JP4171575B2 - 冷凍機油組成物 - Google Patents

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    • C10M171/00Lubricating compositions characterised by purely physical criteria, e.g. containing as base-material, thickener or additive, ingredients which are characterised exclusively by their numerically specified physical properties, i.e. containing ingredients which are physically well-defined but for which the chemical nature is either unspecified or only very vaguely indicated
    • C10M171/008Lubricant compositions compatible with refrigerants

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍機油組成物に関するものであり、詳しくは脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有する冷凍機油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オゾン層破壊問題や地球温暖化問題の観点から、冷媒代替化や冷凍システムの高効率化が検討されている。冷媒代替化においては、CFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)等の塩素含有冷媒からHFC(ハイドロフルオロカーボン)への切り替えが進められている。またその一方で、HFC冷媒も地球温暖化問題の観点からは規制の対象となり得るため、二酸化炭素やアンモニア、ハイドロカーボン等の自然系冷媒の適用が検討されている。
【0003】
このような冷媒代替化の動きにあわせて、代替冷媒用冷凍機油の開発が進められている。冷凍機油には、潤滑性、冷媒相溶性、熱・加水分解安定性、電気絶縁性、低吸湿性等多くの性能が要求されるため、冷媒の種類や用途によってこれら要求性能を満たす化合物が選択される。例えばHFC用冷凍機油としては、冷媒との相溶性を有するエステルやエーテル、カーボネート等の含酸素化合物、あるいは冷媒相溶性に劣るものの潤滑性や熱・加水分解安定性に優れたアルキルベンゼン等が使用されている。
【0004】
一方、冷凍システムの高効率化の観点から冷凍機油の低粘度化が検討されている。エステル系冷凍機油としては、特表平3−505602や特開平3−128991等に開示されているような脂肪族多価アルコールと脂肪酸との反応により得られるポリオールエステルが知られており、このようなエステル系冷凍機油を低粘度化する場合、原料に用いる脂肪酸のアルキル基の炭素数が小さいものを選定することは有効な手段の一つである。ところが一般に脂肪酸のアルキル基が小さくなると、得られるエステルの熱・加水分解安定性が低下するという不具合が生じる。一方、このようなエステルを高粘度化する場合には脂肪酸のアルキル基の炭素数が大きいものを選定することになるが、この場合、十分な冷媒相溶性が得られないという問題がある。
【0005】
また、熱・加水分解安定性に優れたエステル系冷凍機油としては特開平9−221690に開示されているような脂環式多価カルボン酸エステルが知られているが、エステル部位の末端アルキル基の炭素数が大きいものは冷媒との相溶性が十分でなく、一方、末端アルキル基の炭素数が小さいものは熱・加水分解安定性に劣る上、潤滑性も十分ではないという問題がある。
【0006】
このように、潤滑性、熱・加水分解安定性及び冷媒相溶性の全てをバランスよく満たし、同時に電気絶縁性等の要求性能をも有するエステル系冷凍機油は未だ開発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、HFC冷媒及び二酸化炭素やハイドロカーボン等の自然系冷媒と共に用いた場合に、潤滑性、冷媒相溶性、熱・加水分解安定性及び電気絶縁性の全てをバランスよく満たす冷凍機油組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の酸成分及び特定のアルコール成分を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を用いることによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の冷凍機油組成物は、下記化合物(a)〜(c):
(a)脂環式環と2個以上のカルボキシル基とを有し、且つ前記カルボキシル基の少なくとも2個が前記脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸又はその誘導体、
(b)水酸基を2個以上有する化合物又はその誘導体、及び
(c)水酸基を1個有する化合物又はその誘導体
を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、前記化合物(a)が有するカルボキシル基の個数が2であり、且つ前記化合物(b)が有する水酸基の個数が2であることが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記化合物(c)が、
炭素数1〜5の脂肪族1価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の1価アルコール、及び
炭素数6〜18の脂肪族1価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の1価アルコール
の混合物であることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の冷凍機油組成物は、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。
【0013】
さらにまた、本発明の冷凍機油組成物は、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、アリルオキシラン化合物、アルキルオキシラン化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステル及びエポキシ化植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本発明の冷凍機油組成物は、下記化合物(a)〜(c):
(a)脂環式環と2個以上のカルボキシル基とを有し、且つ前記カルボキシル基の少なくとも2個が前記脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸又はその誘導体、
(b)水酸基を2個以上有する化合物又はその誘導体、及び
(c)水酸基を1個有する化合物又はその誘導体
を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有することを特徴とするものである。
【0016】
本発明において酸成分として用いられる(a)脂環式多価カルボン酸又はその誘導体としては、脂環式環と2個以上のカルボキシル基とを有することが必要である(以下、脂環式多価カルボン酸の誘導体も含めて化合物(a)と総称する)。カルボキシル基が1個である場合には、冷媒相溶性や熱・加水分解安定性が不十分となる。また、カルボキシル基の個数には特に上限値はないが、好ましくは4個以下であり、より好ましくは3個以下であり、最も好ましくは2個である。カルボキシル基の個数が前記上限値を超えると、得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物の低温流動性が不十分となる傾向にある。
【0017】
また、本発明にかかる化合物(a)が有するカルボキシル基のうち少なくとも2個は、脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合していることが必要である。脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した2個のカルボキシル基を有さない場合には、得られる脂環式多価カルボン酸エステルの熱・加水分解安定性が不十分となる。
【0018】
本発明において用いられる化合物(a)が脂環式多価カルボン酸である場合、カルボキシル基の立体配置については特に制限はなく、脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合するカルボキシル基の配向に関してcis体、trans体のいずれであってもよい。また、cis体又はtrans体を単独で用いてもよく、両者の混合物として用いてもよい。しかしながら、熱・加水分解安定性の観点からはcis体が好ましく、熱・加水分解安定性と潤滑性の両立という観点からはtrans体が好ましい。また、cis体とtrans体との混合物を用いる場合、そのモル比は好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは25/75〜75/25、さらに好ましくは30/70〜70/30である。cis体とtrans体とのモル比が前記の範囲内であると、より高い潤滑性とより高い熱・加水分解安定性とを両立することができる。
【0019】
本発明にかかる脂環式多価カルボン酸としては、シクロアルカンポリカルボン酸、シクロアルケンポリカルボン酸等のうち、カルボキシル基の少なくとも2個が脂環式環上の互いに隣接した炭素原子に結合したものが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。このような構造を有する脂環式多価カルボン酸としては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸が開示される。このうち、得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物の長期又は過酷な条件下での使用時における粘度の上昇を抑えるという観点からは、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸が好ましく、一方長期又は過酷な条件下での使用時における全酸価の上昇を抑えるという観点からは、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸が好ましい。
【0020】
また、本発明にかかる化合物(a)は、脂環式多価カルボン酸の酸無水物、エステル、酸ハロゲン化物等の誘導体であってもよい。本発明において使用される脂環式多価カルボン酸の誘導体としては、上記脂環式多価カルボン酸の説明において例示された化合物の酸無水物、エステル、酸ハロゲン化物等が挙げられる。
【0021】
これら、脂環式多価カルボン酸及びその誘導体の製造方法には特に制限はなく、任意の方法で得られたものが使用可能である。具体的には例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸は、ブタジエンとマレイン酸無水物とを、ベンゼン溶媒中、100℃で反応せしめて得ることができる。
【0022】
また、本発明において使用されるアルコール成分のうちの一方である化合物(b)は、水酸基を2個以上有することが必要である。このような化合物(b)としては、例えば、多価アルコール、多価フェノール、多価アミノアルコール及びこれらの縮合物等、並びにこれらの化合物の水酸基が酢酸等の低級カルボン酸によりエステル化された化合物等が挙げられる(以下、水酸基を2個以上有する化合物の誘導体を含めて化合物(b)と総称する)。これらの中でも、多価アルコール又はその縮合物を用いると、冷媒相溶性、電気絶縁性及び熱安定性がより向上する傾向にあるので好ましい。
【0023】
本発明において好適に使用される多価アルコールは、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜8のものであり、その分子中にはエーテル結合が含まれていてもよい。このような多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタパン、ペンタエリスリトール、1,3,5,−ペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、イソソルバイド、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、メチルグルコシド、並びにこれらの部分エーテル化物等が挙げられる。
【0024】
また、本発明において好適に使用される多価アルコール縮合物は、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8の多価アルコールを縮合させて得られるものである。電気特性や製造容易性の観点から、多価アルコール縮合物の縮合度は好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜5である。このような構造を有する多価アルコール縮合物としては、具体的には例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ペンタブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ジ(ネオペンチルグリコール)、トリ(ネオペンチルグリコール)、テトラ(ネオペンチルグリコール)、ペンタ(ネオペンチルグリコール)、ジ(トリメチロールエタン)、トリ(トリメチロールエタン)、テトラ(トリメチロールエタン)、ペンタ(トリメチロールエタン)、ジ(トリメチロールプロパン)、トリ(トリメチロールプロパン)、テトラ(トリメチロールプロパン)、ペンタ(トリメチロールプロパン)、ジ(トリメチロールブタン)、トリ(トリメチロールブタン)、テトラ(トリメチロールブタン)、ペンタ(トリメチロールブタン)、ジ(ペンタエリスリトール)、トリ(ペンタエリスリトール)、テトラ(ペンタエリスリトール)、ペンタ(ペンタエリスリトール)等が挙げられる。
【0025】
本発明においてアルコール成分のうちの一方として使用される化合物(b)は、前述の通りその水酸基が低級カルボン酸によってエステル化された誘導体であってもよい。このような誘導体としては、上記の多価アルコール及び多価アルコール縮合物の説明において例示された化合物の酢酸エステル又はプロピオン酸エステルが好適に使用される。
【0026】
また、本発明において使用されるアルコール成分のうちの他方である化合物(c)は1個の水酸基を有することが必要である。このような化合物(c)としては、一価アルコール、一価フェノール、一価アミノアルコール、並びにこれらの水酸基が酢酸等の低級カルボン酸によりエステル化された化合物等が挙げられる(以下、誘導体も含めて化合物(c)と総称する)。これらの中でも、炭素数3〜18の直鎖状の一価アルコール、炭素数3〜18の分枝状の一価アルコール又は炭素数5〜10の一価シクロアルコールを用いることが好ましい。このような一価アルコールとしては、具体的には、直鎖状又は分枝状のプロパノール(n−プロパノール、1−メチルエタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のブタノール(n−ブタノール、1−メチルプロパノール、2−メチルプロパノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のペンタノール(n−ペンタノール、1−メチルブタノール、2−メチルブタノール、3−メチルブタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のヘキサノール(n−ヘキサノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のヘプタノール(n−ヘプタノール、1−メチルヘキサノール、2−メチルヘキサノール、3−メチルヘキサノール、4−メチルヘキサノール、5−メチルヘキサノール、2,4−ジメチルペンタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のオクタノール(n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、2−メチルヘプタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のノナノール(n−ノナノール、1−メチルオクタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、1−(2‘−メチルプロピル)−3−メチルブタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のデカノール(n−デカノール、iso−デカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のウンデカノール(n−ウンデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のドデカノール(n−ドデカノール、iso−ドデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のトリデカノール、直鎖状又は分枝状のテトラデカノール(n−テトラデカノール、iso−テトラデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のペンタデカノール、直鎖状又は分枝状のヘキサデカノール(n−ヘキサデカノール、iso−ヘキサデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のヘプタデカノール、直鎖状又は分枝状のオクタデカノール(n−オクタデカノール、iso−オクタデカノール等を含む)、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
【0027】
さらに、化合物(c)として、
(c−I)炭素数1〜5の脂肪族1価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の1価アルコール、及び
(c−II)炭素数6〜18の脂肪族1価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の1価アルコール
の混合物を用いると、十分に高い熱・加水分解安定性及び潤滑性と、より優れた冷媒相溶性と、が得られるので特に好ましい。上記(c−I)成分のアルコール1種のみを用いた場合、得られる脂環式ジカルボン酸エステル化合物は熱・加水分解安定性に劣る上、潤滑性も不十分となる傾向にある。また、上記(c−II)成分のアルコール1種のみを用いた場合、得られる脂環式ジカルボン酸エステル化合物の冷媒相溶性が不十分となる傾向にある。
【0028】
さらに、本発明にかかる脂環式ジカルボン酸エステル化合物は、化合物(c)として2種以上のアルコールを用いて得られるものが好ましいが、その中でも上記(c−I)成分のアルコールと(c−II)成分のアルコールとの両方を用いることが特に好ましい。化合物(c)として(c−I)成分のアルコールのみを2種以上用いても、得られる脂環式ジカルボン酸エステル化合物は熱・加水分解安定性に劣る上、潤滑性も不十分となる傾向にある。また、化合物(c)として(c−II)成分のアルコールのみを2種以上用いても、得られる脂環式ジカルボン酸エステル化合物は冷媒との相溶性が不十分となる傾向にある。
【0029】
上記(c−I)成分のアルコールとしては、炭素数1〜5の直鎖状のアルコール又は炭素数3〜5の分岐鎖状のアルコール、具体的には例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、iso−プロパノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、iso−ペンタノール等が挙げられる。これらの中でも潤滑性の観点からはn−ブタノール、n−ペンタノールが好ましく、熱・加水分解安定性の観点からはiso−ブタノール、iso−ペンタノールが好ましい。
【0030】
一方、上記(c−II)成分のアルコールとしては、炭素数6〜18の直鎖状のアルコール又は炭素数6〜18の分岐鎖状のアルコール、具体的には例えば、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、iso−ヘキサノール、2−メチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、2−メチルヘプタノール、iso−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、iso−オクタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、iso−デカノール、iso−テトラデカノール、iso−ヘキサデカノール、iso−オクタデカノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール等が挙げられる。これらの中でも、潤滑性と相溶性との両立という観点からはn−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノールが好ましく、相溶性と熱・加水分解安定性との両立という観点からはiso−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノールが好ましい。
【0031】
上記(c−I)成分と(c−II)成分を併用する場合、(c−I)成分と(c−II)成分とのモル比は特に制限されないが、潤滑性、熱・加水分解安定性、冷媒相溶性の全てを同時に満足させることができることから1:99〜99:1の範囲にあることが好ましい。また、相溶性をより重視する観点からは、上記の比は60:40〜99:1の範囲にあることが好ましく、70:30〜99:1の範囲にあることがより好ましく、80:20〜99:1の範囲にあることが最も好ましい。さらにまた、熱・加水分解安定性及び潤滑性をより重視する観点からは、上記の比は1:99〜60:40の範囲にあることが好ましく、1:99〜50:50の範囲にあることがより好ましく、1:99〜40:60の範囲にあることが最も好ましい。
【0032】
本発明においてアルコール成分として使用される化合物(c)は、水酸基が低級カルボン酸でエステル化された誘導体であってもよい。このような誘導体としては、上記一価アルコールの説明において例示された化合物の酢酸エステル、プロピオン酸エステル等が好適に使用される。
【0033】
ここで、本発明においては、化合物(a)、(b)及び(c)として、下記化合物(a’)、(b’)及び(c’):
(a’)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸並びにそれらの酸無水物、エステル及び酸ハロゲン化物からなる群より選ばれる1種、
(b’)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ジグリセリン、ジネオペンチルグリコール、並びにそれらのエステル化物からなる群より選ばれる1種、及び
(c’)n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、iso−ブタノール、iso−ペンタノール、iso−ヘキサノール、iso−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、n−ブタノールとn−ヘキサノールとの混合アルコール、n−ブタノールとn−ヘプタノールとの混合アルコール、n−ブタノールとn−オクタノールとの混合アルコール、n−ブタノールとn−ノナノールとの混合アルコール、n−ブタノールとn−デカノールとの混合アルコール、n−ブタノールとiso−ヘキサノールとの混合アルコール、n−ブタノールとiso−ヘプタノールとの混合アルコール、n−ブタノールと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール、n−ブタノールと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール、iso−ブタノールとn−ヘキサノールとの混合アルコール、iso−ブタノールとn−ヘプタノールとの混合アルコール、iso−ブタノールとn−オクタノールとの混合アルコール、iso−ブタノールとn−ノナノールとの混合アルコール、iso−ブタノールとn−デカノールとの混合アルコール、iso−ブタノールとiso−ヘキサノールとの混合アルコール、iso−ブタノールとiso−ヘプタノールとの混合アルコール、iso−ブタノールと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール、iso−ブタノールと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール、n−ペンタノールとn−ヘキサノールとの混合アルコール、n−ペンタノールとn−ヘプタノールとの混合アルコール、n−ペンタノールとn−オクタノールとの混合アルコール、n−ペンタノールとn−ノナノールとの混合アルコール、n−ペンタノールとn−デカノールとの混合アルコール、n−ペンタノールとiso−ヘキサノールとの混合アルコール、n−ペンタノールとiso−ヘプタノールとの混合アルコール、n−ペンタノールと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール、n−ペンタノールと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールとn−ヘキサノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールとn−ヘプタノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールとn−オクタノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールとn−ノナノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールとn−デカノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールとiso−ヘキサノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールとiso−ヘプタノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール、iso−ペンタノールと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール、並びにそれらのエステル化物からなる群より選ばれる1種、
を組み合わせて用いることが特に好ましい。
【0034】
上記の化合物(a)〜(c)を用いてエステル化反応を行うに際し、アルコールである化合物(b)と化合物(c)との総量としては、(a)脂環式多価カルボン酸あるいはその無水物1当量に対して通常1.0〜1.5当量、好ましくは1.05〜1.2当量用いられる。
【0035】
また、化合物(b)と化合物(c)とのモル比は特に限定されるものではないが、潤滑性、熱・加水分解安定性、冷媒相溶性の全てを同時に満足させることができることから1:99〜99:1の範囲にあることが好ましい。さらに、相溶性をより重視する観点からは、上記の比は1:99〜80:20の範囲にあることが好ましく、5:95〜70:30の範囲にあることがより好ましく、10:90〜60:40の範囲にあることが最も好ましい。
【0036】
本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エステル化合物は、(a)の酸成分と(b)及び(c)のアルコール成分とを常法にしたがって、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下、エステル化触媒の存在下又は無触媒下で加熱しながら、エステル化することにより調製される。
【0037】
また、化合物(a)として当該脂環式ジカルボン酸の低級アルコールエステルを用いる場合、あるいは化合物(b)又は(c)として当該アルコールの酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を用いる場合は、エステル交換反応により本発明にかかる脂環式ジカルボン酸エステル化合物を得ることも可能である。
【0038】
上記のエステル化反応におけるエステル化触媒としては、アルミニウム誘導体、スズ誘導体、チタン誘導体等のルイス酸類;ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等のアルカリ金属塩;パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等のスルホン酸類、等が例示されるが、これらの中でも、得られた脂環式ジカルボン酸エステル化合物の熱・加水分解安定性に及ぼす影響を考慮すると、アルミニウム誘導体、スズ誘導体、チタン誘導体等のルイス酸類が好ましく、中でも反応効率の点でスズ誘導体が特に好ましい。また、前記エステル化触媒の使用量は、例えば、原料である酸成分及びアルコール成分の総量に対して、0.1〜1質量%程度である。
【0039】
上記のエステル化反応における反応温度としては150〜230℃が例示され、通常3〜30時間で反応は完結する。
【0040】
また、エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧下又は常圧下において留去し、引き続いて慣用の精製方法、例えば液液抽出、減圧蒸留、活性炭処理等の吸着精製処理等により、エステル化合物を精製することができる。
【0041】
上記のエステル化反応において、例えば、化合物(a)として使用される多価カルボン酸あるいはその誘導体が有するカルボキシル基が2個であり、且つ化合物(b)として使用される化合物が有する水酸基が2個である場合、反応生成物は、通常、下記式(A)〜(E):
2−X−R1−X−R2 (A)
2−X−R1−X−R1−X−R2 (B)
【化1】
Figure 0004171575
【化2】
Figure 0004171575
2−X−R2 (E)
(上記式中、Xは化合物(a)に由来する脂環式ジカルボン酸残基を表し、R1は化合物(b)に由来する2個の水酸基を有する化合物の残基を表し、R2は化合物(c)に由来する1個の水酸基を有する化合物の残基を表す)
で表される化合物を包含するものである。
【0042】
上記式(A)〜(E)におけるXで表される脂環式ジカルボン酸残基は、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロヘプテン環等の脂環式環上の互いに隣接する炭素原子にカルボキシル基が結合した基である。このような脂環式ジカルボン酸残基としては、シクロヘキサン環及びシクロヘキセン環を有する基が好ましい。さらに、これらの中でもシクロヘキサン環を有する基は長期又は過酷な条件下での使用時において粘度上昇が小さいことからより好ましく、シクロヘキセン環を有する基は長期又は過酷な条件下での使用時において全酸価の上昇が小さいことからより好ましい。
【0043】
上記式(A)〜(E)においてR1で表される基は、化合物(b)として使用される水酸基を2個有する化合物から水酸基を除いた残基である。
【0044】
化合物(b)として2価アルコールを用いる場合、R1はエーテル結合を含んでいてもよいが、その炭素数は2〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。このようなR1としては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の化合物から水酸基を除いた残基が挙げられる。
【0045】
また、化合物(b)として2価アルコールの縮合物を用いる場合、R1は炭素数2〜10(より好ましくは2〜8)、縮合度2〜10(より好ましくは2〜5)の縮合物の残基であることが好ましい。このようなR1としては、具体的には例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ペンタブチレングリコール、ジ(ネオペンチルグリコール)、トリ(ネオペンチルグリコール)、テトラ(ネオペンチルグリコール)、ペンタ(ネオペンチルグリコール)等の化合物から水酸基を除いた残基が挙げられる。
【0046】
上記式(A)〜(E)におけるR2で表される基は、化合物(c)として使用される水酸基を1個有する化合物から水酸基を除いた残基である。R2の炭素数は1〜30であることが好ましく、2〜24であることがより好ましく、3〜18であることがさらに好ましい。このようなR2としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。この中でも、熱・加水分解安定性の点からアルキル基、シクロアルキル基又はアルキルシクロアルキル基であることが好ましい。
【0047】
2で表される基のうち、アルキル基は、直鎖状のものであっても分枝状のものであってもよい。炭素数3〜18のアルキル基としては、具体的には例えば、直鎖状又は分枝状のプロピル基、直鎖状又は分枝状のブチル基、直鎖状又は分枝状のペンチル基、直鎖状又は分枝状のヘキシル基、直鎖状又は分枝状のヘプチル基、直鎖状又は分枝状のオクチル基、直鎖状又は分枝状のノニル基、直鎖状又は分枝状のデシル基、直鎖状又は分枝状のウンデシル基、直鎖状又は分枝状のドデシル基、直鎖状又は分枝状のトリデシル基、直鎖状又は分枝状のテトラデシル基、直鎖状又は分枝状のペンタデシル基、直鎖状又は分枝状のヘキサデシル基、直鎖状又は分枝状のヘプタデシル基、直鎖状又は分枝状のオクタデシル基等が挙げられる。
【0048】
これらのアルキル基の中でも、直鎖状のアルキル基としては、熱・加水分解安定性の点から炭素数4以上のものが好ましく、冷媒相溶性の点から炭素数18以下のものが好ましい。また、分枝状のアルキル基としては、熱・加水分解安定性の点から炭素数3以上のものが好ましく、冷媒相溶性の点から炭素数18以下のものが好ましい。
【0049】
また、R2で表される基のうち、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられるが、熱・加水分解安定性の点からシクロヘキシル基が好ましい。また、アルキルシクロアルキル基とは、シクロアルキル基にアルキル基が結合したものであるが、熱・加水分解安定性の点からシクロヘキシル基にアルキル基が結合したものが好ましい。さらに、アルキルシクロアルキル基としては、熱・加水分解安定性の点から総炭素数が6以上のものが好ましく、冷媒相溶性、低温流動性の点から総炭素数が10以下のものが好ましい。
【0050】
化合物(c)として上記(c−I)及び(c−II)の1価アルコールの混合アルコールを使用する場合、得られる化合物(A)〜(E)におけるR2のうち(c−I)成分に由来するアルキル基は炭素数1〜5のアルキル基であり、熱・加水分解安定性の観点から好ましくは炭素数3〜5のアルキル基である。
【0051】
(c−I)成分に由来する炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであっても良いが、潤滑性の観点からは直鎖状アルキル基が、冷媒相溶性及び熱・加水分解安定性の観点からは分岐鎖状アルキル基がそれぞれ好ましい。このようなアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、直鎖状又は分岐鎖状のプロピル基、直鎖状又は分岐鎖状のブチル基、直鎖状又は分岐鎖状のペンチル基等が挙げられ、これらの中でも潤滑性の観点からはn−ブチル基、n−ペンチル基が好ましく、熱・加水分解安定性の観点からはiso−ブチル基、iso−ペンチル基が好ましい。
【0052】
他方、上記式(A)〜(E)におけるR2のうち、(c−II)成分に由来するアルキル基は炭素数6〜18のアルキル基であるが、相溶性の観点からは炭素数6〜12のアルキル基が好ましく、炭素数7〜9のアルキル基がより好ましい。炭素数6〜18のアルキル基としては、直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであっても良いが、潤滑性の観点からは直鎖状アルキル基が、相溶性及び熱・加水分解安定性の観点からは分岐鎖状アルキル基がそれぞれ好ましい。なお、炭素数が18を超えるアルキル基の場合は、冷媒相溶性及び低温流動性に劣るため好ましくない。
【0053】
(c−II)成分に由来する炭素数6〜18のアルキル基としては、具体的には例えば、直鎖状又は分岐鎖状のヘキシル基、直鎖状又は分岐鎖状のヘプチル基、直鎖状又は分岐鎖状のオクチル基、直鎖状又は分岐鎖状のノニル基、直鎖状又は分岐鎖状のデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のウンデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のドデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のトリデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のテトラデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のペンタデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のヘキサデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のヘプタデシル基、直鎖状又は分岐鎖状のオクタデシル基等が挙げられ、潤滑性と相溶性の両立という観点からはn−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が好ましく、相溶性と熱・加水分解安定性の両立という観点からはiso−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基が好ましい。
【0054】
また、化合物(c)として(c−I)成分のアルコール及び(c−II)成分のアルコールを用いる場合、上記式(A)、(B)、(E)で表される化合物はそれぞれ下記(I)〜(III):
(I) 同一分子中に存在する2つの一般式R2で表されるアルキル基の一方が(c−I)成分に由来する基であり、他方が(c−II)成分に由来する基であるエステル、
(II) 同一分子中に存在する2つの一般式R2で表されるエステル基が共に(c−I)成分に由来する基であるエステルと、同一分子中に存在する2つの一般式R2で表されるエステル基が共に(c−II)成分に由来する基であるエステルとの混合物、
(III) (1)と(2)との混合物。
に示す態様のものを包含する。
【0055】
本発明においては、上記(I)〜(III)のうちのいずれの態様のものも使用可能であるが、熱・加水分解安定性の点から、(I)又は(III)であることが好ましい。
【0056】
また、(III)の場合において、(I)と(II)との含有割合については特に制限はないが、熱・加水分解安定性の点から、(I)と(II)との合計量を基準として、(I)が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらにより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。
【0057】
さらに、上記式(A)、(B)、(E)のR2のうち、(c−I)成分のアルコールに由来するR2と(c−II)成分のアルコールに由来するR2との比(モル比)は特に制限されるものではないが、潤滑性、熱・加水分解安定性、冷媒相溶性の全てを同時に満足させることができることから1:99〜99:1の範囲にあることが好ましい。さらにまた、相溶性をより重視する観点からは、上記の比は60:40〜99:1の範囲にあることが好ましく、70:30〜99:1の範囲にあることがより好ましく、80:20〜99:1の範囲にあることが最も好ましい。また、熱・加水分解安定性及び潤滑性をより重視する観点からは、上記の比は1:99〜60:40の範囲にあることが好ましく、1:99〜50:50の範囲にあることがより好ましく、1:99〜40:60の範囲にあることが最も好ましい。
【0058】
本発明においては、上記のエステル化反応において得られる化合物が上記式(A)〜(E)で表されるものである場合、上記式(A)〜(D)で表される化合物のうちの1種を単独で用いてもよく、上記式(A)〜(E)で表される化合物のうちの2種以上の混合物として用いてもよい。なお、本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エステル化合物が、上記式(A)〜(D)で表される化合物のうちのいずれも含まず上記式(E)で表される化合物のみで構成される場合には、高粘度化と冷媒相溶性とのバランスに劣り好ましくない。
【0059】
また、本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エステル化合物が上記式(A)〜(E)で表される化合物のうちの2種以上の混合物である場合、各化合物の含有割合は任意であり、特に限定されるものではないが、冷媒相溶性と各種性能のバランス、及び製造のしやすさの点から、混合物全量を基準とした含有量は以下の通りとすることが好ましい。
(A):0〜100mol%、好ましくは1〜99mol%、さらに好ましくは5〜95mol%
(B):0〜100mol%、好ましくは1〜90mol%、さらに好ましくは2〜80mol%
(C):0〜100mol%、好ましくは1〜99mol%、さらに好ましくは5〜95mol%
(D):0〜100mol%、好ましくは1〜90mol%、さらに好ましくは2〜80mol%
(E):0〜90mol%、好ましくは1〜80mol%、さらに好ましくは5〜75mol%。
【0060】
なお、ここでは、酸成分として上記化合物(a)、アルコール成分として上記化合物(b)、(c)、をそれぞれ用いたエステル化反応について説明したが、本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エステル化合物は、その分子中における酸成分の構造が上記化合物(a)に由来するものであり、アルコール成分の構造が上記化合物(b)及び/又は(c)に由来するものである限り、その製造方法は上記のエステル化反応による方法に制限されるものではない。例えば、芳香環の互いに隣接する炭素原子に2個のカルボキシル基を有する芳香族多価カルボン酸と、上記化合物(b)及び(c)のアルコールと、のエステル化反応により芳香族多価カルボン酸エステル化合物を得、さらに、得られた芳香族多価カルボン酸エステルに水素添加処理(水添処理)を行うことによって、目的の脂環式多価カルボン酸エステル化合物を得ることが可能である。
【0061】
また、このようにして得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物においては、脂環式環上の炭素原子に炭化水素基が1個又は複数個結合していても良いことは勿論である。このような炭化水素基としてはアルキル基が好ましく、特に相溶性の点からメチル基が好ましい。
【0062】
本発明の冷凍機油組成物における脂環式多価カルボン酸エステル化合物の含有量には特に制限はないが、脂環式多価カルボン酸エステル化合物の有する優れた各種性能をより引き出すことができることから、冷凍機油全量基準で5質量%以上含有することが好ましく、10質量%以上含有することがより好ましく、30質量%以上含有することがさらにより好ましく、50質量%以上含有することが最も好ましい。
【0063】
本発明の冷凍機油組成物において、上記の脂環式多価カルボン酸エステル化合物は主として基油として用いられる。本発明の冷凍機油の基油としては、脂環式多価カルボン酸エステル化合物のみを単独で用いてもよいが、これに加えて、ポリオールエステルやコンプレックスエステル等の本発明で規定する脂環式多価カルボン酸エステル化合物以外のエステル、ポリグリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテル等の酸素を含有する合成油を併用して用いてもよい。
【0064】
酸素を含有する合成油を配合する場合の配合量には特に制限はない。しかしながら、熱効率の向上と冷凍機油の熱・加水分解安定性との両立という観点からは、脂環式ジカルボン酸エステル化合物100重量部に対して、それ以外の酸素を含有する合成油が150重量部以下であることが好ましく、100重量部以下であることがより好ましい。
【0065】
本発明の冷凍機油組成物は、脂環式多価カルボン酸エステル化合物並びに必要に応じて酸素を含有する合成油を含有するものであり、主にこれらを基油として用いる。本発明の冷凍機油組成物は、添加剤未添加の状態でも好適に用いることができるが、必要に応じて各種添加剤を配合した形で使用することもできる。
【0066】
本発明の冷凍機油の耐摩耗性、耐荷重性をさらに改良するために、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を配合することが好ましい。これらのリン化合物は、リン酸又は亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
【0067】
具体的には例えば、リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
【0068】
これらのリン化合物を本発明の冷凍機油組成物に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、通常、冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)でその含有量が0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜3.0質量%となるような量のリン化合物を配合することが望ましい。
【0069】
また、本発明の冷凍機油において、その熱・加水分解安定性をさらに改良するために、
(1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(3)グリシジルエステル型エポキシ化合物
(4)アリルオキシラン化合物
(5)アルキルオキシラン化合物
(6)脂環式エポキシ化合物
(7)エポキシ化脂肪酸モノエステル
(8)エポキシ化植物油
からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物を配合することが好ましい。
【0070】
(1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、フェニルグリシジルエーテル又はアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものが挙げられ、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するもの、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル等が好ましいものとして例示できる。
【0071】
(2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が例示できる。
【0072】
(3)グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、具体的には下記一般式(1):
【化3】
Figure 0004171575
(上記式(1)中、Rは炭素数1〜18の炭化水素基を表す)
で表される化合物が挙げられる。
【0073】
上記式(1)中、Rは炭素数1〜18の炭化水素基を表すが、このような炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等が挙げられる。この中でも、炭素数5〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、フェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルフェニル基が好ましい。
【0074】
グリシジルエステル型エポキシ化合物の中でも、好ましいものとしては、具体的には例えば、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルベンゾエート、グリシジル−tert−ブチルベンゾエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が例示できる。
【0075】
(4)アリルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシスチレン、アルキル−1,2−エポキシスチレン等が例示できる。
【0076】
(5)アルキルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,1,2−エポキシオクタデカン、2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサン等が例示できる。
【0077】
(6)脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(2):
【化4】
Figure 0004171575
で表される化合物のように、エポキシ基を構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している化合物が挙げられる。
【0078】
脂環式エポキシ化合物としては、具体的には例えば、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサン等が例示できる。
【0079】
(7)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、具体的には、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8のアルコール又はフェノール、アルキルフェノールとのエステル等が例示できる。特にエポキシステアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシエチル、オクチル、フェニル及びブチルフェニルエステルが好ましく用いられる。
【0080】
(8)エポキシ化植物油としては、具体的には、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化合物等が例示できる。
【0081】
これらのエポキシ化合物の中でも、より熱・加水分解安定性を向上させることができることから、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステルが好ましく、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物がより好ましい。
【0082】
これらのエポキシ化合物を本発明の冷凍機油組成物に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、通常、冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)でその含有量が0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.2〜2.0質量%となるような量のエポキシ化合物を配合することが望ましい。
【0083】
また、上記リン化合物及びエポキシ化合物を2種以上併用してもよいことは勿論である。
【0084】
さらに本発明における冷凍機油組成物に対して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従来より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系の酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、脂肪酸等の油性剤、シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤等の添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて配合することも可能である。これらの添加剤の合計配合量は特に制限されないが、冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)で好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
【0085】
本発明の冷凍機油組成物の動粘度は特に限定されないが、40℃における動粘度が好ましくは3〜500mm2/s、より好ましくは4〜400mm2/s、最も好ましくは5〜300mm2/sとすることができる。また、100℃における動粘度は好ましくは1〜50mm2/s、より好ましくは1.5〜40mm2/s、最も好ましくは2〜30mm2/sとすることができる。
【0086】
また、本発明の冷凍機油組成物の体積抵抗率は特に限定されないが、好ましくは1.0×1011Ω・cm以上、より好ましくは1.0×1012Ω・cm以上、最も好ましくは1.0×1013Ω・cm以上とすることができる。特に、密閉型冷凍機用に用いる場合には高い電気絶縁性が必要となる傾向にある。なお、ここでいう体積抵抗率とは、JIS C 2101「電気絶縁油試験方法」に準拠して測定した25℃での値[Ω・cm]を意味する。
【0087】
さらに、本発明の冷凍機油組成物の水分含有量は特に限定されないが、冷凍機油組成物全量基準で好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、最も好ましくは50ppm以下とすることができる。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には、油の熱・加水分解安定性や電気絶縁性への影響の観点から、水分含有量が少ないことが求められる。
【0088】
さらにまた、本発明の冷凍機油組成物の全酸価は特に限定されないが、冷凍機又は配管に用いられている金属への腐食を防止するため、好ましくは0.1mgKOH/g以下、より好ましくは0.05mgKOH/g以下とすることができる。なお、ここでいう全酸価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に準拠して測定した値[mgKOH/g]を意味する。
【0089】
さらにまた、本発明の冷凍機油組成物の灰分は特に限定されないが、本発明の冷凍機油組成物の熱・加水分解安定性を高めスラッジ等の発生を抑制するため、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下とすることができる。なお、本発明において、灰分とは、JIS K 2272「原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法」に準拠して測定した値[ppm]を意味する。
【0090】
本発明の冷凍機油組成物を用いる冷凍機に用いられる冷媒は、HFC冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ジメチルエーテル等の非フッ素含有エーテル系冷媒及び二酸化炭素や炭化水素等の自然系冷媒であるが、これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0091】
HFC冷媒としては、炭素数1〜3、好ましくは1〜2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等のHFC、又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばHFC−32単独;HFC−23単独;HFC−134a単独;HFC−125単独;HFC−134a/HFC−32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HFC−125/HFC−143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物等が好ましい例として挙げられる。さらに具体的には、HFC−134a/HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=60/40質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混合物(R410A);HFC−32/HFC−125=45/55質量%の混合物(R410B);HFC−125/HFC−143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=30/10/60質量%の混合物;HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)等が挙げられる
また、自然系冷媒としては二酸化炭素や炭化水素等が挙げられる。ここで、炭化水素冷媒としては、25℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられる。具体的には炭素数1〜5、好ましくは1〜4のアルカン、シクロアルカン、アルケン又はこれらの混合物である。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン又はこれらの2種以上の混合物等があげられる。これらの中でも、プロパン、ブタン、イソブタン又はこれらの混合物が好ましい。
【0092】
本発明の冷凍機油組成物は、通常、冷凍機中においては上述したような冷媒と混合された冷凍機用流体組成物の形で存在している。この流体組成物における冷凍機油と冷媒との配合割合は特に制限されないが、冷媒100重量部に対して冷凍機油が好ましくは1〜500重量部、より好ましくは2〜400重量部である。
【0093】
本発明の冷凍機油組成物は、その優れた電気特性や低い吸湿性から、あらゆる冷凍機の冷媒圧縮機の潤滑油として用いられる。使用される冷凍機としては、具体的にはルームエアコン、パッケージエアコン、冷蔵庫、自動車用エアコン、除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置等が挙げられる。また、本発明の冷凍機油組成物は、密閉型圧縮機を有する冷凍機に特に好ましく用いられる。さらに、本発明の冷凍機油は、往復動式、回転式、遠心式等の何れの形式の圧縮機にも使用可能である。
【0094】
本発明の冷凍機油組成物を好適に用いることのできる冷凍サイクルの構成としては、代表的には、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器、必要に応じて乾燥器を具備するものが例示される。
【0095】
圧縮機としては、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモーターと、前記回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、前記モータに連結された圧縮機部とを収納し、前記圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器内に滞留する高圧容器方式の圧縮機、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモーターと、前記回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、前記モータに連結された圧縮機部とを収納し、前記圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器外へ直接排出される低圧容器方式の圧縮機、等が例示される。
【0096】
モータ部の電機絶縁システム材料である絶縁フィルムとしては、ガラス転移点50℃以上の結晶性プラスチックフィルム、具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド群から選ばれる少なくとも一種の絶縁フィルム、あるいはガラス転移温度の低いフィルム上にガラス転移温度の高い樹脂層を被覆した複合フィルムが、引っ張り強度特性、電気絶縁特性の劣化現象が生じにくく、好ましく用いられる。また、モータ部に使用されるマグネットワイヤとしては、ガラス転移温度120℃以上のエナメル被覆、例えば、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミド及びポリアミドイミド等の単一層、あるいはガラス転移温度の低い層を下層に、高い層を上層に複合被覆したエナメル被覆を有するものが好ましく用いられる。複合被覆したエナメル線としては、ポリエステルイミドを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/EI)、ポリエステルを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/PE)等が挙げられる。
【0097】
乾燥器に充填する乾燥剤としては、細孔径3.3オングストローム以下、25℃の炭酸ガス分圧250mmHgにおける炭酸ガス吸収容量が、1.0%以下であるケイ酸、アルミン酸アルカリ金属複合塩よりなる合成ゼオライトが好ましく用いられる。具体的には例えば、ユニオン昭和(株)製の商品名XH−9,XH−10,XH−11,XH−600等が挙げられる。
【0098】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるものではない。
【0099】
実施例1〜14及び比較例1〜2
実施例1〜14及び比較例1〜2においては、以下に示す基油及び添加剤を、それぞれ表1〜4に示す配合比となるように混合して試料油を調製した。得られた各試料油の性状(40℃及び100℃における動粘度、全酸価)を表1〜4に示す。
【0100】
(脂環式多価カルボン酸エステル化合物)
実施例1〜14においては、化合物(a)、(b)及び(c)((c−I)及び(c−II)成分)として、下記の化合物を表1〜3に示す配合比で用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を用いた。なお、用いた脂環式多価カルボン酸エステルはいずれも、上記式(A)〜(E)で表される化合物を含有するものであった。各実施例における化合物(A)〜(E)の組成を表1〜3に示す。なお、表1〜3中、E(c−I,c−I)は化合物(E)の2つのR2が共に(c−I)成分由来のアルキル基であるもの、E(c−I,c−II)は化合物(E)の2つのR2のうち一方が(c−I)成分由来のアルキル基であり他方が(c−II)成分由来のアルキル基であるのもの、E(c−II,c−II)は化合物(E)の2つのR2が共に(c−II)成分由来のアルキル基であるもの、をそれぞれ表す。
【0101】
化合物(a)
a−1:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
a−2:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
化合物(b)
b−1:エチレングリコール
b−2:プロピレングリコール
b−3:ジプロピレングリコール
b−4:ブチレングリコール
化合物(c−I)
c−I−1:iso−ブチルアルコール
化合物(c−II)
c−II−1:2−エチルヘキサノール
c−II−2:3,5,5−トリメチルヘキサノール。
【0102】
(その他の基油)
基油1:ペンタエリスリトールと、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(混合比(重量換算):50/50)と、を用いて得られるエステル
基油2:ビニルエチルエーテルとビニルブチルエーテルとの共重合体(平均分子量:900、エチル基とブチル基とのモル比:7/1)
基油3:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸と2−エチルヘキサノールとを用いて得られるエステル
基油4:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸とiso−ブタノールとを用いて得られるエステル。
【0103】
(添加剤)
添加剤1:グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート
添加剤2:シクロヘキセンオキシド
添加剤3:トリクレジルホスフェート。
【0104】
次に、実施例1〜14及び比較例1〜2の各試料油について、以下に示す試験を行った。
【0105】
(冷媒との相溶性試験)
冷媒としてHFC−134a又はR410A(HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混合物)を用いて、JIS−K−2211「冷凍機油」の「冷媒との相溶性試験方法」に準拠して各試料油の冷媒相溶性を評価した。すなわち、冷媒40gに対して各試料油10gを配合し、20℃から−70℃まで徐々に温度を下げ、分離又は白濁した温度を測定した。得られた結果を表1〜4に示す。なお、表1〜4中、「<−70」は−70℃まで温度を下げても分離又は白濁が見られなかったことを表し、「>20」は測定開始温度(20℃)において既に分離又は白濁が見られたことを表す。
【0106】
(絶縁特性試験)
JIS−C−2101「電気絶縁油試験方法」に準拠して、25℃における各試料油の体積抵抗率を測定した。得られた結果を表1〜4に示す。
【0107】
(熱・加水分解安定性試験)
含有水分量を500ppmに調整した試料油90gをオートクレーブに秤取し、HFC134a冷媒10gと触媒(鉄、銅、アルミの各線)を加えて密閉した後、175℃で3週間保持し、試料油の全酸価を測定した。得られた結果を表1〜4に示す。
【0108】
(潤滑性試験)
ASTM D 2670“FALEX WEAR TEST”に準拠して、試料油温度100℃の条件下で、慣らし運転を150lb荷重の下に1分行った後、250lb荷重の下に2時間試験機を運転した。各試料油について試験後のテストジャーナル(ピン)の摩耗量を測定した。得られた結果を表1〜4に示す。
【0109】
【表1】
Figure 0004171575
【0110】
【表2】
Figure 0004171575
【0111】
【表3】
Figure 0004171575
【0112】
【表4】
Figure 0004171575
【0113】
表1〜3に示した結果から明らかなように、本発明の冷凍機油組成物である実施例1〜14の試料油は、HFC冷媒と共に用いた場合に、粘度が高いものであっても冷媒相溶性、電気絶縁性、耐加水分解性、熱安定性及び潤滑性の全ての性能をバランスよく満たすものであることが確認された。また、添加剤としてエポキシ化合物を用いた実施例10〜12の試料油は、より高い熱・加水分解安定性を示し、リン化合物を用いた実施例12の試料油はより高い潤滑性を示した。
【0114】
これに対して、表4に示すように、比較例1の試料油は、実施例1〜14の試料油に比べて低粘度であるにもかかわらず、冷媒相溶性が不十分であった。また、比較例2の試料油は、熱・加水分解安定性が不十分であった。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の冷凍機油組成物によれば、HFC冷媒及び二酸化炭素やハイドロカーボン等の自然系冷媒と共に用いた場合に、潤滑性、冷媒相溶性、熱・加水分解安定性及び電気絶縁性の全てをバランスよく満たすことが可能となる。

Claims (5)

  1. 下記化合物(a)〜(c):
    (a)脂環式環と2個以上のカルボキシル基とを有し、且つ前記カルボキシル基の少なくとも2個が前記脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸又はその誘導体、
    (b)水酸基を2個以上有する化合物又はその誘導体、及び
    (c)水酸基を1個有する化合物又はその誘導体
    を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有することを特徴とする冷凍機油組成物。
  2. 前記化合物(a)が有するカルボキシル基の個数が2であり、且つ前記化合物(b)が有する水酸基の個数が2であることを特徴とする、請求項1に記載の冷凍機油組成物。
  3. 前記化合物(c)が、
    炭素数1〜5の脂肪族1価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の1価アルコール、及び
    炭素数6〜18の脂肪族1価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の1価アルコール
    の混合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の冷凍機油組成物。
  4. リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の冷凍機油組成物。
  5. フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、アリルオキシラン化合物、アルキルオキシラン化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステル及びエポキシ化植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の冷凍機油組成物。
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