このSi
2 膜の膜厚が表面波の波長λ0 より十分小さい場合
は、SiO2 膜の表面が、上述のSiO2 膜がない場合
の表面と、弾性的に開放する必要があるという意味で等
価と見なすことができ、振動機能面に要求される中空状
態にするという条件は同じと考えることができる。
【0006】以上のように、弾性表面波素子を正常に機
能させるためには、振動機能面を弾性的に開放しなけれ
ばならないが、それと同時に、電極表面が結露現象等に
より電気的に短絡されないように、又は外部から導電性
のゴミ等が侵入しないように気密性を持たせて弾性表面
波装置を構成する必要がある。そのため、従来から一般
的に用いられている封止構造として、ハーメティックケ
ースに封止した構造やセラミックパッケージに封止した
構造がある。
【0007】図9はセラミックパッケージを用いた従来
の弾性表面波装置202の構造断面図であり、図10は
ケースにキャップを載せる前の状態の斜視図である。図
9において、弾性表面波素子101は、セラミックケー
ス50の凹部に接着剤47でダイボンディングされ、弾
性表面波素子101はワイヤ48で外部電極接続パター
ン51aに接続され外部電極51と接続され、振動機能
面は中空部201により弾性的に開放されている。図1
0は従来の弾性表面波装置202の分解斜視図であり、
セラミックケース50に弾性表面波素子101が収容さ
れた後、矢印に示すようにキャップ52とセラミックケ
ース50は、シーム溶接等により気密封止され内部の雰
囲気が通常N2 ガス等で置換される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記セ
ラミックケースを用いた封止方法は、セラミックケース
がかなり高価なこと、及び、単体の弾性表面波装置20
2を完成させるためには、一枚のウエハに作り込んだ多
数の弾性表面波素子101を分割した後それぞれ個別に
ケースに封止するいわゆる後工程が必要であり、この後
工程のコストは装置全体の半分以上を占めることから、
製造コストが上昇すること、また、図9,図10のよう
に接続用ワイヤ48がキャップ52と接触しないように
ある程度の高さのケース50が必要であり、かつセラミ
ックケース50の底部の厚さが必要なために薄型化に制
約があること、ケース使用によって実装面積が増大する
ために小型化が難しいこと等の問題がある。
【0009】また、従来のセラミックケースを用いた弾
性表面波装置202は、個別部品として取り扱うことを
前提としており、ICのベアチップと同様に取り扱うこ
とができなかった。すなわち従来の装置では、弾性表面
波装置とICベアチップ等を複数個同時に実装してマル
チチップモジュール(MCM)を実現しようとした場
合、モジュール全体を気密封止構造としなければなら
ず、封止方法が限定されると同時にコストアップになる
欠点があった。
【0010】本発明の目的は、弾性表面波素子の機能面
の中空気密構造をウエハ処理工程で同時に実現すること
で前記従来構造の問題点のすべてを解決し、薄型化,小
型化,低コスト化を図ると同時に、ICベアチップと同
様に取り扱うことのできる弾性表面波装置及びその製造
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本願の請求項1,2に記載した第1の弾性表面波装
置は、圧電基板と、該圧電基板上に形成されたすだれ状
電極を含み弾性表面波の振動に寄与する振動機能面をな
す電極部と前記すだれ状電極に連接された端子電極と、
前記振動機能面上の中空部分の端縁部を除いて覆うよう
に形成された絶縁膜と、前記端縁部を塞ぐように形成さ
れた樹脂とを備え、前記樹脂により塞がれる端縁部が、
前記振動機能面の外周上で、かつ前記端子電極が配設さ
れていない両端部に位置していることを特徴とするもの
である。さらに、前記絶縁膜は、酸化シリコンで構成さ
れたことを特徴とするものである。
【0012】そして請求項3に記載した製造方法は、ウ
エハ状の圧電基板上に、すだれ状電極を含み弾性表面波
の振動に寄与する振動機能面をなす電極部と前記すだれ
状電極に連接された端子電極とを形成する電極形成工程
前記振動機能面に犠牲層をリフトオフ法により
成する犠牲層形成工程と、次に、全面に絶縁膜を形成す
る絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜の上からフォトレジス
トを塗布し、前記振動機能面の端縁部に対応する部分と
前記端子電極に対応する部分が露出するように露光,現
像処理をした後、前記絶縁膜をエッチングして中空用窓
と接続用窓とを形成する第のエッチング工程と、前記
中空用窓と接続用窓以外に残る余分の前記フォトレジス
トを剥離した後、該中空用窓を介して前記犠牲層を抽出
して取り除く第のエッチング工程と、前記中空用窓を
封止用樹脂で塞ぐ封止工程と、前記ウエハ上に形成され
た多数の弾性表面波装置をチップ状に分割するダイシン
グ工程とを備えた弾性表面波装置の製造方法である。さ
らに、前記絶縁膜は、酸化シリコンで構成することがで
き、また、前記犠牲層は、クロムで構成することができ
る。
【0013】また、本願の請求項4,5に記載された
性表面波装置は、圧電基板と、該圧電基板上に形成され
たすだれ状電極を含み弾性表面波の振動に寄与する振動
機能面をなす電極部と前記すだれ状電極に連接された端
子電極と、前記電極が形成された圧電基板上の全面に弾
性表面波の波長に比べて十分小さい膜厚で形成された第
1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上に前記振動機能面
上の中空部分の端縁部を除いて覆うように形成された第
2の絶縁膜と、前記端縁部を塞ぐように形成された樹脂
とを備え、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜には、
前記端子電極部分が露出するように接続用窓が設けられ
構成を有している。さらに、前記第1及び第2の絶縁
膜は、酸化シリコンで構成することができる。
【0014】また、請求項6,7及び8に記載された製
造方法は、ウエハ状の圧電基板上に、すだれ状電極を含
み弾性表面波の振動に寄与する振動機能面をなす電極部
と前記すだれ状電極に連接された端子電極とを形成する
電極形成工程と、前記電極が形成された圧電基板上の全
面に弾性表面波の波長に比べて十分小さい膜厚の第1の
絶縁膜を形成する第1の絶縁膜形成工程と 前記振動機
能面に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、次に、全面
に第2の絶縁膜を形成する第2の絶縁膜形成工程と、前
記第2の絶縁膜の上からフォトレジストを塗布し、前記
振動機能面の端縁部に対応する部分と前記端子電極に対
応する部分が露出するように露光,現像処理をした後
記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをエッチングして
中空用窓と接続用窓とを形成する第のエッチング工程
と、前記中空用窓と接続用窓以外に残る余分の前記フォ
トレジストを剥離した後、該中空用窓を介して前記犠牲
層を抽出して取り除く第のエッチング工程と、前記中
空用窓を封止用樹脂で塞ぐ封止工程と、前記ウエハ上に
形成された多数の弾性表面波装置をチップ状に分割する
ダイシング工程とを備えた弾性表面波装置の製造方法で
ある。さらに、前記第1及び第2の絶縁膜は、酸化シリ
コンで構成することができる。また、前記犠牲層は、ク
ロムで構成することができる。
【0015】
【実施例】以下、具体的な実施例について本発明を図に
よって詳細に説明する。図1は本発明の弾性表面波装置
の構造例を示す斜視図(A)とそのA−A’断面図
(B)である。図において、102は圧電基板、103
はIDT、104,104’はバスバー、105,10
5’は端子電極、106,106’は引出し電極、35
は酸化シリコン(SiO2 )などの温度特性補償用絶縁
膜、38は気密保護用のSiO2 絶縁膜、39は封止用
樹脂、201は中空部である。但し、電極構造として
は、従来技術で図8を参照して述べた多対IDT共振子
を例とする。図1に示した本発明の弾性表面波装置の構
造は、LiNbO3 (ニオブ酸リチウム),LiTaO
3 (タンタル酸リチウム),水晶等の圧電基板102上
に、IDT103,及びバスバー104,104’,端
子電極105,105’,さらにバスバー104,10
4’と端子電極105,105’とを接続するための引
出し電極106,106’が配設され、さらにその上に
温度特性補償用絶縁膜であるSiO2 膜35が形成され
(但し、SiO2 の膜厚は波長λ0 に比べ十分小さい)
かつ、端子電極105,105’部分の絶縁膜はワイヤ
ボンディング等により接続可能とするためエッチング加
工されている。さらにIDT103,バスバー104,
104’とその周辺を含む表面、すなわち、弾性表面波
素子が正常に動作するために必要な振動機能面を囲み、
振動機能面が弾性的に開放となるように気密保護用のS
iO2 絶縁膜38で中空部201を形成し、中空部20
1を気密にするために封止用樹脂39で目止めされてい
る。従って、この封止用樹脂39の位置は、図8を参照
して理解されるように、振動機能面107の外周上で、
かつ、その端子電極105,105’が配設されていな
い両端部に位置していることになる。図2は図1に示し
た本発明の実施例の分割前の工程で、多数の弾性表面波
装置がウエハ31上に形成されている状態を示す部分斜
視図であり、図1はダイシング後の個々の弾性表面波装
置205の斜視図である。
【0016】次に、本発明の弾性表面波装置の製造方法
についてさらに詳しく説明する。図3,図4は本発明の
一実施例を示す製造フローチャートであり、(1)〜
(23)は工程番号を示す。図5,図6,図7は製造過
程の構造を示す説明図である。但し、工程番号(8)〜
(21)は図3,4と合わせてある。
【0017】先ず、図3の工程1〜7について説明す
る。工程1〜7は、従来の一般的な製造工法であり、十
分洗浄されたLiNbO3,LiTaO3 等の圧電基板
上にIDT等の電極を形成するためのAlやAuの金属
薄膜をEB(電子ビーム)蒸着等により被着させ(但
し、Auの場合は基板との密着性を良くするためCr等
の下地電極が用いられる)、その上にレジストを塗布
し、所定のパターンを施してあるマスクを用い露光・現
像してマスクパターンをレジストパターンに転写した
後、レジストパターンをマスクとして上記電極膜をエッ
チングし、エッチング完了後にレジストパターンを剥離
することで所定の電極パターンを圧電基板上に形成す
る。
【0018】次に、図3及び図5の工程8について説明
する。上記工程1〜7で所定の電極パターンすなわちI
DT103,バスバー104,104’,電極端子10
5,105’,引出し電極106,106’が配設され
た圧電基板102上に、温度特性を補償するための絶縁
膜35をスパッタリング等を用いて被着させる。但し、
この絶縁膜35の膜厚は表面波の波長λ0 に比べ十分小
さい。この温度特性補償用絶縁膜35には通常SiO2
が用いられるが、このSiO2 膜は温度特性補償のため
だけでなく、表面保護膜としても用いられることがあ
る。また圧電基板によっては温度特性を補償する必要の
ないものもあるが、その場合でも以下に述べる工法でエ
ッチャント等の条件を十分考慮し、後述する犠牲層等の
材質を選択することで対応できる。本発明の実施例では
以下SiO2 膜を付けることを前提として説明する。
【0019】次に、図3及び図5の工程9〜13につい
て説明する。工程9〜13は、弾性表面波素子が正常に
動作するために必要な振動機能面の表面近傍に中空部分
201を作るために必要な犠牲層としてCr(クロム)
をリフトオフ法で形成する工程である。すなわち工程8
の次に、SiO2 膜35の上にレジスト33を塗布し
(工程9)、振動機能面に対応した部分以外をマスクす
るパターンが形成されたマスク34を用いて、紫外線
(UV)により露光・現像をする(工程10)。ここで
はポジ型レジストを用いるため、紫外線(UV)が照射
された部分のレジストが溶解除去される。さらにリフト
オフするためのオーバーハング204を薬品処理にて形
成する(工程11)。次に、後工程で除去する犠牲層3
7としてCrをEB蒸着等により被着させ、レジストを
除去することで振動機能面上にCr犠牲層37を形成す
る(工程12)。後述するように、このCr犠牲層37
は後工程でエッチングにより除去することで中空部20
1を形成させるため(工程13)、中空部201の間隙
はこのCr犠牲層37の膜厚と等しくなる。従って、こ
のCr犠牲層37の膜厚は表面波の最大振幅より大きく
設定される。すなわち、リフトオフするためのレジスト
33の膜厚はこのCr膜厚を満足するように設定され
る。
【0020】次に、図4,図6,図7の工程14〜20
について説明する。工程14〜20は中空部201を形
成させるための最終段階の工程である。工程13の次
に、気密保護用の絶縁膜であるSiO2 膜38をスパッ
タリング等で被着させ(工程14)、さらにその上にレ
ジスト33を塗布する(工程15)。次に、犠牲層37
を抽出するための中空用窓203と、端子電極部を露出
させるための接続用窓206をつくるためにその他の部
分をマスクする所定のパターンが形成されたマスク34
を用いて紫外線により露光・現像を行い、マスクパター
ンをレジスト上に転写し(工程16,17)、このレジ
ストパターンをマスクとしてSiO2 膜38及び35を
エッチングして所望の窓開けを完了する(工程18)。
ここで中空用窓203は図6,図7の工程16〜19の
断面図には示されていないが、これは図7の工程20
(b)に示すようにA−A’断面上にはれず、犠牲層
37の両端部が中空用窓203となる。従って、図6
の工程18では紙面の表裏端部に中空用窓203がある
ことになる。さらに余分なレジスト33を剥離し(工程
19)、Crエッチャントにより中空用窓203からC
r犠牲層37を抽出するエッチングにより中空部201
を形成する(工程20)。ここで留意しなければいけな
いことは、CrエッチャントがSiO2 38,35およ
び端子電極105,105’,圧電基板102接続用
及び中空用窓開け時SiO238,35をエッチングす
るとマスクと犠牲層37との位置関係で基板表面の一部
が露出する場合がある)を侵さないようにすることであ
る。
【0021】次に、図4,図7の工程21以後について
説明をする。工程20までで振動機能面上に中空部20
1をもつ構造が完了するが、中空部201に気密性を持
たせるために工程21で中空用窓203を封止用樹脂3
9で目止めを行い、ウエハ上の弾性表面波装置ができ上
る。この封止用樹脂39には、粘度管理が十分なされる
ことにより、中空部201に流入しないようにすること
ができる。次の工程22でウエハ上の多数の弾性表面波
装置の特性検査を行い、工程23で個々の弾性表面波装
置に分割(ダイシング)して(工程23)本発明の弾性
表面波装置205が完成する。図7の工程20,21の
斜視図は1つの弾性表面波装置を示してあるが、この工
程までは、図2に示したように、ウエハ31上で多数個
同時に処理されることは言うまでもない。以上のよう
に、本発明では、工程21までウエハ31上で処理され
た後ダイシングにより分割しただけで、振動機能面に中
空気密構造をもつ弾性表面波装置205が得られるた
め、従来のパッケージは必要なくなり、かつ、ICチッ
プと同様に扱うことができる構造を実現することができ
る。また、上記説明は温度特性補償膜または保護膜とし
てのSiO2 膜35を有している場合について行った
が、SiO2 膜35がない場合においても、犠牲層と、
中空部を形成するための絶縁膜の組合せを十分考慮する
ことにより実施可能である。すなわち、犠牲層のエッチ
ャントによって中空部の絶縁膜38及び電極及び圧電基
板が侵されない材質を選択することにより、本発明の方
法が有効であることは明白である。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の弾
性表面波装置及びその製造方法を実施することにより、
弾性表面波素子が素子として正常に動作するために必要
な中空部を有しかつ気密性をもたせる構造を、前工程す
なわちウエハ単位で形成することが可能となるため、量
産効果が得られ、かつ従来から用いられていたセラミッ
クケース等のパッケージを必要としないため、低価格
化,小型化,薄型化が図れると同時に、ICベアチップ
と同様な取扱が可能となるため、複数個のベアチップを
同時に実装するマルチチップモジュール(MCM)等へ
の応用範囲が拡大され極めて大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す弾性表面波装置の構造図
である。
【図2】ウエハ上に形成された本発明の実施例の斜視図
である。
【図3】本発明の実施例の製造工程の前半を示すフロー
チャートである。
【図4】本発明の実施例の製造工程の後半を示すフロー
チャートである。
【図5】本発明の製造過程の一部を示す構造説明図であ
る。
【図6】本発明の製造過程の一部を示す構造説明図であ
る。
【図7】本発明の製造過程の一部を示す構造説明図であ
る。
【図8】弾性表面波素子の平面図である。
【図9】従来の構造例図である。
【図10】従来の構造例図である。
【符号の説明】
1〜23 工程番号 31 ウエハ 33 フォトレジスト 34 フォトマスク 35 温度特性補償用絶縁膜(SiO2 ) 37 犠牲層(Cr) 38 絶縁膜(SiO2 ) 39 封止樹脂 47 接着剤 48 ワイヤ 50 セラミックケース 51 外部電極 52 キャップ 101 弾性表面波素子 102 圧電基板 103 すだれ状電極(IDT:Interdigital Transdu
cer ) 104,104’ バスバー 105,105’ 端子電極 106,106’ 引出し電極 107 振動機能面 201 中空部 202 従来の弾性表面波装置 203 中空用窓 204 オーバーハング 205 本発明の弾性表面波装置 206 接続用窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−56010(JP,A) 特開 昭55−18139(JP,A) 特開 昭61−48216(JP,A) 特開 平2−116211(JP,A) 特開 平8−162899(JP,A) 特開 平4−97612(JP,A) 特開 平5−90872(JP,A) 特開 平5−267975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/25 H03H 3/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、該圧電基板上に形成された
    すだれ状電極を含み弾性表面波の振動に寄与する振動機
    能面をなす電極部と前記すだれ状電極に連接された端子
    電極と、前記振動機能面上の中空部分の端縁部を除いて
    覆うように形成された絶縁膜と、前記端縁部を塞ぐよう
    に形成された樹脂とを備え、 前記樹脂により塞がれる端縁部が、前記振動機能面の外
    周上で、かつ前記端子電極が配設されていない両端部に
    位置していることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁膜は、酸化シリコンで構成され
    たことを特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 ウエハ状の圧電基板上に、すだれ状電極
    を含み弾性表面波の振動に寄与する振動機能面をなす電
    極部と前記すだれ状電極に連接された端子電極とを形成
    する電極形成工程と、前記振 動機能面に犠牲層をリフトオフ法により形成す
    る犠牲層形成工程と、 次に、全面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、 前記絶縁膜の上からフォトレジストを塗布し、前記振動
    機能面の端縁部に対応する部分と前記端子電極に対応す
    る部分が露出するように露光,現像処理をした後、前記
    絶縁膜をエッチングして中空用窓と接続用窓とを形成す
    る第のエッチング工程と、 前記中空用窓と接続用窓以外に残る余分の前記フォトレ
    ジストを剥離した後、該中空用窓を介して前記犠牲層を
    抽出して取り除く第のエッチング工程と、 前記中空用窓を封止用樹脂で塞ぐ封止工程と、 前記ウエハ上に形成された多数の弾性表面波装置をチッ
    プ状に分割するダイシング工程とを備えた弾性表面波装
    置の製造方法。
  4. 【請求項4】 圧電基板と、該圧電基板上に形成された
    すだれ状電極を含み弾性表面波の振動に寄与する振動機
    能面をなす電極部と前記すだれ状電極に連接された端子
    電極と、前記電極が形成された圧電基板上の全面に弾性
    表面波の波長に比べて十分小さい膜厚で形成された第1
    の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上に前記振動機能面上
    の中空部分の端縁部を除いて覆うように形成された第2
    の絶縁膜と、前記端縁部を塞ぐように形成された樹脂と
    を備え、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜には、 前記端子電
    極部分が露出するように接続用窓が設けられたことを特
    徴とする弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の絶縁膜は、酸化シリ
    コンで構成されたことを特徴とする請求項4に記載の弾
    性表面波装置。
  6. 【請求項6】 ウエハ状の圧電基板上に、すだれ状電極
    を含み弾性表面波の振動に寄与する振動機能面をなす電
    極部と前記すだれ状電極に連接された端子電極とを形成
    する電極形成工程と、 前記電極が形成された圧電基板上の全面に弾性表面波の
    波長に比べて十分小さい膜厚の第1の絶縁膜を形成する
    第1の絶縁膜形成工程と 前記振 動機能面に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、 次に、全面に第2の絶縁膜を形成する第2の絶縁膜形成
    工程と、 前記第2の絶縁膜の上からフォトレジストを塗布し、
    記振動機能面の端縁部に対応する部分と前記端子電極に
    対応する部分が露出するように露光,現像処理をした
    後、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをエッチン
    グして中空用窓と接続用窓とを形成する第のエッチン
    グ工程と、 前記中空用窓と接続用窓以外に残る余分の前記フォトレ
    ジストを剥離した後、該中空用窓を介して前記犠牲層を
    抽出して取り除く第のエッチング工程と、 前記中空用窓を封止用樹脂で塞ぐ封止工程と、 前記ウエハ上に形成された多数の弾性表面波装置をチッ
    プ状に分割するダイシング工程とを備えた弾性表面波装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2の絶縁膜は、酸化シリ
    コンで構成されたことを特徴とする請求項6に記載の弾
    性表面波装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記犠牲層は、クロムで構成されたこと
    を特徴とする請求項6又は7に記載の弾性表面波装置の
    製造方法。
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