JPH07263998A - 端面反射型表面波共振子 - Google Patents
端面反射型表面波共振子Info
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Abstract
電極指の対数の如何に関わらず、取り扱いに際しての安
定性に優れた端面反射型の表面波共振子を提供すること
にある。 【構成】 圧電基板22の一方主面22a上にくし歯電
極23,24を形成することによりIDTを構成し、溝
25,26を一方主面22a側から他方主面側に至るよ
うに形成することにより表面波が反射される一対の端面
22b,22cを形成してなり、溝25,26の外側に
圧電基板部分22d,22eを有するSHタイプの表面
波を利用した端面反射型表面波共振子30。
Description
SHタイプの表面波を利用した表面波共振子に関し、特
に、表面波が対向し合っている一対の端面において反射
される端面反射型の表面波共振子に関する。
表面波を利用した端面反射型表面波共振子が知られてい
る。図1は、従来の端面反射型表面波共振子の一例を示
す斜視図である。
電基板2を用いて構成されている。圧電基板2は、例え
ば、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスやLiN
bO 3 圧電単結晶もしくはLiTaO3 圧電単結晶等の
圧電材料により構成されている。圧電セラミックスの場
合には、圧電基板2は、図示の矢印P方向に分極処理さ
れている。
電極3,4が形成されており、それによってインターデ
ジタルトランスデューサ(以下、IDTと略す。)が構
成されている。くし歯電極3,4は、それぞれ電極指3
a〜3c及び4a〜4cを有する。
極3,4から交流電圧を印加することにより、BGS波
が励起され、該BGS波は図示の矢印X方向に伝搬され
る。このBGS波は、圧電基板2の両端面2b,2cで
反射される。
Tで決定される周波数スペクトルと端面2b,2c間の
寸法で決定される周波数とを一致させることにより、有
効な共振特性が得られる。上記のように、表面波共振子
1では、端面2b,2c間で表面波が反射され、それに
よって共振特性が引き出されるものであるため、端面2
b,2cの平滑性及び端面2b,2c間の寸法が高精度
に保たねばならない。そこで、従来、表面波共振子1
は、以下のような工程を経て製造されている。
電板5を用意し、圧電板5の上面に、上記くし歯電極
3,4を形成することにより、IDTを構成する。しか
る後、圧電板5の上面側から溝6,7を形成し、それに
よって上記端面2b,2cを形成する。すなわち、溝
6,7は、端面2b,2cを正確に形成するために、圧
電板5に高精度に溝加工を行うことにより形成される。
しかる後、溝6,7の底部6a,7aよりも下方の圧電
板部分を切断することにより、表面波共振子1を得る。
3c,4a〜4cのうち、端面2b,2cに沿うように
形成されている両側の電極指3a,4cは、他の電極指
の1/2の幅とされている。すなわち、表面波の波長を
λとしたとき、電極指3a,4cの幅は、8/λとされ
ており、その他の電極指の幅がλ/4とされている。こ
のような電極指3a,4cは、予めλ/4の幅の複数本
の電極指を形成した後に、最も外側の電極指の幅を1/
2、すなわちλ/8の幅となるように溝6,7を形成す
ることにより得られている。
子1は、上記のような構造を有するが、IDTを構成し
ている電極指の対数が少なくなり、表面波共振子1の幅
Wが狭くなった場合には、ケース基板、ハーメチックシ
ールのベース、プリント回路基板上に実装する際に不安
定に成りがちである。例えば、図3に示すように、ID
Tを構成している一方のくし歯電極13が2本の電極指
13a,13bを有し、他方のくし歯電極14が単一の
電極指14aのみを有するような場合、表面波共振子1
1の幅Wは、圧電基板12の厚みtに比べて非常に小さ
くなる。従って、表面波共振子11は、図示の向きに載
置された場合不安定であり、端面12bあるいは端面1
2cが下方を向くように倒れやすくなり、ダイボンド等
の電気的接続作業が困難になるという問題があった。
合であっても、チップの安定性が高められており、従っ
て、ダイボンド等の作業を安定にかつ確実に行うことを
可能とする端面反射型の表面波共振子及びその製造方法
を提供することにある。
波共振子は、SHタイプの表面波を利用した端面反射型
の表面波共振子であって、圧電基板と、前記圧電基板の
一方主面上に形成されたIDTとを備え、前記IDTの
少なくとも片側において表面波を反射させるための端面
を構成するように、前記圧電基板の一方主面側から他方
主面側に、かつ表面波伝搬方向と直交する方向に延びる
ように溝が形成されている、端面反射型表面波共振子で
ある。
共振子では、圧電基板のIDTが形成されている側の主
面において、他方主面側に延びるようにかつ表面波伝搬
方向と直交する方向に溝が形成されており、該溝の形成
により表面波が反射される少なくとも1つの端面が構成
されている。従って、圧電基板では、上記溝の外側に、
さらに圧電基板部分が連なっている。よって、溝の外側
に残されている圧電基板部分により、表面波共振子の表
面波伝搬方向に沿う寸法、すなわち幅寸法が増大され、
それによって表面波共振子の安定化が図られる。
基板の厚みtの2/3倍よりも小さい場合に、ダイボン
ディング時の作業が困難となることが確かめられている
ため、好ましくは、上記表面波共振子の幅寸法Wが、圧
電基板の厚みtの2/3倍よりも大きくなるように、溝
の外側の圧電基板部分の大きさが定められる。
は、圧電板上にIDTを形成する工程と、前記IDTの
表面波伝搬方向の少なくとも片側において、前記表面波
を反射するための端面を構成するように、前記圧電板の
一方主面から他方主面側に、かつ表面波伝搬方向と直交
する方向に延びる溝を形成する工程と、前記圧電板を、
前記溝よりも外側の領域において切断し、それによって
請求項1に記載の端面反射型表面波共振子を得る工程と
を備える、端面反射型表面波共振子の製造方法である。
記のように圧電板上にIDTを形成し、IDTの少なく
とも片側に溝を形成することにより、表面波が反射され
る端面が構成される。そして、圧電板は、上記溝を形成
した後に、溝よりも外側の領域において切断される。従
って、上記溝の外側に、圧電基板部分を有する本発明の
端面反射型表面波共振子を製造することができる。な
お、本発明の製造方法では、好ましくは、上記圧電板を
溝よりも外側において切断するに際し、切断されて得ら
れた圧電基板の幅寸法Wが、上記のように圧電基板の厚
みtの2/3倍によりも大きくなるように、上記切断が
行われる。
圧電板の切断は、圧電板の少なくとも一方の主面側から
他方主面側に延びるように第2の溝を形成し、すなわち
IDTの少なくとも片側において上記端面を構成するた
めに形成された溝の外側にさらに第2の溝を形成し、新
たに形成された第2の溝の底部と他方主面側との間の圧
電基板部分を外力を加えて分断することにより、あるい
は機械加工により切断することにより行われる。このよ
うに、第2の溝を形成して圧電板を切断する方法を採用
することにより、従来例と同様に、マザーの圧電板の一
方主面に多数のIDTを形成し、さらに上記端面を形成
するための溝加工の後に、上記表面波共振子を分離する
ための第2の溝を形成したものを用意することができ、
言い換えれば、多数の表面波共振子が新たに形成された
第2の溝を介して連なった構造体を得ることができる。
従って、各表面波共振子の特性の測定等をマザーの圧電
板において互いに連結された状態で効率よく行うことが
できる。
る少なくとも1つの端面が上記溝を形成することにより
構成されており、該溝の外側にさらに圧電基板部分が備
えられている。従って、表面波が反射される端面間の寸
法の大きさに関わらず、表面波共振子の幅寸法について
は、圧電基板の厚みに対して十分大きくすることができ
る。よって、電極指の対数が少ない場合であっても、溝
の外側の圧電基板部分の幅寸法を大きくすることによ
り、表面波共振子全体の幅寸法を比較的大きくすること
ができ、従って、安定な表面波共振子を提供することが
できる。
は、IDTの少なくとも片側に溝を形成することにより
表面波が反射される端面が構成され、さらに上記溝の形
成の後に、さらに溝よりも外側において圧電板を切断す
ることにより本発明の端面反射型表面波共振子が得られ
る。よって、溝加工を行った後、単に切断工程を追加す
るだけで、本発明の表面波共振子を得ることができる。
することにより、本発明を明らかにする。
の製造方法を説明するための斜視図である。まず、圧電
板21を用意する。圧電板21は、例えば、チタン酸ジ
ルコン酸鉛系セラミックス等の圧電セラミックス、また
はLiNbO3 圧電単結晶もしくはLiTaO3 圧電単
結晶等の圧電単結晶により構成されている。また、圧電
板21は圧電セラミックスの場合には、図示の矢印P方
向に分極処理されている。すなわち、圧電板21の主面
21aと平行な方向に分極処理されている。
一対のくし歯電極23,24を形成する。くし歯電極2
3,24は、例えばアルミニウム、銅等の導電性材料に
より構成されている。また、くし歯電極23,24の形
成は、圧電板21の上面に、蒸着、めっきもしくはスパ
ッタリング等の方法により導電性材料よりなる薄膜を形
成し、しかる後パターニングする方法等、適宜の方法に
より形成することができる。
を有し、他方、くし歯電極24は単一の電極指24aを
有する。表面波の波長λとしたときに、電極指24aの
幅はλ/4とされており、他方、電極指23a,23b
及び24aの電極指間ピッチもλ/4とされている。も
っとも、両側に位置する電極指23a,23bの幅は8
/λとされている。
は、後述の溝25,26の形成に際し、その幅が調整さ
れる。すなわち、最初に、電極指24aと同様に、λ/
4の幅の電極指23a,23bが形成されている領域に
形成しておく。次に、圧電板21の一方主面21a側か
ら他方主面21b側に延びる溝25,26を形成する。
この溝25,26は、くし歯電極23,24から交流電
圧を印加することにより励起されるBGS波を反射させ
るための端面22b,22cを形成するために形成され
ている。従って、上記端面22b,22cが、電極指2
3a,23bの幅を1/2に切断する位置となるよう
に、溝25,26をダイサー等を用いて形成することに
より、電極指23a,23bの幅が上記のように定めら
れる。
b,22cを形成するために設けられるものであるた
め、溝25,26の延びる方向は、表面波伝搬方向と直
交する方向であり、かつ電極指23a,23b,24a
と平行な方向となる。
26は、その底部25a,26aが他方主面21bには
至らない深さとされている。溝25,26は、励起され
たBGS波を端面22b,22cで確実に反射し得るよ
うに、ある程度の深さを有することが必要である。最
も、SHタイプの表面波は、圧電基板の表面近くを伝搬
するものであるため、溝25,26は、他方主面21b
に至る程の大きさを有する必要はない。従って、本実施
例では、溝25,26の深さは、図示のように、圧電板
21の厚みtの1/2程度とされている。最も、BGS
波等のSHタイプの表面波を確実に反射させるための端
面22b,22cを形成するには、上記溝25,26の
深さ、すなわち端面22b,22cの高さ方向寸法は、
波長λに対し1λ〜5λの範囲とすることが望ましい。
7,28を形成する。第2の溝27,28は、本実施例
により得られる表面波共振子を圧電板21の他の部分か
ら分離するために設けられている。溝27,28は、溝
25,26と平行に延ばされているが、溝27,28
は、溝25,26と平行に形成される必要は必ずしもな
い。もっとも、最終的に得られる表面波共振子の平面形
状を矩形とすることが、製品形状の標準化において好ま
しいため、好ましくは、上記溝27,28は本実施例の
ように溝25,26と平行に形成される。
は、他方主面21bには至っていない。すなわち、溝2
7,28を形成することにより構成される本実施例の表
面波共振子部29は、圧電板21の他の部分と連結され
ている。従って、マザーの圧電板21において、図4に
示したような構造を多数形成した場合、個々の表面波共
振子部を分断することなく、特性の測定等をマザーの圧
電板21上において行うことができる。
7,28の底部27a,28aの下方部分において分断
することにより、図5に示す表面波共振子30を得るこ
とができる。
分断により圧電基板22が構成されている。圧電基板2
2の一方主面上には、上述したくし歯電極23,24よ
りなるIDTが形成されている。また、端面22b,2
2cが、上記溝25,26の形成により構成されている
ため、表面波は、端面22b,22c間で反射される。
すなわち、共振子特性は、IDTの寸法と、上記端面2
2b,22c間の寸法dにより決定される。これに対し
て、表面波共振子30の幅寸法は、溝25,26の外側
に存在する圧電基板部分22d,22eの外側面間の距
離Wとなる。よって、本実施例の表面波共振子30のよ
うに、IDTの電極指の対数が非常に少ない場合であ
り、従って端面22b,22c間の寸法dが小さい場合
であっても、共振子30全体の幅寸法Wを、圧電基板2
2の厚みdに比べて大きくすることができる。
には、表面波共振子30における幅寸法Wは、圧電基板
22の厚みtの2/3よりも大きいことが必要である。
従って、好ましくは、上記幅寸法Wが、圧電基板22の
厚みtの2/3倍よりも大きくなるように、上記幅寸法
Wが定められる。本実施例の製造方法では、幅寸法Wの
決定は、上記溝27,28の形成に際し、溝27,28
間の距離を幅寸法Wと一致させればよく、従って幅寸法
Wを容易に制御することができる。
成した後に、上記第2の溝27,28を形成し、さらに
溝27,28の底部27a,28aの下方の圧電基板部
分を分断することにより圧電共振子30を得ていたが、
溝27,28の形成を行わずに、溝25,26の外側に
ある程度の幅の圧電基板部分を残すように圧電板21を
切断することによっても、表面波共振子30を得ること
ができる。
成された構造について説明したが、本発明の端面反射型
表面波共振子は、2組以上のIDTを有するものであっ
てもよい。
させるための端面を形成するために、IDTの両側に溝
27,28を形成した構造を説明したが、本発明におけ
る溝は、IDTの片側にのみ形成されていてもよい。す
なわち、図6に示すように、IDTの片側にのみ、溝2
6を形成した表面波共振子31であってもよく、その場
合においても、上記実施例と同様の効果が得られる。す
なわち、溝26の外側の圧電基板部分22eの幅を制御
することにより、形状的に安定な端面反射型表面波共振
子を得ることができる。
DTの一方側にのみ溝26及び圧電基板部分22eを設
けたことを除いては、図5に示した表面波共振子30と
同様である。従って、同一部分については、同一の参照
番号を付与することにより、その説明を省略する。
少なくとも1つの溝を形成することにより、表面波が反
射される少なくとも1つの端面が形成されている。従っ
て、共振特性を得るための端面間の寸法の大きさにかか
わらず、溝の外側の圧電基板部分の幅を制御することに
より、形状的に安定な端面反射型表面波共振子を提供す
ることができる。よって、ダイボンディング等における
電気的接続作業を含む表面波共振子の取り扱いにおける
表面波共振子の安定性を高めることができ、よって端面
反射型表面波共振子を用いた部品や装置の生産性を高め
ることが可能となる。
製造方法では、上記のように少なくとも1つの溝を形成
して表面波が反射される端面が形成され、さらに、その
後に溝よりも外側で圧電板を切断するだけで上記本発明
にかかる端面反射型表面波共振子を提供することができ
る。よって、安定性に優れた端面反射型表面波共振子
を、さほど工程を増加させることなく提供することがで
きる。
明するための斜視図。
するための斜視図。
程を説明するための斜視図。
図。
明するための斜視図。
Claims (2)
- 【請求項1】 SHタイプの表面波を利用した端面反射
型の表面波共振子であって、 圧電基板と、 前記圧電基板の一方主面上に形成されたインターデジタ
ルトランスデューサとを備え、 前記インターデジタルトランスデューサの少なくとも片
側において表面波を反射させるための端面を構成するよ
うに、前記圧電基板の一方主面側から他方主面側に、か
つ表面波伝搬方向と直交する方向に延びるように溝が形
成されている、端面反射型表面波共振子。 - 【請求項2】 圧電板上にインターデジタルトランスデ
ューサを形成する工程と、 前記インターデジタルトランスデューサの表面波伝搬方
向の少なくとも片側において、前記表面波を反射するた
めの端面を構成するように、前記圧電板の一方主面から
他方主面側に、かつ表面波伝搬方向と直交する方向に延
びる溝を形成する工程と、 前記圧電板を、前記溝よりも外側の領域において切断
し、それによって請求項1に記載の端面反射型表面波共
振子を得る工程とを備える、端面反射型表面波共振子の
製造方法。
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