JP3341407B2 - 端面反射型表面波装置 - Google Patents
端面反射型表面波装置Info
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Description
に関し、特に、BGS波やラブ波等の変位が表面波伝播
方向と垂直な変位を主体とするSHタイプの表面波を利
用した端面反射型表面波装置に関する。
GS波を利用した端面反射型表面波共振子が知られてい
る(例えば昭和51年春季日本音響学会講演論文集、第
351頁〜352頁、昭和51年5月発行)。
子は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス
やLiNbO3 のような圧電単結晶からなる平面形状が
矩形の圧電基板を用いて構成されている。ここでは、圧
電基板上に、互いの複数本の電極指が間挿し合うように
配置された一対のくし歯電極が形成されている。励振さ
れるBGS波の波長をλとしたときに、上記電極指は、
最も外側の電極指を除いてその幅がλ/4とされてお
り、隣接する電極指間の間の領域の幅もλ/4とされて
いる。また、最も外側に位置する両側の電極指について
は、圧電基板の端縁に沿うように形成されており、かつ
その幅はλ/8とされている。すなわち、他の電極指に
比べ、最も外側に位置する一対の電極指は、その幅が1
/2の大きさとされている。
圧電基板の対向し合っている端面で完全反射され、BG
S波が両端面間に閉じ込められて共振する。ところで、
上述した昭和51年春季日本音響学会講演論文集、第3
51頁〜352頁では、最も外側の電極指の幅を正確に
λ/8にしなければ、共振特性において所望でないスプ
リアスが発生するため、最外側の電極指については、λ
/8の幅を有するように正確に形成する必要がある旨が
指摘されている。
来、BGS波を利用した端面反射型表面波共振子では、
両端の電極指の幅を正確にλ/8にしなければならない
と考えられていた。
は、以下の工程を経て制作されていた。すなわち、先ず
圧電基板上に、λ/4の幅の複数本の電極指を有する一
対のくし歯電極を、互いの電極指が間挿し合うように形
成する。しかる後、最外側の電極指の幅がλ/8となる
ように上記圧電基板を厚み方向に切断し、最外側の電極
指の幅をλ/8とすると共に、表面波が反射される端面
を切り出す。
している電極指を、正確に中央で切断し、それによって
幅がλ/8である電極指を形成していた。上記のように
最外側の電極指を正確に中央で切断して得た端面反射型
表面波共振子の共振特性を測定したところ、図4に示す
結果が得られた。
850×800×500mmの寸法を有し、かつPZT
系圧電セラミックスからなる圧電基板を用い、その上面
に電極指の対数Nが15となるように一対のくし歯電極
を形成することにより構成された表面波共振子の特性で
ある。なお、電極指の幅は、最も外側電極指を除いてλ
/4=14.2μmであり、最外側の一対の電極指の幅
はλ/8=7.2μmとした。
得た端面反射型表面波共振子のインピーダンス−周波数
特性を、破線Bは位相−周波数特性を示す。図4から明
らかなように、この端面反射型共振子では、共振点より
も低域側において矢印Aで示す部分にかなり大きなリッ
プルの生じていることがわかる。
において生じるリップルを効果的に低減し得る構造を備
えた、共振特性に優れた端面反射型表面波装置を提供す
ることにある。
播するSHタイプの表面波を利用しており、圧電基板
と、前記圧電基板上に設けられており、互いに間挿し合
う複数本の電極指を有する一対のくし歯電極とを備え、
最外側の電極指が前記圧電基板の端面に沿うように配置
された端面反射型表面波装置において、前記複数本の電
極指を形成した後に、最外側の電極指の幅が他の電極指
の幅と同じであった場合の最外側の電極指の中心線より
も表面波の波長をλとしたときに、λ/64〜7λ/6
4だけ内側に端面が位置するように切断することにより
前記最外側の電極指の幅が定められていることを特徴と
する端面反射型表面波装置である。
端面反射型表面波装置において、共振点よりも低域側に
おいて生じるリップルを抑圧すべく、端面反射型の表面
波装置について様々な角度から検討した結果、最外側す
なわち両側の電極指の幅を、上記のように幾分細くすれ
ばよいことを見いだし、本発明をなすに至った。
用した端面反射型表面波装置では、例えば、残りの電極
指の幅をλ/4としたときには、反射面となる端面に沿
う両側の電極指の幅は正確にλ/8とされねばならない
と考えられていたが、実際には、λ/8よりもλ/64
〜7λ/64程度細くしたほうがよく、それによって共
振点よりも低域側におけるリップルの発生を効果的に低
減することができることを見出した。そこで、上記のよ
うに、最外側の電極指の幅を決定するにあたり、くし歯
電極形成後に、最外側の電極指の中心線よりもλ/64
〜7λ/64だけ内側で切断することにより、上記端面
切り出し、及び最外側の電極指の幅の決定がなされてい
る。
極指の幅の1/2よりも狭くすればよいこと、さらに上
記のように端面の位置及び決定をすればよいことは、本
願発明者によって実験的に確かめられたものであるが、
その理由は、以下のように考えられる。
基板の表面が、電気的に開放時の音速をVf、電気的に
短絡した時の音速Vmとしたとき、近似的に
定される周波数は、基板全体の音速をVとしたとき、f
L =V/Lで与えられる。
寄与が多いため、
することにより、本発明を明らかにする。
用した端面反射型表面波装置を示す斜視図であり、図2
はその要部を拡大して示す略図的断面図である。端面反
射型表面波装置1は、端面反射型表面波共振子としての
実施例であり、平面形状が四角形の圧電基板2を用いて
構成されている。圧電基板2は、例えば、チタン酸ジル
コン酸鉛系圧電セラミックスやLiNbO3 圧電単結晶
などの圧電材料により構成されており、図示のP方向に
分極処理されている。圧電基板2の上面2aには、一対
のくし歯電極3,4が形成されている。くし歯電極3,
4は、それぞれ、複数本の電極指3a〜3c及び4a〜
4cを有する。複数本の電極指3a〜3cと、複数本の
電極指4a〜4cは、図示のように互いに間挿し合うよ
うに配置されている。
うち、最外側に位置する電極指4a,3cは、その幅が
他の電極指3a,3b,4b,4cに比べて細くされて
いる。
a,3b,4b,4cの幅をλ/4とし、かつ複数本の
電極指間の領域の幅は同じくλ/4とし、両側の電極指
3c,4aについては、その幅をλ/8とすることが必
要であると考えられていた。
幅の電極指3c,4aを有する端面反射型表面波共振子
を形成したところ、共振点よりも低域側において比較的
大きな多数のリップルが発生していた。
において、上記両側の電極指3c,4aの幅を種々異な
らせ、共振点よりも低域側におけるリップルの大きさを
測定した。結果を図3に示す。
有する端面反射型表面波共振子1は、PZTからなる平
面形状が四角形の圧電基板上に、すべての電極指の幅が
等しい一対のくし歯電極を形成し、しかる後両側の電極
指の幅が他の電極指に比べて細くなるように該圧電基板
を厚み方向に切断し、図1の両端面2b,2cを切りだ
すことにより得た。なお、電極指の幅は、最も外側電極
指を除いてはλ/4=14.2μm、電極指間の領域の
幅についてもλ/4=14.2μmとした。
3cにおける上記切断位置を示し、最初に形成されてい
たλ/4の電極指の中心で切断した場合をゼロとし、該
中心位置から切断位置までの距離を電極中心からの距離
として表した。なお、この電極中心からの距離の正負に
ついては、電極の中心よりも内側の場合を負、外側の場
合を正とした。すなわち、図3における電極中心からの
距離が例えば−λ/16の場合には、切断位置がλ/4
の電極指の中心よりも中央側に−λ/16ずらされた位
置となり、従って切断されて形成された最外側の電極指
の幅は、(λ/8−λ/16)=4λ/64となる。
数Nが7.5の場合、実線Dは電極指の対数Nが15の
場合、破線Eは電極指の対数Nが30の場合の結果を示
す。また、図3における縦軸すなわちリップルの大きさ
は、振動子のQを一定としたときの値を相対値で示し
た。
如何に拘らず、正確に最外側の電極指を中央で切断した
場合、すなわちλ/8の幅の最外側電極指を形成した場
合には、さほどリップルは小さくならないことがわか
る。すなわち、図4に示した結果のように、比較的大き
なリップルが共振点よりも低域側において発生してい
た。
りも細くした場合、すなわち切断位置を中央側に寄せ、
図3における電極中心からの距離を−側のある範囲とし
た場合には、リップルを低減し得ることがわかる。具体
的には、図3から明らかなように、切断位置を当初の電
極指の中心から−側にλ/64〜7λ/64の範囲とす
ることにより、言い換えれば、最外側の電極指の幅をλ
/8よりもλ/64〜7λ/64だけ細くすれば、リッ
プルを効果的に低減し得ることがわかる。
両側の電極指の幅を、λ/8よりもλ/64〜7λ/6
4だけ細くすることにより、共振点より低域側における
リップルを効果的に低減することができる。
S波を利用した端面反射型の表面波共振子につき説明し
たが、ラブ波のようにSHタイプの他の表面波を利用し
た端面反射型表面波共振子についても、本発明を適用し
得る。
共振子につき説明したが、端面反射型表面波フィルタに
も、本発明を適用し得る。また、上記実施例では、圧電
基板上に、一対のくし歯電極を形成していたが、くし歯
電極上にさらにZnOやCdSなどの他の薄膜を形成し
てもよい。
した端面反射型表面波装置において、最も外側の電極指
の幅が、その中心線よりもλ/64〜7λ/64だけ内
側において切断されてその幅が決定されているので、共
振点よりも低域側における不要リップルを効果的に低減
することが可能となる。従って、共振特性に優れた端面
反射型表面波装置を提供することが可能となる。
す斜視図。
大して示す断面図。
断に際しての電極中心からの距離と、リップルの大きさ
との関係を示す図。
ダンス−周波数特性及び位相−周波数特性を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 圧電基板を伝播するSHタイプの表面波
を利用しており、圧電基板と、前記圧電基板上に設けら
れており、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一
対のくし歯電極とを備え、最外側の電極指が前記圧電基
板の端面に沿うように配置された端面反射型表面波装置
において、 前記複数本の電極指を形成した後に、最外側の電極指の
幅が他の電極指の幅と同じであった場合の最外側の電極
指の中心線よりも表面波の波長をλとしたときに、λ/
64〜7λ/64だけ内側に端面が位置するように切断
することにより前記最外側の電極指の幅が定められてい
ることを特徴とする、端面反射型表面波装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27447293A JP3341407B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | 端面反射型表面波装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27447293A JP3341407B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | 端面反射型表面波装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07131283A JPH07131283A (ja) | 1995-05-19 |
JP3341407B2 true JP3341407B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=17542171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27447293A Expired - Lifetime JP3341407B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | 端面反射型表面波装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3341407B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3397195B2 (ja) | 2000-02-28 | 2003-04-14 | 株式会社村田製作所 | 端面反射型表面波フィルタ |
-
1993
- 1993-11-02 JP JP27447293A patent/JP3341407B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07131283A (ja) | 1995-05-19 |
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